JP3007336B1 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物Info
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Abstract
い難燃性スチレン系樹脂組成物の提供。 【解決手段】 少なくともスチレン系及び不飽和ニトリ
ル系単量体より成る重合体を海相成分(S)として、更
にこれらの単量体をグラフト及び上記単量体の共重合体
をオクルードしたゴム状重合体成分よりなる島相成分を
5〜35重量部含み、(S)中の不飽和ニトリル系単量
体(A)の2重連鎖であるAA連鎖成分が15%以上の
割合で、(S)のηsp/cが0.2〜0.65dl/gで
あるスチレン系重合体100重量部に対して燐酸エステ
ル系化合物1〜30重量部を混合してなる難燃性樹脂組
成物またはこれとポリカーボネートよりなる樹脂組成物
の提供。
Description
に優れた難燃性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、
成形性の優れた、熱劣化しにくい、難燃性樹脂組成物に
関するものである。
と耐衝撃性を有する樹脂として知られ、成形加工材料と
して用いられている。従って、成形品に要求される物性
に応じて使用される樹脂材料が選択される。例えば、自
動車部品、家庭用電気部品、事務機器部品、機械部品な
どがあり、これらの樹脂材料として難燃性が要求される
場合がある。一般にスチレン系重合体、特にABS系樹
脂のアロイとして用いられる樹脂材料としては、ポリカ
ーボネート、塩化ビニル、PBT等があり、これら自身
は燃焼時、自己消火性を示すがスチレン系重合体とのア
ロイにより難燃性を低下させるという欠点がある。
トをアロイ化する場合にはハロゲン系難燃剤、リン系難
燃剤等の難燃剤を使用することにより難燃性の低下を防
止している。(特願平4−138080号、EP174
493号公報、EP174493号公報)しかしなが
ら、ハロゲン系難燃剤を配合した樹脂組成については成
形の際に熱分解したりするので、使用上問題がある場合
がある。このため、難燃剤として燐酸エステル系が使用
されることとなったが、通常のABS系樹脂を用いた場
合には、ホスフェート類は融点が低くまた液状であった
りして、配合加工性に劣り、耐熱性等の物性が劣るとい
う問題がある。
オロエチレン、ポリシロキサン系化合物等を含有させ、
耐熱性、燃焼性を改良する方法等も提案されている。
(特開平7−196871、特開平7−11118)し
かしながら、これらの添加剤は非常に高価であり、ま
た、分散不良による外観不良等を引き起こしかねない。
場合も物性が良好で、特にアロイ化した場合においても
難燃性の低下が少なく、しかも、成形性を大幅に改善
し、耐熱性が良好でさらに衝撃強度の改善された樹脂組
成物を安価に提供する方法の開発が望まれていた。
れらの欠点を改良すべく種々の検討をおこなった結果ス
チレン系重合体(I)の海相成分(S)の熱分解ガスク
ロマトグラフィーで測定したときに観察される海相成分
中の不飽和ニトリル系単量体(A)の連鎖分布のうち、
AA連鎖成分量が燃焼性に影響していることを見いだ
し、本発明を完成させた。
単量体、必要であれば前記単量体と共重合可能な他の単
量体より成る重合体を海相成分として、更に少なくとも
これらの単量体をグラフト及び上記単量体の共重合体を
オクルードしたゴム状重合体成分よりなる島相成分を5
ないし35重量部含み、かつ海相成分(S)の熱分解ガ
スクロマトグラフィーで測定したときに観察される海相
成分(S)中の不飽和ニトリル系単量体(A)の連鎖分
布のうち2重連鎖であるAA連鎖成分が15%以上の割
合で観測され、かつ海相成分(S)の還元粘度
(ηsp/c)が0.2〜0.65dl/gであるスチレン
系重合体(I)100重量部に対して燐酸エステル系化
合物1ないし30重量部の割合で混合してなる難燃性樹
脂組成物を提供することである。
〜500重量部、および(II)熱可塑性ポリカーボネ
ート100重量部よりなる樹脂成分100重量部、に対
して燐酸エステル系化合物1ないし30重量部の割合で
混合してなる難燃性樹脂組成物を提供することである。
本発明において、スチレン系重合体中(I)の海相成分
(S)に含まれる不飽和ニトリル系単量体成分の連鎖分
布が特に重要である。ここでスチレン系重合体の海相成
分(S)とはスチレン系重合体から、メチルエチルケト
ンとメタノール7:3(容量)の混合液不溶解成分を除
いた成分であり、不飽和ニトリル系単量体成分の連鎖成
分は海相成分(S)を加熱炉型熱分解ガスクロマトグラ
フィーを用い、580°Cでの分解成分のうち、それぞ
れの2連鎖についてモル濃度を求め、それぞれの連鎖成
分割合を求めた。
(A)の連鎖分布のうち2重連鎖であるAA成分が、観
