JP6647942B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、作業車両に関する。
エンジンが停止した際に、ブレーキが自動的に作動する非常ブレーキ装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載のブレーキ装置は、ばねの力により制動をかけ、油圧シリンダに圧油を送ってブレーキ解除圧を作用させることによりばねの力に抗してその制動を解除するネガティブ型のブレーキ装置である。
上記ブレーキ装置は、油圧ポンプの吐出口と油圧シリンダとを連通させて油圧シリンダに圧油を送り制動を解除する第1の位置と、油圧シリンダと油槽(タンク)とを連通させて油圧シリンダから圧油を逃がし、ばねによる制動を行わせる第2の位置との切り換えを成し得るスプールを有する流量感知弁を備えている。
上記ブレーキ装置は、スプールのオリフィスに油圧ポンプからの油を通過させて、オリフィス前後の圧力差によりスプールを第1の位置へ変位させる油圧回路を備えている。上記ブレーキ装置は、エンジンの停止と共に油圧ポンプが停止して上記圧力差が消滅した際にスプールを第2の位置に戻す復帰ばねを備えている。
特開昭50−128065号公報
上記特許文献1に記載のブレーキ装置では、車速が高い状態で作動すると車両に大きなショックが発生してしまうおそれがある。
本発明の一態様による作業車両は、原動機と、前記原動機により駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプと接続され、ブレーキ解除圧が作用していないときには第1の制動力を車輪に付与し、前記ブレーキ解除圧が作用しているときには前記第1の制動力を解除する油圧シリンダを備えたネガティブ型の第1のブレーキ装置と、を備えた作業車両であって、前記第1のブレーキ装置とは別に設けられ、前記第1の制動力よりも小さい第2の制動力を発生する第2のブレーキ装置と、前記作業車両の運転および停止を選択的に指示する運転停止指示部と、前記運転停止指示部とは別に設けられ、前記原動機に停止を指示する原動機停止指示部と、前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されると、前記第2のブレーキ装置を作動させた後に前記第1のブレーキ装置を作動させるブレーキ制御装置と、を備え、前記ブレーキ制御装置は、前記油圧ポンプと前記第1のブレーキ装置とを接続する油路から分岐してタンクに接続される油路に設けられた第1のブリードオフ絞りを有している
本発明によれば、非常時など、走行中に原動機を停止させたときに、ブレーキの作動による大きなショックを発生させることなく、車両を減速させ、停止させることができる。
本発明の一実施の形態に係る作業車両の一例であるホイールローダの側面図。 第1の実施の形態に係るホイールローダの構成を示す図。 エンジンキースイッチと非常停止スイッチのオン、オフによるPB切換弁とEB切換弁の切り換え位置を示す表。 第2の実施の形態に係るホイールローダの構成を示す図。 変形例1に係るホイールローダの構成を示す図。 変形例2に係るホイールローダの構成を示す図。 (a)は変形例3に係るホイールローダの構成を示す図、(b)は変形例4に係るホイールローダの構成を示す図。
−第1の実施の形態−
以下、図面を参照して、本発明による作業車両の一実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る作業車両の一例であるホイールローダ100の側面図である。ホイールローダ100は、アーム111、バケット112、および、前輪103F等を有する前部車体110と、運転室106、機械室107、および、後輪103R等を有する後部車体105とで構成される。機械室107内には、エンジンが配設されている。なお、前輪103Fおよび後輪103Rについては、総称して車輪103とも記す。
アーム111はアームシリンダ117の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(クラウドまたはダンプ)する。アーム111、アームシリンダ117、バケット112およびバケットシリンダ115は、フロント作業装置102を構成している。前部車体110と後部車体105はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、左右一対のステアリングシリンダ116の伸縮により後部車体105に対し前部車体110が左右に屈折する。
図2は、第1の実施の形態に係るホイールローダの構成を示す図である。ホイールローダ100は、エンジン190と、動力分配機構を介してエンジン190に接続され、エンジン190により駆動される油圧ポンプ138,139と、パーキングブレーキ装置PBと、サービスブレーキ装置SBと、オートブレーキ装置ABと、非常用ブレーキ装置EBと、を備えている。なお、後述するように、オートブレーキ装置ABはサービスブレーキ装置SBを含み、非常用ブレーキ装置EBはサービスブレーキ装置SBおよびパーキングブレーキ装置PBを含む。図2では、各ブレーキ装置を制御するためのブレーキ制御回路について図示し、フロント作業装置102を駆動させる油圧回路や、ラジエータ等に冷却風を送風するファンの駆動源となる油圧モータを駆動させる油圧回路についての図示は省略している。
ホイールローダ100は、CPUや記憶装置であるROMおよびRAM、その他の周辺回路などを有する演算処理装置を含んで構成されたメインコントローラ155およびエンジンコントローラ150を備えている。メインコントローラ155は、後述するPB切換弁181などの各種弁の制御、および、ホイールローダ全体の制御を行う。メインコントローラ155とエンジンコントローラ150とは相互に接続され、信号の授受を行う。
メインコントローラ155には、エンジンキースイッチ151などの各種操作スイッチが接続されている。エンジンキースイッチ151は、車両の始動、運転および停止を選択的に指示するスイッチであり、不図示のエンジンキーが差し込まれて回転されることで、オフ位置(停止位置)、オン位置(運転位置)、スタート位置(始動位置)のいずれかの位置に切り換えられる。なお、エンジンキースイッチ151は、エンジンキーが差し込まれてオペレータによってスタート位置に回転させられた後、オペレータがエンジンキースイッチ151から手を放すと、不図示のばねの付勢力によってオン位置に切り換えられる。
エンジンキースイッチ151がオン位置に切り換えられている状態では、メインコントローラ155からエンジンコントローラ150にエンジンオン信号が出力される。エンジンコントローラ150は、エンジンオン信号を受信している間、エンジン190の実回転速度を、アクセルペダル(不図示)の踏み込み操作量に応じた目標回転速度に近づけるように燃料噴射装置(不図示)を制御する。エンジンコントローラ150は、エンジンオン信号を受信しなくなると、燃料噴射装置(不図示)による燃料噴射を停止して、エンジン190を停止させる。
図示しないが、エンジン190の出力軸には、トルクコンバータおよびトランスミッションが接続されている。エンジン190の回転はトルクコンバータを介してトランスミッションに伝達される。トルクコンバータの出力軸の回転は、トランスミッションで変速される。変速後の回転は、プロペラシャフト、アクスルを介して車輪103に伝達され、ホイールローダ100が走行する。
サービスブレーキ装置SBは、走行中にブレーキペダル131の踏み込み操作が行われると、踏み込み操作量に応じた制動力(ブレーキ力)を発生するポジティブ型の油圧ブレーキ装置である。サービスブレーキ装置SBは、ブレーキバルブ132と、各車輪103に対応して設けられたブレーキシリンダ136およびブレーキディスク135と、を備えている。ブレーキシリンダ136には、ブレーキディスク135に係合するブレーキパッドが設けられている。ブレーキバルブ132は、油圧ポンプ138からブレーキシリンダ136に供給される圧油を制御し、ブレーキディスク135にブレーキパッドを押し付け、制動力を発生させる。
ブレーキバルブ132には、2系統のアキュムレータ171,172が接続されている。アキュムレータ171,172は、油圧ポンプ138に接続され、油圧ポンプ138から吐出された圧油を蓄積する蓄圧装置である。本実施の形態に係るホイールローダ100は、前輪側のブレーキシリンダ136に供給する油を蓄えるフロントアクスル用のアキュムレータ171(以下、第1アキュムレータ171と記す)と、後輪側のブレーキシリンダ136に供給する油を蓄えるリアアクスル用のアキュムレータ172(以下、第2アキュムレータ172と記す)を備えている。
