JP2019117363A - 光学素子組立体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学素子組立体の製造方法において、調整用部材を付加することなく入射光軸に対する出射光軸の設計値からのずれが抑制された光学素子組立体を容易に製造することができるようにする。【解決手段】光学素子組立体の製造方法は、第1光学素子と第2光学素子とを保持すること(S1〜S3)と、未硬化の接着剤を配置すること(S4)と、第1光学素子と第2光学素子とを相対平行移動して接着剤を薄層化すること(S5)と、第1光学素子に対して第2光学素子を相対回転移動させること(S6)と、光学素子組立体の出射面からの検査光の光軸または検査光による出射面からの戻り光の光軸のずれ量を検知すること(S6)と、ずれ量が許容範囲内になったときに相対回転移動を停止させる(S7〜S8)ことと、接着剤を硬化させて接着剤硬化層を形成する(S9)ことと、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子組立体の製造方法に関する。
光学素子として複数の光学素子が接着剤硬化層を介して接合された組立体が知られている。このような組立体では光学素子ごとに製造誤差が発生する。このため、各光学素子の製造誤差の積み上げによって、組立体としての光学性能も変化する。
組立体を構成する光学素子の数が多くなるほど、組立体としての光学性能を満足するために必要な個々の光学素子の許容誤差は小さくなる。このため、場合によっては個々の光学素子の加工能力を超える精度が必要になる。
光学素子の製造誤差をある程度許容できるようにするため、組立体の製造時に光学素子に組み立て調整が行われる場合がある。
例えば、特許文献1には、プリズム組立体の製造工程において入射光軸と出射光軸との設計値からのずれを調整するために、プリズム組立体の一部に楔形プリズムを設けることが提案されている。楔形プリズムは光軸回りの回転調整された後に、プリズム組立体の他のプリズムと接合される。
特許第3735146号公報
しかしながら、上述した従来技術には以下のような問題がある。
特許文献1に記載の技術による調整では、楔形プリズムは、光軸を楔形プリズムの回転軸回りに回転させるために用いられている。しかし、種々の製造誤差に対応して光軸の向きを調整するには、楔形プリズム以外の他のプリズムの姿勢調整も併せて行うことが必要になる。このため、楔形プリズムを含む複数のプリズムを動かして調整しなければならないので、調整作業が複雑になってしまうという問題がある。
さらに、特許文献1に記載の技術では、設計上は必要ない楔形プリズムを備えるため、部品コストが増大してしまう。同様に、特許文献1に記載の技術では、プリズム組立体の小型化が難しくなるおそれがある。
特に、製造誤差の補正に必要な楔形プリズムは薄肉となるため、製造が難しい点でも特に高価につくおそれがある。このような薄肉の楔形プリズムは製造できたとしても、薄肉の楔形プリズムは回転調整する際の保持および駆動が難しくなるという問題もある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、調整用部材を付加することなく入射光軸に対する出射光軸の設計値からのずれが抑制された光学素子組立体を容易に製造することができる光学素子組立体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の光学素子組立体の製造方法は、第1光学素子の光学面の1つである第1接合面と、第2光学素子の光学面の1つであり前記第1接合面と接着剤硬化層を介して接合される第2接合面と、が互いに離間して対向するように、基準軸線上に前記第1光学素子と前記第2光学素子とを保持することと、前記第1接合面と前記第2接合面との間に未硬化の接着剤を配置することと、前記第1接合面と前記第2接合面との間に前記接着剤が配置された後、前記接着剤の層厚が一定になるように前記基準軸線に沿って前記第1光学素子と前記第2光学素子とを相対平行移動して前記接着剤を薄層化することと、前記接着剤が薄層化された後、前記第2光学素子の前記第2接合面における設計上の軸上光束の略中心に位置する面上点を中心として、前記第2接合面が前記基準軸線に対して傾動するように、前記第1光学素子に対して前記第2光学素子を相対回転移動させることと、前記第2光学素子を相対回転移動させる際に、前記第1光学素子と前記第2光学素子とを含む前記接着剤が未硬化の状態の光学素子組立体に設計上の入射光路に沿って検査光を入射させ、設計上の前記軸上光束の光軸に対する、前記光学素子組立体の出射面からの前記検査光の光軸または前記検査光による前記出射面からの戻り光の光軸のずれ量を検知することと、前記ずれ量が許容範囲内になったときに、前記第2光学素子の相対回転移動を停止させることと、前記第2光学素子の前記相対回転移動の停止後に、前記第1光学素子および前記第2光学素子を保持した状態で、前記接着剤を硬化させて前記接着剤硬化層を形成することと、を含む。
上記光学素子組立体の製造方法では、前記第1接合面と前記第2接合面との間に未硬化の前記接着剤を配置する前に、前記第1光学素子を保持した状態で、前記第2光学素子の前記第2接合面を前記第1接合面に当接させることによって、前記第2光学素子の姿勢調整を行うことと、前記第2光学素子の姿勢調整が行われた後、前記第2光学素子を前記第1光学素子に対して相対平行移動させて、前記第1光学素子と前記第2光学素子とを離間させることと、をさらに含んでもよい。
上記光学素子組立体の製造方法では、前記第1光学素子と前記第2光学素子とは、前記第1光学素子に対して前記第2光学素子を相対回転移動させる間、前記第1光学素子および前記第2光学素子の外周面の移動範囲を規制する筒状体の内部に収容されてもよい。
上記光学素子組立体の製造方法では、前記ずれ量を検知する際に、前記検査光を発生するオートコリメータを用いてもよい。
上記光学素子組立体の製造方法では、前記第1接合面および前記第2接合面は、平面であってもよい。
上記光学素子組立体の製造方法では、前記第1光学素子および前記第2光学素子の少なくとも一方は、プリズムを含んでもよい。
本発明の光学素子組立体の製造方法によれば、調整用部材を付加することなく入射光軸に対する出射光軸の設計値からのずれが抑制された光学素子組立体を容易に製造することができる。
