JP6659135B2 - ベルト片寄り量検出装置、及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト片寄り量検出装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、ベルトの片寄り量を検出するベルト片寄り量検出装置、及び該ベルト片寄り量検出装置を備えた画像形成装置に関する。
従来から、複数の感光体上にそれぞれ形成されたトナー像を中間転写ベルトに一次転写し、中間転写ベルト上で重畳して形成されたカラー画像を記録材に二次転写する構成の画像形成装置が知られている。
ところで、画像形成装置における中間転写ベルトがベルト搬送方向と直交する幅方向に片寄ることによって、中間転写ベルト上に転写される複数色のトナー像がずれる、いわゆる色ずれが発生することがある。このような色ずれを防止するために、中間転写ベルトのベルト搬送方向と直交する幅方向の片寄り量を検出するベルト片寄り量検出技術が提案されている。
中間転写ベルトの片寄り量を検出する装置として、例えば、中間転写ベルトのエッジに一端が当接して揺動する揺動アームと、該揺動アームの他端上に設けられた2つの透過型光センサを備えたものが挙げられる。この片寄り検出装置は、揺動アームの回転角に応じて2つの透過型光センサの遮蔽率が変化することを利用し、遮蔽率の変化に伴う光量変化率に応じてベルトの片寄り量を検出するものである(例えば、特許文献1)。
特開2011−128585号公報
しかしながら、上記ベルトの片寄り量検出技術では、ベルトの片寄り量の検出に用いる光学センサのうちいずれか1つが壊れていても、センサの壊れ(以下、「故障」という。)を検知することができなかった。そして、複数のセンサのうち1つが故障したまま誤検知された中間転写ベルトの片寄り量に応じてベルトの片寄りが補正されると、寄り切りエラーの発生、又はベルトが端部部品に乗り上げて破損するという問題が生じることがある。
本発明は、かかる従来技術に鑑みてなされたものであり、ベルトの片寄り量の誤検知に基づく誤った片寄り補正制御を防止することができるベルト片寄り量検出装置、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1記載のベルト片寄り量検出装置は、回転駆動される無端ベルトの回転方向に直交する幅方向の端部に一端を当接する揺動部材と、前記揺動部材の前記一端と揺動軸を介して対向する他端が当接する移動部材と、前記移動部材の移動方向に交叉する方向に沿って配置されたM個の光学センサおよび該M個の光学センサと異なる1個の光学センサと、前記移動部材が移動した際、該移動部材の位置に応じて、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサのそれぞれに入射される光のいずれかを遮光するように設けられ、前記移動部材上に形成された複数の遮光手段と、前記光学センサの出力信号を用いて前記無端ベルトの片寄り量を検出する検出手段と、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和に基づき前記光学センサの故障を判定する判定手段と、を備え、前記複数の遮光手段は、前記移動部材の移動位置に応じて前記M個の光学センサから出力される出力信号の組合せが2のM乗個となるように設けられており、かつ、前記複数の遮光手段は、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和が偶数になるように設けられており、前記判定手段は、前記光学センサの出力信号の総和が奇数になった場合、前記光学センサが故障したと判定し、前記検出手段は、前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定しない場合、前記M個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出し、前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定する場合、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出することを特徴とする。
また、請求項2記載のベルト片寄り量検出装置は、回転駆動される無端ベルトの回転方向に直交する幅方向の端部に一端を当接する揺動部材と、前記揺動部材の前記一端と揺動軸を介して対向する他端が当接する移動部材と、前記移動部材の移動方向に交叉する方向に沿って配置されたM個の光学センサおよび該M個の光学センサと異なる1個の光学センサと、前記移動部材が移動した際、該移動部材の位置に応じて、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサのそれぞれに入射される光のいずれかを遮光するように設けられ、前記移動部材上に形成された複数の遮光手段と、前記光学センサの出力信号を用いて前記無端ベルトの片寄り量を検出する検出手段と、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和に基づき前記光学センサの故障を判定する判定手段と、を備え、前記複数の遮光手段は、前記移動部材の移動位置に応じて前記M個の光学センサから出力される出力信号の組合せが2のM乗個となるように設けられており、かつ、前記複数の遮光手段は、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和が奇数になるように設けられており、前記判定手段は、前記光学センサの出力信号の総和が偶数になった場合、前記光学センサが故障したと判定し、前記検出手段は、前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定しない場合、前記M個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出し、前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定する場合、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出することを特徴とする。
