JP6657757B2 - 操舵制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、転舵輪の転舵制御を実行することに伴って生じる現象が規制部材を車体に固定する手法から受ける影響を緩和することができるようにした操舵制御装置を提供することにある。
1.車体に固定されてラック軸の軸方向への相対変位を許容しつつ前記軸方向と交差する方向への変位を規制する規制部材に対して前記ラック軸を前記軸方向に相対変位させることにより車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを備えた操舵装置を操作対象とし、前記転舵アクチュエータは、前記ラック軸を前記規制部材に対して前記軸方向に相対変位させる転舵モータを備え、前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向への相対変位量の目標値を設定する目標値設定処理部と、前記ラック軸に対し前記軸方向に加わる負荷としてのラック軸力を取得する軸力取得処理部と、前記軸力取得処理部が取得した前記ラック軸力に基づき、前記目標値を補正する補正処理部と、前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向の相対変位量を前記補正処理部によって補正された前記目標値に一致するように制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵処理部と、を備える。
上記構成では、規制部材がゴムを備えたブッシュを介して車体に固定されているため、ラック軸力が大きくなる場合、規制部材自体が車体に対して相対変位するおそれがある。そして、規制部材が車体に対して相対変位する場合、規制部材に対するラック軸の相対変位量の割りに転舵輪の実際の転舵角が小さくなる。これに対し、上記構成では、目標値が、ラック軸力をより大きくする側に補正されるため、こうした事態が生じることを抑制できる。
以下、操舵制御装置にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる操舵装置においては、ステアリングホイール(ステアリング10)が、ステアリングシャフト12に固定されており、ステアリングシャフト12は、電子制御式のクラッチ14を介してピニオン軸16に連結可能とされている。
図2に示すように、マウント部42は、ブッシュ50を介してサスペンションメンバ48に締結固定されている。ここで、ブッシュ50は、筒状部52と、フランジ部54と、ゴム56とを備えている。ここで、ゴム56および筒状部52は、ゴム56が筒状部52の径方向外側を覆った状態で、マウント部42の内周面42aに挿入されている。ここで、ゴム56および筒状部52は、いずれもそれら両端部が、内周面42aから外にはみ出している。そして、ゴム56は、はみ出した部分が、筒状部52の径方向外側に延びている。一方、フランジ部54は、サスペンションメンバ48に進む方向DFに平行な方向の両側において、マウント部42の内周面42aから突出した部分に設けられている。フランジ部54は、ゴム56に追従するようにして筒状部52の径方向外側に向かって延びている。ここで、筒状部52やフランジ部54は、金属等の硬い固体や「硬さ」や「強さ」を兼ね備えた多結晶体等の剛体である。
目標角度設定処理部M18は、偏差算出処理部M16の出力値に基づき、目標操舵角θs*を設定する。ここでは、偏差算出処理部M16の出力値Ffと、目標操舵角θs*とを関係づける以下の式(c1)にて表現されるモデル式を利用する。
上記の式(c1)にて表現されるモデルは、ステアリング10と転舵輪26とが機械的に連結されたものにおいて、ステアリング10の回転に伴って回転する回転軸のトルクと回転角度との関係を定めるモデルである。上記の式(c1)において、粘性係数Cは、操舵装置の摩擦等をモデル化したものであり、慣性係数Jは、操舵装置の慣性をモデル化したものである。ここで、粘性係数Cおよび慣性係数Jは、車速Vに応じて可変設定される。
操舵角制御処理部M24は、操舵角θsを目標操舵角θs*にフィードバック制御するための操作量として、反力モータ62が生成するトルクの指令値である反力トルクTrqr*を設定する。具体的には、目標操舵角θs*から操舵角θsを減算した値を入力とする比例要素、積分要素および微分要素のそれぞれの出力値の和を、反力トルクTrqr*とする。
舵角比可変処理部M30は、車速Vに基づき、操舵角θsと転舵角θpとの比(制御舵角比)を可変設定するための目標動作角θa*を設定する。加算処理部M32は、目標操舵角θs*に目標動作角θa*を加算することにより、目標転舵角θp1*を算出する。
転舵角制御処理部M36は、偏差算出処理部M34の出力値に基づき、転舵角θpを目標転舵角θp*にフィードバック制御するための操作量として、転舵モータ34が生成するトルクの指令値であるトルク指令値Trqt*を設定する。具体的には、目標転舵角θp*から転舵角θpを減算した値を入力とする比例要素、積分要素および微分要素のそれぞれの出力値の和を、トルク指令値Trqt*とする。
図4に、軸力取得処理部M42の処理を示す。この処理は、軸力取得処理部M42によってたとえば所定周期で繰り返し実行される。
図3に戻り、補正処理部M40は、軸力取得処理部M42の出力するラック軸力AFに基づき、目標転舵角θp1*を補正し目標転舵角θp*とする。詳しくは、補正処理部M40は、ラック軸力AFに基づき補正量Δθを算出する補正量算出処理部M44と、目標転舵角θp1*に補正量Δθを加算して目標転舵角θp*を算出する加算処理部M46とを備えている。
図5に示す一連の処理において、補正量算出処理部M44は、ラック軸力AFと補正量Δθとの関係を定めたマップデータを用い、軸力取得処理部M42が算出したラック軸力AFに基づき、補正量Δθをマップ演算する(S20)。ここで、マップデータとは、入力変数(ラック軸力AF)の離散的な値のそれぞれに対する出力変数(補正量Δθ)の値を記憶したデータである。補正量算出処理部M44は、ラック軸力AFがマップの入力変数のいずれか1つに一致する場合、対応する出力変数の値を補正量Δθとする一方、いずれにも一致しない場合、補間演算によって補正量Δθを算出する。
たとえば、ステアリング10が大きく右に切られると、軸方向Daにおいて中立位置から離れる側にラック軸20を大きく変位させるように、転舵モータ34からラック軸20にトルクが加えられる。このとき、ラック軸力AFが大きくなるため、ラック軸20を介してハウジング40に、ハウジング40を車体(サスペンションメンバ48)に対して相対変位させる力が加わり、ハウジング40が車体に対して相対変位する。
(1)ラック軸力AFがより大きくなる側に目標転舵角θp1*を補正した。これにより、ハウジング40が車体に対して相対変位したとしても、車体に対するラック軸20の相対変位量を高精度に制御することができ、ひいては転舵輪26の転舵制御の制御性を高く維持することができる。したがって、転舵輪26の転舵制御を実行することに伴って生じる現象がハウジング40を車体に固定する手法から受ける影響を緩和することができる。
以下、操舵制御装置にかかる第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図6に示すように、本実施形態では、ブッシュ50からゴム56を廃止し、筒状部52をマウント部42の内周面42aに接触させた。この場合、ラック軸力AFが大きい場合であっても、第1の実施形態のようにハウジング40が車体に対して相対変位することは十分に抑制される。しかしこの場合、ステアリング10を急激に右旋回または左旋回させた場合に、ラック軸力AFが大きくなることに起因して、車両に衝撃が加わり、ユーザが感知しやすい騒音が生じやすい。
(5)ラック軸力AFが大きい場合に小さい場合よりも目標転舵角θp1*をラック軸力AFが小さくなる側に補正した。これにより、転舵輪26の転舵制御によって車両に加わる衝撃を緩和することができ、ひいては、衝撃に伴う騒音を低減することができる。
以下、操舵制御装置にかかる第3の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
制御装置70を車両に搭載する車両メーカは、車両の製品出荷に先立って、車両に対する要求に応じて、図5のステップS20において利用したマップデータを利用するか、図7のステップS20aにおいて利用したマップデータを利用するかを指示する。この指示に応じて、制御装置70は、メモリ74に、フラグFaかフラグFbかを記憶することとなる。そして車両の製品出荷後において、メモリ74にフラグFaが記憶されている場合には、制御装置70は、目標転舵角θp1*の補正に際して、図5に示した処理と同等の処理を行う一方、メモリ74にフラグFbが記憶されている場合には、目標転舵角θp1*の補正に際して、図7に示した処理と同等の処理を行う。
(6)メモリ74に複数のマップデータを記憶しておき、いずれのマップデータを利用するかを外部から指示可能とした。これにより、制御装置70は、様々な要求に対応できるため、制御装置70の汎用性を高めることができる。
以下、操舵制御装置にかかる第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる操舵装置は、ステアリング10からの操舵トルクTrqsを転舵輪26に伝達しつつも、同一の操舵角θsに対して、ハウジング40に対するラック軸20の軸方向Daへの相対変位量と操舵角θsとの比である制御舵角比を変更可能なものとする。
図12に、本実施形態にかかる軸力取得処理部M42の処理の手順を示す。この処理は、軸力取得処理部M42によって、所定周期で繰り返し実行される。なお、図12において、図4に示した処理に対応するものについては、便宜上、同一のステップ番号を付している。