第1アキュムレータ171は、前輪側のブレーキディスク135に係合するブレーキパッドの動作を制御するブレーキ作動圧の元圧を生成し、第2アキュムレータ172は、後輪側のブレーキディスク135に係合するブレーキパッドの動作を制御するブレーキ作動圧の元圧を生成する。なお、第2アキュムレータ172は、後述する非常用ブレーキ装置EBを作動させる際、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させるパイロット圧の元圧を生成する圧力生成部としての機能も有している。
後述するように、第1アキュムレータ171および第2アキュムレータ172に蓄圧される作動用の圧力が所定値以下に低下すると、油圧ポンプ138から吐出され、調圧された作動油が第1アキュムレータ171および第2アキュムレータ172に供給される。このため、第1アキュムレータ171および第2アキュムレータ172の圧力は、所定値以上に維持される。
ブレーキバルブ132のスプールは、ブレーキペダル131の踏み込み操作量に応じて、中立位置B1,B2と作動位置A1,A2との間で移動する。ブレーキペダル131の踏み込み操作がなされていないとき(操作量が0のとき)、ブレーキバルブ132のスプールは、中立位置B1,B2に切り換えられる。ブレーキペダル131の踏み込み操作量が増加するほど、ブレーキバルブ132のスプールは、作動位置A1,A2に向かって移動し、操作量が最大になると作動位置A1,A2に切り換わる。作動位置A1,A2は、第1アキュムレータ171および第2アキュムレータ172に蓄積された油をブレーキシリンダ136に供給して、ブレーキを作動させる位置である。中立位置B1,B2は、ブレーキシリンダ136をタンク199に連通してブレーキを解除する位置である。
ブレーキペダル131の踏み込み操作量に応じてブレーキバルブ132の切換量(スプール移動量)が増加し、これに伴い制動力も増加する。ブレーキシリンダ136に圧油が供給されると、ブレーキシリンダ136がストロークしてブレーキディスク135にブレーキパッドが押し付けられ、車両を減速もしくは停止させる制動力が車輪に付与される。
油圧ポンプ138と、第1アキュムレータ171および第2アキュムレータ172との間には、第1アキュムレータ171および第2アキュムレータ172の蓄圧状態を制御するアンローダバルブ161が設けられている。
第1アキュムレータ171とアンローダバルブ161との間には、第1アキュムレータ側からアンローダバルブ161への油の逆流を阻止する第1チェック弁166が設けられている。第2アキュムレータ172とアンローダバルブ161との間には、第2アキュムレータ側からアンローダバルブ161への油の逆流を阻止する第2チェック弁167が設けられている。以下、第1チェック弁166とブレーキシリンダ136までの油路を第1ブレーキラインBL1と記し、第2チェック弁167とブレーキシリンダ136までの油路を第2ブレーキラインBL2と記す。アンローダバルブ161と2系統のブレーキライン(BL1,BL2)との間には、減圧弁162が設けられており、油圧ポンプ138から吐出された圧油は、減圧弁162により圧力調整されて2系統のブレーキライン(BL1,BL2)のそれぞれに供給される。
アンローダバルブ161は、圧力制御弁や絞り等から構成された公知の油圧バルブユニットである。第2ブレーキラインBL2の回路圧は、パイロット管路161pを介してアンローダバルブ161に導かれている。
第2アキュムレータ172が規定の圧力よりも低い状態では、油圧ポンプ138から吐出された圧油が、アンローダバルブ161を介して第1ブレーキラインBL1および第2ブレーキラインBL2へ供給される(カットイン)。
第2アキュムレータ172に作動油が蓄積されて規定の圧力に達すると、アンローダバルブ161を構成する圧力制御弁が動作し、油圧ポンプ138から吐出された油は、アンローダバルブ161を介してタンク199に戻される。この状態では、油圧ポンプ138から吐出された油が、第1ブレーキラインBL1および第2ブレーキラインBL2へ供給されなくなる(カットアウト)。
パーキングブレーキ装置PBは、ネガティブ型のブレーキ装置であって、油圧シリンダ182とPB切換弁181を備えている。油圧シリンダ182の油室は、PB切換弁181を介して、第2ブレーキラインBL2またはタンク199に接続されている。つまり、油圧シリンダ182は、第2チェック弁167を介して油圧ポンプ138に接続されている。油圧シリンダ182は、油室にブレーキ解除圧が作用していないときにはばね182bの付勢力(弾性力)により制動力FPを車輪103に付与し、油室にブレーキ解除圧が作用しているときには制動力FPを解除する。
PB切換弁181は、解除操作位置と作動操作位置との間で切り換え操作可能な駐車ブレーキスイッチ183からの制御信号に基づいて、第2ブレーキラインBL2と油圧シリンダ182とを接続する解除位置Rと、油圧シリンダ182とタンク199とを接続する作動位置Pとの間で切り換えられる電磁切換弁である。
エンジンキースイッチ151がオン位置に切り換えられている状態で、オペレータにより、駐車ブレーキスイッチ183が解除操作位置に操作されると、PB切換弁181は、ソレノイドが励磁されて解除位置Rに切り換えられる。エンジンキースイッチ151がオン位置に切り換えられている状態で、オペレータにより、駐車ブレーキスイッチ183が作動操作位置に操作されると、PB切換弁181は、ソレノイドが消磁されて、バネの付勢力により作動位置Pに切り換えられる。なお、エンジンキースイッチ151がオフ位置に切り換えられている状態では、電源(不図示)からPB切換弁181のソレノイドへの制御信号(励磁電流)の供給が無くなり、PB切換弁181はバネの付勢力により作動位置Pに切り換えられる。
オートブレーキ装置ABは、サービスブレーキ装置SBと、電磁比例減圧弁122と、二段絞り142と、を備え、メインコントローラ155によって制御される。ブレーキバルブ132は、パイロット圧が作用するパイロット部(パイロットポート)132Pを有している。パイロット部132Pに作用する圧力がタンク圧であるとき、ブレーキバルブ132のスプールは中立位置B1,B2に切り換えられる。パイロット部132Pにパイロット圧が作用すると、パイロット圧の大きさに応じて、ブレーキバルブ132のスプールが中立位置B1,B2と作動位置A1,A2との間で移動する。
第2ブレーキラインBL2は第1油路BL21と第2油路BL22に分岐され、第1油路BL21および第2油路BL22は後述するEB切換弁141に接続されている。電磁比例減圧弁122は、第2油路BL22に設けられ、第2アキュムレータ172から出力され、減圧弁123で減圧された圧力P0の作動油をさらに減圧して圧力P1の作動油を出力する。
電磁比例減圧弁122の減圧度は、ホイールローダ(すなわち、自車両)100の走行速度(以下、車速Vと記す)に応じて、メインコントローラ155から供給される制御電流Iによって設定される。電磁比例減圧弁122の開口特性は、ソレノイドに入力される制御電流Iの増加に伴い減圧度が小さくなるように、すなわち制御電流Iの増加に伴い2次圧力(パイロット圧)が大きくなるように設定されている。
電磁比例減圧弁122が未作動のとき(全閉状態のとき)には、第2アキュムレータ172から供給され、減圧弁123で減圧された圧力P0の作動油が遮断される。後述するEB切換弁141が、オートブレーキ位置Xに切り換えられている場合、電磁比例減圧弁122から出力された圧力P1の作動油は、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pに供給される。
二段絞り142は、電磁比例減圧弁122で減圧された圧力P1の作動油を絞る一次絞り142aと、一次絞り142aで絞られた作動油を所定のパイロット圧P2に減圧してブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させながら、一部をタンク199に逃がす二次絞り142bとを有している。
一次絞り142aは、EB切換弁141と、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pとを接続する油路に設けられている。二次絞り142bは、一次絞り142aとブレーキバルブ132のパイロット部132Pとを接続する油路から分岐してタンク199に接続される油路に設けられている。なお、パーキングブレーキ装置PBとの関係では、二次絞り142bは、油圧ポンプ138とパーキングブレーキ装置PBを接続する油路から分岐してタンク199に接続される油路に設けられている。
