JP6632747B2 - 光学装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空中に画像を表示する空中画像表示装置を実現するための光学装置に関する。
近年、スクリーンの存在しない空中に画像を表示する空中画像表示装置が提案され、アイキャッチ効果の高い販促用ディスプレイや、スクリーンに触れることなく、空中に表示される映像をタッチ操作可能な入力デバイスとしての活用が期待されている。
たとえば、特開2012−128454号公報(以下において、特許文献1という。)では、ディスプレイ部と、微小ミラーユニットがマトリクス状に配列された構造体とを備え、ディスプレイ部からの光を2回反射させることで空中映像を表示する装置が提案されている。
また、Shusei Ito and Hirotsugu Yamamoto, IDW/AD’16, 3DSAp2/3Dp2-11(2016)(以下において、非特許文献1という。)では、液晶表示装置と、ビームスプリッターと、再帰反射部材を備え、液晶表示装置から出射した光線の一部をビームスプリッターで正反射させた後、再帰反射部材で再帰反射させ、さらにビームスプリッターを透過させて、空中に結像させる空中画像表示装置が提案されている。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載の空中画像表示装置は、ミラーユニットから前方(離れる方向)への空中像の突出距離が不十分であり、販促用ディスプレイとしてのアイキャッチ効果が不十分であることがわかった。また、ディスプレイ部をミラーから離して設置することにより、空中像をより前方へ突出させることが可能であるものの、その場合、装置が大型化してしまう問題があった。さらに、特許文献1に記載の空中画像表示装置は、観察者が空中像を視認できる範囲が狭く、空中像の全体を視認できる位置が狭い範囲に限られていた。
同様に、非特許文献1に記載の空中画像表示装置も、ビームスプリッターから前方への空中像の突出距離が不十分であり、突出距離を大きくするためには液晶表示装置をビームスプリッターから離して設置しなければならず、装置が大型化する問題があった。また、非特許文献1に記載の空中画像表示装置は、観察者が空中像を視認できる範囲が狭く、空中像の全体を視認できる位置が狭い範囲に限られていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、装置を大型化することなく、空中像を前方へと突出させ、かつ、空中像の視認範囲が広い空中画像表示を実現する光学装置を提供することである。
本発明の光学装置は、入射光の一部を透過し、一部を反射するビームスプリッターと、
ビームスプリッターを透過した光が入射する位置に配置されたミラー面を有するミラー部材と、
ミラー面で正反射されてビームスプリッターに入射され、ビームスプリッターで正反射された光が入射する位置に配置された再帰反射部材とを備えた光学装置である。
本発明の光学装置においては、ビームスプリッターに関して、ミラー部材とは反対の側に被投影物を設置する設置部を備えた構成であってもよい。この場合、設置部に設置された被投影物の像を被投影物に対して光学的に共役な位置に結像する。
本発明の光学装置においては、被投影物としての画像を表示する画像表示部を設置部に備えていてもよい。
本発明の光学装置においては、画像表示部を備える場合、画像表示部が偏光を出射する画像表示装置であってもよい。
本発明の光学装置においては、画像表示部を備える場合、画像表示部が、液晶表示装置、または有機EL表示装置であってもよい。
本発明の光学装置においては、ビームスプリッターが、偏光選択反射材を有してもよい。
この場合、偏光選択反射材が反射型偏光子であってもよい。
本発明の光学装置においては、ビームスプリッターが反射型偏光子を有する場合に、さらに吸収型偏光子を有し、反射型偏光子および吸収型偏光子の透過軸の方向が同一であり、かつ、反射型偏光子が吸収型偏光子よりもミラー部材側に設置されてなることが好ましい。
本発明の光学装置においては、ビームスプリッターの、光が入射する少なくとも一つの表面に反射防止処理が施されていることが好ましい。
本発明の光学装置においては、ミラー部材のミラー面に偏光変換素子が設置されていてもよい。
この場合、偏光変換素子が1/4波長位相差板であることが好ましい。
本発明の光学装置においては、再帰反射部材が、コーナーキューブリフレクタを多数並べた再帰反射部材であることが好ましい。
本発明の光学装置においては、再帰反射部材の光入射面に偏光変換素子が設置されていてもよい。
この場合、偏光変換素子が1/4波長位相差板であることが好ましい。
本発明の光学装置によれば、装置を大型化することなく、空中像を前方へと突出させることができ、かつ、空中像の視認範囲が広い空中画像表示装置を実現することができる。
本発明の光学装置により実現される空中画像表示装置は、画像表示部とミラー面が離れていることにより、その距離に応じて空中像をビームスプリッターから前方へと突出させることができる。このとき、画像表示部がビームスプリッターの面に対してミラー面および再帰反射部材とは反対側に設置されていることにより、装置の大型化を伴わない。さらに、観察者の視点から見て、前述の再帰反射部材が見通せる範囲内に加え、前述のミラー面が見通せる範囲内でも空中像を視認することができるため、空中像の視認範囲を従来の空中画像表示装置と比較して大幅に拡げることが可能である。
