JP6642732B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター、又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体は、例えば、単層型電子写真感光体、又は積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する感光層を備える。積層型電子写真感光体においては、感光層は電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1には、ポリアリレート樹脂を含有する電子写真感光体が記載されている。ポリアリレート樹脂は、化学式(R−A)で表される繰返し単位を有する。
Figure 0006642732
特開平10−288845号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電子写真感光体は、耐摩耗性が十分ではなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、耐摩耗性に優れる感光層を備えた電子写真感光体を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。電荷発生層は、電荷発生剤を含む。前記電荷輸送層は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、フタロシアニン系顔料とを含む。前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含む。前記ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される。前記フタロシアニン系顔料の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1.00質量部以下である。
Figure 0006642732
前記一般式(1)中、ktは2又は3を表す。Xは、化学式(2A)、化学式(2B)、化学式(2C)、又は化学式(2D)で表される二価の基を表す。
Figure 0006642732
本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れる。
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。なお、本明細書において、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、化学式及び一般式中の「OEt」はエトキシ基を表す。
以下、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、及びハロゲン原子は、各々、次の意味である。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、又はオクチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、又はt−ブチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、又はオクチルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、又はt−ブトキシ基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとしては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、又はシクロへプタンが挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基に酸素原子が結合した基である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、又はフェナントリルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、非置換である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基と、炭素原子数1以上6以下のアルキル基とが結合した基である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基(ベンジル基)、2−フェニルエチル基(フェネチル基)、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、又は4−フェニルブチル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
<電子写真感光体>
本発明の実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)の構造を説明する。本実施形態に係る感光体は積層型電子写真感光体(以下、積層型感光体と記載することがある)である。図1A〜図1Cは、本実施形態に係る積層型感光体1の構造を示す部分断面図である。図1Aに示すように、積層型感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとを備える。図1Aに示すように、積層型感光体1は、導電性基体2上に電荷発生層3aを備え、電荷発生層3aの上に更に電荷輸送層3bを備えてもよい。また、図1Bに示すように、積層型感光体1は、導電性基体2上に電荷輸送層3bを備え、電荷輸送層3bの上に更に電荷発生層3aを備えてもよい。図1Aに示すように、電荷輸送層3bは積層型感光体1の最表面層として配置されてもよい。電荷輸送層3bは、一層(単層)であってもよい。
図1Aに示すように、感光層3は導電性基体2上に直接的に配置されてもよい。また、図1Cに示すように、積層型感光体1は、例えば、導電性基体2と、中間層4(下引層)と、感光層3とを備える。図1Cに示すように、感光層3は導電性基体2上に間接的に配置されてもよい。図1Cに示すように、中間層4は、導電性基体2と電荷発生層3aとの間に設けられてもよい。中間層4は、例えば、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとの間に設けられてもよい。電荷発生層3aは、単層であってもよく、複数層であってもよい。
電荷発生層3aの厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層3bの厚さは、電荷輸送層3bとして十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷輸送層3bの厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
