JP6659590B2 - 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP6659590B2
JP6659590B2 JP2016570650A JP2016570650A JP6659590B2 JP 6659590 B2 JP6659590 B2 JP 6659590B2 JP 2016570650 A JP2016570650 A JP 2016570650A JP 2016570650 A JP2016570650 A JP 2016570650A JP 6659590 B2 JP6659590 B2 JP 6659590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
component
flame
resin composition
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016570650A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016117552A1 (ja
Inventor
山中 克浩
克浩 山中
強 武田
強 武田
健太 今里
健太 今里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Publication of JPWO2016117552A1 publication Critical patent/JPWO2016117552A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6659590B2 publication Critical patent/JP6659590B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/49Phosphorus-containing compounds
    • C08K5/51Phosphorus bound to oxygen
    • C08K5/53Phosphorus bound to oxygen bound to oxygen and to carbon only
    • C08K5/5317Phosphonic compounds, e.g. R—P(:O)(OR')2
    • C08K5/5333Esters of phosphonic acids
    • C08K5/5357Esters of phosphonic acids cyclic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L33/04Homopolymers or copolymers of esters

Description

本発明は、高度な難燃性、および良好な物性を有する透明難燃性アクリル樹脂組成物およびそれからの成形品に関する。さらに詳しくは特定の有機リン化合物を含有しかつ実質的にハロゲンフリーの透明難燃性アクリル樹脂組成物およびそれからの成形品に関する。
一般に、アクリル樹脂は、高透明性、高耐候性、高硬度、および、易加工性等の優れた特性を有し、自動車部品、建築材料、電気・電子製品、家具、乗り物、装飾等、幅広い用途に用いられている。しかしながら、アクリル樹脂は燃焼性が高く、発火して燃え上がり易く、火炎が急速に広がり大きな損害を生じるため、使用用途が制限されていた。また、アクリル樹脂は、燃焼時に毒性の単量体を排出するという欠点も有しておりアクリル樹脂の難燃化が望まれている。
アクリル樹脂の難燃化方法としては、ハロゲン化合物やリン酸化合物を添加する方法(特許文献1、特許文献2)が知られている。さらに、アクリル樹脂に臭素化エポキシ樹脂とリン化合物を組み合わせて用いる方法(特許文献3)や、ハロゲン化リン酸エステルを用いる方法(特許文献4)などハロゲン化合物とリン化合物を併用した難燃化が報告されている。一方、アクリル樹脂に臭素化アクリル酸化合物を架橋させることにより、ハロゲンの含有量が少量でも効果があることが知られている(特許文献5)。
近年、燃焼時の有毒ガス発生等の環境問題の観点からハロゲン系難燃剤を用いない難燃化の手法が求められており、前述のリン酸化合物に加え、赤りんと含窒素リン化合物の組み合わせによる方法(特許文献6)が報告されている。また、アクリレート単量体とリン含有単量体を共重合させることにより難燃性アクリル樹脂を得る方法(特許文献7)が報告されている。しかしながら、従来技術の範囲では、難燃性が不十分であったり、アクリル樹脂の特徴である透明性が損なわれる等の課題が残されており、透明性と高度な難燃性を両立できる技術としてはリン含有単量体を共重合させる技術に限られていた。このような共重合による難燃化技術は、所望の難燃性能を得るための難燃成分添加量の調節が容易に行えない。また、他の添加材料による物性改善を目的とした樹脂組成物開発の際には、難燃成分添加量の調節が必要となり、添加型の難燃剤による難燃化技術が求められている。即ち、共重合ではなく溶融混練によってノンハロゲン系難燃剤を添加することで、機械的強度、表面硬度、難燃性、透明性などのバランスに優れた難燃性アクリル樹脂を得る方法についてはこれまで提案されていない。
また、一方で、特定の有機リン化合物をスチレン系樹脂に添加することにより高度な難燃性を付与する方法(特許文献8)が報告されているが、アクリル樹脂の透明性を保持しながら高度な難燃性を付与する技術に関する記載はなかった。
特開平5−170996号公報 特開昭56−68106号公報 特開昭57−159087号公報 特開昭59−206454号公報 特開平6−32841号公報 特開平8−193187号公報 特開2014−101514号公報 特開2010−95731号公報
本発明の第1の目的は、高度な難燃性、高度な透明性および良好な物性を有する難燃性アクリル樹脂組成物およびそれからの成形品を提供することにある。
本発明の第2の目的は、特定の有機リン化合物を含有しかつ実質的にハロゲンフリーの難燃性アクリル樹脂組成物およびそれからの成形品を提供することにある。
本発明者らの研究によれば、前記本発明の目的は、(A)アクリル樹脂を少なくとも60重量%含有する樹脂成分(A成分)100重量部に対して、(B)下記式(1)で表される有機リン化合物(B成分)1〜100重量部を含有する難燃性樹脂組成物であって、A成分のアクリル樹脂が、熱可塑性アクリル樹脂であり、JIS K7210に準拠し、230℃、3.8kg荷重にて測定したメルトフローレートが0.5〜6.0g/10minである難燃性樹脂組成物、およびそれからの成形品により達成される。
Figure 0006659590
(式中、X、Xは同一もしくは異なり、下記式(2)で表される芳香族置換アルキル基である。)
Figure 0006659590
(式中、ALは炭素数1〜5の分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基であり、Arは置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、またはアントリル基である。nは1〜3の整数を示し、ArはAL中の任意の炭素原子に結合することができる。)
本発明の難燃性樹脂組成物およびそれから形成された成形品は、従来のアクリル樹脂組成物に比べて下記の利点が得られる。
(i)実質的にハロゲン含有難燃剤を使用することなく高度な難燃性を有するアクリル樹脂組成物が得られる。
(ii)難燃剤としての有機リン化合物は、アクリル樹脂に対して優れた難燃効果を有するので、比較的少ない使用量でもV−2レベルが達成される。
(iii)難燃剤として使用する有機リン化合物の構造並びに特性に起因して、アクリル樹脂本来の物性を低下させることなく、難燃性および機械的強度のバランスの優れた組成物が得られる。
(iv)難燃剤としての有機リン化合物は、無色でありアクリル樹脂に対して相溶性であるから、透明性に優れた成形品を得ることができる。
以下本発明の難燃性樹脂組成物についてさらに詳細に説明する。
本発明において樹脂成分はアクリル樹脂が構成樹脂成分(A成分)中主たる成分を占めればよく、アクリル樹脂(A−1成分)が少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも65重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、さらに好ましくは少なくとも80重量%、特に好ましくは少なくとも90重量%、もっとも好ましくは100重量%であればよい。A成分中40重量%以下、好ましくは35重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下が他の樹脂(A−2成分)であってもよい。この他の樹脂については後で詳しく説明する。
本発明の構成樹脂成分(A成分)中のアクリル樹脂(A−1成分)は、特に限定されるものではないが、JIS K7210に準拠し、230℃、3.8kg荷重にて測定したメルトフローレートが0.5〜30g/10minであるアクリル樹脂が好ましい。より好ましくは、メルトフローレートが0.7〜27g/10min、さらに好ましくは、メルトフローレートが1.0〜25g/10minである。メルトフローレートが当該範囲であるアクリル樹脂は成形性が良好であり、本発明の難燃性樹脂組成物も成形性の良好なものが得られる。
(A−1)成分を得るための原料として使用される単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、及びシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、または(メタ)アクリル酸等のアクリル系単量体が挙げられる。
本発明で使用される(A−1)成分は、共重合成分としてスチレン、αーメチルスチレン等の芳香族ビニル単量体や、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水グルタル酸、グルタルイミド等のビニル単量体を含有しても良く、必要に応じて、これらの二元、三元、四元の共重合体であっても良い。さらに、アクリルゴム、ブタジエンゴム等のエラストマー成分で強化したものを用いてもよい。
