JPH07316411A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH07316411A JPH07316411A JP11497094A JP11497094A JPH07316411A JP H07316411 A JPH07316411 A JP H07316411A JP 11497094 A JP11497094 A JP 11497094A JP 11497094 A JP11497094 A JP 11497094A JP H07316411 A JPH07316411 A JP H07316411A
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- resin
- aromatic
- resin composition
- graft copolymer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた加工性を持ち、耐衝撃性、耐熱性、剛
性および難燃性を示す熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 芳香族ポリカーボネート樹脂、ジエン系ゴム
質重合体を幹とし芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル
単量体およびこれらと共重合可能なたのビニル単量体を
重合して得られるグラフト共重合体樹脂、特定の芳香族
モノホスフェート、特定のタルク、のブレンドからなる
熱可塑性樹脂組成物。ただし、各成分はその配合比率に
ついて重量的条件の限定がある。 【効果】 前記目的を達成することができる。
性および難燃性を示す熱可塑性樹脂組成物を提供する。 【構成】 芳香族ポリカーボネート樹脂、ジエン系ゴム
質重合体を幹とし芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル
単量体およびこれらと共重合可能なたのビニル単量体を
重合して得られるグラフト共重合体樹脂、特定の芳香族
モノホスフェート、特定のタルク、のブレンドからなる
熱可塑性樹脂組成物。ただし、各成分はその配合比率に
ついて重量的条件の限定がある。 【効果】 前記目的を達成することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性熱可塑性樹脂組
成物に関する。さらに詳しくは、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂(以下PC樹脂ということがある。)と芳香族ビ
ニル系グラフト共重合体樹脂(以下ABS樹脂というこ
とがある。)とを基体樹脂とし、これに特定の芳香族モ
ノホスフェートを難燃剤とし、また、特定粒子径のタル
ク、場合によりポリテトラフルオロエチレン(以下PT
FEという。)を配合してなる、成形成と機械的強度に
優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
成物に関する。さらに詳しくは、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂(以下PC樹脂ということがある。)と芳香族ビ
ニル系グラフト共重合体樹脂(以下ABS樹脂というこ
とがある。)とを基体樹脂とし、これに特定の芳香族モ
ノホスフェートを難燃剤とし、また、特定粒子径のタル
ク、場合によりポリテトラフルオロエチレン(以下PT
FEという。)を配合してなる、成形成と機械的強度に
優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は成形性に優れていること
から、従来から、多くの用途に使用されている。また、
一種の熱可塑性樹脂材料の欠点を補う目的で、種類の異
なる2種類以上の樹脂材料を混合する手法が提案され、
実用化されている。例えば、PC樹脂とABS樹脂との
混合物は、PC樹脂単独の場合に比べて成形性が改良さ
れ、ABS樹脂単独の場合に比べて耐衝撃性と耐熱性が
改良される。従って、成形品に要求される物性に応じ
て、使用される樹脂材料が選択される。例えば、自動車
部品、家庭用電気機器部品、事務機器部品、機械部品な
どの製造に供する材料には、耐衝撃性と耐熱性が要求さ
れるので、PC樹脂とABS樹脂との混合物は好適であ
る。
から、従来から、多くの用途に使用されている。また、
一種の熱可塑性樹脂材料の欠点を補う目的で、種類の異
なる2種類以上の樹脂材料を混合する手法が提案され、
実用化されている。例えば、PC樹脂とABS樹脂との
混合物は、PC樹脂単独の場合に比べて成形性が改良さ
れ、ABS樹脂単独の場合に比べて耐衝撃性と耐熱性が
改良される。従って、成形品に要求される物性に応じ
て、使用される樹脂材料が選択される。例えば、自動車
部品、家庭用電気機器部品、事務機器部品、機械部品な
どの製造に供する材料には、耐衝撃性と耐熱性が要求さ
れるので、PC樹脂とABS樹脂との混合物は好適であ
る。
【0003】これらの樹脂材料にはさらに難燃性を要求
されることがあり、この場合には難燃剤が配合される。
ハロゲン系難燃剤を配合した樹脂組成物については、例
えば本出願人は特願平4−138080号として既に出
願している。しかし、ハロゲン系難燃剤は、樹脂組成物
から目的の製品に成形する際に熱分解したり、成形品が
廃棄物となった場合に有害物質に転換することがあり、
使用上問題があった。
されることがあり、この場合には難燃剤が配合される。
ハロゲン系難燃剤を配合した樹脂組成物については、例
えば本出願人は特願平4−138080号として既に出
願している。しかし、ハロゲン系難燃剤は、樹脂組成物
から目的の製品に成形する際に熱分解したり、成形品が
廃棄物となった場合に有害物質に転換することがあり、
使用上問題があった。
【0004】このため、ハロゲン系難燃剤以外の難燃剤
として、例えばリン酸エステル(ホスフェート)が使用
されるようになった。しかしながら、例えばPC樹脂と
ABS樹脂との樹脂混合物に、トリフェニルホスフェー
トを配合したり(EP174493号公報)、縮合リン
酸エステルであるホスフェート系オリゴマ−を配合する
ことが提案されているが(NL8802346号公
報)、これらで提案されているホスフェート類は融点が
低くまた液状であったりして、基体樹脂との配合加工性
に劣り、耐熱性の劣った樹脂組成物しか得られていな
い。
として、例えばリン酸エステル(ホスフェート)が使用
