JP6661514B2 - n型熱電変換材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、n型熱電変換材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子の粒内にGa2Te3相からなる分散粒子が分散しているn型熱電変換材料、及びその製造方法に関する。
熱電変換材料は、熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換可能な材料であり、その変換効率は、以下の無次元性能指数ZTと相関がある。
ZT=[(σ×S2)/κ]×T=[PF/κ]×T
(σ:電気伝導度、S:ゼーベック係数、κ:熱伝導度、T:絶対温度)
このZTを高めるためには、出力因子PF(=σ×S2)の増大、及び/又は、熱伝導度κの低減が必要である。
Bi2Te3系熱電変換材料は、p型及びn型が存在する熱電半導体である。Bi2Te3系熱電変換材料は、希少元素を含むという欠点はあるが、200℃以下の低温域において高い無次元性能指数ZTを示すことが知られている。そのため、Bi2Te3系熱電変換材料のZTをさらに向上させることを目的として、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、n型Bi2Te3系材料に0.5at%までGaをドープした材料(GaxBi2Te3、0<x≦0.025)の製造方法であって、
(A)秤量したBi等の原料を石英管に真空封入し、923Kで溶融合成を行い、
(B)合成材を粉砕し、ホットプレス法により粉末を焼結させる
方法が開示されている。
同文献には、
(a)Bi2Te3にGaを0.5at%ドープすると、p型化する点、及び、
(b)ドープ量が0.1at%(Ga0.005Bi2Te3)までは、Gaドープでゼーベック係数Sは向上するが、性能指数Zは低下する点
が記載されている。
特許文献1には、Bi0.33Sb1.67Te3からなる母材粒子(p型半導体)と、Bi0.433Sb0.1530In0.040Te3からなるゲスト粒子とを40:60〜60:40の重量比で混合し、混合物を焼結させる熱電材料の製造方法が開示されている。
同文献には、
(a)Inがドープされたゲスト粒子は、Inがドープされていない母材粒子よりも熱伝導率が小さくなる点、
(b)母材粒子と低熱伝導率のゲスト粒子とを混合することによって熱電材料の熱伝導度を低減することができ、かつ、熱伝導率を低減するために、ゲスト粒子を必ずしもナノサイズに微細化する必要はない点、及び、
(c)ゲスト粒子として、母材粒子と同種の熱電材料を用いることによって、電気伝導率の低下を避けることができる点、
が記載されている。
特許文献2には、
(A)Bi、Te、Sb、及びGaを含む原料を石英ガラスカプセルに真空封入し、カプセル内の原料を溶解・凝固させることによりインゴットとし、
(B)インゴットを再溶融させ、スピンディスク法を用いて溶湯を粉末化し、
(C)ホットプレス法を用いて粉末を焼結させ、
(D)焼結体を熱間押出加工し、
(E)熱間押出加工された多結晶体をホットプレスにより圧密化し、
(F)キャリア濃度の調整、及び熱電特性の耐熱変化の抑制ためにアニールする
p型BiTe系多結晶熱電材料の製造方法が開示されている。
同文献には、
(a)この方法により、Gaが結晶粒界に不均一に分散した材料が得られる点、及び、
(b)結晶粒界に不均一に分散したGaによって、熱間押出加工時における結晶粒成長及びこれに起因する機械的強度の低下が抑制される点、
が記載されている。
非特許文献2には、p型(Bi、Sb)2Te3にGaをドープしたGaxBi0.5Sb1.5-xTe3(x=0〜0.4)の製造方法であって、
(A)秤量したBi等の原料を石英管に真空封入し、1323Kで溶融合成を行い、
(B)合成材を粉砕し、放電プラズマ焼結(SPS)法により粉末を焼結させる
方法が開示されている。
同文献には、x=0.1まではGaをドープするにつれて電気伝導度σが向上し、ZTも向上する点が記載されている。
特許文献3には、
(A)Bi1.9Sb0.1Te3.2Se0.3Ga0.5(n型半導体)となるように配合された原料を溶解及び凝固させてインゴットとし、
(B)インゴットを液体急冷法により薄帯又は箔状粉末とし、、
(C)急冷凝固時に生成したチル晶を消失させるために、薄帯又は薄状粉末を水素雰囲気中において、400℃×10時間熱処理し、
(D)薄帯又は薄状粉末をホットプレスして一次固化体とし、
(E)一次固化体を90°回転し、高圧ねじり加工(High Pressure Torsion、HPT)法により加工する
熱電材料の方法が開示されている。
同文献には、Bi2Te3系材料にGaを添加することによって、Bi2Te3構造に格子歪が導入され、熱電材料の熱伝導率κが低下する点が記載されている。
特許文献4には、Bi2Te3系熱電変換材料の熱電特性そのものを向上させることを目的とするものではないが、n型Bi2Te2.85Se0.15の表面に、スパッタリング法により0.5μmのSn薄膜を形成する方法が開示されている。
同文献には、
(a)スパッタリング粒子による加熱で、Bi−Te−Se系熱電半導体の表面に0.1〜0.5μmの合金層が形成される点、及び
(b)Bi−Te−Se系熱電半導体の表面に合金層を形成することで、電極接合時及び電極接合後の通電時に熱電変換素子の劣化を防止することができる点
が記載されている。
特許文献5には、
(A)n型Bi2Te2.85Se0.15からなる合金粉末にGaを加えて混合粉砕し、
(B)混合粉末をCIP成形し、
(C)成形体をAr−20vol%H2雰囲気下、480℃で5時間焼成する
熱電変換材料の製造方法が開示されている。
同文献には、
(a)Ga又はGaを含む合金相が焼結過程で溶融し、液相焼結が支配的となるために、常圧焼結が可能となる点、及び、
(b)Ga又はGaを含む合金は、Bi−Te−Se−Sb系合金の結晶粒界に存在することが重要であり、このような微構造によって高い性能指数Zが得られ、かつ、クラックの進展も抑制される点
が記載されている。
特許文献6には、Bi2Te3系熱電変換材料ではないが、(n−PbTe)3Fe、(n−PbTe)3Co、又はPbTiTeの製造方法であって、