メインコントローラ155には、車速センサ159、アクセルペダル操作量センサなどの各種センサが接続されている。車速センサ159は、ホイールローダ100の車速Vを検出し、検出した情報をメインコントローラ155に出力する。
メインコントローラ155の記憶装置には、車速Vが高くなるほど、電磁比例減圧弁122の減圧度を設定する制御電流Iが大きくなる特性Nが記憶されている。また、エンジンコントローラ150の記憶装置には、オートブレーキ装置ABを作動させるための車速閾値Vtが記憶されている。メインコントローラ155は、車速センサ159で検出された車速Vが車速閾値Vtよりも高いか否かを判定する。車速Vが車速閾値Vtよりも高い場合、メインコントローラ155は、特性Nを参照し、車速Vに基づいて制御電流Iを設定する。車速Vが車速閾値Vtよりも低い場合、メインコントローラ155は、車速Vにかかわらず、電磁比例減圧弁122を全閉状態にする。
ところで、ホイールローダ100などの作業車両では、非常時など、走行中にエンジン190を停止させるために、エンジンキースイッチ151をオフ位置に操作することがある。この操作が行われると、エンジン190が停止するだけでなく、電源(不図示)からPB切換弁181のソレノイドへの制御信号の供給が無くなり、PB切換弁181が作動位置Pに切り換わる。PB切換弁181が作動位置Pに切り換えられると、油圧シリンダ182の油室から油がタンク199に排出され、油圧シリンダ182に設けられたばね182bの付勢力により、パーキングブレーキ装置PBが作動する。車速が高い状態でエンジンキースイッチ151がオフ位置に操作されてパーキングブレーキ装置PBが作動すると、車両に大きなショックが発生してしまうおそれがある。特に、バケット112の高さが高い状態でパーキングブレーキ装置PBが作動すると、ホイールローダ100が不安定になる。
そこで本実施の形態に係るホイールローダ100は、非常停止スイッチ152と非常用ブレーキ装置EBとを備えて上記走行不安定さを解消する。非常停止スイッチ152が操作されると、メインコントローラ155やエンジンコントローラ150が通常の運転状態を維持したままエンジン190のみが停止され、さらに、非常用ブレーキ装置EBが作動する。非常用ブレーキ装置EBは、車両を徐々に減速させ、停止させる。すなわち、非常用ブレーキ装置EBは、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されると、エンジン190の停止に連動して、車輪103に制動力を付与する。非常停止スイッチ152は、エンジンキースイッチ151とは別に設けられたエンジン停止専用の操作スイッチである。
非常用ブレーキ装置EBについて、詳細に説明する。非常用ブレーキ装置EBは、サービスブレーキ装置SBと、パーキングブレーキ装置PBと、EB切換弁141と、二段絞り142と、を備えている。EB切換弁141は、第1油路BL21および第2油路BL22のいずれかの油路を二段絞り142に接続する電磁切換弁である。
非常用ブレーキ装置EBは、非常停止スイッチ152が停止位置に操作(以下、オン操作とも記す)されると、サービスブレーキ装置SBにより制動力FSを発生させ、車輪103に付与し、車両を徐々に減速させる。非常用ブレーキ装置EBは、サービスブレーキ装置SBにより、十分に車速が低下した後、パーキングブレーキ装置PBにより制動力FPを発生させ、車輪103に付与し、車両を停止させる。
図2において、模式的に示すように、非常停止スイッチ152は、通常位置または停止位置に切り換え操作される操作部材である。非常停止スイッチ152が通常位置に操作(以下、オフ操作とも記す)されている場合(図2に示す状態の場合)、メインコントローラ155からエンジンコントローラ150にエンジンオン信号が出力される。非常停止スイッチ152が停止位置に操作されている場合、メインコントローラ155とエンジンコントローラ150との間が遮断され、エンジンコントローラ150にエンジンオン信号が入力されることが禁止される。
非常停止スイッチ152は、停止位置に操作されている場合、図示しない定格電圧24Vの補機用の蓄電装置(以下、電源とも記す)とEB切換弁141のソレノイドとを接続し、通常位置に操作されている場合、蓄電装置とEB切換弁141のソレノイドとを遮断する。図示するように、EB切換弁141は、メインコントローラ155やエンジンコントローラ150と接続されておらず、非常停止スイッチ152を介して蓄電装置(不図示)に接続されている。
EB切換弁141は、第2アキュムレータ172とブレーキバルブ132のパイロット部132Pとの間に設けられている。EB切換弁141は、非常停止スイッチ152が停止位置に操作され、蓄電装置(不図示)からの電流が供給されると、ソレノイドが励磁され、非常用ブレーキ位置Yに切り換えられる。EB切換弁141は、非常停止スイッチ152が通常位置に操作され、蓄電装置(不図示)からの電流が遮断されると、ソレノイドが消磁され、バネの付勢力によりオートブレーキ位置Xに切り換えられる。
非常停止スイッチ152が停止位置に操作されている場合、EB切換弁141が非常用ブレーキ位置Yに切り換えられ、第1油路BL21とブレーキバルブ132のパイロット部132Pとが接続される。非常停止スイッチ152が通常位置に操作されている場合、、EB切換弁141がオートブレーキ位置Xに切り換えられ、第2油路BL22とブレーキバルブ132のパイロット部132Pとが接続される。
ホイールローダ100は、エマージェンシーステアリング装置を備えている。エマージェンシーステアリング装置は、電動油圧ポンプ176を備えている。メインコントローラ155には、ステアリング回路SCに圧油を供給する油圧ポンプ139の吐出圧を検出する圧力センサ(不図示)が接続されている。メインコントローラ155は、圧力センサ(不図示)で検出された油圧ポンプ139の吐出圧Ppが、予め設定された圧力閾値Ppt以下の場合、エンジン190が停止した、あるいは油圧ポンプ139が停止したと推定し、エマージェンシーステアリング装置の作動条件が成立したと判定する。メインコントローラ155は、エマージェンシーステアリング装置の作動条件が成立したと判定した場合、電動油圧ポンプ176を起動する。これにより、たとえば、エンジン190の停止により、油圧ポンプ139が停止した場合であっても、電動油圧ポンプ176からステアリング回路SCに圧油が供給される。左右一対のステアリングシリンダ116は、ステアリング回路SCのステアリングバルブ185によって、伸縮動作が制御される。ステアリングバルブ185は、運転室106内に設けられたステアリングホイール(操舵装置)により操作される。
本実施の形態の各種ブレーキ装置による制動動作について説明する。
−サービスブレーキ装置による制動−
ブレーキペダル131が非操作状態であり、ブレーキバルブ132が中立位置B1,B2に保持されているときには、ブレーキシリンダ136の油はタンク199に戻され、サービスブレーキ装置SBが非作動状態となる。
走行中に、オペレータがブレーキペダル131を踏み込み操作すると、その操作量に応じてブレーキバルブ132のスプールが移動し、操作量に応じたブレーキ作動圧がブレーキシリンダ136に出力され、ブレーキディスク135にブレーキパッドが押し付けられることで操作量に応じた制動力が車輪103に付与される。オペレータは、ブレーキペダル131の踏み込み操作量を調整して、制動力の大きさを調整することができる。
−パーキングブレーキ装置による制動−
作業が終了し、車両を停止させた状態で、オペレータが、駐車ブレーキスイッチ183を作動操作位置に操作する、あるいは、エンジンキースイッチ151をオフ位置に操作すると、PB切換弁181のソレノイドが消磁され、PB切換弁181が作動位置Pに切り換えられる。PB切換弁181が作動位置Pに切り換えられると、油圧シリンダ182の油室とタンク199とが連通し、ばね182bの付勢力によりパッド182pが動力伝達機構に設けられたパーキングブレーキ用ディスク182dに押し付けられ、パーキングブレーキ装置PBが作動し、車輪103への制動力が発生する。つまり、駐車ブレーキスイッチ183を作動操作位置に操作する、あるいは、エンジンキースイッチ151をオフ位置に操作することで、パーキングブレーキ装置PBによる制動力を直ちに発生させることができる。