されるようになった。しかしながら、例えばPC樹脂と
ABS樹脂との樹脂混合物に、トリフェニルホスフェー
トを配合したり(EP174493号公報)、縮合リン
酸エステルであるホスフェート系オリゴマ−を配合する
ことが提案されているが(NL8802346号公
報)、これらで提案されているホスフェート類は融点が
低くまた液状であったりして、基体樹脂との配合加工性
に劣り、耐熱性の劣った樹脂組成物しか得られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PC樹脂と
ABS樹脂との樹脂混合物に、特定の芳香族モノホスフ
ェートおよび特定の焼成タルク、また場合によりPTF
Eを含有させることにより、上記問題を解決し、加工
性、成形性に優れ、耐熱性および耐衝撃性などの物性に
優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
ABS樹脂との樹脂混合物に、特定の芳香族モノホスフ
ェートおよび特定の焼成タルク、また場合によりPTF
Eを含有させることにより、上記問題を解決し、加工
性、成形性に優れ、耐熱性および耐衝撃性などの物性に
優れた難燃性熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項第1項に記載の発明においては、(A)芳香
族ポリカーボネート樹脂40〜90重量%、(B)共役
ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体および必要に応じこれと共重合可能な
ビニル単量体を重合して得られるグラフト共重合体樹脂
5〜40重量%、(C)下記(I)式で示される芳香族
モノホスフェート1〜30重量%、および(D)平均粒
子径が2μm以下の焼成タルクを1〜20重量%を含有
してなる(但し、各成分の合計量は100重量%とす
る。)樹脂組成物にするという手段を講じているもので
ある。
に、請求項第1項に記載の発明においては、(A)芳香
族ポリカーボネート樹脂40〜90重量%、(B)共役
ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体および必要に応じこれと共重合可能な
ビニル単量体を重合して得られるグラフト共重合体樹脂
5〜40重量%、(C)下記(I)式で示される芳香族
モノホスフェート1〜30重量%、および(D)平均粒
子径が2μm以下の焼成タルクを1〜20重量%を含有
してなる(但し、各成分の合計量は100重量%とす
る。)樹脂組成物にするという手段を講じているもので
ある。
【0007】
【化3】
【0008】また、請求項第2項に記載の発明において
は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜90重量
%、(B)共役ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じこれ
と共重合可能なビニル単量体を重合して得られるグラフ
ト共重合体樹脂5〜40重量%、(C)下記(I)式で
示される芳香族モノホスフェート1〜30重量%、
(D)平均粒子径が2μm以下の焼成タルクを1〜20
重量%、および(E)ポリテトラフルオロエチレン0.
1〜1.0重量%を含有してなる(但し、各成分の合計
量は100重量%とする。)樹脂組成物にするという手
段を講じているものである。
は、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜90重量
%、(B)共役ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に応じこれ
と共重合可能なビニル単量体を重合して得られるグラフ
ト共重合体樹脂5〜40重量%、(C)下記(I)式で
示される芳香族モノホスフェート1〜30重量%、
(D)平均粒子径が2μm以下の焼成タルクを1〜20
重量%、および(E)ポリテトラフルオロエチレン0.
1〜1.0重量%を含有してなる(但し、各成分の合計
量は100重量%とする。)樹脂組成物にするという手
段を講じているものである。
【0009】
【化4】
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
係る樹脂組成物は、(A)成分として芳香族ポリカーボ
ネート樹脂を含有する。芳香族ポリカーボネート樹脂
は、特に制限されず、各種のものを使用できる。例え
ば、溶剤法、すなわち、塩化メチレンなどの溶剤中で、
公知の酸受容体、分子量調整剤の存在化に二価フェノー
ルなどのカーボネート前駆体とを反応させるいわゆるホ
スゲン法、二価フェノールとジフェニルカーボネート前
駆体とを反応させるエステル交換法などによって得られ
る芳香族ポリカーボネート樹脂が代表的である。
係る樹脂組成物は、(A)成分として芳香族ポリカーボ
ネート樹脂を含有する。芳香族ポリカーボネート樹脂
は、特に制限されず、各種のものを使用できる。例え
ば、溶剤法、すなわち、塩化メチレンなどの溶剤中で、
公知の酸受容体、分子量調整剤の存在化に二価フェノー
ルなどのカーボネート前駆体とを反応させるいわゆるホ
スゲン法、二価フェノールとジフェニルカーボネート前
駆体とを反応させるエステル交換法などによって得られ
る芳香族ポリカーボネート樹脂が代表的である。
【0011】好適に使用できる二価フェノールとして
は、ビスフェノール類が挙げられ、特に、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下これを「ビ
スフェノールA」と略記する。)が好ましい。また、ビ
スフェノールAの一部または全部を他の二価フェノール
で置換したものであってもよい。芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、機械的強度および成形性の観点から、その粘
度平均分子量が10,000〜100,000の範囲の
ものが好ましく、中でも15,000〜40,000の
範囲のものが特に好適である。
は、ビスフェノール類が挙げられ、特に、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下これを「ビ
スフェノールA」と略記する。)が好ましい。また、ビ
スフェノールAの一部または全部を他の二価フェノール
で置換したものであってもよい。芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、機械的強度および成形性の観点から、その粘