(A)所定の組成となるように秤量された原料を石英アンプルに真空封入し、
(B)このアンプルを1050℃で12時間加熱し、
(C)所定時間経過後、100K/minの速度で室温まで冷却し、
(D)アンプルから溶融生成物を取り出し、厚みが1mm〜2mmの切片に切断する
自己組織化熱電材料の製造方法が開示されている。
同文献には、材料中に分散している金属介在物が散乱によりフォノンの拡散を大きく阻害し、材料の熱伝導率を大きく低下させる点が記載されている。
従来から、Bi2Te3系熱電変換材料に対し、Gaをドープすることが検討されている。しかし、Gaドープは、機械的特性の向上又は熱伝導率の低下に効果があったと報告された例は見られるが、n型Bi2Te3の出力因子PFの向上に効果があったと報告された例はない。
また、特許文献2等に記載されているように、Bi2Te3系熱電変換材料にGaをドープすると、Gaを主成分とする相が結晶粒界に析出することが知られている。しかし、Gaがドープされたn型Bi2Te3系熱電変換材料であって、Gaを主成分とする相がマトリックス粒子の粒内に均一、かつ、微細に分散している材料が提案された例は、従来にはない。
特開2013−211378号公報 特開2012−204452号公報 特開2004−236278号公報 特開平11−186616号公報 特開平09−289339号公報 特表2012−521648号公報
Journal of Alloys and Compounds, 443(2007)182-190 Materials Science and Engineering B 135(2006)44-49
本発明が解決しようとする課題は、n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子の粒内にGa2Te3相からなる分散粒子が均一、かつ、微細に分散しているn型熱電変換材料、及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、少なくともBi、Te、及びGaを含み、かつ、相対的に高い出力因子PFを示すn型熱電変換材料、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るn型熱電変換材料は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記n型熱電変換材料は、n型Bi2Te3系熱電変換材料を主相とし、
前記主相は、
n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子と、
前記マトリックス粒子の粒内に分散しているGa2Te3相からなる分散粒子と
を備えている。
(2)前記分散粒子の平均最小幅は、1μm以下である。
(3)ボロノイ分割法により求めた前記分散粒子の分散度は、1以下である。
(4)前記n型熱電変換材料の300Kでの熱電特性を|S|=−171.87×logσ+b(但し、Sはゼーベック係数[μV/K]、σは電気伝導度[S/cm])で解析した時に、前記n型熱電変換材料のb値は、b>648.24[μV/K]を満たす。
本発明に係るn型熱電変換材料の製造方法は、
本発明に係るn型熱電変換材料が得られるように配合された原料の溶湯を急冷凝固させ、粉末を得る急冷凝固工程と、
前記粉末を焼結させ、焼結体を得る焼結工程と、
前記焼結体をアニールするアニール工程と
を備えていることを要旨とする。
従来の方法を用いてn型Bi2Te3系熱電変換材料にGaをドープすると、Gaを含む粗大な粒子(Ga系粒子)が結晶粒界に析出する。粒界に析出した粗大なGa系粒子は、出力因子PFの向上にほとんど寄与しない。
これに対し、Gaを含む原料の急冷凝固、急冷凝固粉の焼結、及び焼結体のアニール処理を組み合わせると、n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子の粒内にGa2Te3相からなる分散粒子が均一、かつ、微細に分散しているn型熱電変換材料が得られる。
このようにして得られたn型熱電変換材料は、相対的に高い出力因子PFを持つ。これは、n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子内に、適量かつナノサイズ幅のGa2Te3相からなる分散粒子を分散させることにより、n型Bi2Te3相がGa2Te3相のポテンシャルの影響を受けるためと考えられる。
Bi2Te3、及び製造方法の異なるBi1.85Ga0.15Te3の300Kでのゼーベック係数の絶対値|S|と電気伝導度σとの関係を示す図である。 Bi2Te3、及びBi2-xGaxTe3の300Kでのゼーベック係数の絶対値|S|と電気伝導度σとの関係を示す図である。 Bi2-xGaxTe3の300Kでのb値とGa/Bi比(r)との関係を示す図である。 実施例2で得られたn型熱電変換材料のDF-STEM像及びEDX元素マッピング(図4(a))、並びに、実施例4で得られたn型熱電変換材料のDF-STEM像及びEDX元素マッピング(図4(b))である。
実施例1で得られたn型熱電変換材料の反射電子像(図5(a)、図5(b))、組織解析結果(図5(c)、図5(d))、及び粒子解析・分散度解析結果(図5(e))である。 比較例1〜4で得られた熱電変換材料の反射電子像(左図)、及び組織解析結果(右図)である。 分散粒子の粒子数とGa/Bi比(r)との関係を示す図である。 急冷凝固後のリボン状試料(実施例1)に含まれる分散粒子のSEM像(左図:低倍率像、右図:高倍率像)である。
以下に本発明の一実施の形態につて詳細に説明する。
[1. n型熱電変換材料]
本発明に係るn型熱電変換材料は、以下の構成を備えている。
(1)前記n型熱電変換材料は、n型Bi2Te3系熱電変換材料を主相とし、
前記主相は、
n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子と、
前記マトリックス粒子の粒内に分散しているGa2Te3相からなる分散粒子と
を備えている。
(2)前記分散粒子の平均最小幅は、1μm以下である。
(3)ボロノイ分割法により求めた前記分散粒子の分散度は、1以下である。
