JP2006185994A - 光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小な光学部品同士を高い精度で位置調整でき、かつ容易に接合することが可能な光学素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】第1の部品11と第2の部品13とを有する光学素子10の製造方法であって、第1の部品11の上に、光学的に透明な部材を有する接合層32、及び第2の部品13を順次載置する載置工程と、接合層32上で第2の部品13を移動させることにより、第1の部品11上における第2の部品13の位置を修正する位置修正工程と、位置修正工程において修正された第1の部品11上の位置に第2の部品13を固着する固着工程と、を含む。
【選択図】 図3
【解決手段】第1の部品11と第2の部品13とを有する光学素子10の製造方法であって、第1の部品11の上に、光学的に透明な部材を有する接合層32、及び第2の部品13を順次載置する載置工程と、接合層32上で第2の部品13を移動させることにより、第1の部品11上における第2の部品13の位置を修正する位置修正工程と、位置修正工程において修正された第1の部品11上の位置に第2の部品13を固着する固着工程と、を含む。
【選択図】 図3
Description
本発明は、光学素子の製造方法、特に、微小な光学部品を接合することにより構成される光学素子の製造方法の技術に関する。
近年、エレクトロニクス分野において、光学技術の応用により付加価値を高める手法が盛んに取り入れられている。光学分野においては、機器の小型化や高付加価値化に対応するために、微小な光学素子を用いて新たな効果を得ようという思想が広まりつつある。複数の光学部品で微小な光学素子を構成する場合、微小な光学部品を接合する工程が必要になる。例えば、光を効率良くかつ正確に導くことが可能な光学素子を得るために、光学部品を高い精度で位置調整する必要がある場合が多い。微小な光学部品を高い精度で位置調整することは、きわめて困難であると考えられる。また、光学部品には汚れやキズに弱いものが多い上、微小な光学部品は軽量で紛失し易いことからも、取り扱いが難しいと考えられる。このため、微小な光学部品を接合するためには、作業者に高度な技能や負荷を要する場合や、多くの作業時間及びコストを要する場合がある。微小な光学部品同士を高い精度で位置調整しながら接合するために、接合剤の表面張力を用いて光学部品の位置を修正する、いわゆるセルフアライメント工法が提案されている。セルフアライメント工法を用いる技術は、例えば、特許文献1に提案されている。
特許文献1には、接合剤として半田を用いるセルフアライメント工法が開示されている。光学部品である半導体レーザは、光を出射する面とは異なる面を用いて、基板に接合される。これに対して、光学分野では、光学部品同士の接合部分に光を通過させる光学素子も多く用いられる。例えば、光の外部取出し効率を向上するために、光路中に微小な光学素子を配置する場合がある。通常、半田は光を透過させないことから、特許文献1の技術をそのまま適用しても、光学部品同士の接合部分に光を通過させる光学素子を形成することは難しい。また、半田を用いる場合、光学部材は、半田を軟化させる程度の高温にさらされることとなる。このため、特許文献1に提案される技術は、高温に弱い光学部品に適用することが困難であるとも考えられる。このように、従来の技術では、微小な光学部品を接合することが困難である場合があるため問題である。本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、微小な光学部品同士を高い精度で位置調整でき、かつ容易に接合することが可能な光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、第1の部品と第2の部品とを有する光学素子の製造方法であって、第1の部品の上に、光学的に透明な部材を有する接合層、及び第2の部品を順次載置する載置工程と、接合層上で第2の部品を移動させることにより、第1の部品上における第2の部品の位置を修正する位置修正工程と、位置修正工程において修正された第1の部品上の位置に第2の部品を固着する固着工程と、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法を提供することができる。