度平均分子量が10,000〜100,000の範囲の
ものが好ましく、中でも15,000〜40,000の
範囲のものが特に好適である。
【0012】本発明に係る樹脂組成物は、(B)成分と
して共役ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体および必要に応じこれと共重
合可能な単量体を重合して得られるグラフト共重合体樹
脂を含有する。グラフト重合体を構成する共役ジエン系
重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、
ポリイソプレン、ポリクロロプレンなどを挙げることが
できる。ゴム状重合体は、1種でも2種以上の混合物で
あってもよい。
して共役ジエン系重合体の存在下に、芳香族ビニル単量
体、シアン化ビニル単量体および必要に応じこれと共重
合可能な単量体を重合して得られるグラフト共重合体樹
脂を含有する。グラフト重合体を構成する共役ジエン系
重合体としては、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、
ポリイソプレン、ポリクロロプレンなどを挙げることが
できる。ゴム状重合体は、1種でも2種以上の混合物で
あってもよい。
【0013】芳香族ビニル単量体としては、スチレン、
α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどが挙げられる。シアン化ビニル単量体としては、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが挙げら
れる。これらと共重合可能な単量体としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレー
ト、ブチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタア
クリレート、ヒドロキシブチルメタアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタアクリレート、マレイミド、N−フ
ェニルマレイミドなどを挙げることができる。これら共
重合可能な単量体は、1種でも2種以上の混合物であっ
てもよい。
α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどが挙げられる。シアン化ビニル単量体としては、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが挙げら
れる。これらと共重合可能な単量体としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレー
ト、ブチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタア
クリレート、ヒドロキシブチルメタアクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタアクリレート、マレイミド、N−フ
ェニルマレイミドなどを挙げることができる。これら共
重合可能な単量体は、1種でも2種以上の混合物であっ
てもよい。
【0014】(B)成分のグラフト共重合体の製造方法
としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化
−懸濁重合法、塊状−懸濁重合法、乳化−塊状重合法、
などの公知の重合法を、回分式および/連続式と組合わ
せて用いられる。これら製造法の中では乳化重合法が好
ましく、ラテックス状の共役ジエン系重合体を用い、芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、および必要
に応じこれらと共重合可能な単量体の1種または2種以
上の単量体混合物を、乳化重合法で重合するのがよい。
としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化
−懸濁重合法、塊状−懸濁重合法、乳化−塊状重合法、
などの公知の重合法を、回分式および/連続式と組合わ
せて用いられる。これら製造法の中では乳化重合法が好
ましく、ラテックス状の共役ジエン系重合体を用い、芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、および必要
に応じこれらと共重合可能な単量体の1種または2種以
上の単量体混合物を、乳化重合法で重合するのがよい。
【0015】この場合、使用する共役ジエン系重合体の
ゴムラテックスの重量平均ゴム粒子径は、0.15〜
0.35μmの範囲で選ぶのが好ましい。この重量平均
ゴム粒子径が0.15μm未満では、最終的に得られる
樹脂組成物の耐衝撃性が著しく劣ったものとなり、0.
35μmを越えるときは、最終的に得られる樹脂組成物
の燃焼時のドリップ性を満足することができない場合が
ある。なお、重量平均ゴム粒子径は、0.15〜0.3
5μmの範囲のゴムラテックスは粒子径が大きいく、一
般には直接製造するのが困難であるので、0.15μm
未満の小粒子径のゴムラテックスを製造し、粒子径肥大
操作を行って得るのが好ましい。粒子径肥大操作は、公
知の方法、例えば、ラテックスを一度凍結させてから再
溶解する方法、ラテックスに鉱酸、有機酸などを添加し
てPHを一時的に低下させる方法、ラテックスに剪断力
を加える方法など(特開昭54−133588号公報、
特開昭59−202211号公報)によって、行うこと
ができる。特に、ラテックスに、燐酸または無水酢酸を
添加する方法が、粒子径の調節が容易であるので好まし
い。共役ジエン系重合体のゴム粒子径の分布は、必ずし
も単峰性である必要はなく、多峰性、即ち、異なるゴム
粒子径のゴムの混合によって得られるものであってよ
い。なお、本発明においてゴムラテックスの重量平均ゴ
ム粒子径とは、米国コールター電子社(Coulter Electro
nics Ltd.)製「ナノサイザー」(CoulterNano-Sizie
rTM)により、グラフト重合前の原料ゴムのラテックス
を23℃の水中に分散した系で測定した重量平均ゴム粒
子径である。
ゴムラテックスの重量平均ゴム粒子径は、0.15〜
0.35μmの範囲で選ぶのが好ましい。この重量平均
ゴム粒子径が0.15μm未満では、最終的に得られる
樹脂組成物の耐衝撃性が著しく劣ったものとなり、0.
