JP2020084024A - 成形体および建築部材用ガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下において、強固に形状を維持できる成形体および該成形体を含む建築部材用ガスケットを提供する。【解決手段】成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)とを含有し、曲げ弾性率が50MPa以上1000MPa以下であり、式(1)で求められるXが2.0以上であり、式(2)で求められるYが2.0以下であり、X/Yが1.5以上である成形体。成分(A):エチレン系共重合体成分(B):芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体成分(C):プロピレン系重合体X=dx/4.0 (1)Y=dy/4.0 (2)dxおよびdyは、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片を、電気炉中、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の厚み(mm)である。【選択図】なし

Description

本発明は、成形体および建築部材用ガスケットに関する。
建造物の防火性能を高める目的で、建造物の梁、鉄骨柱、仕切壁、防火扉、および防火シャッターに耐火性材料が使用されている。耐火性材料として膨張黒鉛を含む成形体が知られており、該成形体は、火災時の熱により膨張黒鉛が膨張して発泡体となり、該発泡体が断熱層として機能して延焼を防ぐことができる。膨張黒鉛を含む成形体として、例えば、特許文献1には、エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体と膨張黒鉛を含む成形体が記載されている。
特開2017−160388号公報
近年、より耐火性能を向上させるために、高温下でも強固に形状を維持できる成形体が求められている。
本発明の目的は、高温下において、強固に形状を維持できる成形体および該成形体を含む建築部材用ガスケットを提供することにある。
本発明は、以下を提供する。
[1] 下記成分(A)および下記成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、下記成分(C)とを含有し、曲げ弾性率が50MPa以上1000MPa以下であり、下記式(1)で求められるXが2.0以上であり、下記式(2)で求められるYが2.0以下であり、X/Yが1.5以上である成形体。
成分(A):エチレン系共重合体
成分(B):芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体
成分(C):プロピレン系重合体
X=dx/4.0 (1)
Y=dy/4.0 (2)
dxおよびdyは、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片を、電気炉中、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の厚み(mm)である。dxおよびdyは、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。
dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
[2] さらに下記成分(D)を含有し、
成分(C)の重量に対する、成分(A)及び成分(B)の合計重量の比が0.7以上9.0以下である[1]に記載の成形体。
成分(D):膨張黒鉛
[3] さらに下記成分(E)を含有する[1]または[2]に記載の成形体。
成分(E):難燃剤
[4] 成分(E)がリン酸塩化合物である[3]に記載の成形体。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の成形体を含む建築部材用ガスケット。
本発明によれば、高温下において、強固に形状を維持できる成形体および該成形体を含む建築部材用ガスケットを提供することができる。
(成形体)
本発明に係る成形体は、成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)とを含有し、曲げ弾性率が50MPa以上1000MPa以下であり、式(1)で求められるXが2.0以上であり、式(2)で求められるYが2.0以下であり、X/Yが1.5以上である。
成形体の曲げ弾性率は、50MPa以上1000MPa以下である。本明細書において、成形体の曲げ弾性率は、成形体から切り出された、長さ90mm、幅25mm、厚み2.0mmの試験片をJIS K7203に準拠して曲げ速度1mm/分で測定される。成形体の曲げ弾性率は、好ましくは60MPa以上800MPa以下であり、より好ましくは70MPa以上600MPa以下である。
成分(C)の含有量に対する、成分(A)と成分(B)の合計含有量の重量比((成分(A)+成分(B))/成分(C))を0.7以上9.0以下とすることにより、成形体の曲げ弾性率を50MPa以上1000MPa以下とすることができる。成形体が成分(D)および/または成分(E)を含有する場合は、成分(D)および/または成分(E)の量が多いほど、曲げ弾性率が大きくなる。
Xは、高温下でより強固な成形体を得る観点から、好ましくは2.5以上50.0以下であり、より好ましくは2.5以上30.0以下である成形体である。Yは、成形体の外観の観点から、好ましくは1.3以下であり、より好ましくは1.2以下である。X/Yは、好ましくは1.8以上であり、より好ましくは2.0以上である。
X=dx/4.0 (1)
Y=dy/4.0 (2)
dxおよびdyは、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片を、電気炉中、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の厚み(mm)である。dxおよびdyは、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。
dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
成形体中の成分(D)の含有量を5.0重量%以上とすることにより、Xを2.0以上とし、Yを2.0以下とすることができる。
ASTM D2863に準拠して測定される成形体の酸素指数は、好ましくは25%以上80%以下であり、より好ましくは26%以上60%以下であり、更に好ましくは28%以上50%以下である。成形体の酸素指数は、柔軟性の観点から80%以下が好ましい。
例えば、成形体中の成分(D)の含有量を5.0重量%以上60重量%以下とする、または成分(E)の含有量を5重量%以上50重量%以下とすることにより、酸素指数を25%以上80%以下とすることができる。
成形体中の成分(A)と成分(B)の合計含有量は、成形体の柔軟性、外観、および高温下における形状維持の観点から、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは5重量%以上80重量%以下であり、より好ましくは15重量%以上70重量%以下であり、更に好ましくは25重量%以上60重量%以下である。
成形体中の成分(C)の含有量は、外観、および高温下における形状維持の観点から、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは5重量%以上60重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上50重量%以下であり、更に好ましくは12重量%以上30重量%以下である。
成分(C)の含有量に対する、成分(A)と成分(B)の合計含有量の重量比((成分(A)+成分(B))/成分(C))は、成形体の柔軟性、および高温下における形状維持の観点から、好ましくは0.7以上9.0以下であり、より好ましくは1.0以上5.0以下であり、更に好ましくは1.8以上4.0以下である。
(成分(A))