一方、舵角比可変処理部M30は、車速Vに応じて目標動作角θa1*を出力する。この目標動作角θa1*は、基本的に、上記第1の実施形態の目標動作角θa1*と同様に設定されるものである。
(7)補正量Δθによって、可変舵角比アクチュエータVAの操作による制御量(目標動作角θa1*)を補正した。これにより、ハウジング40に対するラック軸20の軸方向Daへの相対変位量の目標値(目標転舵角θp1*)を補正してこの補正された目標値(目標転舵角θp*)に制御する際に、ステアリング10に意図しないトルクが重畳されることを好適に抑制することができる。
以下、操舵制御装置にかかる第5の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図13に、制御装置70が実行する処理の一部を示す。図13に示す処理は、メモリ74に記憶されたプログラムをCPU72が実行することによって実現される処理を、実現する処理の種類毎に記載したものである。なお、図13に示す処理において、図3に示したものに対応するものについては、便宜上、同一の符号を付している。また、図13に示す処理は、制御装置70が自動操舵処理を実行するときの処理を示している。
自動操舵処理部M60は、車両を適切に走行させるうえで適切な目標転舵角θp1*を算出して出力する。この目標転舵角θp1*は、加算処理部M46において、ラック軸力AFがより大きくなる側に、補正量Δθによって補正される。ラック軸力AFが大きいときに補正量Δθによる補正がなされない場合、車体に対するラック軸20の軸方向Daへの相対変位量が小さくなり、自動操舵処理部M60が転舵輪26の実際の転舵量として設定したようには転舵輪26が転舵しない事態が生じうる。これに対し、補正量Δθによって目標転舵角θp1*が補正されることによって、転舵輪26の転舵が、自動操舵処理部M60が狙いとする制御に近づけることができる。
(9)目標転舵角θp1*を補正することにより、車体に対してハウジング40が軸方向Daに相対変位した場合であっても、自動操舵処理部M60が目標転舵角θp1*の設定によって想定した転舵輪26の転舵から実際の転舵がずれる事態を好適に抑制することができる。したがって、自動操舵処理部M60による転舵制御の制御性を高めることができる。
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。以下において、「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項を項目立てするとともに上記実施形態における事項との対応関係を符号等によって例示した部分があるが、これには、項目立てした事項を対応関係を例示した実施形態中の事項に限定する意図はない。なお、「課題を解決するための手段」の欄における「制御舵角比」は、上記第1〜第4の実施形態における操舵角θsと転舵角θpとの比に対応する。また、指示取得処理部は、メモリ74に記憶されたプログラムに従って図8の処理を実行するCPU72に対応する。また、転舵処理部は、偏差算出処理部M34、転舵角制御処理部M36および操作信号生成処理部M38が対応する。また、舵角操作処理部は、偏差算出処理部M52、舵角比制御処理部M54、および操作信号生成処理部M56に対応する。さらに、制御舵角比の目標値は、目標操舵角θs*と、「θs*+θa1*」との比に対応する。また、操舵トルク取得処理部は、メモリ74に記憶されたプログラムに従ってステップS60の処理を実行するCPU72に対応する。
(a)複数のパターンについて
ステップS20の処理によって利用したマップデータによって規定されるパターンと、ステップS20aによって利用したマップデータによって規定されるパターンとの一対のパターンに限らない。たとえば、ラック軸力AFをより大きくする側の補正量Δθであって且つラック軸力AFが大きい場合に小さい場合よりも絶対値が大きくなる補正量Δθとしつつも、ラック軸力AFの1つの値から定まる補正量Δθの値として、2通り以上の値を定めてもよい。換言すれば、ラック軸力AFをより大きくする側に補正する2個以上のパターンを設定してもよい。また、たとえば、ラック軸力AFをより小さくする側の補正量Δθであって且つラック軸力AFが大きい場合に小さい場合よりも絶対値が大きくなる補正量Δθとしつつも、ラック軸力AFの1つの値から定まる補正量Δθの値として、2通り以上の値を定めてもよい。換言すれば、ラック軸力AFをより小さくする側に補正する2個以上のパターンを設定してもよい。これらは、2種類以上のマップデータを備えることで実現可能である。
(b)指示信号の取得処理(図8)について