以下、本実施形態に係る積層型感光体1の要素(導電性基体2、感光層3、及び中間層4)を説明する。更に感光体1の製造方法も説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体2は、感光体1の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体2としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料(以下、導電性材料と記載することがある)で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体2の一例としては、導電性材料で構成される導電性基体が挙げられる。導電性基体2の別の例としては、導電性材料で被覆されている導電性基体が挙げられる。導電性材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、又はインジウムが挙げられる。これら導電性材料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、又は真鍮等)が挙げられる。これら導電性材料のうち、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体2の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。導電性基体2の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体2の厚みは、導電性基体2の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.感光層]
電荷発生層3aは、電荷発生剤を含む。電荷発生層3aは、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)を含有してもよい。電荷輸送層3bは、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、フタロシアニン系顔料とを含む。電荷発生層3a及び電荷輸送層3bは、添加剤を含有してもよい。以下、電荷発生剤と、フタロシアニン系顔料と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、ベース樹脂と、添加剤とを説明する。
[2−1.電荷発生剤、フタロシアニン系顔料]
電荷発生剤は、感光体1用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料又はフタロシアニン誘導体の顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン顔料(より具体的には、X型無金属フタロシアニン顔料(x−H2Pc)等)が挙げられる。フタロシアニン誘導体の顔料としては、例えば、金属フタロシアニン顔料(より具体的には、チタニルフタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料、又はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。フタロシアニン系顔料の結晶形状としては、例えば、α型、β型、ε型、又はY型が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの電荷発生剤のうち、フタロシアニン系顔料が好ましく、Y型チタニルフタロシアニン顔料がより好ましい。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学式の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。デジタル光学式の画像形成装置としては、例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター又はファクシミリが挙げられる。そのため、例えば、フタロシアニン系顔料が好ましく、X型無金属フタロシアニン顔料又はY型チタニルフタロシアニン顔料がより好ましい。
短波長レーザー光源を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料又はペリレン系顔料が好適に用いられる。短波長レーザーの波長としては、例えば、350nm以上550nm以下の波長が挙げられる。
電荷発生剤は、例えば、化学式(CGM−1)〜(CGM−4)で表されるフタロシアニン系顔料である(以下、それぞれ電荷発生剤(CGM−1)〜(CGM−4)と記載することがある)。
Figure 0006642732
Figure 0006642732
Figure 0006642732
Figure 0006642732
電荷発生層3aにおける電荷発生剤の含有量は、電荷発生層用バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上4.5質量部以下であることが特に好ましい。
電荷輸送層3bにおけるフタロシアニン系顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン顔料又は金属フタロシアニン顔料が挙げられる。無金属フタロシアニン顔料としては、例えば、X型無金属フタロシアニン顔料が挙げられる。金属フタロシアニン顔料としては、例えば、チタニルフタロシアニン顔料(より具体的には、Y型チタニルフタロシアニン顔料又はα型チタニルフタロシアニン顔料等)又は銅フタロシアニン顔料(より具体的には、ε型銅フタロシアニン顔料等)が挙げられる。電荷輸送層3bにおけるフタロシアニン系顔料としては、例えば、X型無金属フタロシアニン顔料、Y型チタニルフタロシアニン顔料、α型チタニルフタロシアニン顔料、又はε型銅フタロシアニン顔料が挙げられる。
電荷輸送層3bにおけるフタロシアニン系顔料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1.00質量部以下である。電荷輸送層3bにおけるフタロシアニン系顔料の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対して1.00質量部を超えると、高温高湿環境下における感度の繰り返し特性が低下する。電荷輸送層3bでの露光光の吸収が大きくなって露光光が電荷発生層3aに到達しにくくなり、キャリアが十分に生成されないためである。電荷輸送層3bにおけるフタロシアニン系顔料の含有量が、バインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部未満であると、高温高湿環境下における感度の繰り返し特性が低下する。感光層3中の残留電荷が蓄積し、キャリアが感光体1の表面へ到達しにくくなるからである。
[2−2.正孔輸送剤]
正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン誘導体(より具体的には、ベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等);オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等);スチリル系化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等);カルバゾール系化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。
