JP5571399B2 - 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 - Google Patents
難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5571399B2 JP5571399B2 JP2010015361A JP2010015361A JP5571399B2 JP 5571399 B2 JP5571399 B2 JP 5571399B2 JP 2010015361 A JP2010015361 A JP 2010015361A JP 2010015361 A JP2010015361 A JP 2010015361A JP 5571399 B2 JP5571399 B2 JP 5571399B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- flame
- resin composition
- styrene
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- VBQRUYIOTHNGOP-UHFFFAOYSA-N O=P1Oc(cccc2)c2-c2ccccc12 Chemical compound O=P1Oc(cccc2)c2-c2ccccc12 VBQRUYIOTHNGOP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
(i)難燃剤として使用する有機リン化合物の特性に起因して、スチレン系樹脂の成形時または成形品の使用時に、スチレン系樹脂の熱劣化をほとんど起さず、熱安定性に優れた樹脂組成物が得られる。また、ヤケやシルバーの無い外観に優れた成形品が得られる。従って熱安定性、外観、色相、流動性、耐熱性および難燃性がいずれもバランスよく優れた組成物が得られる。
実質的にハロゲン含有難燃剤を使用することなく工業的に有用な難燃性、耐熱性、流動性、および機械物性を有するスチレン系樹脂組成物が得られる。
(ii)難燃剤としての有機リン化合物は、スチレン系樹脂に対して優れた難燃効果を有するので、比較的少ない使用量でもV−2レベルは達成される。すなわち、目的とする難燃レベルを達成するために多くの添加量および成分の添加を必要とせず、比較的簡単な組成により目的とする難燃レベルの組成物が得られる。
(iii)実質的にハロゲンを含有することなく、オフィスオートメーション機器部品、家電製品部品、電気・電子部品、自動車部品など種々の成形品を成形する材料が得られる。
本発明のA成分として使用するスチレン系樹脂とは、スチレン、α−メチルスチレンまたはビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体の単独重合体または共重合体、これらの単量体とアクリロニトリル、メチルメタクリレート等のビニル単量体との共重合体、ポリブタジエン等のジエン系ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、アクリル系ゴムなどにスチレンおよび/またはスチレン誘導体、またはスチレンおよび/またはスチレン誘導体と他のビニルモノマーをグラフト重合させたものである。スチレン系樹脂の具体例としては、例えばポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(MABS樹脂)、アクリロニトリル・アクリルゴム・スチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル・エチレンプロピレン系ゴム・スチレン共重合体(AES樹脂)等の樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。耐衝撃性の観点からは、ゴム変性スチレン系樹脂が好ましく、ゴム変性スチレン系樹脂はビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体、必要に応じてビニル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合または乳化重合することにより得られる。
必要に応じて添加することが可能な、ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
(i)500℃における加熱重量減少残さが1%以下、
(ii)HPLC純度が97%以上、且つ
(iii)酸価が0.2mgKOH/g以下
C成分として使用する有機リン化合物の500℃における加熱重量減少残さは、熱重量天秤試験(TGA法)により窒素気流下、昇温速度10℃/分にて測定を行い、500℃での残量(%)を加熱重量減少残さとした。有機リン化合物(C成分)の500℃加熱重量減少残さは1%以下である。500℃加熱重量減少残さが多いものは、不純物を多く含んでいることを示しており、この不純物は本発明の樹脂組成物の熱安定性、色相、外観、難燃性等に悪影響を及ぼす。
カラムは野村化学(株)製Develosil ODS−7 300mm×4mmφを用い、カラム温度は40℃とした。溶媒としてはアセトニトリルと水の6.5:3.5(容量比)の混合溶液を用い、5μlを注入した。検出器はUV−260nmを用いた。
ペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させ、次いでターシャリーブタノールにより酸化させた反応物を、ナトリウムメトキシドにより処理し、ベンジルブロマイドを反応させることにより得ることができる。
ペンタエリスリトールに三塩化リンを反応させ、得られた反応物にベンジルアルコールを反応させる。得られたホスファイト化合物をベンジルブロマイド存在下、高温でArbuzov転移を行うことにより得ることができる。