測される全てのA成分のうちの15%以上であることが
必要である。海相成分中の不飽和ニトリル系単量体成分
のAA連鎖が観測されるA成分の15%以下の割合のも
のでは、難燃性が低下したり、衝撃強度が低下する為、
好ましくない。
ら、メチルエチルケトンとメタノール7:3(容量)の
混合液不溶解成分を除いた海相成分(S)の還元粘度の
範囲が、0.2〜0.65dl/gであり、好ましくは
0.25〜0.55dl/g、更に好ましくは0.3〜
0.5dl/gである。還元粘度が0.2dl/g、よ
り小さいと衝撃強度が著しく低下するので好ましくな
く、また、0.65dl/gを越えると流動性が低下
し、耐衝撃性が低下するため好ましくない。
0.25gを精秤し、ジメチルホルムアミド50mlに
2時間かけて溶解させた溶液を、溶媒の流下時間が20
〜100秒のウベローデ粘度系を用いて30°Cの環境
で測定して得られる値で、還元粘度は溶媒の流下秒数
(t0)と溶液の流下秒数(t)から次式によって求め
る。
重合、溶液重合または、塊状重合法で製造された、周期
律表第1または第2属金属の含有率が100wt.pp
m以下ものが用いられる。好ましくは溶液重合または、
塊状重合法で製造されたものである。
単量体及び単量体の共重合体をグラフト及びオクルード
したゴム状成分、すなわち島相成分を5ないし35重量
部含むことが必要である。島相成分が5重量部以下では
衝撃強度が十分でなく、35重量部以上では成形性が低
下したり耐熱性が劣るので好ましくない。
ト(II)とABS系重合体(I)の混合物として特に
好ましく使用される。その配合比は(II)を100重
量部に対して(I)が10から500重量部、好ましく
は30から400重量部、更に好ましくは50から30
0重量部である。
10重量部未満であれば衝撃強度の厚み依存性が大きく
なり、また、500重量部より多いとポリカーボネート
が本来有する性質が損なわれる。
に必要に応じて他のABS系重合体やその他のポリマ
ー、または添加剤等を混合することも本発明の構成に含
まれる。例えば、他のポリマーとして、スチレン−アク
リロニトリル樹脂、ブタジエンゴム、SBR、エチレン
−プロピレンゴム、アクリル酸エステル−ブタジエン共
重合体等のアクリル系エラストマー等が好ましい。この
場合の他のポリマーの添加量は(I)または(I)と
(II)に対して0〜20重量%であり、20重量%以
下であれば難燃性が良好である。
ジエン系重合体存在下に芳香族ビニル単量体、不飽和ニ
トリル系単量体、及び必要に応じてこれらと共重合可能
なビニル単量体からなる単量体混合物を重合して得られ
るグラフト共重合体樹脂をいう。グラフト共重合体樹脂
を構成する共役ジエン系重合体としては、ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプ
レン等が挙げられる。この共役ジエン系重合体は一種、
または二種以上の混合物であってもよい。
−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエン
等が挙げられる。
ロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。本発
明では不飽和ニトリル系単量体含有率が少ない場合には
AA二重連鎖が少なくなるため15〜40重量%が樹脂
中に含まれるように用いられる。
しては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド等が挙げられる。これらの単量体は一種
または二種以上の混合物であってもよい。
の内、溶液重合または塊状重合法とが特に好ましく、具
体的な製造方法は、AA連鎖成分を15%以上にするた
めに重合時に用いる不飽和ニトリル単量体成分の50重
量%が重合するまで、不飽和ニトリル単量体成分モノマ
ーの重合液中での他成分モノマーに対する比率を常に2
5モル%以上に保ったまま重合する必要がある。
量体、及び必要であればエチルベンゼントルエン、メチ
ルエチルケトン等の溶剤に溶液重合で合成されたゴム状
重合体を溶解し、分子量調節剤、重合開始剤等添加する
か、あるいは添加しないで該ゴム状重合体の単量体溶液
を撹拌式反応器に連続的に供給し、該単量体の一部また
は全量を共重合させゴム状重合体成分の粒子を形成す
る。この際にゴム状重合体成分が0.1μmないし3μ
mの粒子として分散相を形成するよう。これはゴム状重
合体の溶解量、分子量調節剤、重合開始剤の使用量や重
合温度と撹拌速度を調整することによりゴム状重合体成
分の粒子を0.1μmないし3μmにコントロールしさ
らにゴム状重合体成分を5から35重量部含む様に重合
率を合わせた上で得られた重合体混合液を脱揮発分槽に
導入し、未反応単量体及び溶剤を含んでいる場合は溶剤
を重合体成分から分離する。その後造粒工程を経てペレ