これらの正孔輸送剤のうち、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、又は一般式(6)で表される化合物(以下、それぞれ正孔輸送剤(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)と記載することがある)が好ましい。すなわち、正孔輸送剤は、正孔輸送剤(2)、(3)、(4)、(5)、又は(6)を含むことが好ましい。電荷輸送層が正孔輸送剤(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)を含有することにより、感光体の高温高湿環境下での感度の繰り返し特性を向上させることができ、感光体の電位環境安定性及び耐摩耗性を向上させることもできる。感光体の電位環境安定性を更に向上させる観点から、正孔輸送剤は、正孔輸送剤(2)、(3)、(4)又は(5)であることが好ましく、正孔輸送剤(3)、(4)、又は(5)がより好ましく、正孔輸送剤(3)が更に好ましい。感光体の耐摩耗性を更に向上させる観点から、正孔輸送剤は、正孔輸送剤(4)、(5)、又は(6)が好ましく、正孔輸送剤(4)であることがより好ましい。
Figure 0006642732
一般式(2)中、Q1は、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。フェニル基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよい。Q2は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよい。aは、0以上5以下の整数を表す。aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006642732
一般式(3)中、Q8、Q10、Q11、Q12、Q13、及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Q9及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。bは、0以上5以下の整数を表す。bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよい。cは、0以上4以下の整数を表す。cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよい。kは、0又は1を表す。
Figure 0006642732
一般式(4)中、Ra、Rb及びRcは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。qは、0以上4以下の整数を表す。qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよい。m及びnは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよい。nが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006642732
一般式(5)中、R1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、ハロゲン原子、又は水素原子を表す。R2とR3とは、互いに結合してもよい。dは、1又は2を表す。
Figure 0006642732
一般式(6)中、R111及びR112は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又はハロゲン原子を表す。d1及びd2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。d3は、1又は2を表す。
一般式(2)中、Q1の表すフェニル基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基であることが好ましく、メチル基で置換されたフェニル基であることがより好ましい。
一般式(2)中、Q2の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。aは、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(2)中、Q3〜Q7の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、n−ブチル基であることがより好ましい。一般式(2)中、Q3〜Q7の表す炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基であることがより好ましい。一般式(2)中、Q3〜Q7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基を表すことがより好ましい。
一般式(2)中、Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して、環(より具体的には、ベンゼン環、又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン)を形成してもよい。例えば、Q3〜Q7のうちの隣接したQ6とQ7とが互いに結合して、ベンゼン環、又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合してベンゼン環を形成する場合、このベンゼン環はQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基(ナフチル基)を形成する。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成する場合、この炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンはQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基を形成する。この場合、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとフェニル基との縮合部位は、二重結合を含んでもよい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成することが好ましく、シクロヘキサンを形成することがより好ましい。