成分(A)は、エチレン系共重合体である。
本願明細書において、エチレン系共重合体とは、該重合体の全重量100重量%に対して、エチレンに由来する構造単位50重量%以上95重量%以下と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位5重量%以上50重量%以下とを有する共重合体である。
炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンとしては、1−ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンが挙げられる。炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンは、好ましくは、炭素原子数4以上8以下のα−オレフィンである。成分(A)は、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する構造単位を、1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位は、好ましくは、プロピレンに由来する構造単位、1−ブテンに由来する構造単位、または1−オクテンに由来する構造単位である。
成分(A)は、エチレンに由来する構造単位、並びに、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位に加え、他の単量体に由来する構造単位を有していてもよい。該他の単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の炭素原子数4以上8以下の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の炭素原子数5以上15以下の非共役ジエン;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。該他の単量体は、好ましくは、炭素原子数5以上15以下の非共役ジエンであり、より好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、またはジシクロペンタジエンである。成分(A)は、該他の単量体に由来する構造単位を2種以上含んでいてもよい。
成分(A)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量は、50重量%以上95重量%以下であり、好ましくは53重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは55重量%以上75重量%以下である。成分(A)におけるプロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量は、5重量%以上50重量%以下であり、好ましくは10重量%以上47重量%以下であり、より好ましくは25重量%以上45重量%以下である。(但し、成分(A)におけるエチレンに由来する構造単位と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の合計量を100重量%とする。)
成分(A)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量とプロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量の合計は、成分(A)の全重量100重量%に対して、好ましくは90重量%以上であり、より好ましくは95重量%以上である。
成分(A)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量は、赤外分光法により求めることができる。具体的には、赤外分光光度計を用いて、成分(A)の赤外吸収スペクトルを測定し、「赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション (高山、宇佐美 等著)」または「Die Makromolekulare Chemie,177,461(1976)(Mc Rae,M.A.,MadamS,W.F.等著)」に記載の方法に従って、エチレンに由来する構造単位の含有量と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量を算出する。
成分(A)が、炭素原子数5以上15以下の非共役ジエンに由来する構造単位を有する場合、成分(A)の炭素原子数5以上15以下の非共役ジエンに由来する構造単位の含有量は、成分(A)の全重量100重量%に対して、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。非共役ジエンに由来する構造単位の含有量は、赤外分光法により求めることができる。具体的には、赤外分光光度計を用いて、成分(A)の炭素原子数5以上15以下の非共役ジエンに由来するピークのピーク強度を測定し、該ピーク強度から成分(A)中の炭素原子数5以上15以下の非共役ジエンに由来する構造単位の含有量を算出する。
成分(A)としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン−プロピレン−5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体が挙げられる。成形体は、成分(A)を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
成分(A)の121℃で測定されるムーニー粘度(ML1+4,121℃)は、成形体の柔軟性、及び外観の観点から、好ましくは5以上150以下であり、より好ましくは10以上75以下であり、更に好ましくは20以上60以下である。なお、該ムーニー粘度は、ASTM D−1646に従って測定され、(ML1+4,121℃)とは、以下に示す意味である。
M:ムーニー粘度
L:ラージローターを使用
121℃:測定温度
1+4:試料を1分加熱した後、ローターを4分間2rpmで回転させた時の測定値
成分(A)の密度は、成形体の柔軟性、及び外観の観点から、好ましくは0.850g/m以上0.910g/m以下であり、より好ましくは0.855g/m以上0.900g/m以下であり、更に好ましくは0.860g/m以上0.880g/m以下である。密度は、JIS K 6760−1981に規定された方法により、アニール無しで測定される。
成分(A)の分子量分布は、成形体の柔軟性、及び外観の観点から、好ましくは1.5以上3.0以下であり、より好ましくは1.5以上2.5以下であり、更に好ましくは1.5以上2.3以下である。
分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn)である。
成分(A)の製造方法としては、重合触媒の存在下、エチレンと、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種とを共重合する方法が挙げられる。重合触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒;メタロセン錯体や非メタロセン錯体等の錯体系触媒が挙げられる。重合方法としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法が挙げられる。
(成分(B))
成分(B)は、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体である。
成分(B)としては、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体、芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニル共重合体、及びこれらの水素添加物が挙げられる。成形体は、成分(B)を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