35μmを越えるときは、最終的に得られる樹脂組成物
の燃焼時のドリップ性を満足することができない場合が
ある。なお、重量平均ゴム粒子径は、0.15〜0.3
5μmの範囲のゴムラテックスは粒子径が大きいく、一
般には直接製造するのが困難であるので、0.15μm
未満の小粒子径のゴムラテックスを製造し、粒子径肥大
操作を行って得るのが好ましい。粒子径肥大操作は、公
知の方法、例えば、ラテックスを一度凍結させてから再
溶解する方法、ラテックスに鉱酸、有機酸などを添加し
てPHを一時的に低下させる方法、ラテックスに剪断力
を加える方法など(特開昭54−133588号公報、
特開昭59−202211号公報)によって、行うこと
ができる。特に、ラテックスに、燐酸または無水酢酸を
添加する方法が、粒子径の調節が容易であるので好まし
い。共役ジエン系重合体のゴム粒子径の分布は、必ずし
も単峰性である必要はなく、多峰性、即ち、異なるゴム
粒子径のゴムの混合によって得られるものであってよ
い。なお、本発明においてゴムラテックスの重量平均ゴ
ム粒子径とは、米国コールター電子社(Coulter Electro
nics Ltd.)製「ナノサイザー」(CoulterNano-Sizie
rTM)により、グラフト重合前の原料ゴムのラテックス
を23℃の水中に分散した系で測定した重量平均ゴム粒
子径である。
【0016】(B)成分のグラフト共重合体樹脂におけ
る共役ジエン系重合体と単量体混合物との組成比は、共
役ジエン系重合体10〜70重量%の存在下に、単量体
混合物90〜30重量%の範囲で選ぶのが好ましい。さ
らに好ましくは、共役ジエン系重合体45〜70重量
%、単量体混合物55〜30重量%の範囲であり、この
範囲とすることにより、最終的に得られる樹脂組成物の
難燃性が向上しやすくなる。さらに、単量体混合物中の
芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、およびこ
れらと共重合可能な他のビニル単量体との組成比は、芳
香族ビニル単量体40〜80重量%、シアン化ビニル単
量体1〜40重量%、これらと共重合可能な他のビニル
単量体0〜59重量%の範囲で選ぶのが好ましい。この
範囲を外れると、グラフト共重合体樹脂の耐熱性や他の
樹脂への混和性などの物性が変化して、最終的に得られ
る難燃性樹脂組成物の物性が劣ることがある。
る共役ジエン系重合体と単量体混合物との組成比は、共
役ジエン系重合体10〜70重量%の存在下に、単量体
混合物90〜30重量%の範囲で選ぶのが好ましい。さ
らに好ましくは、共役ジエン系重合体45〜70重量
%、単量体混合物55〜30重量%の範囲であり、この
範囲とすることにより、最終的に得られる樹脂組成物の
難燃性が向上しやすくなる。さらに、単量体混合物中の
芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、およびこ
れらと共重合可能な他のビニル単量体との組成比は、芳
香族ビニル単量体40〜80重量%、シアン化ビニル単
量体1〜40重量%、これらと共重合可能な他のビニル
単量体0〜59重量%の範囲で選ぶのが好ましい。この
範囲を外れると、グラフト共重合体樹脂の耐熱性や他の
樹脂への混和性などの物性が変化して、最終的に得られ
る難燃性樹脂組成物の物性が劣ることがある。
【0017】本発明のグラフト共重合体樹脂の具体例と
しては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合体、メチルメタアクリレート・アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン共重合体などのABS樹脂を挙げる
ことができる。このグラフト共重合体樹脂は、他の樹脂
組成物原料と配合することにより、得られる樹脂組成物
に優れた物性バランス、難燃性、成形性を発揮させるこ
とができる。
しては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重
合体、メチルメタアクリレート・アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン共重合体などのABS樹脂を挙げる
ことができる。このグラフト共重合体樹脂は、他の樹脂
組成物原料と配合することにより、得られる樹脂組成物
に優れた物性バランス、難燃性、成形性を発揮させるこ
とができる。
【0018】本発明に係る樹脂組成物は、(C)成分と
して前記(I)式で示される芳香族モノホスフェートを
含有する。前記(I)式で示される芳香族モノホスフェ
ートとは、ジアルキルフェノールのオルトリン酸トリエ
ステルである。この芳香族モノフォスフェートを前記
(A)成分、(B)成分よりなる樹脂混合物に配合する
と、良好な難燃効果を発揮する難燃剤として作用すると
ともに、本発明に係る樹脂組成物に、混和性、耐熱性、
低揮発性、成形性、耐衝撃性などの優れた物性を与え
る。
して前記(I)式で示される芳香族モノホスフェートを
含有する。前記(I)式で示される芳香族モノホスフェ
ートとは、ジアルキルフェノールのオルトリン酸トリエ
ステルである。この芳香族モノフォスフェートを前記
(A)成分、(B)成分よりなる樹脂混合物に配合する
と、良好な難燃効果を発揮する難燃剤として作用すると
ともに、本発明に係る樹脂組成物に、混和性、耐熱性、
低揮発性、成形性、耐衝撃性などの優れた物性を与え
る。
【0019】この芳香族モノホスフェートは、例えば
2,6−キシレノールとオキシ塩化リンとを、ルイス酸
触媒存在下に反応させてることによって得られる。特
に、芳香族モノホスフェートとしては、前記(I)式に
おけるR1 およびR2 がメチル基である、トリ(2,6
−キシリル)ホスフェートが好ましい。R1 およびR2
の炭素数が3を越えると、成形性および耐熱性が低下
し、炭素数が1未満すなわちR1 およびR2 が水素原子
であると、耐熱性が低く、揮発性およびプレートアウト
性が高く、ともに本発明に係る樹脂組成物の物性を低下
させるので、好ましくない。
2,6−キシレノールとオキシ塩化リンとを、ルイス酸
触媒存在下に反応させてることによって得られる。特
に、芳香族モノホスフェートとしては、前記(I)式に
おけるR1 およびR2 がメチル基である、トリ(2,6
−キシリル)ホスフェートが好ましい。R1 およびR2
の炭素数が3を越えると、成形性および耐熱性が低下
し、炭素数が1未満すなわちR1 およびR2 が水素原子
であると、耐熱性が低く、揮発性およびプレートアウト
性が高く、ともに本発明に係る樹脂組成物の物性を低下
させるので、好ましくない。
【0020】好ましい芳香族モノホスフェートの具体例
としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。ただ
し、本発明これら例示したものに限られるものではな
い。 (1) トリ(2,6−キシリル)ホスフェート{(II)式
に示す。融点137℃}
としては、例えば、下記の化合物が挙げられる。ただ
し、本発明これら例示したものに限られるものではな
い。 (1) トリ(2,6−キシリル)ホスフェート{(II)式
に示す。融点137℃}
【0021】
【化5】
【0022】(2) トリフェニルホスフェート{(III)式
に示す。融点49℃}
に示す。融点49℃}
【0023】
【化6】
【0024】(3) 芳香族モノホスフェート系オリゴマー
{(IV)式に示す。常温で液体。融点不明}
{(IV)式に示す。常温で液体。融点不明}
【0025】
【化7】
【0026】(4) テトラ(2,6−キシリル)ハイドロ
キノンジホスフェート{(V)式に示す。融点169
℃}
キノンジホスフェート{(V)式に示す。融点169
℃}
【0027】
【化8】
【0028】本発明に係る樹脂組成物は、(D)成分と
して平均粒子径が2μm以下の焼成タルクを含有する。
従来から熱可塑性樹脂の充填剤として知られているタル
クは、平均粒子径が3〜10μmの範囲で、本発明者ら
の実験によれば、この粒子径のタルクを使用した場合に
は、本発明の目的が達成されない。本発明の目的を効果
的に達成するには、平均粒子径が2μm以下の焼成タル
クを使用する必要がある。この様な焼成タルクは、原石
を焼成、粉砕し、厳密に分級することにより得ることが
できる。これらのタルクはアミノシラン、グリシドキシ
シランなどの公知のシランカップリング剤で表面処理し
たものを使用することもできる。
して平均粒子径が2μm以下の焼成タルクを含有する。
従来から熱可塑性樹脂の充填剤として知られているタル
クは、平均粒子径が3〜10μmの範囲で、本発明者ら
の実験によれば、この粒子径のタルクを使用した場合に
は、本発明の目的が達成されない。本発明の目的を効果
的に達成するには、平均粒子径が2μm以下の焼成タル
クを使用する必要がある。この様な焼成タルクは、原石
を焼成、粉砕し、厳密に分級することにより得ることが
できる。これらのタルクはアミノシラン、グリシドキシ
シランなどの公知のシランカップリング剤で表面処理し
たものを使用することもできる。
【0029】本発明の請求項第2項の樹脂組成物は、
(D)成分としてポリテトラフルオロエチレンを含有す
る。このポリテトラフルオロエチレンは、テトラフルオ
ロエチレンを主成分として重合して得られた弗化炭化水
素系重合体であり、PTFEと略称される。PTFEを
樹脂組成物に含有させることにより、樹脂組成物の物
性、燃焼時のドリップ性を向上させることができる。
(D)成分としてポリテトラフルオロエチレンを含有す
る。このポリテトラフルオロエチレンは、テトラフルオ
ロエチレンを主成分として重合して得られた弗化炭化水
素系重合体であり、PTFEと略称される。PTFEを
樹脂組成物に含有させることにより、樹脂組成物の物
性、燃焼時のドリップ性を向上させることができる。
【0030】本発明の請求項第1項の樹脂組成物を構成
する各成分の含有割合は、(A)成分の芳香族ポリカー
ボネート樹脂40〜90重量%、(B)成分のグラフト
共重合体樹脂5〜40重量%、(C)成分の芳香族モノ
ホスフェート1〜30重量%、(D)成分の焼成タルク
1〜20重量%の範囲とする(但し、各成分の合計量は
100重量%とする。)ものである。また、請求項第2
項の樹脂組成物を構成する各成分の含有割合は、上記
(A)〜(D)の各成分にさらに(E)成分のポリテト
ラフルオロエチレンを0.1〜1.0重量%配合したも
のである。請求項第1項に記載の樹脂組成物の場合、構
成成分が上記範囲を外れると、得られる樹脂組成物は、
機械的強度、成形加工性などの物性が低下し好ましくな
い。請求項第2項に記載の樹脂組成物の場合、PTFE
を含有させることにより、樹脂組成物の物性、燃焼時の
ドリップ性の向上をはかることができる。
する各成分の含有割合は、(A)成分の芳香族ポリカー
ボネート樹脂40〜90重量%、(B)成分のグラフト
共重合体樹脂5〜40重量%、(C)成分の芳香族モノ
ホスフェート1〜30重量%、(D)成分の焼成タルク
1〜20重量%の範囲とする(但し、各成分の合計量は
100重量%とする。)ものである。また、請求項第2
項の樹脂組成物を構成する各成分の含有割合は、上記
(A)〜(D)の各成分にさらに(E)成分のポリテト
ラフルオロエチレンを0.1〜1.0重量%配合したも
のである。請求項第1項に記載の樹脂組成物の場合、構
成成分が上記範囲を外れると、得られる樹脂組成物は、
機械的強度、成形加工性などの物性が低下し好ましくな
い。請求項第2項に記載の樹脂組成物の場合、PTFE
を含有させることにより、樹脂組成物の物性、燃焼時の
ドリップ性の向上をはかることができる。
【0031】本発明に係る樹脂組成物を製造するには、
以上説明したような(A)成分ないし(D)成分の各成
分、また場合により(E)成分をも秤量し、混合する。
得られる混合物は、ドライブレンドのまま目的の成形に
供することができるが、さらに溶融混練してペレットな
どの粒状物にするのが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂
組成物の各成分を混合、混練するには、公知の方法によ
ることができる。
以上説明したような(A)成分ないし(D)成分の各成
分、また場合により(E)成分をも秤量し、混合する。
得られる混合物は、ドライブレンドのまま目的の成形に
供することができるが、さらに溶融混練してペレットな
どの粒状物にするのが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂
組成物の各成分を混合、混練するには、公知の方法によ
ることができる。
【0032】例えば、粉末、ビーズ、フレークまたはペ
レット状のこれら構成成分の一種または二種以上の混合
物を、一軸押出機、二軸押出機などの押出機、またはバ
ンバリーミキサー、加圧ニーダー、加熱ロールなどの混
練機、加工装置により、さらに溶融混合して、樹脂組成
物とすることができる。さらに本発明に係る樹脂組成物
には、本発明樹脂組成物の性質を阻害しない種類および
量のその他の樹脂、潤滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止
剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐光安定剤な
どの各種樹脂添加剤を適宜組合せて添加することができ
る。