上記実施形態では、制御装置70が搭載される車両が出荷されるに先立って1度、CPU72が図8の処理を実行することを例示したが、これに限らない。たとえば、車両の出荷後も所定周期でCPU72が図8に示した処理を実行するようにしてもよい。この場合、たとえば、ユーザに車両の挙動の好みを指定させるための操作部材を車両に搭載し、ユーザが操作部材を操作することによって、特定のパターンに対応する車両挙動を指定する都度、その操作に応じた指定信号に基づき、CPU72がステップS40において肯定判定してステップS42の処理を実行することができる。
(c)そのほか
上記第1の実施形態や第3の実施形態では、ラック軸力AFが大きくなるに従って、補正量Δθの絶対値を漸増させたがこれに限らない。たとえば、ラック軸力AFに関する複数の閾値を設定しておき、各閾値を上回る度に、補正量Δθの絶対値を段階的に増加させてもよい。また、閾値を複数とする代わりに、1つのみとしてもよい。
上記第4の実施形態(図11)においては、舵角比可変処理部M30から出力されて加算処理部M32へと入力される目標動作角θa1*を、補正処理部M40によって補正量Δθにて補正したが、これに限らない。たとえば、加算処理部M32の出力値と、偏差算出処理部M52に入力される舵角比可変処理部M30の出力値との双方を、補正処理部M40によって補正量Δθにて補正してもよい。この場合も、第4の実施形態と同様、補正量Δθの補正対象は、加算処理部M32の出力する「θp1*+θa1*」と、目標動作角θa1*とである。これは、補正対象が、目標操舵角θs*と相対変位量の目標値(θp1*+θa1*)との比である制御舵角比の目標値であると見なせる。
上記第1〜第4の実施形態においては、アシストトルク設定処理部M10、反力設定処理部M12、加算処理部M14、偏差算出処理部M16、目標角度設定処理部M18、舵角比可変処理部M30および加算処理部M32によって、目標値設定処理部を構成したが、これに限らない。たとえば、目標角度設定処理部M18の出力値を目標転舵角θp1*とし、舵角比可変処理部M30および加算処理部M32を除いて、アシストトルク設定処理部M10、反力設定処理部M12、加算処理部M14、偏差算出処理部M16および目標角度設定処理部M18によって、目標値設定処理部を構成してもよい。ただし、この場合、目標角度設定処理部M18が利用するモデルを、転舵角に関するモデルとする一方、上記第1〜第3の実施形態においては、目標転舵角θp*を舵角比可変処理部M30の出力値で減算補正したものを目標操舵角θs*とする。
図11に示した処理に限らない。たとえば、操舵トルクTrqsとアシストトルクTaとの関係を設定しておき、操舵トルクTrqsに応じてアシストトルクTaを設定し、転舵モータ34のトルクをアシストトルクに制御する処理としてもよい。なお、この場合、目標転舵角θp*というパラメータが存在しないため、目標動作角θa*を補正量Δθにて補正するのみとする。同様、転舵アクチュエータを備えない操舵装置の場合にも、目標転舵角θp*というパラメータが存在しないため、目標動作角θa*を補正量Δθにて補正するのみとする。
上記第1〜第3、第5の実施形態では、転舵モータ34に流れる電流iu,iv,iwの検出値に基づき、転舵モータ34のトルクを推定し、同トルクに基づきラック軸力AFを算出したが、これに限らない。たとえば、トルク指令値Trqt*を入力とし、これに基づきラック軸力AFを算出してもよい。さらに、電流iu,iv,iwの検出値に基づき算出されたラック軸力AFとトルク指令値Trqt*に基づき算出されたラック軸力AFとの平均値を、最終的なラック軸力AFとしてもよい。
転舵モータ34としては、SPMSMに限らず、IPMSMを用いてもよい。ただしこの場合、電流iu,iv,iwからトルクを算出する際には、d軸電流を利用してリラクタンストルクを考慮する。
・「規制部材(40)について」
ハウジング40としては、マウント部42を、軸方向Daの両端部に2つずつ備えるものに限らない。たとえば、軸方向Daの両端部に、1つずつ備えるものであってもよい。
転舵輪26の転舵角とステアリング10の操舵角との比である舵角比を変更可能なものに限らない。たとえば、図1に示した構成においてステアリングシャフト12とピニオン軸16とが一体的なものに変更する場合であっても、自動操舵処理による転舵角θpの目標値をラック軸力AFに応じて補正するなら、ラック軸力AFを考慮しない場合と比較すると、転舵角θpの転舵制御の制御性を高めることができるというメリットを有する。
CPU72とメモリ74とを備えて、ソフトウェア処理を実行するものに限らない。たとえば、上記実施形態においてソフトウェア処理されたものの少なくとも一部を、専用のハードウェア(ASIC)にて処理してもよい。すなわち、たとえば、上記第1の実施形態において、アシストトルク設定処理部M10、反力設定処理部M12、加算処理部M14、偏差算出処理部M16、および目標角度設定処理部M18の処理については、ハードウェア処理とし、目標操舵角θs*を、ハードウェアからCPU72が取得するようにしてもよい。
Claims (11)