成分(B)における芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンが挙げられ、スチレンが好ましい。
成分(B)における共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエンが挙げられ、ブタジエンまたはイソプレンが好ましい。
成分(B)における芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量は、成分(B)の全重量100重量%に対して、成形体の柔軟性、及び外観の観点から、好ましくは10重量%以上50重量%以下であり、より好ましくは15重量%以上45重量%以下であり、更に好ましくは、20重量%以上40重量%以下である。
なお、芳香族ビニル化合物に由来する構造単位の含有量は、H−NMR測定により求めることができる。
共役ジエン化合物に由来する構造単位に含まれる共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有量は、成分(B)の全重量100重量%に対して、成形体の柔軟性、及び外観の観点から、好ましくは50重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは55重量%以上85重量%以下であり、更に好ましくは、80重量%以上60重量%以下である。共役ジエン化合物に由来する構造単位の含有量は、H−NMR測定により求めることができる。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の水素添加物、及び芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニル共重合体の水素添加物の水素添加率は、成形体の柔軟性、及び外観の観点から、水素添加前の共重合体における共役ジエン化合物に由来する構造単位の二重結合の数100%に対して、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。
成分(B)は、芳香族ビニル−共役ジエン−芳香族ビニル重合体の水素添加物が好ましい。
成分(B)の製造方法としては、特公昭40−23798号公報に記載された方法が挙げられる。また、成分(B)を水素添加する方法としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭60−79005号公報に記載された方法が挙げられる。市販の成分(B)としては、クレイトンポリマー製「KRATON(登録商標)−G」、株式会社クラレ製「セプトン(登録商標)」、旭化成株式会社製「タフテック(登録商標)」が挙げられる。
(成分(C))
成分(C)は、プロピレン系重合体である。
本願明細書において、プロピレン系重合体とは、該重合体の全重量100重量%に対して、プロピレンに由来する構造単位を50重量%より多く100重量%以下含有する重合体である。
成分(C)としては、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレン重合材料が挙げられる。成形体は、成分(C)を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
プロピレンランダム共重合体として、
(1)プロピレンに由来する構造単位の含有量が90重量%以上99.5重量%以下であり、エチレンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上10重量%以下であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する構造単位とエチレンに由来する構造単位の合計量を100重量%とする。);
(2)プロピレンに由来する構造単位の含有量が81重量%以上99重量%以下であり、エチレンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上9.5重量%以下であり、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上9.5重量%以下であるプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する構造単位とエチレンに由来する構造単位と炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する構造単位との合計量を100重量%とする);または
(3)プロピレンに由来する構造単位の含有量が90重量%以上99.5重量%以下であり、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する構造単位の含有量が0.5重量%以上10重量%以下であるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(但し、プロピレンに由来する構造単位と、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する構造単位との合計量を100重量%とする)が挙げられる。
上記(1)、および(2)における炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等の直鎖状α−オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン等の分岐状α−オレフィンが挙げられる。プロピレンランダム共重合体は、炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンに由来する構造単位を、1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
プロピレン単独重合体、およびプロピレンランダム共重合体の製造方法としては、重合触媒の存在下、プロピレンを含むモノマーを重合する方法が挙げられる。重合触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒;メタロセン錯体や非メタロセン錯体等の錯体系触媒が挙げられる。重合方法としては、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法が挙げられる。
プロピレン重合材料は、プロピレン単独重合体成分(I)と、プロピレンおよび炭素原子数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、エチレンに由来する構造単位とを有するエチレン系共重合体成分(II)とからなる重合材料である。プロピレン重合材料の全重量100重量%に対して、プロピレン単独重合体成分(I)の含有量は、好ましくは70重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは、75重量%以上90重量%以下である。プロピレン重合材料の全重量100重量%に対して、エチレン系共重合体成分(II)の含有量は、好ましくは10重量%以上30重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上25重量%以下である。
エチレン系共重合体成分(II)における炭素原子数4以上のα−オレフィンとしては、、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテンが挙げられる。炭素原子数4以上のα−オレフィンは、好ましくは炭素原子数4以上20以下のα−オレフィンであり、より好ましくは炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンであり、更に好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテンである。エチレン系共重合体成分(II)は、炭素原子数4以上のα−オレフィンに由来する構造単位を、1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