さらに本発明においては、必要に応じて、上記単量体中に架橋剤を含有させることができ、架橋剤としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びアリルメタクリレートが挙げられる。
(A−1)成分の重合方法としては特に限定されるものでは無く、公知の重合方法が挙げられる。
本発明の構成樹脂(A成分)は、前記アクリル樹脂(A−1成分)の他に他の熱可塑性樹脂(A−2成分)を含有していてもよい。
このA−2成分としての熱可塑性樹脂としてはポリエステル樹脂(PEst)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリオレフィン樹脂(PO)、スチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)およびポリエーテルイミド樹脂(PEI)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらA−2成分のうち、好ましいのはポリエステル樹脂(PEst)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリオレフィン樹脂(PO)およびスチレン系樹脂である。
次のこのA−2成分としての熱可塑性樹脂について具体的に説明する。
A−2成分としてのポリエステル樹脂(PEst)としては、芳香族ポリエステル樹脂或いは脂肪族ポリエステル樹脂から選択される1種または2種以上の混合物が挙げられる。好ましくは芳香族ポリエステル樹脂であり、芳香族ジカルボン酸を主たるジカルボン酸成分とし、炭素数2〜10の脂肪族ジオールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。好ましくはジカルボン酸成分の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上が芳香族ジカルボン酸成分からなる。一方、グリコール成分は好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上が炭素数2〜10の脂肪族ジオール成分からなる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸等を好ましい例として挙げることができる。これらは1種または2種以上を用いることができる。芳香族ジカルボン酸以外の従たるジカルボン酸としては例えばアジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカルボン酸などを挙げることができる。
炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールを挙げることができる。炭素数2〜10の脂肪族ジオール以外のグリコールとしては例えばp,p’−ジヒドロキシエトキシビスフェノールA、ポリオキシエチレングリコール等を挙げることができる。
芳香族ポリエステル樹脂の好ましい例としては、主たるジカルボン酸成分がテレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸と、主たるジオール成分がエチレングリコール、トリメチレングリコール、およびテトラメチレングリコールから選ばれる少なくとも1種のジオールからなるエステル単位を有するポリエステルである。
具体的な芳香族ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂およびポリトリメチレンナフタレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。
特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂およびポリエチレンナフタレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種である。とりわけポリブチレンテレフタレート樹脂が特に好ましい。
また、本発明の芳香族ポリエステル樹脂として、上記繰り返し単位をハードセグメントの主たる繰り返し単位とするポリエステルエラストマーを用いることもできる。
テトラメチレンテレフタレートまたはテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートをハードセグメントの主たる繰り返し単位とするポリエステルエラストマーのソフトセグメントとしては、例えばジカルボン酸がテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸およびアジピン酸より選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸からなり、ジオール成分が炭素数5〜10の長鎖ジオールおよびH(OCHCHOH(i=2〜5)よりなる群から選ばれる少なくとも1種のジオールからなり、さらに融点が100℃以下または非晶性であるポリエステルまたはポリカプロラクトンからなるものを用いることができる。
なお、主たる成分とは、全ジカルボン酸成分または全グリコール成分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上の成分であり、主たる繰り返し単位とは、全繰り返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上の繰り返し単位である。
本発明における芳香族ポリエステル樹脂の分子量は、通常成形品として使用しうる固有粘度を有していればよく、35℃、オルトクロロフェノール中で測定した固有粘度が好ましくは0.5〜1.6dl/g、さらに好ましくは0.6〜1.5dl/gである。
また芳香族ポリエステル樹脂は、末端カルボキシル基(−COOH)量が1〜60当量/T(ポリマー1トン)であるのが有利である。この末端カルボキシル基量は、例えばm−クレゾール溶液をアルカリ溶液で電位差滴定法により求めることができる。
A−2成分としてのポリフェニレンエーテル樹脂としては、通常PPE樹脂として知られたものが使用できる。かかるPPEの具体例としては、(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル等の単独重合体および/あるいは共重合体が挙げられ、特に好ましくはポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが挙げられる。また、これらのPPEにスチレン化合物がグラフト重合した共重合体であっても良い。かかるPPEの製造法は特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3,306,874号記載の方法による第一銅塩とアミン類の錯体を触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合することにより容易に製造できる。
PPE樹脂の分子量の尺度である還元粘度ηsp/C(0.5g/dl、トルエン溶液、30℃測定)は、好ましくは0.2〜0.7dl/gであり、より好ましくは0.3〜0.6dl/gである。還元粘度がこの範囲のPPE樹脂は成形加工性、機械物性のバランスがよく、PPE製造時の触媒量等を調整する事により、容易に還元粘度を調整することが可能である。
A−2成分としてのポリカーボネート系樹脂(PC)とは、塩化メチレン等の溶媒を用いて種々のジヒドロキシアリール化合物とホスゲンとの界面重合反応によって得られるもの、またはジヒドロキシアリール化合物とジフェニルカーボネートとのエステル交換反応により得られるものが挙げられる。代表的なものとしては、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとホスゲンの反応で得られるポリカーボネートである。
ポリカーボネートの原料となるジヒドロキシアリール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトンなどがある。これらのジヒドロキシアリール化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
好ましいジヒドロキシアリール化合物には、耐熱性の高い芳香族ポリカーボネートを形成するビスフェノール類、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルケトンなどである。特に好ましいジヒドロキシアリール化合物には、ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネートを形成する2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである。
なお、耐熱性、機械的強度などを損なわない範囲であれば、ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネートを製造する際、ビスフェノールAの一部を、他のジヒドロキシアリール化合物で置換してもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は特に制限する必要はないが、あまりに低いと強度が十分でなく、あまりに高いと溶融粘度が高くなり成形し難くなるので、粘度平均分子量で表して通常10,000〜50,000、好ましくは、15,000〜30,000である。ここでいう粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/C=[η]+0.45×[η]
[η]=1.23×10−40.83
(但し[η]は極限粘度、Cはポリマー濃度で0.7)
ポリカーボネート樹脂を製造する基本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆物質としてホスゲンを用いる界面重合法(溶液重合法)では、通常酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三級アミンや第四級アンモニウム塩等の触媒を用いることができ、分子量調節剤として例えばフェノールやp−tert−ブチルフェノールのようなアルキル置換フェノール等の末端停止剤を用いることが望ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間、反応中のpHは10以上に保つのが好ましい。尚結果として得られた分子鎖末端の全てが末端停止剤に由来の構造を有する必要はない。