本発明の難燃性スチレン系樹脂組成物は、スチレン系樹脂(A成分)および前記式(1)で示される有機リン化合物(C成分)からなる難燃性スチレン系樹脂組成物(I)である。
(A)スチレン系樹脂(A成分)100重量部および下記式(1)で示される有機リン化合物(C成分)1〜100重量部からなる樹脂組成物であって、当該有機リン化合物(C成分)は、
(i)500℃における加熱重量減少残さが10%以下、
(ii)HPLC純度が90%以上、且つ
(iii)酸価が0.5mgKOH/g以下
を満足することを特徴とする難燃性スチレン系樹脂組成物。
有機リン化合物(C成分)は、スチレン系樹脂(A成分)100重量部に対して2〜50重量部の範囲が好ましく、3〜30重量部の範囲がより好ましい。
(D−2);下記一般式(D−2)で表されるトリアリールホスフェート
式(D−4)においてZはAr4およびAr5を結合する単結合もしくは基であり、−Ar4−Z−Ar5−は通常ビスフェノールから誘導される残基である。かくしてZは単結合、−O−、−CO−、−S−、−SO2−または炭素数1〜3のアルキレン基を示し、好ましくは単結合、−O−、またはイソプロピリデンである。
前記(D−1)〜(D−5)のリンもしくはリン化合物(D成分)を樹脂組成物に配合する場合、その割合は、有機リン化合物(C成分)100重量部当たり、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜80重量部、特に好ましくは10〜60重量部の範囲が適当である。前記(D−1)〜(D−5)のリンもしくはリン化合物の内、好ましくは(D−2)〜(D−5)のリン化合物である。
かかるポリテトラフルオロエチレンは、通常の固体形状の他、水性エマルジョン、およびディスパージョン形態のものも使用可能であるが、分散剤成分が耐湿熱性に悪影響を与えやすいため、特に固体状態のものが好ましく使用できる。
樹脂組成物の押出混練時に着色剤としてタイオキサイド製RTC−30を樹脂成分100重量部に対して0.5重量部添加し、得られた樹脂組成物の角板(縦50mm×横50mm×厚み5mm)を射出成形した。射出成形時に該樹脂組成物をシリンダー内で10分間滞留し、その後3ショット目に得られた角板の色相を日本電色工業(株)製分光式色彩計SE−2000を用いて、反射測定を行い、リン化合物を添加しない組成物との△Eによって着色性の判定を行った。判定基準は下記の基準で行った。
ΔEが1.0未満のもの:○
ΔEが1.0以上のもの:×
押出混練にて得られたペレットから、見本板(全体は縦90mm×横50mmの大きさで、縦方向の20mmの厚さが3mm、縦方向の45mmの厚さが2mm、縦方向の25mmの厚さが1mmの階段状になっている板)を射出成形し、その色相について目視で判定した。判定基準は下記の基準で行った。
色相良好:○
見本板に若干ヤケが観られるもの:△
見本板にヤケが観られるもの:×
押出混練にて得られたペレットから、見本板を射出成形し、その成形品の外観についてシルバーの有無を目視で判定した。判定基準は下記の基準で行った。
シルバーなし:○
見本板に若干シルバーが観られるもの:△
見本板にシルバーが観られるもの:×
樹脂組成物の見本板成形を500Shot行った後の金型汚染を、目視にて判定を行った。判定基準は下記の基準で行った。
金型汚染なし:○
金型汚染小:△
金型汚染大:×
ASTM−D648に準拠した方法により6.35mm(1/4インチ)試験片を用いて18.5kg荷重で荷重たわみ温度(HDT)を測定した。また、荷重たわみ温度保持率(M)は、使用したベース樹脂(A成分)からの成形品の荷重たわみ温度x(℃)と難燃性樹脂組成物(ベース樹脂とC成分の混合物)からの成形品の荷重たわみ温度y(℃)を測定し、M=(y/x)×100(%)の計算式により算出した。
ISO−1133に準拠して行った。測定条件は230℃、3.8kg荷重の条件で行った。
難燃性は厚さ3.2mm(1/8インチ)、1.6mm(1/16インチ)のテストピースを用い、難燃性の評価尺度として、米国UL規格のUL−94に規定されている垂直燃焼試験に準じて評価を行った。UL規格と燃焼時間の合計秒数を表に示した。
UL−94垂直燃焼試験は、試験片5本を一組の試験として行い、どの試験片も10秒間の着炎を2回繰り返す。但し、一度目の着炎で全焼する試験片に関しては、その限りではない。1回目の着炎後、炎を取り去った後の燃焼時間を測定し、消炎後、2回目の着炎を行う。2回目の着炎後、炎を取り去った後の燃焼時間を測定する。5本一組の試験で、計10回の燃焼時間が測定でき、いずれの燃焼時間も10秒以内で消火し、10回の燃焼時間の合計が50秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさないものがV−0、いずれの燃焼時間も30秒以内で消火し、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこさないものがV−1、いずれの燃焼時間も30秒以内で消火し、10回の燃焼時間の合計が250秒以内であり、且つ、滴下物が綿着火をおこすものがV−2、この評価基準以下のものをnotVとした。
JIS−K−7201酸素指数法による高分子材料の燃焼試験方法に準拠して行った。
ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2時間振とうし、4000rpmで30分間遠心分離する。上澄み液を取り出し、メタノールで樹脂成分を析出させた後、乾燥した。このようにして得られた樹脂、0.1gをトルエンに溶解し、0.5g/dlの溶液とし、この溶液10mlを毛細管径約0.3mmであるオストワルド型粘度計に入れ、30℃でこの溶液の流下秒数t1を測定した。一方、同じ粘度計でトルエンの流下秒数t0を測定し、以下の数式により算出した。このときトルエンの流下秒数t0が240秒以上になることが好ましい。