本発明によれば、検出手段は、判定手段が光学センサが故障していると判定しない場合、M個の光学センサの出力信号に基づき、無端ベルトの片寄り量を検出し、判定手段が光学センサが故障していると判定する場合、M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号に基づき、無端ベルトの片寄り量を検出する。これによって、ベルトの片寄り量の誤検知を防止することができる。
第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 図1の画像形成装置における中間転写体を示す斜視図である。 図1の画像形成装置におけるベルト片寄り量検出装置の概略構成を示す図である。 回動部材における突起部の一配置例を示す図である。 透過型光センサに回動領域θ1〜θ8がそれぞれ対向する回動部材の回動位置を示す図である。 図1の画像形成装置で実行されるセンサ故障検知処理の手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態におけるベルト片寄り量検出装置の概略構成を示す図である。 スライド部材における突起部の一配置例を示す図である。 透過型光センサにスライド領域x1〜x8がそれぞれ対向するスライド部材のスライド位置を示す図である。
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。図1において、画像形成装置100は、中間転写体としての中間転写ベルト6と、該中間転写ベルト6の水平部に沿って配置された複数の画像形成ステーション10Y、10M、10C、10Kを備えている。
画像形成ステーション10Y〜10Kは、それぞれ感光体としての感光ドラム2Y、2M、2C、2Kと、感光ドラム2Y〜2Kの周りにそれぞれ配置された帯電ローラ3Y、3M、3C、3K、レーザースキャナ部1Y、1M、1C、1Kを備えている。感光ドラム2Y〜2Kは、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成されており、図示省略した駆動モータの駆動力が伝達されて図1中、反時計方向に回転する。
帯電ローラ3Y〜3Kは、それぞれ対応する感光ドラム2Y〜2Kの表面を一様に帯電させる。レーザースキャナ部1Y〜1Kは、それぞれ図示省略したコントローラから送られてくる画像データに基づいて対応する感光ドラム2Y〜2Kを選択的に露光することにより、感光ドラム2Y〜2Kの表面に静電潜像を形成する。
画像形成ステーション10Y〜10Kは、また、それぞれ現像器4Y、4M、4C、4K、ドラムクリーナ5Y、5M、5C、5K、中間転写ベルト6を介して各感光ドラムと対向するように設けられた一次転写ローラ7Y、7M、7C、7Kを備えている。現像器4Y〜4Kは、それぞれ現像スリーブと現像剤を撹拌する撹拌搬送部材を備えており、感光ドラム2Y〜2Kの表面に現像剤を供給して静電潜像を現像する。ドラムクリーナ5Y〜5Kは、それぞれ一次転写後の感光ドラム2Y〜2Kの表面に残留するトナーを回収する。回収された残留トナーは、図示省略したクリーナ容器に蓄えられる。
中間転写体としての中間転写ベルト6は、無端ベルトであり、駆動ローラ8、寄り制御ローラ9、二次転写内ローラ12をはじめとする複数のローラによって回転可能に張架されている。中間転写ベルト6は、感光ドラム2Y〜2Kに摺接して図1中、時計方向に回転駆動し、感光ドラム2Y〜2Kからそれぞれ可視画像の転写を受ける。中間転写ベルト6に転写された可視画像は、重畳されてカラー画像となる。
二次転写内ローラ12に対向するように二次転写外ローラ11が配置されている。二次転写内ローラ12と二次転写外ローラ11との当接部が二次転写部となる。回転する中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像と同期するように二次転写部に転写材が搬送され、該転写材に中間転写ベルト6上のカラー画像が転写される。二次転写外ローラ11は、中間転写ベルト6にカラー画像が転写されている間は、中間転写ベルト6に当接しているが、転写終了後は、中間転写ベルト6から離間する。
中間転写ベルト6を介して駆動ローラ8と対向するように、中間転写ベルト6を清掃するベルトクリーナ16が配置されている。ベルトクリーナ16は、二次転写後に中間転写ベルト6に残留するトナーを回収する。回収された残留トナーは、図示省略したクリーナー容器に蓄えられる。
次に、図1の画像形成装置における中間転写体について説明する。
図2は、図1の画像形成装置における中間転写体を示す斜視図である。
図2において、中間転写ベルト6は、駆動ローラ8、寄り制御ローラ9、二次転写内ローラ12、アイドラローラ13〜15等によって張架されている。中間転写ベルト6は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した画像形成ステーション10Y〜10Kの一次転写ローラ7Y〜7Kにそれぞれ摺接するように回転する。
駆動ローラ8は、表面がゴム層で形成され、図示省略した駆動部によって時計方向に回転し、ゴム層と中間転写ベルト6の内側面との摩擦力によって中間転写ベルト6を回転させる。また、駆動ローラ8は、ベルトクリーナ16(図1)の対向ローラとして機能し、クリーニングブレードの圧を受ける。
寄り制御ローラ9は、中間転写ベルト6の片寄りを補正するローラである。寄り制御ローラ9は、長手方向奥側を位置固定とし、片寄り補正カム18が回転することによって、片寄り補正アーム17を介して当該寄り制御ローラ9の傾きが変化されることによって中間転写ベルト6の片寄りを補正している。また、寄り制御ローラ9は、テンションバネ19(奥側は図示省略)によって中間転写ベルト6の外側方向に加圧されており、これによって、中間転写ベルト6を張り上げている。
二次転写内ローラ12は、中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像を転写材に転写する際、二次転写外ローラ11をバックアップする対向ローラである。アイドラローラ13〜15は中間転写ベルト6を張加する張加ローラであり、特にアイドラローラ13は、転写材が中間転写ベルト6に沿って二次転写部に侵入できるように、中間転写ベルト6の姿勢を調節している。また、アイドラローラ14、15は、感光ドラム2Y〜2Kと一次転写ローラ7Y〜7Kの当接部で形成される複数の一次転写位置を略直線状に保つように中間転写ベルト6の姿勢を調節している。