作業を開始する際、オペレータがエンジンキースイッチ151をスタート位置に操作し、エンジン始動後、エンジンキースイッチ151をオン位置に操作した後、駐車ブレーキスイッチ183を解除操作位置に操作すると、PB切換弁181のソレノイドが励磁され、PB切換弁181が解除位置Rに切り換えられる。PB切換弁181が解除位置Rに切り換えられると、油圧シリンダ182の油室と第2ブレーキラインBL2とが連通し、油圧シリンダ182にブレーキ解除圧が作用し、パーキングブレーキ装置PBが解除される。パーキングブレーキ装置PBが解除されている状態では、パーキングブレーキ用ディスク182dとパッド182pとの間に隙間が形成されるため、車輪103に対して制動力は発生しない。
−オートブレーキ装置による制動−
下り坂を走行中、オペレータがアクセルペダルをフル操作(最大踏み込み操作)するなどして、車速センサ159で検出された車速Vが、予め設定された最高車速(車速閾値Vt)を超えると、オートブレーキ装置ABの作動条件が成立する。
オートブレーキ装置ABの作動条件が成立すると、電磁比例減圧弁122のソレノイドに所定の制御電流Iが供給される。電磁比例減圧弁122は、第2アキュムレータ172から出力され減圧弁123で減圧された圧力P0の作動油をさらに減圧して、圧力P1の作動油を二段絞り142に出力する。電磁比例減圧弁122から圧力P1で出力された作動油は一次絞り142aで絞られ、絞られた作動油は二次絞り142bで所定のパイロット圧P2に減圧される。
圧力P1、パイロット圧P2、タンク圧P3の大小関係は、圧力P1>パイロット圧P2>タンク圧P3である。つまり、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させるパイロット圧P2は、電磁比例減圧弁122からの圧力P1とタンク圧P3との中間圧となる。
ブレーキバルブ132のパイロット部132Pにパイロット圧P2が作用することで、ブレーキバルブ132のスプールが移動し、パイロット圧P2に応じたブレーキ作動圧がブレーキシリンダ136に出力され、ブレーキディスク135にブレーキパッドが押し付けられることでパイロット圧P2に応じた制動力が車輪103に付与される。車両が減速し、車速Vが車速閾値Vtを下回ると、電磁比例減圧弁122が全閉状態となり、オートブレーキ装置ABによる減速動作が終了する。なお、車速閾値Vtは、ヒステリシスを設けることが好ましい。
−非常用ブレーキ装置による制動−
非常時など、走行中にオペレータが非常停止スイッチ152を停止位置に操作すると、エンジンキースイッチ151がオン位置に切り換えられている状態であっても、エンジンオン信号の出力が遮断され、エンジン190が停止する。
非常停止スイッチ152が停止位置に操作されると、EB切換弁141が非常用ブレーキ位置Yに切り換えられ、第2アキュムレータ172の圧力を減圧弁123で減圧した圧力PA1(=P0)が二段絞り142に作用する。減圧弁123から圧力PA1で出力された作動油は一次絞り142aで絞られ、絞られた作動油は二次絞り142bで所定のパイロット圧PA2に減圧される。
圧力PA1、パイロット圧PA2、タンク圧P3の大小関係は、圧力PA1>パイロット圧PA2>タンク圧P3である。つまり、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させるパイロット圧PA2は、第2アキュムレータ172からの圧力PA1とタンク圧P3との中間圧となる。
ブレーキバルブ132のパイロット部132Pにパイロット圧PA2が作用すると、ブレーキバルブ132のスプールが移動し、パイロット圧PA2に応じたブレーキ作動圧がブレーキシリンダ136に出力される。ブレーキ作動圧によりブレーキディスク135にブレーキパッドが押し付けられ、制動力が車輪103に付与され、車両が減速する。
第2アキュムレータ172から出力された油の一部は、二次絞り142bを介してタンク199に排出され続ける。このため、第2アキュムレータ172の圧力、すなわち第2ブレーキラインBL2の回路圧は徐々に低下する。回路圧の低下に伴い、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用するパイロット圧PA2が徐々に低下する。すなわち、制動力が徐々に低下する。
エンジン190が停止された状態であっても、PB切換弁181にはオン信号(励磁電流)が出力されているので、PB切換弁181は解除位置Rに切り換えられた状態が維持される。第2アキュムレータ172から出力された油の一部は、二次絞り142bを介してタンク199に排出され続けるため、第2アキュムレータ172の圧力、および、減圧弁123と油圧シリンダ182とを接続する油路の圧力PA1が徐々に低下する。圧力PA1が予め定められた設定圧PAsよりも低くなったとき、ばね182bの付勢力によりピストンロッドの先端部のパッド182pが動力伝達機構に設けられたパーキングブレーキ用ディスク182dに押し付けられ、パーキングブレーキ装置PBが作動し、車輪103への制動力が発生する。
なお、非常停止スイッチ152の操作によってサービスブレーキ装置SBにより発生する制動力FSと、エンジンキースイッチ151のオフ位置への操作によってパーキングブレーキ装置PBにより発生する制動力FPとの大小関係は、FS<FPとなる。換言すれば、本実施の形態では、制動力FPよりも制動力FSが小さくなるように、二段絞り142の一次絞り142aおよび二次絞り142bの開口面積が決定されている。
第2ブレーキラインBL2の回路圧を減圧弁123で減圧した圧力PA1が設定圧PAsよりも低くなると、ブレーキバルブ132のスプールが中立位置B1,B2に戻り、サービスブレーキ装置SBによる制動が解除される。なお、第2ブレーキラインBL2の回路圧が低下するのに対し、第1ブレーキラインBL1の回路圧は低下しない。このため、オペレータは、ブレーキペダル131を踏み込み操作することで、少なくとも前輪側のブレーキディスク135にブレーキパッドが押し付け、前輪103Fに制動力を付与することができる。
このように、非常停止スイッチ152が停止位置に操作されると、エンジン190が停止されるとともに、サービスブレーキ装置SBにより制動力FSが発生し、車両が徐々に減速する。車両の減速により、車速が低くなると、パーキングブレーキ装置PBにより制動力FPが発生し、車両が停止する。
なお、エンジン190が停止すると、油圧ポンプ139の吐出圧Ppが圧力閾値Pptよりも低くなり、電動油圧ポンプ176が駆動して作動油が吐出され、ステアリング回路SCに供給される。このため、エンジン190が停止した後であっても、オペレータはステアリングを操作することができる。
図3は、エンジンキースイッチ151と非常停止スイッチ152のオン、オフによるPB切換弁181とEB切換弁141の切り換え位置を示す表である。また、非常用ブレーキ装置EBとして用いられるサービスブレーキ装置SBおよびパーキングブレーキ装置PBの挙動についても合わせて図示している。図3を参照して、切換弁およびブレーキ装置の動作についてまとめると以下のとおりである。
作業終了によりエンジンキースイッチ151をオフ位置にして車両運転を停止したとき(通常時動作)
・電源からPB切換弁181への電力供給が遮断されることで、PB切換弁181はバネ力により作動位置Pに切り換わり、パーキングブレーキ装置PBが直ちに作動する。
・エンジンキースイッチ151がオン位置に切り換えられているときと同様、電源からEB切換弁141への電力は供給されないので、EB切換弁141はバネ力によりオートブレーキ位置Xに維持される。
走行中、エンジンキースイッチ151がオン位置にある状態で、非常停止スイッチ152をオン位置にしてエンジン190を停止したとき(非常時動作)
・非常停止スイッチ152がオフ位置に切り換えられているときと同様、電源からPB切換弁181への電力供給は継続されるので、PB切換弁181は解除位置Rに維持される。
・電源からEB切換弁141へ電力が供給されることにより、EB切換弁141は非常用ブレーキ位置Yに切り換わる。
・サービスブレーキ装置SBが直ちに作動し、徐々に車速が低下する。車速が十分に低下した後、パーキングブレーキ装置PBが作動する。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ホイールローダ100は、エンジン190と、エンジン190により駆動される油圧ポンプ138と、油圧ポンプ138と接続され、ブレーキ解除圧が作用していないときには第1の制動力FPを車輪に付与し、ブレーキ解除圧が作用しているときには第1の制動力FPを解除する油圧シリンダ182を備えたネガティブ型のパーキングブレーキ装置PBと、を備えている。ホイールローダ100の運転室には、車両の運転および停止を選択的に指示するエンジンキースイッチ151と、エンジンキースイッチ151とは別に設けられ、エンジン190に停止を指示する非常停止スイッチ152とが配設されている。