エチレン系共重合体成分(II)におけるエチレンに由来する構造単位の含有量は、成形体の柔軟性、外観の観点から、好ましくは22重量%以上80重量%以下であり、より好ましくは25重量%以上70重量%以下であり、更に好ましくは27重量%以上60重量%以下である。エチレン系共重合体成分(II)におけるプロピレンおよび炭素原子数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量は、成形体の柔軟性、外観の観点から、好ましくは20重量%以上78重量%以下であり、より好ましくは30重量%以上75重量%以下であり、更に好ましくは40重量%以上73重量%以下である(但し、プロピレンおよび炭素原子数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、エチレンに由来する構造単位の合計量を100重量%とする)。エチレンに由来する構造単位の含有量と、プロピレンおよび炭素原子数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量は、赤外分光法により求めることができる。具体的には、赤外分光光度計を用いて、エチレン系共重合体成分(II)の赤外吸収スペクトルを測定し、「赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション (高山、宇佐美 等著)」または「Die Makromolekulare Chemie,177,461(1976)(Mc Rae,M.A.,MadamS,W.F.等著)」に記載の方法に従って、エチレンに由来する単位の含有量と、プロピレンおよび炭素原子数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位の含有量を算出する。
エチレン系共重合体成分(II)としては、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン共重合体が挙げられる。エチレン系共重合体成分(II)は、プロピレン−エチレン共重合体またはプロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体が好ましい。エチレン系共重合体成分(II)はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
プロピレン重合材料の、20℃のキシレン可溶部(CXS部)の固有粘度([ηcxs])は、成形体の柔軟性、外観の観点から、好ましくは1.5dl/g以上8.0dl/g以下であり、より好ましくは2.0dl/g以上7.0dl/g以下であり、更に好ましくは2.2dl/g以上7.0dl/g以下である。また、20℃のキシレン不溶部(CXIS部)の固有粘度([ηcxis])に対する[ηcxs]の比は、1.5以上12以下が好ましい。固有粘度は、ウベローデ型粘度計を用いて、135℃のテトラリン中で還元粘度を測定し、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法に従って外挿法によって求められる値である。
ここで、CXS部とCXIS部は、次の方法によって得られる。プロピレン重合材料を沸騰キシレンに完全に溶解した後、キシレン溶液を室温まで徐冷し、20℃で4時間以上放置し、析出物と溶液とをろ別する。析出物がCXIS部であり、溶液から溶媒を除去して得られた物がCXS部である。
プロピレン重合材料の製造方法としては、重合触媒の存在下、プロピレンを含むモノマーを多段重合する方法が挙げられる。第1の重合工程で、重合触媒の存在下、プロピレンを単独重合してプロピレン単独重合体成分(I)を製造し、第2の重合工程で、プロピレン単独重合体成分(I)の存在下、プロピレンと、炭素原子数4以上のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種とを共重合してプロピレン重合材料を製造する方法が挙げられる。
プロピレン重合材料の製造に使用する重合触媒としては、チーグラー触媒、チーグラー・ナッタ触媒、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物、および有機アルミニウム化合物からなる触媒が挙げられる。
また、上記の重合触媒の存在下、プロピレンを含むモノマーを予備重合して得られる予備重合触媒を用いてもよい。予備重合触媒としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平5−194685号公報、特開平7−216017号公報、特開平9−316147号公報、特開平10−212319号公報、特開2004−182981号公報に記載の触媒が挙げられる。
プロピレン重合材料の製造における重合方法としては、バルク重合、溶液重合、スラリー重合、気相重合が挙げられる。溶液重合、およびスラリー重合で用いる不活性炭化水素溶媒としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンが挙げられる。これらの重合方法は、2つ以上組み合わせてもよく、バッチ式または連続式のいずれであってもよい。プロピレン重合材料の製造における重合方法としては、連続式の気相重合、バルク重合と気相重合を連続で行うバルク−気相重合が好ましい。
JIS K7210に準拠して、230℃、荷重21.18Nで測定した成分(C)のメルトフローレートは、成形体の柔軟性、外観の観点から、好ましくは0.1g/10分以上300g/10分以下であり、より好ましくは10g/10分以上80g/10分以下であり、更に好ましくは20g/10分以上70g/10分以下である。以下、メルトフローレートを「MFR」と記載する。
成分(C)の13C−NMRによって測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は0.95以上であることが好ましく、0.98以上であることがより好ましい。
ここで、アイソタクチック・ペンタッド分率とは、成分(C)の分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率であり、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖(以下、mmmmと表す。)の中にあるプロピレンモノマー単位の分率である。アイソタクチック・ペンタッド分率の測定方法は、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRによって測定される方法である。
具体的には、13C−NMRスペクトルによって測定されるメチル炭素に帰属される吸収ピークの面積に対する、mmmmに帰属される吸収ピークの面積の割合が、アイソタクチック・ペンタッド分率である。
成分(C)の融解温度は、好ましくは100℃以上である。成分(C)がプロピレン単独重合体またはプロピレン重合材料である場合、成分(C)の融解温度は、より好ましくは155℃以上であり、更に好ましくは160℃以上である。成分(C)がプロピレンランダム共重合体である場合、成分(C)の融解温度は、より好ましくは130℃以上であり、更に好ましくは135℃以上である。また、成分(C)の融解温度は、好ましくは175℃以下である。融解温度は、示差走査熱量計により測定される昇温操作時の示差走査熱量曲線において、ピーク温度が最も大きい吸熱ピークのピーク温度である。示差走査熱量計による示差走査熱量曲線の測定条件は、次のとおりである。
<測定条件>
降温操作:成分(C)を220℃で融解させ、次いで、220℃から−90℃まで5℃/分の降温速度で降温する。
昇温操作:220℃から−90℃まで降温した後、直ちに−90℃から200℃まで5℃/分で昇温する。
(成分(D))
成形体は、好ましくは成分(D)を含有する。成分(D)は膨張黒鉛である。膨張黒鉛は、加熱時に膨張する特性を有する黒鉛であって、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。成分(D)は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、酸処理して得られた膨張黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等でさらに中和してもよい。
