JP2018097073A - 光学プレート、空中映像表示デバイス、空中映像表示装置、光学プレートの製造方法および空中映像表示デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】単層の光学プレートを構成する複数の平板プレートの接合界面において、平板プレートの接着層の端面への光の入射による光量低下を抑える。【解決手段】光学プレート80は、平板プレート70A・70B1を含む。各平板プレート70A・70B1は、透明部材、ミラー52および接着層53の繰り返し構造Gを有しているとともに、繰り返し構造Gが露出する端面同士が接合されることによって互いに連結されている。映像観察時に、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に位置する第1の平板プレート70P(平板プレート70B1)は、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から、接合界面BFに沿って相対的にずれて位置することによって平面視で観察方向の上流側に近づくように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70A)と連結されている。【選択図】図18
Description
本発明は、光学プレートと、その光学プレートを備えた空中映像表示デバイスと、その空中映像表示デバイスを備えた空中映像表示装置と、上記光学プレートの製造方法と、上記空中映像表示デバイスの製造方法とに関するものである。
従来から、物体の実像を空中に結像させる空中映像表示デバイスが種々提案されている。例えば、特許文献1では、片面に帯状の平面光反射部を有する複数の透明平板を、平面光反射部が一定のピッチで並ぶように積層した光制御パネルを2枚用い、各々の光制御パネルの平面光反射部が平面視で直交するように、2枚の光制御パネルを貼り合わせることにより、空中映像表示デバイスを形成している。平面視で直交する2枚の平面反射部で物体からの光を2回反射させ、空中映像表示デバイスに対して物体とは反対側の空中に導くことにより、観察者は、上記空中に結像される映像(物体の実像)を観察することができる。
このような空中映像表示デバイスは、映像観察時に、2枚の光制御パネルの各反射面が、平面視で(各光制御パネルの厚み方向に垂直な面内で)、映像の観察方向と45°(または135°)で交差するように配置される。このとき、図27に示すように、正方形状の一方の光制御パネル101と、正方形状の他方の光制御パネル102とを、各平面反射部101a・102aが平面視で直交するように貼り合わせて空中映像表示デバイス100を作製し、この空中映像表示デバイス100を水平面内で45°回転させただけでは、空中映像表示デバイス100の外形が観察側から見て菱形形状となる。この場合、空中映像表示デバイス100を用いて、例えば正方形状の映像を空中に表示させて観察者に観察させる際に、空中映像表示デバイス100のうちで菱形の内側に含まれる小さい正方形状の領域100Rしか空中映像の結像に利用されず、デバイス全体を有効利用することができない。
この対策として、図28に示すように、観察者側から見て菱形の空中映像表示デバイス100の右上、右下、左上、左下の4か所に、直角三角形状の別の空中映像表示デバイス200を接合して連結し、全体として正方形状の空中映像表示デバイス300を構成する手法が考えられる。この空中映像表示デバイス300では、全体が正方形状であるため、正方形状の映像を観察させるにあたって、デバイス全体を有効利用することができる。しかも、映像表示に利用できる領域が菱形の空中映像表示デバイス100の領域100R(図27参照)よりも大きいため、大きい映像を観察者に観察させることができる。なお、映像の観察方向から見て正方形状の空中映像表示デバイスではないが、複数の空中映像表示デバイスを並べて1つの大きな空中映像表示デバイスを作製する手法については、例えば特許文献2で開示されている。
ところで、複数の空中映像表示デバイスを各端面で接合して連結する場合、接合界面を介して隣り合う2つのミラー(平面光反射部)が一続きに繋がるように連結することが理想である。しかし、透明平板の製造時の厚み誤差や、各光制御パネルにおいて複数の透明平板を積層接着する際の接着層の厚み誤差などの影響により、接合界面で全てのミラーが一続きに繋がるようにデバイス同士を連結することは実際には困難である。このとき、接合界面における上記接着層の端面が観察者側から視認されるような連結形態であると、物体からの光が上記接着層の端面に入射して光量低下が起こる。このような光量低下は、例えば単層の光制御パネル(平板プレート)を並べて連結する場合でも、映像観察時に、接合界面における上記接着層の端面が観察者側から視認される場合には同様に起こる。上記の光量低下は、観察される映像の品質の劣化を招くため、望ましくはない。
しかし、特許文献2では、接合界面において接着層の端面に光が入射することによる光量低下については全く検討されていない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、複数の平板プレートを各端面で接合して連結するにあたって、接合界面における平板プレートの接着層の端面への光の入射を抑えて光量低下を抑えることができる光学プレートと、その光学プレートを備えた空中映像表示デバイスと、その空中映像表示デバイスを備えた空中映像表示装置と、上記光学プレートの製造方法と、上記空中映像表示デバイスの製造方法とを提供することにある。
本発明の一側面に係る光学プレートは、空中映像表示デバイスに用いられる光学プレートであって、前記光学プレートは、該光学プレートの厚み方向に垂直な方向に連結される複数の平板プレートを含み、前記複数の平板プレートは、透明部材、ミラーおよび接着層が、該平板プレートの厚み方向に垂直な方向に積層されて繰り返して位置する繰り返し構造を有しているとともに、前記繰り返し構造が露出する端面同士が接合されることによって互いに連結されており、映像観察時に、前記光学プレートの各ミラーと映像の観察方向とが平面視で斜めに交差するように前記光学プレートが配置されたときに、接合界面を挟む2つの前記平板プレートのうち、前記接合界面に対して、平面視で前記観察方向の上流側に位置する一方の平板プレートを第1の平板プレートとし、他方の平板プレートを第2の平板プレートとし、前記第1の平板プレートのミラーを第1のミラーとし、前記第2の平板プレートのミラーを第2のミラーとすると、前記第1の平板プレートは、少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記接合界面を介して前記第1のミラーと隣り合う前記第2のミラーと同一面上の位置から、前記接合界面に沿って相対的にずれて位置することによって平面視で前記観察方向の上流側に近づくように、前記第2の平板プレートと連結されている。
本発明の他の側面に係る光学プレートの製造方法は、空中映像表示デバイスに用いられる光学プレートの製造方法であって、複数の平板プレートを連結して前記光学プレートを作製する作製工程を含み、前記複数の平板プレートは、透明部材、ミラーおよび接着層が、該平板プレートの厚み方向に垂直な方向に積層されて繰り返して位置する繰り返し構造を有しており、前記作製工程では、前記繰り返し構造が露出する端面同士を接合することによって、前記複数の平板プレートを互いに連結し、映像観察時に、前記光学プレートの各ミラーと映像の観察方向とが平面視で斜めに交差するように前記光学プレートが配置されたときに、接合界面を挟む2つの前記平板プレートのうち、前記接合界面に対して、平面視で前記観察方向の上流側に位置する一方の平板プレートを第1の平板プレートとし、他方の平板プレートを第2の平板プレートとし、前記第1の平板プレートのミラーを第1のミラーとし、前記第2の平板プレートのミラーを第2のミラーとすると、前記作製工程では、前記第1の平板プレートの少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記接合界面を介して前記第1のミラーと隣り合う前記第2のミラーと同一面上の位置から、前記接合界面に沿って相対的にずれて位置することによって平面視で前記観察方向の上流側に近づくように、前記第1の平板プレートと前記第2の平板プレートとを連結する。
前記光学プレートにおいて、前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内で、前記接合界面に沿った2方向のうち、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面における端面が、前記第1のミラーのシフトによって観察側から視認可能となるように露出するシフト方向を正とし、その逆方向を負としたとき、前記第1の平板プレートは、少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記第2のミラーと同一面上の位置から前記負の方向に相対的にずれて位置するように、前記第2の平板プレートと連結されていてもよい。