(4)前記n型熱電変換材料の300Kでの熱電特性を|S|=−171.87×logσ+b(但し、Sはゼーベック係数[μV/K]、σは電気伝導度[S/cm])で解析した時に、前記n型熱電変換材料のb値は、b>648.24[μV/K]を満たす。
[1.1. 伝導型]
Bi2Te3系熱電変換材料は、p型及びn型が存在する。p型半導体の内部にGa2Te3相を析出させると、価電子帯が影響を受ける。これに対し、n型半導体の内部にGa2Te3相を析出させると、伝導帯が影響を受ける。そのため、Ga2Te3相の析出が熱電特性を向上させる効果があるとしても、p型半導体とn型半導体とではその原理が異なると推測される。本発明は、これらの内、n型半導体に対して適用される。n型半導体に対して本発明を適用すると、出力因子PFが向上する。
Bi2Te3系熱電変換材料がn型となるかp型となるかは、構成元素の種類及び量で決まる。ノンドープのBi2Te3は、n型半導体である。
Bi2Te3に対して電子をドープするドーパントとしては、例えば、Cu、I、Cl、Brなどがある。
また、Bi2Te3に対してホールをドープするドーパントとしては、例えば、Ag、Ga、Sbなどがある。
そのため、これらのドーパントの種類及び量を最適化すると、優勢キャリアが電子となり、n型半導体からなるBi2Te3系熱電変換材料が得られる。
[1.2. 主相]
[1.2.1. 主相の形態]
本発明に係るn型熱電変換材料は、n型Bi2Te3系熱電変換材料を主相とする。主相は、マトリックス粒子と、マトリックス粒子の粒内に分散した分散粒子との複合体からなる。マトリックス粒子及び分散粒子の詳細については、後述する。
本発明に係るn型熱電変換材料は、主相(n型Bi2Te3系熱電変換材料)のみからなるものでも良く、あるいは、主相に加えて異相がさらに含まれていても良い。
但し、異相の量が過剰になると、熱電特性が低下する。従って、主相の割合は、95vol%以上が好ましい。主相の割合は、好ましくは、98vol%以上、さらに好ましくは、99vol%以上である。さらに、材料全体の熱電特性を低下させる異相は、少ないほど良い。異相としては、例えば、
(a)不可避的不純物、
(b)フォノン散乱により熱伝導度を低下させることを目的として添加される第2分散粒子(例えば、SiO2粒子、SiC粒子、Al23粒子など)、
などがある。
[1.2.2. 主相の平均組成]
Bi2Te3−Ga2Te3系は、共晶系である。また、Bi2Te3へのGaの固溶度は小さい。そのため、Bi2Te3に相対的に多量のGaを添加した原料を溶解・鋳造した場合、主相は、凝固時にn型Bi2Te3相とGa2Te3相に2相分離する。この時、Ga2Te3相の形態を制御すると、主相全体の出力因子PFが向上する。このような効果を得るためには、主相全体の平均組成は、次の(1)式を満たしているのが好ましい。
β(Bi1-x-ySbxGay)2(Te1-zSez)3+α ・・・(1)
但し、
0≦x≦0.5、0<y<0.1、0≦z<0.5、
−0.3≦α≦0.3、0≦β<0.05、
Aは、Cu、Ag、I、Cl、及びBrからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素。
(1)式において、「x」は、Biを置換するSbの量を表す。n型Bi2Te3系熱電変換材料において、Sbは必ずしも必要ではない。すなわち、xは、ゼロでも良い。
一方、BiサイトへのSb置換は、電子キャリアを減少させる作用がある。そのため、xが過剰になると、Bi2Te3系熱電変換材料がp型化する。従って、xは、n型材料として報告されている0.5以下が好ましい。xは、好ましくは、0.3以下である。
(1)式において、「y」は、Biを置換するGaの量を表す。Gaの量が多くなるほど、分散粒子の析出量が多くなり、出力因子PF(すなわち、b値)が増大する。このような効果を得るためには、yは、0超が好ましい。yは、好ましくは、0.012以上、さらに好ましくは、0.035以上である。
一方、yが過剰になると、かえって出力因子PFが低下する。従って、yは、0.1未満が好ましい。yは、好ましくは、0.09以下、さらに好ましくは、0.075以下である。
(1)式において、「z」は、Teを置換するSe量を表す。n型Bi2Te3系熱電変換材料において、Seは必ずしも必要ではない。すなわち、zは、ゼロでも良い。しかし、Seは、出力因子PFを増大させる効果がある。このような効果を得るためには、zは、好ましくは、0超、さらに好ましくは、0.03以上である。
一方、zが過剰になると、かえって出力因子PFが低下する。従って、zは、0.5未満が好ましい。zは、好ましくは、0.3以下、さらに好ましくは、0.1以下である。
(1)式において、「α」は、TeとSeの総量の化学量論量からのずれを表す。αが過度に小さくなると、Bi2Te3の結晶構造を維持できなくなる。従って、αは、−0.3以上が好ましい。αは、好ましくは、−0.2以上、さらに好ましくは、−0.1以上である。
同様に、αが過度に大きくなると、Bi2Te3の結晶構造を維持できなくなる。従って、αは、0.3以下が好ましい。αは、好ましくは、0.2以下、さらに好ましくは、0.1以下である。
(1)式において、「β」は、キャリアドーパントである元素Aのドープ量を表す。元素Aは、いずれもBi2Te3の電子構造を大きく変えることなく、Bi2Te3にキャリアをドープする作用がある。ノンドープのBi2Te3はn型半導体であるので、元素Aは必ずしも必要ではない。すなわち、βは、ゼロでも良い。しかし、Ga、Sbはホールドーパントであるため、これらのドープ量によっては、電子濃度が最適値からずれることがある。このような場合に元素Aをさらに添加すると、電子濃度を最適化することができる。βは、好ましくは、0超である。
一方、βが過剰になると、電子濃度が過度に変化し、電子構造の大幅な変化をもたらす。電子濃度が過剰である場合には、電気伝導度σは増大するが、ゼーベック係数Sが低下するために、かえって出力因子PFが低下する。従って、βは、0.05未満が好ましい。βは、好ましくは、0.03以下、さらに好ましくは、0.02以下である。
[1.2.3. 主相のGa/Bi比(r値)]