中間転写体は、傾き補正モータ31、傾き補正モータHPセンサ32、及びこれらを制御するCPU20を有する。CPU20は、後述するベルト片寄り量検出装置の検出結果に基づいて中間転写ベルト6の片寄り量を検出し、傾き補正モータを制御して中間転写ベルト6の傾きを補正する。また、CPU20は、ベルト片寄り量検出装置の検出結果に基づいて片寄りを検出する光学センサの故障を検知する。
次に、画像形成装置100における中間転写ベルトの片寄り量を検出するベルト片寄り量検出装置について説明する。
図3は、図1の画像形成装置におけるベルト片寄り量検出装置の概略構成を示す図である。図3(a)は、ベルト搬送方向に垂直な断面図、図3(b)は、図3(a)の回動部材23を矢印Z方向から見た図である。なお、図3において、矢印IFは、図3(a)における中間転写ベルト6が図中、左方向に片寄った場合の作用力の方向を示し、矢印IRは、図3(a)における中間転写ベルト6が図中、右方向に片寄った場合の作用力の方向を示す。
図3において、中間転写ベルト6の下方に、平面図上、扇型を呈する回動部材23が回動自在に配置されている。移動部材としての回動部材23の2つの辺23a、23bで形成する角度は、例えば90度である。回動部材23における2辺23a、23bの交点である扇の要部分が回動軸24となる。回動部材23の回動方向と交叉する方向、例えば、辺23aの長さ方向に沿ってその上方に、複数個、例えば、4つの光学センサである透過型光センサ22A、22B、22C、22Dが配置されている。
回動部材23が回動軸24を中心として回動した場合、透過型光センサ22A、22B、22C、22Dによって回動部材23上に形成される複数の軌跡に沿って回動部材23上に複数種類の突起部26A〜26Dが設けられている。移動部材上(回動部材23上)に設けられた突起部26A〜26Dは、透過型光センサ22A〜22Dに対し、遮光部材として機能する。なお、回動部材23は、光透過性の材料で構成されており、回動部材23を介して透過型光センサ22A〜22Dとそれぞれ対向する回動部材23の下方には、回動部材23を透過して透過型光センサ22A〜22Dにそれぞれ光を照射する光源が設けられている。
このような構成の回動部材23は、円弧部分23cを、例えば8等分した単位円弧に対応する8つの回動領域θ1〜θ8(後述する図4、図5参照)に分割されている。回動部材23を8つの回動領域θ1〜θ8に分割する理由は、後ほど図4及び図5を用いて詳しく説明する。
透過型光センサ22A〜22Dの軌跡に沿って回動部材23上に設けられた突起部26A〜26Dは、読み取られた際の透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の組み合わせが回動領域θ1〜θ8ごとに変化するように異なる形態で設けられている。突起部の配置については、図4を用いて後述する。
揺動部材としての揺動アーム21は、一端が中間転写ベルト6の回転方向に直交する幅方向の端部に当接しており、揺動軸21aを挟んで反対側の他端が回動部材23の当接面25に当接している。当接面25は、回動部材23の扇型における円弧23cの近傍の側面に設けられている。
揺動アーム21は、中間転写ベルト6の片寄り量に応じて揺動軸21aを中心に揺動し、当接面25に当接する他端が回動部材23の当接面25を押圧することによって回動部材23を図3(b)中、例えば、矢印IF方向に回動させる。なお、回動部材23は、バネ部材によって常時m図7(b)中、矢印IR方向に付勢されている。回動部材23の回転角度に応じて透過型光センサ22A〜22Dがそれぞれ対向する突起部26A〜26Dの形態が変化し、これによって、透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の組み合わせが変化する。
透過型光センサ22A〜22Dは、遮光部材である突起部26によって入射光が遮蔽された場合、例えば、検出結果がONである出力信号「1」を出力するものとする。一方、透過型光センサ22A〜22Dは、遮光部材である突起部26によって入射光が遮蔽されない場合、すなわち、入射光を受光する場合は、例えば、検出結果がOFFである出力信号「0」を出力するものとする。
図4は、回動部材における突起部26A〜26Dの一配置例を示す図である。
図4において、回動部材23の扇型の半径方向の1辺23aに沿って、その上方に、回動軸24に近い方から順に4つの透過型光センサ22A、22B、22C、22Dが配置されている。回動軸24から透過型光センサ22A、22B、22C、22Dまでの距離は、それぞれRa、Rb、Rc、Rdである。回動部材上には、透過型光センサ22A〜22Dにそれぞれ対応した半径位置に、円弧状の突起部26A〜26Dが回動領域θ1〜θ8ごとに形態が変化するように設けられている。
透過型光センサ22Aに対応する突起部26Aは、回動軸24から半径Raの位置であって、回動領域θ1〜θ4に形成されている。また、透過型光センサ22Bに対応する突起部26Bは、回動軸24から半径Rbの位置であって、回動領域θ1、θ2、及びθ5、θ6に形成されている。また、透過型光センサ22Cに対応する突起部26Cは、回動軸24から半径Rcの位置であって、回動領域θ1、θ3、θ5、θ7に形成されている。また、透過型光センサ22Dに対応する突起部26Dは、回動軸24から半径Rdの位置であって、回動領域θ1、θ4、θ6、θ7に形成されている。
表1は、図4における透過型光センサ22A〜22Dのうち、3個の透過型光センサ22A〜22Cの出力信号を回動領域θ1〜θ8ごとに示したものである。
表1において、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせは、8つの回動領域θ1〜θ8で異なっており、突起部26A〜26Cは、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせがそれぞれ異なるように配置されていることが分かる。
また、図5は、透過型光センサに回動領域θ1〜θ8がそれぞれ対向する回動部材23の回動位置を示す図である。
