JP6648759B2 - 結像光学素子の製造方法および結像光学素子の製造装置 - Google Patents

結像光学素子の製造方法および結像光学素子の製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、結像光学素子の製造方法、結像光学素子の製造装置、ミラーシートおよび結像光学素子に関する。
従来の結像光学素子の製造方法に関して、たとえば、特開2013−101230号公報(特許文献1)には、大きな空間映像を表示可能な空間映像表示装置に必要な大型の反射型面対称結像素子を、簡単かつ高精度に製造することを目的とした、大型の反射型面対称結像素子の製造方法が開示されている。
特許文献1に開示された反射型面対称結像素子の製造方法は、複数の反射型面対称結像素子を、所定の基準面上に隣接させて平面板方向に二次元状に並べる第一の工程と、透明カバー層により、二次元状に並べられた複数の反射型面対称結像素子である反射型面対称結像素子群を、平面板方向に垂直な方向から挟み込むとともに、反射型面対称結像素子群の周囲を覆う第二の工程と、透明カバー層内の気圧を下げる第三の工程とを有する。
また、特開2013−88556号公報(特許文献2)および特開2013−195983号公報(特許文献3)には、一方の主面側にある被観察物の実像を他方の主面側の空間に結像させ、空中像の明るさを向上させることを目的とした、大型のリフレクタアレイ光学装置が開示されている。特許文献2および特許文献3に開示されたリフレクタアレイ光学装置は、同一平面上に並置される複数枚の2面コーナーリフレクタアレイ光学素子を有する。
特開2013−101230号公報 特開2013−88556号公報 特開2013−195983号公報
上述の特許文献に開示されるように、空中映像デバイスの実現手段として、一方の面側に配置される被投影物の鏡映像を他方の面側の空間位置に結像させる結像光学素子が知られている。
このような結像光学素子の製造方法において、大型の結像光学素子を得ることを目的に、面方向に並べられた複数枚のミラープレートを接合(タイリング)する手法がある。しかしながら、各ミラープレートの加工精度や、複数枚のミラープレートの接合精度によっては、複数枚のミラープレート間において必要となる反射面の位置関係が得られないおそれがある。この場合、ミラープレート同士の接合に起因して鏡映像に歪みが生じる。具体的には、たとえば、各ミラープレートが作る鏡映像に位置ずれが生じ、鏡映像全体として画像に段差が生じる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、面方向に並べられた複数枚のミラープレートを接合して得られる結像光学素子において、ミラープレート同士の接合に起因する鏡映像の歪みが生じることがない、結像光学素子の製造方法、結像光学素子の製造装置、ミラーシートおよび結像光学素子を提供することである。
この発明に従った結像光学素子の製造方法は、一方の面側に配置される被投影物の鏡映像を他方の面側の空間位置に結像させる結像光学素子の製造方法である。結像光学素子の製造方法は、複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程と、複数枚のミラープレートにより結像された鏡映像を確認しながら、鏡映像が被投影物の形状に対応するように複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程と、相互に位置決めされた複数枚のミラープレートの位置を固定する工程とを備える。
この発明に従った結像光学素子の製造装置は、面方向に並び、互いに接合された複数枚のミラープレートを有し、一方の面側に配置される被投影物の鏡映像を他方の面側の空間位置に結像させる結像光学素子の製造装置である。結像光学素子の製造装置は、ミラープレートを移動可能なように支持するプレート支持部と、プレート支持部により支持されたミラープレートの一方の面側に設けられる被投影物と、プレート支持部により支持されたミラープレートの他方の面側に設けられ、複数枚のミラープレートにより結像された被投影物の鏡映像を撮像する撮像装置とを備える。
なお、ミラープレートとは、被投影物からの光を反射するための反射面を形成する板材である。
この発明に従ったミラーシートは、面方向において接合されている複数枚のミラープレートを備える。ミラープレートは、ミラープレートの厚み方向と平行な第1方向と、第1方向に直交する第2方向とを含む平面形状を有し、互いに平行に配置されている複数の光反射部と、互いに隣り合う光反射部の間に介挿されている透明板材とを有する。第1方向に延びる軸周りにおける光反射部の姿勢を、光反射部の回転といい、第2方向に延びる軸周りにおける光反射部の姿勢を、光反射部の傾きという。この場合に、ある1つのミラープレートの光反射部に対する、その1つのミラープレートに隣り合って配置される他のミラープレートの光反射部の傾きおよび回転のずれが、±0.025°の範囲内である。
この発明の1つの局面に従った結像光学素子は、上記の2枚のミラーシートが、一方のミラーシートの光反射部と、他方のミラーシートの光反射部とが直交するように、ミラープレートの厚み方向に重ね合わされてなる。
この発明の別の局面に従った結像光学素子は、面方向において接合されている複数枚のミラープレートを備える。ミラープレートは、相互に直交して配置されている第1光反射部および第2光反射部を単位光学系として有し、その単位光学系が多数平面上に配列されてなる2面コーナーミラー方式である。第1光反射部は、ミラープレートの厚み方向と平行な第1方向と、第1方向に直交する第2方向とを含む平面形状を有する。第2光反射部は、第1方向と、第1方向および第2方向に直交する第3方向とを含む平面形状を有する。第1方向に延びる軸周りにおける第1光反射部の姿勢を、第1光反射部の回転といい、第2方向に延びる軸周りにおける第1光反射部の姿勢を、第1光反射部の傾きという場合に、ある1つのミラープレートの第1光反射部に対する、その1つのミラープレートに隣り合って配置される他のミラープレートの第1光反射部の傾きおよび回転のずれが、±0.025°の範囲内である。第1方向に延びる軸周りにおける第2光反射部の姿勢を、第2光反射部の回転といい、第3方向に延びる軸周りにおける第2光反射部の姿勢を、第2光反射部の傾きという場合に、ある1つのミラープレートの第2光反射部に対する、その1つのミラープレートに隣り合って配置される他のミラープレートの第2光反射部の傾きおよび回転のずれが、±0.025°の範囲内である。
この発明に従えば、面方向に並べられた複数枚のミラープレートを接合して得られる結像光学素子において、ミラープレート同士の接合に起因する鏡映像の歪みが生じることがない、結像光学素子の製造方法、結像光学素子の製造装置、ミラーシートおよび結像光学素子を提供することができる。
結像光学素子を用いた空中映像表示装置を示す概略図である。 図1中の結像光学素子を示す斜視図である。 図1中の結像光学素子の分解組み立て図である。 図2中の結像光学素子の製造装置を示す側面図である。 図4中の結像光学素子の製造装置が備える被投影物の例を示す平面図である。 図4中の結像光学素子の製造装置が備える被投影物の例を示す平面図である。 この発明の実施の形態1における結像光学素子の製造方法の工程を示す断面図である。 ミラープレートのミラー面接合の様子を示す斜視図である。 ミラープレートの積層面接合の様子を示す斜視図である。 図5中の横チャートを用いた場合において、ミラー面の傾き調整前の鏡映像を示す図である。 図5中の横チャートを用いた場合において、ミラー面の傾き調整後の鏡映像を示す図である。 図6中のクロスチャートを用いた場合において、ミラー面の傾き調整前の鏡映像を示す画像である。 図6中のクロスチャートを用いた場合において、ミラー面の傾き調整後の鏡映像を示す画像である。 この発明の実施の形態2において製造される結像光学素子の分解組み立て図である。 実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第1変形例の工程を示す断面図である。 