JP6654922B2 - 導電フィラー用粉末 - Google Patents

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本発明は、導電性樹脂、導電性プラスチック、導電性ペースト、電子機器、電子部品等に用いられる導電フィラーに適した粉末に関する。
導電性物質に含有されるフィラーに、金、銀、白金及び銅のような貴金属の粉末が用いられている。他の金属の表面に貴金属がコーティングされた粉末も、導電フィラーとして用いられている。貴金属の電気抵抗は小さいので、この貴金属を含むフィラーは導電性に優れる。貴金属を含む粒子の凝集により、粒子同士の大きな接触面積が得られるので、この観点からも貴金属はフィラーの導電性に寄与する。貴金属はさらに、熱伝導性にも優れる。
貴金属は、高価である。従って、貴金属を含む導電性物質の材料コストは、高い。しかも、貴金属は高比重である。従って、貴金属を含む導電性物質は、重い。コスト低減及び軽量化の観点から、貴金属以外の元素を含む合金の検討が、種々なされている。
特開2004−47404公報には、シリコン化合物からなる粒子の表面に、炭素がコーティングされた導電フィラー用合金が開示されている。この粒子では、シリコン微結晶がシリコン化合物に分散している。
特開2006−54061公報には、Agからなる粒子の表面に、Si又はSi系化合物がコーティングされた導電フィラー用合金が開示されている。
特開2008−262916公報には、銀と、0.01−10質量%のSiとを含有する導電フィラー用合金が開示されている。この合金では、銀粒子の表面に、SiOのゲルがコーティングされている。
特開2006−302525公報には、Agを含み、さらにAl又はSiが添加された導電フィラー用合金が開示されている。
特開2004−47404公報 特開2006−54061公報 特開2008−262916公報 特開2006−302525公報
近年、電子機器の高性能化及び用途拡大が進んでいる。導電性物質には、低コスト化及び軽量化の要請がある。
本発明の目的は、導電性に優れ、低コストで得られ、かつ軽量である導電フィラー用粉末の提供にある。
本発明に係る導電フィラー用粉末の材質は、0.1質量%以上20質量%のAg、40質量%以上50質量%未満のSi、及び導電性の元素X1を含み、残部は不可避的不純物である。この合金は、
(I)Ag相
(II)Si及び元素X1を含有するシリサイド相
並びに
(III)Si相
を有する。この粉末の密度は、2.0Mg/m以上6.0Mg/m以下である。
好ましくは、この合金におけるAgの含有率は、5質量%以上20質量%以下である。
好ましくは、元素X1は、B、Na、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiからなる群から選択された1種又は2種以上である。
好ましくは、この合金における元素X1の含有率は、20質量%以上60質量%未満である。
本発明に係る導電フィラー用粉末は、材質がSiを含む合金であるため、低コストで得られうる。この粉末は、貴金属がコーティングされて得られる粉末に比べ、製造に手間がかからず、しかもコーティング層の剥離の問題も生じない。この粉末は低密度でもある。この粉末では、Ag相及びシリサイド相が、導電性に寄与する。この粉末は、諸性能に優れている。
本発明に係る導電フィラー用粉末は、多数の粒子の集合である。この粒子の材質は、合金である。この合金は、Ag、Si、元素X1及び不可避的不純物を含んでいる。元素X1は、導電性である。元素X1の電気伝導度は、100AV−1−1以上である。
好ましくは、この合金は、
(1)0.1質量%以上20質量%以下のAg
並びに
(2)40質量%以上50質量%以下のSi
を含み、かつ、残部は元素X1及び不可避的不純物である。合金が、積極的に添加された他の元素を含んでもよい。他の元素として、Au及びCuが例示される。
この合金は、
(I)Ag相
(II)Si及び元素X1を含有するシリサイド相
並びに
(III)Si相
を有する。この合金は、混相組織を有する。
この合金のマトリクスは、Si相である。この合金では、Si相中に複数のAg相が分散している。この合金では、Si相中に複数のシリサイド相も分散している。この合金では、シリサイド相と他のシリサイド相とを、Ag相がジョイントしている。このAg相は、導電パスを形成している。後述されるように、Ag相及びシリサイド相の電気抵抗は、低い。この合金では、電気は、Ag相及びシリサイド相を通じて流れる。この粉末は、導電性に極めて優れる。