一般式(2)中、Q1は、フェニル基又は水素原子を表し、フェニル基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されており、Q2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、Q3〜Q7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、aは、0又は1を表すことが好ましい。Q3〜Q7のうち隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(3)中、Q8及びQ10〜Q14の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。一般式(3)中、Q8及びQ10〜Q14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、b及びcは、0を表すことが好ましい。
一般式(4)中、Ra及びRbの表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基を表すことがより好ましい。一般式(4)中、Ra及びRbは、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、m及びnは、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、qは0を表すことが好ましい。
一般式(5)中、R1、R2、及びR3の表す炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、フェニル基が好ましい。
一般式(5)中、R2とR3とは、互いに結合してもよい。互いに結合した結果、環を形成してもよい。このような環としては、シクロアルカン(より具体的には、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン等)又は芳香環(より具体的には、炭素原子数5以上7以下の芳香環等)が挙げられる。例えば、R2及びR3が何れもフェニル基を表す場合、R2とR3とは、互いに結合して環を形成し、フルオレニル基となってもよい。
1、R2、及びR3は、各々、炭素原子数6以上14以下のアリール基を表すことが好ましい。R2とR3とは、互いに結合してもよい。
一般式(6)中、R111及びR112は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基を表すことが更に好ましい。
1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR111は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R111の結合位置は特に限定されない。R111は、フェニル基のオルト位、メタ位又はパラ位に結合してもよく、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。d2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR112は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R112の結合位置は特に限定されない。R112は、フェニル基のオルト位、メタ位又はパラ位に結合してもよく、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。一般式(6)中、d1及びd2は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(6)中、d3は、1又は2を表す。d3が1を表すとき、一般式(6)は、一般式(6−1)に相当する。d3が2を表すとき、一般式(6)は、一般式(6−2)に相当する。一般式(6−1)及び(6−2)中のR111、R112、d1及びd2は、各々、一般式(6)中のR111、R112、d1及びd2と同義である。一般式(6)中のd3は、1を表すことが好ましい。
Figure 0006642732
一般式(6)中、R111及びR112は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、d1及びd2は、各々独立に、0又は1を表し、d3は、1を表すことが好ましい。
正孔輸送剤(2)としては、例えば、化学式(HTM−1)〜(HTM−4)で表される正孔輸送剤(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−4)と記載することがある)が挙げられる。正孔輸送剤(3)としては、例えば、化学式(HTM−5)及び(HTM−7)で表される正孔輸送剤(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−5)及び(HTM−7)と記載することがある)が挙げられる。正孔輸送剤(4)としては、例えば、化学式(HTM−6)及び(HTM−8)で表される正孔輸送剤(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−6)及び(HTM−8)と記載することがある)が挙げられる。正孔輸送剤(5)としては、例えば、化学式(HTM−11)及び化学式(HTM−12)で表される正孔輸送剤(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−11)及び(HTM−12)と記載することがある)が挙げられる。正孔輸送剤(6)としては、例えば、化学式(HTM−9)及び化学式(HTM−10)で表される正孔輸送剤(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−9)及び(HTM−10)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006642732
Figure 0006642732
Figure 0006642732
Figure 0006642732
正孔輸送剤(2)〜(5)の各々は、例えば、公知の方法を適宜適用することにより、製造することができる。正孔輸送剤(6)は、例えば、以下の方法で製造することができる。正孔輸送剤(6)は、例えば、反応式(r−1)、(r−2)及び(r−3)で表される反応(以下、それぞれ反応(r−1)、(r−2)及び(r−3)と記載する)に従って、又はこれに準ずる方法に従って、製造される。反応(r−1)、(r−2)及び(r−3)中のR111、R112、d1、d2、及びd3は、各々、一般式(6)中のR111、R112、d1、d2、及びd3と同義である。
Figure 0006642732
反応(r−1)では、1モル当量の化学式(A1)で表される化合物(以下、化合物(A1)と記載する)と、1モル当量の亜リン酸トリエチルとを反応させて、1モル当量の化学式(B1)で表される化合物(以下、化合物(B1)と記載する)を得る。反応(r−1)では、1モルの化合物(A1)に対して、1モル以上2.5モル以下の亜リン酸トリエチルを添加することが好ましい。反応(r−1)の反応温度は160℃以上200℃以下であることが好ましい。反応(r−1)の反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