レット状のこれら構成成分の一種または二種以上の混合
物を、一軸押出機、二軸押出機などの押出機、またはバ
ンバリーミキサー、加圧ニーダー、加熱ロールなどの混
練機、加工装置により、さらに溶融混合して、樹脂組成
物とすることができる。さらに本発明に係る樹脂組成物
には、本発明樹脂組成物の性質を阻害しない種類および
量のその他の樹脂、潤滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止
剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐光安定剤な
どの各種樹脂添加剤を適宜組合せて添加することができ
る。
【0033】添加できるその他の樹脂としては、AS樹
脂、MBS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ACS樹
脂、PA樹脂、PBT樹脂、PET樹脂などが挙げら
れ、特に好ましいのは、芳香族ビニル単量体成分60〜
80重量%、シアン化ビニル単量体成分1〜40重量
%、およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体成分
0〜39重量%(但し、単量体成分の合計は100重量
%とする。)よりなる共重合体であるAS樹脂(F)で
あり、本発明樹脂組成物を構成する(B)成分の一部を
代替して、30重量%の範囲まで添加配合することがで
きる。
脂、MBS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ACS樹
脂、PA樹脂、PBT樹脂、PET樹脂などが挙げら
れ、特に好ましいのは、芳香族ビニル単量体成分60〜
80重量%、シアン化ビニル単量体成分1〜40重量
%、およびこれらと共重合可能な他のビニル単量体成分
0〜39重量%(但し、単量体成分の合計は100重量
%とする。)よりなる共重合体であるAS樹脂(F)で
あり、本発明樹脂組成物を構成する(B)成分の一部を
代替して、30重量%の範囲まで添加配合することがで
きる。
【0034】また、充填剤としては、ガラス繊維、金属
繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウイスカーなどの繊
維状強化剤、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス
フレーク、金属粉などを挙げることができ、これらは単
独でも、二種以上を組合せて配合することができる。本
発明に係る樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法、熱
成形法などの各種成形法によって、成形品を製造する際
の、原料樹脂として使用することができる。例えば、事
務機器部品、家庭用電気機器部品などの電気製品、およ
び自動車部品、船舶部品などの工業部品の製造用に好適
である。
繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウイスカーなどの繊
維状強化剤、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス
フレーク、金属粉などを挙げることができ、これらは単
独でも、二種以上を組合せて配合することができる。本
発明に係る樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法、熱
成形法などの各種成形法によって、成形品を製造する際
の、原料樹脂として使用することができる。例えば、事
務機器部品、家庭用電気機器部品などの電気製品、およ
び自動車部品、船舶部品などの工業部品の製造用に好適
である。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りであり、次
のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価
値は極めて大である。 (1)本発明に係る樹脂組成物は、PC樹脂、ABS樹
脂、特定の芳香族モノホスフェート、特定の焼成タル
ク、また場合によりPTFEを配合することにより、極
めて優れた成形性(流動性)と、耐衝撃性と剛性などの
機械的強度を兼ね備えた難燃性熱可塑性樹脂材料として
利用することができる。 (2)本発明に係る樹脂組成物は、難燃剤として、ハロ
ゲンを含まない化合物を配合するので、成形品あ廃棄さ
れた場合に有害物質に転換することがない。 (3)本発明に係る樹脂組成物は、各構成成分をそれぞ
れ最適化して配合しているので、基体樹脂の特徴である
優れた耐熱性、優れた流動性を発揮し、かつ、成形加工
サイクルを短縮することができる。
のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価
値は極めて大である。 (1)本発明に係る樹脂組成物は、PC樹脂、ABS樹
脂、特定の芳香族モノホスフェート、特定の焼成タル
ク、また場合によりPTFEを配合することにより、極
めて優れた成形性(流動性)と、耐衝撃性と剛性などの
機械的強度を兼ね備えた難燃性熱可塑性樹脂材料として
利用することができる。 (2)本発明に係る樹脂組成物は、難燃剤として、ハロ
ゲンを含まない化合物を配合するので、成形品あ廃棄さ
れた場合に有害物質に転換することがない。 (3)本発明に係る樹脂組成物は、各構成成分をそれぞ
れ最適化して配合しているので、基体樹脂の特徴である
優れた耐熱性、優れた流動性を発揮し、かつ、成形加工
サイクルを短縮することができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に記
載した例に限定されるものではない。なお、以下の例に
おいて「部」とあるのは、「重量部」を意味する。以下
の例において、樹脂組成物の各種物性値は、以下に記載
の方法によって評価した。 *燃焼性 UL94 V−0に準拠した。厚さ1.6mmの試験片
を使用した。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に記
載した例に限定されるものではない。なお、以下の例に
おいて「部」とあるのは、「重量部」を意味する。以下
の例において、樹脂組成物の各種物性値は、以下に記載
の方法によって評価した。 *燃焼性 UL94 V−0に準拠した。厚さ1.6mmの試験片
を使用した。
【0037】UL94 V−0に合格するのを『○』と
し、V−0には合格しないものは性能に応じて『V−
1』、『HB』として表示した。なお、表−2および表
−3に記載した燃焼性の評価はUL94に基づくもの
で、『最大燃焼時間(秒)』は1組5枚の試料残炎時間
の最大値を、『合計燃焼時間(秒)』は各組の残炎時間