ηsp/C=(t1/t0−1)/C (C:ポリマー濃度g/dl)
核磁気共鳴測定装置(バリアン製、UNITY300)により、水素原子の核磁気共鳴を測定し、スチレンユニットとブタジエンユニットのモル比よりゴム状重合体成分量を算出した。
JIS−K−3504に準拠して測定を実施した。
試料をアセトニトリルと水の6.5:3.5(容量比)の混合溶液に溶解し、その5μlをカラムに注入した。カラムは野村化学(株)製Develosil ODS−7 300mm×4mmφを用い、カラム温度は40℃とした。検出器はUV−260nmを用いた。
核磁気共鳴測定装置(JEOL製、JNM−AL400)により、リン原子の核磁気共鳴を測定し(DMSO−d6、162MHz、積算回数3072回)、積分面積比をリン化合物の31PNMR純度とした。
尚、31PNMRチャートは下記拡大範囲に関して拡大を行い、不純物の確認を行った。拡大倍率として、縦方向にはメインピークをメインピークの頂点がコンピューター画面の上端の位置にくるまで拡大し、更にその画面上のメインピークの高さの1/200倍の高さがコンピューター画面の上端の位置になるように拡大した。横方向には下記おのおのの拡大範囲をコンピューター画面上最大幅に拡大した。拡大が不十分な場合、不純物を確認できず、見かけの31PNMR純度が向上する場合がある。
拡大範囲1:219ppm〜216ppm
拡大範囲2:180ppm〜177ppm
拡大範囲3:149ppm〜145ppm
拡大範囲4:124ppm〜121ppm
拡大範囲5:93ppm〜90ppm
拡大範囲6:27ppm〜23ppm
拡大範囲7:23ppm〜18ppm
拡大範囲8:9ppm〜−4ppm
拡大範囲9:−6ppm〜−15ppm
熱重量天秤試験(TGA法)を用いて測定した。島津製作所製熱重量測定装置TGA−50を用い、窒素気流下、10℃/分にて昇温し、500℃での残量(%)を加熱重量減少残さとした。
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド(FR−1)の調製
温度計、コンデンサー、滴下ロートを備えた反応容器にペンタエリスリトール816.9g(6.0モル)、ピリジン19.0g(0.24モル)、トルエン2250.4g(24.4モル)を仕込み、攪拌した。該反応容器に三塩化リン1651.8g(12.0モル)を該滴下ロートを用い添加し、添加終了後、60℃にて加熱攪拌を行った。反応後、室温まで冷却し、得られた反応物に塩化メチレン26.50部を添加し、氷冷しながらターシャリーブタノール889.4g(12.0モル)および塩化メチレン150.2g(1.77モル)を滴下した。得られた結晶をトルエンおよび塩化メチレンにて洗浄しろ過した。得られたろ取物を80℃、1.33×102Paで12時間乾燥し、白色の固体1341.1g(5.88モル)を得た。得られた固体は31P、1HNMRスペクトルにより2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジヒドロ−3,9−ジオキサイドである事を確認した。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ7.2−7.4(m,10H),4.1−4.5(m,8H),3.5(d,4H)、31P−NMR(DMSO−d6,162MHz):δ21.0(S)、融点:255−256℃、元素分析 計算値:C,55.89;H,5.43、測定値:C,56.24;H,5.35
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド(FR−2)の調製
攪拌機、温度計、コンデンサーを有する反応容器に、3,9−ジベンジロキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン22.55g(0.055モル)、ベンジルブロマイド19.01g(0.11モル)およびキシレン33.54g(0.32モル)を充填し、室温下攪拌しながら、乾燥窒素をフローさせた。次いでオイルバスで加熱を開始し、還流温度(約130℃)で4時間加熱、攪拌した。加熱終了後、室温まで放冷し、キシレン20mLを加え、さらに30分攪拌した。析出した結晶をろ過により分離し、キシレン20mLで2回洗浄した。得られた粗精製物とメタノール100mLをコンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に入れ、約2時間還流した。室温まで冷却後、結晶をろ過により分離し、メタノール20mLで洗浄した後、得られたろ取物を120℃、1.33×102Paで19時間乾燥し、白色の鱗片状結晶を得た。生成物は質量スペクトル分析、1H、31P核磁気共鳴スペクトル分析および元素分析でビスベンジルペンタエリスリトールジホスホネートであることを確認した。収量は20.60g、収率は91%、加熱重量減少残さは0.46%(図2参照)、酸価は0.05mgKOH/g、HPLC純度は99%、31PNMR純度は99%であった。
1H−NMR(DMSO−d6,400MHz):δ7.2−7.4(m,10H),4.1−4.5(m,8H),3.5(d,4H)、31P−NMR(DMSO−d6,162MHz):δ21.0(S)、融点:257℃
2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド(FR−3)の調製