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応(溶融重合法)では、不活性ガスの存在下に所定割合の二価フェノールを炭酸ジエステルと加熱しながら攪拌し、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行う。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。かかる反応の初期段階で二価フェノール等と同時にまたは反応の途中段階で末端停止剤を添加させる。また反応を促進するために現在公知のエステル交換反応に用いられる触媒を用いることができる。このエステル交換反応に用いられる炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
A−2成分としてのポリアミド樹脂(PA)としては、例えば、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重合物、二塩基酸とジアミンとの重縮合物などが挙げられ、具体的にはナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12などの脂肪族ポリアミドおよびポリ(メタキシレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)などの脂肪族−芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体や混合物を挙げることができる。本発明に使用できるポリアミドとしては特に限定されるものではない。
このようなポリアミド樹脂の分子量としては特に限定されるものではないが、98%硫酸中、濃度1%、25℃で測定する相対粘度が1.7〜4.5を使用することができ、好ましくは、2.0〜4.0、特に好ましくは2.0〜3.5である。
A−2成分としてのポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類の単重合体もしくは共重合体、あるいはこれらのオレフィン類と共重合可能な単量体成分との共重合体である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等が挙げられる。これらポリオレフィン樹脂の分子量に関しては特に限定されるものではないが、高分子量のものほど難燃性が良好となる。
A−2成分としてのスチレン系樹脂とは、スチレン、α−メチルスチレンまたはビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体の単独重合体または共重合体、これらの単量体とアクリロニトリル、メチルメタクリレート等のビニル単量体との共重合体、ポリブタジエン等のジエン系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、アクリル系ゴムなどにスチレンおよび/またはスチレン誘導体、またはスチレンおよび/またはスチレン誘導体と他のビニルモノマーをグラフト重合させたものである。スチレン系樹脂の具体例としては、例えばポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)等の樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。耐衝撃性の観点からは、ゴム変性スチレン系樹脂が好ましく、ゴム変性スチレン系樹脂はビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体、必要に応じてビニル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合または乳化重合することにより得られる。
前記ゴム状重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴムおよび上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、およびエチレン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特にジエン系ゴムが好ましい。
上記のゴム状重合体の存在下に重合させるグラフト共重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等であり、スチレンが最も好ましい。
必要に応じて添加することが可能な、ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
ゴム変性スチレン樹脂におけるゴム状重合体は、1〜50重量%、好ましくは2〜40重量%である。グラフト重合可能な単量体混合物は、99〜50重量%、好ましくは98〜60重量%である。
A−2成分としてのポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)は下記式で表される繰返し単位を有する。
Figure 0006659590
式中、nは1以上の整数であり、50〜500の整数が好ましく100〜400の整数がより好ましく、直鎖状、架橋状いずれであってもよい。
ポリフェニレンサルファイド樹脂の製造方法の例としてはジクロロベンゼンと二硫化ナトリウムとを反応させる方法が挙げられる。架橋状のものは低重合度のポリマーを重合ののち、空気の存在下で加熱し、部分架橋を行い高分子量化する方法で製造することができ、直鎖状のものは重合時に高分子量化する方法で製造することができる。
A−2成分としてのポリエーテルイミド樹脂(PEI)は、下記式で表される繰返し単位を有する。
Figure 0006659590
式中のArは芳香族ジヒドロキシ化合物残基を示し、Arは芳香族ジアミン残基を示す。芳香族ジヒドロキシ化合物としては、前述したポリカーボネート樹脂の説明で示した芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられ、特にビスフェノールAが好ましい。芳香族ジアミンとしてはm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニル、3,4’−ジアミノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンおよびジアミノジフェニルスルフィド等が挙げられる。
前記式中のnは5〜1,000の整数を示し、10〜500の整数が好ましい。
また、ポリエーテルイミド樹脂の製造方法の例は、米国特許第3,847,867号、米国特許第3,847,869号、米国特許第3,850,885号、米国特許第3,852,242号および米国特許第3,855,178号などに記載されている。
前述した種々のA−2成分のうち、ポリエステル樹脂(PEst)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)またはスチレン系樹脂が好ましい。
本発明において、B成分として使用する有機リン化合物は、下記式(1)で表される。
Figure 0006659590
(式中、X、Xは同一もしくは異なり、下記式(2)で表される芳香族置換アルキル基である。)
Figure 0006659590
(式中、ALは炭素数1〜5の分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基であり、Arは置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、またはアントリル基である。nは1〜3の整数を示し、ArはAL中の任意の炭素原子に結合することができる。)
好ましくは下記式(3)、(4)で表されるリン系化合物である。
Figure 0006659590
上記式(3)において、R、Rは同一または異なっていてもよく、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、またはアントリル基である。好ましくはフェニル基を表し、芳香族環上の炭素原子を介してリンに結合している部分以外のどの部分に置換基を有していてもよく、メチル、エチル、プロピル(異性体を含む)、ブチル(異性体を含む)もしくはその芳香族環への結合基が、酸素、イオウまたは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を介する炭素数6〜14のアリール基である。R、R、R、Rは同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4の分岐状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、またはアントリル基から選択される置換基である。R、R、R、Rの好適例としては、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基が挙げられる
Figure 0006659590
上記式(4)において、ArおよびArは、同一又は異なっていても良く、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基であり、その芳香環に置換基を有していてもよい。R、R、RおよびRは、同一又は異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基またはフェニル基、ナフチル基もしくはアントリル基であり、その芳香環に置換基を有していてもよい。好ましくはフェニル基を表し、芳香族環上の炭素原子を介してリンに結合している部分以外のどの部分に置換基を有していてもよく、メチル、エチル、プロピル(異性体を含む)、ブチル(異性体を含む)もしくはその芳香族環への結合基が、酸素、イオウまたは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を介する炭素数6〜14のアリール基である。
