JPH09157428A - 難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡体

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JPH09157428A
JPH09157428A JP31397595A JP31397595A JPH09157428A JP H09157428 A JPH09157428 A JP H09157428A JP 31397595 A JP31397595 A JP 31397595A JP 31397595 A JP31397595 A JP 31397595A JP H09157428 A JPH09157428 A JP H09157428A
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JP
Japan
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temperature
resin
weight
parts
foaming agent
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Application number
JP31397595A
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English (en)
Inventor
Kenji Iuchi
謙治 居内
Masaki Tono
正樹 戸野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ハロゲン系の難燃剤を使用せずに優れた難燃性
を付与することができ、均一な気泡と優れた外観を有す
る難燃性のポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。 【解決手段】重合触媒として四価の遷移金属を含むメタ
ロセン化合物を用いて得られるポリエチレン系樹脂を含
む樹脂成分、水和金属化合物、赤リンとポリリン酸アン
モニウムとの混合物ならびに発泡剤からなる樹脂組成物
が架橋させられた後、該発泡剤の分解温度以上に加熱さ
れて発泡させられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性ポリオレフ
ィン系樹脂発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリオレフィン系樹脂を用い
て得られる樹脂発泡体は、断熱性に優れており、建築材
料、自動車等の輸送機器、包装材料、家庭用日用品をは
じめとして、その他広範囲の用途に使用されている。し
かし、ポリオレフィン系樹脂は、本来、燃焼し易いもの
が多く、近年用途の拡大に伴い難燃材料としての性能が
要求され、各種の方法で難燃化処理が施されている。
【0003】ポリオレフィン系樹脂を難燃化する方法と
しては、一般的にハロゲン含有化合物を添加する方法が
用いられている。しかし、このような方法は、成形加工
性や成形体の機械的強度の低下を比較的少なくして、高
度の難燃性を付与することが可能であるが、成形加工時
や燃焼時に煙を発生することがあるため、機器を腐食す
る恐れがあり、除害設備を必要とすることがあった。そ
のため、最近では、ハロゲンを含有しないノンハロゲン
化合物による難燃性付与が強く要望されている。
【0004】このような状況の中で、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等
の、燃焼時に有毒ガスを発生しない水和金属酸化物の添
加により樹脂に難燃性を付与する研究が盛んになされる
ようになった。しかしながら、これらの水和金属酸化物
のみの添加で易燃性であるポリオレフィン系樹脂に十分
な難燃性を付与するためには、多量の水和金属酸化物を
添加する必要があり、その結果、成形体の伸び等の諸物
性が低下すると共に発泡性にも悪影響を及ぼし、微細な
独立気泡構造を有する柔軟な発泡体を得ることは困難で
あった。
【0005】ノンハロゲン化合物により難燃性を付与す
る方法として、例えば、特公平5−50536号公報で
は、ポリオレフィン系樹脂の難燃化に用いられる縮合リ
ン酸化合物とトリアジン化合物とを組み合わせた難燃剤
が開示されている。しかしながら、この方法では、酸素
指数30以上の難燃性を達成するために、大量の難燃剤
を添加する必要があり、物性の低下を招く恐れがある。
【0006】また、例えば、特開昭60−152542
号公報では、ポリオレフィン樹脂に対して、ポリリン酸
アンモニウムとトリフェニルアンチモンを同時に添加し
て難燃化する方法が提案されているが、所定の難燃性を
達成するためには、大量の添加が必要であり、やはり物
性の低下を招く恐れがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の問題点を解決し、その目的は、ハロゲン系の難燃剤を
使用せずに優れた難燃性を付与することができ、均一な
気泡と優れた外観を有する難燃性ポリオレフィン系樹脂
発泡体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の難燃性ポリオレ
フィン系樹脂発泡体は、重合触媒として四価の遷移金属
を含むメタロセン化合物を用いて得られるポリエチレン
系樹脂を含む樹脂成分、水和金属化合物、赤リンとポリ
リン酸アンモニウムとの混合物ならびに発泡剤からなる
樹脂組成物が架橋させられた後、該発泡剤の分解温度以
上に加熱されて発泡させられていることを特徴とするも
のである。
【0009】本発明で用いられる樹脂組成物は、ポリエ
チレン系樹脂を含む樹脂成分、水和金属化合物、赤リン
とポリリン酸アンモニウムとの混合物ならびに発泡剤か
らなる。
【0010】上記ポリエチレン系樹脂は、重合触媒とし