攪拌機、温度計、コンデンサーを有する反応容器に、3,9−ジベンジロキシ−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン22.55g(0.055モル)、ベンジルブロマイド19.01g(0.11モル)およびキシレン33.54g(0.32モル)を充填し、室温下攪拌しながら、乾燥窒素をフローさせた。次いでオイルバスで加熱を開始し、還流温度(約130℃)で4時間加熱、攪拌した。加熱終了後、室温まで放冷し、キシレン20mLを加え、さらに30分攪拌した。析出した結晶をろ過により分離し、得られたろ取物を100℃、1.33×102Paにて減圧乾燥を行った。得られた白色固体は、1H、31P―NMRにより2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイドであることを確認した。加熱重量減少残さは10.1%、酸価は2.5mgKOH/g、HPLC純度は84%、31PNMR純度は85%であった。
(イ)スチレン系樹脂(A成分)
(i)市販の耐衝撃性ポリスチレン(A&Mスチレン製スタイロン492R;還元粘度ηsp/C(0.5g/dl、トルエン溶液、30℃測定)は0.96dl/g、ゴム状重合体は6.5重量%)を用いた(以下HIPS−1と称する)。
(ii)市販の耐衝撃性ポリスチレン(A&Mスチレン製スタイロンH9152;還元粘度ηsp/C(0.5g/dl、トルエン溶液、30℃測定)は0.82dl/g、ゴム状重合体は6.1重量%)を用いた(以下HIPS−2と称する)。
(iii)市販の耐衝撃性ポリスチレン(A&Mスチレン製スタイロン433;還元粘度ηsp/C(0.5g/dl、トルエン溶液、30℃測定)は0.78dl/g、ゴム状重合体は5.2重量%)を用いた(以下HIPS−3と称する)。
(i)調製例1で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド
前記一般式(4)で示される有機リン系化合物(以下FR−1と称する)。
(ii)調製例2で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド
前記一般式(4)で示される有機リン系化合物(以下FR−2と称する)。
(iii)調製例3で合成した2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン,3,9−ジベンジル−3,9−ジオキサイド
前記一般式(4)で示される有機リン系化合物(以下FR−3と称する)。
(i)トリフェニルホスフェート
市販の芳香族リン酸エステル(大八化学工業製TPP)を用いた(以下FR−4と称する)。
(ii)1,3−フェニレンビス[ジ(2,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]
前記一般式(D−3)でAr4がフェニレン基、Q1、Q2、Q3およびQ4が2,6−ジメチルフェニル基であり、mは1である有機リン酸エステル化合物であり、市販の芳香族リン酸エステル(旭電化工業製アデカスタブFP−500)を用いた(以下FR−5と称する)。
(iii)レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)
前記一般式(D−3)でAr4がフェニレン基、Q1、Q2、Q3およびQ4がフェニル基であり、mは0、1、2(m=1が主成分)である有機リン酸エステル化合物であり、市販の芳香族リン酸エステル(大八化学工業製CR−733S)を用いた(以下FR−6と称する)。
(iv)ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)
前記一般式(D−4)でAr4−Z−Ar5がビスフェノールA、Q1、Q2、Q3およびQ4がフェニル基であり、mは1である有機リン酸エステル化合物であり、市販の芳香族リン酸エステル(大八化学工業製CR−741)を用いた(以下FR−7と称する)。
表1〜5記載の各成分を表1〜5記載の量(重量部)でタンブラーにて配合し、15mmφ二軸押出機(テクノベル製、KZW15)にて、シリンダー温度220℃でペレット化し、得られたペレットを70℃の熱風乾燥機にて4時間乾燥を行った。該ペレットを射出成形機((株)日本製鋼所製、J75Si)にて、成形温度210℃、金型温度40℃で各試験片を成形した。この試験片を用いて評価した結果を表1〜表5に示した。
Claims (9)
- A成分のスチレン系樹脂がゴム変性スチレン系樹脂である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
- A成分のスチレン系樹脂が耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
- A成分のスチレン系樹脂が、下記記載の方法で測定される還元粘度ηsp/Cが0.2〜1.5dl/gであり、且つ下記記載の方法で測定されるゴム状重合体成分含有量が1〜50重量%であるゴム変性スチレン系樹脂である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
還元粘度ηsp/Cの測定方法;ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2時間振とうし、4000rpmで30分間遠心分離し、上澄み液を取り出し、メタノールで樹脂成分を析出させた後、乾燥して得られた樹脂、0.1gをトルエンに溶解し、0.5g/dlの溶液とし、この溶液10mlを毛細管径約0.3mmであるオストワルド型粘度計に入れ、30℃でこの溶液の流下秒数t1を測定し、一方、同じ粘度計でトルエンの流下秒数t0を測定し、以下の数式により算出した。
ηsp/C=(t1/t0−1)/C (C:ポリマー濃度g/dl)