ブレーキ制御装置は、非常停止スイッチ152により、エンジン190の停止が指示されると、パーキングブレーキ装置PBとは別に設けられたサービスブレーキ装置SBを作動させ、車速を低下させた後にパーキングブレーキ装置PBを作動させる。
ブレーキ制御装置は、油圧ポンプ138とパーキングブレーキ装置PBを接続する油路から分岐してタンク199に接続される油路に設けられたブリードオフ絞り(二次絞り142b)を有している。非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されると、まず、サービスブレーキ装置SBによって、第1の制動力FPよりも小さい第2の制動力FSが車輪に付与される。
非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されるとサービスブレーキ装置SBが作動するため、車両が直ちに減速を開始する。ブレーキバルブ132のパイロット部132Pには、二段絞り142により減圧したパイロット圧が作用する。本実施の形態では、サービスブレーキ装置SBの作動時に大きなショックが発生しない程度の制動力FS(<FP)が発生するように、予め一次絞り142aおよび二次絞り142bの開口面積が定められている。
ブレードオフ絞り(二次絞り142b)によって、パーキングブレーキ装置PBの油圧シリンダ182の圧力が徐々に低下し、車速が十分に低くなってからパーキングブレーキ装置PBが作動する。このため、パーキングブレーキ装置PBの作動時におけるショックを低減できる。
このように、本実施の形態によれば、非常時など、走行中に、エンジン190を停止させたときに、ブレーキの作動による大きなショックを発生させることなく、車両を減速させ、停止させることができる。
(2)サービスブレーキ装置SBは、ブレーキペダル131の操作量またはパイロット圧に基づいてブレーキ作動圧を出力するブレーキバルブ132と、ブレーキ作動圧に基づいて第2の制動力FSを発生するブレーキシリンダ136およびブレーキディスク135と、少なくとも非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されたとき、ブレーキ作動圧の元圧およびパイロット圧の元圧を生成する第2アキュムレータ172と、を備えている。
本実施の形態では、走行中にオペレータにより操作されるサービスブレーキ装置SBを非常用ブレーキ装置EBにおける初期・中期制動力発生装置として利用した。非常停止スイッチ152が停止位置に操作されると、サービスブレーキ装置SBが作動することにより、車両を徐々に減速することができる。サービスブレーキ装置SBとは別に専用の非常用ブレーキ装置(初期・中期制動力発生装置)を設ける必要が無いので、部品点数およびコストを低減できる。
(3)エンジンキースイッチ151がオン位置に操作され、車両の運転が指示されている場合、PB切換弁181が油圧ポンプ138と油圧シリンダ182とを接続する解除位置Rに切り換えられる。エンジンキースイッチ151がオフ位置に操作され、車両の停止が指示されている場合、PB切換弁181が復帰ばねにより油圧シリンダ182とタンク199とを接続する作動位置Pに切り換えられる。エンジンキースイッチ151をオフ位置に操作することで、PB切換弁181が作動位置Pに切り換えられるので、直ちにパーキングブレーキ装置PBを作動させることができる。
一方、エンジンキースイッチ151がオン位置に操作されている状態で、非常停止スイッチ152を停止位置に操作した場合、PB切換弁181には電力供給が継続され、解除位置Rで維持される。解除位置Rに維持されているので、油圧シリンダ182の油室に接続される回路内の油は、二次絞り(ブリードオフ絞り)142bを介して徐々にタンク199に戻される。油圧シリンダ182のロッド室に作用する圧力が、油圧シリンダ182のばね182bの設定圧PAsよりも低くなると、パーキングブレーキ装置PBが作動する。これにより、車速が十分に減速するまでの時間が経過した後、パーキングブレーキ装置PBを作動させることができる。
本実施の形態では、停止中にオペレータにより操作されるパーキングブレーキ装置PBを非常用ブレーキ装置EBにおける後期制動力発生装置として利用した。初期・中期制動力発生装置としてのサービスブレーキ装置SBの制動力により車両を十分に減速させてから、後期制動力発生装置としてのパーキングブレーキ装置PBの制動力により車両を停止させることができる。パーキングブレーキ装置PBとは別に専用の非常用ブレーキ装置(後期制動力発生装置)を設ける必要が無いので、部品点数およびコストを低減できる。
(4)油圧ポンプ138に接続され、油圧ポンプ138から吐出される圧油を蓄積(蓄圧)する第2アキュムレータ172をブレーキ作動圧の元圧およびブレーキバルブ132のパイロット圧の元圧を生成する圧力生成部として構成した。これにより、非常停止スイッチ152を停止位置に操作すると、直ちにブレーキバルブ132によりブレーキ作動圧が生成され、ブレーキディスク135にブレーキパッドを押し付けることができる。第2アキュムレータ172からの油の一部が二次絞り(ブリードオフ絞り)142bを介してタンク199に排出されることにより、第2アキュムレータ172の圧力、およびパーキングブレーキ装置PBの油圧シリンダ182に作用する圧力PA1を徐々に低下させることができる。パーキングブレーキ装置PBの油圧シリンダ182に組み込まれるばね182bは、減圧弁123とパーキングブレーキ装置PBの油圧シリンダ182とを接続する油路の圧力PA1が、予め定められた設定圧PAsよりも低くなったときにパッド182pをパーキングブレーキ用ディスク182dに向けて付勢して、制動力を発生させる。
本実施の形態によれば、ばね182bの設定圧を調整することで、非常停止スイッチ152を停止位置に操作してから、パーキングブレーキ装置PBが作動するまでの時間を調整することができる。
(5)車速Vに基づいて、第2アキュムレータ172から供給される作動油を減圧して出力する電磁比例減圧弁122を備えている。これにより、車両の走行状態に応じて、適切な制動力を自動で発生させることができる。
(6)ブレーキ制御装置は、上述の二次絞り142bの他、一次絞り142aおよびEB切換弁141を有している。EB切換弁141は、第2アキュムレータ172とブレーキバルブ132のパイロット部132Pとの間に設けられている。EB切換弁141は非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されているときには非常用ブレーキ位置Yに切り換えられる。これにより、電磁比例減圧弁122が設けられていない第1油路BL21と、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pとが接続される。EB切換弁141は非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されていないときにはオートブレーキ位置Xに切り換えられる。これにより、電磁比例減圧弁122が設けられた第2油路BL22と、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pとが接続される。
一次絞り142aは、EB切換弁141と、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pとを接続する油路に設けられている。EB切換弁141がオートブレーキ位置Xに切り換えられている場合、一次絞り142aは、電磁比例減圧弁122で減圧した圧力P1の作動油を絞る。EB切換弁141が非常用ブレーキ位置Yに切り換えられている場合、一次絞り142aは、第2アキュムレータ172から供給され、減圧弁123で減圧された圧力PA1の作動油を絞る。
二次絞り142bは、一次絞り142aで絞られた作動油を所定の設定圧P2,PA2に減圧してブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させながら一部を低圧側(タンク199)に逃がすブリードオフ絞りである。