て四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得ら
れるものであって、エチレンの単独重合体又はエチレン
とα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。上記α−
オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
【0011】上記メタロセン化合物(メタロセン触媒)
は、重合触媒として用いられるものであって、一般に遷
移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟んだ構造の化合物
をいい、ビス(シクロペンタジエニル)金属錯体が代表
的なものである。上記メタロセン化合物としては、例え
ば、チタン、ジルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハ
フニウム、白金等の四価の化合物に、1又は2以上のシ
クロペンタジエニル環又はその類縁体が配位子として存
在する化合物が挙げられる。
【0012】上記配位子の具体例としては、シクロペン
タジエニル環;炭化水素基、置換炭化水素基又は炭化水
素−置換メタロイド基により置換されたインデニル基等
が挙げられる。これらπ電子系の不飽和化合物以外に、
配位子として、塩素、臭素等の一価のアニオン配位子;
二価のアニオンキレート配位子;炭化水素、アルコキシ
ド、アリールアミド、アリールオキシド、アミド、ホス
フィド、アリールホスフィド等が遷移金属配位子に配位
結合したものであってもよい。
【0013】上記シクロペンタジエニル環に置換される
炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシ
ル基、イソブチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、セチル基、2−エチルヘキシル基、フェ
ニル基等が挙げられる。
【0014】上記メタロセン化合物(メタロセン触媒)
としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリル
テトラメチルシクロペンタジエニル−t−ブチルアミド
ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチル
シクロペンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジ
クロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジ
エニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウムジ
クロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペ
ンタジエニル−t−ブチルアミドハフニウムジクロリ
ド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミド)、
インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミド)、イン
デニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピルアミド)、
インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチルアミド)
(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げられる。
【0015】上記メタロセン化合物は、金属の種類や配
位子の構造を変えたり、特定の共触媒(助触媒)と組み
合わせることにより、各種のオレフィンの重合触媒とし
て使用可能となる。より具体的にいえば、重合は、これ
らメタロセン化合物に、共触媒としてメチルアルミノキ
サン(MAO)、ホウ素化合物を加えた触媒系で行われ
る。メタロセン化合物に対する共触媒の使用割合は、1
0〜1,000,000倍のモル数が好ましく、より好
ましくは50〜5,000倍のモル数である。
【0016】重合方法については、特に制限はなく、例
えば、不活性媒体を用いる溶液重合法;実質的に不活性
媒体の存在しない塊状重合法;気相重合法が使用可能で
ある。重合温度は、通常、−100℃から300℃の範
囲、重合圧力は、通常、常圧から100kg/cm2
範囲が一般的である。
【0017】上記メタロセン化合物は、活性点の性質が
均一であるという特徴を有している。メタロセン触媒
は、活性点が同じ活性度を備えているため、合成される
ポリマーの分子量、分子量分布、組成、組成分布の均一
性が高くなる。従って、これらのメタロセン触媒にて重
合されたポリオレフィンは、分子量分布が狭く、共重合
体の場合、どの分子量成分にも共重合体成分がほぼ等し
い割合で導入される。メタロセン化合物を重合触媒とし
て用いて得られるポリエチレン系樹脂の市販品として
は、ダウケミカル社(商品名「CGCT」)、エクソン
ケミカル社(商品名「EXACT」)等が挙げられる。
【0018】上記ポリエチレン系樹脂として、下記
(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の特性を有するもの
が用いられてもよい。 (イ)密度が0.860〜0.950g/cm3 であ
る。 (ロ)示差走査熱量計(DSC)を用いて測定された結
晶融解ピーク温度が一つであり、かつ結晶融解ピーク温
度より全結晶が融解し終わるまでの温度幅が20℃以内
である。 (ハ)クロス分別法により温度上昇溶離分別を行った際
に、全ポリエチレン系樹脂の10重量%が溶出したとき
の温度と全量が溶出したときの温度との差が30℃以内
である。 (ニ)クロス分別法により測定された重量平均分子量/
数平均分子量(分子量分布)の値が1.5〜3.5であ
る。
【0019】上記ポリエチレン系樹脂は、密度が、0.