ゴム状重合体成分含有量の測定方法;核磁気共鳴測定装置(バリアン製、UNITY300)により、水素原子の核磁気共鳴を測定し、スチレンユニットとブタジエンユニットのモル比よりゴム状重合体成分量を算出した。 - C成分の有機リン化合物の酸価が0.1mgKOH/g以下である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
- A成分100重量部に対して、C成分が2〜50重量部の割合である請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
- UL−94規格の難燃レベルにおいて少なくともV−2で、厚み1.6mmの試験片で難燃レベルがV−2の場合にその平均燃焼秒数が10秒以内であり、且つ酸素指数(LOI)が22.0以上を達成することができる請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
- 実質的にハロゲンを含有しない請求項1記載の難燃性スチレン系樹脂組成物。
- 請求項1記載の難燃性樹脂組成物より形成された成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010015361A JP5571399B2 (ja) | 2010-01-27 | 2010-01-27 | 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010015361A JP5571399B2 (ja) | 2010-01-27 | 2010-01-27 | 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005511672A Division JP4560485B2 (ja) | 2003-12-10 | 2003-12-10 | 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010095731A JP2010095731A (ja) | 2010-04-30 |
JP5571399B2 true JP5571399B2 (ja) | 2014-08-13 |
Family
ID=42257617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010015361A Expired - Fee Related JP5571399B2 (ja) | 2010-01-27 | 2010-01-27 | 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5571399B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6659590B2 (ja) * | 2015-01-23 | 2020-03-04 | 帝人株式会社 | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 |
JP6546002B2 (ja) * | 2015-05-18 | 2019-07-17 | 帝人株式会社 | 有機リン系化合物、難燃剤およびそれからなる難燃製品 |
JP6755357B2 (ja) * | 2019-04-10 | 2020-09-16 | 帝人株式会社 | 有機リン系化合物、難燃剤およびそれからなる難燃性の樹脂組成物 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3839506A (en) * | 1973-04-16 | 1974-10-01 | Borg Warner | Hindered phenol pentaerythritol phosphonate |
US4162278A (en) * | 1978-04-28 | 1979-07-24 | American Cyanamid Company | Flame retardant polyphenylene ether resin compositions containing a pentaerythrityl phosphonate |
JP2001002945A (ja) * | 1999-06-23 | 2001-01-09 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 安定化された難燃性樹脂組成物 |
JP4518601B2 (ja) * | 1999-11-05 | 2010-08-04 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 難燃剤組成物とそれを用いた樹脂組成物の製造法 |
JP2002003727A (ja) * | 2000-06-22 | 2002-01-09 | Teijin Chem Ltd | 難燃性樹脂組成物 |
JP4653373B2 (ja) * | 2001-09-17 | 2011-03-16 | 帝人化成株式会社 | 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品 |
JP2003213109A (ja) * | 2001-11-13 | 2003-07-30 | Teijin Chem Ltd | 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品 |
-
2010
- 2010-01-27 JP JP2010015361A patent/JP5571399B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010095731A (ja) | 2010-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1408085B1 (en) | Flame retardant resin composition and molded article therefrom | |
JP5394836B2 (ja) | 難燃及び衝撃改質剤、その製造方法、並びにそれを含む熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4585659B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP5571399B2 (ja) | 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP4653373B2 (ja) | 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品 | |
JP4660061B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP2004210968A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP4560485B2 (ja) | 難燃性スチレン系樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP4660054B2 (ja) | 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品 | |
JP4010898B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP4870315B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP5502819B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP4486299B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP4080254B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JPH07316411A (ja) | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4563645B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP2004018764A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP2004018626A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP2004018586A (ja) | 難燃性樹脂成形物およびそれからの成形品 | |
JP4633995B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP2004035796A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP2004018734A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP7477427B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからなる成形品 | |
JP2004018733A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP2004018731A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれからの成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100128 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20110630 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20110630 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121030 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121211 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130131 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20130425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130813 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131011 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140603 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140626 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5571399 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |