JP2017187646A - 結像素子および結像素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】映像品質の低下を抑制し、かつ、空中映像の浮遊感の低下、目の疲労感や違和感を覚える原因を抑制できる結像素子を提供する。【解決手段】結像素子は、厚み方向において相対して位置する第1主面2aおよび第2主面2bを有し、第1主面2a側から入射される入射光を第2主面2b側から出射することにより、第1主面2a側の空間位置に配置される物体の実像を第2主面2b側の空間位置において結像させる反射部2と、反射部2の欠陥に対応する位置に設けられた遮光部31,32と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、空中映像を表示可能にする空中映像表示装置に用いられる結像素子および結像素子の製造方法に関し、より特定的には、一方の主面側の空間位置に配置された物体の実像を他方の主面側の空間位置において結像させる結像素子および結像素子の製造方法に関する。
従来の空中映像素子に具備される結像素子が開示された文献として、たとえば特開2013−101230号公報(特許文献1)および特開2013−167670号公報(特許文献2)が挙げられる。
特許文献1および特許文献2に開示の結像素子にあっては、2つの反射素子を厚み方向に重ね合せることにより形成される。反射素子は、複数の反射体が主面と直交する方向に透明体を介して積層されてなる平板状の単位反射素子を複数準備し、これらを面状にタイリングすることにより形成される。2つの反射素子は、互いの反射体の積層方向が直交するように厚み方向に重ね合せられる。
特開2013−101230号公報 特開2013−167670号公報
しかしながら、反射素子に、相当程度の大きさを有する傷および気泡等の欠陥が存在する場合には、光が欠陥を通過する際に散乱してしまい、散乱光がノイズとなって空中映像の品質が低下してしまう。また、散乱光が生じると欠陥箇所に注目してしまい、使用者の目のピントが空中映像に合いにくくなる。このような場合には、空中映像の浮遊感が低下したり、遠近感がおかしくなるため、目の疲労感を感じたり、違和感を覚えたりすることがある。
単位反射素子を構成する複数の透明体は、接着剤等によって接着されている。隣り合う透明体の間に異物が存在したり、接着不良箇所が存在したり、透明体が反れたりする場合には、異物および接着不良個所の周囲に位置する反射体、および反れた透明体に設けられた反射体が歪む。これにより、空中映像の一部が乱れてしまい、何ら手立てがない場合には、乱れた部分が目立ってしまう。この結果、空中映像の品質が低下するとともに、使用者の目のピントが空中映像に合いにくくなる。このような場合には、上述同様に、空中映像の浮遊感が低下したり、遠近感がおかしくなるため、目の疲労感を感じたり、違和感を覚えたりすることがある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、映像品質の低下を抑制し、かつ、空中映像の浮遊感の低下、目の疲労感や違和感を覚える原因を抑制できる結像素子および結像素子の製造方法を提供することにある。
本発明に基づく結像素子は、厚み方向において相対して位置する第1主面および第2主面を有し、上記第1主面側から入射される入射光を上記第2主面側から出射することにより、上記第1主面側の空間位置に配置される物体の実像を上記第2主面側の空間位置において結像させる反射部と、上記反射部の欠陥に対応する位置に設けられた遮光部と、を備える。
上記本発明に基づく結像素子にあっては、上記遮光部は、上記第1主面および上記第2主面の少なくとも一方に設けられていてもよい。
上記本発明に基づく結像素子は、上記第1主面および上記第2主面のいずれか一方を覆う透明部材をさらに備えていてもよい。この場合には、上記遮光部は、上記反射部が位置する側とは反対側に位置する上記透明部材の主面に設けられていることが好ましい。
上記本発明に基づく結像素子にあっては、上記反射部は、上記厚み方向に平行であり、かつ互いに直交する2つの反射面を複数含んでいてもよい。この場合には、複数の上記2つの反射面が、上記厚み方向に直交する平面上において、アレイ状に配置されていることが好ましい。