本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法で製造される光学素子組立体の一例を示す模式的な正面図である。 本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法に用いることができる光学素子接合装置の一例を示す模式的な縦断面図である。 本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法の工程説明図である。 本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法の工程説明図である。 本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法の工程説明図である。
以下では、本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法について添付図面を参照して説明する。まず、本実施形態の光学素子組立体の製造方法によって製造される光学素子組立体の一例について説明する。
図1は、本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法で製造される光学素子組立体の一例を示す模式的な正面図である。
なお、各図面は、模式図のため形状や寸法は誇張されている(以下の図面も同じ)。
本実施形態の光学素子組立体の製造方法によって製造される光学素子組立体は、複数の光学素子が接着剤によって接合されて構成されていれば、光学素子の種類、個数に特に制限はない。例えば、光学素子としては、プリズム、レンズ、平行平板、ミラー、偏光素子、フィルタ素子などが挙げられる。
光学素子組立体は、1以上の光学素子で構成された第1光学素子と、1以上の光学素子で構成された第2光学素子と、が接着剤硬化層を介して接合されて構成される。この接着剤硬化層は、第1光学素子の光学面の1つである第1接合面と、第2光学素子の光学面の1つである第2接合面と、の間に形成される。
ここで、第1光学素子および第2光学素子における序数(第1、第2)は、2つの光学素子を区別するために用いられており、設計上の光路における光学素子の配置順序を表しているわけではない。このため、第1光学素子および第2光学素子は、どちらが物体側に配置されてもかまわない。
光学面は、入射光に対する光学作用、例えば、透過、屈折、反射、偏光選択、波長選択などを行う表面または界面である。例えば、光学面は、光学素子の種類に応じて、例えば、プリズム面、レンズ面、平板表面、ミラー面、偏光面、フィルタ表面などであってもよい。
第1接合面および第2接合面は、略同様の面形状であれば、湾曲面でもよいし、平面でもよい。このため、第1接合面および第2接合面の間に介在する接着剤硬化層は、薄膜で構成される。
後述するように本実施形態では、第1接合面および第2接合面の相対位置が調整されるため、接着剤硬化層の層厚は場所によって変化していてもよい。
例えば、図1に示す光学素子組立体4は、本実施形態の光学素子組立体の製造方法によって製造される光学素子組立体の一例である。
光学素子組立体4は、第1プリズム2(第2光学素子)と接合プリズム1(第1光学素子)とを備える。第1プリズム2および接合プリズム1は、接着剤硬化層3を介して互いに接合されている。接着剤硬化層3は、第1プリズム2および接合プリズム1を互いに接着可能な適宜の光透過性の樹脂接着剤の硬化体で構成される。接着剤硬化層3を形成する接着剤の硬化方法は特に限定されない。例えば、接着剤硬化層3を形成する接着剤としては、UV光などのエネルギー線によって硬化されるエネルギー線硬化型樹脂接着剤、加熱によって硬化される熱硬化型樹脂接着剤などが使用されてもよい。
第1プリズム2および接合プリズム1は、どちらが物体側に配置されてもよい。ただし、以下では、一例として、入射光L1が、第1プリズム2に入射し、接合プリズム1から出射光L7として出射される場合の設計上の光路レイアウトに基づいて、光学素子組立体4の設計上の構成が説明される。
光学系の設計においては、光学系に種々の光束を入射させて光線追跡が行われる。これにより、像面において、例えば、収差などの光学特性が最適となるような光学面の配置と、設計上の有効光束である軸上光束の光路、が決定される。軸上光束の主光線である軸上主光線は、軸上光束の光束中心を連ねた軸線であり、軸上光束の光軸である。
このため、以下の説明では、特に断らない限り、入射光L1は設計上の軸上光束であり、入射光L1の光軸は、光学素子組立体4の設計上の光軸に一致している。
第1プリズム2は、入射光L1の入射面である第1面2a(光学面)と、出射面である第2面2b(光学面、第2接合面)と、を備える。第1面2aおよび第2面2bはいずれも平面からなる。
第2面2bは、第1面2aの法線と鋭角をなして傾斜するように形成されている。第2面2bは、第1プリズム2における第2接合面を構成している。
第2面2bは、後述する第1プリズム2において、第1面2aと第2面2bとの間の側方には、プリズム側面2cが形成されている。
プリズム側面2cの形状は特に限定されない。例えば、プリズム側面2cは、円筒面、楕円筒面、角柱面などであってもよい。以下では、一例として、プリズム側面2cが円筒面からなる場合の例で説明する。プリズム側面2cの直径の大きさは、d2である。
第1プリズム2は、例えば、ガラス材料、透明樹脂材料などによって製造される。
入射光L1は、設計意図あるいは光学素子組立体4と組み合わされる他の光学系との関係によっては、第1面2aの中心からずれて入射されてもよい。ただし、本実施形態では、入射光L1の有効径を大きくとれるように、第1面2aの法線に沿って第1面2aの中心に入射する場合の例で説明する。すなわち、入射光L1は、第1プリズム2のプリズム側面2cの中心軸線O2と同軸になるように、第1面2aに入射する。
入射光L1の第1面2aに対する入射角をθiと表すと、θiは0度である。
第1面2aに入射して、第1面2aを透過した入射光L1は、光L2のように、中心軸線O2に沿って直進する。光L2は、第2面2bに到達すると、光L3として、第2面2bを透過する。
以下の光学素子組立体4に関する説明において、光学素子組立体4に固定されたxyz直交座標系が用いられる場合がある。
