JP2018194707A - 光学部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部品の製造方法において、複数の部品を接合剤で接合して光学部品を製造する場合に、部材間の相対角度の精度を向上させることができるようにする。
【解決手段】光学部品の製造方法は、第1の接合面を有する第1の部材と、第2の接合面を有する第2の部材との相対角度を調整して接合するために、相対角度を測定するための基準軸線を設定すること(ステップS2)と、第1の接合面と第2の接合面との間に塗布領域に接合剤を塗布すること(ステップS4)と、接合剤が塗布された状態で、第2の部材に含まれる第2の参照面と基準軸線とのなす第2の角を角度測定器によって測定することと、接合剤が塗布された状態で、角度測定器の測定結果に基づいて、第1の部材に対して第2の部材を相対移動することによって、相対角度を調整すること(ステップS6)と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学部品の製造方法に関する。
光学機器に用いられる光学部品は、例えば、種々の光学素子、光学枠などからなる複数の部材が組み立てられて構成されることが多い。複数の部材同士は、接合剤によって接合されることが多い。
例えば、プリズム、貼り合わせレンズなどの光学部品では、光学素子同士が、互いの光学面において接合剤を介して接合される場合がある。このような光学部品では、所定の光学性能を得るために、各部材間の相対位置、相対姿勢を高精度に保った状態で接合される必要がある。
例えば、特許文献1には、第1の部品と第2の部品とを有する光学素子の製造方法であって、第1の部品の上に、光学的に透明な部材を有する接合層、及び第2の部品を順次載置する載置工程と、接合層上で第2の部品を移動させることにより、第1の部品上における第2の部品の位置を修正する位置修正工程と、位置修正工程において修正された第1の部品上の位置に第2の部品を固着する固着工程と、を含む光学素子の製造方法が記載されている。特に、特許文献1では、位置修正工程において、未硬化の接合剤の表面張力の作用によって接合位置を修正するセルフアライメント工法が用いられている。
特開2006−185994号公報
しかしながら、上記のような従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1に記載されたセルフアライメント工法では、例えば、接合剤の塗布量にバラツキが生じると、接合剤の塗布量に応じて接合される部品同士の位置関係がばらついてしまうという問題がある。
特許文献1に記載されたセルフアライメント工法では、接合する部品の接合面の間における接合剤の硬化形状が接合剤の塗布量および表面張力に応じて一定になる。このため、例えば、接合される部品の接合面自体が形状誤差を有する場合に、接合面の形状誤差を補正することはできないという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、複数の部品を接合剤で接合して光学部品を製造する場合に、部材間の相対角度の精度を向上させることができる光学部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の光学部品の製造方法は、第1の接合面を有する第1の部材と、第2の接合面を有する第2の部材との相対角度を調整して接合するために、前記相対角度を測定するための基準軸線を設定することと、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に塗布領域に接合剤を塗布することと、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に前記接合剤が塗布された状態で、前記第2の部材に含まれる第2の参照面と前記基準軸線とのなす第2の角を角度測定器によって測定することと、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に前記接合剤が塗布された状態で、前記第2の角が含まれる、前記角度測定器による測定値に基づいて、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対移動することによって、前記相対角度を調整することと、を含む。
上記光学部品の製造方法においては、前記基準軸線を設定する際に、前記角度測定器によって、前記第1の部材に含まれる第1の参照面の法線に合わせて前記基準軸線を設定してもよい。
上記光学部品の製造方法においては、前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に前記接合剤が塗布された状態で、前記第1の部材に含まれる第1の参照面と前記基準軸線とのなす第1の角を、前記基準軸線に対して第1の位置に配置された状態の前記角度測定器によって測定することを、さらに含み、前記第2の角は、前記第1の位置とは異なる第2の位置に配置された状態の前記角度測定器によって測定され、前記相対角度を調整する際に用いられる前記測定値には、前記第1の角の情報と、前記第2の角の情報とが含まれてもよい。
上記光学部品の製造方法においては、前記接合剤を塗布することは、前記角度測定器によって前記測定値を測定する前に、前記塗布領域の一部に前記接合剤を部分塗布することと、前記相対角度を調整した後に、前記塗布領域の残余部分全体に前記接合剤を塗布することと、を含み、前記角度測定器が使用される際に、前記角度測定器は、前記塗布領域において前記接合剤が部分塗布される領域と対向しない部位において測定が行えるように、配置されていてもよい。
上記光学部品の製造方法においては、前記接合剤を部分塗布した後、部分塗布された前記接合剤の硬化を進行させる仮硬化を行うことと、前記塗布領域の前記残余部分全体に前記接合剤を塗布した後、前記塗布領域における前記接合剤の全体を硬化させる本硬化を行うことと、をさらに含んでもよい。
上記光学部品の製造方法においては、前記角度測定器は、オートコリメーターであってもよい。
上記光学部品の製造方法においては、前記基準軸線を設定する前に、前記第1の部材と前記第2の部材との相対位置を位置合わせすることをさらに含んでもよい。
本発明の光学部品の製造方法は、複数の部品を接合剤で接合して光学部品を製造する場合に、部材間の相対角度の精度を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法で製造される光学部品の一例を示す模式的な縦断面図である。 光学部品において発生し得る製造誤差の例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第3の実施形態の光学部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。 本発明の第3の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法について、これにより製造される光学部品とともに説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法で製造される光学部品の一例を示す模式的な縦断面図である。図2(a)、(b)は、光学部品において発生し得る製造誤差の例を示す模式的な縦断面図である。
各図面は、模式図のため、形状や寸法は誇張されている(以下の図面も同じ)。
本実施形態の光学部品の製造方法によって製造される光学部品は、複数の部材の組立体である。複数の部材には、少なくとも1つの光学部材が含まれる。
本明細書では、「光学部材」は、光学的な機能を発揮する部材であって、光が入出射可能な光学面を有する部材を意味する。光学面に入出射する光の波長は限定されない。例えば、光学面は、光透過率が0%を超え100%以下の光透過面であってもよい。例えば、光学面は、光反射率が0%を超え100%以下の光反射面であってもよい。
光学部材の例としては、例えば、レンズ、プリズム、ミラー、光透過板、フィルタ、偏光板などが挙げられる。光学部材の外形は、例えば、円柱状、多角柱状などの適宜の形状が可能である。光学部材は、外周部にフランジを有していてもよい。
本実施形態における光学部品に、光学部材以外の部材(以下、非光学部材と称する)が含まれる場合、非光学部材の種類は特に限定されない。非光学部材の例としては、例えば、光学部材を保持する保持枠、保持台などの保持部材、保持部材を光学機器などに固定する固定部材などが挙げられる。