図5において、図5(a)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ1が対向する回動部材23の回動位置を示し、図5(b)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ2が対向する回動部材23の回動位置を示す。また、図5(c)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ3が対向する回動部材23の回動位置を示し、図5(d)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ4が対向する回動部材23の回動位置を示す。また、図5(e)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ5が対向する回動部材23の回動位置を示し、図5(f)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ6が対向する回動部材23の回動位置を示す。さらに、図5(g)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ7が対向する回動部材23の回動位置を示し、図5(h)は、透過型光センサ22A〜22Dに回動領域θ8が対向する回動部材23の回動位置を示す。
このような構成の回動部材23及び透過型光センサを備えたベルト片寄り量検出装置において、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせを用いて中間転写ベルト6の片寄り量が検出される。すなわち、本実施の形態においては、N種類(4種類)の突起部うち1種類を除くM種類(3種類)の突起部26A〜26Cに対応するM個(3個)の透過型光センサの出力信号の組み合わせを用いて中間転写ベルト6の片寄り量が検出される。
図4及び図5において、突起部26Aは回動領域θ1〜θ4に、突起部26Bは回動領域θ1、θ2、θ5、θ6に、突起部26Cは回動領域θ1、θ3、θ5、θ7に設けられている。
ここで、回動部材23を8つの回動領域θ1〜θ8に分割した理由、及び突起部26A〜Cを上述のように配置した理由について説明する。
本実施の形態においては、上述したように、例えば、4つの透過型光センサ22A〜22Dのうち、例えば、3つの透過型光センサ22A〜22Cを用いて回動部材23の回動角Δθ、ひいては中間転写ベルト6の片寄り量を検出する。
このため、先ず、3つの透過型光センサ22A〜22Cで何通りの出力信号の組み合わせができるかを考える。1のセンサの出力結果は、ON、OFFの2通り、センサ個数が3であるから、3つのセンサで得られる出力信号の組み合わせは、2である8通りとなる。従って、回動部材23の表面を8つの回動領域θ1〜θ8に分割し、各領域内で異なる形態となるように遮光部材である突起部26A〜26Cを設ける。これによって、3つの透過型光センサ22A〜22Cで得られる出力信号の組み合わせを特定することによって、センサが対向する回動領域θ1〜θ8を特定できる。透過型光センサ22A〜22Cは定位置に固定されているので、センサが対向する回動領域θ1〜θ8が特定されることによって、回動部材23の回動角Δθを検出できる。そして、回動部材23の回動角Δθが検出されると、揺動アーム21の移動量に基づいて中間転写ベルト6の片寄り量が検出される。
しかしながら、中間転写ベルト6の片寄り量の検出に用いる複数のセンサのうち1つが故障すると、表1に示した出力信号の組み合わせが異なってくる。従って、回動部材23の正確な回転角Δθが得られなくなる。この場合、中間転写ベルト6の片寄り量を誤検出することになる。そして、誤検出に基づく誤ったベルト片寄り量の補正制御が行われると、寄り切りエラーや、ベルトの破損等を招くことにもなる。
そこで、本実施の形態では、回動部材23及び透過型光センサを利用してセンサの故障を検出し、これによって、誤った検出結果に基づく誤ったベルトの片寄り補正制御を防止している。
以下、図1の画像形成装置で実行される透過型光センサの故障を検知するセンサ故障検知処理について説明する。
図6は、図1の画像形成装置で実行されるセンサ故障検知処理の手順を示すフローチャートである。このセンサ故障検知処理は、画像形成装置100のCPU20が、図示省略したROMに格納されたセンサ故障検知処理プログラムに従って実行する。なお、センサ故障検知処理は、画像形成処理時に一定時間毎に繰り返し実行される。
図6において、センサ故障検知処理が開始されると、CPU20は、4つの透過型光センサ22A〜22Dの出力値を読み取る(ステップS101)。次いで、CPU20は、読み取った4つの透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和を算出する(ステップS102)。出力値の総和を算出した後、CPU20は、算出した出力信号の総和が、偶数から奇数に反転したか否か判定する(ステップS103)。
ステップS103の判定の結果、出力信号の総和が偶数から奇数に反転した場合(ステップS103で「YES」)、CPU20は、透過型光センサ22A〜22Dのいずれかが故障したことを検知する(ステップS104)。
本実施の形態においては、回動部材23の4種類の突起部26A〜26Dのうち、中間転写ベルト6の片寄り量の検出に適用されたM種類以外の遮光部材である突起部26Dと、突起部26Dに対応する透過型光センサ22Dを用いてセンサ故障検知を行う。
すなわち、突起部26Dは、3つの透過型光センサ22A〜22Cの出力信号と、突起部26Dに対向する透過型光センサ22Dの出力信号の総和が、例えば偶数となるように設けられている。透過型光センサ22A〜22Dの検出信号の組み合わせ、及び出力信号の総和の一例を表2に示す。
表2において、回動領域θ1〜θ8に対応する透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせがそれぞれ異なっており、回動領域θ1〜θ8に対応する過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和がそれぞれ偶数になっている。この場合、突起部26Dは、回動領域θ1、θ4、θ6、θ7に設けられている(図4、図5参照)。