光学素子は、第1の部品及び第2の部品の少なくとも2つの部品を接合して構成されるものとする。位置修正工程において、接合層上で第2の部品を移動させることにより、第1の部材上における第2の部材の位置を修正する。接合層の表面張力により第2の部品を移動させるセルフアライメント工法を用いると、第1の部品と第2の部品との接続部分で蹴られる光が最小限となるように、光学的な接続を確実に行うことができる。また、光学的に透明な部材を有する接合層を用いることによって、第1の部品と第2の部品との接合部分に光を通過させるような光学素子を容易に形成することができる。接合層に用いる部材としては、光学的に透明、かつ位置修正工程において第2の部品を移動し得る流動性を備えるものであれば良い。このため、接合層には、比較的低温で加熱処理可能、若しくは加熱処理が不要な部材を用いることもできる。従って、高温に弱い光学部品にも本発明を適用することができる。これにより、微小な光学部品同士を高い精度で位置調整でき、かつ容易に接合して光学素子を製造できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、第1の部品の接合面と、第2の部品の接合面とは、形状及び大きさが略同一であることが望ましい。第1の部品及び第2の部品の接合面同士を略同一の形状及び大きさで構成すると、接合層の表面張力によって、第1の部品及び第2の部品の外縁同士が略一致するように第2の部品を移動させることができる。これにより、第1の部品上における第2の部品の位置を、第1の部品及び第2の部品の外縁同士が略一致するように修正することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、固着工程において、接合層を硬化させることにより第2の部品を第1の部品に固着することが望ましい。接合層を用いて第2の部品を第1の部品に固着させることにより、第1の部品と第2の部品とを接合させることができる。また、光学的に透明な部材を有する接合層を用いることから、硬化させた接合層は、光学部品として機能する。これにより、第1の部品、接合層、及び第2の部品を光が透過可能な光学素子を製造できる。
また、本発明の好ましい態様としては、接合層は、光を吸収することにより硬化する光硬化部材を有し、固着工程において、接合層に光を供給することにより接合層を硬化させることが望ましい。光硬化性部材を有する接合層に光を供給することにより、接合層を硬化させることができる。接合層に光硬化性部材を用いると、固着工程における加熱処理が不要である。これにより、高温に弱い光学部品であっても容易に接合することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1の部品及び第2の部品の少なくとも一方は、光を供給する発光部であって、固着工程において、発光部からの光を接合部に供給することが望ましい。第1の部品及び第2の部品の少なくとも一方から光を供給可能であれば、第1の部品と第2の部品との接合を容易に行うことができる。これにより、光学素子を容易に製造することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、接合層は、熱を吸収することにより硬化する熱硬化部材を有し、固着工程において、接合層に熱を供給することにより接合層を硬化させることが望ましい。熱硬化性部材を有する接合層に熱を供給することにより、接合層を硬化させることができる。これにより、第1の部品と第2の部品とを容易に接合することができる。熱硬化性部材として、比較的低い温度で硬化させることが可能な部材を選択することにより、高温に弱い光学部品を用いることもできる。
また、本発明の好ましい態様としては、第1の部品及び第2の部品の少なくとも一方は、熱を供給する発熱部であって、固着工程において、発熱部からの熱を接合部に供給することが望ましい。第1の部品及び第2の部品の少なくとも一方から熱を供給可能であれば、第1の部品と第2の部品との接合を容易に行うことができる。これにより、光学素子を容易に製造することができる。
また、本発明の好ましい態様としては、接合層は、加熱により軟化する熱軟化性部材を有し、位置修正工程において、加熱により軟化した接合層上で第2の部品を移動させ、固着工程において、接合層を冷却することにより接合層を硬化させることが望ましい。熱軟化性部材を有する接合層を加熱することにより、接合層上で第2の部品を移動させることができる。また、接合層を冷却することにより、接合層を硬化させることができる。これにより、第1の部品上における第2の部品の位置を修正し、かつ第1の部品と第2の部品とを容易に接合することができる。熱軟化性部材として、比較的低温で第2の部品を移動させる程度の流動性を確保可能な部材を選択することにより、高温に弱い光学部品を用いることもできる。