前記光学プレートの製造方法において、前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内で、前記接合界面に沿った2方向のうち、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面における端面が、前記第1のミラーのシフトによって観察側から視認可能となるように露出するシフト方向を正とし、その逆方向を負としたとき、前記作製工程では、少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記第2のミラーと同一面上の位置から前記負の方向に相対的にずれて位置するように、前記第1の平板プレートと前記第2の平板プレートとを連結してもよい。
前記光学プレートおよびその製造方法において、前記第1の平板プレートおよび前記第2の平板プレートは、同一の前記繰り返し構造を有しており、前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、前記第1の平板プレートおよび前記第2の平板プレートにおける各透明部材の前記接合界面に沿った幅をS(mm)とし、前記接合界面に沿った特定の領域の長さをL(mm)とし、前記特定の領域内で前記繰り返し構造を構成する前記透明部材、前記ミラーおよび前記接着層の繰り返しの数をM(個)とし、前記第1のミラーの、前記第2のミラーと同一面上の位置からの前記接合界面に沿った方向のズレ量の絶対値をd(mm)としたとき、
d>(L/M−S)/2
であってもよい。
d>(L/M−S)/2
であってもよい。
前記光学プレートおよびその製造方法において、
d≦S/2
であってもよい。
d≦S/2
であってもよい。
前記光学プレートおよびその製造方法において、
d≦(L/M−S)
であってもよい。
d≦(L/M−S)
であってもよい。
前記光学プレートおよびその製造方法では、前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、前記第1の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS1(mm)とし、前記第2の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS2(mm)としたとき、
S1<S2
であってもよい。
S1<S2
であってもよい。
前記光学プレートおよびその製造方法では、前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、前記第1の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT1(mm)とし、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT2(mm)としたとき、
T1=T2
であってもよい。
T1=T2
であってもよい。
前記光学プレートおよびその製造方法では、前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、前記第1の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT1(mm)とし、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT2(mm)としたとき、
T1<T2
であってもよい。
T1<T2
であってもよい。
前記光学プレートおよびその製造方法では、前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、前記第1の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS1(mm)とし、前記第2の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS2(mm)としたとき、
S1=S2
であってもよい。
S1=S2
であってもよい。
本発明のさらに他の側面に係る空中映像表示デバイスは、上述した光学プレートを2枚有し、2枚の前記光学プレートを、各光学プレートのミラーが平面視で交差するように貼り合わせてなる。
本発明のさらに他の側面に係る空中映像表示デバイスの製造方法は、上述した光学プレートの製造方法を用いた空中映像表示デバイスの製造方法であって、2枚の前記光学プレートを、各光学プレートのミラーが平面視で交差するように貼り合わせる貼合工程を含む。
本発明のさらに他の側面に係る空中映像表示装置は、上述した空中映像表示デバイスと、物体とを備え、前記物体の実像を映像として空中に表示させる。
複数の平板プレートを上述のように接合、連結して単層の光学プレートを構成することにより、映像観察時に、接合界面において接着層の端面への光の入射を抑えて光量低下を抑えることができる。これにより、上記光学プレートを空中映像表示デバイスに適用したときに、上記光量低下に起因する映像品位の劣化を抑えることができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本明細書において、数値範囲をa〜bと表記した場合、その数値範囲に下限aおよび上限bの値は含まれるものとする。また、本発明は、以下の内容に限定されるものではない。
<空中映像表示装置について>
図1は、本実施形態の空中映像表示装置10の側面図である。空中映像表示装置10は、空中映像表示デバイス1と、物体OBとを備え、物体OBの実像Rを映像として空中に表示させるものである。すなわち、空中映像表示装置10は、物体OBからの光を空中映像表示デバイス1で反射させて、空中映像表示デバイス1に対して物体OBとは反対側の空中に集めることにより、上記空中に物体OBの実像Rを結像させる。ここで、上記の物体OBは、2次元の画像または上記画像を表示する表示装置(例えば液晶表示装置)であってもよいし、3次元の物体であってもよい。また、物体OBからの光とは、物体OBそのものが発光する光であってもよいし、物体OBに光が当たったときに周囲に散乱される光(散乱光)であってもよい。
図1は、本実施形態の空中映像表示装置10の側面図である。空中映像表示装置10は、空中映像表示デバイス1と、物体OBとを備え、物体OBの実像Rを映像として空中に表示させるものである。すなわち、空中映像表示装置10は、物体OBからの光を空中映像表示デバイス1で反射させて、空中映像表示デバイス1に対して物体OBとは反対側の空中に集めることにより、上記空中に物体OBの実像Rを結像させる。ここで、上記の物体OBは、2次元の画像または上記画像を表示する表示装置(例えば液晶表示装置)であってもよいし、3次元の物体であってもよい。また、物体OBからの光とは、物体OBそのものが発光する光であってもよいし、物体OBに光が当たったときに周囲に散乱される光(散乱光)であってもよい。
図2は、空中映像表示デバイス1の概略の構成を模式的に示す斜視図である。空中映像表示デバイス1は、2枚の光学プレート20・30を貼り合わせて構成されている。ここで、図3は、一方の光学プレート20の断面図であり、図4は、他方の光学プレート30の断面図である。
一方の光学プレート20は、光学プレート20・30の積層方向(例えばZ方向)に垂直な面内で互いに垂直な2方向のうちの一方向(例えばX方向)に、接着層22を介して複数のミラー素子21を並べることによって形成されている。ミラー素子21は、透明部材21aを有している。透明部材21aは、例えばガラスからなる直方体状の透明基板(透明体)であり、Y方向に延びている。そして、透明部材21aにおいて、対向する2面(例えばYZ面に沿った2面)のうちの一方の面に、反射膜の蒸着によってミラー21bが形成されている。
他方の光学プレート30は、上記2方向のうちの他の方向(例えばY方向)に、接着層32を介して複数のミラー素子31を並べることによって形成されている。ミラー素子31は、透明部材31aを有している。透明部材31aは、例えばガラスからなる直方体状の透明基板(透明体)であり、X方向に延びている。そして、透明部材31aにおいて、対向する2面(例えばZX面に沿った2面)のうちの一方の面に、反射膜の蒸着によってミラー31bが形成されている。
上記のようにX方向に複数のミラー素子21を並べて配置した光学プレート20と、上記のようにY方向に複数のミラー素子31を並べて配置した光学プレート30とをZ方向に積層することにより、光学プレート20のミラー21bと光学プレート30のミラー31bとは、平面視で(Z軸方向から見て)互いに直交する位置関係となる。
なお、ミラー21bは、図5に示すように、透明部材21aの対向する2面の両面に形成されていてもよい。同様に、ミラー31bは、図6に示すように、透明部材31aの対向する2面の両面に形成されていてもよい。また、ミラー21b・31bは、例えばアルミニウムなどの金属膜で構成されるが、他の金属材料の膜で構成されてもよい。