本実施形態における光学部品は、接合剤が硬化した薄膜状の接合剤層によって互いに接合されている第1の部材および第2の部材を有する。本実施形態における光学部品は、第1の部材および第2の部材の関係に該当する部材を3以上有してもよい。
接合剤層の層厚は、後述する第1の部材および第2の部材の相対角度の調整において想定される層厚方向の移動調整量を超える適宜の層厚が可能である。接合剤層の層厚は、一定でもよいし、場所により異なっていてもよい。接合剤層の層厚は、0.015mm以上0.04mm以下であることがより好ましい。
第1の部材および第2の部材は、両方とも光学部材であってもよい。ただし、後述する本実施形態の光学部品の製造方法が実施可能であれば、第1の部材および第2の部材の一方が光学部材でもよい。光学部品において第1の部材および第2の部材に該当する部材が3以上含まれる場合には、第1の部材および第2の部材の両方が非光学部材である組み合わせが含まれていてもよい。
本実施形態の光学部品の製造方法は、上述の第1の部材および第2の部材を互いに接合する際に用いられる。このため、第1の部材は、接合剤層を介して第2の部材と接合するための第1の接合面を有する。同様に、第2の部材は、接合剤層を介して第1の部材と接合するための第2の接合面を有する。
第1の接合面および第2の接合面は、接合剤を塗布可能であれば、平滑面でもよいし粗面でもよい。第1の接合面および第2の接合面の形状は、互いの間に接合剤層を形成できれば、特に限定されない。
接合剤層の層厚を略一定にできる点では、第1の接合面および第2の接合面は、互いに密着可能な面形状を有していてもよい。例えば、第1の接合面および第2の接合面は、平面でもよい。例えば、第1の接合面および第2の接合面は、互いに密着可能な凹面および凸面の組み合わせで構成されてもよい。
接合剤層の層厚を略一定にできる点では、第1の接合面および第2の接合面は、互いに密着可能な面形状から、加工誤差などに対応する形状偏差を有する面形状を有していてもよい。
第1の(第2の)部材が光学部材である場合には、第1の(第2の)接合面は、光学面であってもよい。第1の(第2の)接合面が光学面である場合には、接合剤層は、光学面における有効領域の全体を覆うように配置される。光学面における有効領域とは、光学部品において、光学面が光学的機能を発揮するために必要な光束(有効光束)が入出射する領域である。
本実施形態の光学部品の製造方法では、角度測定器によって、後述する基準軸線に対して、少なくとも第2の部材と基準軸線とのなす第2の角の測定が行われる。このため、第2の部材は、角度測定器によって角度が測定可能な第2の参照面を含む。
角度測定器の構成は、測定軸線と測定対象面とのなす角の測定ができれば特に限定されない。角度測定器における測定量の種類は、測定軸線と測定対象面とのなす角に換算可能な量であれば、角度には限定されない。例えば、角度測定器は、角度に換算できる距離の測定、座標値の測定などを行ってもよい。本明細書では、測定量が角度でなかったり、角度でない測定量の測定値が用いられたりする場合でも、測定軸線と測定対象面とのなす角に換算可能な量の測定は、すべて角度測定と称される。
角度測定器は、光学的手段によって測定値を取得してもよいし、機械的手段によって測定値を取得してもよい。
第2の参照面は、角度測定器の種類に応じて、角度測定に必要な特性を有する。
例えば、角度測定器が光学的手段によって角度測定を行う場合には、第2の参照面は光学面としての特性を有する。光学的手段を用いる角度測定器の例としては、例えば、オートコリメーター、レーザーオートコリメーター、レーザー角度計測器などが挙げられる。例えば、角度測定器が、測定対象面における測定光の反射光を用いて角度測定する場合には、第2の参照面は光反射性を有すことが必要である。
例えば、機械的手段を用いる角度測定器の例としては、例えば、3次元測定器などによる接触測定が挙げられる。この場合、第2の参照面は測定プローブが接触可能な面形状を有する。
第2の部材が光学部材の場合、第2の参照面としては、第2の部材の光学面が用いられてもよい。第2の部材が光学部材の場合、第2の部材は、光学面として、第2の参照面として組立時のみに使用される参照用光学面を有していてもよい。
第1の部材は、後述する基準軸線を設定するための第1の参照面を有していてもよい。ただし、後述する基準軸線が、第1の部材とは独立に設定できる場合には、第1の部材は、予め設定された基準軸線とのなす第1の角を測定するための第1の参照面を有していてもよい。
いずれの場合でも、第1の参照面は、第2の参照面と同様に構成されてもよい。
第1の参照面および第2の参照面は、それぞれ第1の接合面および第2の接合面の少なくとも一部に設けられていてもよい。
図1には、本実施形態の光学部品の製造方法によって製造される光学部品の一例が示されている。
図1に示すように、光学部品3は、レンズ1(第1の部材、光学部材)と、プリズム2(第2の部材、光学部材)と、を備える。
レンズ1は、第1面1a(光学面)および第2面1b(光学面、第1の接合面、第1の参照面)を有する。第1面1aおよび第2面1bの間の外周部には、光軸O1と同軸の円筒面であるレンズ側面1cが形成されている。
第1面1a、第2面1bの面形状は、特に限定されない。例えば、第1面1a、第2面1bの面形状は、球面、非球面、自由曲面、平面等の適宜の面形状であってもよい。第1面1a、第2面1bの面形状は、凸面、平面、凹面のいずれでもよい。
以下では、レンズ1は、図1に模式的に例示されたように、第1面1aが凸面、第2面1bが平面からなる平凸レンズであるとして説明する。第2面1bは、設計上は、光軸O1と直交する平面である。
レンズ1の材質は、ガラスでもよいし、合成樹脂でもよい。ガラスレンズの種類としては、研磨レンズでもよいし、ガラスモールドレンズでもよい。
プリズム2は、レンズ1の第2面1bと対向する第1面2a(光学面、第2の接合面)と、第1面2aに対向する第2面2b(光学面、第2の参照面)と、を有する。第1面2aおよび第2面2bの間の外周部には、光軸O1と同軸の円筒面であるプリズム側面2cが形成されている。
第1面2a、第2面2bの面形状は、いずれも平面からなる。第2面2bは、第1面2aに対して傾斜している。図1に示す例では、第2面2bは、紙面内において、図示左側から右側に向かって下がるように傾斜している。紙面奥行き方向における各断面も同様な傾斜を有する。第1面2aと第2面2bとのなす角度はαである。平面同士のなす角度は、各平面の法線ベクトルのなす角で定義される。
プリズム2の材質は、ガラスでもよいし、合成樹脂でもよい。
レンズ1およびプリズム2は、レンズ1の第2面1bと、プリズム2の第1面2aとの間に形成された接合剤層4によって、互いに接合されている。第2面1b、第1面2aは、それぞれ、第1の接合面、第2の接合面を構成する。
接合剤層4は、第2面1bと第1面2aとの間において、第2面1bにおける有効レンズ領域E1b(有効領域)と、第1面2aにおける有効プリズム領域E2a(有効領域)と、をそれぞれ覆う塗布領域の範囲に形成されている。
光学部品3は、レンズ1とプリズム2とが互いに貼り合わされた、貼り合わせ光学素子になっている。図1における例では、設計上は、第2面1bと第1面2aとは、平行に配置される。接合剤層4の設計上の層厚は、一定値t0である。
接合剤層4は、光透過性を有する接合剤が硬化することによって形成されている。接合剤層4を形成する接合剤としては、例えば、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤などが用いられてもよい。本実施形態では、接合剤層4は、一例として、光硬化型接着剤が硬化することによって形成されている。光硬化型接着剤としては、例えば、UV光によって硬化するUV硬化型接着剤が用いられてもよい。
接合剤層4の材料は、プリズム2側から第2面1bに入射する光の一部が第2面1bで反射できるような材料が選ばれる。具体的には、接合剤層4の材料は、接合剤層4の屈折率がレンズ1の屈折率と差を有する材料が選ばれる。
接合剤層4の屈折率は、プリズム2の屈折率と等しくてもよい。
光学部品3においては、例えば、レンズ1の第1面1a側から光軸O1に沿って入射光L1が入射すると、入射光L1は、集光されて第2面1bを透過する。入射光L1は、第2面1bに密着する接合剤層4に入射する。接合剤層4を透過した入射光L1は、プリズム2の第1面2aに入射する。入射光L1は、第2面2bから、出射光L2として外部に出射される。出射光L2は、プリズム2の屈折作用に応じて屈折された光軸O2に沿って出射される。入射光L1が平行光束の場合は、出射光L2は、光学部品3の合成焦点位置に結像する。
