JP6647804B2 - 貝又はホヤの調味ソースの製造方法 - Google Patents

貝又はホヤの調味ソースの製造方法 Download PDF

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本発明は、風味を改良した貝又はホヤの調味ソースの製造方法及びその製造方法による貝又はホヤの調味ソースに関する。
牡蠣、あさり、ハマグリ、ホタテ貝などの貝類は、風味のある独特の旨味を有し、その煮汁は、古くからオイスターソースなどの調味ソースとして用いられてきている。また、貝類と同様、ホヤについてもその独特の風味と食感が好まれ、各種料理に用いられている。
オイスターソースなどの調味ソースは、料理の味を決める重要な役割を果たしているが、例えば、オイスターソースは、中国を発祥の地とする塩漬けした牡蠣を発酵させた上澄み液であるが、現在では、牡蠣の煮汁を煮詰めたものや牡蠣の抽出液を濃縮したエキスに糖類、糊料などを加えて作られるのが一般的になっている。
このようなオイスターソースは、独特のコクと風味を有し、中華料理、ことに広東料理には欠かせない調味料であるが、近年、このオイスターソースを中華料理ばかりではなく、フレンチやイタリアンといった幅広い範囲の料理に用いたいという要望が高まってきており、牡蠣によるオイスターソースに限らず、その他の貝やホヤによる調味ソースに対する要望も高まっている。
従来より、このような調味ソースは、材料を加熱した煮汁や、濃縮した抽出エキスが用いられている。
特許文献1には、オイスターソースを中華料理の風味づけとしてだけでなく、繊細な風味付けを有する種々の料理に幅広く利用するために、カキエキスを主原料とし、100gあたりタウリンを50mg以上含み、カルシウム及びマグネシウムの総量の割合が30重量%以下である調味組成物が提案され、国内産の生牡蠣を牡蠣打ちにて殻を除去し、洗浄し、熱水で15分ボイルした後、煮汁は、100メッシュスクリーンを通すことにより夾雑物を除去し後、常圧濃縮し(100℃、20分)、100℃で加熱殺菌して製造したカキ煮汁濃縮物を30%用いて作製したオイスターソースの製造例が示されている。
また、特許文献2には、ホヤから温熱水による抽出やアルコールと反応させての抽出によるホヤエキスを用いた健康食品が記載されている。
しかしながら、このような牡蠣やホヤのむき身を加熱した煮汁や、濃縮した抽出エキスを用いたソースでは、特定成分の味が強調されて、生で食べた時の牡蠣やホヤの本来の旨味、風味をそのままソースにしたような深みのある味わいは得られなかった。
特許文献3には、殻を剥いたホヤを粉砕したホヤの乾燥粉末が開示され、ホヤの乾燥粉末を添加した煮汁をソースとして利用することが記載されている。
しかしながら、特許文献3に記載された乾燥粉末は、単にホヤを粉末化したものであるため、ホヤの旨みを引き出すために料理の段階で煮出す工程が必要となり、ソース材料としては使い勝手が悪いものとなっている。
そのため、生で食べた時の牡蠣やホヤの旨味、風味を強く感じながら、貝類やホヤをそのまま調味ソースとしたような深みのある味わいの調味物が求められている。
特開2011−182723号公報 特開2004−298161号公報 国際公開第2000/044246号公報
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、牡蠣などの貝類やホヤをそのまま調味物にしたような貝類やホヤ本来の旨味、風味を有するオイスターソースなどの貝又はホヤの調味ソースの製造方法及びその製造方法によるオイスターソース等の貝又はホヤの調味ソースを提供することにある。