また、各ミラー素子21・31には、接着層22・32の厚みを均一にするためのスペーサが一体的に形成されていてもよい。また、接着層22・32を構成する接着剤自体に、上記スペーサが含まれていてもよい。さらに、上記スペーサを用いずにミラー素子21・21同士またはミラー素子31・31同士を接着剤で接着してもよい。
上記構成の空中映像表示デバイス1を用いることにより、空中に映像を結像させることができる。以下、その結像原理について説明する。
図7は、2次元(ZX平面内)での実像の結像原理を示している。点光源Pから発せられた複数の光線は、Z軸に平行な反射面(ミラー21b)でそれぞれ反射され、X軸に対して点光源Pとは反対側の位置P’(点光源PとX軸に対して対称な位置)に集光する。これにより、位置P’にて、点光源Pの実像が結像される。
図8は、3次元空間(XYZ座標系)での光線の反射を模式的に示している。3次元空間では、点光源Oから発せられた光線Aを、ZX平面内の光線a1と、YZ平面内の光線a2とに分解し、図7に倣って、それぞれの光線a1・a2のZX平面内またはYZ平面内での反射を考えることで、光線AのZ軸との交点を求めることができる。つまり、ZX平面内の光線a1は、YZ面に平行な反射面(ミラー21b)で反射された後、Z軸に向かい、YZ平面内の光線a2は、ZX面に平行な反射面(ミラー31b)で反射された後、Z軸に向かう。これらの光線a1・a2は、Z軸上の1点、つまり、点O’で交わる。したがって、光線a1・a2の合成からなる光線Aは、ミラー21bおよびミラー31bにて計2回反射した後、Z軸上の点O’に向かうことになる。
図9は、3次元空間において、点光源Oから発せられた複数の光線が、別々の反射面を介して1点に集光する様子を模式的に示している。点光源Oから発せられた複数の光線は、図8と同様にして、YZ面に平行な反射面(ミラー21b)およびZX面に平行な反射面(ミラー31b)で反射され、Z軸上の同じ点O’に集光する。これにより、点O’にて、点光源Oの実像が結像される。
なお、実際には、各反射面の高さ方向(Z軸方向)における光線の入射位置のずれや、各反射面の配置精度などにより、集光状態にずれが生じるが、このずれは実像の観察において無視できるほど小さいものとする。また、光線の中には、各反射面で3回以上反射するような複雑な経路を辿る光線も存在するが、そのような光線も無視できるものとする。
なお、以上では、2枚の光学プレート20・30を、各反射面(ミラー21b・31b)が平面視で直交するように貼り合わせているが、直交(90°)からずれた角度で交差していてもよい。この場合は、90°からずれた角度分だけ、実像の結像位置が、物体OBと空中映像表示デバイス1を介して対称となる位置から水平方向にずれることになる。
なお、平面視で交差するように配置される各反射面での計2回反射を利用して空中に映像を結像させる方式のことを、コーナーミラー方式と呼ぶことがある。本実施形態の空中映像表示デバイスもコーナーミラー方式を採用しているが、コーナーミラー方式の空中映像表示デバイスは、一方の面側に配置される物体の実像を他方の面側の空間位置に結像させる結像素子等(マイクロミラーアレイ、リフレクタアレイ、光学結像装置、反射型面対称結像素子群などを含む)と言い換えることも可能である。
<空中映像表示デバイスの製造方法>
次に、本実施形態の空中映像表示デバイスの製造方法について、図10〜図13を参照しながら説明する。まず、図10Aおよび図10Bに示すように、少なくとも片面にミラー52が形成された複数枚の透明部材51(例えば厚さ0.5mmのガラス板)を、接着層53を介して積層し、積層体60を得る。なお、図10Bは、図10AのA部の断面を拡大して示したものである。
次に、本実施形態の空中映像表示デバイスの製造方法について、図10〜図13を参照しながら説明する。まず、図10Aおよび図10Bに示すように、少なくとも片面にミラー52が形成された複数枚の透明部材51(例えば厚さ0.5mmのガラス板)を、接着層53を介して積層し、積層体60を得る。なお、図10Bは、図10AのA部の断面を拡大して示したものである。
接着層53は、接着剤の硬化によって形成される。例えば、接着剤として2液エポキシ系接着剤を用いれば、積層体60を積層方向の両側からプレス板(図示せず)で加圧し、加圧状態で所定時間(例えば48時間)放置するだけで接着剤が硬化し、接着層53を得ることができる。接着剤硬化後の積層体60は、ここでは立方体形状であるとする。
次に、上記の積層体60を、図11に示すように、積層方向に沿った断面で所定のピッチで切断する。これにより、個々の切断片を、平面視で(切断面に垂直な方向から見て)正方形状の平板プレート70Aとして取得する。その後、得られた複数の平板プレート70Aの一部を、図12に示すように対角線に沿ってプレートの厚み方向に切断する。これにより、平面視で直角二等辺三角形状の複数の平板プレート70B(70B1〜70B4)を取得する。
そして、図13に示すように、1枚の平板プレート70Aと、4枚の平板プレート70B(70B1〜70B4)とを用い、平板プレート70Aの厚み方向に沿った各端面(側面)70A1〜70A4と、平面視で直角二等辺三角形の斜辺に相当する、各平板プレート70Bの厚み方向に沿った各端面70B1S〜70B4Sとを接着剤を介して接合し、これらを連結する。このとき、各平板プレート70A・70Bの各ミラー52が一方向に沿って並ぶように、各平板プレート70A・70Bを連結する。すなわち、図13の例では、平板プレート70Aの端面70A1と平板プレート70B1の端面70B1S、平板プレート70Aの端面70A2と平板プレート70B2の端面70B2S、平板プレート70Aの端面70A3と平板プレート70B3の端面70B3S、平板プレート70Aの端面70A4と平板プレート70B4の端面70B4Sとを接合して、各平板プレート70A・70Bを連結する。これにより、1枚の単層の光学プレート80が作製される(作製工程)。
続いて、上記のようにして単層の光学プレート80を2枚作製し、これらの2枚の光学プレート80を、各光学プレート80のミラー52が平面視で交差(例えば直交)するように接着剤を介して貼り合わせる(貼合工程)。これにより、図2と同様の構成の空中映像表示デバイス1が得られる。なお、光学プレート80における透明部材51は、図3等で示したミラー素子21の透明部材21aまたはミラー素子31の透明部材31aに対応し、ミラー52は、ミラー素子21のミラー21bまたはミラー素子31のミラー31bに対応し、接着層53は、接着層22に対応する。
なお、本実施形態では、平板プレート70A・70Bを連結して単層の光学プレート80を作製した後、そのような光学プレート80を2枚貼り合わせて空中映像表示デバイス1を得るようにしているが、先に平板プレート70A・70Aを互いのミラー52が平面視で交差するように貼り合わせるとともに、平板プレート70B・70Bを互いのミラー52が平面視で交差するように貼り合わせ、最後に、2層構造のプレート同士を連結して空中映像表示デバイス1を作製することも可能である。ただし、2層同士の連結よりも1層同士の連結のほうが、精度の高い連結がしやすい。このため、本実施形態では、上述のように、先に1層同士の連結を行って単層の光学プレート80を2枚取得し、その後、2枚の光学プレート80を貼り合わせて2層構造の空中映像表示デバイス1を取得するようにしている。
<光量低下の課題についての補足>
次に、本実施形態の平板プレートの連結について説明する前に、前述した光量低下の課題について説明を補足しておく。
次に、本実施形態の平板プレートの連結について説明する前に、前述した光量低下の課題について説明を補足しておく。
図14は、平板プレート70A・70Bの、厚み方向に沿い、かつ、各ミラー52に垂直な面内での断面図である。平板プレート70Aは、図10Bで示したように、透明部材51、ミラー52および接着層53を積層方向に繰り返して積層した積層体60を積層方向に沿って切断して得られるが、このときの積層体60における積層方向は、切断された平板プレート70Aにおいては、プレートの厚み方向に垂直な方向に対応する。したがって、平板プレート70Aは、透明部材51、ミラー52および接着層53が、該平板プレート70Aの厚み方向に垂直な方向に積層されて繰り返して位置する繰り返し構造Gを有していると言える。
また、平板プレート70Bは、平板プレート70Aを厚み方向に切断して得られるため、厚み方向に垂直な方向における透明部材51、ミラー52および接着層53の積層構造は、平板プレート70Aと全く同じである。つまり、平板プレート70Bにおいても、透明部材51、ミラー52および接着層53が、該平板プレート70Bの厚み方向に垂直な方向に積層されて繰り返して位置する繰り返し構造Gを有していると言える。
ここで、平板プレート70Aと平板プレート70Bとの連結に際して、上記の繰り返し構造Gが露出しない端面同士の連結(例えば図13では、端面70A2と端面70B2Sとの連結、端面70A4と端面70B4Sとの連結)では、連結時の接合界面に、繰り返し構造Gを構成する複数の接着層53の端面が現れないため、映像観察時に物体(被対象物)からの光が上記端面に入射すること自体が起こらず、そこで光量が低下する問題は生じない。
これに対して、平板プレート70Aと平板プレート70Bとの連結に際して、繰り返し構造Gが露出する端面同士の連結(例えば図13では、端面70A1と端面70B1Sとの連結、端面70A3と端面70B3Sとの連結)では、接合界面に、繰り返し構造Gを構成する複数の接着層53の端面が現れるため、上記端面に光が入射する場合がある。
図15は、参考例としての平板プレート70A・70B(70B1)の接合部分の斜視図であり、図16は、上記接合部分の平面図である。なお、これらの図面では、便宜的に透明部材51の図示を省略しているが、平板プレート70A・70Bの基本的な構造は、図14と同じである。
透明部材51の製造時の厚み誤差や接着層53の厚み誤差などの影響により、接合界面BFにおいて、平板プレート70Aの接着層53の端面53Sが観察者側から視認されるように、平板プレート70A・70Bが連結されると、平板プレート70A・70Bを含む空中映像表示デバイスにおいて、物体(被対象物)からの光の一部が接着層53の上記端面53Sに入射することが起こり得る。上記端面53Sに入射した光は接着層53で吸収される。この場合、図16に示すように、観察側から視認される接着層53の端面53Sは、光量低下部Cを構成する。このような光量低下部Cが接合界面BFに沿って複数箇所に位置する結果、観察される映像には、ライン状の黒いスジ状の欠陥が含まれる。上記の光量低下は、平板プレート70A・70B3の接合部分でも同様に起こり得る。
つまり、平板プレート70Aの四隅に平板プレート70B1〜70B4を連結して1枚の光学プレート80を構成する場合、接合界面において繰り返し構造Gが露出する平板プレート70A・70B1の接合部分、および平板プレート70A・70B3の接合部分、言い換えれば、光学プレート80の対角方向の2か所の接合部分で光量低下が起こり得る。
このような2か所の接合部分で光量低下が起こる光学プレート80を2枚貼り合わせて空中映像表示デバイスを構成すると、2枚の光学プレート80は互いのミラー52を平面視で直交させるべく、相対的に90°回転して貼り合わされるため、結果的に、空中映像表示デバイスの4か所(1層目の光学プレート80の対角方向の2か所、2層目の光学プレート80の別の対角方向の2か所)で光量低下が起こる。図17は、上記空中映像表示デバイスを用い、物体の位置に液晶表示装置を配置して画面全体を白表示させたときに、空中に結像される映像を観察側からカメラで撮影して得られる画像IMを模式的に示している。観察される空中映像において、2つの平板プレートの接合部分に対応する位置(計4か所)に黒いスジ状の欠陥Fが現れていることがわかる。
<本実施形態の平板プレートの連結について>
以上の点に鑑み、本実施形態では、接合界面BFにて接着層53の端面53Sが観察側から視認されないように、繰り返し構造Gが露出する端面を有する平板プレート70Aと平板プレート70B(例えば平板プレート70B1または平板プレート70B3)とを接合して連結することで、上記の光量低下を抑え、これによって観察される映像の品位劣化を抑えるようにしている。より具体的には、以下の通りである。
以上の点に鑑み、本実施形態では、接合界面BFにて接着層53の端面53Sが観察側から視認されないように、繰り返し構造Gが露出する端面を有する平板プレート70Aと平板プレート70B(例えば平板プレート70B1または平板プレート70B3)とを接合して連結することで、上記の光量低下を抑え、これによって観察される映像の品位劣化を抑えるようにしている。より具体的には、以下の通りである。
図18は、本実施形態における平板プレート70A・70B1の接合部分の平面図である。なお、図18では、便宜的に透明部材51の図示を省略しているが、平板プレート70A・70B1の基本的な構造は、図14と同じである。
ここで、映像観察時に、複数の平板プレート70A・70Bを連結した光学プレート80の各ミラー52と映像の観察方向とが、平面視で(光学プレート80の厚さ方向に垂直な面内で)斜めに交差するように光学プレート80が配置されたときに、接合界面BFを挟む2つの平板プレート70A・70B1のうち、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に位置する一方の平板プレート70B1を第1の平板プレート70Pとし、他方の平板プレート70Aを第2の平板プレート70Qとする。また、第1の平板プレート70Pのミラー52を、第1のミラー52Pとし、第2の平板プレート70Qのミラー52を、第2のミラー52Qとする。
なお、「斜めに交差」とは、各ミラー52と映像の観察方向とが、平面視で0°および90°以外の角度θ(°)で交差することを指し、本実施形態では、角度θとして、例えば45°または135°を想定している。
本実施形態では、第1の平板プレート70P(平板プレート70B1)は、少なくとも1つの第1のミラー52P(図18では例として全部)が、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う(並んで位置する)第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から、接合界面BFに沿って相対的にずれて位置することによって平面視で観察方向の上流側に近づくように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70A)と連結されている。すなわち、図18では、第1の平板プレート70Pは、第2の平板プレート70Qに対して接合界面BFに沿って相対的に左下方向にシフト(オフセット)して連結されている。
なお、第1の平板プレート70Pに含まれる複数の第1のミラー52Pの一部は、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0にあってもよいが(図25参照)、この例については後述する。
なお、光学プレート80の製造方法において、複数の平板プレート70A・70Bを連結して光学プレート80を作製する工程を作製工程とすると、この作製工程では、第1の平板プレート70Pの少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から、接合界面BFに沿って相対的にずれて位置することによって平面視で観察方向の上流側に近づくように、第1の平板プレート70Pと第2の平板プレート70Qとを連結する、と言うことができる。
ここで、光学プレート80の厚み方向に垂直な面内で、接合界面BFに沿った2方向D1・D2のうち、第2の平板プレート70Qの接着層53の接合界面BFにおける端面53Sが第1のミラー52Pのシフトによって観察側から視認可能となるように露出するシフト方向を正とし、その逆方向を負とする。例えば、第1のミラー52Pが上記面内で位置E0からD1方向にシフトすると、第2の平板プレート70Q(平板プレート70A)の接着層53の接合界面BFにおける端面53Sが観察側から視認可能となるように露出することは、図15を参照することで容易に理解できる。したがって、上記のD1方向は、正の方向となり、その逆方向であるD2方向は、負の方向となる。
このような定義を用いると、本実施形態では、第1の平板プレート70P(平板プレート70B1)は、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から負の方向(D2方向)に相対的にずれて位置するように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70A)と連結されている、と言うことができる。
このように、図18で示したような連結では、接合界面BFにおける第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sは、平面視で観察方向の上流側から見て、第1の平板プレート70Pの第1のミラー52Pの影になり(第1のミラー52Pの背後に位置し)、観察側からは視認されない位置にある。この場合、映像観察時に物体OB(図1参照)から出射されて上記端面53Sに向かう光(例えば平面視で観察方向と同一方向に進行する光)があっても、その光は先に第1の平板プレート70Pの第1のミラー52Pに入射して反射されるため、上記端面53Sへの光の入射は妨げられる。よって、上記端面53Sに光が入射することによる光量低下を抑えることができる。
また、図19は、平板プレート70A・70B3の接合部分の平面図である。なお、図19においても、便宜的に透明部材51の図示を省略しているが、平板プレート70A・70B3の基本的な構造は、図14と同じである。