高温下における形状維持の観点から、成分(D)の粒径は100μm以上が好ましく、250μm以上がより好ましい。膨張黒鉛の粒子径の1500μm以下が好ましく、1000μm以下がより好ましい。
市販の成分(D)としては、エア・ウォーター株式会社製「CA−60」(膨張開始温度200〜220℃)、エア・ウォーター株式会社製「MZ−260」(膨張開始温度260〜285℃)が挙げられる。
成形体中の成分(D)の含有量は、成形体の柔軟性、および高温下における形状維持の観点から、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは5.0重量%以上60重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上50重量%以下であり、更に好ましくは15重量%以上40重量%以下である。
(成分(E))
成形体は、成分(E)を含有してもよい。成分(E)は難燃剤である。
成分(E)としては、リン系難燃剤、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、ハロゲン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、メラミンシアヌレートが挙げられる。成形体は、成分(E)を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
リン酸塩化合物としては、リン酸塩、ポリリン酸塩が挙げられる。成形体は、リン酸塩化合物を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
リン酸塩としては、オルトリン酸メラミン塩、オルトリン酸ピペラジン塩、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ピペラジン塩、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムが挙げられる。
ポリリン酸塩としては、ポリリン酸アンモニウム塩、ポリリン酸ピペラジン塩、ポリリン酸メラミン塩が挙げられる。
成形体は、リン酸塩化合物を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。リン酸塩化合物は、ピロリン酸メラミン塩、ピロリン酸ピペラジン塩、またはポリリン酸アンモニウム塩が好ましく、成形体は、好ましくはピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩の両方を含む。成形体が、ピロリン酸ピペラジン塩とピロリン酸メラミン塩とを含有する場合、ピロリン酸ピペラジン塩含有量に対するピロリン酸メラミン塩含有量の重量比(ピロリン酸メラミン塩/ピロリン酸ピペラジン塩)は、好ましくは0.25以上1.0以下である。
上記リン酸塩およびポリリン酸塩の例示における「メラミン」または「ピペラジン」を、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジアミノへプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9ージアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、trans−2,5−ジメチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、アクリルグアナミン、2,4−ジアミノ−6−ノニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−エトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−プロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、アンメリン、フタロジグアナミン、メラミンシアヌレート、ピロリン酸メラミン、ブチレンジグアナミン、ノルボルネンジグアナミン、メチレンジグアナミン、エチレンジメラミン、トリメチレンジメラミン、テトラメチレンジメラミン、ヘキサメチレンジメラミン、1,3−ヘキシレンジメランミンに置き換えた名称の化合物も使用することができる。
市販のリン酸塩化合物としては、株式会社ADEKA製「アデカスタブ FP-2100J」、クラリアントジャパン株式会社製「EXOLIT AP422」、「EXOLIT AP462」が挙げられる。
成分(E)は好ましくは、リン系難燃剤であり、より好ましくはリン酸塩化合物である。
成形体中の成分(E)の含有量は、成形体の難燃性、柔軟性、および高温下における形状維持の観点から、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは5重量%以上50重量%以下であり、より好ましくは10重量%以上40重量%以下であり、更に好ましくは15重量%以上30重量%以下である。
(難燃助剤)
成形体は更に難燃助剤を含有してもよい。難燃助剤としては、リン酸エステル、金属酸化物、多価水酸基含有化合物が挙げられる。
リン酸エステルとしては、芳香族リン酸エステル、脂肪族リン酸エステル、該芳香族リン酸エステルと該脂肪族リン酸エステルから得られるオリゴマーまたはポリマーが挙げられる。
脂肪族リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(2−エチルヘキシル)、リン酸トリブトキシエチル、リン酸モノイソデシル、およびリン酸2-アクリロイルオキシエチル酸が挙げられる。
芳香族リン酸エステルとしては、リン酸トリキシレニル、リン酸トリス(フェニルフェニル)、リン酸トリナフチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸キシレニルジフェニル、リン酸ジフェニル−2−メタクリロリルオキシエチル、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジクレジルホスフェート)、ヒドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)1,3−フェニレンビスホスフェートが挙げられる。
成形体は、リン酸エステルを1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。市販のリン酸エステルとしては、株式会社ADEKA製「アデカスタブ FP‐600」、「アデカスタブ FP‐800」が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マンガン(MnO、MnO)、酸化鉄(FeO、Fe、Fe)、酸化銅、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化アルミニウム、アルミン酸カルシウムが挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、または酸化カルシウムが好ましく、酸化亜鉛がより好ましい。
金属酸化物は表面処理されていてもよい。市販の酸化亜鉛としては、正同化学工業株式会社製2種酸化亜鉛、三井金属鉱業株式会社製の酸化亜鉛1種、三井金属鉱業株式会社製の部分被膜型酸化亜鉛、ナノファイン50(平均粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業株式会社製)、ナノファインK(平均粒径0.02μmの珪酸亜鉛被膜した超微粒子酸化亜鉛:堺化学工業株式会社製)が挙げられる。