の合計を、『ドリップ』は発炎物質または滴下物による
標識用綿の着火の有無、をそれぞれ意味する。 *曲げ弾性率 JIS K7203に準拠した。 *衝撃強さ JIS K7110に準拠したアイゾット衝撃強さ(ノ
ッチ付)を意味する。 *耐熱性 JIS K7207に準拠した。 *流動性(MFR) JIS K7210に準拠した。 *光沢 JIS K7105に準拠した。
し、V−0には合格しないものは性能に応じて『V−
1』、『HB』として表示した。なお、表−2および表
−3に記載した燃焼性の評価はUL94に基づくもの
で、『最大燃焼時間(秒)』は1組5枚の試料残炎時間
の最大値を、『合計燃焼時間(秒)』は各組の残炎時間
の合計を、『ドリップ』は発炎物質または滴下物による
標識用綿の着火の有無、をそれぞれ意味する。 *曲げ弾性率 JIS K7203に準拠した。 *衝撃強さ JIS K7110に準拠したアイゾット衝撃強さ(ノ
ッチ付)を意味する。 *耐熱性 JIS K7207に準拠した。 *流動性(MFR) JIS K7210に準拠した。 *光沢 JIS K7105に準拠した。
【0038】製造例 (1)グラフト重合体の製造 攪拌装置、加熱冷却装置、および各原料、助剤仕込み装
置を備えた容量5Lの反応器に、スチレン・ブタジエン
共重合ゴムラテックスであって、無水酢酸によって平均
粒子径0.25μmに粒子径肥大したものを固形分とし
て100部、脱イオン水を300部(ラテックス中の水
分を含む)を仕込み、攪拌下、内温を80℃に昇温し
た。内温が80℃に達した時点で、脱イオン水6部に溶
解した過硫酸カリウム0.2部、不均化ロジン酸カリウ
ム石鹸0.45部を添加し、この時点から、2時間45
分を要して、スチレン70部、アクリロニトリル30
部、t−ドデシルメルカプタン0.25部よりなる単量
体混合物を反応器に連続添加した。
置を備えた容量5Lの反応器に、スチレン・ブタジエン
共重合ゴムラテックスであって、無水酢酸によって平均
粒子径0.25μmに粒子径肥大したものを固形分とし
て100部、脱イオン水を300部(ラテックス中の水
分を含む)を仕込み、攪拌下、内温を80℃に昇温し
た。内温が80℃に達した時点で、脱イオン水6部に溶
解した過硫酸カリウム0.2部、不均化ロジン酸カリウ
ム石鹸0.45部を添加し、この時点から、2時間45
分を要して、スチレン70部、アクリロニトリル30
部、t−ドデシルメルカプタン0.25部よりなる単量
体混合物を反応器に連続添加した。
【0039】上記混合物の添加を開始してから30分経
過した時点から、脱イオン水40部に過硫酸カリウム
0.6部、不均化ロジン酸カリウム石鹸1.35部を溶
解した溶液の反応器への添加を開始し、2時間15分を
要して反応器に連続添加した。これらの連続添加終了
後、80℃の温度でさらに30分間反応を継続した後、
内温を冷却して、反応を終了した。
過した時点から、脱イオン水40部に過硫酸カリウム
0.6部、不均化ロジン酸カリウム石鹸1.35部を溶
解した溶液の反応器への添加を開始し、2時間15分を
要して反応器に連続添加した。これらの連続添加終了
後、80℃の温度でさらに30分間反応を継続した後、
内温を冷却して、反応を終了した。
【0040】得られたグラフト共重合体ラテックスに老
化防止剤を5部添加したあと、95℃に加熱した硫酸マ
グネシウム水溶液に攪拌しながら加えて凝固させ、凝固
物を水洗、乾燥して、白色粉末状のグラフト共重合体樹
脂を得た。
化防止剤を5部添加したあと、95℃に加熱した硫酸マ
グネシウム水溶液に攪拌しながら加えて凝固させ、凝固
物を水洗、乾燥して、白色粉末状のグラフト共重合体樹
脂を得た。
【0041】実施例1〜4、比較例1〜5 (A)成分としてPC樹脂(三菱化成社製、NOVAR
EX 7022A)、(B)成分として上記製造例に記
載の方法で得られたグラフト共重合体樹脂、(C)成分
としてトリ(2,6−キシリル)ホスフェート(大八化
学社製、PX130)、(D)成分として表−1に示す
焼成タルク、(E)成分としてPTFE(ダイキン社
製、F201)、(F)成分としてAS樹脂(モンサン
ト化成社製、SAN−C)、その他成分としてのガラス
繊維(日本硝子繊維社製、RES03−TP70)の各
成分を表−2、表−3に示す割合(重量%)で秤量し、
タンブラーで混合し、得られた混合物を、ベント付き二
軸押出機を用いて、揮発分を除去しながら混練して、樹
脂組成物のペレットを作成した。
EX 7022A)、(B)成分として上記製造例に記
載の方法で得られたグラフト共重合体樹脂、(C)成分
としてトリ(2,6−キシリル)ホスフェート(大八化
学社製、PX130)、(D)成分として表−1に示す
焼成タルク、(E)成分としてPTFE(ダイキン社
製、F201)、(F)成分としてAS樹脂(モンサン
ト化成社製、SAN−C)、その他成分としてのガラス
繊維(日本硝子繊維社製、RES03−TP70)の各
成分を表−2、表−3に示す割合(重量%)で秤量し、
タンブラーで混合し、得られた混合物を、ベント付き二
軸押出機を用いて、揮発分を除去しながら混練して、樹
脂組成物のペレットを作成した。
【0042】
【表1】
【0043】ペレットから物性評価用試験片を射出成形
法によって製造し、またはペレットを直接使用し、上記
の各種物性を測定した。結果を、表−2、表−3に示
す。
法によって製造し、またはペレットを直接使用し、上記
の各種物性を測定した。結果を、表−2、表−3に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】表−2および表−3より、次のことが明ら
かとなる。 1.本発明に係る難燃性樹脂組成物は、難燃性に優れて
いるばかりでなく、剛性、耐衝撃性、耐熱性、流動性に
おいても優れており、物性においてバランスがとれてい
る(実施例1〜4)。 2.これに対して、本発明の必須要件を満たしていない
比較例の樹脂組成物は、難燃性に劣ったり(比較例
1)、耐衝撃性において劣り(比較例2〜5)、物性に
おいてバランスがとれていない。
かとなる。 1.本発明に係る難燃性樹脂組成物は、難燃性に優れて
いるばかりでなく、剛性、耐衝撃性、耐熱性、流動性に
おいても優れており、物性においてバランスがとれてい
る(実施例1〜4)。 2.これに対して、本発明の必須要件を満たしていない
比較例の樹脂組成物は、難燃性に劣ったり(比較例
1)、耐衝撃性において劣り(比較例2〜5)、物性に
おいてバランスがとれていない。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜
90重量%、(B)共役ジエン系重合体の存在下に、芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に