「r値」とは、主相に含まれるBiの量(原子%)に対するGaの量(原子%)の比を表す。r値は、後述するb値に影響を与える。r値が大きすぎる場合及び小さすぎる場合のいずれも、b値が低下する。高いb値を得るためには、r値は、0<r<0.111であるのが好ましい。r値は、好ましくは、0<r<0.102、さらに好ましくは、0.012<r<0.102、さらに好ましくは、0.026<r<0.093、さらに好ましくは、0.036<r<0.081である。
[1.3. マトリックス粒子]
[1.3.1. 定義]
マトリックス粒子は、n型Bi2Te3相からなる。本発明において、「n型Bi2Te3相」とは、
(a)Bi2Te3型結晶構造(空間群166)を持つ金属間化合物(組成式:A23)であって、
(b)優勢キャリアが電子であり、
(c)Aサイトに占めるBiの割合が50at%以上であり、かつ、
(d)Bサイトに占めるTeの割合が50at%以上であるもの
をいう。
[1.3.2. マトリックス粒子の平均組成]
マトリックス粒子は、次の(2)式で表される平均組成を持つものが好ましい。
β(Bi1-x-ySbxGay)2(Te1-zSez)3+α ・・・(2)
但し、
0≦y<0.035、0≦x+y<0.5、0≦z<0.5、
−0.3≦α≦0.3、0≦β<0.05、
Aは、Cu、Ag、I、Cl、及びBrからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素。
(2)式において、「y」は、マトリックス粒子に含まれるGaの量を表す。Gaは、必ずしもマトリックス粒子に含まれている必要はない。すなわち、yは、ゼロでも良い。
一方、上述したように、Gaは、Bi2Te3への固溶度が小さい。そのため、後述する製造方法を用いると、yは0.035未満となる。
(2)式において、「x+y」は、SbとGaの総量を表す。Sbは、Gaと同様、必ずしもマトリックス粒子に含まれている必要はない。すなわち、x+yは、ゼロでも良い。一般に、マトリックス粒子に含まれるGa及びSbの量が多くなるほど、電子キャリアが減少する。
一方、Sbは、Gaと異なり、Bi2Te3への固溶度が大きい。そのため、x+yが過剰になると、Bi2Te3系熱電変換材料がp型化する場合がある。従って、x+yは、0.5未満が好ましい。x+yは、さらに好ましくは、0.3以下である。
(2)式において、「z」は、Teを置換するSe量を表す。Seは、必ずしもマトリックス粒子に含まれている必要はない。すなわち、zは、ゼロでも良い。しかし、Seは、出力因子PFを増大させる効果がある。このような効果を得るためには、zは、好ましくは、0超、さらに好ましくは、0.03以上である。
一方、zが過剰になると、かえって出力因子PFが低下する。従って、zは、0.5未満が好ましい。zは、好ましくは、0.3以下、さらに好ましくは、0.1以下である。
(2)式において、「α」は、TeとSeの総量の化学量論量からのずれを表す。αが過度に小さくなると、Bi2Te3型結晶構造を維持できなくなる場合がある。従って、αは、−0.3以上が好ましい。αは、好ましくは、−0.2以上、さらに好ましくは、−0.1以上である。
同様に、αが過度に大きくなると、Bi2Te3型結晶構造を維持できなくなる場合がある。従って、αは、0.3以下が好ましい。αは、好ましくは、0.2以下、さらに好ましくは、0.1以下である。
(2)式において、「β」は、元素Aのドープ量を表す。元素Aは、必ずしも必要ではない。すなわち、βは、ゼロでも良い。しかし、マトリックス粒子に元素Aが含まれていると、マトリックス粒子の電子濃度を最適化できる場合がある。βは、好ましくは、0超である。
一方、βが過剰になると、電子濃度が過度に変化し、かえって出力因子PFが低下する。従って、βは、0.05未満が好ましい。βは、好ましくは、0.03以下、さらに好ましくは、0.02以下である。
[1.4. 分散粒子]
[1.4.1. 定義]
分散粒子は、Ga2Te3相からなる。本発明において、「Ga2Te3相」とは、
(a)ZnS型結晶構造(空間群216)又はアモルファス構造を持つ金属間化合物(組成式:A23)であって、
(b)優勢キャリアがホール又は電子であり(優勢キャリアは、通常、ホールであるが、組成によっては、優勢キャリアが電子となる場合もある)、
(c)Aサイトに占めるGaの割合が50at%以上であり、かつ、
(d)Bサイトに占めるTeの原子割合が50at%以上であるもの
をいう。
[1.4.2. 分散粒子の平均組成]
分散粒子は、次の(3)式で表される平均組成を持つものが好ましい。
β(Ga1-x-ySbxBiy)2(Te1-zSez)3+α ・・・(3)
但し、
0≦x<0.035、0≦y≦0.035、0≦z<0.5、
−0.3≦α≦0.3、0≦β<0.05、
Aは、Cu、Ag、I、Cl、及びBrからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素。
(2)式において、「x」は、Gaを置換するSbの量を表す。Sbは、必ずしも分散粒子に含まれている必要はない。すなわち、xは、ゼロでも良い。
一方、Sbは、Ga2Te3への固溶度が小さい。そのため、後述する製造方法を用いると、xは、0.035未満となる。
(3)式において、「y」は、分散粒子に含まれるBiの量を表す。Biは、必ずしも分散粒子に含まれている必要はない。すなわち、yは、ゼロでも良い。
一方、Biは、Ga2Te3への固溶度が小さい。そのため、後述する製造方法を用いると、yは0.035未満となる。
(3)式において、「z」は、Teを置換するSe量を表す。Seは、必ずしも分散粒子に含まれている必要はない。すなわち、zは、ゼロでも良い。
一方、Ga2Te3−Ga2Se3系は、全率固溶系である。そのため、主相の平均組成が(1)式を満たす場合、zは、0.5未満となる。
(3)式において、「α」は、TeとSeの総量の化学量論量からのずれを表す。αが過度に小さくなると、Ga2Te3相以外の異相が生成する場合がある。従って、αは、−0.3以上が好ましい。αは、好ましくは、−0.2以上、さらに好ましくは、−0.1以上である。
同様に、αが過度に大きくなると、Ga2Te3相以外の異相が生成する場合がある。従って、αは、0.3以下が好ましい。αは、好ましくは、0.2以下、さらに好ましくは、0.1以下である。
(3)式において、「β」は、元素Aのドープ量を表す。元素Aは、必ずしも必要ではない。すなわち、βは、ゼロでも良い。