本発明の実施形態の光学装置の概略構成である。 本発明の実施形態の光学装置の説明図である。 本発明の実施形態の光学装置が内包される筐体の斜視図である。 第1の空中画像表示装置を表す概略構成である。 第1の空中画像表示装置における光学作用を説明するための図である。 第1の空中画像表示装置における光学作用を説明するための図である。 第1の空中画像表示装置における光学作用を説明するための図である。 第1の空中画像表示装置における光学作用を説明するための図である。 第1の空中画像表示装置における光学作用を説明するための図である。 第1の空中画像表示装置における光学作用を説明するための図である。 第2の空中画像表示装置を表す概略構成である。 第2の空中画像表示装置のビームスプリッターの詳細図である。 第2の空中画像表示装置における光学作用を説明するための図である。 実施例および比較例の空中画像表示装置の筐体の説明図である。 ビームスプリッター32の詳細図である。 ビームスプリッター33の詳細図である。 ビームスプリッター34の詳細図である。 ビームスプリッター35の詳細図である。 実施例1〜8の空中画像表示装置の説明図である。 実施例9の空中画像表示装置の説明図である。 比較例1の空中画像表示装置の説明図である。 比較例2の空中画像表示装置の説明図である。 従来の空中画像表示装置の概略構成である。 従来の空中画像表示装置の説明図である。 従来の空中画像表示装置の概略構成である。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
[本発明の光学装置]
図1に、本発明の第1の実施形態の光学装置10の斜視図を示す。
本実施形態の光学装置10は、入射光の一部を透過し、一部を反射するビームスプリッター30と、ビームスプリッター30を透過した光が入射する位置に配置されたミラー面40aを有するミラー部材40と、ミラー面40aで正反射されてビームスプリッター30に入射され、ビームスプリッター30で正反射された光が入射する位置に配置された再帰反射部材50とを備えている。本実施形態においては、ミラー面40aと再帰反射部材50の光入射面50aが直交し、ビームスプリッター30の面(反射透過面)がミラー面40aおよび再帰反射部材の光入射面50aと45°の角度をなすように配置されている。
図2に示すように、光学装置10は、ビームスプリッター30に関して、ミラー部材40とは反対の側に、被投影物を設置するための設置部15を備えていてもよい。設置部15に被投影物2が設置されると、その被投影物2の像2Bが被投影物2に対して光学的に共役な位置に結像される。ここで、光学的に共役な位置とは、ビームスプリッター30、ミラー面40aおよび再帰反射部材50を組み合わせて構成される光学系によって形成される共役な位置である。
図2に示すように、設置部15に光る球体が被投影物2として設置された場合、光球体2の像2Bが光学装置10から突出した空中に結像され、観察者にはあたかも光る球体が浮かんでいるかのように見える。なお、設置部15に配置される被投影物は、自ら光を発する物に限らず、自発光を生じない物であってもよい。自発光を生じない被投影物の場合、外光あるいは照明光が被投影物の表面で反射されて生じる反射光が被投影物から出射した光として機能し、共役な位置に像を観察することができる。
なお、設置部15は、被投影物の像を形成したい位置と共役な位置に被投影物を支持可能に備えられていればよい。本実施形態においては、設置部15は、例えば、ビームスプリッター30を挟んでミラー面対向する位置に備えられた樹脂あるいはガラスからなる透明板である。このような設置部15として設けられる透明板は、表面が反射防止処理されていることが好ましい。なお、光学装置10に設置部15は必ずしも備えられていなくてもよい。
なお、光学装置10に対して、像を形成したい位置に対して共役な位置に画像を表示する画像表示部を備えることにより、光学装置10を空中画像表示装置として機能させることができる。
光学装置10を、図3に示す、面abfeが開口された直方体形状の筐体70の内部に内包させることにより、取扱い性を向上させることができる。筐体内の面cghdに沿ってミラー部材40を配置し、面bfgcに沿って再帰反射部材50を配置する。また、面bfhdに沿ってビームスプリッター30を配置する。図3においては簡便のため、各部材を面として表している。また、開口となっている面abfeの枠abfeが設置部15である。枠abfeに筐体内側に画像表示面を向けた画像表示部20を設置することにより、画像表示部20に表示された画像の像が筐体70の面aehdから外側に突出した位置に結像される。
ここで、非特許文献1に記載されている、すでに知られた空中画像表示装置について、空中像が結像される仕組みを説明し、次に、本発明の光学装置によって実現される空中画像表示装置の仕組みを説明することによって、両者の違いを明らかにする。
[従来の空中画像表示装置]
図23は、従来の空中画像表示装置110の概略構成を示す。空中画像表示装置110は、画像表示部20と、ビームスプリッター30と、再帰反射部材50とを備え、画像表示部20および再帰反射部材50はビームスプリッター30の反射透過面30aに対して同一の側に設置されている。画像表示部20から出射した光線の一部100は、ビームスプリッター30上の点301で正反射し、再帰反射部材50へ入射する。次に、再帰反射部材50によって入射方向と逆方向に再帰反射され、再びビームスプリッター30上の点301へ入射し、一部はビームスプリッター30を透過する。
図24は、図23におけるビームスプリッター30上の点301付近の拡大図である。ビームスプリッター30への一度目の入射において、入射角と反射角は等しい角αである。また、再帰反射部材50で再帰反射された光線は、再び入射角αでビームスプリッター30上の点301に入射し、出射角αでビームスプリッター30を透過する。
図25には、空中画像表示装置110において、画像表示部20上の一点から出射した光線100と、同じ点から異なる角度で出射した光線200が図示されている。上記の通り、光線100および光線200は、それぞれビームスプリッター30への一度目の入射角と、再帰反射部材50で再帰反射した後に再びビームスプリッター30上の同一の点に入射されてビームスプリッターを透過して出射する際の出射角とが等しくなる。よって、光線100および光線200は、それらが出射された画像表示面の点とビームスプリッター30の反射透過面30aに関して面対称となる空間中の点に結像する。以上の画像表示面20aと、ビームスプリッター30の面30aに関して面対称となる空間に実像としての空中像Bが形成される。
図25からわかるように、空中画像表示装置110において、空中像Bはビームスプリッター30の反射透過面30aに関して画像表示部の画像表示面20aと面対象な位置に表示されるため、ビームスプリッター30の反射透過面30aからの突出距離が小さい。また、空中画像表示装置110においては、観察者が再帰反射部材50を見通せる範囲でしか、空中像Bが視認されない。
[本発明の光学装置の一実施形態である空中画像表示装置]
次に本発明の光学装置の実施形態である空中画像表示装置において、空中像の突出距離を大きくすることができる理由について、説明する。
<第1の空中画像表示装置>
図4は、本発明の光学装置の一実施形態である第1の空中画像表示装置11の概略構成を示す図である。空中画像表示装置11は、少なくとも画像表示部20と、ビームスプリッター30と、ミラー部材40と、再帰反射部材50とを備えている。ミラー部材40および再帰反射部材50は、ビームスプリッター30の反射透過面30aに対して同一の側に設置され、画像表示部20は、ビームスプリッター30の反射透過面30aに対してミラー部材40および再帰反射部材50とは反対側に設置される。
図5には、空中画像表示装置11において、画像表示部20の画像表示面20a上の一点から異なる角度で出射した光線101、および光線201が図示されている。光線101および光線201それぞれの少なくとも一部はビームスプリッター30を透過し、ミラー部材40のミラー面40aで正反射される。このとき、図6に示すように、画像表示部20の画像表示面20aに対しミラー面40aに関して面対称の位置に虚像Aが形成され、ミラー面40aで正反射された光線の光路は、虚像Aから出射した光線の光路と同一であると見なすことができる。その後の光路は、図25を用いて説明した光路と類似の光路をとる。すなわち、ミラー面40aで正反射された光の少なくとも一部は、ビームスプリッター30で反射され、再帰反射部材50に入射し、再帰反射部材50で再帰反射されてビームスプリッター30に入射した光の一部はビームスプリッター30を透過し、その光が出射された虚像Aの点に対してビームスプリッター30の反射透過面30aに関して面対称となる空間中の点に結像する。すなわち、この空間中の点が画像表示面20a上の一点と光学的に共役な位置にある。従って、空中画像表示装置11は、虚像Aに対して、ビームスプリッター30の面に関して面対称となる位置に、実像Bとしての空中像を結像することができる。
以上より、空中画像表示装置11は、空中像をビームスプリッター30から前方へと突出させることが可能になる。また、虚像Aは実体としては存在しないため、装置の大型化を伴わない。
次に、空中画像表示装置11において、空中像の視認範囲(観察者が空中像を視認することができる範囲)を広くすることができる理由について、説明する。
図7には、空中画像表示装置11において、画像表示部20上の一点から出射した、図5に示したものとは異なる光線である光線102および光線202が図示されている。光線102および光線202の少なくとも一部はビームスプリッター30を透過し、ミラー面40aで正反射される。このとき、画像表示部20に対しミラー面40aに関して面対称の位置に、虚像Aが形成される。従って、ミラー面40aで正反射された光線の光路は、虚像Aから出射した光線の光路と同一であると見なすことができる。
次に、図8に示すように、光線102および光線202の少なくとも一部はビームスプリッター30で正反射される。このとき、虚像Aに対してビームスプリッター30の反射透過面30aに関して面対称の位置に、虚像Cが形成されることとなる。従って、ビームスプリッター30で正反射された光線の光路は、虚像Cから出射した光線の光路と同一であると見なすことができる。
そして、ビームスプリッター30で正反射された光線102および光線202は、図9に示すようにミラー面40aでさらに正反射された後、再帰反射部材50へ入射する。
そして、図10に示すように、光線102および光線202は再帰反射部材50で再帰反射され、図9に示した光路を逆向きに辿った後、ビームスプリッター30を通過して虚像Cと同じ位置上の点に結像する。すなわち、虚像Cと同じ位置に実像Bが結像される。このときの実像Bは、観察者から見て図6に示した実像Bと全く同一の像である。従って、空中画像表示装置11は、観察者が再帰反射部材50を見通せる範囲に加え、ミラー面40aを見通せる範囲でも空中像Bを視認させることができ、空中像の視認範囲が従来の装置と比較して広い。
[ビームスプリッター]
本空中画像表示装置に用いるビームスプリッターは、入射光の一部を正反射し、他の一部の光を透過させる光学部材である。歪みのない空中像を得るために、ビームスプリッターの反射透過面は平面であることが好ましい。