平板プレート70A・70B3の接合部分では、映像観察時に、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に平板プレート70Aが位置し、その反対側に平板プレート70B3が位置する。したがって、上述した第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qの定義を平板プレート70A・70B3に当てはめると、以下のようになる。すなわち、接合界面BFを挟む2つの平板プレート70A・70B1のうち、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に位置する平板プレート70Aが第1の平板プレート70Pとなり、他方の平板プレート70B3が第2の平板プレート70Qとなる。
この場合でも、第1の平板プレート70P(平板プレート70A)は、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から、接合界面BFに沿って相対的にずれて位置することによって平面視で観察方向の上流側に近づくように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70B1)と連結されればよい。つまり、第1の平板プレート70Pは、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から負の方向(D2方向)に相対的にずれて位置するように、第2の平板プレート70Qと連結されていればよい。
このような連結では、接合界面BFにおける第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sは、平面視で観察方向の上流側から見て、第1の平板プレート70Pの第1のミラー52Pの影になり、観察側からは視認されない位置にあるため、映像観察時に上記端面53Sへの光の入射を抑えて光量低下を抑えることができる。
このように、平板プレート70A・70B1の接合部分、および平板プレート70A・70B3の接合部分における光量低下を抑えることができるため、本実施形態の光学プレート80を空中映像表示デバイス1に適用したときに、上記光量低下に起因する映像品位の劣化を抑えることができる。
なお、以上では、空中映像表示デバイス1を構成する2枚の光学プレート80の一方(例えば1層目の光学プレート80)を構成する平板プレートの連結について説明したが、他方の光学プレート80(例えば2層目の光学プレート80)を構成する平板プレートの連結についても、上記と同様の連結方法を採用することにより、接合部分での光量低下を抑えることができる。
例えば、図20は、図13の光学プレート80を1層目として用いるときに、2層目として用いる光学プレート80の構成を示している。図20の光学プレート80は、1枚の平板プレート70Aと、4枚の平板プレート70B(70B5〜70B6)とを用い、平板プレート70Aの厚み方向に沿った各端面(側面)70A5〜70A8と、平面視で直角二等辺三角形の斜辺に相当する、各平板プレート70Bの厚み方向に沿った各端面70B5S〜70B8Sとを接着剤を介して接合して連結することによって形成される。このとき、各平板プレート70A・70Bの各ミラー52が一方向に沿って並ぶように、各平板プレート70A・70Bを連結する。すなわち、図20の例では、平板プレート70Aの端面70A5と平板プレート70B5の端面70B5S、平板プレート70Aの端面70A6と平板プレート70B6の端面70B6S、平板プレート70Aの端面70A7と平板プレート70B7の端面70B7S、平板プレート70Aの端面70A8と平板プレート70B8の端面70B8Sとを接合して、各平板プレート70A・70Bを連結する。これにより、2層目の光学プレート80が作製される。なお、1層目の光学プレート80と2層目の光学プレート80とで、各層のミラー52は直交する位置関係にあるため、図20では、ミラー52の向きを図13と直交するように図示している。
ここで、平板プレート70Aと平板プレート70Bとの連結に際して、繰り返し構造Gが露出する端面同士の連結となるのは、図20より、平板プレート70Aと平板プレート70B8との連結(端面70A8と端面70B8Sとの連結)、および平板プレート70Aと平板プレート70B6との連結(端面70A6と端面70B6Sとの連結)であることがわかる。したがって、これらのプレートの連結において、1層目の光学プレート80と同様の連結方法を採用すればよい。
図21は、平板プレート70A・70B8の接合部分の平面図である。なお、図21においても、便宜的に透明部材51の図示を省略しているが、平板プレート70A・70B8の基本的な構造は、図14と同じである。
平板プレート70A・70B8の接合部分では、映像観察時に、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に平板プレート70B8が位置し、その反対側に平板プレート70Aが位置する。したがって、上述した定義を用いると、接合界面BFを挟む2つの平板プレート70A・70B8のうち、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に位置する平板プレート70B8が第1の平板プレート70Pとなり、他方の平板プレート70Aが第2の平板プレート70Qとなる。
この場合でも、第1の平板プレート70P(平板プレート70B8)は、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から、接合界面BFに沿って相対的にずれて位置することによって平面視で観察方向の上流側に近づくように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70A1)と連結されればよい。例えば、第1の平板プレート70Pは、第2の平板プレート70Qに対して、接合界面BFに沿って相対的に図21の右下方向にシフト(オフセット)して連結されればよい。
また、1層目と同様に、光学プレート80の厚み方向に垂直な面内で、接合界面BFに沿った2方向D1・D2のうち、第2の平板プレート70Qの接着層53の接合界面BFにおける端面53Sが第1のミラー52Pのシフトによって観察側から視認可能となるように露出するシフト方向を正とし、その逆方向を負とする。このような定義を用いると、第1の平板プレート70P(平板プレート70B8)は、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から負の方向(D2方向)に相対的にずれて位置するように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70A)と連結されればよい、と言うことができる。
図22は、平板プレート70A・70B6の接合部分の平面図である。なお、図22においても、便宜的に透明部材51の図示を省略しているが、平板プレート70A・70B6の基本的な構造は、図14と同じである。
平板プレート70A・70B6の接合部分では、映像観察時に、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に平板プレート70Aが位置し、その反対側に平板プレート70B6が位置する。したがって、上述した定義を用いると、接合界面BFを挟む2つの平板プレート70A・70B6のうち、接合界面BFに対して、平面視で観察方向の上流側に位置する平板プレート70Aが第1の平板プレート70Pとなり、他方の平板プレート70B6が第2の平板プレート70Qとなる。
この場合でも、第1の平板プレート70P(平板プレート70A)は、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から、接合界面BFに沿って相対的にずれて位置することによって平面視で観察方向の上流側に近づくように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70B6)と連結されればよい。言い換えると、第1の平板プレート70P(平板プレート70A)は、少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から負の方向(D2方向)に相対的にずれて位置するように、第2の平板プレート70Q(平板プレート70B6)と連結されればよい。
上記した平板プレート70A・70B8、平板プレート70A・70B6のいずれの連結においても、接合界面BFにおける第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sは、平面視で観察方向の上流側から見て、第1の平板プレート70Pの第1のミラー52Pの影になり、観察側からは視認されない位置にあるため、映像観察時に上記端面53Sへの光の入射を抑えて光量低下を抑えることができる。
したがって、本実施形態の連結方法を採用した1層目の光学プレート80と2層目の光学プレート80とを、各層のミラー52が交差するように貼り合わせて空中映像表示デバイス1を構成することにより、接合部分(接着層53の端面53S)での光量低下に起因する映像品位の劣化を確実に抑えることができる。