860〜0.950g/cm3 であり、好ましくは0.
870〜0.945g/cm3 である。密度が0.86
0g/cm3 未満では、ポリエチレン系樹脂の結晶性が
低く、得られる発泡体の耐熱性が低下する。また、密度
が0.950g/cm3 を超えると、得られる発泡体の
柔軟性や伸びが不足する。
【0020】上記ポリエチレン系樹脂は、示差走査熱量
計(DSC)を用いて測定される示差走査熱量分析にお
いて、結晶融解ピーク温度が一つであり、かつ、結晶融
解ピーク温度より全結晶が融解し終わるまでの温度幅が
20℃以内である。
【0021】上記結晶融解ピーク温度が一つであるとい
うことは、二つ以上のピーク温度が明瞭に別れていない
場合を包含する。上記結晶融解ピークが複数個存在する
ということは、結晶性の異なる成分が複数個存在するこ
とを意味し、その場合、発泡時に溶融樹脂の粘度にむら
が生じて、均一な発泡体を得ることが困難となる。ま
た、結晶融解ピーク温度が一つであっても、結晶融解ピ
ーク温度から全結晶が融解し終わるまでの温度幅が20
℃を超えると、ポリエチレン分子間で結晶性の高いもの
と低いものとの差が大きくなり、やはり発泡時に溶融樹
脂の粘度にむらが生じて、均一な発泡体を得ることが困
難となる。
【0022】上記示差走査熱量分析は以下の方法で行
う。約10mgのポリエチレン系樹脂サンプルをアルミ
パンに入れ、示差走査熱量計(DSC)〔セイコー電子
社製「SSC5200型」〕を用いて測定される。測定
条件は、サンプルを一度融解させた後、5℃/分の速度
で−50℃まで冷却し、次いで5℃/分の速度で昇温し
て測定した。
【0023】上記ポリエチレン系樹脂は、クロス分別法
により温度上昇溶離分別を行った際に、全ポリエチレン
系樹脂の10重量%が溶出したときの温度と全量が溶出
したときの温度との差が30℃以内であり、好ましくは
28℃以内である。この温度の差が30℃を超えると、
ポリエチレン系樹脂の中に結晶性の高い部分と低い部分
とが同時に存在することになり、溶融樹脂の粘度にむら
が生じて均一な発泡体を得ることが困難となる。
【0024】上記ポリエチレン系樹脂は、クロス分別法
により測定された重量平均分子量(Mw)/数平均分子
量(Mn)〔分子量分布〕の値は1.5〜3.5であ
る。この値が1.5未満では、得られる樹脂発泡体の強
度は向上するが、樹脂が溶融時に流れ難くなり成形が困
難となる。また、3.5を超えると、分子量分布が大き
くなり、分子量の低い部分と高い部分の存在比率が高く
なるため、発泡時に溶融樹脂の粘度にむらが生じて均一
な発泡体を得ることが困難となる。
【0025】上記で採用されるクロス分別法は、以下に
示す方法である。ポリオレフィン樹脂を、まず140℃
あるいはポリオレフィン樹脂が完全に溶解する温度のo
−ジクロロベンゼンに溶解した後、この溶液を一定速度
で冷却し、あらかじめ用意した不活性担体表面に薄いポ
リマー層を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成
させる。次に、温度を連続または段階状に昇温し、順次
溶出した成分の濃度を検出し、組成分布(結晶性分布)
を測定する。これを温度上昇溶離分別(TREF=Te
mperature Rising Elution
Fractionation)という。
【0026】この温度上昇溶離分別と共に、分別された
溶出成分について、高温型GPCにより分子量及び分子
量分布を測定する。例えば、温度上昇溶離分別部分と高
温GPC(SEC=Size Exclusion C
hromatograph)部分とをシステムとして備
えているクロス分別クロマトグラフ装置(CFC−T1
50A型:三菱油化社製)を使用して測定することがで
きる。
【0027】上記ポリエチレン系樹脂には、得られる樹
脂発泡体の性能を阻害しない範囲で、他の熱可塑性樹脂
が添加されてもよい。このような熱可塑性樹脂として
は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ
酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ(1
−)ブテン、ポリペンテン等が挙げられる。
【0028】本発明で用いられる水和金属酸化物として
は、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム
等が挙げられ、これらは単独で使用されてもよく、二種
以上が併用されてもよい。これらの中で、特に水酸化ア
ルミニウムと水酸化マグネシウムとを併用することによ
り高い難燃性を得ることができる。
【0029】上記水和金属酸化物の配合量は、少なくな
ると得られる樹脂発泡体の難燃性が不足し、多くなると
機械的特性が低下すると共に発泡性にも悪影響を及ぼし
独立気泡を有する発泡体が得られなくなるので、樹脂成
分100重量部に対して、50〜200重量部である。
【0030】本発明では、ポリリン酸アンモニウムと赤
リンの混合物は、樹脂発泡体に難燃性を付与する目的で
使用される。上記ポリリン酸アンモニウムとしては、重
合度200〜1,000のものが好ましく、さらに、そ
の表面がメラミン/ホルムアルデヒド樹脂等で被覆され
た粉末で、流動性がよく、難水溶性のものが好ましい。
また、上記赤リンとしては、耐湿性、安全性(混練時の
自然発火)の点から赤リン粒子表面を樹脂でコーティン
グしたものが好ましい。
【0031】上記赤リンとポリリン酸アンモニウムとの
混合物の配合量は、少なくなると十分な難燃性が得られ
ず、多くなると機械的強度の低下が大きくなるので、樹
脂成分100重量部に対して、5〜100重量部に限定
される。
【0032】本発明では、樹脂発泡体の難燃性を向上さ
せる目的で、金属酸化物が添加されてもよい。上記金属
酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム、二酸化チタン、酸化ケイ素、酸化コバルト、酸化バ
ナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化ニッケル、
酸化鉄、酸化亜鉛等が挙げられ、これらは単独で使用さ
れても二種以上が併用されてもよい。これらの中で、特
に、二酸化チタンは赤リンの着色を隠蔽し少量の添加で
顕著な効果を発揮するので好ましく、ルチル型であって
もアナターゼ型のいずれであってもよい。
【0033】上記金属酸化物の配合量は、少なくなると
難燃性の向上効果が得られず、多くしても難燃性は向上
せず二次加工性が低下するので、樹脂成分100重量部
に対して、0.1〜20重量部が好ましい。
【0034】本発明の樹脂発泡体には、さらに必要に応
じて、酸化防止剤、安定剤、金属害防止剤、充填剤、架
橋剤、滑剤、軟化剤、帯電防止剤、顔料等が添加されて
もよい。
【0035】本発明で使用される発泡剤としては、物理
型発泡剤、熱分解型有機発泡剤等が挙げられる。上記物
理型発泡剤としては、例えば、フロン、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン等の揮発
型発泡剤;窒素、空気、水、炭酸ガス等の無機ガス発泡
剤が挙げられる。また、上記熱分解型有機発泡剤として
は、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニ
ルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。
【0036】本発明で用いられる樹脂組成物には、最終
的に得られる樹脂発泡体の耐熱性向上や発泡プロセスで
の必要性に応じて、架橋が施されてもよい。架橋方法と
しては、樹脂中に混入した過酸化物等のラジカル発生を
加熱分解して架橋させる方法;電離性放射線の照射によ
る架橋;多官能性モノマーの存在下で電離性放射線の照
射による架橋;シラン架橋等が挙げられる。上記電離性
放射線としては、α線、β線、γ線、電子線等が挙げら
れる。
【0037】本発明の発泡体の発泡倍率は、特に限定さ
れないが、体積比で2〜50倍にあるものをいう。
【0038】本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡
体は、下記の製造方法によって得ることができる。 (I)押出し成形による製造方法 上記ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成分及びその他
の成分の配合物をホッパーから押出機に投入し、樹脂の
融点付近の温度で押出し成形する際に、押出機の途中に
設けられた圧入孔から物理型発泡剤を注入して、所定の
形状の口金から押出し成形することにより連続的に製造
する。上記押出し成形に際して、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡核形成剤を添加
してもよい。
【0039】(II)熱分解型発泡剤による製造方法 上記ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂成分、熱分解型
発泡剤及びその他の成分の配合物を、単軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、ニーダーミキサー、ロー
ル等の混練装置を用いて、熱分解型発泡剤の分解温度未
満の温度で溶融混練し発泡性樹脂シートを作製した後、
該樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱し
て発泡させ樹脂発泡体を得る。
【0040】熱分解型発泡剤の配合量は、少なくなると
樹脂発泡体の発泡倍率が低下し、多くなると樹脂発泡体
の機械的強度が低下するので、樹脂成分100重量部に
対して1〜50重量部が好ましく、より好ましくは4〜
25重量部である。上記配合量の熱分解型発泡剤によ
り、発泡倍率を18倍以上にすることができる。