また、本発明の好ましい態様としては、位置修正工程において修正された第1の部品上の位置に第2の部品が配置された状態で接合層を除去する接合層除去工程を含むことが望ましい。位置修正工程において第2の部品の位置を修正した状態で接合層を除去すると、第2の部品は、第1の部品との間の摩擦力によって、アライメントされた状態を保持する。そして、第2の部品と第1の部品とを固着することにより、第2の部品がアライメントされた状態で、第1の部品と第2の部品とを接合する。これにより、第1の部品及び第2の部品の接合部分を光が透過可能な光学素子を製造できる。
また、本発明の好ましい態様としては、接合層除去工程において、接合層に含まれる部材を揮発させることで接合層を除去することが望ましい。接合層に含まれる部材を揮発させることにより、第2の部品がアライメントされた状態を保持したまま接合層を除去することができる。また、接合層には、比較的低温で揮発可能な部材や、減圧によって揮発可能な部材を用いることにより、高温に弱い光学部品であっても容易に接合することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る製造方法で製造された光学素子10の斜視構成を示す。光学素子10は、固体光源である発光ダイオード素子(以下、「LED」という。)11からの光を所定の出射方向へ供給する光源装置である。光学素子10は、LED11、接合層12、及びプリズム部13を順次積層して構成されている。LED11は、略矩形の出射面から光を供給する面発光光源である。LED11は、光学素子10を構成する第1の部品である。LED11は、例えば、電極と、発光層と、透明基板とを積層して構成されている。
接合層12は、光学的に透明な部材で構成されている。プリズム部13は、四角錐形状を有する。プリズム部13は、光学素子10を構成する第2の部品である。プリズム部13は、光学的に透明な硝子部材や樹脂部材により構成されている。LED11を単独で用いる場合、LED11と空気との界面で光が全反射することにより、光がLED11の内部に取り込まれる場合がある。LED11の出射側に接合層12及びプリズム部13を設けることで、LED11からの光をプリズム部13へ進行させ、LED11の内部に取り込まれる光を低減することができる。また、プリズム部13の斜面で光を屈折させることにより、所定の出射方向へ進行する光を増加することができる。
LED11からの光のうち一部の光は、プリズム部13の界面で全反射することにより、LED11の方向へ戻る。ここで、LED11の電極に高反射性の金属部材を用いることにより、LED11へ戻った光をプリズム部13の方向へ反射させることができる。光学素子10は、プリズム部13を設けることにより、LED11からの光を所定の出射方向へ効率良く進行させることができる。光学素子10は、所定の方向へ光を供給するための光源装置として有用であり、例えばプロジェクタの光源装置に用いることができる。
図2は、第1の部品であるLED11の接合面S1と、第2の部品であるプリズム部13の接合面S2とを説明するものである。ここでは接合面S1、S2の説明のために、接合層12の図示を省略している。接合面S1は、LED11の出射面である。接合面S2は、プリズム部13の入射面である。接合面S1及び接合面S2は、接合層12を介して互いに接合している。接合面S1と接合面S2とは、略同一の矩形形状、及び略同一の大きさを有する。また、LED11とプリズム部13とは、接合面S1の外縁と接合面S2の外縁とが略一致するように接合されている。接合面S1の外縁と接合面S2の外縁とを略一致させることにより、LED11とプリズム部13との間から損失する光を低減することができる。
図3は、光学素子10の製造手順を説明するものである。まず、工程aにおいて、第1の部品であるLED11の上に、接合層32を載せる。接合層32は、光学的に透明、かつ光を吸収することにより硬化する光硬化性部材を有する。工程aにおいて、接合層32は、光を照射する前の状態であって、流動性を有する液体状態をなしている。接合層32には、例えば、透明かつ光硬化性を備える樹脂部材を用いることができる。
次に、工程bにおいて、接合層32の上に、第2の部品であるプリズム部13を載せる。プリズム部13は、液体である接合層32に浮遊させるように載せる。工程a及び工程bは、第1の部材であるLED11の上に、接合層32及び第2の部品であるプリズム部13を順次載置する載置工程である。なお、工程bにおいて、接合層32におけるプリズム部13の浮遊を促すために、接合層32に振動を与えることとしても良い。