- 車体に固定されてラック軸の軸方向への相対変位を許容しつつ前記軸方向と交差する方向への変位を規制する規制部材に対して前記ラック軸を前記軸方向に相対変位させることにより車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを備えた操舵装置を操作対象とし、
前記転舵アクチュエータは、前記ラック軸を前記規制部材に対して前記軸方向に相対変位させる転舵モータを備え、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向への相対変位量の目標値を設定する目標値設定処理部と、
前記ラック軸に対し前記軸方向に加わる負荷としてのラック軸力を取得する軸力取得処理部と、
前記軸力取得処理部が取得した前記ラック軸力に基づき、前記目標値を補正する補正処理部と、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向の相対変位量を前記補正処理部によって補正された前記目標値に一致するように制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵処理部と、を備え、
前記操舵装置は、ステアリングホイールが連結されたステアリングシャフトの回転角度である操舵角と前記転舵輪の転舵角との比である舵角比を変更可能なものであり、
前記目標値設定処理部は、前記ステアリングホイールの操作に基づき、前記目標値を設定するものであり、
前記補正処理部による前記目標値の補正によって、補正がなされない場合と比較して、前記操舵角と前記相対変位量との比である制御舵角比が変更される操舵制御装置。 - 前記操舵装置は、前記ステアリングホイールと前記転舵輪との動力伝達を遮断可能なものであり、
前記補正処理部は、前記転舵輪と前記ステアリングホイールとの動力遮断状態において前記目標値を補正するものである請求項1記載の操舵制御装置。 - 前記操舵装置は、前記ステアリングシャフトに加わるトルクを前記転舵輪側に伝達させつつ前記操舵角と前記相対変位量との比である制御舵角比を変更する可変舵角比アクチュエータを備え、
前記目標値設定処理部は、前記相対変位量の目標値を設定する処理として、前記制御舵角比の目標値を設定する処理を実行するものであり、
前記補正処理部は、前記制御舵角比の目標値を補正するものであり、
前記補正処理部が補正した前記制御舵角比の目標値に基づき、前記可変舵角比アクチュエータを操作する舵角操作処理部を備える請求項1記載の操舵制御装置。 - 車体に固定されてラック軸の軸方向への相対変位を許容しつつ前記軸方向と交差する方向への変位を規制する規制部材に対して前記ラック軸を前記軸方向に相対変位させることにより車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを備えた操舵装置を操作対象とし、
前記転舵アクチュエータは、前記ラック軸を前記規制部材に対して前記軸方向に相対変位させる転舵モータを備え、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向への相対変位量の目標値を設定する目標値設定処理部と、
前記ラック軸に対し前記軸方向に加わる負荷としてのラック軸力を取得する軸力取得処理部と、
前記軸力取得処理部が取得した前記ラック軸力に基づき、前記目標値を補正する補正処理部と、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向の相対変位量を前記補正処理部によって補正された前記目標値に一致するように制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵処理部と、を備え、
前記目標値設定処理部は、前記目標値の設定によって、ステアリングホイールの操作によらずに前記転舵輪を転舵させる自動操舵処理を実行するものであり、
前記補正処理部は、前記自動操舵処理が実行されているときに前記目標値を補正する操舵制御装置。 - 前記軸力取得処理部は、前記転舵モータのトルクおよび前記転舵モータを流れる電流の少なくとも一方に基づき、前記ラック軸力を算出する請求項2または4記載の操舵制御装置。
- 前記ステアリングシャフトに入力されるトルクである操舵トルクの検出値を取得する操舵トルク取得処理部を備え、
前記軸力取得処理部は、前記転舵モータのトルクおよび前記転舵モータを流れる電流の少なくとも一方と、前記操舵トルク取得処理部が取得した操舵トルクとに基づき、前記ラック軸力を算出する請求項3記載の操舵制御装置。 - 前記補正処理部は、前記相対変位量の目標値を前記ラック軸力がより大きくなる側に補正するものであって、前記ラック軸力が小さい場合と比較して大きい場合に前記目標値の補正量の絶対値を大きくするものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の操舵制御装置。
- 前記規制部材は、ゴムを備えたブッシュを介して車体に固定される請求項7記載の操舵制御装置。