実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第2変形例の工程を示す断面図である。 実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第3変形例の工程を示す断面図である。 この発明の実施の形態3において製造される結像光学素子を示す斜視図である。 実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第4変形例の工程を示す断面図である。 実施例で用いた透明基材、ミラープレート、参照ミラープレートおよび紫外線硬化性樹脂(UV接着剤)の種類および特性等をまとめた表である。 実施例で用いた結像光学素子の製造装置を示す側面図である。 実施例で用いた結像光学素子の製造装置を示す平面図である。 実施例において、ミラープレートの仮接合時の鏡映像を示す図である。 実施例において、ミラープレートの本接合時の鏡映像を示す斜視図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、結像光学素子を用いた空中映像表示装置を示す概略図である。図1を参照して、空中映像表示装置は、結像光学素子(マイクロミラーアレイ)10および表示部13を有する。
表示部13は、たとえば、液晶ディスプレイであり、被投影物となる画像を表示可能に構成されている。表示部13に替わって、被投影物となる2次元または3次元の物体が配置されてもよい。結像光学素子10は、被投影物の鏡映像14を、結像光学素子10に対して面対称となる空間位置に結像する。結像光学素子10は、一方の面10aと、一方の面10aの裏側に配置される他方の面10bとを有する平板(パネル)形状を有する。被投影物は、結像光学素子10の一方の面10a側に配置され、鏡映像14は、結像光学素子10の他方の面10b側に結像される。
図2は、図1中の結像光学素子を示す斜視図である。図3は、図1中の結像光学素子の分解組み立て図である。
図2および図3を参照して、結像光学素子10は、ミラーシート21Pおよびミラーシート21Qを有する。ミラーシート21Pおよびミラーシート21Qは、互いに略同一の構成を有する(以下、ミラーシート21Pおよびミラーシート21Qを特に区別しない場合には、ミラーシート21という)。
ミラーシート21は、平板形状を有する。ミラーシート21は、矩形形状の平面視を有する。ミラーシート21は、複数枚のミラープレート22を有する。ミラーシート21は、複数枚のミラープレート22が面方向において接合されることにより、1枚の大型パネルとして構成されている。複数枚のミラープレート22は、接着剤により互いに接合されている。本実施の形態では、複数枚のミラープレート22として、4枚のミラープレート22(ミラープレート22A,ミラープレート22B,ミラープレート22C,ミラープレート22D)が用いられている。
ミラーシート21Pおよびミラーシート21Qは、ミラーシート21の厚み方向に重ね合わされている。ミラーシート21Pおよびミラーシート21Qは、ミラーシート21Pに形成された後述の光反射部7と、ミラーシート21Qに形成された後述の光反射部7とが互いに直交するように重ね合わされている。ミラーシート21Pおよびミラーシート21Qは、接着剤により互いに接合されている。
ミラープレート22A〜22Dは、互いに略同一の構成を有する。ミラープレート22A〜22Dの各ミラープレート22は、ミラーシート21をその平面視において4分割した構成を有する。ミラープレート22は、複数の透明板材6と、複数の光反射部7とを有する。ミラープレート22は、光反射部7が形成された透明板材6が一方向に積層されることにより構成されている。透明板材6は、透明樹脂またはガラスにより形成されている。光反射部7は、反射面を形成する平面形状を有する。光反射部7は、たとえば、銀またはアルミニウム等の金属から形成されている。光反射部7は、透明板材6の互いに対向する2つの主面の少なくとも一方に形成されている。
複数の透明板材6は、接着剤により互いに接合されている。光反射部7は、ミラープレート22の面内で一方向に延びている。複数の光反射部7は、互いに平行に延びている。複数の光反射部7は、透明板材6の積層方向において互いに間隔を隔てて配置されている。複数の光反射部7は、等間隔に配置されている。ミラープレート22A〜22Dは、これらミラープレート22間において、光反射部7が互いに平行となるように接合されている。
なお、ミラーシート21は、4枚以外の複数枚のミラープレート22が組み合わさって構成されてもよい。
続いて、図2中の結像光学素子10の製造装置について説明する。
図4は、図2中の結像光学素子の製造装置を示す側面図である。図4を参照して、結像光学素子の製造装置30は、移動側プレート支持部(プレート支持部)33と、被投影物32と、被投影物支持部31と、固定側プレート支持部34と、カメラ(撮像装置)37と、紫外線照射装置38とを有する。
移動側プレート支持部33は、ミラープレート22を移動可能に支持するように構成されている。本実施の形態では、移動側プレート支持部33として、ミラープレート22を、直交3軸であるX軸、Y軸およびZ軸方向に移動させる移動機構と、ミラープレート22を、X軸、Y軸およびZ軸周りの回転方向に移動させる移動機構とを備える6軸ステージが用いられている。移動側プレート支持部33は、エア吸着等の手段により、ミラープレート22を支持する。
固定側プレート支持部34は、ミラープレート22を支持するように構成されている。本実施の形態では、固定側プレート支持部34が、さらに後述する参照ミラープレート36を支持するように構成されている。
被投影物支持部31は、被投影物32を支持するように構成されている。被投影物支持部31としては、たとえば、磁力により被投影物32を支持するマグネットベースが用いられる。
移動側プレート支持部33、固定側プレート支持部34および被投影物支持部31は、定盤46に設置されている。
図5および図6は、図4中の結像光学素子の製造装置が備える被投影物の例を示す平面図である。図4から図6を参照して、被投影物32は、移動側プレート支持部33および固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22の一方の面側に配置されている。
図5中に示す例では、被投影物32として、複数本の第1直線が平行に延びるチャート(横チャート)が用いられている。図6中に示す例では、被投影物32として、複数本の第1直線と、複数本の第2直線とが直交して延びるチャート(クロスチャート)が用いられている。被投影物32は、このようなチャート(図表)に限られず、たとえば、写真や物体であってもよい。
図4を参照して、カメラ37は、複数枚のミラープレート22により結像される被投影物32の鏡映像50を撮像する撮像装置として設けられている。カメラ37は、移動側プレート支持部33および固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22の他方の面側に配置されている。カメラ37により撮像された鏡映像50は、別に設けられたディスプレイに表示される。
紫外線照射装置38は、移動側プレート支持部33および固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22に対して紫外線を照射可能に構成されている。
図7は、この発明の実施の形態1における結像光学素子の製造方法の工程を示す断面図である。続いて、この発明の実施の形態1における結像光学素子の製造方法について説明する。以下においては、代表的に、図4中の製造装置30を用いて図2中の結像光学素子10を製造する方法の工程について説明する。
図4および図7を参照して、まず、複数枚のミラープレート22をその面方向(図7中の矢印101に示す方向)に並ぶように配置する。
より具体的には、移動側プレート支持部33および固定側プレート支持部34によりミラープレート22を支持する。この際、移動側プレート支持部33により支持されたミラープレート22と、固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22との間で、光反射部7が平行に延びるようにミラープレート22を支持する。移動側プレート支持部33により支持されたミラープレート22を、固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22に対して近接移動させる。