製造方法によっては、光学部品3に種々の製造誤差が発生し得る。図2(a)、(b)に製造誤差が生じた光学部品3の例である光学部品3A、3Bを示す。
例えば、図2(a)に示す光学部品3Aは、組み付け誤差によって、レンズ1に対してプリズム2が図示紙面内で時計回りにΔα1だけ回転した状態で接合されている。例えば、プリズム2の第1面2aは、第2面1bに対して角度Δα1だけ傾いている。このため、接合剤層4Aは、図示左側の層厚がt1(ただし、t1>t0)、図示右側の層厚がt2(ただし、t2<t0)のように不均等な層厚を有する。
このような組み付け誤差は、例えば、第2面1b上に塗布される接合剤の分布に偏りが生じている状態で、プリズム2を配置することによって発生し得る。このような組み付け誤差は、例えば、接合剤が塗布された後で、接合剤が硬化するまでの間、レンズ1とプリズム2との保持姿勢が変化することによっても発生し得る。
光学部品3Aに、レンズ1の第1面1a側から光軸O1に沿って進む入射光L1が入射すると、入射光L1は、プリズム2の第1面2aで屈折されるため、屈折光L3として光軸O1に対する斜め方向に進む。屈折光L3は、第2面2bでさらに屈折されて、出射光L4としてプリズム2から出射される。出射光L4は、設計上の出射光L2と異なる方向に出射される。
このように、光学部品3Aでは、プリズム2の組み付け誤差によって、光学部品3Aとしての光軸が設計値からずれている。
例えば、図2(b)に示す光学部品3Bは、プリズム2の加工誤差によって、設計上の形状からずれて製作されたプリズム2Bがレンズ1に接合されている。例えば、プリズム2Bは、加工誤差によって第1面2aと第2面2dとのなす角がα+Δα2になっている。このため、プリズム2Bの第1面2aが、レンズ1の第2面1bに対して設計通りに、距離t0をあけて平行に配置されていると、光軸O1に対する第2面2dの傾斜角度がΔα2だけ増加する。
光学部品3Bに、レンズ1の第1面1a側から光軸O1に沿って進む入射光L1が入射すると、入射光L1は、光軸O1に沿って進むが、第2面2dで屈折されて、出射光L5としてプリズム2Bから出射される。出射光L5として、設計上の出射光L2と異なる方向に出射される。
このように、光学部品3Bでは、プリズム2Bの加工誤差によって、光学部品3Aとしての光軸が設計値からずれている。
光学部品3Aのような光軸の変化は、レンズ1とプリズム2との相対角度を補正することによって低減可能である。例えば、組み付け誤差に起因する角度Δα1が低減されるように、図示反時計回りにプリズム2が回転されればよい。
光学部品3Bのような光軸の変化も、レンズ1とプリズム2Bとの相対角度を補正することによって低減可能である。例えば、プリズム2Bの加工誤差Δα2に応じて、プリズム2Bが図示反時計回りに回転されればよい。
このように、光学部品における組立体としての光軸の設計値からの変化は、互いに接合される第1の部材と第2の部材との相対角度が所定値となるように接合されることによって抑制される。
次に、本実施形態の光学部品の製造方法について、光学部品3を製造する場合の例で説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。図4〜7は、本発明の第1の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。
本実施形態の光学部品の製造方法は、図3に示すステップS1〜S7を図3に示すフローにしたがって実行することで行われる。
ただし、ステップS1が開始されるまでに、予め、レンズ1およびプリズム2が製造される。レンズ1およびプリズム2は、加工誤差によって設計値からずれた形状を有していてもよい。
レンズ1およびプリズム2は、仕上がり形状が検査されることで、それぞれの加工誤差の情報が特定されている。各加工誤差の情報は、部材ごとに個別に特定されることがより好ましい。しかし、各部材の製造工程が安定している場合には、各部材の平均的な加工誤差の情報が特定されていてもよい。例えば、プリズム2の第1面2aと第2面2bとのなす角度の平均値がα+δである、といった情報でもよい。
加工誤差の情報が特定されると、例えば、計算、光線追跡などによって、光学部品3としての光軸の変化を許容範囲に収めるためのレンズ1およびプリズム2の目標相対角度α0が求められる。本実施形態では、目標相対角度α0は、例えば、レンズ1の第2面1bとプリズム2の第2面2bとのなす角度の目標値として表される。具体的には、目標相対角度α0は、第2面1bと第2面2bとのそれぞれの法線ベクトルのなす角度で表される。このため、目標相対角度α0には、角の大きさと傾斜方向とが含まれている。
以下では、簡単のため、レンズ1は加工誤差なく製造されている場合の例で説明する。
ステップS1が開始されるまでに、レンズ1およびプリズム2を接合するための、組立用装置も準備される。
本実施形態に用いられる組立用装置としては、図4に示す、第1保持部5、第2保持部6、オートコリメーター7(角度測定器)、図5に示すディスペンサー8、および図7に示す硬化用光源9が挙げられる。さらに、組立用装置は、表示部、操作部、および制御部を備える(いずれも図示略)。表示部は、後述する測定結果を、例えば、数値情報、グラフ、文字情報などとして表示する。操作部は、操作者の操作入力を制御部に送出する。制御部は、操作入力に応じて、組立用装置の全体の動作を制御する。
第1保持部5および第2保持部6は、それぞれ、レンズ1およびプリズム2を保持する。第1保持部5および第2保持部6の構成は、それぞれに保持されたレンズ1およびプリズム2を、後述するように相対移動できれば限定されない。例えば、第1保持部5および第2保持部6の移動自由度は、全体として6自由度以上であってもよい。第1保持部5および第2保持部6の一方は、位置、姿勢が固定された保持具であってもよい。
以下では、一例として、第1保持部5および第2保持部6がいずれも6自由度を有する場合の例で説明する。
第1保持部5は、レンズ1を把持する第1把持部と、3自由度の平行移動と3自由度の回転移動が可能な状態で第1把持部を保持する第1移動機構と、を備える。
第2保持部6は、プリズム2のプリズム側面2cを把持する第2把持部と、3自由度の平行移動と3自由度の回転移動が可能な状態で第2把持部を保持する第2移動機構と、を備える。
第1移動機構および第2移動機構としては、例えば、6軸調整ステージ、6自由度を有する多関節ロボットなどが用いられてもよい。例えば、6軸調整ステージの例としては、TSD−40ES(商品名;シグマ光機(株)製)などが挙げられる。
第1保持部5および第2保持部6の位置および姿勢は、共通の装置座標系に対して予め関係づけられている。このため、操作者は、装置座標系に対する第1保持部5および第2保持部6の位置および姿勢を操作入力することによって、第1保持部5および第2保持部6の位置および姿勢を必要に応じて変更することができる。
オートコリメーター7は、平行光L10を測定対象に照射し、測定対象から反射されたレーザー光すなわち戻り光を測定する。本実施形態では、オートコリメーター7は角度測定器として用いられる。このため、オートコリメーター7と測定対象との距離は予め測定されている。オートコリメーター7においては、戻り光の情報を測定対象との距離に応じて角度に換算する演算処理が行われてもよい。
戻り光は、オートコリメーター7の受光面において2次元的に測定されるため、オートコリメーター7によれば、角の大きさおよび傾斜方向を含む角度が測定される。以下の説明では、簡単のため、角の大きさおよび傾斜方向の測定を単に角度測定と称する。
オートコリメーター7は、目視式でもよいし、光電式でもよい。オートコリメーター7としては、例えば、光源として赤色レーザーを用いたレーザーオートコリメータH350R(商品名;駿河精機(株)製)などが用いられてもよい。
オートコリメーター7は、図示略の保持治具によってプリズム2の上方に保持される。以下では、オートコリメーター7は、プリズム2に対する位置および姿勢が調整可能に保持される場合の例で説明する。例えば、オートコリメーター7は、移動自由度が6自由度の調整ステージによって保持されている。
ただし、オートコリメーター7の位置が固定され、第1保持部5および第2保持部6によって、レンズ1およびプリズム2とオートコリメーター7との相対位置関係が変更されてもよい。
ディスペンサー8は、接合剤を塗布する塗布装置として用いられる。ディスペンサー8の構成は、接合剤を定量塗布できれば特に限定されない。ディスペンサー8としては、例えば、容積計量式デジタル制御ディスペンサーMEASURING MASTER MPP−1(商品名;武蔵エンジニアリング(株)製)などが用いられてもよい。