多価水酸基含有化合物とは、水酸基を2つ以上有する化合物である。多価水酸基含有化合物としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、縮合度が4以上であるポリペンタエリスリトール)、トリスヒドロキシエチルイソシアネート 、ポリエチレングリコール、グリセリン、デンプン、ブドウ糖、セルロース、ソルビトールが挙げられる。多価水酸基含有化合物としては、低水溶性、および低吸湿性であるため、多価アルコール化合物が好ましく、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、またはポリペンタエリスリトールがより好ましく、ペンタエリスリトールが更に好ましい。
成形体中の難燃助剤の含有量は、成形体の難燃性、柔軟性、および高温下における形状維持の観点から、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは0.01重量%以上15重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上10重量%以下である。
成形体は、更に、その他の添加剤やその他の樹脂を含有してもよい。
その他の添加剤としては、鉱物油、架橋剤、フィラー、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、有機フィラー、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤、造核剤、顔料、吸着剤、金属塩化物、滑剤、シリコーン化合物が挙げられる。
鉱物油としては、アロマ系鉱物油、ナフテン系鉱物油、パラフィン系鉱物油等の石油の高沸点留分を挙げることができる。高沸点留分は、平均分子量が300以上1500以下であり、流動点が0℃以下の化合物である。鉱物油は、パラフィン系鉱物油が好ましい。
鉱物油は、成分(A)の伸展油として配合してもよい。鉱物油を成分(A)の伸展油として配合する方法としては、
成分(A)と鉱物油を機械的に混練する方法;
成分(A)の溶液に所定量の鉱物油を添加して混合液を得た後、該混合液から脱溶媒する方法;
ラテックス状態のゴムにオイルを直接添加して撹拌した後、該ゴムを凝固させる方法が挙げられる。
混練装置としては、ロール、バンバリーミキサーが挙げられる。
混合液から脱溶媒する方法としては、スプレードライ法、スチームストリッピング法、二酸化炭素を用いる超臨界乾燥法が挙げられる。
成形体中の鉱物油の含有量は、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは60重量%以下であり、より好ましくは45重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。
成分(A)の含有量に対する鉱物油の含有量の重量比(鉱物油/成分(A))は、好ましくは0.01以上2以下であり、より好ましくは0.05以上1.7以下であり、更に好ましくは0.1以上1.5以下である。
架橋剤としては、有機過酸化物、硫黄化合物、アルキルフェノール樹脂が挙げられ、有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類が挙げられる。
有機過酸化物としては、より具体的には、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパ−オキサイド、ジイソプロピルベンゾハイドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイドが挙げられる。成形体は、有機過酸化物を1種含んでもよく、2種以上含んでもよい。
成形体は、架橋剤と共に架橋助剤を含んでもよい。好ましい架橋助剤は、2つ以上の二重結合を有する化合物である。架橋助剤として、N,N−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン等のパーオキサイド架橋助剤; ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートが挙げられ、トリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
成形体中の架橋剤の含有量は、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。
成形体が架橋剤と架橋助剤とを含む場合、架橋助剤の含有量は、成形体の全重量100重量%に対して、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。
無機フィラーとしては、タルク、炭酸カルシウム、焼成カオリンが挙げられる。
有機フィラーとしては、繊維、木粉、セルロースパウダーが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、燐系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、ビタミン系酸化防止剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリジアミン系紫外線吸収剤、アニリド系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾエート系光安定剤が挙げられる。
金属塩化物としては、塩化鉄、塩化カルシウムが挙げられる。
滑剤としては、脂肪酸、高級アルコール、脂肪族アミド、脂肪族エステルが挙げられる。
その他の樹脂としては、アルキル基を有するノボラック型のフェノール樹脂、エチレンに由来する構造単位が95重量%を超え100重量%以下含有するエチレン樹脂(但し、エチレン樹脂の全重量を100重量%とする。)、炭素原子数4以上のα−オレフィンに由来する構造単位50重量%以上含有するα−オレフィン重合体、カルボン酸エステルに由来する構造単位を10重量%より多く含有するエチレン−カルボン酸エステル共重合体、ハロゲン化ビニル重合体、エステル樹脂、アミド樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、カーボネート樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。
アルキル基を有するノボラック型のフェノール樹脂として、日立化成株式会社製「ヒタノール(登録商標)1501」、田岡化学工業株式会社製「タッキロール(登録商標)101」、荒川化学工業株式会社製「タマノル(登録商標)7508」等の市販品を用いてもよい。
エチレンに由来する構造単位を、95重量%を超え100重量%以下含有するエチレン樹脂(但し、エチレン樹脂の全重量を100重量%とする。)としては、エチレン単独重合体、エチレンに由来する構造単位と、プロピレンおよび炭素原子数4以上10以下のα−オレフィンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位を有する共重合体を挙げることができる。
α−オレフィン重合体としては、ポリブテン−1、ポリ−3−メチルペンテンが挙げられる。
エチレン−カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸メチル共重合体が挙げられる。
ハロゲン化ビニル重合体としては、塩化ビニル重合体、塩化ビニリデン重合体、フッ化ビニリデン重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン系共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体が挙げられる。
エステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサン、ポリ(2−オキセタノン)が挙げられる。
アミド樹脂としては、ポリフェニレンオキサイド、ポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミドが挙げられる。
アクリル樹脂としては、メタクリル酸メチル重合体、アクリル酸メチル重合体が挙げられる。
スチレン樹脂としては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、MBS樹脂が挙げられる。
(成形体の製造方法)