ミラープレート22と略同一の構成を有する参照ミラープレート36を準備する。参照ミラープレート36をミラープレート22に対して重ね合わせる。
より具体的には、固定側プレート支持部34により参照ミラープレート36を支持し、移動側プレート支持部33および固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22に重ね合わせる。この際、参照ミラープレート36を、ミラープレート22に形成された光反射部7と、参照ミラープレート36に形成された光反射部7とが直交するように配置する。参照ミラープレート36を、移動側プレート支持部33により支持されたミラープレート22と、固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22との間に跨るように配置する。
次に、複数枚のミラープレート22により結像された鏡映像50を確認しながら、鏡映像50が被投影物32の形状に対応するように複数枚のミラープレート22を相互に位置決めする。
より具体的には、被投影物32からの光が、参照ミラープレート36に形成された光反射部7により反射され、その反射光が、2枚のミラープレート22に形成された光反射部7により反射されることにより、ミラープレート22の他方の面側に鏡映像50が形成される。鏡映像50は、一方のミラープレート22と参照ミラープレート36とで形成された映像と、他方のミラープレート22と参照ミラープレート36とで形成された映像とからなる。作業者は、カメラ37により撮像された鏡映像50をディスプレイにより確認しながら、鏡映像50が被投影物32の形状に対応するように、すなわち、2枚のミラープレート22でそれぞれ形成された鏡映像が一致し、被投影物32の形状が再現されるように、移動側プレート支持部33(本実施の形態では、6軸ステージ)を操作する。これにより、固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22と、移動側プレート支持部33により支持されたミラープレート22との相互の位置関係を調整する。
なお、ミラープレート22の他方の面側に透過型または反射型スクリーンを設置して、そのスクリーンに映った鏡映像50を確認してもよいし、ミラープレート22により結像された鏡映像50を肉眼により確認してもよい。
次に、相互に位置決めされた複数枚のミラープレート22の位置を固定する。
より具体的には、接着剤を用いて、固定側プレート支持部34により支持されたミラープレート22と、移動側プレート支持部33により支持されたミラープレート22とを接合する。本実施の形態では、接着剤として、紫外線硬化性接着剤を用いる。予め、ミラープレート22の接合面23に紫外線硬化性接着剤を塗布しておき、複数枚のミラープレート22を相互に位置決めした後に、紫外線照射装置38からミラープレート22の接合部に向けて紫外線を照射することにより、ミラープレート22同士を接合する。
以上に説明した工程を繰り返すことによって、4枚のミラープレート22(ミラープレート22A,ミラープレート22B,ミラープレート22C,ミラープレート22D)からなる2組のミラーアセンブリ51を製造する。
次に、接着剤を用いて、2組のミラーアセンブリ51をミラープレート22の厚み方向(図7中の矢印102に示す方向)において接合する(クロス接合)。
より具体的には、2組のミラーアセンブリ51を、これらの平面視において互いに重なり合うように積層する。この際、2組のミラーアセンブリ51が、それぞれ、図2中のミラーシート21Pおよびミラーシート21Qに対応するように、一方のミラーアセンブリ51に形成された光反射部7と、他方のミラーアセンブリ51に形成された光反射部7とを直交させる。
なお、本明細書における実施の形態の記載では、結像光学素子において、複数枚のミラープレートが面方向において接合されてなる構造体を「ミラーシート」と呼んでいる。一方、結像光学素子の製造工程において、上記のクロス接合させる構造体を「ミラーアセンブリ」と呼んでいる。たとえば、実施の形態1では、4枚のミラープレート22からミラーアセンブリ51が構成されており、後述する実施の形態2では、4枚のミラープレート22と、透明基材41とから、ミラーアセンブリ52,53,54が構成されている。
以上の工程により、図2中の結像光学素子10が完成する。
このような構成によれば、複数枚のミラープレート22により結像された鏡映像50を確認しながら、鏡映像50が被投影物32の形状に対応するように複数枚のミラープレート22を相互に位置決めすることによって、ミラープレート22同士の接合に起因する鏡映像の歪みが生じることのない結像光学素子10を製造することができる。
ミラープレート22同士を接合する接着剤としては、ミラープレート22の屈折率と略等しい屈折率を有する接着剤を用いることが好ましい。具体的には、ミラープレート22の屈折率nd(またはnD)がXである場合に、接着剤の屈折率が、X±0.01の範囲であることが好ましく、X±0.001の範囲であることがさらに好ましい。
ミラープレート22の接合面23は、鏡面であることが好ましい。隣り合うミラープレート22間の接着剤層の厚み(図7中の寸法b)は、10μm以下であることが好ましい。
このような構成によれば、結像光学素子10で得られる鏡映像において、ミラープレート22同士の接合部を目立たたなくすることができる。
ミラープレート22同士を接合する紫外線硬化性樹脂は、2%以下の硬化収縮率を有することが好ましい。
このような構成によれば、相互に位置決めされたミラープレート22同士の位置関係が、接着剤の硬化時に崩れることを抑制できる。
図8は、ミラープレートのミラー面接合の様子を示す斜視図である。図9は、ミラープレートの積層面接合の様子を示す斜視図である。
図8および図9を参照して、ミラープレート22の接合面23には、ミラー面23mおよび積層面23nがある。ミラー面23mは、透明板材6の積層方向に直交する平面であり、光反射部7が形成する反射面に平行な平面である。積層面23nは、ミラー面23mに直交する平面である。
上記の結像光学素子の製造方法の工程において、ミラープレート22のミラー面23m同士を接合する場合をミラー面接合といい、ミラープレート22の積層面23n同士を接合する場合を積層面接合という。
図8中には、基準となるミラープレート22Aに対してミラープレート22Bをミラー面接合する場合が示されている。さらに、接合するミラープレート22Aおよびミラープレート22Bの並び方向がY軸方向と示され、ミラープレート22の厚み方向がZ軸方向と示され、Y軸およびZ軸に直交する方向がX軸方向と示されている。X軸、Y軸およびZ軸周りの回転方向が、それぞれ、α方向、β方向およびθ方向と示されている。
図9中には、基準となるミラープレート22Aに対してミラープレート22Cを積層面接合する場合が示されている。さらに、接合するミラープレート22Aおよびミラープレート22Cの並び方向がY軸方向と示され、ミラープレート22の厚み方向がZ軸方向と示され、Y軸およびZ軸に直交する方向がX軸方向と示されている。X軸、Y軸およびZ軸周りの回転方向が、それぞれ、α方向、β方向およびθ方向と示されている。
60mm角の正方形の平面視を有するミラープレート22を用いて、ミラープレート22同士の接合部の状態と、鏡映像に歪みを生じさせない範囲との関係を検討したところ、以下の結果となった。
図8中のミラー面接合では、ミラープレート22Aに対するミラープレート22Bの位置決め精度が、Y軸(隙間)方向において、ミラープレート22間の隙間が0〜1.0mmとなる範囲であり、Z軸(段差)方向において、±0.05mmの範囲であり、α(ミラー面傾き)方向において、±0.025°の範囲であり、β(ミラー面ねじれ)方向において、±0.25°の範囲であり、θ(ミラー面回転)方向において、±0.025°の範囲であった。X軸(シフト)方向のずれは、ミラープレート22同士の接合部における鏡映像の歪みにほとんど影響しなかった。