z軸は、第1面2aの中心を通る法線である。z軸は、第1プリズム2のプリズム側面2cの中心軸線O2と同軸になっている。
z軸の正方向は、第1面2aから第2面2bに向かう方向(図1の左側から右側に向かう方向)である。設計上の光路レイアウトでは、z軸は、第1プリズム2において、光L2の軸上主光線が進む軸線になっている。
y軸は、z軸に直交する軸線のうち、第1面2aおよび第2面2bに平行な軸線である。図1では、y軸の正方向は、紙面奥側から紙面手前側に向かう方向である。
x軸は、z軸およびy軸に直交する軸線である。図1では、x軸の正方向は、下側から上側に向かう方向である。
このように、xyz座標系は、右手系直交座標系である。
接合プリズム1は、第2プリズム1Aと、第3プリズム1Bと、が互いに接合されて形成されている。
第2プリズム1Aおよび第3プリズム1Bは、例えば、ガラス材料、透明樹脂材料などによって製造される。ただし、第2プリズム1Aの材料の屈折率は、第3プリズム1Bの材料の屈折率よりも大きい。第2プリズム1Aの材料の屈折率は、第1プリズム2の材料の屈折率と同じでもよいし、異なっていてもよい。図1に示す例では、一例として、第2プリズム1Aおよび第1プリズム2の材料は互いに異なっている。
第2プリズム1Aは、y軸方向から見て、四辺形状のプリズムである。第2プリズム1Aは、光学面として、第1面1a(第1接合面)、第2面1b、および第3面1cを有する。
第1面1aは、接合プリズム1に光L3を入射させる入射面である。第1面1aは平面からなる。第1面1aは、接着剤硬化層3を介して、第1プリズム2の第2面2bと接合されている。このため、第1面1aは、接合プリズム1の第1接合面を構成している。
第1面1aは、設計上は、一定の層厚を有する接着剤硬化層3を挟んで、第2面2bと平行に配置される。
第2面2bから出射した光L3は、接着剤硬化層3を透過して、第1面1aに入射する。光L3は、第1プリズム2と第2プリズム1Aとの屈折率差に応じて屈折される。図1に示す例では、光L3は、光L2が第1面1aで屈折されることによって、z軸正方向に進むにつれてx軸正方向に向かう斜め方向に進む。
第2面1bは、光L3を内部反射させる光学面である。第2面1bは、第2プリズム1Aと第3プリズム1Bとの接合部の界面によって形成されている。
第2面1bは、第1面1aのz軸正方向側に配置された平面からなる。第2面1bは、第1面1aと同様、y軸に平行に配置されている。ただし、第2面1bのz軸に対する傾斜角は、第1面1aよりも小さくなっている。
このため、光L3は、第2面1bで反射されると、z軸正方向に進むにつれてx軸負方向に向かう斜め方向に、光L4として進む。
第3面1cは、光L4を内部反射させる光学面である。第3面1cは、第2プリズム1Aにおいてx軸負方向側の外表面の一部に形成されている。
第3面1cは、第2面1bのx軸負方向側に配置された平面からなる。第3面1cは、第2面1bと同様、y軸に平行に配置されている。ただし、第3面1cのz軸に対する傾斜角は、第2面1bよりも小さくなっている。
このため、光L4は、第3面1cで反射されると、z軸正方向に進むにつれてx軸正方向に向かう斜め方向に、光L5として進む。光L5は、zx平面内において、z軸に近づく斜め方向に反射される。
第3面1cは、反射率を高めるために、反射コートが施されていてもよい。
第3面1cの反射光である光L5は、第2面1bに到達すると、第2面1bを透過し、光L6として第3プリズム1B内に入射する。このとき、光L6は、第2面1bで屈折されるため、さらにz軸に近づく斜め方向に進む。
第4面1dは、光L6を透過させる平面からなる光学面である。このため、第4面1dは、光L6の透過光からなる出射光L7を出射させる出射面になっている。
第4面1dは、出射光L7が予め決められた出射角θoで出射するように設けられている。例えば、図1に示す例では、第4面1dは、第2面1bのx軸正方向側に配置された平面からなる。第4面1dは、第2面1bと同様、y軸に平行に配置されている。ただし、第4面1dのz軸に対する傾斜角は、第2面1bよりも大きくなっている。
このため、光L6が第4面1dで屈折されることにより、出射光L7は、z軸正方向に進むにつれてx軸正方向に向かう斜め方向に進む。
第2プリズム1Aにおいて第3面1cを除くプリズム側面1eと、第3プリズム1Bにおけるプリズム側面1fと、の形状は特に限定されない。例えば、プリズム側面1e、1fは、円筒面、楕円筒面、角柱面などであってもよい。
以下では、一例として、プリズム側面1e、1fが互いに同軸の円筒面からなる場合の例で説明する。プリズム側面1e、1fの直径は互いに異なっていてもよいが、以下では、直径の大きさがいずれもd1であるとして説明する。
プリズム側面1e、1fの中心軸線O1は、設計上は、z軸と同軸に配置される。
プリズム側面1e、1fの直径の大きさd1と、プリズム側面2cの直径の大きさd2とは、互いに異なっていてもよいし、互いに等しくてもよい。
このような構成により、光学素子組立体4は、zx平面において、z軸に沿って第1面2aから入射した入射光L1を、zx平面内で、図示反時計回りにθoだけ回転された方向に偏向した出射光L7として出射させる光偏向素子になっている。
光学素子組立体4は、このような偏向を実現するために、上述した光路に沿って第1面2a、第2面2b、第1面1a、第2面1b、第3面1c、第2面1b、および第4面1dがこの順に配列されている。
光学素子組立体4は、円筒面からなるプリズム側面2c、1e、1fを外周部に有するため、全体として略円柱状である。
光学素子組立体4は、そのままの状態で、適宜の光学機器に取り付けられてもよいし、適宜のホルダに組み付けられた光学ユニットとして、光学機器に取り付けられてもよい。
例えば、光学素子組立体4が円筒状の鏡筒5の内部に固定されることによって、光学ユニット6が形成されてもよい。この場合、鏡筒5の内周面5aの内径の大きさは、d2およびd1のいずれよりも大きいd5が用いられる。
光学素子組立体4は、外径がd5未満に形成されることによって、鏡筒5の内周面5aの内側に挿入可能となる。光学素子組立体4は、内周面5aとの間に隙間の範囲で、位置決めされた状態で、鏡筒5に固定される。光学素子組立体4の固定方法としては、例えば、接着が用いられる。