このように構成されたベルト片寄り検出装置において、透過型光センサ22A〜22Dのうちいずれか1つが故障した場合、4つのセンサ出力信号の総和は偶数から奇数に反転する。従って、透過型光センサの出力信号の総和が偶数から奇数へ反転することによって、センサの故障を検知することができる。なお、通常、限定された複数個、この場合4つの透過型光センサ22A〜22Dのうち2つが同時に故障する可能性は極めて低い。従って、本実施の形態においては、出力信号の総和が偶数から奇数へ反転することによって、4つの透過型光センサ22A〜22Dのうちいづれか1つが故障したと判定される。
以下、4つの透過型光センサのうち1つが故障した具体例について説明する。
表3は、透過型光センサ22A〜22Dのうち透過型光センサ22Bが故障した場合の各回動領域に対応するセンサの検出信号の組み合わせを示す。
表3において、透過型光センサ22Bが壊れているために、透過型光センサ22Bの出力信号は常に「0」となる。この場合、表2に示した回動領域θ1〜θ8に対応する出力信号の総和は、回動領域θ1、θ2、θ5、θ6で偶数から奇数に反転する。
従って、中間転写ベルト6の片寄り量に応じて回動した回動部材23の透過型光センサ22A等に対向する回動領域がθ1、θ2、θ5、θ6の場合、検出信号の総和が反転することによって、透過型光センサのいずれかが故障したことを検知することができる。
一方、上記以外の回動領域θ3・θ4・θ7・θ8においては出力信号の総和が偶数から奇数に変化していないので、透過型光センサの故障を検知することはできない。しかしながら、この場合、透過型光センサ22A〜22Dは、回動部材23の回動領域θ1〜θ8における現実に検出対象となる回動領域に対向しているので、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせに基づいてセンサが対向する回動領域が特定される。従って、回動部材23の回転角Δθが誤検出されることはない。
また、その後、中間転写ベルト6の片寄り量が変化して透過型光センサ22A〜22Dに対向する回動部材の回動領域が、回動領域θ1、θ2、θ5、又はθ6に変化した時点で、検出信号の総和の偶数/奇数は反転する。従って、この時点で一の透過型光センサの故障を検出することができる。
なお、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせが同一である回動領域θ1とθ3、θ2とθ4、θ5とθ7、θ6とθ8については、それぞれ出力信号の総和が奇数か偶数かによって区別可能である。透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせと、出力信号の総和が奇数か偶数かによる判定を組合わせたベルトの片寄り検出方法については、表4を用いて後述する。
図6に戻り、透過型光センサの故障を検知した後(ステップS104)、CPU20は、表示部に複数のセンサのうち1つが故障したことのエラー表示を行い(ステップS105)、その後、本処理を終了する。
一方、ステップS103の判定の結果、出力信号の総和が偶数から奇数へ反転しなかった場合(ステップS103で「NO」)、CPU20は、透過型光センサの故障を検知できないと判定し(ステップS106)、その後、本処理を終了する。
図6の処理によれば、遮光部材を検知した時「1」を、遮光部材を検知しない時「0」を出力する複数の透過型光センサ22A〜22Dを回動部材23の1辺に沿って配置し、回動領域θ1〜θ8ごとに各センサの出力信号の組み合わせが異なるように構成する。また、各センサの出力信号の合計が偶数になるように遮光部材26の配置を設定する。そして、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の合計が、正常時における出力信号の合計と比較して偶数から奇数に変化した場合にセンサの故障と認定する。これによって、透過型光センサ22A〜22Dのうちのいずれか1つのセンサの故障を検出することができる。
次に、センサの故障検知を利用した中間転写ベルト6の片寄り量の検出方法について説明する。
表4は、透過型光センサ22A〜22Dのうちの1つ透過型光センサ22Aが故障した場合の出力信号を示す。
表4において、透過型光センサ22Aが故障した場合、透過型光センサ22Dを用いないで、3つの透過型光センサ22A〜22Cのみを用いると、回動領域θ1とθ5、θ2とθ6、θ3とθ7、θ4とθ8の出力信号をそれぞれ区別することができない。そのため、実際に透過型光センサ22A〜22Dに対向する回動領域がθ1であるにも関わらず、回動領域θ5と誤検知される場合がある。この場合、透過型光センサに対向する回動領域がθ1からθ5に変化するまで回動部材23が、例えば、図5(a)中、IF方向に急速に回転した判定され、その結果、中間転写ベルト6がIF方向に急速に片寄ったと誤検知される。
そして、このとき、寄り制御ローラ9によって、中間転写ベルト6の片寄りをIF方向の反対方向であるIR方向に補正する片寄り補正制御が行われる。しかしながら、実際には中間転写ベルト6の片寄り量は回動領域θ1に相当する量であるため、補正後の中間転写ベルト6の位置は、結果としてIR方向に過剰に片寄ってしまう。そして、中間転写ベルト6が片寄りすぎたことに起因して寄り切りエラーが発生したり、中間転写ベルト6が端部部材に乗り上げて破損することにもなる。
そこで、本実施の形態においては、中間転写ベルト6の片寄り量の検出に、センサの故障検知結果を利用する。すなわち、表4において、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の総和を用いて回動部材23の回動角Δθを求めようとすると、回動領域θ1とθ5、θ2とθ6、θ3とθ7、θ4とθ8の出力信号をそれぞれ区別することができない。しかしながら、θ1、θ2、θ3、及びθ4における出力信号の総和は、それぞれ奇数であり、θ5、θ6、θ7、及びθ8における出力信号の総和は、それぞれ偶数である。従って、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせと、出力信号の総和の反転判定結果を組合わせることによって、回動領域θ1とθ5、θ2とθ6、θ3とθ7、θ4とθ8の区別がそれぞれ可能となる。これによって、回動部材23の回動角の誤検知を回避できる。