ディスペンサー8によって塗布する接合剤としては、以下では、一例として、UV硬化型接着剤が用いられる。
硬化用光源9は、接合剤を硬化するために照射する光を発生する。以下では、接合剤がUV硬化型接着剤であることに対応して、硬化用光源9は、UV光を照射する。
図3に示すように、ステップS1では、第1の部材と第2の部材との位置調整が行われる。
具体的には、図4に示すように、第1の部材であるレンズ1が第1保持部5によって保持される。レンズ1は、第1保持部5の第1移動機構によって、第2面1bが上方を向いた状態に保持される。レンズ1の保持姿勢は、光軸O1が鉛直軸と平行になるように調整される。
以下では、方向を参照する場合に、図4に記載されたxyz直交座標系が用いられる場合がある。xyz直交座標系におけるx軸方向は、水平方向のうち、図示左右に延びる軸線に沿う方向である。y軸方向は、水平方向のうち図示の紙面奥行き方向に延びる軸線に沿う方向である。z軸方向は、x軸およびy軸に直交するz軸に沿う方向である。z軸は鉛直軸に平行である。
第2の部材であるプリズム2は、第1面2aが水平の状態で、第2保持部6によって保持される。操作者は、第2保持部6の第2移動機構を操作することにより、レンズ1の上方において、プリズム2をレンズ1に対する設計上の接合位置に移動する。
具体的には、第1面2aは、第2面1bの上方において、第2面1bに対するz軸方向の距離がt0となる位置に配置される。この状態で、操作者は、光軸O1に対するプリズム2の位置が設計上の位置になるように、x軸方向およびy軸方向におけるプリズム2の位置を調整する。例えば、水平方向における設計上の位置がプリズム側面2cの中心軸線が光軸O1と同軸になる位置であれば、操作者は第2保持部6によるプリズム2の保持中心を光軸O1に位置合わせする。
このような位置合わせ状態における第1保持部5および第2保持部6の駆動位置の情報は、第1保持部5および第2保持部6が通信可能に接続される図示略の制御部に記憶される。
以上で、ステップS1が終了する。
ステップS1の後、ステップS2が行われる。本ステップでは、オートコリメーター7を用いてレンズ1とプリズム2との相対角度を測定するための基準軸線Zが設定される。
本実施形態では、基準軸線Zは、第2面1bの法線に平行に設定される。
具体的には、操作者は、オートコリメーター7から出射される平行光L10を、プリズム2の第2面2bに向けて照射する。平行光L10は、第2面1bにおいて反射光L11として反射される。平行光L10は、第2面2bにおいて反射光L12として反射される。なお、図4は模式図のため、平行光L10、反射光L11、L12は、それぞれの主光線の進む方向に対応する方向を表す矢印として図示されている。各矢印は、見易さのため、光軸O1、基準軸線Zと重ならない位置に表示されている。
オートコリメーター7では、平行光L10の光軸Om(測定軸線)に対する反射光L11、L12の戻り位置が、オートコリメーター7の情報を表示する図示略の表示部上に表示される。操作者は、反射光L11の光軸が光軸Omと同軸になるように、レンズ1およびプリズム2に対するオートコリメーター7の相対姿勢を変更する。これにより、オートコリメーター7における測定基準となる測定軸線に該当する光軸Omが第2面1bの法線と平行になる。
オートコリメーター7による角度測定は、光軸Omが基準となるため、第2面1bの法線と平行な軸線として、基準軸線Zが設定されたことになる。
オートコリメーター7の光軸Omのx軸方向およびy軸方向の位置は、第2面1bおよび第2面2bに平行光L10が照射できる位置であれば限定されない。本実施形態では、一例として、光軸Omは第2面1bの中心に位置している。このため、光軸Om、基準軸線Z、および光軸O1は、同軸になっている。
オートコリメーター7とレンズ1およびプリズム2との相対姿勢が固定されると、ステップS2が終了する。
ステップS2の後、ステップS3が行われる。本ステップでは、第2の部材が退避される。
操作者は、第2保持部6の第2移動機構を操作して、プリズム2を第2保持部6の第2把持部とともに、第2面1bに対向する位置(図5の二点鎖線参照)から退避させる。
以上でステップS3が終了する。
ステップS3の後、ステップS4が行われる。本ステップでは、レンズ1の第2面1bに接合剤が塗布される。
操作者は、図5に示すように、ディスペンサー8の吐出口を第2面1bの上方に移動させる。操作者は、ディスペンサー8から一定量の接合剤B1を吐出させる。接合剤B1は、第2面1bの頂部のから高さがt0を超えるように、吐出される。
接合剤B1の塗布量は、硬化収縮を考慮して、硬化後に接合剤層4として必要な体積になるように予め決められる。接合剤B1の塗布量は、後述する相対角度調整によって第2面1bと第1面2aとの間の隙間が変化しても、上述の有効レンズ領域E1bおよび有効プリズム領域E2aを覆うことができるように設定される。
以上で、ステップS4が終了する。
ステップS4の後、ステップS5が行われる。本ステップでは、接合剤B1上にプリズム2が配置される。
操作者は、第2保持部6を操作して、接合剤B1の上方において、プリズム2および第2保持部6が接合剤B1と接触しない位置に、プリズム2および第2保持部6を移動させる。
操作者は、第2保持部6を操作して、プリズム2のx軸方向およびy軸方向の位置と、z軸に対する姿勢と、をステップS1において位置調整された状態に合わせる。この後、操作者は、第2保持部6を操作して、z軸方向の位置がステップS1において位置調整された位置を目標位置として、プリズム2を下降させる。
プリズム2の下降に伴って、第1面2aと接合剤B1が接触する。第1面2aと第2面1bとの隙間が狭まると、次第に接合剤B1がz軸方向に押圧され、外周側に押し伸ばされる。
プリズム2が目標位置に向かって移動したら、第2保持部6が停止される。
以上で、ステップS5が終了する。
ステップS5において、プリズム2の下降が停止されると、図6に示すように、第2面1bと第1面2aとの間に挟まれた層状の接合剤B2が形成される。接合剤B2は、有効レンズ領域E1bおよび有効プリズム領域E2aを覆っている。
以上説明したステップS5における第2保持部6によるプリズム2の移動動作は、ステップS1における位置合わせ状態のプリズム2の位置および姿勢が制御部に記憶された位置合わせ情報に基づいて自動的に行われてもよい。この場合、操作者は、操作部にステップS5を開始する操作入力を行うだけでよい。
ステップS5の後、ステップS6が行われる。本ステップでは、レンズ1とプリズム2との相対角度の調整が行われる。
ステップS5では、ステップS1によって位置調整された目標位置に向けて、プリズム2が移動されるため、レンズ1とプリズム2との相対角度は、設計上の相対角度になっている可能性が高い。しかし、プリズム2の下降時には、接合剤B1の抵抗に抗して第2保持部6が駆動されるため、接合剤B1の反力のバラツキによっては、プリズム2の移動誤差が生じるおそれがある(図6の実線参照)。接合剤B1の反力のバラツキは、接合剤B1の粘度のバラツキ、ステップS4における接合剤B1の吐出時の分布状態などによって生じる可能性がある。
さらに、プリズム2が加工誤差を有する場合、設計上の相対角度では、光学部品3の光軸の設計値からのずれが許容範囲外になるおそれもある。
このため、本ステップにおいては、レンズ1とプリズム2との相対角度の測定が行われた後、必要に応じて、相対角度が調整される。
本ステップでは、操作者は、オートコリメーター7から平行光L10を照射する。平行光L10は、第2面1bにおいて反射光L11として反射される。平行光L10は、第2面2bにおいて反射光L13として反射される。
例えば、プリズム2が設計上の姿勢(図示二点鎖線参照)よりも傾いていると、反射光L13は、設計上の反射光L12と異なる方向に反射される。
オートコリメーター7は、反射光L13の受光位置によって、反射光L13の基準軸線Zに対する傾斜角度を測定する。反射光L13の傾斜角度は、基準軸線Zに対する第2面2bの傾斜角度の2倍になっている。
一方、基準軸線Zは、ステップS2において第2面1bの法線に合わせられているため、オートコリメーター7で測定された基準軸線Zと第2面2bとのなす角は、レンズ1とプリズム2との相対角度になっている。
本実施形態では、第2面1bからの反射光L11の戻り位置もオートコリメーター7で測定される。もし、第2面1bがステップS2における位置合わせ状態からずれている場合には、反射光L11の戻り位置がずれる。この場合、反射光L11の戻り位置と反射光L12の戻り位置との差に基づいて、第2面1bに対する第1面2aの相対角度が測定されればよい。