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による貝又はホヤの調味ソースの製造方法は、殻から外した貝又はホヤのむき身を急速冷凍する急速冷凍工程と、前記急速冷凍工程で得られた貝又はホヤのむき身の冷凍物を粉砕する冷凍物粉砕工程と、前記冷凍物粉砕工程で得られた貝又はホヤのむき身粉砕物に分解酵素を添加して、10℃〜30℃の温度で酵素分解する酵素分解工程と、前記酵素分解工程で得られた貝又はホヤのむき身流動化物から異物を除去する異物除去工程と、前記異物除去工程を通過した貝又はホヤのむき身流動化物を殺菌する主材料殺菌工程と、前記主材料殺菌工程後の貝又はホヤのむき身流動化物に副材料を添加して調理し貝又はホヤの調味ソースとする調理工程と、前記調理工程後の貝又はホヤの調味ソースを容器に充填し、殺菌する充填殺菌工程と、を有することを特徴とする。
前記酵素分解工程は、分解酵素としてプロテアーゼを用い、10℃〜30℃の温度で攪拌しながら酵素分解を行う、貝又はホヤのむき身の均一酵素分解のための分解工程と、15〜25℃の温度で行う、内容物の混合状態の安定化のための熟成工程を有し、前記分解工程と熟成工程の間に、大形固形分を除去するための分離工程を有することが好ましい。
前記殺菌工程は、プレート式殺菌装置を用い、殺菌温度130℃、10秒間で行い、前記異物除去工程は、60メッシュストレーナー及び11000ガウスのマグネットフィルターを通過させて、貝又はホヤのむき身流動化物中の異物除去を行うことで行うことが好ましい。
前記分解工程と熟成工程の間に行う分離工程は、200メッシュのスクリーンを用いて濾過するものであることが好ましい。
本発明の一態様による貝又はホヤの調味ソースは、殻から外した貝又はホヤのむき身を急速冷凍する急速冷凍工程と、前記急速冷凍工程で得られた貝又はホヤのむき身の冷凍物を粉砕する冷凍物粉砕工程と、前記冷凍物粉砕工程で得られた貝又はホヤのむき身粉砕物に分解酵素を添加して、10℃〜30℃の温度で酵素分解する酵素分解工程と、前記酵素分解工程で得られた貝又はホヤのむき身流動化物から異物を除去する異物除去工程と、前記異物除去工程を通過した貝又はホヤのむき身流動化物を殺菌する主材料殺菌工程と、前記殺菌工程後の貝又はホヤのむき身流動化物に副材料を添加し調理する調理工程と、前記調理工程後の貝又はホヤの調味ソースを容器に充填し、殺菌する充填殺菌工程と、を有する製造方法によって製造されることを特徴とする。
本発明の貝又はホヤの調味ソースの製造方法によれば、貝又はホヤのむき身を低温で酵素分解して流動化させた貝又はホヤのむき身の流動化物を用いて貝又はホヤの調味ソースを製造するので、貝又はホヤの栄養分も旨味、風味も損なうことなく、貝又はホヤをそのまま貝又はホヤの調味ソースにしたような貝又はホヤ本来の食感を有する貝又はホヤの調味ソースを製造することができる。
また、本発明の製造方法による貝又はホヤの調味ソースは、加熱抽出や加熱濃縮の工程を経ていないので、新鮮な生の貝又はホヤの旨味、風味を有し深みのある食感の貝又はホヤの調味ソースとなっており、中華はもちろんのことフレンチ、イタリアン、和食にも適した貝又はホヤの調味ソースとなっている。
本発明の一実施形態に係る貝又はホヤの調味ソースの製造方法を説明するためのフロー図である。
本発明の貝又はホヤの調味ソースの製造方法は、貝又はホヤの殻を外した貝又はホヤのむき身を急速冷凍し、凍結状態で粉砕したうえ、低温で酵素分解を行い、その後短時間の加熱殺菌処理した貝又はホヤのむき身の流動化物を用いて貝又はホヤの調味ソースを製造することを特徴とし、殺菌処理のための短時間の加熱を除き、30℃を超える温度の加熱工程を経ずに貝又はホヤのむき身の流動化物を調製するところに特徴を有する。