特に、図18、図19、図21および図22で示したように、第1のミラー52Pの位置E0に対するシフト方向が負の方向(D2方向)であるため、接着層53の端面53Sが確実に第1のミラー52Pの影となって、映像観察時に上記端面53Sに光が入射するのを確実に抑えることができるため、上記光の入射による光量低下を確実に抑えることができる。
<接合界面に沿った第1のミラーのズレ量について>
次に、上述した平板プレート70A・70Bの連結における第1のミラー52Pの、位置E0からのD2方向のズレ量(シフト量、オフセット量)について説明する。なお、以下で説明するズレ量については、平板プレート70A・70B1との連結(図18参照)、平板プレート70A・70B3との連結(図19参照)、平板プレート70A・70B8との連結(図21参照)、平板プレート70A・70B6との連結(図22参照)のいずれにおいても共通であるため、ここでは、例として、平板プレート70A・70B1との連結における第1のミラー52Pのズレ量について説明する。また、ここでは、平板プレート70A・70B1は、同一の繰り返し構造Gを有するものとする。つまり、繰り返し構造Gを構成する透明部材51、ミラー52、接着層53の繰り返し方向の各厚みは、平板プレート70A・70B1で同じとする。
次に、上述した平板プレート70A・70Bの連結における第1のミラー52Pの、位置E0からのD2方向のズレ量(シフト量、オフセット量)について説明する。なお、以下で説明するズレ量については、平板プレート70A・70B1との連結(図18参照)、平板プレート70A・70B3との連結(図19参照)、平板プレート70A・70B8との連結(図21参照)、平板プレート70A・70B6との連結(図22参照)のいずれにおいても共通であるため、ここでは、例として、平板プレート70A・70B1との連結における第1のミラー52Pのズレ量について説明する。また、ここでは、平板プレート70A・70B1は、同一の繰り返し構造Gを有するものとする。つまり、繰り返し構造Gを構成する透明部材51、ミラー52、接着層53の繰り返し方向の各厚みは、平板プレート70A・70B1で同じとする。
まず、図18に示すように、光学プレート80の厚み方向に垂直な面内において、第1の平板プレート70P(図18では平板プレート70B1)および第2の平板プレート70Q(図18では平板プレート70A)における各透明部材51の接合界面BFに沿った幅をS(mm)とし、接合界面BFに沿った特定の領域の長さをL(mm)とし、長さLの特定の領域内での繰り返し単位数、すなわち、繰り返し構造Gを構成する透明部材51、ミラー52および接着層53の繰り返しの数をM(個)とし、第1のミラー52Pの、第2のミラー52Qと同一面上の位置E0からの接合界面BFに沿ったD2方向のズレ量の絶対値をd(mm)とする。本実施形態では、ズレ量dについて、以下の条件式(1)を満足している。すなわち、
d>(L/M−S)/2 ・・・(1)
である。なお、「ズレ量の絶対値」としたのは、D2方向(負の方向)のシフトであっても、ズレ量を正の値で取り扱うようにするためである。
d>(L/M−S)/2 ・・・(1)
である。なお、「ズレ量の絶対値」としたのは、D2方向(負の方向)のシフトであっても、ズレ量を正の値で取り扱うようにするためである。
L/Mは、長さLの特定の領域に含まれる繰り返し構造Gを構成する1個の繰り返し単位の長さ、つまり、1個の透明部材51、1個のミラー52、1個の接着層53の各厚みの合計を指し、(L/M−S)は、そこから透明部材51の厚みを差し引いた残り、つまり、ミラー52の厚みと接着層53の厚みとの合計を指す。しかし、ミラー52は、反射膜の蒸着により形成されて、その厚みは例えば100nm程度であり、透明基材51(例えば厚み0.5mm程度)や接着層53(例えば厚み100μm)に比べると、非常に薄い。このため、(L/M−S)は、接着層53の厚みと実質的に同じと考えることができる。したがって、上記の条件式(1)は、第1のミラー52PのD2方向のズレ量dが、接着層53の厚みの半分よりも大きいことと実質的に同じである。
このように、第1のミラー52Pのズレ量dについて、条件式(1)を満足するように、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qが連結されていることにより、観察側から見て、第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sが確実に第1のミラー52Pの影となるため、映像観察時に上記端面53Sへの光の入射およびそれによる光量低下を確実に抑えることができる。なお、条件式(1)を満足するような連結は、第2の平板プレート70Qに対して、第1の平板プレート70P自体を接合界面BFに沿ってD2方向にシフトさせて連結することによって実現できる。
一方、第1のミラー52PのD2方向のズレ量dが大きすぎると、接着層53の端面53Sに光が入射することによる光量低下を抑えることはできても、接合界面BFを介して隣り合う第1のミラー52Pおよび第2のミラー52Qが連続的に繋がらないため(段差が大きくなるため)、接合界面BFと表示映像で対応する部分において映像を滑らかに繋げることができなくなり、これによる映像品位の低下が懸念される。
そこで、接合界面BFと表示映像で対応する部分において映像を滑らかに繋げて表示する観点からは、上記のズレ量dは、透明基材51の厚みの半分以下であることが望ましく、接着層53の厚み以下であることがより望ましい。つまり、ズレ量dについて、
d≦S/2 ・・・(2)
を満足することが望ましく、
d≦(L/M−S) ・・・(3)
を満足することがより望ましい。
d≦S/2 ・・・(2)
を満足することが望ましく、
d≦(L/M−S) ・・・(3)
を満足することがより望ましい。
<平板プレートの連結方法のバリエーション>
以上では、第1の平板プレート70Pと第2の平板プレート70Qとを連結するにあたって、接合界面に沿って一方のプレートを他方のプレートに対して相対的にシフトさせることによって連結する例について説明したが、プレートの構造を互いに相違させることにより、プレートをシフトさせることなく連結するようにしてもよい。以下、このような連結方法について、より具体的に説明する。
以上では、第1の平板プレート70Pと第2の平板プレート70Qとを連結するにあたって、接合界面に沿って一方のプレートを他方のプレートに対して相対的にシフトさせることによって連結する例について説明したが、プレートの構造を互いに相違させることにより、プレートをシフトさせることなく連結するようにしてもよい。以下、このような連結方法について、より具体的に説明する。
図23は、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qの他の連結方法を示す断面図である。接合界面BFに対して相対的に観察方向の上流側に位置する第1の平板プレート70Pの透明部材51の接合界面BFに沿った幅をS1(mm)とする。また、他方の第2の平板プレート70Qの透明部材51の接合界面BFに沿った幅をS2(mm)とする。このとき、
S1<S2 ・・・(4)
であってもよい。なお、第1の平板プレート70Pの接着層53の接合界面BFに沿った幅をT1(mm)とし、第2の平板プレート70Qの接着層53の接合界面BFに沿った幅をT2(mm)とすると、図23では、T1=T2としている。
S1<S2 ・・・(4)
であってもよい。なお、第1の平板プレート70Pの接着層53の接合界面BFに沿った幅をT1(mm)とし、第2の平板プレート70Qの接着層53の接合界面BFに沿った幅をT2(mm)とすると、図23では、T1=T2としている。
条件式(4)を満足することにより、図23に示すように、第1の平板プレート70Pの接合界面BFに沿った方向の端部70P1と、第2の平板プレート70Qの接合界面BFに沿った方向の端部70Q1とを同一面上に揃えた状態で、接合界面BFにおける第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sが、平面視で観察方向の上流側から見て、第1の平板プレート70Pの第1のミラー52Pの影となるように(観察側から視認されない位置になるように)、上記第1のミラー52Pを位置させる(位置E0からD2方向にずらす)ことができる。したがって、透明部材51の厚みS1・S2を変えるという簡単な手法により、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qを相対的にシフトさせることなく、接着層53の端面53Sでの光量低下を抑える連結が可能となる。
なお、図23の例では、T1=T2としたが、第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sが観察側から見て第1のミラー52Pの影となるような位置関係を実現できるのであれば、T1=T2には限定されず、例えばT1>T2であってもよい。