ビームスプリッターは、例えば、ハーフミラーであってもよいし、偏光選択反射素子であってもよい。偏光選択反射素子は、入射光のうち第1の偏光を正反射し、第1の偏光とは異なる第2の偏光を透過させる光学部材である。反射および透過する偏光は直線偏光であってもよいし、円偏光であってもよい。中でも、偏光選択反射素子としては、直線偏光の選択反射性を有する反射型偏光子が好ましい。反射型偏光子をビームスプリッターとして用いた場合、画像表示部として偏光を出射する画像表示装置を用いることで、画像表示装置から出射した光線の大部分がビームスプリッターを透過するように設置することが可能になり、空中像の輝度を向上するとともに、空中像の視認性を悪化させる迷光や、二重像を低減することができる。反射型偏光子としては、特開2011−053705号公報に記載されているような、2種のポリマーを含む層を延伸したフィルムや、ワイヤグリッド偏光子等を用いることができる。市販品としては、3M社製の反射型偏光子(商品名APF)や、旭化成株式会社製のワイヤグリッド偏光子(商品名WGF)等を、好適に用いることができる。
また、ビームスプリッターとして反射型偏光子を用いる場合は、ビームスプリッターの画像表示部の側の面に、吸収型偏光子を、反射型偏光子と透過軸が一致するように積層してもよい。このようにすることで、画像表示部の側からビームスプリッターに入射する外光の一部を吸収し、空中像の視認性を悪化させる外光反射を抑えることができる。
また、ビームスプリッターの光が入射する面(表面)には、反射防止処理が施されていることが好ましい。反射防止処理としては、可視光の反射率を低減するように、特定の屈折率および膜厚を有する薄層を積層することや、モスアイフィルムを貼合すること等が含まれ得る。反射防止処理を施すことにより、ビームスプリッターの表面で生じる不要な反射を抑えることができ、空中像の輝度を向上するとともに、空中像の視認性を悪化させる迷光や二重像を抑制することができる。
[ミラー面]
ミラー部材は、ミラー面が入射光を正反射する平面であればよく、一般的な平面鏡を用いることができる。また、ミラー面は、ビームスプリッターの反射透過面に対して10°〜90°の角度で設置されることが好ましく、40°〜90°の角度で設置されることがより好ましく、40°〜50°の角度で設置されることがさらに好ましく、45°の角度で設置されることが最も好ましい。ビームスプリッターの反射透過面に対する角度が上記範囲であると、空中像の突出距離を大きくするとともに、空中像の視認範囲を広くすることができるため、好ましい。
[再帰反射部材]
再帰反射部材は、入射光を、入射してきた方向へと反転させる反射部材である。歪みのない空中像を得るために、再帰反射部材はシート状あるいは平板状の部材であることが好ましい。上記のような機能を発現する再帰反射部材としては、ガラスビーズのような透明球体を敷き詰めたシートや、コーナーキューブ構造を敷き詰めたシート等が知られている。正規反射部材としては、空中像の解像度を高める観点から、コーナーキューブリフレクタを多数並べたコーナーキューブアレイシートが好ましい。コーナーキューブアレイシートとしては、日本カーバイド工業株式会社製の再帰反射シート(商品名Nikkalite)等を好適に使用することができる。
再帰反射部材は、ビームスプリッターに対してミラー部材と同一の側に、ビームスプリッターの面に対して10°〜90°の角度で設置されることが好ましく、40°〜90°の角度で設置されることがより好ましく、40°〜50°の角度で設置されることがさらに好ましく、45°の角度で設置されることが最も好ましい。ビームスプリッターの面に対する角度が上記範囲であると、空中像の突出距離を大きくするとともに、空中像の視認可能範囲を広くすることができるため、好ましい。
また、再帰反射部材が、ビームスプリッターに対してミラー部材と同一の側において、複数設置されていてもよい。ビームスプリッター、ミラー部材および再帰反射部材は、ビームスプリッターと、ミラー面と、複数の再帰反射部材の面とによって、閉空間が形成されるように設置されることが好ましい。この場合、空中像の輝度を向上することができるため、好ましい。
[画像表示部]
画像表示部は、ビームスプリッターに対してミラー部材および再帰反射部材とは反対側に設置される。また、画像表示部はミラー面に対向するように設置されることが好ましい。
画像表示部の画像表示面は平面であってもよく、曲面であってもよい。画像表示面が曲面である場合、空中像も曲面となり、画像を立体的に見せることや、アイキャッチ効果を高めることができる。
また、画像表示面が平面である場合、画像表示面とミラー面が平行になるように設置することが好ましい。この場合、空中像を歪みのないものにすることができる。
画像表示部は、静止画や写真であってもよいし、画像表示装置であってもよい。画像表示装置としては、液晶表示装置や、有機EL表示装置等を好適に用いることができる。また、画像表示装置として、ライトフィールド方式やパララックスバリア方式等の立体画像表示装置を用いることによって、空中像の立体視を可能にすることもできる。
また、画像表示装置としては、偏光を出射する画像表示装置を用いることが好ましい。この場合、偏光選択反射性を有するビームスプリッターと組み合わせることで、画像表示装置から出射した光線の大部分がビームスプリッターを透過するように設置することが可能になり、空中像の輝度を向上するとともに、空中像の視認性を悪化させる迷光や二重像を低減することができるため、好ましい。液晶表示装置や有機EL表示装置の中には、出射光が直線偏光となるものがあり、これらを好適に使用することができる。
さらに、画像表示装置は、出射される偏光が直線偏光であり、ビームスプリッターに対してp偏光で入射するように設置されていることが好ましい。ビームスプリッターに入射する光がp偏光であると、ビームスプリッターの表面における不要な正反射を抑制することができ、空中像の視認性を悪化させる二重像を低減することができるため、好ましい。ここで、p偏光とは、電場の振動方向が、光の入射面に対して垂直方向である直線偏光を意味する。
[偏光変換素子]
ミラー部材、および再帰反射部材の表面に偏光変換素子が設置されていることが好ましい。偏光変換素子としては、偏光解消素子や、位相差板を用いることができる。
ビームスプリッターに偏光選択反射材を使用した場合、画像表示部から出射しビームスプリッターを透過した光線は、偏光している。続いてこの光線がミラー面で反射されるとき、ミラー面の表面に偏光変換素子があると、光線の偏光状態を一部異なる偏光状態に変換することができる。これにより、光線が再びビームスプリッターに入射するとき、ビームスプリッターでの反射率を高めることができる。
また、再帰反射部材に入射する光線が偏光している場合、再帰反射部材の表面に偏光変換素子があると、光線の偏光状態を一部異なる偏光状態に変換することができ、光線が再びビームスプリッターに入射するとき、ビームスプリッターでの透過率を高めることができる。
ミラー面の表面に設置する偏光変換素子としては、1/4波長位相差板が好ましい。また、ミラー面へ入射する光線が直線偏光である場合は、その偏光軸のミラー面への射影と、1/4波長位相差板の遅相軸とのなす角が、およそ45°になるように設置されることが好ましい。このような構成であると、光線はミラー面での反射において1/4波長位相差板を2度通過し、再びビームスプリッターに入射するとき、偏光軸がおよそ90°回転している。これにより、ビームスプリッターにおける反射率を100%に近づけることができ、空中像の輝度を向上させることができる。
同様に、再帰反射部材の表面に設置する偏光変換素子も、1/4波長位相差板を用いることが好ましい。また、再帰反射部材へ入射する光線が直線偏光である場合は、その偏光軸の再帰反射部材への射影と、1/4波長位相差板の遅相軸とのなす角が、およそ45°になるように設置されることが好ましい。
1/4波長位相差板は、可視域の波長のいずれかにおいて、およそ1/4波長となる位相差を有していればよい。例えば、波長550nmにおいて、およそ138nmの位相差を有する位相差板を好適に用いることができる。また、空中像の色ムラを低減するため、1/4波長位相差板は波長に対して逆分散性を有していることが好ましい。ここで、波長に対して逆分散性を有するとは、波長が大きくなるに伴い、当該波長における位相差の値が大きくなることをいう。
偏光変換素子は、ビームスプリッターの表面(光が入射する面)のうち、ミラー部材および再帰反射部材の側の表面に設置されていてもよい。この場合も、1/4波長位相差板を用いることが好ましい。また、ビームスプリッターに入射する偏光の偏光軸と、1/4波長位相差板の遅相軸とのなす角が、およそ45°になるように設置されることが好ましい。この場合においても、ビームスプリッターにおける反射率および透過率を高めることができ、空中像の輝度を向上させることができる。
[第2の空中画像表示装置]
本発明の光学装置の一実施形態である第2の空中画像表示装置について説明する。
図11は、第2の空中画像表示装置の概略構成図である。空中画像表示装置12は、画像表示部21と、ビームスプリッター31と、ミラー部材40と、再帰反射部材50と、偏光変換素子である1/4波長位相差板60および61とを備えている。画像表示部21、ビームスプリッター31、ミラー部材40および再帰反射部材50の配置は第1の空中画像表示装置11と同様であり、光線の光路は同様である。本空中画像表示装置12においては、1/4波長位相差板60がミラー部材40のミラー面40aに備えられ、1/4波長位相差板61が再帰反射部材50の光入射面50aに備えられている。
図12は、空中画像表示装置12に備えられているビームスプリッター31の構成を示す詳細図である。ビームスプリッター31は、画像表示部21の側の面より、反射防止フィルム311、吸収型偏光子312、ガラス基板313、反射型偏光子314、および反射防止フィルム315が、この順に積層されている。吸収型偏光子312の透過軸と、反射型偏光子314の透過軸は平行である。
図13は、空中画像表示装置12において、画像表示部21の画像表示面20aの一点から出射した光線103の光路を示す。光線103は、画像表示部21から出射したとき、p偏光である。図13において、実線で示される光路は光線がp偏光であることを示し、破線で示された光路は光線がs偏光であることを示すものとする。
ビームスプリッター31は、吸収型偏光子312および反射型偏光子314が、前述のp偏光を透過する向きに設置されている。これにより、光線103の大部分がビームスプリッター31を透過し、1/4波長位相差板60を経てミラー面40aに入射する。また、ビームスプリッター31の光が入射する表面に反射防止フィルム311および315が設置されていることにより、ビームスプリッター31の表面における反射が抑制され、迷光や二重像の生成を抑制している。また、光線103がビームスプリッター31に対してp偏光で入射することにより、ビームスプリッター31の表面における反射をさらに抑制している。
ミラー部材40でのミラー面40aの反射において、光線103は1/4波長位相差板60を2回通過することにより、偏光状態がs偏光へと変換される。ここで、1/4波長位相差板60は、その遅相軸と光線103の偏光軸のミラー面40aへの射影とのなす角が、およそ45°になるように設置されている。