工程cでは、接合層32にプリズム部13を載せた状態で一定時間、例えば2〜3秒間放置する。このとき、プリズム部13は、接合層32の表面張力の作用により、接合層32上を移動する。そして、プリズム部13は、プリズム部13の接合面S2(図2参照)の外縁と、LED11の接合面S1の外縁とが略一致する位置で止まる。工程cは、接合層32上でプリズム部13を移動させることにより、LED11上におけるプリズム部13の位置を修正する位置修正工程である。
プリズム部13の位置の修正には、接合層32の表面張力の作用によりプリズム部13をアライメントする、いわゆるセルフアライメント工法を用いている。接合層32の表面張力によりプリズム部13を移動させるためには、プリズム部13とLED11との間に生じる摩擦力に対して、接合層32の表面張力が十分に大きい必要がある。また、接合層32は、プリズム部13を移動させ得る流動性を備える必要がある。
LED11の接合面S1、及びプリズム部13の接合面S2について、形状及び大きさを略同一とすると、接合層32の表面張力は、接合面S1の外縁と接合面S2の外縁とが一致する状態でつり合う。プリズム部13は、平面上の位置のずれや回転ずれのみならず、立体的な傾きずれも修正することが可能である。このようにして、光学測定機器等を用いた精緻な位置調整を行うこと無く、プリズム部13の位置のずれを自動的に修正することができる。
次に、工程dにおいて、接合層32に光Lを供給することにより、接合層32を硬化させる。接合層32を硬化させることにより、プリズム部13をLED11に固着する。工程dは、工程cにおいて修正されたLED11上の位置にプリズム部13を固着する固着工程である。なお、接合層32に供給する光Lは、接合層32に用いる光硬化性部材を十分に硬化させることが可能な光であれば良く、可視光や紫外光を用いることができる。
接合層32を硬化させることにより、工程eに示すように、液体状の接合層32は、固体状の接合層12に変化する。接合層32を硬化させることにより、プリズム部13をLED11に固着させる。このようにして、LED11とプリズム部13とを接合する。なお、接合層12に気泡が封入されることを防ぐために、減圧環境下において接合層32を硬化させることとしても良い。光学素子10は、以上の製造手順により製造される。
接合層32の表面張力によりプリズム部13を移動させるセルフアライメント工法によると、LED11とプリズム部13との接続部分で蹴られる光が最小限となるように、光学的な接続を確実に行うことができる。また、透明部材を硬化することにより形成された接合層12は、光学部品の一つとして機能させることができる。このため、LED11とプリズム部13との接合部分に光を通過させるような光学素子10を容易に形成することができる。接合層32に光硬化性部材を用いると、固着工程における加熱処理が不要となる。このため、高温に弱い光学部品であっても容易に接合することができる。
これにより、微小な光学部品同士を高い精度で位置調整でき、かつ容易に接合して光学素子10を製造できるという効果を奏する。さらに、LED11とプリズム部13との位置合わせは、短時間、かつ少ない工程により行うことができることから、LED11やプリズム部13の汚染やキズによる劣化を低減することができる。プリズム部13の位置修正を自動的に行うことが可能であるから、作業者に高度な技能や負荷を課す必要が無くなる上、製造工程の自動化も可能である。従って、光学素子10の作業時間やコストを低減することができる。
上記の位置修正工程においてプリズム部13を移動させるためには、プリズム部13とLED11との間に生じる摩擦力に対して、接合層32の表面張力が十分に大きいことが条件となる。接合層32の表面張力は、接合層32に用いる部材の、LED11及びプリズム部13に対する濡れ性に応じて変化する。濡れ性は、液滴と固体とが接する部分における液滴の接線と固体面とがなす接触角の値によって評価される。濡れ性は、LED11及びプリズム部13の表面自由エネルギーに依存する。この他、接合層32の表面張力は、接合層32の厚みにも依存する。プリズム部13とLED11との間に生じる摩擦力は、プリズム部13の重量に依存する。従って、接合層32、LED11及びプリズム部13を構成する各部材の選択や諸条件の設定を適宜行うことにより、プリズム部13のアライメントが可能となる。