図24は、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qのさらに他の連結方法を示す断面図である。図24は、S1<S2のときに、(S1+T1)=(S2+T2)となるように、各接着層53の厚みT1およびT2(ただしT1>T2)を設定した例を示している。この場合でも、第1の平板プレート70Pの端部70P1と、第2の平板プレート70Qの端部70Q1とを同一面上に揃えた状態で、接合界面BFにおける第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sが、平面視で観察方向の上流側から見て、第1の平板プレート70Pの第1のミラー52Pの影となるように、上記第1のミラー52Pを位置させることができる。したがって、このような連結方法であっても、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qを相対的にシフトさせることなく、接着層53の端面53Sでの光量低下を抑えるような連結が可能となる。
図25は、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qのさらに他の連結方法を示す断面図である。上記したT1およびT2は、以下の関係であってもよい。すなわち、
T1<T2 ・・・(5)
である。なお、図25では、便宜的に、S1=S2としている。
T1<T2 ・・・(5)
である。なお、図25では、便宜的に、S1=S2としている。
条件式(5)を満足する場合であっても、図25に示すように、第1の平板プレート70Pの接合界面BFに沿った方向の端部70P1と、第2の平板プレート70Qの接合界面BFに沿った方向の端部70Q1とを同一面上に揃えた状態で、接合界面BFにおける第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sが、平面視で観察方向の上流側から見て、第1の平板プレート70Pの第1のミラー52Pの影となるように(観察側から視認されない位置になるように)、上記第1のミラー52Pを位置させる(位置E0からD2方向にずらす)ことができる。したがって、接着層53の厚みT1・T2を変えるという簡単な手法により、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qを相対的にシフトさせることなく、接着層53の端面53Sでの光量低下を抑える連結が可能となる。
なお、図25の構成において、第1の平板プレート70Pの複数の第1のミラー52Pのうち、第1の平板プレート70Pの端部70P1に最も近い第1のミラー52Pについては、S1=S2のため、接合界面BFを介して隣り合う第2のミラー52Qと同一面上に位置し、位置E0からD2方向にはずれない。しかし、それ以外の第1のミラー52Pについては、隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0からD2方向にずれる。また、位置E0からD2方向に第1のミラー52Pがずれていなくても、この第1のミラー52Pと接合界面BFを介して隣り合う第2のミラー52Qと接着される接着層53の端面53Sが観察側から見て上記第1のミラー52Pの影になっており、上記端面53Sでの光量低下を抑えることができることに変わりはない。したがって、本実施形態で説明した構成(連結方法)は、上述したように、第1の平板プレート70Pの少なくとも1つの第1のミラー52Pが、接合界面BFを介して第1のミラー52Pと隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0から、接合界面BFに沿って相対的にずれて位置することによって平面視で観察方向の上流側に近づくように、第2の平板プレート70Qと連結されていればよいと言える。
なお、図25の例では、S1=S2としたが、第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sが観察側から見て第1のミラー52Pの影となるような位置関係を実現できるのであれば、S1=S2には限定されない。例えば、図26に示すように、S1<S2、かつ、T1<T2を満足する構成であっても構わない。
特に、図23のように、T1=T2の条件を満足しつつ、S1<S2としたり、図25のように、S1=S2の条件を満足しつつ、T1<S2とすることにより、第1の平板プレート70Pおよび第2の平板プレート70Qを接合界面BFに沿って相対的にシフトさせることなく連結したとしても(第1の平板プレート70Pの端部70P1と、第2の平板プレート70Qの端部70Q1とを揃えて連結しても)、第1の平板プレート70Pの少なくとも一部の第1のミラー52Pは、必ず、接合界面BFを介して隣り合う第2のミラー52Qと同一面上の位置E0からD2方向にオフセットされる配置となり、第2の平板プレート70Qの接着層53の端面53Sでの光量低下を容易に低減することが可能となる。
本発明は、空中に物体の実像を表示する空中映像表示装置に利用可能である。
1 空中映像表示デバイス
10 空中映像表示装置
51 透明部材
52 ミラー
52P 第1のミラー
52Q 第2のミラー
53 接着層
53S 端面
70A 平板プレート
70B 平板プレート
70P 第1の平板プレート
70Q 第2の平板プレート
80 光学プレート
BF 接合界面
G 繰り返し構造
OB 物体
R 実像
10 空中映像表示装置
51 透明部材
52 ミラー
52P 第1のミラー
52Q 第2のミラー
53 接着層
53S 端面
70A 平板プレート
70B 平板プレート
70P 第1の平板プレート
70Q 第2の平板プレート
80 光学プレート
BF 接合界面
G 繰り返し構造
OB 物体
R 実像
Claims (21)
- 空中映像表示デバイスに用いられる光学プレートであって、
前記光学プレートは、該光学プレートの厚み方向に垂直な方向に連結される複数の平板プレートを含み、
前記複数の平板プレートは、透明部材、ミラーおよび接着層が、該平板プレートの厚み方向に垂直な方向に積層されて繰り返して位置する繰り返し構造を有しているとともに、前記繰り返し構造が露出する端面同士が接合されることによって互いに連結されており、
映像観察時に、前記光学プレートの各ミラーと映像の観察方向とが平面視で斜めに交差するように前記光学プレートが配置されたときに、接合界面を挟む2つの前記平板プレートのうち、前記接合界面に対して、平面視で前記観察方向の上流側に位置する一方の平板プレートを第1の平板プレートとし、他方の平板プレートを第2の平板プレートとし、前記第1の平板プレートのミラーを第1のミラーとし、前記第2の平板プレートのミラーを第2のミラーとすると、
前記第1の平板プレートは、少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記接合界面を介して前記第1のミラーと隣り合う前記第2のミラーと同一面上の位置から、前記接合界面に沿って相対的にずれて位置することによって平面視で前記観察方向の上流側に近づくように、前記第2の平板プレートと連結されていることを特徴とする光学プレート。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内で、前記接合界面に沿った2方向のうち、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面における端面が、前記第1のミラーのシフトによって観察側から視認可能となるように露出するシフト方向を正とし、その逆方向を負としたとき、
前記第1の平板プレートは、少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記第2のミラーと同一面上の位置から前記負の方向に相対的にずれて位置するように、前記第2の平板プレートと連結されていることを特徴とする請求項1に記載の光学プレート。 - 前記第1の平板プレートおよび前記第2の平板プレートは、同一の前記繰り返し構造を有しており、
前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートおよび前記第2の平板プレートにおける各透明部材の前記接合界面に沿った幅をS(mm)とし、前記接合界面に沿った特定の領域の長さをL(mm)とし、前記特定の領域内で前記繰り返し構造を構成する前記透明部材、前記ミラーおよび前記接着層の繰り返しの数をM(個)とし、前記第1のミラーの、前記第2のミラーと同一面上の位置からの前記接合界面に沿った方向のズレ量の絶対値をd(mm)としたとき、
d>(L/M−S)/2
であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学プレート。 - d≦S/2
であることを特徴とする請求項3に記載の光学プレート。 - d≦(L/M−S)
であることを特徴とする請求項3または4に記載の光学プレート。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS1(mm)とし、前記第2の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS2(mm)としたとき、