本実施の形態によれば、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせと、透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和が偶数か又は奇数かの判定結果の組み合わせに基づいて、回動部材23の回動角Δθを誤検知なく検出することができる。そして、検出した回動部材23の回動角Δθを用いて中間転写ベルト6の片寄り量が求まる。また、求めた片寄り量に基づいて中間転写ベルト6の片寄りを補正することによって、誤検知に基づく中間転写ベルト6の誤った補正制御を防止することができ、寄り切りエラー、ベルトの破損等を回避することができる。
本実施の形態において、透過型光センサを3つ(M個)用いて、2のM乗個、すなわち2の3乗個である8つの回動領域に基づいて回動部材23の回動角Δθを検出して中間転写ベルト6の片寄り量を検出する構成を説明した。しかしながら、透過型光センサ22の適用個数は、特に限定されるものではない。透過型光センサ22の適用個数を増やすことによって回動部材23の回動領域を細分化し、検出できる片寄り量の分解能をより細かくすることもできる。
本実施の形態において、4つの透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和が偶数から奇数に反転したことによって、センサの故障を検知するようにした。しかしながら、遮光部材である突起部26Dを、4つの透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和が奇数になるように配置し、4つのセンサの検出出力の総和が奇数から偶数に変化することによってセンサの故障を検知することもできる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。
図7は、第2の実施の形態におけるベルト片寄り量検出装置の概略構成を示す図である。図7(a)は、ベルト搬送方向に垂直な断面図、図7(b)は、図7(a)のスライド部材を図7(a)の矢印Z方向から見た図、図7(c)は、図7(a)のスライド部材を矢印X方向から見た図である。なお、図7において、矢印IFは、図7(a)における中間転写ベルト6が図中、左方向に片寄った場合の作用力の方向を示し、矢印IRは、図7(a)における中間転写ベルト6が図中、右方向に片寄った場合の作用力の方向を示す。
図7において、中間転写ベルト6の下方に、平面図上、長方形を呈する平板状のスライド部材27が、所定方向、すなわち長方形の長さ方向に沿って移動可能に配置されている。スライド部材27の移動方向に直交する短辺27aの上方に、該短辺23aに沿うように複数、例えば4つの透過型光センサ22A、22B、22C、22Dが配置されている。透過型光センサ22A〜22Dの構成は、上述した第1の実施の形態と同様である。
スライド部材27が図中、IF方向又はIR方向にスライドした場合、透過型光センサ22A〜22Dによってスライド部材27上に形成される複数の軌跡に沿ってスライド部材27上に複数の突起部29A〜29Dが設けられている。突起部26A〜26Dは、透過型光センサ22A〜22Dに対して遮光部材として機能する。なお、スライド部材27は、光透過性の材料で構成されており、スライド部材27の下方には、透過型光センサ22A〜22Dにそれぞれ光を照射する光源が設けられている。
このような構成のスライド部材27は、後述する図8に示したように、該スライド部材27の長方形の長さ方向に交叉する方向に沿って、例えば8等分されたスライド領域x1〜x8に分割されている。スライド領域を8つに分割した理由等は、第1の実施の形態と同様である。従って、説明を省略する。
透過型光センサ22A〜22Dの軌跡に沿ってスライド部材27上に設けられた突起部29A〜29Dは、読み取られた際の透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の組み合わせがスライド領域x1〜x8に対応して変化するように複数の形態に設けられている。突起部の配置形態については、図8を用いて後述する。
揺動部材としての揺動アーム21は、一端が中間転写ベルト6の回転方向に直交する幅方向の端部に当接しており、揺動軸21aを挟んで反対側の他端がスライド部材27の当接面28に当接している。当接面28は、スライド部材27の側面に設けられている。
揺動アーム21は、中間転写ベルト6の片寄り量に応じて揺動軸21aを中心に揺動し、当接面28に当接する他端がスライド部材27を押圧することによってスライド部材27を図7(b)中、例えば、右方向に移動させる。なお、スライド部材27は、バネ部材によって常時、図7(b)中、左方向に付勢されている。スライド部材27のスライド量に応じて透過型光センサ22A〜22Dがそれぞれ対向する突起部29A〜29Dの形態が変化し、これによって、透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の組み合わせが複数通りに変化する。
透過型光センサ22A〜22Dは、遮光部材である突起部29を検知すると、例えば、検出結果がONである出力信号「1」を出力するものとする。一方、透過型光センサ22A〜22Dは、遮光部材を検知しないと、例えば、検出結果がOFFである検出信号「0」を出力するものとする。
図8は、スライド部材における突起部29A〜29Dの一配置例を示す図である。
図8において、スライド部材27のスライド方向に直交する短辺27aに沿って、その上方に、当接面28に近い順に4つの透過型光センサ22A、22B、22C、22Dが配置されている。スライド部材27上には、透過型光センサ22A〜22Dに対応する位置に4種類の突起部29A〜29Dがスライド領域x1〜x8ごとに形態が変化するように設けられている。
透過型光センサ22Aに対応する突起部29Aは、スライド領域x1〜x4に形成されている。また、透過型光センサ22Bに対応する突起部29Bはスライド領域x1、x2、x5、x6に形成されている。また、透過型光センサ22Cに対応する突起部29Cは、スライド領域x1、x3、x5、x7に設けられている。また、透過型光センサ22Dに対応する突起部29Dは、x1、x4、x6、x7に設けられている。