ット状の樹脂成分(I)が得られる。
共に用いる場合のポリカーボネート(II)は、芳香族
ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族−
芳香族ポリカーボネート等を挙げることができる。
すなわち塩化メチレンなどの溶剤中で公知の酸受容体、
分子量調整剤の存在下に二価フェノールとホスゲンなど
のカーボネート前駆体とを反応させる所謂ホスゲン法、
二価フェノールとジフェニルカーボネートなどのカーボ
ネート前駆体とを反応させるエステル交換法などによっ
て得られる芳香族ポリカーボネート樹脂が代表的であ
る。好適に使用し得る二価フェノールとしては、ビスフ
ェノール類が挙げられ、特に、2、2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好ま
しい。また、目的に応じてビスフェノールAの一部また
は全部を他の二価フェノールで置換したもの、ハロゲン
で置換されたビスフェノール類を用いた重合体であって
もよい。芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的強度及
び成形性の観点から、その粘度平均分子量が10,00
0〜100,000のものが好ましく、特に、15,0
00〜40,000のものが好適である。
テル系化合物であり、特に制限されず各種のものを用い
ることができる。具体的な燐酸エステル系化合物の例と
しては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェ
ート トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニル
ホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフ
ェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェー
ト、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(ク
ロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピ
ル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェ
ート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジ
クロロプロピルホスフェート、トリス(2,3−ジブロ
モプロピル)ホスフェート及びビス(クロロプロピル)
モノオクチルホスフェート、ビスフェノールAテトラフ
ェニルジホスフェート、ビスフェノールAテトラクレジ
ルジホスフェート、ビスフェノールAテトラキシリルジ
ホスフェート、ヒドロキノンテトラフェニルジホスフェ
ート、ヒドロキノンテトラクレジルジホスフェート、ヒ
ドロキノンテトラキシリルジホスフェートなどが挙げら
れるが、好ましくはトリフェニルホスフェート及び各種
ビスホスフェートである。
及び(II)の合計100重量部に対して1〜30重量
部、好ましくは3〜20重量部、更に好ましくは5〜1
5重量部添加する。該成分の添加量が上記の範囲より少
ないと本発明の効果が十分発揮されず、上記の範囲より
多いと耐熱性が損なわれる。
上記の各成分の他にその物性を損なわない限りにおい
て、その目的に応じて樹脂の混合時、成形時等に慣用の
他の添加剤、例えば顔料、染料、補強材(ガラス繊維、
炭素繊維等)、充填剤(カーボンブラック、シリカ、酸
化チタン等)、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、離型剤、可
塑剤、帯電防止剤等周知の添加剤を配合する事ができ
る。
特に制限はなく、公知の方法が使用できるが、一般に溶
融混合法が望ましい。装置としては押出機、バンバリー
ミキサー、ローラー、ニーダー等を例として挙げる事が
できる。これら装置は回分的または連続的に運転する事
ができる。また、成分の混合順序は特に限定されない。
する。本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限
定されるものではない。尚、「部」、「%」比は重量基
準である。
性樹脂組成物の物性は次の方法によって測定した。 1.曲げ弾性率(MPa) 成形物を切り出し試験片とし、曲げ試験法(JIS K
7203)に準拠して測定した。 2.アイゾッド衝撃強さ(ノッチ付き)(KJ/m2 ) 成形物を切り出し試験片とし、アイゾッド衝撃試験法
(JIS K7110)に準拠して測定した。 3.耐熱温度の測定(゜C) ビカット軟化点はJIS K7206に準拠して、成形