図9中の積層面接合では、ミラープレート22Aに対するミラープレート22Cの位置決め精度が、Y軸(隙間)方向において、ミラープレート22間の隙間が0〜1.0mmとなる範囲であり、Z軸(段差)方向において、±0.05mmの範囲であり、α(ミラー面ねじれ)方向において、±0.25°の範囲であり、β(ミラー面傾き)方向において、±0.025°の範囲であり、θ(ミラー面回転)方向において、±0.025°の範囲であった。X軸(シフト)方向のずれは、ミラープレート22同士の接合部における鏡映像の歪みにほとんで影響しなかった。
以上の検討結果から分かるように、鏡映像に歪みを生じさせないためには、接合するミラープレート22間において光反射部7による反射面が平行関係にあることが特に重要である。反射面同士の傾きおよび回転のずれは、0.025°以内であることが好ましい。本実施の形態における結像光学素子の製造方法によれば、上記に説明したミラープレート22を相互に位置決めする工程の実施によって、要求される反射面の平行関係を得ることができる。
なお、ミラー面接合では、主に、α方向およびθ方向におけるミラープレート22の姿勢が、光反射部7による反射面の平行関係に影響を与え、積層面接合では、主に、β方向およびθ方向におけるミラープレート22の姿勢が、光反射部7による反射面の平行関係に影響を与える。しかしながら、ミラー面接合では、反射面に平行なミラープレート22のミラー面23m同士を接合するため、一般的には、θ方向におけるミラープレート22の姿勢の調整を経ることなく(つまり、α方向におけるミラープレート22の姿勢の調整のみで)、要求される反射面の平行関係を得ることができる。
図10および図11は、図5中の横チャートを用いた場合において、ミラー面の傾き調整の前後の鏡映像を示す図である。
図10および図11を参照して、図4中の被投影物32として、図5中の横チャート(ピッチ2.5mm、線幅1.125mm)を用い、2枚のミラープレート22をミラー面接合により接合した。α方向におけるミラープレート22の姿勢(ミラー面の傾き)を調整することにより、図10中の2点鎖線103により囲まれた範囲にある鏡映像50の歪みを解消することができた。
図12および図13は、図6中のクロスチャートを用いた場合において、ミラー面の傾き調整の前後の鏡映像を示す画像である。
図12および図13を参照して、図4中の被投影物32として、図6中のクロスチャート(ピッチ2.85mm、線幅0.3mm)を用い、2枚のミラープレート22をミラー面接合により接合した。α方向におけるミラープレート22の姿勢(ミラー面の傾き)を調整することにより、図12中の2点鎖線104により囲まれた範囲にある鏡映像50の歪みを解消することができた。
図10から図13を参照して、本実施の形態における結像光学素子の製造方法においては、図5および図6中のチャートを、鏡映像50として現れる複数本の直線がミラープレート22同士の接合部に対して非平行となるようにセッティングする。これにより、複数枚のミラープレート22によって形成される鏡映像50として現れる複数本の直線の連続性を確認することによって、鏡映像50がチャートの形状に対応するか否か容易に判断することができる。特に図6中のクロスチャートを用いた場合、クロスチャートを構成する縦線および横線がミラープレート22同士の接合部に交わるため、直交する2方向において鏡映像50のずれを認識することができる。これにより、複数枚のミラープレート22間において反射面の平行関係をより確実に得ることができる。
以上に説明した、この発明の実施の形態1における結像光学素子の製造方法および製造装置によれば、面方向に並べられた複数枚のミラープレート22を接合して得られる結像光学素子10において、ミラープレート22同士の接合に起因して鏡映像に歪みが生じることを防止できる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1における結像光学素子の製造方法の各種変形例について説明する。本実施の形態において説明する結像光学素子の製造方法は、実施の形態1における結像光学素子の製造方法と比較して、基本的には同様の工程を備える。以下、重複する工程については、その説明を繰り返さない。
図14は、この発明の実施の形態2において製造される結像光学素子の分解組み立て図である。
図14を参照して、本実施の形態において製造される結像光学素子110は、実施の形態1における結像光学素子10の構成に加えて、2枚の透明基材41をさらに有する。透明基材41は、主表面41aを有する平板形状を有する。透明基材41は、たとえば、透明樹脂またはガラスにより形成されている。
主表面41aには、接着剤を用いて、複数枚のミラープレート22(ミラーシート21)が接合される。透明基材41は、互いに重ね合わされたミラーシート21Pおよびミラーシート21Qを両側から挟み込むように設けられている。
図15は、実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第1変形例の工程を示す断面図である。
図15を参照して、本変形例では、ミラープレート22を鏡映像の確認により位置決めしつつ、透明基材41の主表面41a上に配置する。
なお、本工程におけるミラープレート22および透明基材41の位置関係は特に限定されず、たとえば、ミラープレート22は、透明基材41に対して、鉛直上側から配置されてもよいし、鉛直下側から配置されてもよい(後述する第2変形例および第3変形例においても同様)。本明細書においては、特に「鉛直上側」または「鉛直下側」といわない限り、鉛直方向における上下関係を特定する記載ではない。
次に、透明基材41の主表面41a上に位置決めされたミラープレート22を、そのミラープレート22に隣り合って配置されたミラープレート22と、透明基材41の主表面41aとに接合する。
上記工程を繰り返すことによって、4枚のミラープレート22(ミラープレート22A,ミラープレート22B,ミラープレート22C,ミラープレート22D)と、透明基材41とからなる2組のミラーアセンブリ52を製造する。
次に、2組のミラーアセンブリ52をミラープレート22の厚み方向において接合する。
以上の工程により、図14中の結像光学素子110が完成する。
図16は、実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第2変形例の工程を示す断面図である。
図16を参照して、本変形例では、ミラープレート22を鏡映像の確認により位置決めしつつ、複数枚のミラープレート22を互いに接合する(実施の形態1においてミラーアセンブリ51を製造する工程と同様)。
次に、互いに接合された複数枚のミラープレート22を透明基材41の主表面41aに接合する。これにより、4枚のミラープレート22(ミラープレート22A,ミラープレート22B,ミラープレート22C,ミラープレート22D)と、透明基材41とからなる2組のミラーアセンブリ53を製造する。
次に、2組のミラーアセンブリ53をミラープレート22の厚み方向において接合する。
以上の工程により、図14中の結像光学素子110が完成する。
図17は、実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第3変形例の工程を示す断面図である。
図17を参照して、本変形例では、ミラープレート22を鏡映像の確認により位置決めしつつ、透明基材41の主表面41a上に配置する。次に、主表面41a上に位置決めされたミラープレート22を透明基材41の主表面41aに仮接合する。本工程では、ミラープレート22の表面に接着剤をスポット塗布する。これらの工程を繰り返すことによって、ミラープレート22A、ミラープレート22B、ミラープレート22Cおよびミラープレート22Dを、透明基材41の主表面41aに仮接合する。
次に、主表面41aに仮接合された複数枚のミラープレート22を互いに接合するとともに、透明基材41の主表面41aに接合する。本工程では、ミラープレート22同士の接合面と、ミラープレート22および透明基材41の主表面41aの接合面との全面に接着剤を塗布する。これにより、4枚のミラープレート22(ミラープレート22A,ミラープレート22B,ミラープレート22C,ミラープレート22D)と、透明基材41とからなる2組のミラーアセンブリ54を製造する。