表5は、図8における透過型光センサ22A〜22Dのうち、例えば、3個の透過型光センサ22A〜22Cの出力信号をスライド領域x1〜x8ごとに示したものである。
表5において、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせは、8つのスライド領域x1〜x8で異なっており、突起部29A〜29Cは、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせがそれぞれ異なるように配置されていることが分かる。
また、図9は、透過型光センサにスライド領域x1〜x8がそれぞれ対向するスライド部材27のスライド位置を示す図である。
図9において、図9(a)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x1が対向するスライド部材27のスライド位置を示し、図9(b)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x2が対向するスライド部材27のスライド位置を示す図である。また、図9(c)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x3が対向するスライド部材27のスライド位置を示し、図9(d)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x4が対向するスライド部材27のスライド位置を示す。また、図9(e)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x5が対向するスライド部材27のスライド位置を示し、図9(f)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x6が対向するスライド部材27のスライド位置を示す。さらに、図9(g)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x7が対向するスライド部材27のスライド位置を示し、図9(h)は、透過型光センサ22A〜22Dにスライド領域x8が対向するスライド部材27のスライド位置を示す。
図8及び図9において、突起部29Aはスライド領域x1〜x4に、突起部29Bはスライド領域x1、x2、x5、x6に、突起部29Cはスライド領域x1、x3、x5、x7に設けられている。
このような構成のベルト片寄り検知装置において、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせによって中間転写ベルト6の片寄り量検出が検出される。すなわち、透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせが、スライド部材27の8つの領域に対応して異なることを利用してスライド部材27のスライド量が検出される。そして、スライド部材27のスライド量に基づいて中間転写ベルト6の片寄り量が検出される。
しかしながら、中間転写ベルトの片寄り量の検出に用いる複数のセンサのうち1つが故障すると、表5に示した出力信号の組み合わせが異なってくる。従って、スライド部材27の正確な移動量Δxが得られなくなり、中間転写ベルト6の片寄り量を誤検出することになる。そして、誤った検出結果に基づく誤ったベルトの片寄り補正制御が行われると、寄り切りエラーや、ベルトの破損を招くことになる。
そこで、本実施の形態では、スライド部材27及び透過型光センサを利用してセンサの故障を検出し、これによって誤った検出結果に基づく誤ったベルト片寄り補正制御を防止している。
すなわち、スライド部材27の4種類の突起部29A〜29Dのうち、中間転写ベルト6の片寄り量の検出に適用されなかった突起部29Dと、突起部29Dに対応する透過型光センサ22Dを用いてセンサの故障検知を行う。
本実施の形態において、突起部29Dは、3つの透過型光センサ22A〜22Cの出力信号と、突起部29Dに対向する透過型光センサ22Dの出力信号の総和が、例えば、偶数となるように配置される。透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の組み合わせ、及び出力信号の総和の一例を表6に示す。
表6において、スライド領域x1〜x8に対応する透過型光センサ22A〜22Cの出力信号の組み合わせがそれぞれ異なっており、スライド領域x1〜x8に対応する過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和がそれぞれ偶数になっている。この場合、突起部29Dは、スライド領域x1、x4、x6、x7に設けられている(図8、図9参照)。
このように構成されたベルト片寄り検出装置において、透過型光センサ22A〜22Dのうちいずれか1つが故障した場合、4つのセンサ出力信号の総和は、偶数から奇数に反転する。従って、透過型光センサ22の出力信号の総和が偶数から奇数へ反転することによってセンサの故障を検知することができる。
センサ故障検知処理の手順は、上述した図6のフローチャートと同様である。従って説明を省略する。また、センサの故障検知を利用した中間転写ベルト6の片寄り量の検出方法も上述した第1の実施の形態に準じて実行される。
第2の実施の形態によれば、複数のスライド領域x1〜x8ごとに遮光部材である突起部29の形態を変更し、これを複数の透過型光センサ22A〜22Cで検出し、出力信号の組み合わせに基づいてスライド部材27の移動量Δxを検出する。また、複数の突起部29のうち1つを透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和が偶数又は奇数になるように構成し、出力信号の総和の偶数/奇数が反転したことによって透過型光センサの故障を検知する。そして、スライド部材27の移動量Δxの検出と、出力信号の総和の偶数又は奇数への反転の有無を組合わせることによって、スライド部材27の移動量Δx、ひいては中間転写ベルト6の片寄り量の誤検知を回避することができる。また、これによって、誤検知に基づく誤ったベルトの片寄り補正を防止して寄り切りエラーや、ベルトの破損等を伴わない良好な片寄りを補正を実行することができる。