物から試験片を切り出したサンプルを用いて測定した。 4.燃焼性 米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)で規
格化されたサブジェクト94号(UL94)に基づき、
1.6mm厚みの燃焼試験を実施し、V−0,V−1,
V−2の難燃性クラスに分類、表示した。また、燃焼試
験において、有炎の滴下物により、試料の12インチ
(305mm)下にある乾燥した外科用脱脂綿を着火さ
せるか否かを判定した。 5.金型付着物質の観察 成形機のシリンダー温度260°C、金型温度60°
C、250ショット後の金型のガス抜け口の内部の付着
物を目視により観察し、付着物が無ければ○、有るとX
の判断を行なった。
特徴を示す。
チルベンゼン15重量部、ブタジエン共重合体10重量
部、有機過酸化物0.05重量部、ターシャリードデシ
ルメルカプタン0.08重量部よりなる原料溶液を調整
し、この原料を4段の撹拌式重合槽列反応器に連続的に
供給して重合を行なった。1段目の槽の平均反応温度1
05°C、2段目の槽では105°C、3段目の槽では
120°C、4段目の槽では125°Cとした。4段目
の槽より重合液を予熱器と減圧室より成る分離回収工程
に導いた。
状のペレットとしてABS系重合体(スチレン系重合体
(I))を得た。得られたABS系重合体の重合体成分
(P)の還元粘度は0.45dl/g、アクリロニトリ
ル含有量は25%、グラフト率は62%、ゴム状重合体
含有量は19.2%であった。ゴム状重合体成分の粒径
は1.1μmであった。また重合体(P)からメチルエ
チルケトンとメタノール7:3(容量)の混合液不溶解
成分を除いた成分である不飽和ニトリル系単量体成分の
連鎖成分は海相成分(S)を加熱炉型熱分解ガスクロマ
トグラフィーを用い、580°Cでの分解成分のうち、
それぞれのトライマー成分についてモル濃度を求め、そ
れぞれの連鎖成分割合を求めたところアクリロニトリル
単量体成分(A)の連鎖分布のうち2重連鎖であるAA
連鎖成分が観測されるA成分の17.9%であった。
(ABS−1) 〔ポリカーボネート/ABS難燃性樹脂組成物〕上記
(II)のポリカーボネート100重量部と上記(I)
で得られたABS重合体100重量部、及び燐酸エステ
ル系難燃剤(芳香族ホスフェート系オリゴマー:大八化
学(株)CR−733S)10重量部、抗酸化防止剤
0.2重量部を押出機により220°Cで混合した。得
られたペレットから試験片を作成して評価した結果を表
2に示す。尚、押出操作前にABS系重合体・ポリカー
ボネートとも100°Cにて12時間の乾燥を施した。
に示す。
チルベンゼン15、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体12重量部、有機過酸化物0.05重量部、ターシ
ャリードデシルメルカプタン0.15重量部よりなる原
料溶液を調整し、実施例1と同じように重合した。
(P)の還元粘度は0.37dl/g、アクリロニトリ
ル化合物含有量は28%、グラフト率は98%、ゴム状
重合体成分の粒径は1.3μmであり、その含有率は2
5%であった。また、重合体(P)からメチルエチルケ
トンとメタノール7:3(容量)の混合液不溶解成分を
除いた成分の熱分解クロマトグラフィーを測定してそれ
ぞれの連鎖分布割合を求めたところアクリロニトリル単
量体成分(A)の連鎖分布のうち2重連鎖であるAA連
鎖成分が観測されるA成分の15.8%であった。(A
BS−2)ポリカーボネートとABS重合体及び難燃剤
の混合は実施例1と同じとした。結果を表2に示す。
チルベンゼン14重量部ゴム状重合体(実施例1で用い
たもの)10重量部、有機過酸化物(実施例1で用いた
もの)0.05重量部、ターシャリードデシルメルカプ
タン0.18重量部とする以外は実施例1と同じとし
た。得られたABS系重合体の重合体成分(A)の還元
粘度は0.4dl/g、アクリロニトリル含有量は24
%、グラフト率は72%、ゴム状重合体成分の粒径は
0.8μmであり、その含有量は22.0%であった。
また、重合体(P)からメチルエチルケトンとメタノー
ル7:3(容量)の混合液不溶解成分を除いた成分の熱
分解ガスクロマトグラフィーを測定してそれぞれの連鎖
分布割合を求めたところアクリロニトリル単量体成分
(A)の連鎖分布のうち2重連鎖であるAA連鎖成分が
観測されるA成分の17.1%であった。(ABS−
3)ポリカーボネート100重量部に対して得られたス
チレン系重合体67重量部及び難燃剤を実施例1と同じ
で混合した結果を表2に示す。
チルベンゼン15重量部ゴム状重合体(実施例1で用い
たもの)9重量部、有機過酸化物(実施例1で用いたも
の)0.045重量部、ターシャリードデシルメルカプ
タン0.26重量部、1段目の槽の平均反応温度97°
C、2段目の槽では100°C、3段目の槽では120