以下、本発明による貝又はホヤの調味ソースの製造方法を実施するための形態の具体例を、図を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態に係る貝又はホヤの調味ソースの製造方法は、貝又はホヤの殻の除去を行った後、洗浄した貝又はホヤのむき身を急速冷凍する急速冷凍工程、一定時間冷凍して凍結させた貝又はホヤのむき身を粉砕する冷凍物粉砕工程、粉砕された貝又はホヤのむき身に分解酵素を添加して10℃〜30℃の低温で酵素分解させる酵素分解工程、酵素分解した貝又はホヤのむき身流動化物から異物を除去する異物除去工程、貝又はホヤのむき身流動化物を短時間の殺菌をする主材料殺菌工程、貝又はホヤのむき身流動化物に副材料を添加して調理する調理工程、調理工程を経て出来上がった貝又はホヤの調味ソースを容器に充填し、殺菌する充填・殺菌工程を有する。
図1は、本発明の一実施形態に係る貝又はホヤの調味ソースの製造方法を説明するためのフロー図である。以下、図1を参照して貝又はホヤの調味ソースの製造方法の各ステップについて説明する。
本発明に係る貝又はホヤの調味ソースの製造方法に用いる貝又はホヤは、食用に供することのできるものであれば、特に種類、産地、季節を問うものではないが、例えば、貝としては、牡蠣、あさり、ハマグリ、ツブ、タイラギ、ホッキ、ホタテなどが挙げられ、ホヤとしては、マボヤ、アカボヤ、シロボヤ、イタボヤなどが挙げられるが、貝としては牡蠣が好ましく、ホヤとしてはマボヤが好ましい。
牡蠣は、オイスターソースとして和洋中いずれの料理にも用いることができるので好ましく、特に、三陸海岸などで3〜4月に採れる、完熟牡蠣と呼ばれる産卵を控え栄養をたっぷりと蓄えた牡蠣を用いることは、特に風味豊かなオイスターソースとすることができるので好ましい。
また、夏場のホヤは甘みと旨みが増して、風味豊かな調味ソースとすることができるので好ましい。
貝又はホヤが水揚げされると、貝又はホヤの殻の除去をする作業が行われる(ステップ1)。
殻を除去した貝又はホヤのむき身は、洗浄(ステップ2)後に、急速冷凍される(ステップ3)。
ステップ1の貝又はホヤの殻の除去からステップ3の急速冷凍までの工程は、貝又はホヤが水揚げされた即日に行なわれることが貝又はホヤのむき身の鮮度を保つ上で好ましい。
急速冷凍するための冷凍機の機種及びその運転条件は、貝又はホヤのむき身が十分な凍結状態になる条件であれば、特に特定するものではないが、−40℃〜−20℃で行うことが、貝又はホヤの鮮度と風味を保つ上で好ましい。
急速冷凍した貝又はホヤのむき身の凍結物は、次の冷凍物粉砕工程において粉砕機にかけて貝又はホヤのむき身の粉砕物とする(ステップ4)。
貝又はホヤのむき身を冷凍状態で粉砕することにより、粉砕直後の粉砕物は粒状となるが、この貝又はホヤのむき身の粉砕物は、1mm以下程度の大きさまで粉砕することが、次工程の酵素分解工程を効率的に進めるうえで好ましい。
貝又はホヤのむき身の粉砕物は、30℃を越える温度になると鮮度が低下し易くなるため、冷凍物粉砕工程においては、貝又はホヤのむき身の粉砕物の温度を30℃以下にすることを要す。
温度上昇の激しい粉砕装置を用いる場合には、内容物の温度が30℃を越える温度となることを抑止するため、内容物の冷却設備を備えることや、ドライアイス等の冷却剤と共に粉砕するなどを行うことが好ましい。
冷凍物粉砕工程において粉砕された貝又はホヤのむき身の粉砕物は、酵素分解工程(ステップ5)に送られる。内容物の鮮度低下の抑止、貝又はホヤの風味維持のために、酵素分解工程は30℃以下に制御することを要し、特には10℃〜30℃の範囲で制御することが、鮮度低下防止、貝又はホヤの風味維持及び酵素分解の進行の面から好ましい。その為、酵素分解反応を行う分解槽、熟成槽は、温水ラインや冷却水ラインと接続したジャケット等の温度調節設備を備え、30℃以下に制御可能な温度調節装置を備えていることが好ましい。
酵素分解工程において使用する分解酵素としては、プロテアーゼ、ペプチダーゼ等の蛋白質をアミノ酸及びペプチドに分解する酵素、アミラーゼ、グルカナーゼ、セルラーゼ等のでんぷん、セルロース等の多糖類をオリゴ糖に分解する酵素、リパーゼ等の脂肪を分解する酵素が挙げられる。このうち特にプロテアーゼを用いることが、貝又はホヤに含まれる蛋白質を分解するうえで好ましい。