上記本発明に基づく結像素子にあっては、上記反射部は、上記第1主面側に配置された平板状の第1反射素子と、上記第2主面側に配置された平板状の第2反射素子とを含んでいてもよい。この場合には、上記第1反射素子は、上記厚み方向に直交する第1方向に沿って並ぶように互いに平行に配置された複数の第1透明体と、互いに隣り合う上記第1透明体の間にそれぞれ設けられた複数の第1反射体と、を有することが好ましく、上記第2反射素子は、上記厚み方向および上記第1方向の双方に直交する第2方向に沿って並ぶように互いに平行に配置された複数の第2透明体と、互いに隣り合う上記第2透明体の間にそれぞれ設けられた複数の第2反射体と、を有することが好ましい。
上記本発明に基づく結像素子にあっては、上記遮光部は、遮光性を有する塗装膜、遮光性を有する樹脂膜、および遮光性を有するインク部材のいずれかによって構成されていることが好ましい。
本発明に基づく結像素子の製造方法は、厚み方向において相対して位置する第1主面および第2主面を有し、上記第1主面側から入射される入射光を上記第2主面側から出射することにより、上記第1主面側の空間位置に配置される物体の実像を上記第2主面側の空間位置において結像させる反射部を準備する工程と、上記反射部の欠陥の有無を検査する工程と、上記欠陥の有無を検査する工程にて欠陥が発見された場合に、遮光部を欠陥部に対応する位置に設ける工程と、を備える。
上記本発明に基づく結像素子の製造方法にあっては、上記結像素子を準備する工程は、互いに相対する第1面および第2面を有し、少なくとも上記第1面に反射体となる反射膜を形成した複数の透明基板を準備する工程と、上記第1面および上記第2面の法線方向に沿って上記複数の透明基板を積層し、上記複数の透明基板の各々が有する上記第1面が上記複数の透明基板の積層方向の一方側を向く積層ブロックを形成する工程と、上記積層ブロックを上記積層方向に沿って切断することにより、上記積層方向に沿って並ぶように互いに平行に配置された複数の透明体と、互いに隣り合う上記透明体との間にそれぞれ設けられた複数の反射体とを含む2つの反射素子を形成する工程と、上記2つの反射素子のうち一方の反射素子に形成された上記反射体と、上記2つの反射素子のうち他方の反射素子に形成された上記反射体とが直交するように、上記一方の反射素子および上記他方の反射素子の厚み方向において、上記一方の反射素子および上記他方の反射素子を接合する工程とを有していてもよい。
上記本発明に基づく結像素子の製造方法にあっては、上記欠陥の有無を検査する工程において、上記結像素子に外光を入射し、入射された外光が散乱する箇所を検査してもよい。
上記本発明に基づく結像素子の製造方法にあっては、上記欠陥の有無を検査する工程は、上記第1主面側の空間に特定のパターンが描かれたチャートを配置する工程と、上記チャートを通過した光が上記反射部を通過して、上記第2主面側の空間位置に結像されることにより得られる鏡映像を確認する工程とを含んでいてもよい。
本発明によれば、映像品質の低下を抑制し、かつ、空中映像の浮遊感の低下、目の疲労感や違和感を覚える原因を抑制できる結像素子および結像素子の製造方法を提供することができる。
実施の形態1に係る空中映像表示装置を示す概略図である。 実施の形態1に係る結像素子の分解斜視図である。 実施の形態1に係る結像素子の側面図である。 実施の形態1に係る結像素子の製造フローを示す図である。 図4に示す積層ブロックを形成する工程を示す図である。 図4に示す積層ブロックを形成する工程にて形成された積層ブロックを示す図である。 図4に示す2つの反射素子を形成する工程を示す図である。 図4に示す2つの反射素子を形成する工程において形成された第1反射素子を示す図である。 図4に示す2つの反射素子を接合する工程を示す図である。 図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第1例を示す図である。 図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第1例にて用いられるチャートの第1例を示す図である。 図11に示すチャートを用いて検査した場合に得られた鏡映像の一例を示す図である。 図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第1例にて用いられるチャートの第2例を示す図である。 図13に示すチャートを用いて検査した場合に得られた鏡映像の一例を示す図である。 図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第2例を示す図である。 図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第3例を示す図である。 図4に示す遮光部を欠陥部に対応する位置に設ける工程を示す図である。 実施の形態2に係る結像素子の分解斜視図である。 実施の形態3に係る結像素子の斜視図である。 実施の形態3に係る結像素子の側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