一方、βが過剰になると、電子構造の大幅な変化をもたらす場合がある。従って、βは、0.05未満が好ましい。βは、好ましくは、0.03以下、さらに好ましくは、0.02以下である。
[1.4.3. 分散粒子の平均最小幅]
「最大幅」とは、分散粒子の断面を観察した時に、分散粒子の表面にある任意の2点間距離の内、最大の長さをいう。
「最小幅」とは、最大幅に対して垂直方向の長さ(2点間距離)の最大値をいう。
「平均最小幅」とは、無作為に選んだ50個以上の分散粒子の最小幅の平均値をいう。
分散粒子の平均最小幅が大きくなりすぎると、出力因子PFの向上に寄与しなくなる。従って、平均最小幅は、1μm以下である必要がある。平均最小幅は、好ましくは、0.5μm以下、さらに好ましくは、0.2μm以下である。
なお、分散粒子の大きさが相対的に小さい場合であっても、出力因子PFの向上に寄与する。Ga2Te3の格子定数は0.5nm程度であるため、製造条件によっては、分散粒子の最小幅が1nm程度になる場合がある。
[1.4.4. 分散粒子の分散度]
「ボロノイ分割法」とは、平面上に存在する隣接する2つの点を結ぶ線に垂直二等分線(ボロノイ分割線)を引き、これらの線を結ぶことにより、平面を各点の最近接領域(ボロノイ領域)に分割する方法をいう。
「ボロノイ分割法により求めた分散度」とは、「ボロノイ領域の面積の標準偏差/ボロノイ領域の平均面積」で表される値をいう。
「分散粒子の分散度」とは、断面積が1000nm2以上の粒子について算出された、ボロノイ分割法により求めた分散度をいう。
Bi2Te3へのGaの固溶度は小さい。そのため、従来の方法を用いてGaを含むn型Bi2Te3系熱電変換材料を製造した場合、凝固時にn型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子(以下、「Bi系粒子」ともいう)とGa2Te3相からなる分散粒子(以下、「Ga系粒子」ともいう)に2相分離する。析出したGa系粒子は、Bi系粒子の結晶粒界に押し出され、そこで粗大化する。そのため、従来の方法では、Ga系粒子は、Bi系粒子の結晶粒内にほとんど析出しない。
これに対し、本発明に係る方法を用いると、Ga系粒子は、その多くがBi系粒子の粒内に析出し、かつ、Ga系粒子の粗大化も起こらない。このような組織を持つ材料の断面をボロノイ分割法で解析すると、分散粒子の分散度は1以下となる。すなわち、「分散粒子の分散度が1以下であること」は、「分散粒子がマトリックス粒子の粒内に均一、かつ、微細に分散していること」、あるいは、「粒界に析出している粗大なGa系粒子が少ないこと」と同義である。製造条件を最適化すると、分散粒子の分散度は、0.8以下、あるいは、0.6以下となる。
[1.5. 熱電特性]
熱電材料のゼーベック係数の絶対値(|S|)を電気伝導度の対数(logσ)に対してプロットすると、右下がりの直線(|S|=−a×logσ+b)となる。このようなプロットは、Jonkerプロットと呼ばれている。Jonkerプロットは、ある材料において、キャリア濃度のみを変化させた時の電気伝導度σ[S/cm]とゼーベック係数S[μV/K]の関係を表す。PF=σS2であるため、Jonkerプロットの直線が右上に来るほど(すなわち、b値が大きくなるほど)、キャリア濃度の最適化によりPFが向上することを意味する。
従来の方法で作製されたBi2Te3の300Kでの熱電特性は、|S|=−171.87×logσ+648.24のJonkerプロット上に乗る(図1参照)。本発明に係るn型熱電変換材料の300Kでの熱電特性をJonkerプロットで解析した場合、b値は、b>648.24[μV/K]を満たす。製造条件をさらに最適化すると、b値は、b>670[μV/K]を満たす。
[2. n型熱電変換材料の製造方法]
本発明に係るn型熱電変換材料の製造方法は、
本発明に係るn型熱電変換材料が得られるように配合された原料の溶湯を急冷凝固させ、粉末を得る急冷凝固工程と、
前記粉末を焼結させ、焼結体を得る焼結工程と、
前記焼結体をアニールするアニール工程と
を備えている。
[2.1. 急冷凝固工程]
まず、本発明に係るn型熱電変換材料が得られるように原料を配合し、原料を溶融させ、原料の溶湯を急冷凝固させる(急冷凝固工程)。急冷凝固法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて種々の方法を用いることができる。急冷凝固法としては、例えば、単ロール法、双ロール法、アトマイズ法などがある。特に、単ロール法は、溶湯を比較的容易に急冷することができ、かつ、冷却速度も大きいので、急冷凝固法として好適である。
急冷凝固は、凝固時における分散粒子の粗大化を抑制するために行われる。そのため、急冷凝固時における冷却速度は、大きいほど良い。また、焼結時やアニール時には、分散粒子の粒成長が起こりやすい。そのため、急冷凝固時における分散粒子の粒径は小さいほど良い。急冷凝固時の製造条件を最適化すると、急冷凝固時の分散粒子の平均最小幅は、0.1μm以下となる。平均最小幅は、好ましくは、0.07μm以下である。
急冷凝固法により得られる粉末は、粒子状になる場合と、リボン状になる場合とがある。急冷凝固後の粉末が焼結に適した粒径を持つ場合には、粉末をそのまま焼結に用いることができる。一方、急冷凝固後の粉末が焼結に適した粒径を持たない場合には、所定の粒径となるまで、適度の粉砕を行うのが好ましい。
[2.2. 焼結工程]
次に、得られた粉末を焼結させ、焼結体を得る(焼結工程)。焼結方法は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な方法を選択することができる。焼結方法としては、例えば、放電プラズマ焼結(SPS)法、ホットプレス法などがある。
焼結は、分散粒子を著しく粗大化させることなく、緻密な焼結体を得るために行われる。そのため、焼結は、分散粒子のボロノイ分割法による分散度が1を超えない条件下において行うのが好ましい。焼結工程終了時点の分散度は、好ましくは、0.8以下、さらに好ましくは、0.6以下である。
一般に、高温で長時間焼結するほど、分散粒子の粒成長が促進される。その結果、分散粒子の分散度が1を超える場合がある。従って、焼結は、相対的に低温、かつ、短時間の条件下で行うのが好ましい。最適な焼結条件は、組成によって異なるが、350℃〜450℃の温度で、0分〜30分程度焼結するのが好ましい。