続いて、光線103は再びビームスプリッター31に入射するが、反射型偏光子314はs偏光を反射する向きであるため、光線103の大部分が正反射され、1/4波長位相差板61を経て再帰反射部材50に入射する。
再帰反射部材50での反射において、光線103は1/4波長位相差板61を2回通過することにより、偏光状態がp偏光へと変換される。ここで、1/4波長位相差板61は、その遅相軸と光線103の偏光軸の再帰反射部材50への射影とのなす角が、およそ45°になるように設置されている。
再帰反射部材50で再帰反射した光線103は、三たびビームスプリッター31に入射するが、このとき、偏光状態はp偏光であるため、光線103の大部分がビームスプリッター31を透過する。
このようにして、光線103は、光路の途中における不要な反射や透過が抑制されながら、観察者の視点まで到達する。画像表示部21から出射したその他の光線も考慮すれば、図5および図6を用いて説明したのと同様の原理によって、ビームスプリッター31から前方へ突出した実像Bとしての空中像Bが形成されることが理解される。
また、これらの光線は光路の途中において不要な反射や透過が抑制されているため、輝度が高く、迷光や二重像が抑制された空中像を得ることができる。さらに、観察者の視点から見て、再帰反射部材50が見通せる範囲内に加え、ミラー面40aが見通せる範囲内でも空中像を視認することができるため、視認範囲が広い空中像となる。
なお、上記において本発明の光学装置の実施形態として空中画像表示装置について説明したが、本発明の光学装置を用いれば、空中のみならず水中などの液体中に像を表示させることも可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明の特徴をさらに具体的に説明する。なお、以下に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、以下に示す構成以外の構成とすることもできる。
[空中画像表示装置の筐体の作製]
黒色のアクリル板(厚み1mm)を加工し、図14に示す直方体形状の筐体70を作製した。筐体70は、底面cghdにおける長辺の長さが16cm、短辺の長さが9cmである。また、筐体70の高さは9cmである。筐体70の上面abfeはアクリル板が存在せず、開口部71である。また、側面aehdは、各辺より1cm内側が切り取られ、開口部72が設けられている。
[ビームスプリッターの作製]
(ビームスプリッター32)
透過率50%、反射率50%の誘電体多層膜ハーフミラー(商品名H216、株式会社渋谷光学より入手)310を、長辺が15.2cm、短辺が12cmになるように加工し、ビームスプリッター32として用意した(図15参照)。
(偏光ビームスプリッター33)
長辺16cm、短辺12cm、厚み1mmのガラス基板313の片面に、反射型偏光子314としてワイヤグリッド偏光フィルム(商品名WGF、旭化成株式会社製)(以下において、ワイヤグリッド偏光フィルム314とする。)を、透過軸がガラス基板313の短辺方向と等しくなるように貼合し、図16に示す偏光ビームスプリッター33を作製した。
(反射防止偏光ビームスプリッター34)
偏光ビームスプリッター33と同様にガラス基板313の片面にワイヤグリッド偏光フィルム314を貼合し、さらにガラス基板313のワイヤグリッド偏光フィルム314とは反対の面に、吸収型偏光子312として吸収型偏光フィルム(以下において吸収型偏光フィルム312とする。)を、透過軸の方向がワイヤグリッド偏光フィルム314の透過軸方向と等しくなるように貼合した。さらに、吸収型偏光フィルム312およびワイヤグリッド偏光フィルム314の表面に、特開2017−16065号公報の実施例2のフィルムNo.15に従って作製したモスアイフィルムからなる反射防止フィルム311および315(以下において、モスアイフィルム311、モスアイフィルム315という。)を貼合した。こうして、図17に示す反射防止偏光ビームスプリッター34を作製した。
(反射防止円偏光ビームスプリッター35)
前述の反射防止偏光ビームスプリッター34の作製において、ワイヤグリッド偏光フィルム314の表面にモスアイフィルム315を貼合する前に、偏光変換素子316として逆分散性のポリカーボネート1/4波長位相差フィルム(商品名ピュアエースWR W−142、帝人株式会社製)(以下において位相差フィルム316という。)を、遅相軸の方向がワイヤグリッド偏光フィルム314の透過軸方向と45°をなすように貼合した。その後、位相差フィルム316の表面にモスアイフィルム315を貼合した。こうして、図18に示す反射防止円偏光ビームスプリッター35を作製した。
[実施例1]
図19に、実施例1〜8の空中画像表示装置81〜88における画像表示部22、筐体70および空中画像Bの位置関係を示す。
筐体70の側面bfgcの内側に、ビーズタイプの再帰反射シート(商品名スコッチライト、3M社製)を貼り合わせ、底面cghdの内側に平面鏡を貼り合わせた。また、平面bfhdの位置に、ビームスプリッター32を設置した。
さらに、画像表示部22として、Apple社製スマートフォンiPhone(登録商標)6sPlusを上面abfeに設置した。この筐体70の開口した上面abfeを囲む枠abfeが投影物を設置する設置部に相当する。なお、iPhone(登録商標)6sPlusは、出射光が楕円偏光であり、直線偏光ではなかった。
このようにして、実施例1の空中画像表示装置81を作製した。なお、図19において、画像表示部22と筐体70の枠abfeとは離隔されているように示しているが、実施例1〜実施例8においては、枠abfeに接して画像表示部22が載置されている。