次に、2組のミラーアセンブリ54をミラープレート22の厚み方向において接合する。
以上の工程により、図14中の結像光学素子110が完成する。
本実施の形態において説明した結像光学素子の製造方法において、接着剤として、ミラープレート22および透明基材41の屈折率と略等しい屈折率を有する接着剤を用いることが好ましい。具体的には、ミラープレート22および透明基材41の屈折率nd(またはnD)がXである場合に、接着剤の屈折率が、X±0.01の範囲であることが好ましく、X±0.001の範囲であることがさらに好ましい。
このように構成された、この発明の実施の形態2における結像光学素子の製造方法によれば、実施の形態1に記載の効果を同様に奏することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1における結像光学素子の製造方法のさらに別の変形例について説明する。本実施の形態において説明する結像光学素子の製造方法は、実施の形態1における結像光学素子の製造方法と比較して、基本的には同様の工程を備える。以下、重複する工程については、その説明を繰り返さない。
図18は、この発明の実施の形態3において製造される結像光学素子を示す斜視図である。
図18を参照して、本実施の形態において製造される結像光学素子120は、ミラーシート60を有する。
ミラーシート60は、ベース板63および複数の突出部62を有する。ベース板63は、主表面63aを有する平板形状を有する。複数の突出部62は、主表面63aから突出するように設けられている。複数の突出部62は、主表面63aを平面視した場合に、アレイ状(碁盤の目状)に配置されている。
ミラーシート60には、第1光反射部61aと、第2光反射部61bとが互いに直交する方向に延びて形成されている。第1光反射部61aおよび第2光反射部61bは、各突出部62において直交する側面として設けられている。複数の第1光反射部61aは、複数の突出部62間で互いに平行に配置され、複数の第2光反射部61bは、複数の突出部62間で互いに平行に配置されている。
ミラーシート60は、複数枚のミラープレート66を有する。ミラーシート60は、複数枚のミラープレート66が面方向に接合されることにより、1枚の大型パネルとして構成されている。複数枚のミラープレート66は、接着剤により互いに接合されている。本実施の形態では、複数枚のミラープレート66として、4枚のミラープレート66(ミラープレート66A,ミラープレート66B,ミラープレート66C,ミラープレート66D)が用いられている。
ミラープレート66A〜66Dは、互いに略同一の構成を有する。ミラープレート66A〜66Dの各ミラープレート66は、ミラーシート60をその平面視において4分割した構成を有する。ミラープレート66A〜66Dは、これらミラープレート66間において、第1光反射部61aが互いに平行に延び、第2光反射部61bが互いに平行に延びるように接合されている。
図19は、実施の形態1における結像光学素子の製造方法の第4変形例の工程を示す断面図である。
図19を参照して、本変形例では、まず、複数枚のミラープレート66をその面方向に並ぶように配置する。この際、複数枚のミラープレート66間で、第1光反射部61aが互いに平行となり、第2光反射部61bが互いに平行となるように複数枚のミラープレート66を配置する。
次に、複数枚のミラープレート66により結像された鏡映像を確認しながら、鏡映像が被投影物の形状に対応するように複数枚のミラープレート66を相互に位置決めする。なお、本変形例では、図4中の参照ミラープレート36をミラープレート66に重ね合わせて配置する必要がない。
次に、相互に位置決めされた複数枚のミラープレート66に位置を固定する。本変形例では、ベース板63の端面部が、ミラープレート66同士の接合面となる。
以上の工程により、図18中の結像光学素子120が完成する。なお、結像光学素子120が実施の形態2における透明基材41をさらに有する場合には、実施の形態2において説明した結像光学素子の製造方法を同様に適用することが可能である。
このように構成された、この発明の実施の形態3における結像光学素子の製造方法によれば、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
(実施例)
本実施例では、実施の形態2において説明した第3変形例の結像光学素子の製造方法に従って、結像光学素子を製造した。
図20は、実施例で用いた透明基材、ミラープレート、参照ミラープレートおよび紫外線硬化性樹脂(UV接着剤)の種類および特性等をまとめた表である。図20を参照して、透明基材41として、ベースガラス(150mm角、厚み2.5mm)を用いた。ミラープレート22および参照ミラープレート36として、0.5mm厚のガラス板を積層したもの(60mm角、厚み1.5mm)を用いた。被投影物32として、図5中の横チャート(線幅0.45mm)を用いた。
図21は、実施例で用いた結像光学素子の製造装置を示す側面図である。図22は、実施例で用いた結像光学素子の製造装置を示す平面図である。
図21および図22を参照して、本実施例で用いた結像光学素子の製造装置では、透明基材41が水平方向に支持されている。その透明基材41に対して、参照ミラープレート36が鉛直上側から重ね合わされている。透明基材41の直上には、レーザオートコリメータ39が設置されている。
まず、透明基材41および参照ミラープレート36を製造装置にセッティングした。レーザオートコリメータ39により、透明基材41の主表面とミラープレート22との平行関係を確認しながら、紫外線硬化性樹脂を用いて、透明基材41に基準となるミラープレート22(ミラープレート22A)を接合した。この際、後に続いて接合するミラープレート22(ミラープレート22B〜22C)の姿勢の調整代を考慮して、接着剤層の厚みを0.1mmに設定した。
次に、以下に説明する工程により、ミラープレート22のアクティブアライメントを実施した。
(1)エア吸着により、ミラープレート22を移動側プレート支持部(6軸ステージ)33にセッティング。
(2)ミラープレート22の表面に紫外線硬化性樹脂をスポット塗布(4点)。
(3)ミラープレート22を基準となるミラープレート22Aに向けて近接移動。
(4)移動側プレート支持部(6軸ステージ)33により、ミラープレート22の6軸を微調整し、鏡映像の歪みを解消。
(5)接着剤層の厚みが10μm以下となるように、移動側プレート支持部(6軸ステージ)33により、隣り合うミラープレート22間の隙間の大きさを調整。隙間が所定の大きさに設定された後、移動側プレート支持部(6軸ステージ)33をロック。
(6)紫外線を照射することにより、ミラープレート22を透明基材41の主表面41aに仮接合。この際、はみ出た接着剤が生じた場合には、溶剤(EE3310)による拭き取り。
(7)エア吸着によるミラープレート22の支持を解除。
以上の工程を3回繰り返すことによって、ミラープレート22B,22C,22Dを透明基材41の主表面41aに仮接合した。
次に、ミラープレート22同士の接合部と、ミラープレート22および透明基材41間の接合部とに紫外線硬化性樹脂を充填した。紫外線を照射することにより、ミラープレート22および透明基材41の本接合を行なった。
図23は、実施例において、ミラープレートの仮接合時の鏡映像を示す図である。図24は、実施例において、ミラープレートの本接合時の鏡映像を示す斜視図である。
図23を参照して、鏡映像を確認しながらミラープレート22のアクティブアライメントを実施することにより、ミラープレート22の接合に起因した歪みを解消することができた。図24を参照して、接着剤層の厚みを10μm以下とすることにより、ミラープレート22同士の接合部を目立たなくすることができた。