成形体は、成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)とを含有する組成物を成形することにより得られる。
成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)とを含有する組成物の製造方法としては、成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、成分(C)と、必要に応じて、成分(D)、成分(E)、難燃助剤、その他の添加剤、およびその他の樹脂を溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練装置としては、開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサーが挙げられ、非開放型の装置が好ましい。また、混練する全成分を一括して溶融混練してもよく、一部の成分を混練した後に残りの成分を加えて溶融混練してもよく、1回または2回以上溶融混練してもよい。溶融混練時の温度は、120℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上200℃以下がより好ましく、時間は、20秒間以上30分間以下が好ましく、40秒間以上15分間以下がより好ましい。混練する成分は、任意の順序で添加してよく、同時に添加してもよい。
成分(D)、成分(E)、難燃助剤、その他の添加剤、およびその他の樹脂は、溶融混練前に成分(A)または成分(B)と成分(C)とに予め配合しておいてもよく、成分(A)または成分(B)と成分(C)を溶融混練した後、あるいは溶融混練する途中で添加してもよい。
成形体が成分(D)を含有する場合、原料として、成分(D)と熱可塑性樹脂とを含有する膨張黒鉛マスターバッチを使用してもよい。膨張黒鉛マスターバッチの製造方法としては、特に限定されないが、前記溶融混練装置を使用して成分(D)と熱可塑性樹脂とを溶融混練する方法が挙げられる。マスターバッチ製造時の溶融混練温度は、通常80℃以上300℃以下であり、好ましくは100℃以上250℃以下であり、更に好ましくは120℃以上200℃以下である。
上記マスターバッチに含有される熱可塑性樹脂は特に限定されないが、上記成分(C)、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリブテン、ポリ−3−メチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
上記マスターバッチに含有される成分(D)の含有量は、マスターバッチの全重量100重量部に対して、通常10重量部以上95重量部以下であり、好ましくは30重量部以上90重量部以下であり、より好ましくは40重量部以上85重量部以下である。
組成物の製造時に、架橋剤を添加する場合、組成物の製造方法としては、成分(A)および成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と成分(C)とを、架橋剤の存在下で溶融混練して組成物を製造する工程を有する方法が好ましい。
成形体を構成する組成物のMFRは、好ましくは5g/10分以上1000g/10分以下であり、より好ましくは10g/10分以上100g/10分以下である。組成物のMFRは、JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷重98.07Nの条件で測定される。組成物のMFRは、成形体の外観の観点から好ましくは5g/10分以上であり、成形性の観点から好ましくは1000g/10分以下である。
上記組成物を目的とする各種製品形状に成形することにより、成形体が得られる。成形方法としては、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法、真空成形法、粉末成形法、カレンダー成形法が挙げられる。溶融混練して成形する場合、成形時の樹脂温度は通常150℃以上260℃以下の範囲内であり、好ましくは160℃以上240℃以下の範囲内であり、より好ましくは180℃以上230℃以下の範囲内である。
成形体は、自動車内装部品、自動車外装部品、鉄道車両部品、電機部品、家電部品、包装部材、農業用資材、建築部材、電線被覆材、電子部品に用いることができる。
成形体を含む建築部材としては、建築部材用ガスケットが挙げられる。より具体的には、防火扉のガスケット、防火シャッターのガスケットが挙げられる。
電線被覆材が被覆する電線としては、絶縁電線、ツイストペアケーブル、フラットケーブル、同軸ケーブルが挙げられる。成形体は、これらの電線の被覆材として用いることができる。
成形体を含む電子部品してとしては、電子部品カバーおよび電子部品用ガスケットが挙げられる。電子部品としては、コネクター、コンデンサー、インクカートリッジ、家電ハウジング、ECUケース、スイッチ、インバータ部品、電子基板が挙げられる。
(1)ムーニー粘度(ML1+4,121℃)
ASTM D−1646に従って測定を行った。
(2)エチレンに由来する構造単位、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有量(単位:重量%)
赤外分光法により測定を行った。
具体的には、成分(A)を厚み約0.5mmのフィルムに成形し、ついで赤外分光光度計を用いて、該フィルムの5−エチリデン−2−ノルボルネン由来のピーク(1688cm-1の吸収ピーク)強度を測定して、共重合体中の5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来する構造単位の含有量を算出した。
次いで、新たに成分(A)を厚み約0.1mmのフィルムに成形し、赤外分光光度計を用いて、該フィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、文献(赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション 高山、宇佐美 等著)に記載の方法に従って、エチレンに由来する構造単位の含有量を算出した。
(3)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
組成物のMFRは、JIS K7210に従って、温度230℃、荷重98.07Nの条件で測定を行った。
(4)曲げ弾性率
成形体から、長さ90mm、幅25mm、厚み2.0mmの試験片を切り出した。JIS K7203に従い、曲げ速度1mm/分で、前記試験片の曲げ弾性率を測定した。なお、曲げ弾性率が40MPa以下となった場合、成形体は曲げ弾性率測定時に自重で下方にたわんでおり、得られた測定値は正確な値とはいえないため、「測定不可」と記載した。
(5)X及びY
(X):成形体から、長さ40mm、幅6.5mm、厚み4.0mmの試験片を切り出した。試験片を電気炉に供給し、400℃で30分間加熱した後、試験片の厚みdxを測定し、式(1)によりXを算出した。
X=dx/4.0 (1)
dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dxは、400℃、30分間加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。厚みは定規で測定した。
(Y):成形体から、長さ40mm、幅6.5mm、厚み4.0mmの試験片を切り出した。試験片を電気炉に供給し、200℃で30分間加熱した後、試験片の厚みdyを測定し、式(2)によりYを算出した。
Y=dy/4.0 (2)
dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
dyは、200℃、30分間加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。厚みは定規で測定した。
(6)重量変化Wx
成形体から、長さ40mm、幅6.5mm、厚み4.0mmの試験片を切り出し、重量を測定した。試験片を電気炉に供給し、400℃で30分間加熱した後、試験片の重量を測定し、下式(3)によりWxを算出した。Wxが大きい成形体は、高温下でも強固に形状を維持できる成形体である。