プリズム部13の位置修正は、無重力環境下で行うこととしても良い。無重力環境では、プリズム部13の重量を略ゼロとし、プリズム部13とLED11との間に生じる摩擦力を軽減することが可能となる。このため、プリズム部13が比較的重い場合であっても、プリズム部13のアライメントを行うことができる。例えば、上記の載置工程による形成物を入れた筐体を落下させることにより、プリズム部13とLED11との間の摩擦力を軽減することができる。
固着工程において、接合層32へはLED11からの光を供給することとしても良い。第1の部品及び第2の部品の少なくとも一方が光を供給する発光部である場合は、発光部からの光を接合層32に供給することが可能である。光学素子10の製造工程においてLED11から光を供給可能であれば、LED11とプリズム部13との接合を容易に行うことができる。これにより、光学素子10を容易に製造することができる。
光学素子は、LED上で他の部品をアライメントすることによって製造するものに限られない。図4に示すように、他の部品であるロッドインテグレータ41上で、LED43をアライメントすることによって光学素子40を製造しても良い。ロッドインテグレータ41は、硝子や透明樹脂等の透明部材で構成される四角柱形状の構造物である。ロッドインテグレータ41は、LED43からの光を所定の方向へ導くほか、ロッドインテグレータ41の界面で光を全反射することにより、LED43からの光を均一化する。
工程aでは、第1の部品であるロッドインテグレータ41の上に接合層22を載せる。接合層22を載せるのは、ロッドインテグレータ41のうち、LED43からの光が入射する入射面となる面である。次に、工程bにおいて、接合層22の上に、第2の部品であるLED43を載せる。LED43は、予め基板44に実装されている。LED43は、基板44を上に向けた状態で、接合層22の上に載せられる。このように、載置工程において、ロッドインテグレータ41の上に、接合層22及びLED43を順次載置する。
次に、位置修正工程において、接合層22上でLED43を移動させることにより、ロッドインテグレータ41上におけるLED43の位置を修正する。そして、固着工程である工程cにおいて接合層22を硬化させることにより、工程bにおいて修正されたロッドインテグレータ41上の位置にLED43を固着する。液体状の接合層22は、固体状の接合層42に変化する。このようにして、LED43とロッドインテグレータ41とを接合する。光学素子40は、以上の製造手順により製造される。このように、他の部品上でLEDをアライメントする手順によって光学素子を製造することもできる。
第1の部品の接合面と第2の部品の接合面とは略同一の形状、大きさとする構成に限られない。図5及び図6を用いて以下に説明するように、第1の部品と第2の部品とは、それぞれの接合面が異なる形状、又は異なる大きさを有することとしても良い。図5に示す基板51は、略平坦な平面形状をなす第1の部材である。図6に示すように、光学素子50は、基板51の接合面である平面上に複数のプリズム部53を接合して構成されている。このように、基板51の接合面とプリズム部53の接合面とは、形状及び大きさが異なっている。プリズム部53は、四角錐形状をなす第2の部材である。
図5に示すように、基板51には、液状の接合層によって濡れる部分である領域S3と、液状の接合層をはじく部分である領域S4とが設けられている。接合層に親水性の部材を用いる場合、領域S3には親水処理が施される。親水処理は、例えば親水性部材の塗布や親水性部材の膜を形成することにより行うことができる。領域S3は、それぞれプリズム部53を配置する部分であって、プリズム部53の接合面と略同一の矩形形状を有する。これに対して、領域S4には撥水処理が施される。撥水処理は、例えば撥水性部材の塗布や撥水性部材の膜を形成することにより行うことができる。領域S4は、プリズム部53を配置する部分以外の部分に対応している。
光学素子50の製造手順としては、まず載置工程において、基板51の各領域S3に、液体状の接合層52を載置する。接合層52は、表面張力の作用により、領域S3上にとどまる。接合層52上には、プリズム部53を載置する。次に、位置修正工程において、各接合層52上でプリズム部53を移動させることにより、基板51上におけるプリズム部53の位置を修正する。さらに、固着工程において、接合層52を硬化させることにより、基板51上にプリズム部53を固着させる。このようにして、基板51上の領域S3の位置に、正確にプリズム部53を配置することができる。