反応(r−2)では、1モル当量の化学式(A2)で表される化合物(以下、化合物(A2)と記載する)と、1モル当量の亜リン酸トリエチルとを反応させて、1モル当量の化学式(B2)で表される化合物(以下、化合物(B2)と記載する)を得る。反応(r−2)は、化合物(A1)を化合物(A2)に変更した以外は、反応(r−1)と同じ方法で行うことができる。
Figure 0006642732
反応(r−3)では、1モル当量の化学式(C)で表される化合物(以下、化合物(C)と記載する)と、1モル当量の化合物(B1)と、1モル当量の化合物(B2)とを反応させて、1モル当量の正孔輸送剤(6)を得る。1モルの化合物(C)に対して、1モル以上5モル以下の化合物(B1)を添加することが好ましい。1モルの化合物(C)に対して、1モル以上5モル以下の化合物(B2)を添加することが好ましい。反応(r−3)の反応温度は0℃以上50℃以下であることが好ましい。反応(r−3)の反応時間は10分以上24時間以下であることが好ましい。反応(r−3)は不活性ガス(例えば、アルゴンガス)の雰囲気下で行われてもよい。
反応(r−3)は、塩基の存在下で行われてもよい。塩基としては、例えば、ナトリウムアルコキシド(より具体的には、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシド等)、金属水素化物(より具体的には、水素化ナトリウム又は水素化カリウム等)又は金属塩(より具体的には、n−ブチルリチウム等)が挙げられる。これらの塩基のうち、ナトリウムメトキシドが好ましい。これらの塩基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基の添加量は、1モルの化合物(C)に対して、1モル以上3モル以下であることが好ましい。
反応(r−3)は、溶媒中で行われてもよい。溶媒としては、例えば、エーテル(より具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、塩化メチレン、クロロホルム又はジクロロエタン等)又は芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン又はトルエン等)が挙げられる。これらの溶媒のうち、テトラヒドロフランが好ましい。
反応(r−3)で得られた反応生成物(productant)を、必要に応じて精製することにより、目的化合物である正孔輸送剤(6)を単離することができる。精製方法としては、公知の方法が適宜採用され、例えば、晶析又はシリカゲルクロマトグラフィーが挙げられる。精製に使用する溶媒としては、例えば、クロロホルム、ヘキサン、又はクロロホルムとヘキサンとの混合溶媒が挙げられる。
正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
[2−3.バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂(1)を含む。ポリアリレート樹脂(1)は、一般式(1)で表される。
Figure 0006642732
一般式(1)中、ktは2又は3を表す。Xは、化学式(2A)、化学式(2B)、化学式(2C)、又は化学式(2D)で表される二価の基を表す。
Figure 0006642732
一般式(1)中、ktは3を表し、Xは、化学式(2B)、化学式(2C)、又は化学式(2D)を表される二価の基を表すことが好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)は、化学式(1−5)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−5)と記載することがある)と、一般式(1−6)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−6)と記載することがある)とを有する。
Figure 0006642732
一般式(1−5)中のkt及び一般式(1−6)中のXは、それぞれ一般式(1)中のkt及びXと同義である。
ポリアリレート樹脂(1)は、繰返し単位(1−5)及び(1−6)以外の繰返し単位を有してもよい。ポリアリレート樹脂(1)中の繰返し単位の物質量の合計に対する繰返し単位(1−5)及び(1−6)の物質量の合計の比率(モル分率)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00が更に好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1−5)及び(1−6)の配列は、芳香族ジオール由来の繰返し単位と芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位とが互いに隣接する限り、特に限定されない。
ポリアリレート樹脂(1)としては、例えば、化学式(R−1)〜(R−4)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006642732
Figure 0006642732
Figure 0006642732
Figure 0006642732
ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量は、10,000以上であることが好ましく、20,000以上であることがより好ましく、30,000以上であることが更に好ましく、45,000以上であることが特に好ましい。ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量は、80,000以下であることが好ましく、60,000以下であることがより好ましく、52,000以下であることが更に好ましい。ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が10,000以上である場合、バインダー樹脂の耐摩耗性を高めることができ、電荷輸送層3bが摩耗しにくくなる。一方、ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が80,000以下である場合、感光層3の形成時に、ポリアリレート樹脂(1)が溶剤に溶解し易くなり、感光層3の形成が容易になる傾向がある。
バインダー樹脂としては、ポリアリレート樹脂(1)のみを単独で用いてもよいし、ポリアリレート樹脂(1)以外の樹脂(その他の樹脂)を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。その他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(より具体的には、ポリアリレート樹脂(1)以外のポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂等)、熱硬化性樹脂(より具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂等)、又は、光硬化性樹脂(より具体的には、エポキシ−アクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系共重合体等)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ポリアリレート樹脂(1)の製造方法)
ポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、ポリアリレート樹脂(1)を製造できれば、特に限定されない。これらの製造方法として、例えば、ポリアリレート樹脂(1)の繰返し単位を構成するための芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸とを縮重合させる方法が挙げられる。ポリアリレート樹脂(1)の合成方法は特に限定されず、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合、溶融重合、又は界面重合等)を採用することができる。以下、ポリアリレート樹脂(1)の製造方法の一例を説明する。
ポリアリレート樹脂(1)は、例えば、反応式(R−1)で表される反応(以下、反応(R−1)と記載することがある)に従って又はこれに準じる方法によって製造される。ポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、例えば、反応(R−1)を含む。
Figure 0006642732
反応(R−1)において、一般式(1−11)中のkt及び一般式(1−9)中のXは、それぞれ一般式(1)中のkt及びXと同義である。
反応(R−1)では、一般式(1−9)で表される芳香族ジカルボン酸(以下、芳香族ジカルボン酸(1−9)と記載することがある)と、一般式(1−11)で表される芳香族ジオール(以下、芳香族ジオール(1−11)と記載することがある)とを反応させて、ポリアリレート樹脂(1)を得る。
芳香族ジカルボン酸(1−9)の物質量1モルに対する、芳香族ジオール(1−11)の物質量は、0.9モル以上1.1モル以下であることが好ましい。上記範囲であると、ポリアリレート樹脂(1)を精製し易く、ポリアリレート樹脂(1)の収率が向上する。
反応(R−1)は、アルカリ及び触媒の存在下で進行させてもよい。触媒としては、例えば、第三級アンモニウム(より具体的には、トリアルキルアミン等)又は第四級アンモニウム塩(より具体的には、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド等)が挙げられる。アルカリとしては、例えば、アルカリ金属の水酸化物(より具体的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(より具体的には、水酸化カルシウム等)が挙げられる。反応(R−1)は、溶媒中及び不活性ガス雰囲気下で進行させてもよい。溶媒としては、例えば、水又はクロロホルムが挙げられる。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンが挙げられる。反応(R−1)の反応時間は、2時間以上5時間以下が好ましい。反応温度は、5℃以上25℃以下が好ましい。
芳香族ジカルボン酸(1−9)としては、例えば、芳香環上に結合する2つのカルボキシル基を有する芳香族ジカルボン酸(より具体的には、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、又は4,4’−ジカルボキシビフェニル等)が挙げられる。芳香族ジカルボン酸は、芳香族ジカルボン酸(1−9)以外に他のジカルボン酸を含んでもよい。なお、ポリアリレート樹脂(1)の合成において、芳香族ジカルボン酸(1−9)の代わりに、芳香族ジカルボン酸(1−9)の誘導体(より具体的には、ハロゲン化アルカノイル又は芳香族ジカルボン酸無水物)を用いてもよい。
芳香族ジオール(1−11)としては、例えば、1,1−ビス(3−メチルフェニル)シクロヘキサン又は1,1−ビス(3−メチルフェニル)シクロペンタンが挙げられる。反応(R−1)では、芳香族ジオールは、芳香族ジオール(1−11)に加えて他のジオール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールE、又はビスフェノールF等)を用いてもよい。ポリアリレート樹脂(1)を合成において、芳香族ジオール(1−11)の代わりに芳香族ジオールの誘導体を用いることができる。芳香族ジオールの誘導体としては、例えば、ジアセテートが挙げられる。
ポリアリレート樹脂(1)の製造では、必要に応じて他の工程を含んでもよい。このような工程としては、例えば、精製工程が挙げられる。精製方法としては、例えば、公知の方法(より具体的には、ろ過、クロマトグラフィー、又は晶折等)が挙げられる。
[2−4.ベース樹脂]
ベース樹脂は、感光体1に適用できる限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベース樹脂は、上述したバインダー樹脂と同様の樹脂も例示されているが、同一の積層型感光体1においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。これは以下の理由を根拠としている。積層型感光体1を製造する際、通常、電荷発生層3a、電荷輸送層3bの順に形成するため、電荷発生層3aに、電荷輸送層を形成するための塗布液(以下、電荷輸送層用塗布液と記載することがある)を塗布することになる。電荷輸送層3bの形成時に、電荷発生層3aは、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましい。そこで、ベース樹脂は、同一の積層型感光体1においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。
[2−5.添加剤]
添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、又は紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、チオエーテル化合物、又はホスファイト化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物が好ましい。
[3.中間層]
第二実施形態に係る感光体1は、中間層4(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層4は、例えば、無機粒子、及び樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層4を介在させると、電流リークの発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体1を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、又は銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、又は酸化亜鉛等)の粒子、又は非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、無機粒子は、表面処理を施してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層4を形成する樹脂として用いることができれば、特に限定されない。