本実施の形態において、透過型光センサ22の適用個数を増大させ、スライド部材におけるスライド領域を細分化することによって、検出できる中間転写ベルト6の片寄り量の分解能をより細かくすることができる。また、4つの透過型光センサ22A〜22Dの出力信号の総和が奇数から偶数に反転することによって、センサの故障を検知するようにしてもよい。
6 中間転写ベルト
9 寄り制御ローラ
17 片寄り補正アーム
18 片寄り補正カム
21 揺動アーム
22A〜22D 透過型光センサ
23 回動部材
24 回転軸
26A〜26D 突起部(遮光部材)
27 スライド部材
29A〜29D 突起部(遮光部材)

Claims (7)

  1. 回転駆動される無端ベルトの回転方向に直交する幅方向の端部に一端を当接する揺動部材と、
    前記揺動部材の前記一端と揺動軸を介して対向する他端が当接する移動部材と、
    前記移動部材の移動方向に交叉する方向に沿って配置されたM個の光学センサおよび該M個の光学センサと異なる1個の光学センサと、
    前記移動部材が移動した際、該移動部材の位置に応じて、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサのそれぞれに入射される光のいずれかを遮光するように設けられ、前記移動部材上に形成された複数の遮光手段と、
    前記光学センサの出力信号を用いて前記無端ベルトの片寄り量を検出する検出手段と、
    前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和に基づき前記光学センサの故障を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記複数の遮光手段は、前記移動部材の移動位置に応じて前記M個の光学センサから出力される出力信号の組合せが2のM乗個となるように設けられており、かつ、前記複数の遮光手段は、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和が偶数になるように設けられており、
    前記判定手段は、前記光学センサの出力信号の総和が奇数になった場合、前記光学センサが故障したと判定し、
    前記検出手段は、
    前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定しない場合、前記M個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出し、
    前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定する場合、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出する
    ことを特徴とするベルト片寄り量検出装置。
  2. 回転駆動される無端ベルトの回転方向に直交する幅方向の端部に一端を当接する揺動部材と、
    前記揺動部材の前記一端と揺動軸を介して対向する他端が当接する移動部材と、
    前記移動部材の移動方向に交叉する方向に沿って配置されたM個の光学センサおよび該M個の光学センサと異なる1個の光学センサと、
    前記移動部材が移動した際、該移動部材の位置に応じて、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサのそれぞれに入射される光のいずれかを遮光するように設けられ、前記移動部材上に形成された複数の遮光手段と、
    前記光学センサの出力信号を用いて前記無端ベルトの片寄り量を検出する検出手段と、
    前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和に基づき前記光学センサの故障を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記複数の遮光手段は、前記移動部材の移動位置に応じて前記M個の光学センサから出力される出力信号の組合せが2のM乗個となるように設けられており、かつ、前記複数の遮光手段は、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号の総和が奇数になるように設けられており、
    前記判定手段は、前記光学センサの出力信号の総和が偶数になった場合、前記光学センサが故障したと判定し、
    前記検出手段は、
    前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定しない場合、前記M個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出し、
    前記判定手段が前記光学センサが故障していると判定する場合、前記M個の光学センサおよび前記1個の光学センサの出力信号に基づき、前記無端ベルトの片寄り量を検出する
    ことを特徴とするベルト片寄り量検出装置。
  3. 前記移動部材は、扇型の回動部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト片寄り量検出装置。
  4. 前記移動部材は、平板状のスライド部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のベルト片寄り量検出装置。
  5. 前記揺動部材の前記他端は、前記スライド部材の側面に当接しており、前記無端ベルトの片寄り量に応じて前記側面を押圧して前記スライド部材を所定方向に移動させることを特徴とする請求項4記載のベルト片寄り量検出装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のベルト片寄り量検出装置を備えた画像形成装置であって、前記無端ベルトは中間転写ベルトであることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記ベルト片寄り量検出装置で検出した片寄り量に応じて前記無端ベルトの片寄りを補正する補正手段を有することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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