Wx(%)=100W/W (3)
は、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片の重量(g)であり、Wは、前記試験片を電気炉中、400℃、30分間加熱後の試験片の重量(g)である。
(7)400℃加熱後の試験片の荷重負荷試験
上記(6)で得られた加熱後の試験片を島津製卓上形精密万能試験機AGS−500Dを用いて耐荷重を測定した。速度10mm/分で試験片に500gfの荷重をかけ、10mm沈み込んだ際の耐荷重(gf)を測定した。
(8)折り曲げ試験
成形体から、長さ150mm、幅10.0mm、厚み4.0mmの試験片を切り出し、前記試験片を90度折り曲げ、試験片の状態を評価した。試験片に亀裂が入らなかったものを評価「○」、試験片に亀裂が入ったが割れなかったものを評価「△」、試験片が割れたものを評価「×」とした。
(9)難燃性試験
成形体から、長さ150mm、幅10.0mm、厚み4.0mmの試験片を切り出した。JIS K7201‐2に従い、前記試験片の酸素指数を測定した。
実施例に使用した材料は、以下のとおりである。
成分(A)エチレン系共重合体
(A−1)ダウケミカル製 商品名「Engage(登録商標) 7467」
(エチレン−1−ブテン共重合体、エチレンに由来する構造単位の含有量=69重量%、ムーニー粘度(ML1+4,121℃)=19)
油展エチレン系共重合体(成分(A)と鉱物油の混合物)
(A−2+鉱物油)(A−2)エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体100重量部にパラフィン系鉱物油(出光興産株式会社製 商品名「PW−380」)100重量部を添加したもの、エチレンに由来する構造単位の含有量=66重量%、プロピレンに由来する構造単位の含有量=30重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位の含有量=4重量%、ムーニー粘度(ML1+4,121℃)=38)
成分(B)芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位を有する共重合体
(B−1)クレイトンポリマージャパン株式会社製 商品名「クレイトン(登録商標) G1651HU」
成分(C)プロピレン系重合体
(C−1)プロピレン単独重合体 住友化学株式会社製 商品名「ノーブレン(登録商標) H501N」
成分(D)膨張黒鉛
(D−1)エア・ウォーター株式会社製 商品名「MZ−260」(膨張開始温度260〜285℃、PH6.0〜8.0)
成分(E)難燃剤
(E−1)株式会社ADEKA製 商品名「アデカスタブ(登録商標) FP‐2100J」
リン酸エステル:株式会社ADEKA製 商品名「アデカスタブ(登録商標) FP‐600」(フェノール、4,4’−(プロパン−2,2−ジイル)ジフェノール、およびトリクロロホスフィン=オキシドの反応生成物)
多価水酸基含有化合物:広栄化学株式会社製 商品名「ペンタリット(登録商標)」(ペンタエリスリトール)
架橋剤:化薬アクゾ株式会社製 商品名「APO−10DL」(2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンをパラフィン系鉱物油で10%に希釈したもの)
架橋助剤:精工化学株式会社製 商品名「ハイクロスM―P」(トリメチロールプロパントリメタクリレート)
酸化防止剤:BASFジャパン株式会社製 商品名「イルガノックス1010(登録商標)」
発泡剤:松本油脂製薬株式会社 商品名「MBF−260EVA50」(膨張性マイクロカプセルをエチレン−酢酸ビニル共重合体で50%に希釈したもの)
[実施例1]
成分(A−1)46.0重量%と、成分(C−1)20.6重量%と、成分(D−1)33.3重量%と、酸化防止剤0.1重量%とを、インテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製5L−D型)を用いて10分間溶融混練し、更に単軸押出機(VS30−28型ベント)にて造粒を行い、ペレット状の組成物を得た。
得られた組成物を180℃で5分間プレス成形し、長さ150mm、幅150mm、厚み2.0mmの成形体および、長さ150mm、幅150mm、厚み4.0mmの成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
[実施例2、3]
表1に示す成分、および含有量で、実施例1と同様に組成物を得た。得られた組成物を実施例1と同様の方法でプレス成形して、成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
[実施例4]
油展エチレン系共重合体(A−2/鉱物油)52.4重量%、成分(C−1)13.2重量%、酸化防止剤0.1重量%、架橋助剤0.1重量%、及び架橋剤0.9重量%をインテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製5L−D型)を用いて10分間溶融混練し、更に単軸押出機(VS30−28型ベント)にて造粒を行い、ペレット状の組成物前駆体を得た。次に、組成物前駆体66.7重量%と、成分(D−1)33.3重量部とをインテンシブミキサー(日本ロール製造株式会社製5L−D型)を用いて10分間溶融混練し、更に単軸押出機(VS30−28型ベント)にて造粒を行い、ペレット状の組成物を得た。
得られた組成物を実施例1と同様の方法でプレス成形をして、成形体を得た。成形体の物性測定結果を表1に示す。
[比較例1〜8]
表2または表3に示す成分、および含有量で、実施例1と同様に組成物を得た。得られた組成物を実施例1と同様の方法でプレス成形をして、成形体を得た。成形体の物性測定結果を表2及び表3に示す。
Figure 2020084024

Figure 2020084024

Figure 2020084024

Claims (5)

  1. 下記成分(A)および下記成分(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、下記成分(C)とを含有し、
    曲げ弾性率が50MPa以上1000MPa以下であり、
    下記式(1)で求められるXが2.0以上であり、下記式(2)で求められるYが2.0以下であり、X/Yが1.5以上である成形体。
    成分(A):エチレン系共重合体
    成分(B):芳香族ビニル化合物に由来する構造単位と、共役ジエン化合物に由来する構造単位とを有する共重合体
    成分(C):プロピレン系重合体
    X=dx/4.0 (1)
    Y=dy/4.0 (2)
    dxおよびdyは、成形体から切り出された、長さ40mm×幅6.5mm×厚み4.0mmの試験片を、電気炉中、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の厚み(mm)である。dxおよびdyは、それぞれ下記条件で加熱後の試験片の長さ方向において、一方の端部から10mmの位置、20mmの位置、および30mmの位置で測定された厚みの平均値である。
    dx:400℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
    dy:200℃、30分間加熱後の試験片の厚み(mm)
  2. さらに下記成分(D)を含有し、
    成分(C)の重量に対する、成分(A)及び成分(B)の合計重量の比が0.7以上9.0以下である請求項1に記載の成形体。
    成分(D):膨張黒鉛
  3. さらに下記成分(E)を含有する請求項1または2に記載の成形体。
    成分(E):難燃剤
  4. 成分(E)がリン酸塩化合物である請求項3に記載の成形体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形体を含む建築部材用ガスケット。
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