[実施例2]
実施例1の空中画像表示装置81において、筐体70の側面bfgcの内側に、前述のスコッチライトに換えてコーナーキューブアレイタイプの再帰反射シート(商品名Nikkalite、日本カーバイド工業株式会社製)を貼り合わせた。
このようにして、実施例2の空中画像表示装置82を作製した(図19参照)。
[実施例3]
実施例2の空中画像表示装置82において、側面abcdの内側および側面efghの内側に、三角形bcdおよび三角形fghと重なるように、再帰反射シートNikkaliteを貼合した。
このようにして、実施例3の空中画像表示装置83を作製した(図19参照)。
[実施例4]
実施例3の空中画像表示装置83において、側面bfgc、側面abcd、および側面efghの内側に貼合された再帰反射シートの表面に、逆分散性のポリカーボネート1/4波長位相差フィルム(商品名ピュアエースWR W−142、帝人株式会社製)を、遅相軸が筐体70の底面に対して45°の角度になるように貼合した。
また、底面cghdの内側に貼合された平面鏡の表面にも、逆分散性のポリカーボネート1/4波長位相差フィルムを、遅相軸が底面の辺に対して45°の角度になるように貼合した。
さらに、ビームスプリッター32に換えて、偏光ビームスプリッター33を設置した。このようにして、実施例4の空中画像表示装置84を作製した(図19参照)。
[実施例5]
実施例4の空中画像表示装置84において、画像表示部22をAmazon社製タブレット端末Kindle fire HDXに換えた。Kindle fire HDXから出射する光は直線偏光であり、その偏光軸が偏光ビームスプリッター33に対してp偏光入射となるように設置した。
このようにして、実施例5の空中画像表示装置85を作製した(図19参照)。
[実施例6]
実施例5の空中画像表示装置85において、偏光ビームスプリッター33に換えて、反射防止偏光ビームスプリッター34を、吸収型偏光フィルム312が画像表示部22の側、ワイヤグリッド偏光フィルム314が平面鏡の側になるように設置した。
このようにして、実施例6の空中画像表示装置86を作製した(図19参照)。
[実施例7]
実施例3の空中画像表示装置83において、ビームスプリッター32に換えて、反射防止円偏光ビームスプリッター35を、吸収型偏光フィルム312が画像表示部22の側、ワイヤグリッド偏光フィルム314が平面鏡の側になるように設置した。
また、画像表示部22をAmazon社製タブレット端末Kindle fire HDXに換えた。なお、Kindle Fire HDXは、出射光が直線偏光であった。
このようにして、実施例7の空中画像表示装置87を作製した(図19参照)。
[実施例8]
実施例6の空中画像表示装置86において、画像表示部22を、裸眼による画像の立体視が可能な立体画像表示装置、富士フイルム株式会社製デジタルフォトフレームFinePix REAL 3D V1に換えた。画像表示装置からの出射光は直線偏光であった。
このようにして、実施例8の空中画像表示装置88を作製した(図19参照)。
[実施例9]
実施例6の空中画像表示装置86において、画像表示部22として、タブレット端末Kindle fire HDXを、筐体70の上面abfeより上方10cmの位置に設置した。
このようにして、実施例9の空中画像表示装置89を作製した(図20参照)。
[比較例1]
図21に、比較例1の空中画像表示装置90における画像表示部22、筐体70および空中画像Bの位置関係を示す。
筐体70の側面bfgcの内側に、コーナーキューブアレイタイプの再帰反射シート(商品名Nikkalite、日本カーバイド工業株式会社製)を貼合した。また、側面abcdの内側および側面efghの内側に、三角形abcおよび三角形efgと重なるように、再帰反射シートNikkaliteを貼合した。
さらに、上記3枚の再帰反射シートNikkaliteの表面に、逆分散性のポリカーボネート1/4波長位相差フィルム(商品名ピュアエースWR W−142、帝人株式会社製)を、遅相軸が筐体70の底面に対して45°の角度になるように貼合した。
次に、平面aegcの位置に、反射防止偏光ビームスプリッター34を、吸収型偏光フィルム312が底面cghdの側、ワイヤグリッド偏光フィルム314が画像表示部22の側になるように設置した。
また、画像表示部22として、Amazon社製タブレット端末Kindle fire HDXを上面abfeに設置した。
このようにして、比較例1の空中画像表示装置90を作製した。
[比較例2]
図22に、比較例2の空中画像表示装置91における画像表示部22、筐体70および空中画像Bの位置関係を示す。
比較例1の空中画像表示装置90において、画像表示部22として、タブレット端末Kindle fire HDXを、筐体70の上面abfeより上方19cmの位置に設置した。このようにして、比較例2の空中画像表示装置91を作製した。
[空中像の突出距離の評価方法]
作製した空中画像表示装置において、面aehdから空中像が結像している位置までの距離を測定した。
[輝度の評価方法]
株式会社トプコンテクノハウス社製分光放射計「SR−3」を用い、作製した空中画像表示装置の面aehdに対し垂直な方向から空中像の中央に焦点を合わせ、輝度を測定した。
[解像度の評価方法]
作製した空中画像表示装置において、画像表示部に5mm四方の大きさの文字列を表示し、目視により空中像における当該文字列が読み取れるかどうかを評価した。
<評価基準>
A:文字列が読み取れる。
C:文字列が読み取れない。
[視認範囲の評価方法]