【0041】この製造方法により架橋樹脂発泡体を得る
には、樹脂成分、熱分解型発泡剤、多官能性モノマー
(架橋助剤)及びその他の成分を熱分解型発泡剤の分解
温度未満の温度で溶融混練し発泡性樹脂シートを作製
し、該樹脂シートに電離性放射線を照射して架橋させた
後、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させ
樹脂発泡体を得る。電離性放射線による架橋に代えて、
過酸化物架橋やシラン架橋を行ってもよい。
【0042】(作用)本発明の難燃性ポリエチレン系樹
脂発泡体は、ハロゲン系化合物を使用することなく、高
度な難燃性と柔軟性を有する。この理由は明確でない
が、次のように推定される。メタロセン触媒による重合
反応は、反応活性点が均一という特徴があるため、反応
によって同程度の分子量、分岐をもった高分子を得るこ
とができる。この現象が、通常使用されるチーグラー・
ナッタ触媒による重合反応に比べて最も顕著に現れるの
が、エチレンとα−オレフィンの共重合の場合である。
通常の触媒を用いた重合では、分子量の低い部分に共重
合成分であるα−オレフィンが多く導入され、分子量の
高い部分にはほとんど導入されない。その結果、非常
に硬い成分、結晶性の高い成分と柔らかい成分、結
晶性の低い成分が樹脂中に混在することになり、樹脂の
溶融粘度にばらつきを生じることになる。
【0043】樹脂の発泡過程は、溶融樹脂中での気泡の
成長過程と、樹脂が結晶化、固化することによる気泡セ
ルの固定化過程とに分けられる。ところが、樹脂の溶融
粘度にばらつきがあると、気泡成長過程で結晶化の速度
に差が生じて気泡セルの固定化過程に影響を及ぼし、ガ
ス抜けによる発泡不良や気泡径のばらつきによる外観不
良が起こることになる。このような樹脂に難燃剤を配合
すれば発泡性に悪影響を及ぼすことが考えられる。
【0044】ところが、メタロセン化合物による重合反
応では、分子量、結晶性にばらつきのない樹脂が得られ
るため、本発明において、樹脂の密度、クロス分別法に
よる溶出温度、分子量分布を特定の範囲に設定すること
により、難燃剤を添加しても通常の触媒を用いた場合の
問題点が起こらず、発泡性に悪影響を及ぼすことが少な
いと考えられる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を示すが、本発明
はこれによって限定されるものではない。 (実施例1)重合触媒としてメタロセン化合物を用いて
重合され、表1に示す密度、クロス分別法の測定結果、
示差走査熱量計の測定結果及び分子量分布を有する、ポ
リエチレン系樹脂(エクソンケミカル社製「EXACT
3027」)60重量部及びエチレン−酢酸ビニル共重
合体(東ソー社製「ウルトラセン2233」、酢酸ビニ
ル含有量19重量%、MI=2.5)40重量部に対
し、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「ハイジライト
H52M」)100重量部、ポリリン酸アンモニウム
(ヘキスト社製「AP422」)30重量部、赤リン
(燐化学工業社製「ノバーレッド120」)10重量
部、二酸化チタン(石原産業社製「CR80」)1重量
部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド15重量部、酸
化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル0.3重量部及びジラウリルチオジプロピオネート
0.3重量部ならびに金属害防止剤としてメチルベンゾ
トリアゾール0.5重量部からなる配合物を、温度15
0℃の二本ロールに供給して溶融混練し、さらに熱プレ
ス成形を行って厚さ1mmの発泡性樹脂シートを得た。
この発泡性樹脂シートに、700kVの加速電圧で2M
radの電離性放射線を照射して架橋を行った後、25
0℃のオーブン中でつり下げて発泡させ樹脂発泡体を得
た。
【0046】(実施例2)重合触媒としてメタロセン化
合物を用いて重合され、表1に示す密度、クロス分別法
の測定結果、示差走査熱量計の測定結果及び分子量分布
を有する、ポリエチレン系樹脂(エクソンケミカル社製
「EXACT4011」)100重量部に対し、水酸化
アルミニウム(昭和電工社製「ハイジライトH52
M」)120重量部、ポリリン酸アンモニウム(ヘキス
ト社製「AP422」)40重量部、赤リン(燐化学工
業社製「ノバーレッド120」)5重量部、二酸化チタ
ン(石原産業社製「CR80」)2重量部、発泡剤とし
てアゾジカルボンアミド15重量部、酸化防止剤として
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部
及びジラウリルチオジプロピオネート0.3重量部なら
びに金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾール0.