Ag相(I)の主成分は、Agである。Ag相(I)が、Agのみを含んでもよい。Ag相(I)が、Agと共に、少量の他の元素を含んでもよい。Ag相(I)におけるAgの含有率は、90質量%以上である。好ましくは、Ag相(I)は、金属間化合物を実質的に含まない。従ってこのAg相(I)の電気抵抗は、極めて低い。このAg相(I)は、粉末の導電性に寄与する。
この合金の特徴の1つは、Alを実質的に含まないことである。AlはAgとの間で金属間化合物を形成する性質を有する。合金がAlを実質的に含まないので、Ag相(I)は、AlとAgとの金属間化合物を実質的に含まない。このAg相(I)は、粉末の導電性に寄与する。本発明において「合金がAlを実質的に含まない」とは、Alが積極的に合金に含有させられないことを意味する。不可避的不純物としてのAlを合金が含むことは、許容される。
後述されるように、この粉末は、アトマイズによって製造されうる。アトマイズ後の粒子では、Ag相(I)は、主として、表面ではなく内部に析出する。内部に存在するAg相(I)は、空気と直接には接触しない。この粉末では、Agのイオンマイグレーションが生じにくい。従って、コスト及び軽量の観点から許容される範囲内で、合金が多量のAgを含みうる。この粉末は、導電性に極めて優れる。
シリサイド相(II)は、Si及び元素X1を含有する。元素X1を含むので、このシリサイド相(II)は導電性である。このシリサイド相(II)を有する合金は、導電性に優れる。元素X1は、粉末の熱伝導性にも寄与しうる。元素X1の具体例として、B、Na、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiが挙げられる。合金が、2種以上の元素X1を含んでもよい。シリサイド相が、Agを含んでもよい。
Si相(III)の主成分は、Siである。Si相(III)が、Siのみを含んでもよい。Si相(III)が、Siと共に、少量の他の元素を含んでもよい。他の元素は、Si相(III)にドープされてもよく、固溶してもよい。
従来の導電フィラー粉末には、前述の通り、金、銀、白金及び銅のような貴金属が用いられている。金の密度は19.32Mg/mであり、銀の密度は10.50Mg/mであり、白金の密度は21.45Mg/mであり、銅の密度は8.960Mg/mである。一方、Siの密度は2.329Mg/mである。Siの密度は、小さい。Siを含む導電フィラー用粉末は、軽量である。この粉末を含む物体は、軽量である。
Siは、貴金属に比べて低価格である。Siを含む導電フィラー用粉末は、この粉末を含む物体の低コストを達成する。さらにこの粉末は、コーティングの手間がなく製造されうる。
Ag相(I)、シリサイド相(II)及びSi相(III)を有する合金では、Ag相(I)及びシリサイド(II)が導電性に寄与し、Si相(III)が軽量及び低コストに寄与する。この合金からなる粉末は、諸性能に優れる。
導電性の観点から、合金におけるAgの含有率は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましい。イオンマイグレーションが抑制されるとの観点、及び低コストの観点から、合金におけるAgの含有率は20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下が特に好ましい。
導電性の観点から、合金における元素X1の含有率は20質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。合金が十分なSiを含有しうるとの観点から、元素X1の含有率は60質量%未満が好ましい。
軽量及び低コストの観点から、合金におけるSiの含有率は40質量%以上が好ましい。合金が十分なAg及び元素X1を含有しうるとの観点から、Siの含有率は50質量%未満が好ましい。
導電フィラー用粉末を含む物体の軽量の観点から、この粉末の密度は6.0Mg/m以下が好ましく、5.5Mg/m以下がより好ましく、5.0Mg/m以下が特に好ましい。導電性の観点から、密度は2.0Mg/m以上が好ましく、2.5Mg/m以上がより好ましく、3.0Mg/m以上が特に好ましい。
密度は、島津製作所社の乾式自動密度計「アキュピック II 340シリーズ」により測定される。この装置の容器に粉末が投入され、ヘリウムガスが充填される。定容積膨張法に基づき、粉末の密度が検出される。10回の測定の平均値が算出される。