第1の部品及び第2の部品は、それぞれの接合面が異なる形状、又は異なる大きさを有する場合であっても、一方の部品の接合面に対応して、他方の部品の接合面の一部に所定の処理を施すことにより、位置合わせを行うことができる。なお、基板51上の領域S3及び領域S4は、接合層の性質に応じて、領域S3上に接合層をとどめることができるような処理を施すことが望ましい。例えば、接合層に撥水性の部材を用いる場合、領域S3には撥水処理、領域S4には親水処理が施される。
図7は、本実施例の変形例に係る製造方法を説明するものである。本変形例の製造方法で製造される光学素子70は、上記の光学素子10と同様の構成を有する。本変形例は、接合層62に、熱Hを吸収することにより硬化する熱硬化性部材を用いることを特徴とする。工程a〜工程cは、熱硬化性部材を有する接合層62を用いる以外は、図3の工程a〜工程cと同様である。接合層62には、例えば、透明かつ熱硬化性を備える樹脂部材を用いることができる。
工程dでは、接合層62に熱Hを供給することにより、接合層62を硬化させる。接合層62を硬化させることにより、プリズム部13をLED11に固着する。工程dは、工程cにおいて修正されたLED11上の位置にプリズム部13を固着する固着工程である。なお、接合層62に供給する熱Hは、接合層62に用いる熱硬化性部材を十分に硬化させることが可能な強度であれば良い。また、位置修正工程から固着工程にかけて、熱Hを徐々に供給することとしても良い。少しずつ熱Hを供給することによって、接合層62は少しずつ硬化する。位置修正工程において接合層62を少しずつ硬化させることで、プリズム部13の位置を徐々に収束させ、正確にプリズム部13をアライメントすることができる。
工程eに示すように、液体状の接合層62は、固体状の接合層72に変化する。接合層62を硬化させることにより、プリズム部13をLED11に固着させる。このようにして、LED11とプリズム部13とを容易に接合することができる。熱硬化性部材として、比較的低温、例えば100度程度の温度で硬化させることが可能な部材を選択することにより、高温に弱い光学部品であっても容易に接合することができる。
固着工程において、接合層62へはLED11からの熱を供給することとしても良い。第1の部品及び第2の部品の少なくとも一方が熱を供給する発熱部である場合は、発熱部からの熱を接合層62に供給することが可能である。光学素子70の製造工程においてLED11から熱を供給可能であれば、LED11とプリズム部13との接合を容易に行うことができる。これにより、光学素子70を容易に製造することができる。
図8は、本発明の実施例2に係る光学素子の製造方法を説明するものである。本実施例の製造方法で製造される光学素子80は、上記実施例1の光学素子10と同様の構成を有する。上記実施例1の光学素子10と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施例は、接合層82に、加熱により軟化する熱軟化部材を用いることを特徴とする。
工程aにおいて、第1の部材であるLED11の上に、接合層82を載せる。接合層82は、光学的に透明、かつ加熱により軟化する熱軟化性部材を有する。工程aにおいて、接合層82は、加熱前のゲル状をなしている。ゲル状とは、接合層82によってプリズム部13を仮接合することが可能な状態であって、高粘性状態や半硬化状態を含む。接合層82には、例えば、透明かつ熱軟化性を備える樹脂部材を用いることができる。また、接合層82は、粒子状の透明樹脂部材に、揮発性の液体を混合して用いても良い。揮発性の液体を混合した接合層82は、樹脂の軟化とともに、液体を気化させる。この他、接合層82には、樹脂部材の軟化とともに、樹脂部材と混合して一体となるような液体を混合しても良い。
次に、工程bにおいて、接合層82の上に、第2の部材であるプリズム部13を載せる。プリズム部13は、ゲル状の接合層82によってLED11上に仮接合される。工程a及び工程bは、第1の部材であるLED11の上に、接合層82及び第2の部品であるプリズム部13を順次載置する載置工程である。
次に、工程cにおいて、加熱により接合層82を軟化させる。接合層82は、ゲル状から、さらに流動性が高い液体状へと変化する。そして、接合層82を液体状として一定時間放置する。プリズム部13は、接合層82の表面張力の作用により、接合層82上を移動する。そして、工程dに示すように、プリズム部13の位置のずれを自動的に修正することができる。工程c及び工程dは、加熱により軟化した接合層82上でプリズム部13を移動させることにより、LED11上におけるプリズム部13の位置を修正する位置修正工程である。なお、接合層82の加熱は、接合層82に用いる熱軟化性部材を軟化して液体状にすることが可能な温度で行えばよい。