S1<S2
であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学プレート。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT1(mm)とし、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT2(mm)としたとき、
T1=T2
であることを特徴とする請求項6に記載の光学プレート。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT1(mm)とし、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT2(mm)としたとき、
T1<T2
であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学プレート。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS1(mm)とし、前記第2の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS2(mm)としたとき、
S1=S2
であることを特徴とする請求項8に記載の光学プレート。 - 請求項1から9のいずれかに記載の光学プレートを2枚有し、2枚の前記光学プレートを、各光学プレートのミラーが平面視で交差するように貼り合わせてなることを特徴とする空中映像表示デバイス。
- 請求項10に記載の空中映像表示デバイスと、物体とを備え、前記物体の実像を映像として空中に表示させることを特徴とする空中映像表示装置。
- 空中映像表示デバイスに用いられる光学プレートの製造方法であって、
複数の平板プレートを連結して前記光学プレートを作製する作製工程を含み、
前記複数の平板プレートは、透明部材、ミラーおよび接着層が、該平板プレートの厚み方向に垂直な方向に積層されて繰り返して位置する繰り返し構造を有しており、
前記作製工程では、前記繰り返し構造が露出する端面同士を接合することによって、前記複数の平板プレートを互いに連結し、
映像観察時に、前記光学プレートの各ミラーと映像の観察方向とが平面視で斜めに交差するように前記光学プレートが配置されたときに、接合界面を挟む2つの前記平板プレートのうち、前記接合界面に対して、平面視で前記観察方向の上流側に位置する一方の平板プレートを第1の平板プレートとし、他方の平板プレートを第2の平板プレートとし、前記第1の平板プレートのミラーを第1のミラーとし、前記第2の平板プレートのミラーを第2のミラーとすると、
前記作製工程では、前記第1の平板プレートの少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記接合界面を介して前記第1のミラーと隣り合う前記第2のミラーと同一面上の位置から、前記接合界面に沿って相対的にずれて位置することによって平面視で前記観察方向の上流側に近づくように、前記第1の平板プレートと前記第2の平板プレートとを連結することを特徴とする光学プレートの製造方法。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内で、前記接合界面に沿った2方向のうち、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面における端面が、前記第1のミラーのシフトによって観察側から視認可能となるように露出するシフト方向を正とし、その逆方向を負としたとき、
前記作製工程では、少なくとも1つの前記第1のミラーが、前記第2のミラーと同一面上の位置から前記負の方向に相対的にずれて位置するように、前記第1の平板プレートと前記第2の平板プレートとを連結することを特徴とする請求項12に記載の光学プレートの製造方法。 - 前記第1の平板プレートおよび前記第2の平板プレートは、同一の前記繰り返し構造を有しており、
前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートおよび前記第2の平板プレートにおける各透明部材の前記接合界面に沿った幅をS(mm)とし、前記接合界面に沿った特定の領域の長さをL(mm)とし、前記特定の領域内で前記繰り返し構造を構成する前記透明部材、前記ミラーおよび前記接着層の繰り返しの数をM(個)とし、前記第1のミラーの、前記第2のミラーと同一面上の位置からの前記接合界面に沿った方向のズレ量の絶対値をd(mm)としたとき、
d>(L/M−S)/2
であることを特徴とする請求項12または13に記載の光学プレートの製造方法。 - d≦S/2
であることを特徴とする請求項14に記載の光学プレートの製造方法。 - d≦(L/M−S)
であることを特徴とする請求項14または15に記載の光学プレートの製造方法。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS1(mm)とし、前記第2の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS2(mm)としたとき、
S1<S2
であることを特徴とする請求項12または13に記載の光学プレートの製造方法。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT1(mm)とし、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT2(mm)としたとき、
T1=T2
であることを特徴とする請求項17に記載の光学プレートの製造方法。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT1(mm)とし、前記第2の平板プレートの接着層の前記接合界面に沿った幅をT2(mm)としたとき、
T1<T2
であることを特徴とする請求項12または13に記載の光学プレートの製造方法。 - 前記光学プレートの厚み方向に垂直な面内において、
前記第1の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS1(mm)とし、前記第2の平板プレートの透明部材の前記接合界面に沿った幅をS2(mm)としたとき、
S1=S2
であることを特徴とする請求項19に記載の光学プレートの製造方法。 - 請求項12から20のいずれかに記載の光学プレートの製造方法を用いた空中映像表示デバイスの製造方法であって、
2枚の前記光学プレートを、各光学プレートのミラーが平面視で交差するように貼り合わせる貼合工程を含むことを特徴とする空中映像表示デバイスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016239571A JP2018097073A (ja) | 2016-12-09 | 2016-12-09 | 光学プレート、空中映像表示デバイス、空中映像表示装置、光学プレートの製造方法および空中映像表示デバイスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016239571A JP2018097073A (ja) | 2016-12-09 | 2016-12-09 | 光学プレート、空中映像表示デバイス、空中映像表示装置、光学プレートの製造方法および空中映像表示デバイスの製造方法 |
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JP2018097073A true JP2018097073A (ja) | 2018-06-21 |
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ID=62633514
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JP2016239571A Pending JP2018097073A (ja) | 2016-12-09 | 2016-12-09 | 光学プレート、空中映像表示デバイス、空中映像表示装置、光学プレートの製造方法および空中映像表示デバイスの製造方法 |
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JP (1) | JP2018097073A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022521948A (ja) * | 2019-05-21 | 2022-04-13 | 安徽省東超科技有限公司 | 光学レンズ |
-
2016
- 2016-12-09 JP JP2016239571A patent/JP2018097073A/ja active Pending
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