光学素子組立体4における光偏向素子としての主な光学性能は、出射光L7の出射角の大きさおよび方向である。出射光L7の出射角の大きさおよび方向は、第1プリズム2および接合プリズム1の製造誤差に起因する光学素子組立体4内の光学面の位置誤差および姿勢誤差が積み上がることによって設計値から変化する。
以下に説明するように、本実施形態の光学素子組立体の製造方法では、光学素子組立体4の製造時に、接合プリズム1と第1プリズム2との相対位置を調整することによって、出射光L7の出射角の大きさおよび方向を許容範囲内に収めている。
次に、光学素子組立体4の製造に用いることができる光学素子接合装置について説明する。
図2は、本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法に用いることができる光学素子接合装置の一例を示す模式的な縦断面図である。
図2に示すように、光学素子接合装置10は、第1保持部11、第2保持部12、ゴニオステージ13、ステージ駆動部14、オートコリメータ15、およびUV光源16を備える。光学素子接合装置10は、さらに、図2では図示略の接着剤塗布手段も備える。
以下では、光学素子接合装置10における相対位置の参照を容易にするため、図2に記載のXYZ座標系が用いられる場合がある。ただし、光学素子接合装置10の配置姿勢はこのような配置姿勢には限定されない。光学素子接合装置10は、XYZ座標系が、適宜方向に回転された向きに配置されてもよい。
Z軸は鉛直軸である。Z軸の正方向は鉛直上方向である。
X軸およびY軸はZ軸に直交する水平面内で、互いに直交する2軸である。図2では、X軸は紙面内で左右方向に延びる座標軸である。X軸の正方向は、図示左側から右側に向かう方向である。Y軸は紙面奥行き方向に延びる座標軸である。Y軸の正方向は、紙面手前側から奥側に向かう方向である。
第1保持部11は、接合プリズム1を保持し、接合プリズム1を少なくともZ軸に沿う方向(Z軸方向)に平行移動する装置部分である。
第1保持部11は、保持スリーブ11A、移動ステージ11B、および駆動部11Cを備える。
保持スリーブ11Aは、スリーブ11a(筒状体)と、底板11dと、を備える。
スリーブ11aは、接合プリズム1と、第1プリズム2の一部と、を内部に収容可能な筒状体からなる。スリーブ11aの内面には、スリーブ11aの中心軸線Cと同軸の円筒面である、第1内周面11bおよび第2内周面11cがこの順に形成されている。
第1内周面11bは、接合プリズム1を中心軸線O1に沿って挿入可能であり、挿入状態で接合プリズム1を中心軸線O1に直交する方向において位置決めする円筒面からなる。このため、第1内周面11bの内径の大きさDbは、プリズム側面1e、1fをz軸方向に移動可能に嵌合する大きさを有する。
第2内周面11cは、接合プリズム1を中心軸線O1に沿って、第1プリズム2を中心軸線O2に沿って、それぞれ挿入できる円筒面からなる。さらに、第2内周面11cは、第2内周面11cの内側において、接合プリズム1および第1プリズム2の製造誤差の補正が可能となる角度範囲で第1プリズム2を傾けることができる内径を有する。
すなわち、第2内周面11cの内径の大きさDcは、片側の調整用の隙間をΔと表し、d1、d2の大きい方をd0とすると、d0<Dc≦d2+2・Δである。
さらに、Dcは、光学素子組立体4を組み立てる鏡筒5の内径の大きさd5以下であることがより好ましい。
底板11dは、第1内周面11bが形成された第1保持部11の端部をふさぐ部材である。底板11dにおいてスリーブ11aの内部には、接合プリズム1の第4面1dに当接して、接合プリズム1を保持する保持面11eが形成されている。保持面11eの形状は、接合プリズム1の中心軸線O1を保持スリーブ11Aの中心軸線Cと同軸に配置できれば、特に限定されない。
例えば、保持面11eは、中心軸線O1に対する第4面1dの傾斜角と、同じ角度だけ中心軸線Cに対して傾斜した平面であってもよい。この場合、第4面1dが保持面11eと密着して当接する状態で、接合プリズム1の中心軸線O1と中心軸線Cとが同軸になる。
移動ステージ11Bは、保持スリーブ11Aの第2内周面11cがZ軸正方向に向かって開口している。移動ステージ11Bは、保持スリーブ11Aの中心軸線CがZ軸と平行になるように保持スリーブ11Aを支持する。さらに、移動ステージ11Bは、保持スリーブ11AをZ軸方向に移動させる。
例えば、移動ステージ11Bは、少なくともZ軸方向に移動自由度を有する直動ステージを含んで構成されてもよい。
駆動部11Cは、図示略の操作部を有している。駆動部11Cは、図示略の操作部を介した操作者からの操作入力に基づいて、移動ステージ11Bを駆動する。
第2保持部12は、第1プリズム2を保持し、少なくとも第1プリズム2の第2面2b上の1点を中心にして、第2接合面である第1面2aが傾動するように、第1プリズム2を相対回転移動させる装置部分である。
第2保持部12は、チャック12A、支持アーム12B、ゴニオステージ13、およびステージ駆動部14を備える。
チャック12Aは、第1プリズム2のプリズム側面2cを着脱可能に保持する。チャック12Aは、第1プリズム2の中心軸線O2が、チャック12Aの保持中心軸線Hと同軸になるように第1プリズム2を保持する。
支持アーム12Bは、チャック12Aを、後述するゴニオステージ13の回動中心と所定の位置関係となるように支持する。ただし、支持アーム12Bは、上述の第1プリズム2と異なる形状の光学素子を同様の所定位置に配置できるようにするために、チャック12Aの支持位置を調整する位置調整機構が設けられていてもよい。このような位置調整機構には、例えば、適宜の移動自由度を有する移動ステージなどが含まれていてもよい。
ゴニオステージ13は、Z軸に平行な軸線上に回動中心Qを有する回動ステージである。ゴニオステージ13の回動方向は、1軸回り方向と、互いに直交する2軸回り方向とが必要に応じて選択できる。例えば、第1プリズム2および接合プリズム1の製造誤差に応じて、1軸回りの回動でも必要な光学特性が得られる調整が可能な場合には、ゴニオステージ13の回動方向は、1軸回り方向でもよい。ただし、ゴニオステージ13の回動方向は、2軸回り方向が可能であることがより好ましい。
ゴニオステージ13は、XY平面に平行な平面上に載置される基台部13Aと、基台部13A上の案内面13aに沿って移動する移動部13Bと、を備える。
移動部13Bには、第2保持部12の支持アーム12Bが立設されている。