上記式(4)中、ArおよびArの好ましい具体例としては、フェニル基、クレジル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、クミル基、ナフチル基、4−ベンジルフェニル基等が挙げられ、特にフェニル基が好ましい。
上記式(4)中、ALおよびALは、同一又は異なっていても良く、炭素数1〜4の分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基である。好ましくは炭素数1〜3の分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基であり、特に好ましくは炭素数1〜2の分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基である。
上記式(4)中、ALおよびALの好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられ、特にメチレン基、エチレン基、およびエチリデン基が好ましい。
上記式(4)中、ArおよびArは、同一又は異なっていても良く、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基であり、その芳香環に置換基を有していてもよい。好ましくはフェニル基を表し、芳香族環上の炭素原子を介してリンに結合している部分以外のどの部分に置換基を有していてもよく、メチル、エチル、プロピル(異性体を含む)、ブチル(異性体を含む)もしくはその芳香族環への結合基が、酸素、イオウまたは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を介する炭素数6〜14のアリール基である。
上記式(4)中、pおよびqは0〜3の整数を示し、ArおよびArはそれぞれALおよびALの任意の炭素原子に結合することができる。pおよびqは、好ましくは0または1であり、特に好ましくは0である。
前記式(1)で表される有機リン化合物(B成分)は、当該樹脂に対して極めて優れた難燃効果を発現する。本発明者らが知る限り、従来当該樹脂のハロゲンフリーによる難燃化において、少量の難燃剤での難燃化は困難であり、実用上多くの問題点があった。
ところが本発明によれば、前記有機リン化合物(B成分)は驚くべきことにそれ自体単独の少量使用により当該樹脂の難燃化が容易に達成され、樹脂本来の特性を損なうことが無い。
本発明ではB成分の他に、B成分以外のリン化合物、フッ素含有樹脂または他の添加剤を、B成分の使用割合の低減、成形品の難燃性の改善、成形品の物理的性質の改良、成形品の化学的性質の向上またはその他の目的のために当然配合することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物における難燃剤としての有機リン化合物(B成分)は、前記式(1)で表されるが、最も好ましい代表的化合物は下記式(1−a)、(1−b)、(1−c)および(1−d)で示される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。
Figure 0006659590
Figure 0006659590
Figure 0006659590
Figure 0006659590
次に本発明における前記有機リン化合物(B成分)の合成法について説明する。B成分は、以下に説明する方法以外の方法によって製造されたものであってもよい。
B成分は例えばペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させ、続いて酸化させた反応物を、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属化合物により処理し、次いでアラルキルハライドを反応させることにより得られる。
また、ペンタエリスリトールにアラルキルホスホン酸ジクロリドを反応させる方法や、ペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させることによって得られた化合物にアラルキルアルコールを反応させ、次いで高温でArbuzov転移を行う方法により得ることもできる。後者の反応は、例えば米国特許第3,141,032号明細書、特開昭54−157156号公報、特開昭53−39698号公報に開示されている。
B成分の具体的合成法を以下説明するが、この合成法は単に説明のためであって、本発明において使用されるB成分は、これら合成法のみならず、その改変およびその他の合成法で合成されたものであってもよい。より具体的な合成法は後述する調製例に説明される。
(I)B成分中の前記(1−a)の有機リン化合物;
ペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させ、次いでターシャリーブタノールにより酸化させた反応物を、ナトリウムメトキシドにより処理し、ベンジルブロマイドを反応させることにより得ることができる。
(II)B成分中の前記(1−b)の有機リン化合物;
ペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させ、次いでターシャリーブタノールにより酸化させた反応物を、ナトリウムメトキシドにより処理し、1−フェニルエチルブロマイドを反応させることにより得ることができる。
(III)B成分中の前記(1−c)の有機リン化合物;
ペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させ、次いでターシャリーブタノールにより酸化させた反応物を、ナトリウムメトキシドにより処理し、2−フェニルエチルブロマイドを反応させることにより得ることができる。
(IV)B成分中の前記(1−d)の有機リン化合物;
ペンタエリスリトールにジフェニルメチルホスホン酸ジクロリドを反応させることにより得ることができる。
また別法としては、ペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させ、得られた生成物とジフェニルメチルアルコールの反応生成物を触媒共存下で加熱処理する事により得られる。
前述したB成分は、その酸価が好ましくは0.7mgKOH/g以下、より好ましくは0.5mgKOH/g以下、さらに好ましくは0.4mgKOH/g以下、特に好ましくは0.3mgKOH/g以下、もっとも好ましくは0.2mgKOH/g以下であるものが使用される。酸価がこの範囲のB成分を使用することにより、難燃性および色相に優れた成形品が得られ、かつ熱安定性の良好な成形品が得られる。B成分は、その酸価が0.1mgKOH/g以下のものが最も好ましい。ここで酸価とは、サンプル(B成分)1g中の酸成分を中和するのに必要なKOHの量(mg)を意味する。
B成分は、その10重量%加熱重量減少温度が好ましくは350℃以上であり、より好ましくは355℃以上、さらに好ましくは360℃以上である。かかる加熱重量減少温度のB成分は熱安定性に優れており、樹脂組成物を製造するさいに揮発が少なく、安定した性能の樹脂組成物を得ることができる。
B成分は、そのHPLC純度が、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも99%であるものが使用される。かかる高純度のものは成形品の難燃性、色相、および熱安定性に優れ好ましい。ここでB成分のHPLC純度の測定は、以下の方法を用いることにより効果的に測定が可能となる。
カラムは野村化学(株)製Develosil ODS−7 300mm×4mmφを用い、カラム温度は40℃とした。溶媒としてはアセトニトリルと水の6:4(容量比)の混合溶液を用い、5μlを注入した。検出器はUV−260nmを用いた。
B成分中の不純物を除去する方法としては、特に限定されるものではないが、水、メタノール等の溶剤でリパルプ洗浄(溶剤で洗浄、ろ過を数回繰り返す)を行う方法が最も効果的で、且つコスト的にも有利である。
前記B成分は、樹脂成分(A成分)100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは5〜90重量部、より好ましくは10〜70重量部、さらに好ましくは10〜50重量部、特に好ましくは15〜30重量部の範囲で配合される。B成分の配合割合は、所望する難燃性レベル、樹脂成分(A成分)の種類などによりその好適範囲が決定される。これら組成物を構成するA成分およびB成分以外であっても必要に応じて他の成分を本発明の目的を損なわない限り使用することができ、他の難燃剤、難燃助剤、フッ素含有樹脂の使用によってもB成分の配合量を変えることができ、多くの場合、これらの使用によりB成分の配合割合を低減することができる。
本発明の難燃性樹脂組成物は、厚み2mmの成形品における全光線透過率が90%以上であることが好ましく、91%以上であることがより好ましく、91.5%以上であることがさらに好ましく、92%以上であることが特に好ましい。全光線透過率が高くなると透明性の必要な各種成形品の原料として好適に使用できるため好ましい。
本発明において、樹脂成分(A成分)のみの鉛筆硬度に比べて、本発明の難燃性樹脂組成物の鉛筆硬度の低下が1ランク以内であることが好ましい。鉛筆硬度の低下が小さいと表面硬度の必要な各種成形品の原料として好適に使用できるため好ましい。
本発明の難燃性樹脂組成物の調製は、樹脂成分(A成分)、有機リン化合物(B成分)および必要に応じてその他成分を、V型ブレンダー、スーパーミキサー、スーパーフローター、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて予備混合し、かかる予備混合物は混練機に供給し、溶融混合する方法が好ましく採用される。混練機としては、種々の溶融混合機、例えばニーダー、単軸または二軸押出機などが使用でき、なかでも二軸押出機を用いて樹脂組成物を溶融して、サイドフィーダーにより液体成分を注入し、押出し、ペレタイザーによりペレット化する方法が好ましく使用される。