(空中映像表示素子)
図1は、実施の形態1に係る空中映像表示装置を示す概略図である。図1を参照して、実施の形態1に係る空中映像表示装置300について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る空中映像表示装置300は、反射部としての結像素子1および表示部100を含む。表示部100は、たとえば、液晶ディスプレイであり、被投影物となる画像を表示可能に構成されている。表示部100に替わって、被投影物となる2次元または3次元の物体が配置されてもよい。結像素子1は、被投影物の鏡映像200を、結像素子1に対して面対称となる空間位置に結像する。
結像素子1は、一方の面1aと、一方の面1aの裏側に配置される他方の面1bとを有する平板(パネル)形状を有する。被投影物は、結像素子1の一方の面1a側に配置され、鏡映像200は、結像素子1の他方の面1b側に結像される。
(結像素子)
図2は、実施の形態1に係る結像素子の分解斜視図である。図3は、実施の形態1に係る結像素子の側面図である。図1から図3を参照して、実施の形態1に係る結像素子1について説明する。
図1から図3に示すように、実施の形態1に係る結像素子1は、反射部2、保護部材3、および遮光部31,32を備える。
反射部2は、厚み方向(DR1方向)において相対して位置する第1主面2aおよび第2主面2bを有する。反射部2の第1主面2aは、上記結像素子1の一方の面1aに相当する。反射部2の第2主面2bは、上記結像素子1の他方の面1bに相当する。
反射部2は、第1主面2a側から入射される入射光を第2主面2b側から出射することにより、第1主面2a側の空間位置に配置される物体の実像を第2主面2b側の空間位置において結像させる。
反射部2は、厚み方向において互いに接合された第1反射素子10および第2反射素子20を含む。
第1反射素子10は、平板形状を有する。第1反射素子10は、第1主面2a側に配置されている。第1反射素子10は、複数の第1透明体11と、複数の第1反射体12とを含む。第1反射素子10は、第1反射体12が形成された第1透明体11が一方向に積層されることにより構成される。
複数の第1透明体11は、反射部2の厚み方向に直交する第1方向(AR1方向)に沿って並ぶように互いに平行に配置されている。複数の第1透明体11は、接着剤により互いに接合されている。第1透明体11は、たとえばガラスまたは透明樹脂にて構成されている。
複数の第1反射体12は、互いに隣り合う第1透明体11の間にそれぞれ設けられている。複数の第1反射体12は、反射面を形成する平面形状を有する。複数の第1反射体12は、互いに平行に延びている。複数の第1反射体12は、第1透明体11の積層方向(AR1方向)において互いに間隔を隔てて配置されている。複数の第1反射体12は、等間隔に配置されている。
第1反射体12は、第1透明体11の互いに対向する2つの主面の少なくとも一方に形成されている。第1反射体12は、たとえば、銀またはアルミニウム等の金属から形成されている。
第2反射素子20は、平板形状を有する。第2反射素子20は、第2主面2b側に配置されている。第2反射素子20は、複数の第2透明体21と、複数の第2反射体22とを含む。第2反射素子20は、第2反射体22が形成された第2透明体21が一方向に積層されることにより構成される。
複数の第2透明体21は、反射部2の厚み方向および上記第1方向の双方に直交する第2方向(AR2方向)に沿って並ぶように互いに平行に配置されている。複数の第2透明体21は、接着剤により互いに接合されている。第2透明体21は、たとえばガラスまたは透明樹脂にて構成されている。
複数の第2反射体22は、互いに隣り合う第2透明体21の間にそれぞれ設けられている。複数の第2反射体22は、反射面を形成する平面形状を有する。複数の第2反射体22は、互いに平行に延びている。複数の第2反射体22は、第2透明体21の積層方向において互いに間隔を隔てて配置されている。複数の第2反射体22は、等間隔に配置されている。