応じこれと共重合可能なビニル単量体を重合して得られ
るグラフト共重合体樹脂5〜40重量%、(C)下記
(I)式で示される芳香族モノホスフェート1〜30重
量%、および(D)平均粒子径が2μm以下の焼成タル
クを1〜20重量%を含有してなる(但し、各成分の合
計量は100重量%とする。)ことを特徴とする難燃性
熱可塑性樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項2】(A)芳香族ポリカーボネート樹脂40〜
90重量%、(B)共役ジエン系重合体の存在下に、芳
香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体および必要に
応じこれと共重合可能なビニル単量体を重合して得られ
るグラフト共重合体樹脂5〜40重量%、(C)下記
(I)式で示される芳香族モノホスフェート1〜30重
量部、(D)平均粒子径が2μm以下の焼成タルクを1
〜20重量%、および(E)ポリテトラフルオロエチレ
ン0.1〜1.0重量%を含有してなる(但し、各成分
の合計量は100重量%とする。)ことを特徴とする難
燃性熱可塑性樹脂組成物。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11497094A JPH07316411A (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11497094A JPH07316411A (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07316411A true JPH07316411A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=14651139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11497094A Pending JPH07316411A (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 難燃性熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07316411A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000042106A1 (en) * | 1999-01-11 | 2000-07-20 | Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. | Flame-retardant polycarbonate resin composition and molded product |
WO2000046298A1 (fr) * | 1999-02-04 | 2000-08-10 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Composition de resine plastique |
JP2003518539A (ja) * | 1999-12-24 | 2003-06-10 | バイエル アクチェンゲゼルシャフト | 特定の純度のタルクを含む耐燃性ポリカーボネート成形用組成物 |
WO2003080727A1 (de) * | 2002-03-26 | 2003-10-02 | Bayer Materialscience Ag | Schlagzähmodifizierte polycarbonat-zusammensetzung, enthaltend kalzinierten talk |
WO2007061038A1 (ja) * | 2005-11-28 | 2007-05-31 | Mitsubishi Engineering-Plastics Corporation | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびその成形品 |
US7470471B2 (en) | 2003-11-12 | 2008-12-30 | Mitsui Chemicals, Inc. | Resin composition, prepreg and laminate using the composition |
JP2015227421A (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-17 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物 |
-
1994
- 1994-05-27 JP JP11497094A patent/JPH07316411A/ja active Pending
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EP1164168A1 (en) * | 1999-02-04 | 2001-12-19 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Thermoplastic resin composition |
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US6737465B2 (en) | 1999-12-24 | 2004-05-18 | Bayer Aktiengesellschaft | Flame-resistant polycarbonate molding compositions containing high-purity talc |
CN100340606C (zh) * | 2002-03-26 | 2007-10-03 | 拜尔材料科学股份公司 | 会有煅烧滑石的冲击改性聚碳酸酯组合物 |
KR100890701B1 (ko) * | 2002-03-26 | 2009-03-27 | 바이엘 머티리얼사이언스 아게 | 소성된 활석을 함유하는 내충격성 개질된폴리카르보네이트 조성물 |
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JP2015227421A (ja) * | 2014-06-02 | 2015-12-17 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 熱可塑性樹脂組成物 |
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