操作者は、オートコリメーター7によって、基準軸線Zと第2面2bとのなす角が、予め求められている目標相対角度α0になるまで、第2保持部6を操作して、プリズム2の姿勢を調整する。本ステップでは、接合剤B2の硬化が進んでいないため、プリズム2の姿勢の変化に追従して変化する第2面1bと第1面2aとの間の隙間の変化に応じて、接合剤B2の層厚が変化する。
図7に示すように、オートコリメーター7で測定された基準軸線Zに対する第2面2bの角が目標相対角度α0になったら、ステップS6が終了する。
第2面1bと第1面2aとの間の設計上の距離t0は、ステップS6におけるプリズム2の姿勢の調整範囲において、第2面1bと第1面2aとが接触しない程度にあけられている。このため、ステップS6の終了後、第2面1bと第1面2aとの間には、未硬化の接合剤B3が途切れることなく挟まれている。
ステップS6の説明では、オートコリメーター7によって、レンズ1とプリズム2との相対角度に対応する角が測定されるとして説明した。例えば、オートコリメーター7が反射光L13の受光位置を角度表示できる場合には、操作者は、表示された角度を参照しながら、プリズム2の姿勢の調整を行える。ただし、操作者は、オートコリメーター7の情報を表示する図示略の表示部上に表示された反射光L13の受光位置が、目標相対角度α0に対応する目標受光位置になるように、プリズム2の姿勢を調整してもよい。
ステップS6の後、ステップS7が行われる。本ステップでは、接合剤B3の硬化が行われる。
具体的には、図7に示すように、硬化対象である接合剤B3に硬化光Cを照射できる位置に硬化用光源9が配置される。接合剤B3がUV硬化型接着剤の場合、硬化光CはUV光が用いられる。
この後、接合剤B3に向けて硬化光Cが照射される。硬化光Cが照射される間、第1保持部5および第2保持部6の位置は、ステップS6の終了時の位置に保たれる。
図7では、硬化光Cが光軸O1に交差する径方向から照射される場合の例が図示されている。しかし、硬化光Cが接合剤B3に照射できれば、硬化用光源9の配置位置は、図7の位置には限定されない。硬化光Cが接合剤B3の全体に照射できる場合には、例えば、硬化光Cは、レンズ1の第1面1aから光軸O1に沿って入射されてもよい。
硬化光Cが照射されると接合剤B3の硬化が進行する。接合剤B3の全体が硬化すると、接合剤層4が形成される。この結果、レンズ1とプリズム2とが接合された光学部品3が製造される。
以上で、ステップS7が終了する。
ステップS7が終了した後、オートコリメーター7により相対角度の測定が行われることによって、接合剤層4の形成後の相対角度が目標相対角度に対する許容範囲内であるか、光学部品3が検査されてもよい。
ただし、光学部品3の検査は、光学部品3が第1保持部5および第2保持部6から取り外された後、適宜の光学特性を測定する検査装置によって行われてもよい。
以上で、本実施形態の光学部品の製造方法が終了する。
以上説明したように、本実施形態の光学部品の製造方法には、第1の接合面と前記第2の接合面との間に接合剤が塗布された状態で、第2の部材に含まれる第2の参照面と基準軸線とのなす第2の角を角度測定器によって測定することが含まれる。さらに、本実施形態の光学部品の製造方法には、第1の接合面と第2の接合面との間に接合剤が塗布された状態で、第2の角が含まれる、角度測定器による測定値に基づいて、第1の部材に対して第2の部材を相対移動することによって、相対角度を調整することが含まれる。
第1の部材と第2の部材との相対角度の調整が行われる際には、相対角度が第1の部材と第2の部材との加工誤差などに応じて予め設定された目標相対角度になるように調整が行われる。このため、第1の部材および第2の部材の少なくとも一方に加工誤差がある場合でも、光学部品としての光学特性の低下を抑制できる。
このように、本実施形態の光学部品の製造方法は、複数の部品を接合剤で接合して光学部品を製造する場合に、部材間の相対角度の精度を向上させることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。図9〜14は、本発明の第2の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。
本実施形態の光学部品の製造方法によって、製造可能な光学部品は、上記第1の実施形態の光学部品の製造方法において製造される光学部品と同様である。ただし、本実施形態では、接合剤の屈折率と第1の部材の屈折率とは互いに等しくてもよい。
以下では、本実施形態の光学部品の製造方法について、図1に示す光学部品13が製造される場合の例で、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図1に示すように、光学部品13は、上記第1の実施形態における光学部品3の接合剤層4に代えて、接合剤層14を備える。接合剤層14の屈折率は、レンズ1の屈折率に等しくてもよい。
本実施形態の光学部品の製造方法は、図8に示すステップS11〜S19を図8に示すフローにしたがって実行することで行われる。
ただし、ステップS11が開始されるまでに、上記第1の実施形態と同様の準備が行われる。
例えば、レンズ1およびプリズム2が製造される。例えば、レンズ1およびプリズム2の仕上がり形状に基づいて、上述の目標相対角度α0が求められる。上記第1の実施形態と同様、レンズ1が加工誤差なく製造されている場合の例で説明する。
例えば、上記第1の実施形態と略同様の組立用装置が準備される。
図9に示すように、本実施形態の組立用装置では、オートコリメーター7の配置位置が上記第1の実施形態とは異なる。本実施形態の組立用装置では、オートコリメーター7は、オートコリメーター7から照射される平行光L10が後述する接合剤B11が塗布される領域と重ならない位置に配置されている。図9に示す例では、オートコリメーター7は、光軸O1よりも図示右側に、平行光L10が照射されるように配置されている。
図8に示すように、ステップS11では、第1の部材と第2の部材との位置調整が行われる。本ステップは、図9に示すように、x軸方向およびy軸方向におけるオートコリメーター7の配置位置が異なる以外は、上記第1の実施形態におけるステップS1と同様のステップである。
ステップS11の後、ステップS12が行われる。本ステップでは、オートコリメーター7を用いてレンズ1とプリズム2との相対角度を測定するための基準軸線Zが設定される。本ステップはx軸方向およびy軸方向におけるオートコリメーター7の配置位置が異なる以外は、上記第1の実施形態におけるステップS2と同様のステップである。
オートコリメーター7の平行光L10は、第2面1bの一部である測定領域Mに照射される。測定領域Mは、後述する接合剤B11が塗布されないような領域に設定される。
ステップS12の後、ステップS13が行われる。本ステップでは、上記第1の実施形態におけるステップS3と同様にして、第2の部材が退避される(図10参照)。
ステップS13の後、ステップS14が行われる。本ステップでは、レンズ1の第2面1bにおける有効レンズ領域E1bの一部を覆う部分塗布領域P1に、接合剤B11が部分塗布される。部分塗布領域P1は、測定領域Mと重ならないように設定される。
操作者は、図10に示すように、部分塗布領域P1の上方にディスペンサー8の吐出口を移動させる。操作者は、ディスペンサー8から一定量の接合剤B11を吐出させる。接合剤B11は、第2面1bからの頂部の高さt0を超えるように吐出される。
ただし、接合剤B11の塗布量は、後述するプリズム2の下降によって接合剤B11が押し伸ばされた場合でも、接合剤B11が測定領域Mに進入しない量が用いられる。
以上で、ステップS14が終了する。
ステップS14の後、ステップS15が行われる。本ステップでは、接合剤B11上にプリズム2が配置される。
プリズム2の配置動作は、上記第1の実施形態におけるステップS5におけると同様にして行われる。
以上で、ステップS15が終了する。
ステップS15において、プリズム2の下降が停止されると、図11に示すように、第2面1bと第1面2aとの間に挟まれた層状の接合剤B12が形成される。接合剤B12は、プリズム2の第1面2aによって押し伸ばされることによって、部分塗布領域P1よりも広い部分塗布領域P2の範囲に拡がってもよい。ステップS14において接合剤B11の吐出位置と塗布量とが適宜に設定されることによって、部分塗布領域P2は、測定領域Mを覆わない範囲に形成される。