[4.感光体の製造方法]
積層型感光体1の製造方法において、感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層3aを形成するための塗布液(以下、電荷発生層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体2上に塗布し、塗布膜を形成する。次いで、適宜な方法で塗布膜を乾燥させることによって、塗布膜に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層3aを形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含む。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤と、ベース樹脂とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。電荷発生層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
電荷輸送層形成工程では、まず、電荷輸送層用塗布液を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層3a上に塗布し、塗布膜を形成する。次いで、適宜な方法で塗布膜を乾燥させることによって、塗布膜に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層3bを形成する。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(1)と、フタロシアニン系顔料と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、ポリアリレート樹脂(1)と、フタロシアニン系顔料とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
以下、感光層形成工程の詳細を説明する。電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液(以下、これら2つの塗布液を塗布液と記載することがある)に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散でき、かつ乾燥により塗布膜から除去され易ければ、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン、又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン溶剤を用いることが好ましい。2種以上の組合せとしては、例えば、メタノールとブタノールとトルエンとを含む混合溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルとテトラヒドロフランとを含む混合溶媒、又はテトラヒドロフランとトルエンとを含む混合溶媒が挙げられる。
塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
塗布液は、各成分の分散性、又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
塗布液を塗布する方法としては、塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。
塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体1の製造方法は、必要に応じて中間層4を形成する工程を更に有してもよい。中間層4を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以上説明した本発明の電子写真感光体は、耐かぶり性に優れるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
積層型感光体を製造するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、バインダー樹脂、及び顔料を準備した。
(電荷発生剤)
第二実施形態で説明した電荷発生剤(CGM−2)を準備した。電荷発生剤(CGM−2)は、化学式(CGM−2)で表されるチタニルフタロシアニン顔料(Y型チタニルフタロシアニン顔料、Y型チタニルフタロシアニン結晶)であった。結晶構造はY型であった。
Y型チタニルフタロシアニン結晶は、CuKα特性X線回折スペクトルチャートにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=9.2°、14.5°、18.1°、24.1°、27.2°にピークを有しており、主ピークは27.2°であった。なお、CuKα特性X線回折スペクトルは、第二実施形態で説明した測定装置及び測定条件で測定された。
(正孔輸送剤)
第二実施形態で説明した正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−12)を準備した。
(バインダー樹脂)
第一実施形態で説明したポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)に加えて、バインダー樹脂(R−5)〜(R−6)を準備した。バインダー樹脂(R−5)〜(R−6)は、それぞれ化学式(R−5)〜(R−6)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂である。
Figure 0006642732
Figure 0006642732
(ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)の合成方法)
以下に、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)の合成方法を説明する。
[ポリアリレート樹脂(R−1)の作製]
三口フラスコを反応容器として用いた。この反応容器は、温度計、三方コック、及び滴下ロート200mLを備えた容量1Lの三口フラスコである。反応容器に1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン12.2g(41.3ミリモル)と、t−ブチルフェノール0.06g(0.41ミリモル)と、水酸化ナトリウム3.9g(98ミリモル)と、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.12g(0.38ミリモル)とを投入した。次いで、反応容器内をアルゴン置換した。その後、水600mLを更に反応容器に投入した。反応容器の内温20℃の条件下で、反応容器の内容物を1時間攪拌した。次いで、反応容器の内容物を冷却し、反応容器の内温を10℃まで降温した。このようにしてアルカリ性水溶液を調製した。