また、酵素分解工程は、10℃〜30℃の温度で低速撹拌しながら行う分解工程(ステップ5−1)と、15℃〜25℃の温度で行う熟成工程(ステップ5−3)の2段階で行うことが好ましい。
分解工程は、貝又はホヤのむき身の粉砕物を均一に酵素分解するための工程であり、通常10時間〜15時間の間行う。
熟成工程は、更なる酵素分解とソース主材料を熟成し、内容物の混合状態を安定化させてコクを出すための主材料の熟成のための工程であり、15℃〜25℃の温度で12時間〜24時間の間行うことが好ましい。
熟成工程は、上記温度範囲を維持できれば、無攪拌の静置状態でもよく、低速撹拌を行ってもよい。
酵素分解工程において、分解工程と熟成工程の間に形状の大きな未分解物や貝又はホヤの殻の残渣、異物などを除くための分離工程(ステップ5−2)を設けることが、貝又はホヤの調味ソースとしたときの食感の面から好ましい。
分解を終了した貝又はホヤのむき身の粉砕物は、流動性を有する固液混合物となるが、分解が不十分で形状の大きな固形物や原料の貝又はホヤから混入した貝又はホヤの殻片、異物等を含む。
これらの大形状物を除くための分離工程は、メッシュフィルター等の濾過装置を用いることができ、メッシュフィルターを用いる場合のスクリーンは150メッシュ〜250メッシュであることが好ましく、特には200メッシュとすることが、貝又はホヤの調味ソースとしたときの舌触り感の点で特に好ましい。
酵素分解工程の途中に分離工程を設けることによって、分解工程で分解しきれずに残った大型固形分を除去できるので、貝又はホヤのむき身の粉砕物は、メッシュを通過できる程度の小型の固形分のみとなり、次の熟成工程においてそれが更に酵素分解され、良好な食感を与える貝又はホヤのむき身流動化物となる。
酵素分解工程を終了した貝又はホヤのむき身流動化物は、濃縮工程を行わずに次工程の異物除去工程(ステップ6)に送られる。濃縮工程を行わないのは、濃縮のための長時間の高温加熱による貝又はホヤの風味劣化を防止するためである。
製造過程で混入した異物や金属を除くための異物除去工程は、メッシュストレーナー及びマグネチックストレーナーを備え、貝又はホヤのむき身流動化物から異物や金属を除去する。
異物除去工程を終了した貝又はホヤのむき身流動化物は、原料段階の殺菌処理を行うための主材料殺菌工程(ステップ7)に送られる。主材料殺菌工程で用いることのできる設備は、流動物を連続的に殺菌処理できる公知の液体連続殺菌装置を用いることができるが、プレート式熱交換器を用いたプレート式殺菌装置は、短時間の熱処理で殺菌能力も高く、風味を損なうことが少ないので好ましい。
主材料殺菌工程における殺菌条件は、85℃〜135℃の温度で2秒〜100秒間の殺菌で行なうことができるが、ノロウィルスが85℃、1分程度で死滅すること、長時間の殺菌はソースの風味を損ねることから120℃〜135℃の温度で5〜15秒間の殺菌条件で行うことが好ましく、特には、130℃、10秒間で行うことが好ましい。
主材料殺菌工程における加熱により、酵素分解工程において添加された分解酵素の失活もなされる。殺菌と分解酵素の失活を同時に行うことで、貝又はホヤのむき身流動化物を加熱する時間が短縮され、貝又はホヤの風味を損なうことをなくすことができる。
主材料殺菌工程において殺菌を終えた貝又はホヤのむき身流動化物は、貝又はホヤの調味ソースの味、粘度、色調等を調整するための調理工程(ステップ8)に送られる。
調理工程は、殺菌を終えた貝又はホヤのむき身流動化物に味、粘度、色調等を調整するための副材料を添加し調理する工程である。
調理工程で用いることのできる副材料としては、XO醤、醤油、魚醤、マヨネーズ、各種動植物油脂、各種乳製品、野菜、肉、魚等のペースト、海水、海藻や貝類のペーストやエキスなどが挙げられる。
調理工程では、調味、粘度調整のために、通常、50〜90℃の温度で5〜20分間の加熱調理が行われる。