この発明に従った結像光学素子の製造方法は、一方の面側に配置される被投影物の鏡映像を他方の面側の空間位置に結像させる結像光学素子の製造方法である。結像光学素子の製造方法は、複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程と、複数枚のミラープレートにより結像された鏡映像を確認しながら、鏡映像が被投影物の形状に対応するように複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程と、相互に位置決めされた複数枚のミラープレートの位置を固定する工程とを備える。
なお、ミラープレートとは、被投影物からの光を反射するための反射面を形成する板材である。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程時、鏡映像が被投影物の形状に対応するようにミラープレートの位置関係を調整する。これにより、ミラープレート同士の接合に起因する鏡映像の歪みが生じることのない結像光学素子を実現することができる。
また好ましくは、ミラープレートには、その面内において一方向に延びる光反射部が形成される。複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程は、各ミラープレートの光反射部が互いに平行となるように複数枚のミラープレートを配置する工程を含む。複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程の前に、結像光学素子の製造方法は、面内において一方向に延びる光反射部が形成された参照ミラープレートを準備する工程と、ミラープレートに形成された光反射部と、参照ミラープレートに形成された光反射部とが直交し、かつ、参照ミラープレートが、少なくとも互いに隣り合うミラープレート間に跨るように、ミラープレートおよび参照ミラープレートを重ね合わせる工程とをさらに備える。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程時、被投影物からの光が、ミラープレートに形成された光反射部と、参照ミラープレートに形成された光反射部とに反射されることによって、被投影物の鏡映像を得ることができる。
また好ましくは、ミラープレートには、その面内において一方向に延びる光反射部が形成される。結像光学素子の製造方法は、複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程、複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程および複数枚のミラープレートの位置を固定する工程の実施により、光反射部が互いに平行となるように接合された複数枚のミラープレートを含む第1ミラーアセンブリと、光反射部が互いに平行となるように接合された複数枚のミラープレートを含む第2ミラーアセンブリとを製造する工程と、第1ミラーアセンブリに形成された光反射部と、第2ミラーアセンブリに形成された光反射部とが直交するように、第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを、ミラープレートの厚み方向において接合する工程とを備える。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを、第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリに形成された光反射部が互いに直交するように接合して得られる結像光学素子において、鏡映像に歪みが生じることを防止できる。
また好ましくは、第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリは、複数枚のミラープレートが接合される主表面を有する透明基材をさらに含む。第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、透明基材の主表面上に配置する工程と、透明基材の主表面上に位置決めされたミラープレートを、そのミラープレートに隣り合って配置されたミラープレートと、透明基材の主表面とに接合する工程とを含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、ミラープレートを透明基材の主表面上に配置する工程時に、鏡映像が被投影物の形状に対応するようにミラープレートの位置関係を調整する。
また好ましくは、第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリは、複数枚のミラープレートが接合される主表面を有する透明基材をさらに含む。第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、複数枚のミラープレートを互いに接合する工程と、互いに接合された複数枚のミラープレートを透明基材の主表面に接合する工程とを含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、複数枚のミラープレートを互いに接合する工程時に、鏡映像が被投影物の形状に対応するようにミラープレートの位置関係を調整する。
また好ましくは、第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリは、複数枚のミラープレートが接合される主表面を有する透明基材をさらに含む。第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、透明基材の主表面上に配置する工程と、透明基材の主表面上に位置決めされたミラープレートを、透明基材の主表面に仮接合する工程と、ミラープレートを透明基材の主表面に仮接合する工程の後、複数枚のミラープレートを互いに接合するとともに透明基材の主表面に接合する工程とを含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、ミラープレートを透明基材の主表面上に配置する工程時に、鏡映像が被投影物の形状に対応するようにミラープレートの位置関係を調整する。
また好ましくは、結像光学素子の製造方法は、ミラープレートを透明基材の主表面上に配置する工程の前に、基準ミラープレートを、基準ミラープレートと透明基材の主表面との間に接着剤層を設けて透明基材の主表面に接合する工程をさらに備える。ミラープレートを透明基材の主表面上に配置する工程は、ミラープレートを基準ミラープレートに隣り合う位置に配置する工程と、基準ミラープレートおよびミラープレートにより結像される鏡映像を確認しながら、ミラープレートの姿勢を接着剤層の厚みの範囲内で調整する工程とを含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、基準ミラープレートと透明基材の主表面との間の接着剤層を所定の厚みに設定することにより、ミラープレートの姿勢の調整を可能とできる。
また好ましくは、第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、複数枚のミラープレートを互いに接合する工程を含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、複数枚のミラープレートを互いに接合する工程時に、鏡映像が被投影物の形状に対応するようにミラープレートの位置関係を調整する。
また好ましくは、ミラープレートには、互いに直交する方向に延びる第1光反射部および第2光反射部が形成される。複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程は、複数枚のミラープレート間で、第1光反射部が互いに平行となり、第2光反射部が互いに平行となるように複数枚のミラープレートを配置する工程を含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、互いに直交する方向に延びる第1光反射部および第2光反射部が形成された複数枚のミラープレートを接合して得られる結像光学素子において、鏡映像に歪みが生じることを防止できる。