このようにして、接合剤B12は、有効レンズ領域E1bにおける部分塗布領域P2と、部分塗布領域P2に対向する第1面2aにおける有効プリズム領域E2aとの間に挟まれている。これに対して、有効レンズ領域E1bにおける測定領域Mと、測定領域Mに対向する第1面2aにおける有効プリズム領域E2aとの間は、接合剤B12が介在しない隙間が形成されている。
ステップS15の後、ステップS16が行われる。本ステップでは、上記第1の実施形態におけるステップS6と同様にして、レンズ1とプリズム2との相対角度の調整が行われる。
本ステップでは、平行光L10が照射される測定領域Mに接合剤B12が介在しないため、平行光L10は、空気に接する第2面1bの表面で反射される。このため、レンズ1に対して屈折率差が少ない接合剤が第2面1bに塗布されている場合に比べて、第2面2bにおける反射率が低下するおそれが少ない。このため、反射光L11の光量がより大きくなるため、オートコリメーター7による反射光L11の戻り位置の測定精度が向上する。特に、本実施形態によれば、接合剤B11の屈折率がレンズ1の屈折率に等しくても、相対角度の調整が行える。
図12に示すように、オートコリメーター7で測定された基準軸線Zに対する第2面2bの傾斜角度が目標相対角度α0になったら、ステップS16が終了する。
ステップS16が終了すると、第2面1bと第1面2aとの相対位置関係は、相対角度の調整に伴うプリズム2の移動によってステップS15の状態から変化する。このため、第2面1bと第1面2aとの間には、ステップS15における接合剤B12と異なる形状の接合剤B13が挟まれている。ただし、ステップS16における相対角度の調整に伴うプリズム2の相対移動量は、プリズム2の配置誤差、加工誤差を補正する程度の微小量である。このため、接合剤B13が、ステップS15における部分塗布領域P2の範囲を大きく超えることはないため、接合剤B13が測定領域Mに進入することはない。
ステップS16の後、ステップS17が行われる。本ステップでは、接合剤B13の仮硬化が行われる。
具体的には、図12に示すように、硬化対象である接合剤B13に硬化光Cを照射できる位置に硬化用光源9が配置される。上記第1の実施形態と同様、硬化対象である接合剤B13に照射できれば、硬化用光源9の配置位置は図12の位置には限定されない。
この後、接合剤B13に向けて硬化光Cが照射される。本実施形態では、硬化光Cは、接合剤B13が、後工程で位置ズレや角度ズレが生じない強度を有する仮硬化状態となるように照射される。硬化光Cが照射される間、第1保持部5および第2保持部6の位置は、ステップS16の終了時の位置に保たれる。
硬化光Cが照射されると接合剤B13の硬化が進行する。接合剤B13によって仮硬化層14Aが形成されたら、硬化光Cの照射が停止される。
以上で、ステップS17が終了する。
ステップS17の後、ステップS18が行われる。本ステップでは、塗布領域において仮硬化層14Aを除く残余部分に接合剤が塗布される。
操作者は、図13に示すように、ディスペンサー8を用いて、第2面1bと第1面2aとの間の残余部分Rに接合剤B14を導入する。例えば、接合剤B14としては、ステップS14における接合剤B11が用いられてもよい。ただし、接合剤B14は、接合剤B11と同じ硬化型の接合剤であって、硬化後の光学特性が接合剤B11の硬化後の光学特性と同様になる材料であれば、接合剤B11の組成と異なる接合剤が用いられてもよい。例えば、接合剤B14は、接合剤B11と同一の主剤を有し、粘度などが接合剤B11と異なるように調製されてもよい。
残余部分Rに接合剤B14が充填されることで、有効レンズ領域E1bおよび有効プリズム領域E2aが接合剤B14および仮硬化層14Aによって覆われたら、接合剤B14の導入が停止される。
以上で、ステップS18が終了する。
ステップS18の後、ステップS19が行われる。本ステップでは、仮硬化層14Aおよび接合剤B14からなる塗布領域全体の接合剤の本硬化が行われる。
具体的には、図14に示すように、硬化対象である仮硬化層14Aおよび接合剤B14に硬化光Cを照射できる位置に、硬化用光源9が配置される。上記第1の実施形態と同様、硬化対象の仮硬化層14Aおよび接合剤B14に硬化光Cを照射できれば、硬化用光源9の配置位置は図14の位置には限定されない。
この後、仮硬化層14Aおよび接合剤B14に向けて硬化光Cが照射される。本実施形態では、硬化光Cは、仮硬化層14Aおよび接合剤B14の全体が実用上必要な接合強度を有する硬化状態となるように、硬化光Cが照射される。硬化光Cが照射される間、第1保持部5および第2保持部6の位置は、ステップS16の終了時の位置に保たれる。
硬化光Cが照射されると仮硬化層14Aおよび接合剤B14の硬化が進行する。仮硬化層14Aおよび接合剤B14の全体が硬化すると、接合剤層14が形成される。この結果、レンズ1とプリズム2とが接合された光学部品13が製造される。
以上で、ステップS19が終了する。
ステップS19が終了した後、上記第1の実施形態と同様、オートコリメーター7により相対角度の測定が行われることによって、接合剤層14の形成後の相対角度が目標相対角度に対する許容範囲内であるか、光学部品13が検査されてもよい。
ただし、光学部品13の検査は、光学部品13が第1保持部5および第2保持部6から取り外された後、適宜の光学特性を測定する検査装置によって行われてもよい。
以上で、本実施形態の光学部品の製造方法が終了する。
以上説明したように、本実施形態の光学部品の製造方法は、測定領域Mに接合剤が塗布されない状態で相対角度の調整が行われる点と、接合剤の硬化が仮硬化と本硬化とに分けて行われる点とが、上記第1の実施形態と異なる。
このため、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、複数の部品を接合剤で接合して光学部品を製造する場合に、部材間の相対角度の精度を向上することができる。
さらに、本実施形態によれば、相対角度の調整時に、接合剤が塗布されていない測定領域Mにおける反射光によって、オートコリメーター7による角度測定が行えるため、例えば、調整中に第2面1bの姿勢などが変化しても第2面1bに対する相対角度を確実に測定できる。
さらに、本実施形態によれば、相対角度の調整が終了した後、接合剤の仮硬化によって、第1の部材と第2の部材との位置関係が仮固定された状態で、塗布領域全体における接合剤の本硬化が行われる。このため、接合剤全体が未硬化の状態から硬化する場合に比べて、硬化収縮による第1の部材と第2の部材との相対位置および相対姿勢の変化が起こりにくい。このため、接合剤の硬化の影響による光学部品の光学特性の低下を抑制できる。
本実施形態によれば、接合剤の硬化を仮硬化と本硬化とに分けることによって、接合剤の塗布領域が広い場合にも、接合剤の硬化ムラを低減できる。この点でも、硬化収縮による第1の部材と第2の部材との相対位置および相対姿勢の変化が起こりにくいため、光学部品の光学特性が向上される。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態の光学部品の製造方法について説明する。
図15は、本発明の第3の実施形態の光学部品の製造方法の一例を示すフローチャートである。図16、17は、本発明の第3の実施形態の光学部品の製造方法における工程説明図である。
本実施形態の光学部品の製造方法において、製造可能な光学部品は、上記第1の実施形態の光学部品の製造方法において製造される光学部品と同様である。
以下では、本実施形態の光学部品の製造方法について、図1に示す光学部品23が製造される場合の例で、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
図1に示すように、光学部品23は、上記第1の実施形態における光学部品3のプリズム2に代えて、プリズム22(第2の部材、光学部材)を備える。
プリズム22は、上記第1の実施形態のプリズム2の第2面2bに代えて、第2面22b(光学面、第2の参照面)を備える。プリズム22において、第2面1bと第2面22bとのなす角α’は、プリズム2において第1面2aと第2面2bとのなす角αよりも大きい。
本実施形態の光学部品の製造方法は、図15に示すステップS21〜S29を図15に示すフローにしたがって実行することで行われる。
ただし、ステップS21が開始されるまでに、上記第1の実施形態と同様の準備が行われる。
例えば、レンズ1およびプリズム22が製造される。例えば、レンズ1およびプリズム22の仕上がり形状に基づいて、本実施形態における目標相対角度α’0が求められる。