導電フィラー粉末は、アトマイズ工程を含む液体急冷プロセスによって製造されうる。このプロセスにより、容易かつ安価に粉末が製造されうる。好ましいアトマイズとして、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、ディスクアトマイズ法及びプラズマアトマイズ法が例示される。ガスアトマイズ法及びディスクアトマイズ法が、特に好ましい。
以下、ガスアトマイズ法の一例が説明される。まず、底部に細孔を有する石英坩堝の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。アルゴンガス雰囲気において、細孔から流出する原料に、アルゴンガスが噴射される。原料は急冷されて凝固し、粉末が得られる。噴射圧の調整により、凝固速度がコントロールされうる。噴射圧が大きいほど、凝固速度は大きい。凝固速度のコントロールにより、所望の粒度分布を有する粉末が得られうる。凝固速度が速いほど、粒度分布の幅は小さい。ガスアトマイズ法によって得られた粉末に、さらにメカニカルミリングが施されてもよい。
以下、ディスクアトマイズ法の一例が説明される。まず、底部に細孔を有する石英坩堝の中に、原料が投入される。この原料が、アルゴンガス雰囲気中で、高周波誘導炉によって加熱され、溶融する。アルゴンガス雰囲気において、細孔から流出する原料が、高速で回転するディスクの上に落とされる。回転速度は、40000rpmから60000rpmである。ディスクによって原料は急冷され、凝固して、粉末が得られる。この粉末に、さらにメカニカルミリングが施されてもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
表1及び2に示される組成を有する実施例1−15及び比較例1−15の粉末を得た。これらの粉末は、表1及び2に記載された成分以外に、不可避的不純物を含む。
各粉末の電気伝導度を測定した。まず、篩を用いて径が45μmを超える粒子を粉末から除去した。残余の粉末と絶縁性の熱硬化性樹脂(EPOMET-F)を、体積比が1:1となるように混合した。この混合物を、180℃の温度下で加圧し、直径が25mmである円柱状のサンプルを成形した。抵抗測定器(三菱化学アナリテック社製の低抵抗測定器「ロレスターGX」及びその測定プローブ)を用い、このサンプルの電気抵抗を測定した。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
Figure 0006654922
Figure 0006654922
表1及び2における製造プロセスの詳細は、下記の通りである。
G.A.:ガスアトマイズ法
D.A.:ディスクアトマイズ法
表1に示される通り、各実施例の粉末の合金は、Ag、Si及び導電性の元素X1を含む。これらの合金における、Agの含有率は0.1質量%以上20質量%以下であり、Siの含有率は40質量%以上50質量%未満である。これらの粉末の密度は、2.0Mg/m以上6.0Mg/m以下である。
一方、表2に示された各比較例の粉末は、組成及び密度のいずれかが、本発明の要件を満たしていない。比較例13−15の粉末には、Alが添加されている。これらの粉末では、合金中にAlとAgとの金属間化合物が生じている。従ってこれらの粉末は、導電性に劣っている。
表1及び2から明らかなように、各実施例の粉末は、諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明かである。
本発明に係る粉末は、導電性樹脂、導電性プラスチック、導電性ペースト、電子機器、電子部品等に用いられ得る。

Claims (3)

  1. その材質が、0.1質量%以上20質量%のAg、40質量%以上50質量%未満のSi、及び導電性の元素X1を含み、残部が不可避的不純物である合金であり、
    上記元素X1が、B、Na、Mg、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co及びNiからなる群から選択された1種又は2種以上であり、
    上記合金が、
    (I)Ag相
    (II)上記Si及び上記元素X1を含有するシリサイド相
    並びに
    (III)Si相
    を有しており、
    密度が2.0Mg/m以上6.0Mg/m以下である導電フィラー用粉末。
  2. 上記合金における上記Agの含有率が5質量%以上20質量%以下である請求項1に記載の粉末。
  3. 上記合金における上記元素X1の含有率が20質量%以上60質量%未満である請求項1又は2に記載の粉末。
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