作製した空中画像表示装置において、観察者が筐体70の特定の面を見込む位置から観察した際に空中像を視認できたかどうかを評価した。特定の面が、面bfgcである場合、および面cghdである場合についてそれぞれ評価した。
<評価基準>
A:空中像を視認できた。
C:空中像を視認できなかった。
[二重像の評価方法]
作製した空中画像表示装置において、二重像が視認されるかどうかを評価した。
<評価基準>
A:二重像が視認されない。
B:二重像がわずかに視認される。
C:二重像が視認される。
実施例1〜9および比較例1、2の構成および評価結果を表1および表2にまとめて示す。
実施例1〜8の空中画像表示装置81〜88は、いずれも、空中像が筐体70の面aehdより約9cm前方へ突出した位置に結像していた。一方、比較例1の空中画像表示装置90は、空中像は面aehdから前方へは突出していなかった。
実施例9の空中画像表示装置89および比較例2の空中画像表示装置91は、いずれも、空中像が筐体70の面aehdより約19cm前方へ突出した位置に結像していた。しかしながら、比較例2の空中画像表示装置91が、装置全体の高さが約29cmであったのに対し、実施例の空中画像表示装置89は装置全体の高さが約20cmに抑えられていた。
実施例2の空中画像表示装置82は、実施例1に比較して空中像の解像度が高く、文字列の視認性が高かった。これは再帰反射部材として、コーナーキューブアレイシートを使用したためと考えられる。
実施例3の空中画像表示装置83は、実施例2に比較して、空中像の輝度が向上していた。これは、再帰反射部材を側面bfgcだけでなく、側面abcd、および側面efghにも設置したためと考えられる。
実施例4の空中画像表示装置84は、実施例3に比較して、空中像の輝度がさらに向上していた。これは、偏光ビームスプリッター、および1/4波長位相差フィルムを使用し、光線の不要な反射および透過を抑制したためと考えられる。
実施例5の空中画像表示装置85は、実施例4に比較して、空中像の輝度がさらに向上していた。また、二重像も効果的に抑制されていた。これは、画像表示部として直線偏光を出射する画像表示装置を使用し、ビームスプリッターにおける光線の不要な反射を抑制したためと考えられる。
実施例6の空中画像表示装置86は、二重像が視認されず、空中像は良好な視認性を有していた。これは、反射防止偏光ビームスプリッター34を使用したことにより、ビームスプリッターの表面における光線の反射が抑制されたためと考えられる。
実施例7の空中画像表示装置87は、空中像の輝度、および視認性が実施例6と同等の品質を示していた。
実施例8の空中画像表示装置88では、裸眼で立体視することのできる空中像が得られていた。

Claims (14)

  1. 入射光の一部を透過し、一部を反射するビームスプリッターと、
    該ビームスプリッターを透過した光が入射する位置に配置されたミラー面を有するミラー部材と、
    前記ミラー面で正反射されて前記ビームスプリッターに入射され、該ビームスプリッターで正反射された光が入射する位置に配置された再帰反射部材と、
    を備えた光学装置。
  2. 前記ビームスプリッターに関して、前記ミラー部材とは反対の側に被投影物を設置する設置部を備え、
    前記設置部に設置された被投影物の像を前記被投影物に対して光学的に共役な位置に結像する請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記被投影物としての画像を表示する画像表示部を前記設置部に備えた請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記画像表示部が、偏光を出射する画像表示装置である請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記画像表示部が、液晶表示装置、または有機EL表示装置である請求項3に記載の光学装置。
  6. 前記ビームスプリッターが、偏光選択反射材を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 前記偏光選択反射材が、反射型偏光子である請求項6に記載の光学装置。
  8. 前記ビームスプリッターが、吸収型偏光子を有し、前記反射型偏光子および前記吸収型偏光子の透過軸の方向が同一であり、かつ、前記反射型偏光子が前記吸収型偏光子よりも前記ミラー部材側に設置されてなる請求項7に記載の光学装置。
  9. 前記ビームスプリッターの、光が入射する少なくとも一つの表面に反射防止処理が施されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学装置。
  10. 前記ミラー部材の前記ミラー面に偏光変換素子が設置されてなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学装置。
  11. 前記偏光変換素子が1/4波長位相差板である請求項10に記載の光学装置。
  12. 前記再帰反射部材が、コーナーキューブリフレクタを多数並べた再帰反射部材である請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学装置。
  13. 前記再帰反射部材の光入射面に偏光変換素子が設置されてなる請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学装置。
  14. 前記偏光変換素子が1/4波長位相差板である請求項13に記載の光学装置。
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