第2反射体22は、第2透明体21の互いに対向する2つの主面の少なくとも一方に形成されている。第2反射体22は、たとえば、銀またはアルミニウム等の金属から形成されている。
保護部材3は、反射部2の端部を保護する。保護部材3は、第1反射素子10においては、複数の第1透明体11の積層方向(AR1方向)と厚み方向(DR1方向)に平行な複数の第1透明体11の端面を保護する。保護部材3は、第2反射素子20においては、複数の第2透明体21の積層方向(AR2方向)と厚み方向(DR1方向)に平行な複数の第2透明体21の端面を保護する。
遮光部31,32は、反射部2の欠陥に対応する位置に設けられている。ここで、反射部2の欠陥とは、互いに隣り合う透明体21間に異物が挟まったり、透明体が反れたりすることによる反射体の歪み、透明体の欠け、透明体の傷、透明体の汚れ、互いに隣り合う透明体間の一部に接着剤が充填されかった場合に発生する気泡、および、第1反射素子10と第2反射素子20とを接合する場合に生じ得る気泡等の各種の欠陥である。
遮光部31,32は、第2主面2b上に設けられている。なお、遮光部31,32は、欠陥位置に対応する位置であれば、反射部2の第1主面2a上に設けられていてもよく、第1主面2a上および第2主面2b上の双方に設けられていてもよい。
遮光部31,32は、黒色の塗料等が塗装されて固化した遮光性を有する塗装膜、黒マジック等の遮光性を有するインク部材、または、黒色の樹脂テープの遮光性を有する樹脂層によって構成されている。なお、遮光性を有する樹脂層は、黒色等の紛体または顔料を分散させた樹脂材料を硬化させたものであってもよい。
再び図1に示すように、結像素子1においては、鏡映像を結像させるに際して、まず、表示部100から異なる方向に出射された光が、結像素子1の反射部2の第1主面2aから反射部2の第1反射素子10の内部に進入する。第1反射素子10の内部に進入した光は、進行方向に位置する第1反射体12によって、第2反射素子20に向けて反射される。
第2反射素子20に向けて反射された光は、第2反射素子20の内部に進入し、進行方向に位置する第2反射体22によって反射され、第2主面2bを通って結像素子1の外部へと至る。
結像素子1の外部へ出た光は、上述した第1反射体12および第2反射体22における再帰反射により、結像素子1が配置された平面を基準とした表示部100の対象位置に集光することになり、反射部2の第2主面2b側の空間位置に鏡映像200が表示される。
ここで、実施の形態1に係る結像素子1にあっては、反射部2の欠陥に対応する位置に遮光部31,32が設けられていることにより、第2主面2b側に遮光部31,32が設けられている場合には、欠陥を通って散乱した光を遮光することができ、第1主面2a側に遮光部31,32が設けられている場合には、欠陥に進入する光を遮光することができる。
これにより、欠陥を通ることにより散乱する光が鏡映像200の歪みやノイズとなることを抑制でき、この結果、映像品質の低下を抑制し、かつ、空中映像の浮遊感の低下、目の疲労感や違和感を覚える原因を抑制できる。
(結像素子の製造方法)
図4は、実施の形態1に係る結像素子の製造フローを示す図である。図5から図17は、図4に示す製造工程の一部、図4に示す製造工程のうち所定の製造工程にて形成される物、図4に示す製造工程のうち所定の製造工程にて用いられるチャート、および当該チャートを用いて検査した場合に得られた鏡映像を示す図である。図4から図17を参照して、実施の形態1に係る結像素子1の製造方法について説明する。
図4に示すように、結像素子1を製造するに際して、まず、工程(S10)にて、反射部2を準備する。反射部2を準備するに際して、工程(S11)にて、複数の透明基板5(図5参照)を準備する。複数の透明基板5は、互いに相対する第1面5a(図5参照)および第2面5b(図5)を有する。第1面5aおよび第2面5bのうち少なくとも第1面5aには、銀、アルミニウム等の反射膜6が設けられている。実施の形態2においては、第1面5aおよび第2面5bの両面に反射膜6が設けられている。
一例として、透明基板5は、縦100mm×横100mm×厚み0.5mmのサイズを有する。第1面5aおよび第2面5bに設けられたAlコーティング膜は、それぞれ100nmの厚みを有する。このような透明基板5が200枚準備される。