また好ましくは、複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程は、撮像装置を用いて、または、肉眼により、鏡映像を確認する工程を含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、撮像装置を用いて、または、肉眼により、鏡映像を確認することによって、鏡映像が被投影物の形状に対応するようにミラープレートの位置関係を調整することができる。
また好ましくは、結像光学素子の一方の面側に配置される被投影物は、互いに平行な複数本の第1直線を含むチャートである。鏡映像として現れる複数本の第1直線は、ミラープレート同士の接合部に対して非平行である。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、複数枚のミラープレートによって形成される鏡映像として現れる複数本の直線の連続性を確認することにより、鏡映像が被投影物の形状に対応するか否か容易に判断することができる。
また好ましくは、チャートは、複数本の第1直線に直交し、互いに平行な複数本の第2直線をさらに含む。鏡映像として現れる複数本の第2直線は、ミラープレート同士の接合部に対して非平行である。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、鏡映像が被投影物の形状に対応するか否かさらに容易に判断することができる。
また好ましくは、複数枚のミラープレートの位置を固定する工程は、ミラープレートの屈折率と略等しい屈折率を有する接着剤を用いて、複数枚のミラープレートを互いに接合する工程を含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、得られる鏡映像において、ミラープレート同士の接合部を目立たなくすることができる。
また好ましくは、複数枚のミラープレートの位置を固定する工程は、2%以下の硬化収縮率を有する紫外線硬化性接着剤を用いて、複数枚のミラープレートを互いに接合する工程を含む。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、紫外線硬化性接着剤の硬化時に、複数枚のミラープレートの相互の位置関係が崩れることを抑制できる。
また好ましくは、複数枚のミラープレートの位置を固定する工程は、接着剤を用いて複数枚のミラープレートを互いに接合する工程を含む。隣り合うミラープレート間の接着剤層の厚みは、10μm以下である。
このように構成された結像光学素子の製造方法によれば、得られる鏡映像において、ミラープレート同士の接合部を目立たなくすることができる。
また好ましくは、ミラープレートには、その面内において一方向に延びる光反射部が形成される。光反射部は、上記一方向と、ミラープレートの厚み方向とを含む平面形状を有する。上記一方向に延びる軸周りにおける光反射部の姿勢を、光反射部の傾きといい、ミラープレートの厚み方向に延びる軸周りにおける光反射部の姿勢を、光反射部の回転という。その場合に、複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程は、基準となるミラープレートの光反射部に対する他のミラープレートの光反射部の傾きおよび回転のずれが±0.025°の範囲となるように、複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程を含む。
この発明に従った結像光学素子の製造装置は、面方向に並び、互いに接合された複数枚のミラープレートを有し、一方の面側に配置される被投影物の鏡映像を他方の面側の空間位置に結像させる結像光学素子の製造装置である。結像光学素子の製造装置は、ミラープレートを移動可能なように支持するプレート支持部と、プレート支持部により支持されたミラープレートの一方の面側に設けられる被投影物と、プレート支持部により支持されたミラープレートの他方の面側に設けられ、複数枚のミラープレートにより結像された被投影物の鏡映像を撮像する撮像装置とを備える。
このように構成された結像光学素子の製造装置によれば、ミラープレート同士の接合に起因する鏡映像の歪みが生じることのない結像光学素子を実現することができる。
また好ましくは、プレート支持部は、ミラープレートを、直交3軸であるX軸、Y軸およびZ軸方向に移動させる移動機構と、ミラープレートを、X軸、Y軸およびZ軸周りの回転方向に移動させる移動機構とを備えた6軸ステージである。
このように構成された結像光学素子の製造装置によれば、ミラープレートの位置や姿勢を自在に調整することができる。
この発明に従ったミラーシートは、面方向において接合されている複数枚のミラープレートを備える。ミラープレートは、ミラープレートの厚み方向と平行な第1方向と、第1方向に直交する第2方向とを含む平面形状を有し、互いに平行に配置されている複数の光反射部と、互いに隣り合う光反射部の間に介挿されている透明板材とを有する。第1方向に延びる軸周りにおける光反射部の姿勢を、光反射部の回転といい、第2方向に延びる軸周りにおける光反射部の姿勢を、光反射部の傾きという。この場合に、ある1つのミラープレートの光反射部に対する、その1つのミラープレートに隣り合って配置される他のミラープレートの光反射部の傾きおよび回転のずれが、±0.025°の範囲内である。
この発明に従った結像光学素子は、上記の2枚のミラーシートが、一方のミラーシートの光反射部と、他方のミラーシートの光反射部とが直交するように、ミラープレートの厚み方向に重ね合わされてなる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、主に、空中映像表示装置に適用される。
6 透明板材、7 光反射部、10,110,120 結像光学素子、10a 一方の面、10b 他方の面、13 表示部、14,50 鏡映像、21,21P,21Q,60 ミラーシート、22,22A,22B,22C,22D,66,66A,66B,66C,66D ミラープレート、23 接合面、23m ミラー面、23n 積層面、30 製造装置、31 被投影物支持部、32 被投影物、33 移動側プレート支持部、34 固定側プレート支持部、36 参照ミラープレート、37 カメラ、38 紫外線照射装置、39 レーザオートコリメータ、41 透明基材、41a,63a 主表面、46 定盤、51,52,53,54 ミラーアセンブリ、61a 第1光反射部、61b 第2光反射部、62 突出部、63 ベース板。

Claims (18)

  1. 一方の面側に配置される被投影物の鏡映像を他方の面側の空間位置に結像させる結像光学素子の製造方法であって、
    複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程と、
    複数枚の前記ミラープレートにより結像された鏡映像を確認しながら、鏡映像が被投影物の形状に対応するように複数枚の前記ミラープレートを相互に位置決めする工程と、
    相互に位置決めされた複数枚の前記ミラープレートの位置を固定する工程とを備える、結像光学素子の製造方法。
  2. 前記ミラープレートには、その面内において一方向に延びる光反射部が形成され、
    前記複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程は、各前記ミラープレートの前記光反射部が互いに平行となるように複数枚の前記ミラープレートを配置する工程を含み、
    前記複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程の前に、
    面内において一方向に延びる光反射部が形成された参照ミラープレートを準備する工程と、
    前記ミラープレートに形成された前記光反射部と、前記参照ミラープレートに形成された前記光反射部とが直交し、かつ、前記参照ミラープレートが、少なくとも互いに隣り合う前記ミラープレート間に跨るように、前記ミラープレートおよび前記参照ミラープレートを重ね合わせる工程とをさらに備える、請求項1に記載の結像光学素子の製造方法。
  3. 前記ミラープレートには、その面内において一方向に延びる光反射部が形成され、