EB切換弁141により、サービスブレーキ装置SBをオートブレーキ装置ABとして機能させるか、あるいは非常用ブレーキ装置EBとして機能させるかを選択できる。オートブレーキ装置ABとしての機能を発揮するために用いた一次絞り142aおよび二次絞り142bを非常用ブレーキ装置EBに利用することができるため、オートブレーキ装置ABを搭載した車両において追加する構成要素を抑えることができ、部品点数およびコストの増加を抑えることができる。
(7)非常用ブレーキ装置EBは、非常停止スイッチ152を停止位置に操作することでEB切換弁141に電力が供給され、制動力が発生する構成である。メインコントローラ155やエンジンコントローラ150などのコントローラを介さずに、制動力を発生させることができるため、コントローラに異常がある場合であっても制動力を発生させて車両を減速させ、停止させることができる。
(8)非常停止スイッチ152を停止位置に操作したとき、エンジン190のみを停止させるようにした。したがって、メインコントローラ155やエンジンコントローラ150は通常運転時と同様の制御を行うことができる。
(9)非常停止スイッチ152を停止位置に操作したとき、エンジン190を停止させるとともにサービスブレーキ装置SBを作動させ、サービスブレーキ装置SBの作動により車両を減速させ、その後、パーキングブレーキ装置PBを作動させることで車両を停止させるという一連の動作を実行できる。1つの操作(1アクション)で、一連の全自動停止動作が行われるので、操作が容易である。
(10)ステアリングシリンダ116は、エンジン190により駆動される油圧ポンプ139から吐出された圧油により駆動される。ステアリングシリンダ116の伸縮動作は、ステアリングバルブ185を含むステアリング回路SCによって制御される。電動油圧ポンプ176は、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されていないときには停止しているが、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されているときには駆動し、ステアリング回路SCに圧油を供給する。本実施の形態では、エンジン190が停止し、油圧ポンプ139の吐出圧Ppが圧力閾値Pptよりも低くなったときに、メインコントローラ155は、エマージェンシーステアリング装置の作動条件が成立したと判定し、電動油圧ポンプ176を駆動させる。
これにより、走行中に、たとえば、エンジン190の停止が指示されるなどしてエンジン190が停止した場合であってもステアリング操作を行うことができ、非常時におけるオペレータによる操作の自由度を向上できる。
−第2の実施の形態−
図4を参照して、第2の実施の形態に係る作業車両について説明する。なお、図中、第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の参照番号を付し、相違点を主に説明する。図4は、図2と同様の図であり、第2の実施の形態に係るホイールローダの構成を示す図である。第1の実施の形態では、オートブレーキ装置ABで用いた二段絞り142を、非常用ブレーキ装置EBでも用いる構成とされていた。これに対し、第2の実施の形態では、オートブレーキ装置ABに用いる二段絞り142と、非常用ブレーキ装置EBで用いる二段絞り242とが、個別に設けられている。
図4に示すように、第2の実施の形態では、二段絞り142は、電磁比例減圧弁122とEB切換弁141とを接続する第2油路BL22に設けられている。第1油路BL21には、電磁切換弁241および二段絞り242が設けられている。
電磁切換弁241は、非常停止スイッチ152が停止位置に操作され、蓄電装置(不図示)からの電流が供給されると、ソレノイドが励磁され、連通位置Jに切り換えられる。電磁切換弁241は、非常停止スイッチ152が通常位置に操作され、蓄電装置(不図示)からの電流が遮断されると、ソレノイドが消磁され、バネの付勢力により遮断位置Kに切り換えられる。
非常停止スイッチ152が停止位置に操作されると、EB切換弁141が非常用ブレーキ位置Yに切り換えられ、電磁切換弁241が連通位置Jに切り換えられ、第1油路BL21とブレーキバルブ132のパイロット部132Pとが接続される。非常停止スイッチ152が通常位置に操作されると、EB切換弁141がオートブレーキ位置Xに切り換えられ、電磁切換弁241が遮断位置Kに切り換えられ、第2油路BL22とブレーキバルブ132のパイロット部132Pとが接続される。
二段絞り242は、第2アキュムレータ172からの作動油を絞る一次絞り242aと、一次絞り242aで絞った作動油を所定のパイロット圧PB2に減圧してブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させながら、一部をタンク199に逃がす二次絞り242bとを有している。
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で説明した(1)〜(5),(7)〜(10)と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(11)オートブレーキ装置ABは、オートブレーキ装置専用の二段絞り142を備えている。二段絞り142は、第1の実施の形態と同様の構成であり、電磁比例減圧弁122とEB切換弁141との間の第2油路BL22に設けられている。二段絞り142を構成する一次絞り142aは、電磁比例減圧弁122で減圧した圧力P1の作動油を絞る。二次絞り142bは、一次絞り142aとブレーキバルブ132のパイロット部132Pとを接続する油路と、タンク199とを接続する油路に設けられている。二次絞り142bは、一次絞り142aで絞られた作動油を二次絞り142bで所定のパイロット圧P2に減圧してブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させながら一部を低圧側(タンク199)に逃がす。
非常用ブレーキ装置EBは、非常用ブレーキ装置専用の二段絞り242を備えている。二段絞り242は、上述の二段絞り142と同様の構成であるが、開口面積が異なっている。二段絞り242を構成する一次絞り242aは、第1油路BL21に設けられ、第2アキュムレータ172からの圧力を減圧弁123で減圧した圧力PB1(=P0=PA1)の作動油を絞る。二次絞り242bは、一次絞り242aで絞られた作動油を二次絞り242bで所定の設定圧PB2に減圧してブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用させながら一部を低圧側(タンク199)に逃がす。
二段絞り142によって減圧され、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用する圧力P2と、二段絞り242によって減圧され、ブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用する圧力PB2は、それぞれ個別に設定できる。このため、設計自由度が向上し、それぞれの機能に適した制動力を発生させることができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されると、第2アキュムレータ172により、ブレーキバルブ132のパイロット圧の元圧を生成する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。電動油圧ポンプによりパイロット圧の元圧を生成してもよい。たとえば、図5に示すように、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されると、メインコントローラ155からの制御信号により、所定時間だけ駆動される電動油圧ポンプ372を設けてもよい。
本変形例では、非常停止スイッチ152が停止位置に操作されると、EB切換弁141が非常用ブレーキ位置Yに切り換えられるとともに、電動油圧ポンプ372から作動油が吐出され、二段絞り142で減圧された作動油がブレーキバルブ132のパイロット部132Pに作用して、サービスブレーキ装置SBにより制動力が発生する。
本変形例では、第2ブレーキラインBL2に電磁切換弁341が設けられており、非常停止スイッチ152が停止位置に操作されると、第2ブレーキラインBL2とタンク199とがブリードオフ絞り342bを介して接続される。このため、非常停止スイッチ152が停止位置に操作され、サービスブレーキ装置SBで発生する制動力により車両が減速するのに伴い、第2ブレーキラインBL2の圧力が徐々に減少する。パーキングブレーキ装置PBの油圧シリンダ182に作用する圧力が、ばね182bの設定圧PAsよりも低くなると、パーキングブレーキ装置PBが作動し、車両が停止する。