次に、工程eにおいて、接合層82を冷却することにより、接合層82を硬化させる。接合層82を硬化させることにより、プリズム部13をLED11に固着する。工程eは、位置修正工程において修正されたLED11上の位置にプリズム部13を固着する固着工程である。接合層82の冷却は、加熱を停止した状態で放置するほか、冷却用空気を供給することによって行うことができる。また、位置修正工程から固着工程にかけて、接合層82を徐々に冷却することとしても良い。少しずつ接合層82を冷却することによって、接合層82は少しずつ硬化する。位置修正工程において接合層82を少しずつ硬化させることで、プリズム部13の位置を徐々に収束させ、正確にプリズム部13をアライメントすることができる。
工程eに示すように、接合層82は、液体状から固体状へと状態が変化する。接合層82を硬化させることにより、プリズム部13をLED11に固着させる。このようにして、LED11とプリズム部13とを容易に接合することができる。熱軟化性部材として、比較的低温、例えば100度程度の温度で硬化させることが可能な部材を選択することにより、高温に弱い光学部品であっても容易に接合することができる。
図9は、本発明の実施例3に係る光学素子の製造方法を説明するものである。本実施例の製造方法で製造される光学素子90は、上記実施例1の光学素子10と同様の構成を有する。上記実施例1の光学素子10と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。本実施例は、接合層92を除去して光学素子90を製造することを特徴とする。接合層92には、光学的に透明、かつ容易に揮発可能な液体である水やアルコール類等を用いることができる。
工程aにおいて、第1の部材であるLED11の上に接合層92を載せる。工程bでは、接合層92の上に、第2の部材であるプリズム部13を載せる。工程a及び工程bは、第1の部材であるLED11の上に、接合層92及び第2の部品であるプリズム部13を順次載置する載置工程である。次に、工程cにおいて、接合層92の上にプリズム部13をおいた状態で一定時間放置する。プリズム部13は、接合層92の表面張力の作用により、接合層92上を移動する。そして、工程dに示すように、プリズム部13の位置のずれを自動的に修正することができる。工程c及び工程dは、接合層92上でプリズム部13を移動させることにより、LED11上におけるプリズム部13の位置を修正する位置修正工程である。プリズム部13を位置調整するために、接合層92には、沸点が作業環境より十分高い液体を用いることが望ましい。
次に、工程eにおいて、接合層92を除去する。工程eは、位置修正工程において修正されたLED11上の位置にプリズム部13が配置された状態で接合層92を除去する接合層除去工程である。接合層92は、揮発によって除去する。接合層92の揮発は、加熱や減圧によって促進することができる。接合層92を揮発させることにより、プリズム部13がアライメントされた状態を保持したまま接合層92を除去することができる。接合層92が除去された後も、プリズム部13は、プリズム部13とLED11との間に働く摩擦力によって、アライメントされた状態を保持する。接合層92には、比較的低温、例えば100度程度の温度や、減圧によって容易に揮発可能な部材を用いることにより、高温に弱い光学部品であっても容易に接合することができる。
さらに、固着工程において、プリズム部13をLED11に固着する。プリズム部13とLED11とは、例えば接着剤により固着することができる。また、プリズム部13を融解させ、プリズム部13とLED11とを融着させることとしても良い。例えば、融点が比較的低い温度、例えば100度程度である樹脂でプリズム部13を構成することにより、プリズム部13とLED11とを容易に融着することができる。この場合、接合層92の蒸散と、プリズム部13及びLED11の融着とを、加熱により同時に行うこととしても良い。このようにして、プリズム部13がアライメントされた状態で、LED11とプリズム部13とを接合する。以上により、LED11及びプリズム部13の接合部分を光が透過可能な光学素子90を製造できる。