    前記複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程、前記複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程および前記複数枚のミラープレートの位置を固定する工程の実施により、前記光反射部が互いに平行となるように接合された複数枚の前記ミラープレートを含む第1ミラーアセンブリと、前記光反射部が互いに平行となるように接合された複数枚の前記ミラープレートを含む第2ミラーアセンブリとを製造する工程と、
    前記第1ミラーアセンブリに形成された前記光反射部と、前記第2ミラーアセンブリに形成された前記光反射部とが直交するように、前記第1ミラーアセンブリおよび前記第2ミラーアセンブリを、前記ミラープレートの厚み方向において接合する工程とを備える、請求項1または2に記載の結像光学素子の製造方法。
  4. 前記第1ミラーアセンブリおよび前記第2ミラーアセンブリは、複数枚の前記ミラープレートが接合される主表面を有する透明基材をさらに含み、
    前記第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、
    前記ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、前記透明基材の前記主表面上に配置する工程と、
    前記透明基材の前記主表面上に位置決めされた前記ミラープレートを、そのミラープレートに隣り合って配置された前記ミラープレートと、前記透明基材の前記主表面とに接合する工程とを含む、請求項3に記載の結像光学素子の製造方法。
  5. 前記第1ミラーアセンブリおよび前記第2ミラーアセンブリは、複数枚の前記ミラープレートが接合される主表面を有する透明基材をさらに含み、
    前記第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、
    前記ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、複数枚の前記ミラープレートを互いに接合する工程と、
    互いに接合された複数枚の前記ミラープレートを前記透明基材の前記主表面に接合する工程とを含む、請求項3に記載の結像光学素子の製造方法。
  6. 前記第1ミラーアセンブリおよび前記第2ミラーアセンブリは、複数枚の前記ミラープレートが接合される主表面を有する透明基材をさらに含み、
    前記第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、
    前記ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、前記透明基材の前記主表面上に配置する工程と、
    前記透明基材の前記主表面上に位置決めされた前記ミラープレートを、前記透明基材の前記主表面に仮接合する工程と、
    前記ミラープレートを透明基材の主表面に仮接合する工程の後、複数枚の前記ミラープレートを互いに接合するとともに前記透明基材の前記主表面に接合する工程とを含む、請求項3に記載の結像光学素子の製造方法。
  7. 前記ミラープレートを透明基材の主表面上に配置する工程の前に、基準ミラープレートを、前記基準ミラープレートと前記透明基材の前記主表面との間に接着剤層を設けて前記透明基材の前記主表面に接合する工程をさらに備え、
    前記ミラープレートを透明基材の主表面上に配置する工程は、
    前記ミラープレートを前記基準ミラープレートに隣り合う位置に配置する工程と、
    前記基準ミラープレートおよび前記ミラープレートにより結像される鏡映像を確認しながら、前記ミラープレートの姿勢を前記接着剤層の厚みの範囲内で調整する工程とを含む、請求項6に記載の結像光学素子の製造方法。
  8. 前記第1ミラーアセンブリおよび第2ミラーアセンブリを製造する工程は、前記ミラープレートを鏡映像の確認により位置決めしつつ、複数枚の前記ミラープレートを互いに接合する工程を含む、請求項3に記載の結像光学素子の製造方法。
  9. 前記ミラープレートには、互いに直交する方向に延びる第1光反射部および第2光反射部が形成され、
    前記複数枚のミラープレートをその面方向に並ぶように配置する工程は、複数枚の前記ミラープレート間で、前記第1光反射部が互いに平行となり、前記第2光反射部が互いに平行となるように複数枚の前記ミラープレートを配置する工程を含む、請求項1に記載の結像光学素子の製造方法。
  10. 前記複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程は、撮像装置を用いて、または、肉眼により、鏡映像を確認する工程を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の結像光学素子の製造方法。
  11. 結像光学素子の一方の面側に配置される被投影物は、互いに平行な複数本の第1直線を含むチャートであり、
    鏡映像として現れる複数本の前記第1直線は、前記ミラープレート同士の接合部に対して非平行である、請求項1から10のいずれか1項に記載の結像光学素子の製造方法。
  12. 前記チャートは、複数本の前記第1直線に直交し、互いに平行な複数本の第2直線をさらに含み、
    鏡映像として現れる複数本の前記第2直線は、前記ミラープレート同士の接合部に対して非平行である、請求項11に記載の結像光学素子の製造方法。
  13. 前記複数枚のミラープレートの位置を固定する工程は、前記ミラープレートの屈折率と略等しい屈折率を有する接着剤を用いて、複数枚の前記ミラープレートを互いに接合する工程を含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の結像光学素子の製造方法。
  14. 前記複数枚のミラープレートの位置を固定する工程は、2%以下の硬化収縮率を有する紫外線硬化性接着剤を用いて、複数枚の前記ミラープレートを互いに接合する工程を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の結像光学素子の製造方法。
  15. 前記複数枚のミラープレートの位置を固定する工程は、接着剤を用いて複数枚の前記ミラープレートを互いに接合する工程を含み、
    隣り合う前記ミラープレート間の接着剤層の厚みは、10μm以下である、請求項1から14のいずれか1項に記載の結像光学素子の製造方法。
  16. 前記ミラープレートには、その面内において一方向に延びる光反射部が形成され、
    前記光反射部は、前記一方向と、前記ミラープレートの厚み方向とを含む平面形状を有し、
    前記一方向に延びる軸周りにおける前記光反射部の姿勢を、前記光反射部の傾きといい、前記ミラープレートの厚み方向に延びる軸周りにおける前記光反射部の姿勢を、前記光反射部の回転という場合に、
    前記複数枚のミラープレートを相互に位置決めする工程は、基準となる前記ミラープレートの前記光反射部に対する他の前記ミラープレートの前記光反射部の傾きおよび回転のずれが±0.025°の範囲となるように、複数枚の前記ミラープレートを相互に位置決めする工程を含む、請求項1に記載の結像光学素子の製造方法。
  17. 面方向に並び、互いに接合された複数枚のミラープレートを有し、一方の面側に配置される被投影物の鏡映像を他方の面側の空間位置に結像させる結像光学素子の製造装置であって、
    前記ミラープレートを移動可能なように支持するプレート支持部と、
    前記プレート支持部により支持された前記ミラープレートの一方の面側に設けられる被投影物と、
    前記プレート支持部により支持された前記ミラープレートの他方の面側に設けられ、複数枚の前記ミラープレートにより結像された前記被投影物の鏡映像を撮像する撮像装置とを備える、結像光学素子の製造装置。
  18. 前記プレート支持部は、前記ミラープレートを、直交3軸であるX軸、Y軸およびZ軸方向に移動させる移動機構と、前記ミラープレートを、X軸、Y軸およびZ軸周りの回転方向に移動させる移動機構とを備えた6軸ステージである、請求項17に記載の結像光学素子の製造装置。
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