調理工程を終了した貝又はホヤの調味ソースは、充填殺菌工程(ステップ9)において、充填機によって容器に充填され、その後100〜130℃の温度で、60〜120分間加熱殺菌される。
本実施形態の製造方法により製造された貝又はホヤの調味ソースは、貝又はホヤ本来の旨み、風味を十分に感じさせ、他の食材の風味を打ち消すことがなく、中華料理はもとより、フレンチ、イタリアン、和食など種々の料理の調味材料として適するものとなっている。
[実施例1]
気仙沼湾で水揚げした牡蠣を、水揚げした日のうちに牡蠣打ち(殻の除去)、洗浄を行い、牡蠣のむき身を−30℃で急速冷凍した。次いで、凍結させた牡蠣のむき身を凍結状態のまま粉砕機にかけて牡蠣のむき身の粉砕物を作製した。粉砕後の牡蠣のむき身の粉砕物の温度は10℃であった。
作製した牡蠣のむき身の粉砕物を攪拌機、温度調節用ジャケット付きの分解槽に投入し、投入量に対し1重量%相当のプロテアーゼを添加して、低速で撹拌しながら内温を15℃〜25℃の温度に調整し、15時間酵素分解反応を行わせ、牡蠣のむき身流動化物を得た。
次に、分解槽の牡蠣のむき身流動化物を200メッシュスクリーンのメッシュフィルターにかけて大形固形分を除き熟成槽に移送し、20〜30℃の温度で20時間の間、間欠的に低速撹拌混合して熟成した。熟成槽での熟成工程を終了した牡蠣のむき身の流動化物は、60メッシュストレーナー及び11000ガウスのマグネットフィルターを通過させて大形異物及び金属異物を除去した後、プレート式殺菌装置に移送し、殺菌温度130℃で10秒間の殺菌処理を行った。殺菌処理を行った主材料の牡蠣のむき身流動化物に副材料として、醤油、魚醤、マヨネーズを添加して、90℃で10分間の加熱調理を行ってオイスターソースを調製し、ガラス製の容器に詰め、殺菌機で112℃、80分間加熱殺菌して試作品Aを得た。
[比較例]
実施例同様にして牡蠣打ち、洗浄した牡蠣のむき身を80℃の熱水で15分間煮だした後、煮だし液を100メッシュスクリーンで濾過し、100℃、20分間常圧濃縮して牡蠣エキスを作製した。得られた牡蠣エキスを実施例同様に異物除去、殺菌処理を行い、実施例と同量の副材料を用いてオイスターソースを調製して容器に充填し、実施例と同様の条件で殺菌処理を行い、比較品Bを得た。
[オイスターソースを用いた料理による官能評価]
上記試作品A、比較品Bのオイスターソースを用いて、タコとアスパラガスのペペロンチーノ(パスタ料理の味付け)、鳥もも肉と野菜のグリル(グリル料理の肉の下処理)、牛肉とクレソンのサラダ(サラダ料理のドレッシング材料)筑前煮(和食料理の味付け)の4種の料理を調理し、高度に訓練されたパネラー10名による官能評価を行った。
評価基準
項目 マッチング:オイスターソースが料理の旨味を引き立たせているか
旨味:牡蠣の旨味が感じられるか
風味:牡蠣の風味が感じられるか
評点 3点:非常に良い
2点:良い
1点:やや良い
0点:良くない
結果を下表に示した。
Figure 0006647804
本発明の貝又はホヤの調味ソースの製造方法による試作品Aは、パスタ料理、グリル料理、サラダ料理、和食料理のいずれの料理においても、その料理に対するマッチング性、牡蠣の風味・旨味において、従来からの製造方法による比較品Bに比べ評点が大きく上回る結果であった。
これにより、本発明の貝又はホヤの調味ソースの製造方法によるオイスターソースは、従来からの製造方法によるオイスターソースに比べ、牡蠣の旨味・風味に優れ、各種料理と優れた相性を有することが分かる。
[実施例2]
気仙沼湾で採れたホヤを、水揚げした日のうちに殻剥き(殻の除去)、洗浄を行い、ワタを付けたままのホヤのむき身を−30℃で急速冷凍した。次いで、凍結させたホヤのむき身を凍結状態のまま粉砕機にかけてホヤのむき身の粉砕物を作製した。粉砕後のホヤのむき身の粉砕物の温度は5℃であった。