例えば、上記第1の実施形態の組立用装置に代えて、本実施形態の組立用装置が準備される。
図16に示すように、本実施形態の組立用装置では、上記第1の実施形態のオートコリメーター7に代えて、オートコリメーター27A、27B(角度測定器)が用いられる。
オートコリメーター27Aは、後述する基準軸線とレンズ1の第2面1bとのなす角を測定するために、第1の位置に配置して用いられる。オートコリメーター27Aは光軸Om1(第1の測定軸線)に沿って平行光L20Aを出射する。
オートコリメーター27Bは、後述する基準軸線とプリズム22の第2面22bとのなす角を測定するために、第2の位置に配置して用いられる。ただし、オートコリメーター27Bは、基準軸線と第2面22bとなす角を間接的に測定する。オートコリメーター27Bは光軸Om2(第2の測定軸線)に沿って平行光L20Bを出射する。
オートコリメーター27A、27Bは、図示略の演算処理装置に接続されている。演算処理装置は、オートコリメーター27A、27Bによって測定された角度を演算処理することによって、後述する相対角度α’を算出できるようになっている。算出された相対角度α’は図示略の表示部に表示される。
図15に示すように、ステップS21では、基準軸線Zが設定される。
ステップS21よりも前に行われるレンズ1の検査において、レンズ1の光軸O1とレンズ側面1cとの関係が測定される。光軸O1の位置は、例えば、レンズ側面1cを測定基準として、偏心測定器などによって測定されてもよい。
本ステップでは、図16に示すように、上記第1の実施形態と同様に、第1保持部5によってレンズ1が保持される。操作者は、レンズ1の検査によって取得されたレンズ1の情報に基づいて、光軸O1が鉛直軸に平行になるように、第1保持部5による保持姿勢を調整する。第1保持部5に保持されたレンズ1の光軸O1は、基準軸線Zに設定される。
図16にはプリズム22が図示されているが、本ステップでは、プリズム22はレンズ1の第2面1bの上方から退避されている。
以上で、ステップS21が終了する。
ステップS21の後、ステップS22が行われる。本ステップでは、基準軸線Zと第1の参照面とのなす第1の角が測定される。
具体的には、レンズ1の上方において、オートコリメーター27Aにおける光軸Om1が基準軸線Zに平行となる姿勢で、オートコリメーター27Aが配置される(第1の位置)。本実施形態では、一例として、光軸Om1は、基準軸線Zと同軸とされている。
このような第1の位置におけるオートコリメーター27Aと測定対象との距離は、例えば、装置座標系におけるオートコリメーター27Aの位置から算出可能である。第1の位置におけるオートコリメーター27Aと測定対象との距離は図示略の演算処理部に記憶される。
操作者は、オートコリメーター27Aから平行光L20Aを出射させる。平行光L20Aによる第2面1bからの反射光L21Aの戻り位置から、基準軸線Zと第2面1bとのなす角φ1(第1の角)が測定される。本実施形態では、角φ1は、加工誤差がなければ、0°である。
測定された角φ1は、図示略の演算処理装置に送出される。
以上で、ステップS22が終了する。
ステップS22の後、ステップS23が行われる。本ステップでは、基準軸線Zを基準として、第1の部材と第2の部材との位置調整が行われる。
具体的には、図16に示すように、第2の部材であるプリズム22は、第1面2aを水平にした状態で、第2保持部6によって保持される。操作者は、第2保持部6の第2移動機構を操作することにより、プリズム22を、レンズ1の上方に移動する。操作者は、第1保持部6の保持中心軸線が基準軸線Zと同軸になるように、第2の移動機構によって、プリズム22の姿勢を調整する。
この後、操作者は、第2保持部6によって、プリズム22が上記第1の実施形態と同様の設計上の接合位置に移動するように、プリズム22を下降させる。
以上で、ステップS23が終了する。
ステップS23の後、ステップS24が行われる。本ステップでは、第2の位置における角度測定器の第2の測定軸線が設定される。
オートコリメーター27Bにおける第2の測定軸線である光軸Om2は、第2の参照面である第2面22bの法線Nに合わせて設定される。具体的には、第2面22bと対向するプリズム22の斜め上方において、オートコリメーター27Bが配置される。オートコリメーター27Bは、保持治具である図示略の調整ステージによって保持される。調整ステージによって保持されたオートコリメーター27Bの光軸Om2の位置・姿勢は、第1保持部5および第2保持部6に共通の装置座標系に関係づけられている。
操作者は、調整ステージによって、オートコリメーター27Bにおける光軸Om2が第2面22bに垂直に入射するようにオートコリメーター27Bの姿勢を調整する。この調整は、オートコリメーター27Bから平行光L20Bを出射させて、平行光L20Bによる第2面2bからの反射光L21Bの戻り位置が光軸Om2上になるようにすればよい。
このようにして、オートコリメーター27Bは、光軸Om2が第2面22bの法線Nと平行な状態で、第2面22bの上方の第2の位置に配置される。
このような第2の位置におけるオートコリメーター27Bと測定対象との距離は、例えば、装置座標系におけるオートコリメーター27Bの位置から算出可能である。第2の位置におけるオートコリメーター27Bと測定対象との距離は図示略の演算処理部に記憶される。
基準軸線Zと光軸Om2とのなす角βは、装置座標系における第1保持部5およびオートコリメーター27Bを保持する調整ステージの移動量の情報から算出できる。このため、光軸Om2と平面とのなす角は、角βを介して基準軸線Zと平面とのなす第2の角に換算できる。
本実施形態の組立用装置では、第1保持部5および調整ステージの移動量は、上述の演算処理装置に送出される。演算処理装置では、送出された移動量の情報に基づいて、光軸Om2と平面とのなす角を、基準軸線Zと平面とのなす角に換算する換算式を生成する。
以上で、ステップS24が終了する。
ステップS24の後、ステップS25、S26、S27がこの順に行われる。ステップS25、S26、S27は、第2の部材として、プリズム22が用いられる以外は、上記第1の実施形態におけるステップS4、S5、S6とそれぞれ同様の動作が行われる。
このようにして、図17に示すように、レンズ1の第2面1bとプリズム22の第1面22aとの間に、接合剤B2が塗布される。
ステップS27の後、ステップS28が行われる。本ステップでは、基準軸線Zと第2の参照面とのなす第2の角を含む測定値に基づいて、レンズ1とプリズム22との相対角度の調整が行われる。
ステップS22において、基準軸線Zと第2面1bとのなす角φ1が測定されている。このため、レンズ1とプリズム22との間の相対角度α’を表す第2面1bと第2面22bとのなす角度は、角φ1である第1の角と、角βと光軸Om2と第2面22bとのなす角φ2とから換算される第2の角と、に基づいて求められる。角φ2は、光軸Om2と、第2面2bの法線Nと、のなす角であるため、光軸Om2に対する第2面22bからの反射光L22のなす角φ3の半分である。
本実施形態では、オートコリメーター27Bが角φ3を測定すると、上述の演算処理装置によって、相対角度α’が算出される。相対角度α’の算出値は、角φ1、φ2、φ3とともに演算処理装置の演算結果を表示する図示略の表示部に表示される。
本ステップでは、操作者は、図示略の表示部に表示される相対角度α’が、目標相対角度α’0になるように、第2保持部6によってプリズム22の姿勢を調整する。
図示略の表示部に表示される相対角度α’が、目標相対角度α’0になったら、ステップS28が終了する。
ステップS28のあと、ステップS29が行われる。本ステップは、上記第1の実施形態におけるステップS7と同様の動作が行われる。
接合剤B2が硬化すると、接合剤層4が形成される。この結果、レンズ1とプリズム22とが接合された光学部品23が製造される。
以上で、ステップS29が終了する。
ステップS29が終了した後、オートコリメーター27A、27Bによって、上記と同様にして、相対角度α’の測定が行われることによって、接合剤層4の形成後の相対角度α’が目標相対角度α’0に対する許容範囲内であるか、光学部品23が検査されてもよい。
ただし、光学部品23の検査は、光学部品23が第1保持部5および第2保持部6から取り外された後、適宜の光学特性を測定する検査装置によって行われてもよい。
以上で、本実施形態の光学部品の製造方法が終了する。