本発明の難燃性樹脂組成物は、実質的にハロゲンを含有せず、非常に高い難燃性能を有し、家電製品部品、電気・電子部品、自動車部品、機械・機構部品、化粧品容器などの種々の成形品を成形する材料として有用である。具体的には、ブレーカー部品、スイッチ部品、モーター部品、イグニッションコイルケース、電源プラグ、電源コンセント、コイルボビン、コネクター、リレーケース、ヒューズケース、フライバクトランス部品、フォーカスブロック部品、ディストリビューターキャップ、ハーネスコネクターなどに好適に用いることができる。さらに、薄肉化の進むハウジング、ケーシングまたはシャーシ、例えば、電子・電気製品(例えば電話機、パソコン、プリンター、ファックス、コピー機、テレビ、ビデオデッキ、オーディオ機器などの家電・OA機器またはそれらの部品など)のハウジング、ケーシングまたはシャーシに有用である。また優れた耐熱性、難燃性が要求されるプリンターの筐体、定着ユニット部品、ファックスなど家電・OA製品の機械・機構部品などとしても有用である。特にLED等の照明カバー用途として有用である。
成形方法としては射出成形、ブロー成形、プレス成形等、特に限定されるものではないが、好ましくはペレット状の樹脂組成物を射出成形機を用いて、射出成形することにより製造される。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、評価は下記の方法で行った。
(1)難燃性(UL−94評価)
難燃性は厚さ1/16インチ(1.6mm)のテストピースを用い、難燃性の評価尺度として、米国UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に準じて評価を行った。どの試験片も炎を取り去った後の燃焼が30秒以内で消火するものがV−2であり、この評価基準以下のものをnotVとした。
(2)酸価
JIS−K−3504に準拠して測定を実施した。
(3)HPLC純度
カラムは野村化学(株)製Develosil ODS−7 300mm×4mmφを用い、カラム温度は40℃とした。溶媒としてはアセトニトリルと水の6:4(容量比)の混合溶液を用い、5μlを注入した。検出器はUV−260nmを用いた。
(4)10重量%加熱重量減少温度
JIS−K−7120に準拠し、昇温速度20℃/min、窒素気流下にて測定したTG曲線より10重量%加熱重量減少温度を算出した。
(5)メルトフローレート(MFR)
JIS−K−7210に準拠し、230℃、3.8kg荷重にて測定を実施した。
(6)全光線透過率
JIS−K−7361に準拠し、厚み2mmの試験片にて測定を実施した。
(7)Haze
JIS−K−7136に準拠し、厚み2mmの試験片にて測定を実施した。
(8)シャルピー衝撃強度
JIS−K−7111に準拠し、ノッチ付きシャルピー衝撃強度の測定を行った。
(9)鉛筆硬度
JIS−K−5600−5−4に準拠し、750g荷重にて測定を行った。鉛筆硬度のランクは6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6Hの順で高硬度となり、樹脂成分のみのランクから1ランク下の硬度となった場合、「鉛筆硬度の低下が1ランクである」と定義した。
調製例1
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド(FR−1)の調製
温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器にペンタエリスリトール816.9g(6.0モル)、ピリジン19.0g(0.24モル)、トルエン2250.4g(24.4モル)を仕込み、攪拌した。該反応容器に三塩化リン1651.8g(12.0モル)を該滴下ロートを用い添加し、添加終了後、60℃にて加熱攪拌を行った。反応後、室温まで冷却し、得られた反応物に塩化メチレン26.50部を添加し、氷冷しながらターシャリーブタノール889.4g(12.0モル)および塩化メチレン150.2g(1.77モル)を滴下した。得られた結晶をトルエンおよび塩化メチレンにて洗浄しろ過した。得られたろ取物を80℃、1.33×10Paで12時間乾燥し、白色の固体1341.1g(5.88モル)を得た。得られた固体は31P、HNMRスペクトルにより2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジヒドロ−3,9−ジオキサイドである事を確認した。
温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に得られた2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジヒドロ−3,9−ジオキサイド1341.0g(5.88モル)、DMF6534.2g(89.39モル)を仕込み、攪拌した。該反応容器に氷冷下ナトリウムメトキシド648.7g(12.01モル)を添加した。氷冷にて2時間攪拌した後に、室温にて5時間攪拌を行った。さらにDMFを留去した後に、DMF2613.7g(35.76モル)を添加し、該反応混合物に氷冷にてベンジルブロマイド2037.79g(11.91モル)滴下した。氷冷下3時間攪拌した後、DMFを留去し、水8Lを加え、析出した固体を濾取、水2Lで2回洗浄した。得られた粗精製物とメタノール4Lをコンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に入れ、約2時間還流した。室温まで冷却後、結晶をろ過により分離し、メタノール2Lで洗浄した後、得られたろ取物を120℃、1.33×10Paで19時間乾燥し、白色の鱗片状結晶1863.5g(4.56モル)を得た。得られた結晶は31P、HNMRスペクトルおよび元素分析により2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイドである事を確認した。収率は76%、31PNMR純度は99%であった。また、本文記載の方法で測定したHPLC純度は99%であった。酸価は0.06mgKOH/gであった。10重量%加熱重量減少温度は369℃であった。
H−NMR(DMSO−d,300MHz):δ7.2−7.4(m,10H),4.1−4.5(m,8H),3.5(d,4H)、31P−NMR(DMSO−d,120MHz):δ23.1(S)、融点:255−256℃、元素分析 計算値:C,55.89;H,5.43、測定値:C,56.24;H,5.35
調製例2
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド(FR−2)の調製
攪拌機、温度計、コンデンサーを有する反応容器に、3,9−ジベンジロキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン22.55g(0.055モル)、ベンジルブロマイド19.01g(0.11モル)およびキシレン33.54g(0.32モル)を充填し、室温下攪拌しながら、乾燥窒素をフローさせた。次いでオイルバスで加熱を開始し、還流温度(約130℃)で4時間加熱、攪拌した。加熱終了後、室温まで放冷し、キシレン20mLを加え、さらに30分攪拌した。析出した結晶をろ過により分離し、キシレン20mLで2回洗浄した。得られた粗精製物とメタノール40mLをコンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に入れ、約2時間還流した。室温まで冷却後、結晶をろ過により分離し、メタノール20mLで洗浄した後、得られたろ取物を120℃、1.33×10Paで19時間乾燥し、白色の鱗片状結晶を得た。生成物は質量スペクトル分析、H、31P核磁気共鳴スペクトル分析および元素分析でビスベンジルペンタエリスリトールジホスホネートであることを確認した。収量は20.60g、収率は91%、31PNMR純度は99%であった。また、本文記載の方法で測定したHPLC純度は99%であった。酸価は0.05mgKOH/gであった。10重量%加熱重量減少温度は370℃であった。
H−NMR(DMSO−d,300MHz):δ7.2−7.4(m,10H),4.1−4.5(m,8H),3.5(d,4H)、31P−NMR(DMSO−d,120MHz):δ23.1(S)、融点:257℃
調製例3
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジα−メチルベンジル−3,9−ジオキサイド(FR−3)の調製
温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器にペンタエリスリトール816.9g(6.0モル)、ピリジン19.0g(0.24モル)、トルエン2250.4g(24.4モル)を仕込み、攪拌した。該反応容器に三塩化リン1651.8g(12.0モル)を該滴下ロートを用い添加し、添加終了後、60℃にて加熱攪拌を行った。反応後、室温まで冷却し、得られた反応物に塩化メチレン5180.7g(61.0モル)を添加し、氷冷しながらターシャリーブタノール889.4g(12.0モル)および塩化メチレン150.2g(1.77モル)を滴下した。得られた結晶をトルエンおよび塩化メチレンにて洗浄しろ過した。得られたろ取物を80℃、1.33×10Paで12時間乾燥し、白色の固体1341.1g(5.88モル)を得た。得られた固体は31P、HNMRスペクトルにより2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジヒドロ−3,9−ジオキサイドである事を確認した。