5重量部からなる配合物を、温度150℃の二本ロール
に供給して溶融混練し、さらに熱プレス成形を行って厚
さ1mmの発泡性樹脂シートを得た。この発泡性樹脂シ
ートを、実施例1と同様にして架橋させた後発泡させ樹
脂発泡体を得た。
【0047】(実施例3)重合触媒としてメタロセン化
合物を用いて重合され、表1に示す密度、クロス分別法
の測定結果、示差走査熱量計の測定結果及び分子量分布
を有する、ポリエチレン系樹脂(エクソンケミカル社製
「EXACT4011」)80重量部及びエチレン−酢
酸ビニル共重合体(東ソー社製「ウルトラセン223
3」、酢酸ビニル含有量19重量%、MI=2.5)2
0重量部に対し、水酸化アルミニウム(昭和電工社製
「ハイジライトH52M」)100重量部及び水酸化マ
グネシウム(協和化学社製「キスマ5A」)40重量
部、ポリリン酸アンモニウム(ヘキスト社製「AP42
2」)20重量部、赤リン(燐化学工業社製「ノバーレ
ッド120」)5重量部、二酸化チタン(石原産業社製
「CR80」)1重量部、発泡剤としてアゾジカルボン
アミド15重量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチ
オジプロピオネート0.3重量部ならびに金属害防止剤
としてメチルベンゾトリアゾール0.5重量部からなる
配合物を、温度150℃の二本ロールに供給して溶融混
練し、さらに熱プレス成形を行って厚さ1mmの発泡性
樹脂シートを得た。この発泡性樹脂シートを、実施例1
と同様にして架橋させた後発泡させ樹脂発泡体を得た。
【0048】(実施例4)重合触媒としてメタロセン化
合物を用いて重合され、表1に示す密度、クロス分別法
の測定結果、示差走査熱量計の測定結果及び分子量分布
を有する、ポリエチレン系樹脂(エクソンケミカル社製
「EXACT2009」)30重量部及びエチレン−酢
酸ビニル共重合体(東ソー社製「ウルトラセン223
3」、酢酸ビニル含有量19重量%、MI=2.5)7
0重量部に対し、水酸化アルミニウム(昭和電工社製
「ハイジライトH52M」)80重量部、ポリリン酸ア
ンモニウム(ヘキスト社製「AP422」)60重量
部、赤リン(燐化学工業社製「ノバーレッド120」)
20重量部、二酸化チタン(石原産業社製「CR8
0」)2重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド1
5重量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−
p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチオジプロ
ピオネート0.3重量部ならびに金属害防止剤としてメ
チルベンゾトリアゾール0.5重量部からなる配合物
を、温度150℃の二本ロールに供給して溶融混練し、
さらに熱プレス成形を行って厚さ1mmの発泡性樹脂シ
ートを得た。この発泡性樹脂シートを、実施例1と同様
にして架橋させた後発泡させ樹脂発泡体を得た。
【0049】(比較例1)ポリエチレン系樹脂として、
三塩化チタン系触媒を用いて重合され、表1に示す密
度、クロス分別法の測定結果、示差走査熱量計の測定結
果及び分子量分布を有する直鎖状低密度ポリエチレン
(出光石油化学社製「1044D」)100重量部使用
したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂発泡体を
得た。
【0050】(比較例2)ポリリン酸アンモニウム(ヘ
キスト社製「AP422」)及び赤リン(燐化学工業社
製「ノバーレッド120」)の使用量を、それぞれ3.