[2.3. アニール工程]
次に、焼結体をアニールする(アニール工程)。原料を急冷凝固し、分散粒子が過度に粒成長しない条件下において焼結を行うと、焼結終了時に焼結体内部にアモルファス相が残存する。アニール処理は、このアモルファス相を結晶化させるために行われる。
アニール温度が低すぎると、アモルファス相の結晶化が十分に進行しない。従って、アニール温度は、主相の結晶化温度以上の温度が好ましい。結晶化温度(すなわち、アニール温度の下限値)は、主相の組成により異なるが、通常、200℃〜300℃程度である。
一方、アニール温度が高すぎると、分散粒子の粒成長が過度に進行し、分散粒子が粗大化する。従って、アニール温度は、焼結温度(Ts(℃))未満の温度が好ましい。アニール温度は、好ましくは、Ts(℃)−30℃以下、さらに好ましくは、Ts(℃)−50℃以下である。
アニール時間は、アニール温度に応じて最適な時間を選択するのが好ましい。アニール時間は、通常、1〜100時間である。
[3. 作用]
従来の方法を用いてn型Bi2Te3系熱電変換材料にGaをドープすると、Gaを含む粗大な粒子(Ga系粒子)が結晶粒界に析出する。粒界に析出した粗大なGa系粒子は、出力因子PFの向上にほとんど寄与しない。
これに対し、Gaを含む原料の急冷凝固、急冷凝固粉の焼結、及び焼結体のアニール処理を組み合わせると、n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子の粒内にGa2Te3相からなる分散粒子が均一、かつ、微細に分散しているn型熱電変換材料が得られる。
一般に、熱電素子において、高い熱電変換効率を得るためには、高い無次元性能指数ZTを得る必要がある。ZT=(PF/κ)×Tであるので、ZTを向上させるためには、出力因子PFを高め、及び/又は、熱伝導度κを低減させる必要がある。κを低減する方法として、例えば、ナノ粒子をコンポジットさせる方法などが確立されている。
一方、PFを向上させる方法として、エネルギーフィルタリング効果が知られている。エネルギーフィルタリング効果は、熱電変換材料の間にナノサイズのフィルター相を入れ、フィルター相のポテンシャルの高さ・幅などを最適設計することでPFが向上する仕組みである。本発明に係るn型熱電変換材料が相対的に高い出力因子PFを示すのは、n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子内に、適量かつナノサイズ幅のGa2Te3相からなる分散粒子を分散させることにより、n型Bi2Te3相がGa2Te3相のポテンシャルの影響を受けるためと考えられる。
(実施例1〜4、比較例A〜C、比較例1〜5)
[1. 試料の作製]
[1.1. 実施例1〜4]
以下の手順に従い、焼結体を作製した。
(1)平均組成がBi1.85Ga0.15Te3(実施例1)、Bi1.9Ga0.1Te3(実施例2)、Bi1.93Ga0.07Te3(実施例3)、又は、Cu0.01Bi1.85Ga0.15Te3(実施例4)となるように、所定量の原料粉末(Bi粉末、Ga粉末、Te粉末、及びCu粉末)を混合し、圧粉成形した。成形体を石英管に真空封入し、マッフル炉で原料を溶解(700℃、4時間)し、凝固させた。
(2)凝固物を再溶解させ、単ロール法を用いて液体急冷(LQ)を行った。
(3)LQにより得られたリボンを粉砕し、SPS焼結を行った。焼結条件は、450℃、50MPa、5分とした。
(4)焼結体を石英管に真空封入し、アニール処理を行った。アニール条件は、400℃、24時間とした。
[1.2. 比較例A〜B]
[1.2.1. 比較例A、B]
以下の手順に従い、焼結体を作製した。
(1)平均組成がBi2Te3となるように、所定量の原料粉末を混合し、圧粉成形した。以下、実施例1と同一条件下で原料を溶解し、凝固物を得た。
(2)実施例1と同一条件下で、LQを行った。
(3)LQにより得られたリボンを粉砕し、SPS焼結を行った。焼結条件は、450℃、50MPa、5分(比較例A)、又は400℃、50MPa、5分(比較例B)とした。
[1.2.2. 比較例C]
以下の手順に従い、焼結体を作製した。
(1)平均組成がBi2Te3となるように、所定量の原料粉末を混合し、圧粉成形した。以下、実施例1と同一条件下で原料を溶解し、凝固物を得た。
(2)LQを行うことなく、凝固物をそのまま粉砕し、SPS焼結を行った。焼結条件は、450℃、50MPa、5分とした。
[1.3. 比較例1〜5]
[1.3.1. 比較例1]
以下の手順に従い、焼結体を作製した。
(1)平均組成がBi1.85Ga0.15Te3となるように、所定量の原料粉末を混合し、圧粉成形した。以下、実施例1と同一条件下で原料を溶解し、凝固物を得た。
(2)LQを行うことなく、凝固物をそのまま粉砕し、SPS焼結を行った。焼結条件は、450℃、50MPa、5分とした。
[1.3.2. 比較例2〜3]
以下の手順に従い、焼結体を作製した。
(1)平均組成がBi1.85Ga0.15Te3となるように、所定量の原料粉末を混合し、圧粉成形した。以下、実施例1と同一条件下で原料を溶解し、凝固物を得た。
(2)実施例1と同一条件下で、LQを行った。
(3)LQにより得られたリボンを粉砕し、SPS焼結を行った。焼結条件は、450℃、50MPa、5分(比較例2)、又は500℃、50MPa、5分(比較例3)とした。
[1.3.3. 比較例4]
(1)平均組成がBi1.85Ga0.15Te3となるように、所定量の原料粉末を混合し、圧粉成形した。以下、実施例1と同一条件下で原料を溶解し、凝固物を得た。
(2)実施例1と同一条件下で、LQを行った。
(3)LQにより得られたリボンを粉砕し、SPS焼結を行った。焼結条件は、500℃、50MPa、5分とした。
(4)実施例1と同一条件下で、アニール処理を行った。
[1.3.4. 比較例5]
平均組成がBi1.8Ga0.2Te3となるように原料を配合した以外は、実施例1と同一条件下で、溶解・凝固、LQ、SPS焼結、及びアニール処理を行った。
[2. 評価]
[2.1. Jonkerプロット]