°Cとして、4段目の槽では130°CとしてABS重
合体を得た。得られたABS系重合体の重合体成分
(A)の還元粘度は0.35dl/g。アクリロニトリ
ル含有量は25%、グラフト率は120%、ゴム状重合
体成分の粒径は2.2μmであり、その含有量19.8
%であった。また重合体(P)からメチルエチルケトン
とメタノール7:3(容量)の混合液不溶解成分を除い
た成分の熱分解ガスクロマトグラフィーを測定してそれ
ぞれの連鎖分布割合を求めたところアクリロニトリル単
量体成分(A)の連鎖分布のうち2重連鎖であるAA連
鎖成分が観測されるA成分の17.5%であった。(A
BS−4)ポリカーボネート100重量部に対して得ら
れたスチレン系重合体300重量部及び難燃剤を実施例
1と同じで混合した結果を表2に示す。
使用の燐酸エステル系難燃剤20重量部を混合する以外
は実施例1と同じとした。結果を表2に示す。
チルベンゼン15重量部ゴム状重合体(実施例1で用い
たもの)10重量部、有機過酸化物(実施例1で用いた
もの)0.05重量部、ターシャリードデシルメルカプ
タン0.18重量部、1段目の槽の反応温度105°
C、2段目の槽では120°C、3段目の槽では130
°Cとする以外は実施例1と同じとした。得られたAB
S系重合体の重合体成分(A)の還元粘度は0.68d
l/g、アクリロニトリル化合物含有量は23%、グラ
フト率70%、ゴム状重合体成分の粒径は1.0μmで
あり、その含有量は18重量部であった。また、重合体
(P)から、メチルエチルケトンとメタノール7:3
(容量)の混合液不溶成分を除いた成分の熱分解ガスク
ロマトグラフィーを測定してそれぞれの連鎖分布割合を
求めたところアクリロニトリル単量体成分(A)の連鎖
分布のうち2重連鎖であるAA連鎖成分が観測されるA
成分の17.5%であった。(ABS−5)ポリカーボ
ネート100重量部に対して得られたスチレン系重合体
300重量部及び難燃剤を実施例1と同じで混合した結
果を表3に示す。
チルベンゼン20、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体12重量部、有機過酸化物0.05重量部、ターシ
ャリードデシルメルカプタン0.20重量部よりなる原
料溶液を調整し、実施例1と同じように重合した。
(P)の還元粘度は0.37dl/g、アクリロニトリ
ル含有量は16%、グラフト率は98%、ゴム状重合体
成分の粒径は1.3μmであり、その含有率は25%で
あった。また、重合体(P)からメチルエチルケトンと
メタノール7:3(容量)の混合液不溶解成分を除いた
成分の熱分解ガスクロマトグラフィーを測定してそれぞ
れの連鎖分布割合を求めたところアクリロニトリル単量
体成分(A)の連鎖分布のうち2重連鎖であるAA連鎖
成分が観測されるA成分の12.8%であった。また、
周期律表第1または第2属金属は100wt.ppm以
下であった。(ABS−6)。ポリカーボネートとAB
S重合体及び難燃剤の混合は実施例1と同じとした。結
果を表3に示す。
使用の燐酸エステル系難燃剤35重量部を混合する以外
は実施例1と同じとした。結果を表3に示す。
熱性、衝撃強度に優れたスチレン系樹脂組成物またはポ
リカーボネート/スチレン系樹脂組成物を提供でき、工
業上非常に有意義である。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくともスチレン系単量体及び不飽和
ニトリル系単量体、必要であれば前記単量体と共重合可
能な他の単量体より成る重合体を海相成分として、更に
少なくともこれらの単量体をグラフト及び上記単量体の
共重合体をオクルードしたゴム状重合体成分よりなる島
相成分を5ないし35重量部含み、かつ海相成分(S)
の熱分解ガスクロマトグラフィーで測定したときに観察
される海相成分(S)中の不飽和ニトリル系単量体
(A)の連鎖分布のうち、2重連鎖であるAA連鎖成分
が15%以上の割合で観測され、かつ海相成分(S)の
還元粘度(ηsp/c)が0.2〜0.65dl/gである
スチレン系重合体(I)100重量部に対して燐酸エス
テル系化合物1ないし30重量部の割合で混合されてな
る難燃性樹脂組成物。 - 【請求項2】 スチレン系重合体(I)が周期律表第1
または第2属金属を100ppm以下しか含有しないこ
とを特徴とする請求項1記載難燃性樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のスチレン系重合
体(I)10〜500重量部及び熱可塑性ポリカーボネ
ート(II)100重量部よりなる樹脂成分100重量
部に対して燐酸エステル系化合物1ないし30重量部の
割合で混合してなる難燃性樹脂組成物。
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