図5は、図4に示す積層ブロックを形成する工程を示す図である。図6は、図4に示す積層ブロックを形成する工程にて形成された積層ブロックを示す図である。
図4から図6に示すように、次に、工程(S12)にて、積層ブロック8を形成する。積層ブロック8を形成するに際して、第1面5a側に接着剤7を塗布しつつ、複数の透明基板5を第1面5aの法線方向に沿って積層する。複数の透明基板5の各々に含まれる第1面5aが、複数の透明基板5の積方方向の一方側を向くように、複数の透明基板5が積層される。これら積層された透明基板5を積層方向に圧縮することにより、積層ブロック8が形成される。
なお、積層方向平行な積層ブロック8の2組の端面のうち少なくとも1組の端面には、上述の保護部材3となる保護プレート9(図7参照)が接着される。保護プレート9は、黒色等の遮光性を有する接着剤で接着されることが好ましい。なお、保護プレート9を接着する前に、積層ブロック8の端面を研削加工することが好ましい。保護プレート9は、ガラスまたは透明樹脂にて構成されている。保護プレート9の厚さは、10mm程度である。
図7は、図4に示す2つの反射素子を形成する工程を示す図である。図8は、図4に示す2つの反射素子を形成する工程において形成された反射素子を示す図である。
図4、図7および図8に示すように、続いて、工程(S13)にて、2つの反射素子を形成する。具体的には、図7中の破線に示すように、積層ブロック8を積層方向に沿って切断する。より具体的には、保護プレート9が設けられた1組の端面が並ぶ方向および積層方向に平行な平面に沿って積層ブロック8を切断する。
ワイヤスライサーによって積層ブロック8を2mmピッチで切断することにより、反射素子を切り出す。この反射素子の切断面を研磨し、1.5mmの厚さを有する反射素子を形成する。
図8に示すように、複数の透明基板5、複数の反射膜6および保護プレート9が切断されることにより、複数の透明体5X、複数の反射体6Xおよび保護部材9Xが形成される。これにより、積層方向に沿って並ぶように互いに平行に配置された複数の透明体5Xと、互いに隣り合う透明体5Xとの間にそれぞれ設けられた複数の反射体6Xと、を含む複数の反射素子20Xが形成される。当該反射素子20Xは、上述の第2反射素子20とほぼ同様の構成を有する。
図9は、図4に示す2つの反射素子を接合する工程を示す図である。図4および図9に示すように、工程(S14)において、2つの反射素子を接合する。具体的には、2つの反射素子のうち一方の反射素子に形成された反射体と、2つの反射素子のうち他方の反射素子に形成された反射体とが直交するように、一方の反射素子および他方の反射素子の厚み方向において、一方の反射素子および他方の反射素子を接合する。
2つの第2反射素子20のうち一方の第2反射素子を中心軸周りに90°回転させることにより、第1反射素子10が形成される。この第1反射素子10および第2反射素子20を、第1反射素子10の第1反射体12と第2反射素子20の第2反射体22とが直交するように、第1反射素子10および第2反射素子20の厚み方向において、第1反射素子10および第2反射素子20を接合する。
図10は、図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第1例を示す図である。図11は、図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第1例にて用いられるチャートの第1例を示す図である。図12は、図11に示すチャートを用いて検査した場合に得られた鏡映像の一例を示す図である。
図4および図10に示すように、次に、工程(S20)にて、反射部2の欠陥の有無を検査する。具体的には、反射部2の第1主面2a側に位置する空間に特定のパターンが描かれたチャート320を配置する。チャート320の下方には光源310が設けられている。
光源310から出射され、チャート320を通過した光が、反射部2を通過して第2主面2b側の空間にて結像されることで得られる鏡映像Mを、検査員が目視で確認する。これにより、欠陥の有無が検査される。
図11に示すように、反射部の欠陥の有無を検査する工程にて使用するチャート320は、たとえば格子状のパターンが描かれたものであってもよい。このようなチャート320を用いた場合には、図12に示すように、格子状のパターンが結像されて、鏡映像Mとして表示される。