このような変形例によれば、第1の実施の形態で説明した(1)〜(6),(8)〜(10)と同様の作用効果を奏する。
(変形例2)
上述した実施の形態では、EB切換弁141を設ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。図6に示すように、たとえば、非常停止スイッチ152が停止位置に操作されると、電磁比例減圧弁122のソレノイドに制御電流I=Imaxを供給し、減圧弁123からの作動油を電磁比例減圧弁122で減圧することなく、二段絞り142に供給してもよい。この場合、EB切換弁141を省略できる。なお、電磁比例減圧弁122は、非常停止スイッチ152が通常位置にあるときには、メインコントローラ155からの制御電流Iに基づいて制御される。このような変形例によれば、第1の実施の形態で説明した(1)〜(10)と同様の作用効果を奏する。
(変形例3)
上述した実施の形態では、サービスブレーキ装置SBを非常用ブレーキ装置EBの初期・中期制動力発生装置として機能させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図7(a)に示すように、サービスブレーキ装置SBとは別に初期・中期制動力発生装置を設けてもよい。初期・中期制動力発生装置は、油圧シリンダ482の油室内の圧力が上昇すると、ばね力に抗してピストンロッドが移動し、パッド482pが動力伝達機構に設けられたディスク482dに押し付けられることで、車輪103に制動力を付与するポジティブ型のブレーキ装置である。
変形例3に係るホイールローダ100は、変形例1と同様、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されると、メインコントローラ155からの制御信号により、所定時間だけ駆動される電動油圧ポンプ372が設けられている。
変形例3に係るホイールローダ100は、メインコントローラ155からの制御信号に基づいて切り換えられる電磁切換弁441を備えている。電磁切換弁441は、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されている場合、油圧シリンダ482の油室を電動油圧ポンプ372に接続する位置Mに切り換えられる。電磁切換弁441は、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されていない場合、油圧シリンダ482の油室をタンク199に接続する位置Lに切り換えられる。
変形例3に係るホイールローダ100は非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示されると、メインコントローラ155からの制御信号により、第2アキュムレータ172をブリードオフ絞り541bを介してタンク199に接続する電磁切換弁541を備えている。
変形例3では、初期・中期制動力発生装置の油圧シリンダ482に供給する作動油の圧力は、リリーフ弁374によって調整される。
ところで、ブレーキ制御回路に供給される作動油の粘度は、作動油の温度によって変化する。作動油の温度によってブリードオフ絞り541bでの通路圧損が変化するので、夏場と冬場とで、ブリードオフ絞り541bを介してタンク199に排出される作動油の単位時間当たりの流量が変化する。このため、夏場と冬場とで、非常停止スイッチ152を停止位置に操作してからパーキングブレーキ装置PBが作動するまでの時間が異なることになる。そこで、本変形例では、メインコントローラ155に、非常停止スイッチ152が操作されてから所定時間を経過したときにパーキングブレーキ装置PBを作動させる遅延制御装置としての機能を持たされている。本変形例では、メインコントローラ155からの制御信号に基づいて、PB切換弁181が切り換えられる。
メインコントローラ155は、非常停止スイッチ152が操作されたことを検出すると、内蔵するタイマによる時間の計測を開始し、計測時間tが所定時間tsを経過したか否かを判定する。計測時間tが所定時間ts以上となった場合、メインコントローラ155は、駐車ブレーキスイッチ183が解除操作位置にある場合であっても、PB切換弁181に供給される電流を遮断し、PB切換弁181を作動位置Pに切り換える。
所定時間tsは、たとえば、冬場の作動油の温度を考慮して、冬場でも夏場と同等のタイミングでパーキングブレーキ装置PBが作動するように予め定められ、記憶装置に記憶されている。
このような変形例によれば、第1の実施の形態で説明した(1),(3)〜(5),(8)〜(10)と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(12)このような変形例によれば、非常停止スイッチ152が操作されてからパーキングブレーキ装置PBが作動するまでの時間を一定に保つことができる。
なお、作動油温度検出装置を設け、所定時間tsを作動油の温度に応じて設定するようにしてもよい。また、メインコントローラ155を遅延制御装置として構成する例について説明したが、CR回路などのアナログ回路と、PB切換弁181のソレノイドへ供給される電流を遮断する遮断装置とを有する遅延制御装置により、非常停止スイッチ152が操作されたことを表す信号を所定時間経過後に遮断装置に入力させ、PB切換弁181のソレノイドの電流を遮断してもよい。
(変形例4)
初期・中期制動力発生装置の油圧シリンダ482の油室に供給する作動油の圧力を車速Vにより調整してもよい。図7(b)に示すように、変形例4は、変形例3で説明した電動油圧ポンプ372に代えて、第2アキュムレータ172をブレーキ作動圧の元圧を発生させる圧力生成部として設けた例である。変形例4では、油圧シリンダ482の油室に供給される作動油は、メインコントローラ155により制御される電磁比例減圧弁442によって減圧され、供給される。
本変形例では、電磁比例減圧弁442による減圧度を車速Vに応じて変更する。このような変形例によれば、第1の実施の形態で説明した(1),(3)〜(5),(8)〜(10)と同様の作用効果に加え、次の作用効果を奏する。
(13)非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示された場合に、車速Vに応じて初期・中期制動力発生装置の制動力を調整できるので、ショックの発生をより適切に抑えることができる。
(変形例5)
上述した実施の形態では、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示された結果、油圧ポンプ139の吐出圧Ppが圧力閾値Ppt以下になった場合、電動油圧ポンプ176を起動する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。非常停止スイッチ152の操作状態を監視し、非常停止スイッチ152によりエンジン190の停止が指示された場合、油圧ポンプ139の吐出圧Ppにかかわらず、電動油圧ポンプ176を起動してもよい。
(変形例6)
上述した実施の形態では、オペレータにより非常停止スイッチ152が操作された場合に、エンジン190を停止させる例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、機械室107内に煙感知装置を設け、煙感知装置により煙が発生していることを検出したときにエンジン190を自動で停止させる場合に本発明を適用してもよい。この場合、煙感知装置がエンジン190の停止を指示する停止指示部(停止信号出力部)として機能する。
(変形例7)
上述したメインコントローラ155の機能およびエンジンコントローラ150の機能を一つのコントローラに持たせてもよい。また、3つ以上のコントローラに機能を分けて持たせてもよい。
(変形例8)
上述した実施の形態では、サービスブレーキ装置SBがポジティブ型の油圧ブレーキ装置である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。サービスブレーキ装置SBをネガティブ型の油圧ブレーキ装置としてもよい。
(変形例9)
上述した実施の形態では、原動機としてエンジン190を採用した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、電動機を原動機として採用し、電動機によって油圧ポンプ138,139を駆動させるようにしてもよい。