本発明の製造方法は、各実施例で説明した光学素子を製造する場合に限らず、微小な光学部品を接合することにより構成される他の光学素子を製造する場合に用いても良い。また、2つの光学部品が接合された光学素子を製造する場合に限らず、3つ以上の光学部品が接合された光学素子を製造することとしても良い。
以上のように、本発明に係る光学素子の製造方法は、微小な光学部品を接合することにより構成される光学素子を製造する場合に有用である。
10 光学素子、11 LED、12 接合層、13 プリズム部、S1、S2 接合面、32 接合層、40 光学素子、41 ロッドインテグレータ、22 接合層、42 接合層、43 LED、44 基板、50 光学素子、51 基板、S3、S4 領域、52 接合層、53 プリズム部、62 接合層、70 光学素子、72 接合層、80 光学素子、82 接合層、90 光学素子、92 接合層
Claims (10)
- 第1の部品と第2の部品とを有する光学素子の製造方法であって、
前記第1の部品の上に、光学的に透明な部材を有する接合層、及び前記第2の部品を順次載置する載置工程と、
前記接合層上で前記第2の部品を移動させることにより、前記第1の部品上における前記第2の部品の位置を修正する位置修正工程と、
前記位置修正工程において修正された前記第1の部品上の位置に前記第2の部品を固着する固着工程と、を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記第1の部品の接合面と、前記第2の部品の接合面とは、形状及び大きさが略同一であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- 前記固着工程において、前記接合層を硬化させることにより前記第2の部品を前記第1の部品に固着することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法。
- 前記接合層は、光を吸収することにより硬化する光硬化性部材を有し、
前記固着工程において、前記接合層に光を供給することにより前記接合層を硬化させることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の製造方法。 - 前記第1の部品及び前記第2の部品の少なくとも一方は、光を供給する発光部であって、
前記固着工程において、前記発光部からの光を前記接合部に供給することを特徴とする請求項4に記載の光学素子の製造方法。 - 前記接合層は、熱を吸収することにより硬化する熱硬化性部材を有し、
前記固着工程において、前記接合層に熱を供給することにより前記接合層を硬化させることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の製造方法。 - 前記第1の部品及び前記第2の部品の少なくとも一方は、熱を供給する発熱部であって、
前記固着工程において、前記発熱部からの熱を前記接合部に供給することを特徴とする請求項6に記載の光学素子の製造方法。 - 前記接合層は、加熱により軟化する熱軟化性部材を有し、
前記位置修正工程において、加熱により軟化した前記接合層上で前記第2の部品を移動させ、
前記固着工程において、前記接合層を冷却することにより前記接合層を硬化させることを特徴とする請求項3に記載の光学素子の製造方法。 - 前記位置修正工程において修正された前記第1の部品上の位置に前記第2の部品が配置された状態で前記接合層を除去する接合層除去工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子の製造方法。
- 前記接合層除去工程において、前記接合層に含まれる部材を揮発させることで前記接合層を除去することを特徴とする請求項9に記載の光学素子の製造方法。
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CN102468407A (zh) * | 2010-11-17 | 2012-05-23 | 青岛杰生电气有限公司 | 一种紫外发光二极管 |
WO2018212094A1 (ja) * | 2017-05-18 | 2018-11-22 | オリンパス株式会社 | 光学部品の製造方法 |
-
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- 2004-12-27 JP JP2004375705A patent/JP2006185994A/ja not_active Withdrawn
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