反射部2に上述の欠陥が含まれている場合には、欠陥に対応する位置に、画像の歪み401や、画像のノイズ402が表示される。画像の歪み401は、たとえば、互いに隣り合う透明体21間に異物が挟まったり、透明体が反れたりすることで反射面が歪む場合に形成される。画像のノイズ402は、たとえば、透明体に傷や汚れが有ったり、気泡が存在したりする場合に形成される。
図13は、図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第1例にて用いられるチャートの第2例を示す図である。図14は、図13に示すチャートを用いて検査した場合に得られた鏡映像の一例を示す図である。
図13に示すように、反射部の欠陥の有無を検査する工程にて使用するチャート321は、たとえばライン状のパターンが描かれたものであってもよい。このようなチャート321を用いた場合には、図14に示すように、格子状のパターンが結像されて、鏡映像として表示される。
反射部2に上述の欠陥が含まれている場合には、欠陥に対応する位置に、画像の歪み401や、画像のノイズ402が表示される。
図15は、図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第2例を示す図である。図15に示すように、反射部の欠陥の有無を検査する工程においては、鏡映像をカメラ330で撮像し、撮像された画像340を検査員が観察する。
図16は、図4に示す反射部の欠陥の有無を検査する工程の第3例を示す図である。図16に示すように、反射部の欠陥の有無を検査する工程においては、光源500を用いて、反射部2に外光Lを入射し、入射された外光Lが散乱する箇所を目視や検査装置によって検査してもよい。反射部2に欠陥がある場合には、欠陥によって外光が散乱される。
図17は、図4に示す遮光部を欠陥部に対応する位置に設ける工程を示す図である。図4および図17に示すように、続いて、工程(S30)にて、欠陥が発見された場合には、遮光部31,32を欠陥に対応する位置に設ける。
具体的には、反射部2の第2主面2b上における欠陥に対応する位置に、黒色の塗料を塗装して固化させることにより、遮光性を有する塗装膜を形成したり、黒マジックで塗り潰すことにより、遮光性のインク材を形成したり、黒色の樹脂テープ等を接着することにより、遮光性の樹脂膜を形成したりする。なお、黒色等の紛体または顔料を分散させた樹脂材料を硬化させることにより、遮光性を有する樹脂膜を形成してもよい。
このような製造方法を用いて製造された結像素子1にあっては、第2主面2b側に遮光部31,32が設けられている場合には、欠陥を通って散乱した光を遮光することができ、第1主面2a側に遮光部31,32が設けられている場合には、欠陥に進入する光を遮光することができる。
これにより、欠陥を通ることにより散乱する光が鏡映像の歪みやノイズとなることを抑制でき、この結果、映像品質の低下を抑制し、かつ、空中映像の浮遊感の低下、目の疲労感や違和感を覚える原因を抑制できる。
(実施の形態2)
(結像素子)
図18は、実施の形態2に係る結像素子の分解斜視図である。図18を参照して、本実施の形態2に係る結像素子1Aについて説明する。
図18に示すように、実施の形態2に係る結像素子1Aは、実施の形態1に係る結像素子1と比較した場合に、透明部材50,60をさらに備え、遮光部31,32が、透明部材60に設けられている点において相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
透明部材50は、反射部2の第1主面2aを覆う。透明部材60は、反射部2の第2主面2bを覆う。透明部材50および透明部材60としては、たとえば、保護基板としてのガラス、透明樹脂、または、反射防止フィルムを採用することができる。
遮光部31,32は、透明部材60上に設けられている。具体的には、遮光部31,32は、反射部2が位置する側とは異なる透明部材60の主面60bに設けられている。
なお、実施の形態2においては、透明部材50および透明部材60が設けられている場合を例示して説明したが、これに限定されず、第1主面2aおよび第2主面2bのいずれか一方を覆う透明部材が設けられていればよい。この場合には、反射部2が位置する側とは反対側の当該透明部材の主面に遮光部が設けられる。
(結像素子の製造方法)