作製したホヤのむき身の粉砕物を攪拌機、温度調節用ジャケット付きの分解槽に投入し、投入量に対し1重量%相当のプロテアーゼを添加して、低速で撹拌しながら内温を15℃〜25℃の温度に調整し、15時間酵素分解反応を行わせ、ホヤのむき身流動化物を得た。
次に、分解槽のホヤのむき身流動化物を200メッシュスクリーンのメッシュフィルターにかけて大形固形分を除き熟成槽に移送し、20〜30℃の温度で20時間の間、間欠的に低速撹拌混合して熟成した。熟成槽での熟成工程を終了したホヤのむき身の流動化物は、60メッシュストレーナー及び11000ガウスのマグネットフィルターを通過させて大形異物及び金属異物を除去した後、プレート式殺菌装置に移送し、殺菌温度130℃で10秒間の殺菌処理を行った。殺菌処理を行った主材料のホヤのむき身流動化物に副材料として、醤油、魚醤、マヨネーズを添加して、90℃で10分間の加熱調理を行ってホヤの調味ソースを調製し、ガラス製の容器に詰め、殺菌機で112℃、80分間加熱殺菌して試作品Cを得た。
[ホヤの調味ソースを用いた料理による官能評価]
上記試作品Cのホヤの調味ソースを用いて、アスパラガスのペペロンチーノ(パスタ料理の味付け)、炊き込みご飯(和食料理の味付け)の2種の料理を調理し、高度に訓練されたパネラー10名による官能評価を行った。
その結果、試作品Cのホヤの調味ソースは、ホヤの調味ソースが料理の旨味を引き立たせているかのマッチングチェック、ホヤの旨味が感じられるかの旨味チェック、ホヤの風味が感じられるかの風味チェックのいずれにおいても、各パネラーの平均点が2.8以上となり、ホヤの旨味・風味に優れ、各種料理と優れた相性を有することが分かった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。

Claims (3)

  1. 殻から外したむき身の貝又はホヤを急速冷凍する急速冷凍工程と、
    前記急速冷凍工程で得られたむき身の貝又はホヤの冷凍物を粉砕する冷凍物粉砕工程と、
    前記冷凍物粉砕工程で得られたむき身の貝又はホヤの粉砕物に分解酵素を添加して、10℃〜30℃の温度で酵素分解する酵素分解工程と、
    前記酵素分解工程で得られたむき身の貝又はホヤの流動化物から製造過程で混入した異物や金属を除くために60メッシュストレーナー及びマグネチックストレーナーを備える異物除去工程と、
    前記異物除去工程を通過したむき身の貝又はホヤの流動化物を殺菌する主材料殺菌工程と、
    前記主材料殺菌工程後のむき身の貝又はホヤの流動化物に副材料を添加して調理する調理工程と、
    前記調理工程後の調理物を容器に充填し、殺菌する充填殺菌工程と、を有し、
    前記酵素分解工程は、分解酵素としてプロテアーゼを用い、10℃〜30℃の温度で撹拌しながら酵素分解を行う、むき身の貝又はホヤの均一酵素分解のための分解工程と、15℃〜25℃の温度で行う、内容物の食感を高めるための熟成工程を有し、
    前記分解工程と熟成工程の間に、前記分解工程で得られたむき身の貝又はホヤの流動化物を150メッシュ〜250メッシュのスクリーンを用いて大形固形分を除くための濾過を行う分離工程を有し、前記分離工程後のむき身の貝又はホヤの流動化物が、前記150メッシュ〜250メッシュのスクリーン通過可能な大きさのむき身の貝又はホヤの固形分を含有するものであることを特徴とする貝又はホヤの調味ソースの製造方法。
  2. 前記主材料殺菌工程は、プレート式殺菌装置を用い、殺菌温度130℃、10秒間で行うことを特徴とする請求項1に記載の貝又はホヤの調味ソースの製造方法。
  3. 前記分解工程と熟成工程の間に行う分離工程は、200メッシュのスクリーンを用いて濾過するものであることを特徴とする請求項1に記載の貝又はホヤの調味ソースの製造方法。
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