温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に得られた2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジヒドロ−3,9−ジオキサイド1341.0g(5.88モル)、DMF6534.2g(89.39モル)を仕込み、攪拌した。該反応容器に氷冷下ナトリウムメトキシド648.7g(12.01モル)を添加した。氷冷にて2時間攪拌した後に、室温にて5時間攪拌を行った。さらにDMFを留去した後に、DMF2613.7g(35.76モル)を添加し、該反応混合物に氷冷にて1−フェニルエチルブロマイド2204.06g(11.91モル)滴下した。氷冷下3時間攪拌した後、DMFを留去し、水8Lを加え、析出した固体を濾取、水2Lで2回洗浄した。得られた粗精製物とメタノール4Lをコンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に入れ、約2時間還流した。室温まで冷却後、結晶をろ過により分離し、メタノール2Lで洗浄した後、得られたろ取物を120℃、1.33×10Paで19時間乾燥し、白色の鱗片状結晶1845.9g(4.23モル)を得た。得られた固体は31PNMR、HNMRスペクトルおよび元素分析により2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジα−メチルベンジル−3,9−ジオキサイドである事を確認した。31PNMR純度は99%であった。また、本文記載の方法で測定したHPLC純度は99%であった。酸価は0.03mgKOH/gであった。10重量%加熱重量減少温度は351℃であった。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ7.2−7.4(m,10H),4.0−4.2(m,4H),3.4−3.8(m,4H),3.3(qd,4H),1.6(ddd,6H)、31P−NMR(CDCl,120MHz):δ28.7(S)、融点:190−210℃、元素分析 計算値:C,57.80;H,6.01、測定値:C,57.83;H,5.96
調製例4
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジ(2−フェニルエチル)−3,9−ジオキサイド(FR−4)の調製
温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器にペンタエリスリトール816.9g(6.0モル)、ピリジン19.0g(0.24モル)、トルエン2250.4g(24.4モル)を仕込み、攪拌した。該反応容器に三塩化リン1651.8g(12.0モル)を該滴下ロートを用い添加し、添加終了後、60℃にて加熱攪拌を行った。反応後、室温まで冷却し、得られた反応物に塩化メチレン5180.7g(61.0モル)を添加し、氷冷しながらターシャリーブタノール889.4g(12.0モル)および塩化メチレン150.2g(1.77モル)を滴下した。得られた結晶をトルエンおよび塩化メチレンにて洗浄しろ過した。得られたろ取物を80℃、1.33×10Paで12時間乾燥し、白色の固体1341.1g(5.88モル)を得た。得られた固体は31P、HNMRスペクトルにより2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジヒドロ−3,9−ジオキサイドである事を確認した。
温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器に得られた2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジヒドロ−3,9−ジオキサイド1341.0g(5.88モル)、DMF6534.2g(89.39モル)を仕込み、攪拌した。該反応容器に氷冷下ナトリウムメトキシド648.7g(12.01モル)を添加した。氷冷にて2時間攪拌した後に、室温にて5時間攪拌を行った。さらにDMFを留去した後に、DMF2613.7g(35.76モル)を添加し、該反応混合物に氷冷にて(2−ブロモエチル)ベンゼン2183.8g(11.8モル)滴下した。氷冷下3時間攪拌した後、DMFを留去し、水8Lを加え、析出した固体を濾取、水2Lで2回洗浄した。得られた粗精製物とメタノール4Lをコンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に入れ、約2時間還流した。室温まで冷却後、結晶をろ過により分離し、メタノール2Lで洗浄した後、得られたろ取物を120℃、1.33×10Paで19時間乾燥し、白色の粉末1924.4g(4.41モル)を得た。得られた固体は31PNMR、HNMRスペクトルおよび元素分析により2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジ(2−フェニルエチル)−3,9−ジオキサイドである事を確認した。31PNMR純度は99%であった。また、本文記載の方法で測定したHPLC純度は99%であった。酸価は0.03mgKOH/gであった。10重量%加熱重量減少温度は393℃であった。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ7.1−7.4(m,10H),3.85−4.65(m,8H),2.90−3.05(m,4H),2.1−2.3(m,4H)、31P−NMR(CDCl,120MHz):δ31.5(S)、融点:245−246℃、元素分析 計算値:C,57.80;H,6.01、測定値:C,58.00;H,6.07
調製例5
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジ(2−フェニルエチル)−3,9−ジオキサイド(FR−5)の調製
攪拌機、温度計、コンデンサーを有する反応容器に、3,9−ジ(2−フェニルエトキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン436.4g(1.0mol)および2−フェニルエチルブロマイド370.1g(2.0mol)を充填し、室温下攪拌しながら、乾燥窒素をフローさせた。次いでオイルバスで加熱を開始し、オイルバス温度180℃で10時間保持した。その後オイルバスを取り除き室温まで冷却した。得られた白色固体状の反応物にメタノール2000mlを加えて攪拌洗浄後、グラスフィルターを用いて白色粉末を濾別した。次いで濾別した白色粉末をとメタノール4000mlをコンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に入れ、約2時間還流した。室温まで冷却後、結晶をろ過により分離し、メタノール2000mLで洗浄した。得られた白色粉末を100Pa、120℃で8時間乾燥させて、2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジ(2−フェニルエチル)−3,9−ジオキサイド362.3gを得た。生成物は質量スペクトル分析、H、31P核磁気共鳴スペクトル分析および元素分析でビス2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジ(2−フェニルエチル)−3,9−ジオキサイドであることを確認した。収率83%、HPLC純度99.3%、酸価0.41KOHmg/gであった。10重量%加熱重量減少温度は389℃であった。
H−NMR(CDCl,300MHz):δ7.1−7.4(m,10H),3.85−4.65(m,8H),2.90−3.05(m,4H),2.1−2.3(m,4H)、31P−NMR(CDCl,120MHz):δ31.5(S)、融点:245−246℃
調製例6
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキサイド(FR−6)の調製
攪拌装置、攪拌翼、還流冷却管、温度計を備えた10リットル三つ口フラスコに、ジフェニルメチルホスホン酸ジクロリドを2058.5g(7.22モル)とペンタエリスリトール468.3g(3.44モル)、ピリジン1169.4g(14.8モル)、クロロホルム8200gを仕込み、窒素気流下、60℃まで加熱し、6時間攪拌させた。反応終了後、クロロホルムを塩化メチレンで置換し、当該反応混合物にに蒸留水6Lを加え攪拌し、白色粉末を析出させた。これを吸引濾過により濾取し、得られた白色物をメタノールを用いて洗浄した後、100℃、1.33×10Paで10時間乾燥し、白色の固体1156.2gを得た。得られた固体は31P−NMR、H−NMRスペクトルおよび元素分析により2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキサイドである事を確認した。31P−NMR純度は99%であった。また、本文記載の方法で測定したHPLC純度は99%であった。酸価は0.3mgKOH/gであった。10重量%加熱重量減少温度は398℃であった。
H−NMR(DMSO−d,300MHz):δ7.20−7.60(m,20H),5.25(d,2H),4.15−4.55(m,8H)、31P−NMR(DMSO−d,120MHz):δ20.9、融点:265℃、元素分析 計算値:C,66.43;H,5.39、測定値:C,66.14;H,5.41
調製例7
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキサイド(FR−7)の調製
3口フラスコに攪拌機、温度計、およびコンデンサーを取り付け、窒素気流下、このフラスコに3,9−ビス(ジフェニルメトキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン40.4g(0.072モル)、ジフェニルメチルブロマイド35.5g(0.14モル)、キシレン48.0g(0.45モル)を入れ、還流温度(約130℃)で3時間加熱、攪拌した。加熱終了後、室温まで放冷し、キシレン30mLを加え、さらに30分攪拌した。析出した結晶をろ過により分離し、キシレン30mLで2回洗浄した。得られた粗精製物とメタノール100mLをナス型フラスコにいれ、コンデンサーを取り付け、約1時間還流した。室温まで冷却後、結晶をろ過により分離し、メタノール50mLで2回洗浄した後、120℃にて減圧乾燥した。得られた固体は31P−NMR、H−NMRスペクトルおよび元素分析により2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキサイドである事を確認した。得られた固体は白色の粉末であり、収量は36.8g、収率は91%であった。31PNMR純度は99%であった。また、本文記載の方法で測定したHPLC純度は99%であった。酸価は0.07mgKOH/gであった。10重量%加熱重量減少温度は401℃であった。
H−NMR(DMSO−d,300MHz):δ7.2−7.6(m,20H),6.23(d,J=9Hz、2H),3.89−4.36(m,6H),3.38−3.46(m,2H)、31P−NMR(CDCl,120MHz):δ20.9(S)、融点:265℃、元素分析 計算値:C,66.43;H,5.39、測定値:C,66.14;H,5.41