実施の形態2に係る結像素子1Aの製造方法は、実施の形態1に係る製造方法に基本的に準じたものであり、反射部を準備する工程(S1)と、反射部の欠陥の有無を検査する工程(S2)との間に、反射部2の第1主面2aおよび第2主面2bのうちいずれか一方を覆う透明部材を設ける工程を備える点および、遮光部を設ける工程(S30)において、遮光部が設けられる位置が相違する。
反射部2の第1主面2aおよび第2主面2bのうちいずれか一方を覆う透明部材を設ける工程とは、第1主面2aを覆う透明部材50を設ける場合、第2主面2bを覆う透明部材60を設ける場合、ならびに、第1主面2aを覆う透明部材50および第2主面2bを覆う透明部材60を設ける場合を含む。実施の形態2においては、第1主面2aを覆う透明部材50および第2主面2bを覆う透明部材60を設ける。
なお、遮光部を設ける工程(S30)において、反射部2が位置する側とは反対側における透明部材60の主面に遮光部を設ける。
このように構成された実施の形態2における結像素子1Aおよび結像素子1Aの製造方法によれば、実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。加えて、透明部材を設けた構成とすることにより、反射部2の第1主面2aおよび第2主面2bのうち透明部材が設けられた側の主面を保護することができる。また、透明部材を反射フィルムとする場合には、外光の反射を抑制することができ、より鮮明に鏡映像を表示することができる。
(実施の形態3)
(結像素子)
図19は、実施の形態3に係る結像素子の斜視図である。図20は、実施の形態3に係る結像素子の側面図である。図19および図20を参照して、実施の形態3に係る結像素子1Bについて説明する。
図19および図20に示すように、実施の形態3に係る結像素子1Bは、実施の形態1に係る結像素子1と比較した場合に、反射部2Bの構成が相違する。
反射部2Bは、厚み方向に平行であり、かつ互いに直交する2つの反射面71a,71bを複数含む。これら複数の2つの反射面71a,71bは、厚み方向に直交する平面上において、アレイ状に配置されている。
具体的には、反射部2Bは、ベース板70および複数の突出部71を含む。ベース板70は、上面70aおよび下面70bを有する。下面70bは、反射部2Bの第1主面2aに相当する。
複数の突出部71は、上面70aから上方に向けて突出する。複数の突出部71は、直方体形状を有する。複数の突出部71は、アレイ状に配置されている。複数の突出部71は、互いに直交する2つの反射面71a,71b、および上面71cを有する。
複数の反射面71aは、複数の突出部62間で互いに平行に配置され、複数の反射面71bは、複数の突出部62間で互いに平行に配置されている。複数の突出部71の上面71cは、反射部2Bの第2主面2bに相当する。
遮光部31,32は、反射部2Bの欠陥に対応する位置に設けられている。具体的には、遮光部31,32は、ベース板70の下面70bに設けられている。
(結像素子の製造方法)
実施の形態3に係る結像素子1Bの製造方法は、実施の形態1に係る製造方法に基本的に準じたものであり、反射部を準備する工程(S1)において準備される反射部2Bの構成が相違する。なお、反射部2Bを準備するに際して、表面および裏面を有する樹脂基板の表面に互いに直交する2方向に形成された複数の溝を形成する。
このように構成された実施の形態3における結像素子1Bおよび結像素子1Bの製造方法によれば、実施の形態1とほぼ同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1,1A,1B 結像素子、1a 一方の面、1b 他方の面、2,2B 反射部、2a 第1主面、2b 第2主面、3 保護部材、5 透明基板、5X 透明体、5a 第1面、5b 第2面、6 反射膜、6X 反射体、7 接着剤、8 積層ブロック、9 保護プレート、9X 保護部材、10 第1反射素子、11 第1透明体、12 第1反射体、20 第2反射素子、20X 反射素子、21 第2透明体、22 第2反射体、31,32 遮光部、50,60 透明部材、70 ベース板、70a 上面、70b 下面、71 突出部、71a,71b 反射面、71c 上面、100 表示部、200 鏡映像、300 空中映像表示装置、310 光源、320,321 チャート、330 カメラ、340 画像、401 歪み、402 ノイズ、500 光源。

Claims (10)