図1に、Bi2Te3、及び製造方法の異なるBi1.85Ga0.15Te3の300Kでのゼーベック係数の絶対値|S|と電気伝導度σとの関係を示す。Bi2Te3のデータ(比較例A〜C)は、|S|=−171.87×logσ+648.24のJonkerプロット(図1中、実線で表示)上に乗る。出力因子PFはPF=σS2であるので、ある試料の熱電特性がBi2Te3のJonkerプロットより右上にくる場合(すなわち、ある試料の熱電特性を|S|=−171.87×logσ+bで解析した時に、b値がb>648.24[μV/K]となる場合)、キャリア濃度の最適化により、PFがBi2Te3より向上することを意味する。
組成をBi1.85Ga0.15Te3と固定し、合成手法の異なる5個の試料(実施例1、比較例1〜4)を作製し、評価した。その結果も図1に示されている。図1より、平均組成が同一であっても、合成手法の違い(すなわち、材料組織の違い)により、熱電特性が大きく変わることがわかる。
表1に、各試料のb値を示す。なお、表1には、r値(Ga/Bi比)、並びに、後述する粒子解析及び分散度解析の結果も併せて示した。Bi1.85Ga0.15Te3の熱電特性は、分相した2相の内、Gaがほとんど含まれないn型Bi2Te3相の伝導帯に依存する。そのため、Bi1.85Ga0.15Te3でも、|S|に対するσの傾きは、Bi2Te3と同じ−171.87と推定される。伝導帯の形状を変えずにキャリアをドーパント等で調整できる場合は、b値が大きいほどPFが大きくなる。
Figure 0006661514
[2.2. Ga/Bi比(Ga濃度)]
Bi1.85Ga0.15Te3において、Bi2Te3に対して最もb値を向上させたのは、実施例1であった。そこで、実施例1と同じ合成プロセスで、Ga濃度を変えた試料(Bi2-xGaxTe3)を合成し、評価した。図2に、Bi2Te3、及びBi2-xGaxTe3の300Kでのゼーベック係数の絶対値|S|と電気伝導度σとの関係を示す。なお、図2には、x=0.12(r=0.064)、及びx=0.25(r=0.143)の結果も併せて示した。図3に、Bi2-xGaxTe3の300Kでのb値とGa/Bi比(r)との関係を示す。なお、図3には、LQを行わなかった比較例の結果も併せて示した。
図2及び図3より、以下のことがわかる。
(1)r≦0.102(x≦0.185)である場合、Bi2Te3よりもb値が向上することがわかった。但し、r=0.111(x≧0.2(比較例5))では、b値は低下した。
(2)Cuを用いて電子ドーピングを行ったCu0.01Bi1.85Ga0.15Te3(実施例4)では、CuドーピングなしのBi1.85Ga0.15Te3とほぼ同じb値であった(表1参照)。このことから、Cuドーピングにより、伝導帯の形状を変えず、キャリアだけを注入できていると推測される。
(3)このように伝導帯の形状をほとんど変えない希釈ドーピングでキャリア濃度の最適化を行えば、b値が大きい材料ほどPFは大きくなり、PFの大きな材料を実現できる。Bi2Te3の場合、出力因子の最大値PFmaxは、1.75mW/K2mであるのに対し、Bi2-xGaxTe3の場合、PFmaxは、2.80mW/K2mと推定される。
[2.3. 組織]
[2.3.1. 組織に及ぼすGaの影響]
図4に、b値の高いBi1.9Ga0.1Te3(実施例2)、及びCu0.01Bi1.85Ga0.15Te3のDF−STEM像、及びEDX元素マッピングを示す。両試料とも、Te分布は一様であるのに対し、BiとGaの分布位置は異なっていることがわかる。また、両試料とも、Bi系粒子内にナノサイズのGa系粒子が析出していることがわかる。
合成手法の違いによる熱電特性の変化は、組織の違いに起因する。図5に、実施例1で得られたn型熱電変換材料の反射電子像(図5(a)、図5(b))、組織解析結果(図5(c)、図5(d))、及び粒子解析・分散度解析結果(図5(e))を示す。画像解析には、旭化成エンジニアリング(株)の「A像くん(登録商標)」を用いた。
平均組成がBi1.85Ga0.15Te3である場合、Ga系粒子の体積は、全体積の13.8%程度と推定される。図5(c)は、倍率:1万倍で観察した図5(a)の組織解析結果であり、図5(d)は、倍率:2000倍で観察した図5(b)の組織解析結果である。図5(c)及び図5(d)中、濃い灰色の背景領域がBi系粒子であり、薄い灰色の点状領域がGa系粒子である。また、点状領域の内部に存在する、濃い点状領域がポアである。図5(c)及び図5(d)の観察域では、Ga系粒子の面積率は、それぞれ、10.3%及び12.9%であり、リーズナブルな割合でGa系粒子が析出していた。
断面積が1000nm2以上であるGa系粒子に限定し、図5(a)の領域で粒子解析及び分散度解析を行った。図5(e)に、ボロノイ分割法を用いて図5(a)の視野をボロノイ領域に分割した結果を示す。また、表1に、粒子解析及び分散度解析の結果を示す。Ga系粒子の平均最小幅は0.114μmであり、ボロノイ分割法により求めた平均領域面積は0.157μm2であった。さらに、分散度は0.531であり、分散性が良いことがわかった。
表2に、同程度の電気伝導度を示す実施例1と比較例A(Bi2Te3)の熱電特性を示す。実施例1は、ナノサイズのGa系粒子が析出しているが、熱伝導度κの低減効果が見られない。しかしながら、出力因子PFの増大により、無次元性能指数ZTは向上した。
Figure 0006661514
[2.3.2. 組織に及ぼす合成手法の影響]
図6に、比較例1〜4で得られた熱電変換材料の反射電子像(左図)、及び組織解析結果(右図)を示す。比較例1〜4は、実施例1と同じ組成であるが、合成手法が異なるために、実施例1とは組織が大きく異なった。
比較例1の場合、Ga系粒子の平均最小幅は1μm以上であり、Ga系粒子の大多数がミクロンサイズ幅の粒子であった。その結果、比較例1の分散度は1.328と悪い。Ga系粒子の主な析出形態がミクロンサイズ幅の粒子である場合、b値を向上させることはできない。
比較例2の場合、実施例1と同様に、ナノサイズのGa系粒子が分散した組織となっていた。しかしながら、実施例1とは異なり,アニール処理を施していないため、LQプロセスで生じたアモルファス領域を完全には結晶化できていない。そのため、σ、Sともに大幅に低く、b値も低い。
比較例3の場合、実施例1とは異なり、ナノサイズのGa系粒子が局所的に析出した組織となっていた。これは、焼結温度が実施例1に比べて高いために、