実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いた。
(I)アクリル樹脂(A成分)
(1)市販のアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製アクリペット VH001)を用いた(以下PMMA−1と称する)。230℃、3.8kg荷重で測定したMFR値は、2.0g/10minであった。
(2)市販のアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製アクリペット MD001)を用いた(以下PMMA−2と称する)。230℃、3.8kg荷重で測定したMFR値は、6.0g/10minであった。
(3)市販のアクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製アクリペット MF001)を用いた(以下PMMA−3と称する)。230℃、3.8kg荷重で測定したMFR値は、14.0g/10minであった。
(4)市販のアクリル樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製デルペット 720V)を用いた(以下PMMA−4と称する)。230℃、3.8kg荷重で測定したMFR値は、25.0g/10minであった。
(その他)ポリフェニレンエーテル(旭化成工業(株)製ザイロンP−402)を用いた(以下PPEと称する)。
(II)有機リン化合物(B成分)
(1)調製例1で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド{前記式(1−a)で表されるリン系化合物(以下FR−1と称する)}
(2)調製例2で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド{前記式(1−a)で表されるリン系化合物(以下FR−2と称する)}
(3)調製例3で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジα−メチルベンジル−3,9−ジオキサイド{前記式(1−b)で表されるリン系化合物(以下FR−3と称する)}
(4)調製例4で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジ(2−フェニルエチル)−3,9−ジオキサイド{前記式(1−c)で表されるリン系化合物(以下FR−4と称する)}
(5)調製例5で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジ(2−フェニルエチル)−3,9−ジオキサイド{前記式(1−c)で表されるリン系化合物(以下FR−5と称する)}
(6)調製例6で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキサイド{前記式(1−d)で表されるリン系化合物(以下FR−6と称する)}
(7)調製例7で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ビス(ジフェニルメチル)−3,9−ジオキサイド{前記式(1−d)で表されるリン系化合物(以下FR−7と称する)}
(III)その他の有機リン化合物
(1)1,3−フェニレンビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)フォスフェート](大八化学工業(株)製PX−200)を用いた(以下PX−200と称する)。
(2)市販のリン系難燃剤(クラリアント製Exolit OP1240)を用いた(以下Exolitと称する)。
[実施例1〜8、11〜14、参考例9〜10および比較例1〜9]
表1,2記載の各成分を表1,2記載の量(重量部)でタンブラーにて配合し、15mmφ二軸押出機(テクノベル製、KZW15)にてペレット化した。得られたペレットを熱風乾燥機にて乾燥し、乾燥したペレットを射出成形機((株)日本製鋼所製 J75EIII)にて成形した。成形板を用いて評価した結果を表1、2に示した。
Figure 0006659590
Figure 0006659590
Figure 0006659590
Figure 0006659590
本発明の難燃性樹脂組成物は、実質的にハロゲンを含有せず、非常に高い難燃性能を有し、家電製品部品、電気・電子部品、自動車部品、機械・機構部品、化粧品容器などの種々の成形品を成形する材料として有用である。

Claims (7)

  1. (A)アクリル樹脂を少なくとも60重量%含有する樹脂成分(A成分)100重量部に対して、(B)下記式(1)で表される有機リン化合物(B成分)1〜100重量部を含有する難燃性樹脂組成物であって、A成分のアクリル樹脂が、熱可塑性アクリル樹脂であり、JIS K7210に準拠し、230℃、3.8kg荷重にて測定したメルトフローレートが0.5〜6.0g/10minである難燃性樹脂組成物。
    Figure 0006659590
    (式中、X、Xは同一もしくは異なり、下記式(2)で表される芳香族置換アルキル基である。)
    Figure 0006659590
    (式中、ALは炭素数1〜5の分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基であり、Arは置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、またはアントリル基である。nは1〜3の整数を示し、ArはAL中の任意の炭素原子に結合することができる。)
  2. 上記A成分のアクリル樹脂が、熱可塑性アクリル樹脂であり、JIS K7210に準拠し、230℃、3.8kg荷重にて測定したメルトフローレートが0.7〜6.0g/10minである請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 有機リン化合物(B成分)が下記式(3)または(4)で表される有機リン化合物群から選択される、1種または2種以上の混合物である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
    Figure 0006659590
    (式中、R、Rは同一または異なっていてもよく、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、またはアントリル基である。R、R、R、Rは同一または異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4の分岐状または直鎖状のアルキル基、置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル基、またはアントリル基から選択される置換基である。)
    Figure 0006659590
    (式中、ArおよびArは、同一又は異なっていても良く、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基であり、その芳香環に置換基を有していてもよい。R、R、RおよびRは、同一又は異なっていても良く、水素原子、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基またはフェニル基、ナフチル基もしくはアントリル基であり、その芳香環に置換基を有していてもよい。ALおよびALは、同一又は異なっていても良く、炭素数1〜4の分岐状または直鎖状の脂肪族炭化水素基である。ArおよびArは、同一又は異なっていても良く、フェニル基、ナフチル基またはアントリル基であり、その芳香環に置換基を有していてもよい。pおよびqは0〜3の整数を示し、ArおよびArはそれぞれALおよびALの任意の炭素原子に結合することができる。)
  4. 有機リン化合物(B成分)が、下記式(1−a)、(1−b)、(1−c)および(1−d)で示される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
    Figure 0006659590
    Figure 0006659590
    Figure 0006659590
    Figure 0006659590
  5. 有機リン化合物(B成分)の酸価が0.7mgKOH/g以下、HPLC純度が95%以上、且つ、10重量%加熱重量減少温度が350℃以上である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  6. UL−94規格の難燃レベルにおいて、少なくともV−2を達成し、全光線透過率が90%以上であり、鉛筆硬度の低下が1ランク以内である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 請求項1記載の難燃性樹脂組成物より形成された成形品。
JP2016570650A 2015-01-23 2016-01-19 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 Active JP6659590B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015011371 2015-01-23
JP2015011371 2015-01-23
PCT/JP2016/051426 WO2016117552A1 (ja) 2015-01-23 2016-01-19 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016117552A1 JPWO2016117552A1 (ja) 2017-09-21
JP6659590B2 true JP6659590B2 (ja) 2020-03-04

Family

ID=56417093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016570650A Active JP6659590B2 (ja) 2015-01-23 2016-01-19 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10138355B2 (ja)