以上説明したように、本実施形態の光学部品の製造方法では、基準軸線Zとレンズ1の第2面1bの法線とのなす角φ1がオートコリメーター27Aによって測定される。さらに光軸Om2とプリズム22の第2面22bとのなす角φ2は、オートコリメーター27Bによって測定される。このような角φ1、φ2に基づいて、レンズ1とプリズム22との相対角度α’が算出されることで、操作者は、相対角度α’を目標相対角度α’0に調整することができる。
このため、本実施形態の光学部品の製造方法は、複数の部品を接合剤で接合して光学部品を製造する場合に、部材間の相対角度の精度を向上させることができる。
特に、本実施形態では、上記第1の実施形態に比べて、第1の参照面と第2の参照面とのなす角が大きい場合にも、相対角度α’が容易に測定される。
例えば、基準軸線に対する第2面1bと第2面2bとの角度を単一の角度測定器によって、測定する場合、基準軸線に対する第2面1bと第2面2bとの両方の傾斜角度が角度測定器の測定範囲内であることが必要である。オートコリメーターのような精密な角度測定器は、測定範囲が狭いことが多い。このため、第2面1bと第2面2bとの角度の差が大きい場合には、相対角度の調整が困難になる。
本実施形態では、それぞれの角度を、互いに異なる第1の位置と第2の位置とにそれぞれ第1の測定軸線、第2の測定軸線を有するオートコリメーター27A、27Bによって測定する。このため、第2面1bと第2面2bとの角度の差が大きい場合でも、第1の測定軸線と第2の測定軸線とのなす角βを大きくとることで、オートコリメーター27A、27Bのそれぞれに必要な角度測定範囲が狭められる。
このため、オートコリメーター27A、27Bによって、相対角度α’が高精度に測定される。
さらに本実施形態によれば、基準軸線Zがレンズ1の光軸O1に設定されるため、レンズ1の第1面1aに加工誤差があっても、相対角度α’が精度よく測定される。
なお、上記各実施形態の説明では、一例として、光学部品として、第1の部材と第2の部材とが接合される場合の例で説明した。光学部品において3以上の部材が接合される場合には、互いに接合し合う2つの部材に対して、上記各実施形態の光学部品の製造方法を順次用いることで、上記と同様にして、光学部品が製造できる。
上記第1および第2の実施形態の説明では、基準軸線Zを第2面1bの法線に設定した場合の例で説明した。しかし、第1および第2の実施形態においても、基準軸線Zがレンズ1の光軸O1に設定されてもよい。
上記第1および第2の実施形態の説明では、第1面1aに加工誤差がない場合の例で説明したため、第2面1bの法線に設定された基準軸線Zが光軸O1と同軸の例になっている。しかし、レンズ1の第2面1bは、光軸O1と直交している必要ない。この場合には、基準軸線Zは、光軸O1と交差する方向に延びることになる。
上記第3の実施形態の説明では、基準軸線が第1の部材の光軸に設定される場合の例で説明した。しかし、基準軸線は、例えば、第1の部材の外形基準面の中心軸などの光軸とは異なる軸線に設定されてもよい。
上記各実施形態の説明では、第1の参照面および第2の参照面が平面からなる場合の例で説明した。しかし、第1の参照面および第2の参照面は、角度測定器によって、角度が測定できる面であれば、平面には限定されない。例えば、第1の参照面および第2の参照面は、凸面、凹面などでもよい。
上記第3の実施形態の説明では、角度測定器として、2台のオートコリメーター27A、27Bが用いられる場合の例で説明した。しかし、より広い相対角度の測定範囲を確保するために、3以上の角度測定器が用いられてもよい。
上記第3の実施形態の説明では、角度測定器として、オートコリメーター27A、27Bが用いられる場合の例で説明した。しかし、第3の実施形態では、オートコリメーター27A、27Bが同時には角度測定に用いられない。このため、角度測定器を高精度に移動可能に保持することで、1つの角度測定器を複数の基準軸線上に移動可能にすることによって、同様な角度測定が行われてもよい。
以上、本発明の好ましい各実施形態を説明したが、本発明はこれらの各実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 レンズ(第1の部材、光学部材)
1a 第1面(光学面)
1b 第2面(光学面、第1の接合面、第1の参照面)
2、22 プリズム(第2の部材、光学部材)
2a 第1面(光学面、第2の接合面)
2b、22b 第2面(光学面、第2の参照面)
3、13、23 光学部品
4、14 接合剤層
7、27A、27B オートコリメーター(角度測定器)
8 ディスペンサー
9 硬化用光源
14A 仮硬化層
B1、B2、B3、B11、B12、B13、B14 接合剤
C 硬化光
E1b 有効レンズ領域
E2a 有効プリズム領域
L1 入射光
L2、L4、L5 出射光
L3 屈折光
L10、L20A、L20B 平行光
L11、L12、L13、L21A、L21B 反射光
M 測定領域
N 法線
O1、O2 光軸
Om 光軸(測定軸線)
Om1 光軸(第1の測定軸線)
Om2 光軸(第2の測定軸線)
P1、P2 部分塗布領域
R 残余部分
Z 基準軸線
α、α’ 相対角度
α0、α’0 目標相対角度
φ1 角(第1の角)

Claims (7)

  1. 第1の接合面を有する第1の部材と、第2の接合面を有する第2の部材との相対角度を調整して接合するために、前記相対角度を測定するための基準軸線を設定することと、
    前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に塗布領域に接合剤を塗布することと、
    前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に前記接合剤が塗布された状態で、前記第2の部材に含まれる第2の参照面と前記基準軸線とのなす第2の角を角度測定器によって測定することと、
    前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に前記接合剤が塗布された状態で、前記第2の角が含まれる、前記角度測定器による測定値に基づいて、前記第1の部材に対して前記第2の部材を相対移動することによって、前記相対角度を調整することと、
    を含む、光学部品の製造方法。
  2. 前記基準軸線を設定する際に、
    前記角度測定器によって、前記第1の部材に含まれる第1の参照面の法線に合わせて前記基準軸線を設定する、
    請求項1に記載の光学部品の製造方法。
  3. 前記第1の接合面と前記第2の接合面との間に前記接合剤が塗布された状態で、前記第1の部材に含まれる第1の参照面と前記基準軸線とのなす第1の角を、前記基準軸線に対して第1の位置に配置された状態の前記角度測定器によって測定することを、さらに含み、
    前記第2の角は、前記第1の位置とは異なる第2の位置に配置された状態の前記角度測定器によって測定され、
    前記相対角度を調整する際に用いられる前記測定値には、前記第1の角の情報と、前記第2の角の情報とが含まれる、
    請求項1に記載の光学部品の製造方法。
  4. 前記接合剤を塗布することは、
    前記角度測定器によって前記測定値を測定する前に、前記塗布領域の一部に前記接合剤を部分塗布することと、
    前記相対角度を調整した後に、前記塗布領域の残余部分全体に前記接合剤を塗布することと、
    を含み、
    前記角度測定器が使用される際に、
    前記角度測定器は、前記塗布領域において前記接合剤が部分塗布される領域と対向しない部位において測定が行えるように、配置されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部品の製造方法。
  5. 前記接合剤を部分塗布した後、部分塗布された前記接合剤の硬化を進行させる仮硬化を行うことと、
    前記塗布領域の前記残余部分全体に前記接合剤を塗布した後、前記塗布領域における前記接合剤の全体を硬化させる本硬化を行うことと、
    をさらに含む、請求項4に記載の光学部品の製造方法。
  6. 前記角度測定器は、オートコリメーターである、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学部品の製造方法。
  7. 前記基準軸線を設定する前に、
    前記第1の部材と前記第2の部材との相対位置を位置合わせすること
    をさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学部品の製造方法。
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