(a)LQプロセス時に析出したGa系粒子が焼結時に粒界に押し出されたため、又は
(b)LQプロセス時に析出したGa系粒子が焼結時にBi系粒子に吸収され、焼結後の冷却過程でGa系粒子が不均一に析出したため、
と考えられる。
Ga系粒子が不均一に析出している(分散度が1.996である)ため、大部分のBi系粒子はGa系粒子のポテンシャルの影響を受けない。そのため、比較例3のb値は、実施例1に比べて低い。
比較例4は、比較例3の試料にさらにアニール処理を施したものである。比較例4においても、比較例3と同様に、Ga系粒子が不均一に析出していた。また、分散度は、1.274であり、1を超えていた。そのため、比較例4のb値は、実施例1に比べて低い。
焼結温度が高すぎると、Ga系粒子が均一、かつ、微細に析出した組織は得られない。このことから、アニール温度が高すぎる場合も、Ga系粒子が均一、かつ、微細に析出した組織は得られないと言える。
[2.4. Ga系粒子の粒子数に及ぼすGa/Bi比(Ga濃度)の影響]
Ga系粒子が析出するGa濃度を見積もった。図7に、分散粒子の粒子数とGa/Bi比(r)との関係を示す。
r=0.053〜0.111の範囲では、直線上にデータが乗っている。一方、r=0.036の場合、データは直線の下に来ている。これは、
(a)Ga濃度が低くなるほど、微細なGa系粒子が増えるため、及び、
(b)r=0.036では、1000nm2以下のGa系粒子の割合が増え、そのためカウントされた粒子数が少なかったため
と考えられる。
r=0.053〜0.111でフィットした直線から、粒子数がゼロになるGa/Bi比は、r=0.012と推定される。
[2.5. 急冷凝固時のGa系粒子の平均最小幅]
実施例1で得られた急冷凝固後のリボン状試料のSEM観察を行った。図8に、急冷凝固後のリボン状試料(実施例1)に含まれるGa系粒子のSEM像(左図:低倍率像、右図:高倍率像)を示す。また、表3に、図8のSEM像から求めたGa系粒子の平均最小幅及び分散度を示す。図8及び表3より、急冷凝固後のリボン状試料においては、微細なGa系粒子が均一に分散していることがわかる。
Figure 0006661514
[2.6. まとめ]
以上をまとめると、析出しているGa系粒子の平均最小幅は1μm以下、ボロノイ分割法により求められたGa系粒子の分散度は1以下が好ましいことがわかった。分散度は0に近いほど好ましい。
また、母材全体に含まれるBiに対するGaの比(r=x/(2−x))は、0<r<0.111(x=0.2)であるのが好ましく、さらに好ましくは、0.012(x=0.024)≦r≦0.102(x=0.185)である。
さらに、上記条件を満たしていても、材料の組成の不均一、低い結晶性、低密度などで性能が出ない場合がある。様々な悪条件を排除すると、Bi2Te3より高いb値(b>648.24[μV/K])が得られることがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る熱電変換材料は、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に使用することができる。

Claims (5)

  1. 以下の構成を備えたn型熱電変換材料。
    (1)前記n型熱電変換材料は、n型Bi2Te3系熱電変換材料を主相とし、
    前記主相は、
    n型Bi2Te3相からなるマトリックス粒子と、
    前記マトリックス粒子の粒内に分散しているGa2Te3相からなる分散粒子と
    を備えている。
    (2)前記分散粒子の平均最小幅は、1μm以下である。
    (3)ボロノイ分割法により求めた前記分散粒子の分散度は、1以下である。
    (4)前記n型熱電変換材料の300Kでの熱電特性を|S|=−171.87×logσ+b(但し、Sはゼーベック係数[μV/K]、σは電気伝導度[S/cm])で解析した時に、前記n型熱電変換材料のb値は、b>648.24[μV/K]を満たす。
  2. 前記マトリックス粒子は、次の(2)式で表される平均組成を持つ請求項1に記載のn型熱電変換材料。
    β(Bi1-x-ySbxGay)2(Te1-zSez)3+α ・・・(2)
    但し、
    0≦y<0.035、0≦x+y<0.5、0≦z<0.5、
    −0.3≦α≦0.3、0≦β<0.05、
    Aは、Cu、Ag、I、Cl、及びBrからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素。
  3. 前記分散粒子は、次の(3)式で表される平均組成を持つ請求項1又は2に記載のn型熱電変換材料。
    β(Ga1-x-ySbxBiy)2(Te1-zSez)3+α ・・・(3)
    但し、
    0≦x<0.035、0≦y≦0.035、0≦z<0.5、
    −0.3≦α≦0.3、0≦β<0.05、
    Aは、Cu、Ag、I、Cl、及びBrからなる群から選ばれるいずれか1以上の元素。
  4. 前記主相に含まれるBiの量(原子%)に対するGaの量(原子%)の比(=Ga/Bi比(r))は、0<r<0.111を満たす請求項1から3までのいずれか1項に記載のn型熱電変換材料。
  5. 以下の構成を備えたn型熱電変換材料の製造方法。
    (1)前記n型熱電変換材料の製造方法は、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載のn型熱電変換材料が得られるように配合された原料の溶湯を急冷凝固させ、粉末を得る急冷凝固工程と、
    前記粉末を焼結させ、焼結体を得る焼結工程と、
    前記焼結体をアニールするアニール工程と
    を備えている。
    (2)前記急冷凝固工程は、前記分散粒子の平均最小幅が0.1μm以下となるように、前記溶湯を急冷凝固させるものであり、
    前記焼結工程は、前記分散粒子の前記分散度が1を超えない条件下において、前記焼結体を焼結させるものであり、
    前記アニール工程は、前記主相の結晶化温度以上焼結温度未満の温度において、前記焼結体をアニールするものである。
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