- 車体に固定されてラック軸の軸方向への相対変位を許容しつつ前記軸方向と交差する方向への変位を規制する規制部材に対して前記ラック軸を前記軸方向に相対変位させることにより車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを備えた操舵装置を操作対象とし、
前記転舵アクチュエータは、前記ラック軸を前記規制部材に対して前記軸方向に相対変位させる転舵モータを備え、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向への相対変位量の目標値を設定する目標値設定処理部と、
前記ラック軸に対し前記軸方向に加わる負荷としてのラック軸力を取得する軸力取得処理部と、
前記軸力取得処理部が取得した前記ラック軸力に基づき、前記目標値を補正する補正処理部と、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向の相対変位量を前記補正処理部によって補正された前記目標値に一致するように制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵処理部と、を備え、
前記操舵装置は、前記車体に対して前記規制部材を弾性支持するブッシュを備え、前記補正処理部は、前記ブッシュの撓みにより前記規制部材が前記車体に対して相対変位することによって、前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向の相対変位量を前記目標値に一致させるように制御する際に生じる、前記転舵輪の転舵角の制御の誤差が低減するように前記目標値を補正する操舵制御装置。 - 車体に固定されてラック軸の軸方向への相対変位を許容しつつ前記軸方向と交差する方向への変位を規制する規制部材に対して前記ラック軸を前記軸方向に相対変位させることにより車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを備えた操舵装置を操作対象とし、
前記転舵アクチュエータは、前記ラック軸を前記規制部材に対して前記軸方向に相対変位させる転舵モータを備え、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向への相対変位量の目標値を設定する目標値設定処理部と、
前記ラック軸に対し前記軸方向に加わる負荷としてのラック軸力を取得する軸力取得処理部と、
前記軸力取得処理部が取得した前記ラック軸力に基づき、前記目標値を補正する補正処理部と、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向の相対変位量を前記補正処理部によって補正された前記目標値に一致するように制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵処理部と、を備え、
前記補正処理部は、前記相対変位量の目標値を前記ラック軸力がより小さくなる側に補正するものであって、前記ラック軸力が小さい場合と比較して大きい場合に前記目標値の補正量の絶対値を大きくするものである操舵制御装置。 - 車体に固定されてラック軸の軸方向への相対変位を許容しつつ前記軸方向と交差する方向への変位を規制する規制部材に対して前記ラック軸を前記軸方向に相対変位させることにより車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータを備えた操舵装置を操作対象とし、
前記転舵アクチュエータは、前記ラック軸を前記規制部材に対して前記軸方向に相対変位させる転舵モータを備え、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向への相対変位量の目標値を設定する目標値設定処理部と、
前記ラック軸に対し前記軸方向に加わる負荷としてのラック軸力を取得する軸力取得処理部と、
前記軸力取得処理部が取得した前記ラック軸力に基づき、前記目標値を補正する補正処理部と、
前記規制部材に対する前記ラック軸の軸方向の相対変位量を前記補正処理部によって補正された前記目標値に一致するように制御するために前記転舵アクチュエータを操作する転舵処理部と、を備え、
前記補正処理部は、所定の前記ラック軸力に対して前記相対変位量の前記目標値を補正する補正量の大きさおよび符号の少なくとも一方が相違する複数のパターンを有して且つ、前記複数のパターンのうちの1つのパターンに基づき前記相対変位量の目標値を補正する補正量を設定するものであり、
前記複数のパターンのうちの1つを指定する指定信号を取得する指示取得処理部を備え、
前記補正処理部は、前記指示取得処理部が取得した指定信号に基づき、前記複数のパターンの中から、前記相対変位量の前記目標値を補正する補正量の設定に利用するパターンを選択する操舵制御装置。
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