案内面13aは、例えば、ゴニオステージ13が1軸回り方向に回動する場合には、回動中心Qを通る回動中心軸を中心とする半径Rの円筒面を有する。
案内面13aは、例えば、ゴニオステージ13が2軸回り方向に回動する場合には、回動中心Qを中心とする半径Rの球面で構成されてもよい。ただし、ゴニオステージ13は、1軸回り方向に回転するゴニオステージをそれぞれの回動中心軸線が回動中心Qにおいて互いに直交するように2段重ねて構成されてもよい。この場合、各ゴニオステージの回動半径は互いに異なる。
以下では、ゴニオステージ13は、2軸回り方向に回動するものとして説明する。具体的には、ゴニオステージ13は、回動中心Qにおいて交差するY軸に平行な軸線回りと、X軸に平行な軸線回りとに回動できるようになっている。
移動部13B上の第2保持部12は、少なくとも後述する調整が開始されるまでには、チャック12Aの保持中心軸線Hの延長線上に回動中心Qが位置するように必要に応じて位置調整される。
図2に示すようなゴニオステージ13における回動の中立位置では、チャック12Aの保持中心軸線HがZ軸と平行に配置される。
ステージ駆動部14は、図示略の操作部を有している。ステージ駆動部14は、図示略の操作部を介した操作者からの操作入力に基づいて、ゴニオステージ13を駆動する。
オートコリメータ15は、第1プリズム2の設計上の光路に検査光Tを入射させ、検査光Tの戻り光T’のずれを検知する装置部分である。本実施形態では、オートコリメータ15は、図示略の支持部によって、移動部13Bの回動に連動して回動できるようになっている。これにより、オートコリメータ15は、第1プリズム2の第1面2aが回動しても、第1面2aに対する検査光Tの入射位置および入射角を同一の状態に保つことができる。
UV光源16は、後述する接着剤の硬化に必要なUV(紫外)光を照射することによって後述する接着剤を硬化させる硬化手段である。本実施形態では、UV光源16は、図示略の保持部によって、Z軸正方向側において第1面2aに対向する進出位置と、第1面2aに対向しない退避位置(図6の二点鎖線参照)と、が切り替え可能に配置されている。図2では、UV光源16が退避位置に配置されている状態が示されている。
UV光源16は、進出位置に配置されると、UV光を中心軸線O2に沿って第1面2aに入射させることが可能である。
次に、光学素子接合装置10を用いて行うことができる本実施形態の光学素子組立体の製造方法について説明する。
図3は、本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法の一例を示すフローチャートである。図4〜6は、本発明の実施形態の光学素子組立体の製造方法の工程説明図である。
本実施形態の光学素子組立体の製造方法の一例は、図3に示すステップS1〜S9を図3に示すフローに従って実行することによって行われる。
ステップS1では、第1光学素子である接合プリズム1が第1保持部11に保持される。
具体的には、図4に示すように、接合プリズム1の第4面1dが保持スリーブ11Aの保持面11eと当接するように、接合プリズム1が第1内周面11bの内側に挿入される。これにより、接合プリズム1は、保持スリーブ11Aの内部に位置決めして保持される。
保持スリーブ11Aは、接合プリズム1が保持スリーブ11Aに保持される以前または以後の適宜の時点で、中心軸線CがZ軸に平行かつゴニオステージ13の回動中心Qを通る位置に配置される。さらに、保持スリーブ11Aは、回動中心Qが第1面1aの面上に位置するように移動される。
このような保持スリーブ11Aの移動は、駆動部11Cへの操作者の操作入力に基づいて、移動ステージ11Bによって行われる。この移動は操作者が移動量を指示するマニュアル動作によって行われてもよい。ただし、操作者が移動開始を指示すると接合プリズム1の設計形状に応じて予め駆動部11Cに予め記憶された配置位置への移動が自動的に行われてもよい。
以上で、ステップS1が終了する。
ステップS1の後、ステップS2が行われる。ステップS2では、第2接合面である第2面2bが、第1接合面である接合プリズム1の第1面1aに当接される。
具体的には、図4に示すように、ゴニオステージ13が中立位置に移動された状態で、第1プリズム2が挿通可能となるようにチャック12Aが開かれる(図4の二点鎖線参照)。この状態で、第2面2bがZ軸負方向に向いた姿勢で第1プリズム2(図4の二点鎖線参照)が保持スリーブ11Aの上部に挿入される。このとき、開いたチャック12Aは、第1プリズム2の挿入ガイドになる。このため、チャック12Aの開口径がプリズム側面2cの外径よりわずかに大きくなるようにしておくことで、第1プリズム2の中心軸線O2が、保持中心軸線Hと略同軸の状態で第1プリズム2が保持スリーブ11A内に挿入される。
第1プリズム2が中心軸線O2回りにずれた状態で挿入されると、第2面2bと第1面1aが面同士で互いに当接することはない。第1プリズム2の中心軸線O2回りの位置が適正に修正されると、図4に実線で示すように、第2面1bおよび第1面1aは平面度の誤差に起因する微小隙間を除いて全面的に互いに当接する。第2面1bと第1面1aとは全面的に当接しているかどうかは、例えば、第1面2aの高さが極小になっているかどうかで判定される。
本実施形態では、第1プリズム2の第2面2bが第1面1aと全面的に当接した状態は第1プリズム2の自重によって維持される。この状態では、第2面2bと中心軸線O1との交点である面上点Pは、回動中心Qに一致している。さらに、中心軸線O1、O2、C、および保持中心軸線Hが互いに同軸に配置されている。
中心軸線Cは、光学素子接合装置10における調整の基準軸線を構成している。
以上で、ステップS2が終了する。
ステップS2の後、ステップS3が行われる。ステップS3では、接合プリズム1と第1プリズム2とが互いに離間するように保持される。
具体的には、移動ステージ11Bによって、保持スリーブ11AがZ軸負方向に移動される。このとき、第1プリズム2は、チャック12Aによって第1保持部11に保持されている。接合プリズム1は、自重によって第1保持部11の保持スリーブ11A内に保持されている。
保持スリーブ11Aの移動量は、第1面1aと第2面2bとの間に後述する接着剤が配置できる隙間が形成されれば、特に制限されない。