5重量部及び1重量部に変更したこと以外は、実施例1
と同様にして、樹脂発泡体を得た。
【0051】上記実施例及び比較例で得られた樹脂発泡
体につき、下記の性能評価を行い、その結果を表1〜2
に示した。 (1)発泡倍率 上記実施例及び比較例で得られた発泡前の樹脂シート及
び該樹脂シートを発泡させて得られる樹脂発泡体の密度
を測定し、下式により発泡倍率を算出した。 発泡倍率(cc/g)=発泡前樹脂シート密度/発泡体
密度
【0052】(2)外観 樹脂発泡体の外観及び気泡形状を目視により観察し、破
れ、へこみ、表面あれ等の観察されなかったものを○、
破れ、へこみ、表面あれ等が1箇所でも観察されたもの
を×と判定した。
【0053】(3)極小気泡及び極大気泡 発泡体の断面を、日立製作所製走査型電子顕微鏡「S−
2300」を使用して、50倍の電子顕微鏡写真を撮影
し、径が20μm以下である極小気泡及び径が3mm以
上である極大気泡の有無を確認した。
【0054】(4)燃焼性区分 JIS D1201の燃焼試験に準拠して燃焼性区分の
評価を行った。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】なお、表中、T1 〜T4 は次の温度を示
す。 T1:クロス分別法において全樹脂の10重量%が溶出し
たときの温度 T2:クロス分別法において全樹脂のすべてが溶出したと
きの温度 T3:DSC分析により測定される結晶融解ピーク温度 T4:DSC分析により測定される全結晶が融解し終わる
温度
【0058】また、比較例1では、得られた発泡体の表
面に凹凸があり、所々に巨大気泡に起因するとおもわれ
る樹脂の薄い部分が観察された。
【0059】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリオレフィン系樹脂発
泡体は、上述した通りであり、ハロゲン系の難燃剤を使
用せずに優れた難燃性が付与されており、しかも均一な
気泡と優れた外観を有し、断熱材、緩衝材、防音材等に
好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/02 KEC C08L 23/02 KEC

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合触媒として四価の遷移金属を含むメタ
    ロセン化合物を用いて得られるポリエチレン系樹脂を含
    む樹脂成分100重量部、水和金属化合物50〜200
    重量部、赤リンとポリリン酸アンモニウムとの混合物5
    〜100重量部ならびに発泡剤からなる樹脂組成物が架
    橋させられた後、該発泡剤の分解温度以上に加熱されて
    発泡させられていることを特徴とする難燃性ポリオレフ
    ィン系樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】ポリエチレン系樹脂が、下記(イ)、
    (ロ)、(ハ)及び(ニ)の特性を有することを特徴と
    する請求項1記載の難燃性ポリオレフィン系樹脂発泡
    体。 (イ)密度が0.860〜0.950g/cm3 であ
    る。 (ロ)示差走査熱量計(DSC)を用いて測定された結
    晶融解ピーク温度が一つであり、かつ結晶融解ピーク温
    度より全結晶が融解し終わるまでの温度幅が20℃以内
    である。 (ハ)クロス分別法により温度上昇溶離分別を行った際
    に、全ポリエチレン系樹脂の10重量%が溶出したとき
    の温度と全量が溶出したときの温度との差が30℃以内
    である。 (ニ)クロス分別法により測定された重量平均分子量/
    数平均分子量(分子量分布)の値が1.5〜3.5であ
    る。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998058993A1 (fr) * 1997-06-23 1998-12-30 The Furukawa Electric Co., Ltd. Mousse resineuse ignifuge, non halogenee

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998058993A1 (fr) * 1997-06-23 1998-12-30 The Furukawa Electric Co., Ltd. Mousse resineuse ignifuge, non halogenee

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