(変形例10)
オートブレーキ装置ABの電磁比例減圧弁122は、予め速度段毎に設定された制御電流Iにより制御するようにしてもよい。速度段は、車速Vによって変化する。つまり、速度段毎に電磁比例減圧弁122の制御電流Iを変更する制御方法は、車速Vに基づいて電磁比例減圧弁122の制御電流Iを制御する一つの方法である。
(変形例11)
上述した実施の形態では、作業車両の一例としてホイールローダを例に説明したが、本発明はこれに限定されず、たとえば、ホイールショベル、テレハンドラー、リフトトラック等、パーキングブレーキ装置PBとサービスブレーキ装置SBを有する他の走行式作業車両であってもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
100 ホイールローダ(作業車両)、103 車輪、116 ステアリングシリンダ、122 電磁比例減圧弁(比例減圧弁)、131 ブレーキペダル、132 ブレーキバルブ、132P パイロット部、135 ブレーキディスク(制動力発生部)、138 油圧ポンプ、141 EB切換弁(第2の切換弁)、142 二段絞り、142a 一次絞り、142b 二次絞り(ブリードオフ絞り)、151 エンジンキースイッチ(運転停止指示部)、152 非常停止スイッチ(停止指示部)、171 第1アキュムレータ、172 第2アキュムレータ(圧力生成部)、176 電動油圧ポンプ、181 PB切換弁(第1の切換弁)、182 油圧シリンダ、182b ばね、190 エンジン(原動機)、199 タンク、242 二段絞り、242a 一次絞り、242b 二次絞り(ブリードオフ絞り)、342b ブリードオフ絞り、372 電動油圧ポンプ(圧力生成部)、541b ブリードオフ絞り
BL21 第1油路、BL22 第2油路、PB パーキングブレーキ装置(第1のブレーキ装置)、SB サービスブレーキ装置(第2のブレーキ装置)、SC ステアリング回路

Claims (8)

  1. 原動機と、前記原動機により駆動される油圧ポンプと、前記油圧ポンプと接続され、ブレーキ解除圧が作用していないときには第1の制動力を車輪に付与し、前記ブレーキ解除圧が作用しているときには前記第1の制動力を解除する油圧シリンダを備えたネガティブ型の第1のブレーキ装置と、を備えた作業車両であって、
    前記第1のブレーキ装置とは別に設けられ、前記第1の制動力よりも小さい第2の制動力を発生する第2のブレーキ装置と、
    前記作業車両の運転および停止を選択的に指示する運転停止指示部と、
    前記運転停止指示部とは別に設けられ、前記原動機に停止を指示する原動機停止指示部と、
    前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されると、前記第2のブレーキ装置を作動させた後に前記第1のブレーキ装置を作動させるブレーキ制御装置と、を備え
    前記ブレーキ制御装置は、
    前記油圧ポンプと前記第1のブレーキ装置とを接続する油路から分岐してタンクに接続される油路に設けられた第1のブリードオフ絞りを有している
    ことを特徴とする作業車両。
  2. 請求項に記載の作業車両において、
    前記第2のブレーキ装置は、
    ブレーキペダルの操作量またはパイロット圧に基づいてブレーキ作動圧を出力するブレーキバルブと、
    前記ブレーキ作動圧に基づいて制動力を発生する制動力発生部と、
    少なくとも前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されたとき、前記ブレーキ作動圧の元圧および前記パイロット圧の元圧を生成する圧力生成部と、を備えている
    ことを特徴とする作業車両。
  3. 請求項に記載の作業車両において、
    前記第1のブレーキ装置は、前記運転停止指示部により車両の運転が指示されている場合には前記油圧ポンプと前記油圧シリンダとを接続する解除位置に切り換えられ、前記運転停止指示部により車両の停止が指示されている場合には前記油圧シリンダとタンクとを接続する作動位置に切り換えられる第1の切換弁を備えている
    ことを特徴とする作業車両。
  4. 請求項に記載の作業車両において、
    前記圧力生成部は、前記油圧ポンプおよび前記第1のブレーキ装置の油圧シリンダに接続され、前記油圧ポンプから吐出される圧油を蓄積するアキュムレータであり、
    前記第1のブレーキ装置は、前記アキュムレータからの油の一部が前記第1のブリードオフ絞りを介してタンクに排出されることにより、前記第1のブレーキ装置の油圧シリンダに作用する圧力が、予め定められた設定圧よりも低くなったときに制動力を発生させるばねを有している
    ことを特徴とする作業車両。
  5. 請求項に記載の作業車両において、
    車速に基づいて、前記アキュムレータから供給される作動油を減圧して出力する比例減圧弁を備え、
    前記ブレーキ制御装置は、
    前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されているときには前記比例減圧弁が設けられていない第1の油路を前記ブレーキバルブのパイロット部に接続する第1の位置に切り換えられ、前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されていないときには前記比例減圧弁が設けられた第2の油路を前記ブレーキバルブのパイロット部に接続する第2の位置に切り換えられる第2の切換弁と、
    前記第2の切換弁と前記ブレーキバルブのパイロット部とを接続する油路に設けられ、前記比例減圧弁で減圧した作動油を絞る第1の一次絞りと、を備え、
    前記第1のブリードオフ絞りは、前記第1の一次絞りで絞られた作動油を第1の設定圧に減圧して前記ブレーキバルブのパイロット部に作用させながら一部を低圧側に逃がす第1の二次絞りである
    ことを特徴とする作業車両。
  6. 請求項に記載の作業車両において、
    車速に基づいて、前記アキュムレータから供給される作動油を減圧して出力する比例減圧弁を備え、
    前記ブレーキ制御装置は、
    前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されているときには前記比例減圧弁が設けられていない第1の油路を前記ブレーキバルブのパイロット部に接続する第1の位置に切り換えられ、前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されていないときには前記比例減圧弁が設けられた第2の油路を前記ブレーキバルブのパイロット部に接続する第2の位置に切り換えられる第2の切換弁と、
    前記比例減圧弁と第2の切換弁とを接続する前記第2の油路に設けられ、前記比例減圧弁で減圧した作動油を絞る第2の一次絞りと、
    前記第2の一次絞りと前記ブレーキバルブのパイロット部とを接続する油路から分岐してタンクに接続される油路に設けられ、前記第2の一次絞りで絞られた作動油を第2の設定圧に減圧して前記ブレーキバルブのパイロット部に作用させながら一部を低圧側に逃がす第2のブリードオフ絞りと、
    前記第1の油路に設けられ、前記アキュムレータからの作動油を絞る第1の一次絞りと、を備え、
    前記第1のブリードオフ絞りは、前記第1の一次絞りで絞られた作動油を第1の設定圧に減圧して前記ブレーキバルブのパイロット部に作用させながら一部を低圧側に逃がす第1の二次絞りである
    ことを特徴とする作業車両。
  7. 請求項に記載の作業車両において、
    前記原動機により駆動される油圧ポンプから吐出された圧油により駆動されるステアリングシリンダと、
    前記ステアリングシリンダの伸縮動作を制御するステアリング回路と、
    前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されていないときには停止し、前記原動機停止指示部により前記原動機の停止が指示されているときには駆動し、前記ステアリング回路に圧油を供給する電動油圧ポンプと、を備えている
    ことを特徴とする作業車両。
  8. 請求項に記載の作業車両において、
    前記原動機停止指示部により、前記原動機の停止が指示されてから所定時間を経過したときに前記第1のブレーキ装置を作動させる遅延制御装置を備えている
    ことを特徴とする作業車両。
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