EP (1) EP3249010B1 (ja)
JP (1) JP6659590B2 (ja)
CN (1) CN107207818A (ja)
TW (1) TWI684622B (ja)
WO (1) WO2016117552A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI680154B (zh) * 2018-05-02 2019-12-21 日商藤倉股份有限公司 難燃性樹脂組成物、使用其之成形體、絕緣電線、電纜及光纖電纜
WO2023085281A1 (ja) * 2021-11-09 2023-05-19 三菱ケミカル株式会社 粘着剤および粘着テープ

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3839506A (en) * 1973-04-16 1974-10-01 Borg Warner Hindered phenol pentaerythritol phosphonate
JPS5668106A (en) 1979-11-08 1981-06-08 Sumitomo Chem Co Ltd Flame-retardant rushlike structure of acrylic polymer
JPS57159087A (en) 1981-03-26 1982-10-01 Nitto Electric Ind Co Board for flame resistant flexible printed circuit
JPS59206454A (ja) 1983-05-11 1984-11-22 Marubishi Yuka Kogyo Kk 透明性の改良された難燃性アクリル樹脂組成物
JP3254706B2 (ja) 1991-12-24 2002-02-12 住友化学工業株式会社 難燃性アクリル系樹脂組成物
JPH0632841A (ja) 1992-07-14 1994-02-08 Sekisui Chem Co Ltd 重合性組成物及び粘弾性製品
JP3498124B2 (ja) 1995-01-13 2004-02-16 綜研化学株式会社 難燃性粘着剤及びこれを利用する粘着テープ
JPH08243558A (ja) * 1995-03-01 1996-09-24 Elf Antar Fr 浮上油回収用ベルト
KR100601011B1 (ko) * 1999-10-01 2006-07-19 데이진 가부시키가이샤 난연성 폴리에스테르 수지 조성물 및 이로부터 성형품을 제조하는 방법
JP2002003728A (ja) * 2000-06-22 2002-01-09 Teijin Chem Ltd 難燃性樹脂組成物
JP2004018765A (ja) * 2002-06-19 2004-01-22 Teijin Chem Ltd 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
KR100877291B1 (ko) * 2007-11-19 2009-01-07 제일모직주식회사 비할로겐계 난연성 폴리카보네이트계 수지 조성물
WO2011070689A1 (ja) * 2009-12-10 2011-06-16 帝人株式会社 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
KR101234601B1 (ko) * 2009-12-31 2013-02-19 제일모직주식회사 신규한 포스포네이트계 화합물 및 이를 포함하는 난연성 열가소성 수지 조성물
JP5571399B2 (ja) * 2010-01-27 2014-08-13 帝人株式会社 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品
WO2011099461A1 (ja) * 2010-02-09 2011-08-18 丸菱油化工業株式会社 難燃剤及び難燃性樹脂組成物
JP5823135B2 (ja) * 2010-05-31 2015-11-25 丸菱油化工業株式会社 難燃性樹脂組成物
CN102775749A (zh) * 2011-05-10 2012-11-14 汉达精密电子(昆山)有限公司 一种聚乳酸树脂组合物
JP5107483B1 (ja) * 2011-05-27 2012-12-26 三井・デュポンポリケミカル株式会社 メタクリル系樹脂組成物および成形体
EP2832924B1 (en) * 2012-03-29 2016-11-30 Teijin Limited Process for manufacturing a flameproof fiber product
TW201420614A (zh) 2012-11-20 2014-06-01 Ind Tech Res Inst 無鹵難燃壓克力樹脂及成形物件

Also Published As

Publication number Publication date
EP3249010B1 (en) 2020-06-03
CN107207818A (zh) 2017-09-26
TW201641574A (zh) 2016-12-01
US10138355B2 (en) 2018-11-27
EP3249010A1 (en) 2017-11-29
TWI684622B (zh) 2020-02-11
JPWO2016117552A1 (ja) 2017-09-21
US20180009967A1 (en) 2018-01-11
EP3249010A4 (en) 2018-01-10
WO2016117552A1 (ja) 2016-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5371974B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP5622717B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004210968A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP6659590B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP4653373B2 (ja) 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品
JP4660061B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP4660054B2 (ja) 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品
JP5378712B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004018765A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP4010898B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP4536993B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2003213109A (ja) 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品
JP4017923B2 (ja) 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品
JP2004018767A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004018766A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP5346708B2 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004018734A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JPWO2011070689A1 (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004051917A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004051916A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004018733A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004051819A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004018731A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004189822A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品
JP2004018628A (ja) 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180928

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190416

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190423

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20190621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6659590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150