  1. 厚み方向において相対して位置する第1主面および第2主面を有し、前記第1主面側から入射される入射光を前記第2主面側から出射することにより、前記第1主面側の空間位置に配置される物体の実像を前記第2主面側の空間位置において結像させる反射部と、
    前記反射部の欠陥に対応する位置に設けられた遮光部と、を備えた結像素子。
  2. 前記遮光部は、前記第1主面および前記第2主面の少なくとも一方に設けられている、請求項1に記載の結像素子。
  3. 前記第1主面および前記第2主面のいずれか一方を覆う透明部材をさらに備え、
    前記遮光部は、前記反射部が位置する側とは反対側に位置する前記透明部材の主面に設けられている、請求項1に記載の結像素子。
  4. 前記反射部は、前記厚み方向に平行であり、かつ互いに直交する2つの反射面を複数含み、
    複数の前記2つの反射面が、前記厚み方向に直交する平面上において、アレイ状に配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の結像素子。
  5. 前記反射部は、前記第1主面側に配置された平板状の第1反射素子と、前記第2主面側に配置された平板状の第2反射素子とを含み、
    前記第1反射素子は、前記厚み方向に直交する第1方向に沿って並ぶように互いに平行に配置された複数の第1透明体と、互いに隣り合う前記第1透明体の間にそれぞれ設けられた複数の第1反射体と、を有し、
    前記第2反射素子は、前記厚み方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向に沿って並ぶように互いに平行に配置された複数の第2透明体と、互いに隣り合う前記第2透明体の間にそれぞれ設けられた複数の第2反射体と、を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の結像素子。
  6. 前記遮光部は、遮光性を有する塗装膜、遮光性を有する樹脂膜、および遮光性を有するインク部材のいずれかによって構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の結像素子。
  7. 厚み方向において相対して位置する第1主面および第2主面を有し、前記第1主面側から入射される入射光を前記第2主面側から出射することにより、前記第1主面側の空間位置に配置される物体の実像を前記第2主面側の空間位置において結像させる反射部を準備する工程と、
    前記反射部の欠陥の有無を検査する工程と、
    前記反射部の欠陥の有無を検査する工程にて欠陥が発見された場合に、遮光部を欠陥に対応する位置に設ける工程と、を備えた、結像素子の製造方法。
  8. 前記結像素子を準備する工程は、互いに相対する第1面および第2面を有し、少なくとも前記第1面に反射体となる反射膜を形成した複数の透明基板を準備する工程と、
    前記第1面の法線方向に沿って前記複数の透明基板を積層し、前記複数の透明基板の各々が有する前記第1面が前記複数の透明基板の積層方向の一方側を向く積層ブロックを形成する工程と、
    前記積層ブロックを前記積層方向に沿って切断することにより、前記積層方向に沿って並ぶように互いに平行に配置された複数の透明体と、互いに隣り合う前記透明体との間にそれぞれ設けられた複数の反射体と、を含む2つの反射素子を形成する工程と、
    前記2つの反射素子のうち一方の反射素子に形成された前記反射体と、前記2つの反射素子のうち他方の反射素子に形成された前記反射体とが直交するように、前記一方の反射素子および前記他方の反射素子の厚み方向において、前記一方の反射素子および前記他方の反射素子を接合する工程とを有する、請求項7に記載の結像素子の製造方法。
  9. 前記反射部の欠陥の有無を検査する工程において、前記反射部に外光を入射し、入射された外光が散乱する箇所を検査する、請求項7または8に記載の結像素子の製造方法。
  10. 前記反射部の欠陥の有無を検査する工程は、前記第1主面側の空間に特定のパターンが描かれたチャートを配置する工程と、
    前記チャートを通過した光が前記反射部を通過して、前記第2主面側の空間位置に結像されることにより得られる鏡映像を確認する工程とを含む、請求項7または8に記載の結像素子の製造方法。
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