本実施形態では、図5に示すように、第1面1aと第2面2bとの間に後述する接着剤塗布ノズル17が挿入できる程度の隙間が形成される。
以上で、ステップS3が終了する。
上述したステップS1〜S3では、全体として、第1接合面と、第2接合面と、が互いに離間して対向するように、基準軸線(中心軸線C)上に第1光学素子と第2光学素子とを保持することが行われている。
ステップS3の後、ステップS4が行われる。ステップS4では、第1面1aと第2面2bとの間に接着剤が配置される。
具体的には、図5に示すように、第1プリズム2と保持スリーブ11Aの上端部との間の隙間から、接着剤18を供給する接着剤塗布ノズル17が挿入される。接着剤塗布ノズル17には、接着剤18を貯留する図示略の接着剤供給部が接続されている。接着剤塗布ノズル17および接着剤供給部は、光学素子接合装置10における接着剤塗布手段を構成している。
接着剤18は、硬化後に接着剤硬化層3を形成する。接着剤18は、第1プリズム2および接合プリズム1を互いに接着可能な適宜の光透過性の樹脂接着剤が用いられる。接着剤18は、例えば、エネルギー線硬化型樹脂接着剤、熱硬化型樹脂接着剤などが用いられてもよい。
本実施形態では、接着剤18がUV硬化型樹脂接着剤である場合の例で説明する。
接着剤18の供給量は、第1面1aおよび第2面2bの有効径の範囲全体に接着剤硬化層3が形成できる適宜量が用いられる。
予め決められた供給量の接着剤18が第1面1a上に供給されたら、接着剤18の供給が停止される。この後、接着剤塗布ノズル17が第1プリズム2と第1保持部11との間から退避される。
以上で、ステップS4が終了する。
ステップS4の後、ステップS5が行われる。ステップS5では、中心軸線Cに沿って接合プリズム1と第1プリズム2とが相対平行移動されることによって接着剤18が薄層化される。
具体的には、図2に示すように、移動ステージ11Bによって、保持スリーブ11AをZ軸正方向に平行移動させる。このような平行移動により第1面1aと第2面2bとは、平行を保った状態で、互いに近づく。これにより、未硬化の接着剤18が第1面1aと第2面2bとに挟まれて、押し伸ばされる。
第1面1aと第2面2bとの間隔が設計上の間隔tになったら、移動ステージ11Bが停止される。間隔tの大きさは、光学素子組立体4に必要な光学特性と、後述する光軸ずれの補正のために必要な第1プリズム2の回動量の範囲で、接着剤18の層厚が0にならない大きさとして、予め決められている。すなわち、接合プリズム1および第1プリズム2が設計通りに製造されていれば、このような配置の光学素子組立体4に入射された軸上光束の光軸は、設計上の光路レイアウトの光軸に一致する。
以上で、ステップS5が終了する。
ステップS5の後、ステップS6が行われる。ステップS6では、未硬化の接着剤18を介して組み立てられた光学素子組立体4の入射光軸に沿って検査光が入射され、光学素子組立体4における光軸のずれを検知しつつ、回動中心Qを中心として第1プリズム2を相対回転移動する動作が行われる。
具体的には、図2に示すように、第1面2aのZ軸正方向側にオートコリメータ15が配置される。オートコリメータ15は、検査光Tの光軸が保持中心軸線Hと同軸になるように図示略の支持部によって支持される。
検査光Tは、軸上光束として、第1プリズム2および接合プリズム1によって、屈折、内部反射を繰り返して進む。
例えば、検査光Tは、第4面1dに達すると、第4面1dで散乱された内部に戻る光が発生する。この光のうち、一部は、第4面1dに至る光路を逆進して、オートコリメータ15に戻る戻り光T’になる。
上述したように、接合プリズム1および第1プリズム2に製造誤差がない場合には、戻り光T’は、設計上の光路を逆進するため、第1面2aから出射する戻り光T’の光軸と、検査光Tの光軸とは同軸になる。この状態は、戻り光T’がオートコリメータ15の光軸に一致することによって検知される。
しかし、光学素子組立体4内のいずれかの光学面に製造誤差がある場合には、検査光Tは設計上の光路からずれる。このため、オートコリメータ15では、戻り光T’の光軸がオートコリメータの光軸からずれていることが検知される。戻り光T’のずれ量は第4面1dからの出射光の出射角のずれ量に換算可能である。
操作者は、オートコリメータ15によって戻り光T’の光軸のずれが検知されたら、光軸のずれ方向およびずれ量に基づいて、ずれ量が減少するように、移動部13Bを回動させる。
以上で、ステップS6が終了する。
ステップS6の後、ステップS7が行われる。ステップS7では、戻り光T’の光軸のずれ量が許容範囲かどうか判定される。
具体的には、光学素子組立体4において許容される出射角のずれ量に対応するオートコリメータ15上で検知される戻り光T’の光軸のずれ量の判定用許容値が予め求められている。操作者は、オートコリメータ15によって検知される戻り光T’の光軸のずれ量を判定用許容値と比較することによって、戻り光T’の光軸のずれ量が許容範囲かどうか判定する。
ずれ量が判定用許容値以下の場合、ステップS8が行われる。
ずれ量が判定用許容値を超える場合、ステップS6が行われる。
ステップS8では、第1プリズム2の相対回転移動が停止される。
具体的には、操作者は、ステージ駆動部14の操作部(図示略)を通して、ゴニオステージ13の回動を停止する操作入力を行う。これにより、第1プリズム2の回動が停止される。
以上で、ステップS8が終了する。
例えば、図6には、第1プリズム2が図示時計回りに回動した状態で、オートコリメータ15で検知された検査光Tの光軸と戻り光T’の光軸とのずれが解消された場合の例が模式的に描かれている。
第1プリズム2は、面上点Pと回動中心Qとが一致するように配置されているため、回動中心Qを中心に回動して、面上点Pは、回動中心Qに一致している。このため、第1面1aと第2面2bとは非平行になっている。
これにより、第1面1aおよび第2面2bに挟まれた未硬化の接着剤18は、面上点PよりもX軸負方向側では、X軸負方向に進むにつれて、接着剤18の層厚が厚くなっている。反対に、面上点PよりもX軸正方向側では、X軸正方向に進むにつれて、接着剤18の層厚が厚くなっている。ステップS5において第1面1aと第2面2bとが間隔tだけ離されているため、最もX軸正方向側の部位でも、接着剤18の層厚が0になることはない。
第1プリズム2は、Z軸負方向側の端部が保持スリーブ11Aの第2内周面11cの内側に挿入されている。第1プリズム2は、第2内周面11cの内側で、中心軸線Cから傾動している。しかし、第2内周面11cの内径の大きさは、上述のDcであるため、第1プリズム2が第2内周面11cと接触することはない。
万一、誤操作などで、ゴニオステージ13の回動量が大きくなりすぎた場合、操作者は、プリズム側面2cが第1保持部11の上端部と接触したことを見て回動量が大きくなりすぎたことを知ることができる。
ステップS8の後、ステップS9が行われる。ステップS9では、接着剤硬化層3が形成される。
具体的には、まず図6に二点鎖線で示すように、UV光源16が進出位置に進出される。その後、UV光源16から第1面2aに向けてUV光が出射される。UV光は、第1面2aから第1プリズム2に入射して、未硬化の接着剤18に照射される。
このようにして、接合プリズム1および第1プリズム2がそれぞれ第1保持部11および第2保持部12によって保持された状態でUV光の照射を続けることによって、接着剤18が完全に硬化された接着剤硬化層3が形成されてもよい。接着剤硬化層3が形成されたら、ステップS9が終了する。このようにして光学素子組立体4が製造される。
光学素子組立体4は、第1保持部11および第2保持部12による保持が解除されることによって、光学素子接合装置10から取り外される。取り外された光学素子組立体4は、必要に応じて検査が行われた後、例えば、鏡筒5などに固定される。
ただし、ステップS9において、UV光の照射は、接着剤18が完全に硬化するまで行われなくてもよい。接着剤18の硬化が進んで、例えば、第1保持部11および第2保持部12からの取り外し時などに作用する外力によって、接合プリズム1と第1プリズム2との間の位置ずれが生じない強度が得られれば、UV光の照射が停止されてもよい。
この場合、接着剤18によって、硬化途中の接着剤硬化層3’が形成される。接着剤硬化層3’が形成されたら、光学素子組立体4は第1保持部11および第2保持部12による保持が解除されることによって、光学素子接合装置10から取り外される。
取り外された光学素子組立体4は、接着剤硬化層3’をさらに硬化させるための硬化処理が行われる。例えば、より高強度のUV光を照射したり、加熱したりする硬化処理が行われる。接着剤硬化層3’の硬化が進んで接着剤硬化層3が形成されると、ステップS9が終了する。このようにして光学素子組立体4が製造される。
このように接着剤18の硬化工程を複数の硬化工程に分ける場合、接着剤硬化層3’から接着剤硬化層3を形成する工程は、光学素子組立体4が光学素子接合装置10から取り外された状態で行える。このため、硬化処理における制約が少なくなって、より効率的な硬化が行える。例えば、第1面2aからのUV光照射ではUV光が当たりにくい箇所にも容易にUV光を照射することが可能になる。例えば、光学素子接合装置10が搬入できない加熱炉であっても、光学素子組立体4のみであれば搬入できる場合がある。例えば、複数の光学素子組立体4を同時に硬化させることも可能になる。
このような硬化方法によれば、接着剤18が完全に硬化するまで、光学素子接合装置10が占有されることなく、他の光学素子組立体4の製造も行えるため、生産性が向上する。
このようにして製造された光学素子組立体4は、接合プリズム1および第1プリズム2に製造誤差がある場合でも、本実施形態の製造方法における接合時の調整によって、入射面および出射面における軸上光束の光軸の設計値に対するずれ量が許容範囲に収められている。具体的には、光学素子組立体4における入射面である第1面2aにおける入射角θiと、出射面である第4面1dにおける出射角θoと、の誤差がそれぞれ許容範囲に収まっている。
以上説明したように、本実施形態の光学素子組立体の製造方法によれば、調整用部材を付加することなく入射光軸に対する出射光軸の設計値からのずれが抑制された光学素子組立体を容易に製造することができる。
例えば、本製造方法では、2つの光学素子が1点を中心として相対回転移動されるだけで、光軸の調整が行われるため、製造装置が簡素化されるとともに、調整が容易になる。
特に、相対回転移動の回動中心として、第2接合面における設計上の軸上光束の中心に位置する面上点が使用されるため、未硬化の接着剤の層厚の変化が面上点を中心として対称的に発生する。このため、接着剤の層厚の変化の予測が容易になる。これにより、第2接合面の移動による接着剤硬化層の層厚の変化が過大になってしまうことによる調整のやり直しなどを防止できるため、迅速な製造が可能である。
例えば、本製造方法では、光学素子組立体4における第1プリズム2、第2プリズム1A、および第3プリズム1Bに製造誤差が含まれていても、光学素子組立体4としての光学性能を容易に向上することができる。
あるいは、光学素子組立体4における第1プリズム2、第2プリズム1A、および第3プリズム1Bにおけるそれぞれ製造誤差の許容値を緩和することができる。これにより、光学素子組立体4における部品製造コストが低減される。
なお、上記実施形態の説明では、接合プリズム1がZ軸方向に移動され、第1プリズム2が回動中心Q回りに回転移動される場合の例で説明した。しかし、それぞれの移動は、接合プリズム1と第1プリズム2との間で相対的に行われればよい。
例えば、第1プリズム2が固定されて、接合プリズム1がZ軸方向に移動されてもよいし、接合プリズム1および第1プリズム2がそれぞれZ軸方向に移動されてもよい。
例えば、第1プリズム2が固定されて、接合プリズム1が回動されてもよい。さらに、接合プリズム1および第1プリズム2がそれぞれ回動されてもよい。
上記実施形態の説明では、ゴニオステージ13の回動中心Qが、第2面2bの面上点Pに一致している場合の例で説明した。しかし、回動中心Qは、面上点Pと一致していなくても、面上点の近傍であれば、一致している場合と略同様な効果が得られる。このため、回動中心Qは、設計上の軸上光束の略中心に位置する面上点に一致していればよい。略中心の範囲は、中心からのずれ量が、軸上光束の有効径、すなわち第2面2bの有効径に対して十分小さければよい。
上記実施形態の説明では、本製造方法の各ステップが、光学素子接合装置10を操作する操作者のマニュアル操作することによって行われる場合の例で説明した。しかし、本製造方法は、光学素子接合装置10あるいは操作者に代わる作業ロボットなどによって、一部または全部が自動的に実行されてもよい。
上記実施形態の説明では、オートコリメータを用いているため、光学素子組立体の光軸のずれ量は、入射面における検査光の光軸と出射面からの戻り光の光軸との比較によって検知される場合の例になっている。しかし、光学素子組立体の光軸のずれ量は、出射面を透過する検査光の光軸の設計値からのずれ量によって検知されてもよい。この場合、例えば、出射面に対向する位置に光センサを配置すれば、検査光の光軸のずれ量が検知可能である。
上記実施形態の説明では、光学素子組立体4が入射光をzx平面内で偏向する光偏向素子の場合の例で説明した。しかし、光学素子組立体が光偏向素子の場合に、光偏向方向は平面内の偏向には限定されない。例えば、光学素子組立体は、入射光の光軸と出射光の光軸とが同一平面に存在しないような偏向を行う光偏向素子であってもよい。
上記実施形態の説明では、光学素子がプリズムのみで構成される光学素子組立体4を製造する場合の例で説明した。しかし、光学素子組立体の光軸のずれ量が検知できれば、光学素子組立体にプリズム以外の光学素子あるいはレンズ面などの光学面が含まれていてもよい。例えば、光学素子組立体に、レンズ面が含まれている場合には、像面における結像位置を検出するなどして、光軸のずれ量が検知されてもよい。
上記実施形態の説明では、光学素子組立体の光学素子が3個の場合に、第2プリズム1Aと第3プリズム1Bとが接合された接合プリズム1を第1光学素子、第1プリズム2を第2光学素子として、互いに相対回転移動による光軸ずれの調整が行われる場合の例で説明した。しかし、光学素子組立体が3以上の光学素子を含む場合に、第1光学素子と第2光学素子との選び方は、相対回転移動によって各光学面の製造誤差が効率的に補正できる適宜の組み合わせが、光学素子組立体の光学特性に応じて用いられればよい。
以上、本発明の好ましい各実施形態、各実施例を説明したが、本発明はこれらの各実施形態、各実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 接合プリズム(第1光学素子)
1a 第1面(光学面、第1接合面)
1A 第2プリズム
1B 第3プリズム
1d 第4面(光学面、出射面)
2 第1プリズム(第2光学素子)
2a 第1面(光学面、入射面)
2b 第2面(第2接合面)
3、3’ 接着剤硬化層
4 光学素子組立体
5 鏡筒
6 光学ユニット
10 光学素子接合装置
11 第1保持部
11a スリーブ(筒状体)
11A 保持スリーブ
11B 移動ステージ
11C 駆動部
12 第2保持部
12A チャック
12B 支持アーム
13 ゴニオステージ
14 ステージ駆動部
15 オートコリメータ
16 UV光源
17 接着剤塗布ノズル
18 接着剤
C 中心軸線(基準軸線)
H 保持中心軸線
L1 入射光
L1 入射光
L2、L3、L4、L5、L6 光
L7 出射光
O1、O2 中心軸線
P 面上点
Q 回動中心
T 検査光
T’ 戻り光
θi 入射角
θo 出射角

Claims (6)

  1. 第1光学素子の光学面の1つである第1接合面と、第2光学素子の光学面の1つであり前記第1接合面と接着剤硬化層を介して接合される第2接合面と、が互いに離間して対向するように、基準軸線上に前記第1光学素子と前記第2光学素子とを保持することと、
    前記第1接合面と前記第2接合面との間に未硬化の接着剤を配置することと、
    前記第1接合面と前記第2接合面との間に前記接着剤が配置された後、前記接着剤の層厚が一定になるように前記基準軸線に沿って前記第1光学素子と前記第2光学素子とを相対平行移動して前記接着剤を薄層化することと、
    前記接着剤が薄層化された後、前記第2光学素子の前記第2接合面における設計上の軸上光束の略中心に位置する面上点を中心として、前記第2接合面が前記基準軸線に対して傾動するように、前記第1光学素子に対して前記第2光学素子を相対回転移動させることと、
    前記第2光学素子を相対回転移動させる際に、前記第1光学素子と前記第2光学素子とを含む前記接着剤が未硬化の状態の光学素子組立体に設計上の入射光路に沿って検査光を入射させ、設計上の前記軸上光束の光軸に対する、前記光学素子組立体の出射面からの前記検査光の光軸または前記検査光による前記出射面からの戻り光の光軸のずれ量を検知することと、
    前記ずれ量が許容範囲内になったときに、前記第2光学素子の相対回転移動を停止させることと、
    前記第2光学素子の前記相対回転移動の停止後に、前記第1光学素子および前記第2光学素子を保持した状態で、前記接着剤を硬化させて前記接着剤硬化層を形成することと、
    を含む、光学素子組立体の製造方法。
  2. 前記第1接合面と前記第2接合面との間に未硬化の前記接着剤を配置する前に、
    前記第1光学素子を保持した状態で、前記第2光学素子の前記第2接合面を前記第1接合面に当接させることによって、前記第2光学素子の姿勢調整を行うことと、
    前記第2光学素子の姿勢調整が行われた後、前記第2光学素子を前記第1光学素子に対して相対平行移動させて、前記第1光学素子と前記第2光学素子とを離間させることと、
    をさらに含む、請求項1に記載の光学素子組立体の製造方法。
  3. 前記第1光学素子と前記第2光学素子とは、前記第1光学素子に対して前記第2光学素子を相対回転移動させる間、前記第1光学素子および前記第2光学素子の外周面の移動範囲を規制する筒状体の内部に収容される、
    請求項1または2に記載の光学素子組立体の製造方法。
  4. 前記ずれ量を検知する際に、前記検査光を発生するオートコリメータを用いる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学素子組立体の製造方法。
  5. 前記第1接合面および前記第2接合面は、平面である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学素子組立体の製造方法。
  6. 前記第1光学素子および前記第2光学素子の少なくとも一方は、プリズムを含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学素子組立体の製造方法。
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