4,4’−オキシビス安息香酸クロリド9.56g(32.4ミリモル)をクロロホルム300gに溶解させて、クロロホルム溶液を別途調製した。
次いで、アルカリ水溶液の反応容器の内温を10℃に維持し、反応容器内の内容物を攪拌した状態とした。クロロホルム溶液をアルカリ水溶液へ投入し、重合反応を開始させた。重合反応は、反応容器の内容物を攪拌させて反応容器内の内温を13±3℃に維持しつつ、3時間進行させた。その後、デカントを用いて上層(水層)を除去し、有機層を得た。
反応容器として容量2Lの三角フラスコを用いた。反応容器にイオン交換水500mLを投入した後に有機層を投入した。更に、反応容器にクロロホルム300gと、酢酸6mLとを添加した。反応容器の内容物を室温(25℃)で30分間攪拌した。次いで、デカントで上層(水層)を除去し、有機層を得た。次いで、イオン交換水500mLを用いて有機層を分液ロートにて8回洗浄した。
水洗後の有機層を分液により取り出した。有機層をろ過し、ろ液を得た。容量3Lのビーカーに1.5Lのメタノールを投入した。メタノールを攪拌した状態で、有機層をゆっくりと滴下し、沈殿物を得た。沈殿物をろ過によりろ別した。得られた沈殿物を温度70℃で12時間真空乾燥させた。その結果、ポリアリレート樹脂(R−1)を得た。ポリアリレート樹脂(R−1)の収量は10.1gであり、収率は58.3モル%であった。
[ポリアリレート樹脂(R−2)〜(R−4)の作製]
4,4’−オキシビス安息香酸クロリドをポリアリレート樹脂(R−2)〜(R−4)の出発物質であるハロゲン化アルカノイルに変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)と同様にしてそれぞれポリアリレート樹脂(R−2)〜(R−4)を製造した。ハロゲン化アルカノイルの物質量は、ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)の合成におけるハロゲン化アルカノイルの物質量と同様であった。
(顔料)
顔料は、第二実施形態で説明したX型無金属フタロシアニン顔料と、Y型チタニルフタロシアニン顔料と、α型チタニルフタロシアニン顔料と、ε型銅フタロシアニン顔料とを準備した。
<感光体の製造>
[感光体(A−1)]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造について説明する。
(中間層の形成)
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(1質量部)とを、混合溶剤に添加した。アミランは、ポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド66,及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂であった。この混合溶剤は、メタノール(10質量部)と、ブタノール(1質量部)と、トルエン(1質量部)とを含む溶剤であった。ビーズミルを用いて、これらを5時間混合し混合溶剤中に材料(表面処理された酸化チタン、及びポリアミド樹脂)を分散させた。これにより、中間層用塗布液を調製した。
得られた中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、ディップコート法を用いて、中間層用塗布液を塗布し、塗布膜を形成した。続いて、塗布膜を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体(ドラム状支持体)上に中間層(膜厚1.5μm)を形成した。
(電荷発生層の形成)
Y型チタニルフタロシアニン顔料(1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、混合溶剤に添加した。この混合溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)と、テトラヒドロフラン(40質量部)とを含む溶剤であった。ビーズミルを用いて、これらを12時間混合し、混合溶剤中に材料(Y型チタニルフタロシアニン顔料、及びポリビニルアセタール樹脂)を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、得られたろ過液を、上述のようにして形成された中間層上にディップコート法を用いて塗布し塗布膜を形成した。次いで、50℃で5分間塗布膜を乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
(電荷輸送層の形成)
正孔輸送剤(HTM−1)50質量部と、添加剤としてのヒンダードフェノール酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2質量部と、電子アクセプター化合物としての3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン2質量部と、フタロシアニン顔料としてX型無金属フタロシアニン顔料0.04質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R−1)100質量部とを、混合溶剤に添加した。この混合溶剤は、テトラヒドロフラン550質量部と、トルエン150質量部とを含む溶剤であった。これらを12時間混合し、混合溶剤中に材料(正孔輸送剤(HTM−1)、ヒンダードフェノール酸化防止剤、電子アクセプター化合物、X型無金属フタロシアニン顔料、及びポリアリレート樹脂(R−1))を分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
電荷発生層用塗布液と同様の操作により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布し、塗布膜を形成した。その後、120℃で40分間塗布膜を乾燥させて、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成した。その結果、感光体(A−1)が得られた。感光体(A−1)は、導電性基体上に、中間層、電荷発生層、及び電荷輸送層が、この順で積層された構成を有していた。
[感光体(A−2)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−4)]
正孔輸送剤(HTM−1)の代わりに表1に記載の正孔輸送剤を用いた。バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(R−1)の代わりに表1に記載のバインダー樹脂を用いた。フタロシアニン系顔料としてX型無金属フタロシアニン顔料0.04質量部の代わりに表1に記載の顔料の種類及び含有量を用いた。そのようにして感光体(A−2)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−4)をそれぞれ得た。
表1は、感光体(A−1)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−4)の構成を示す。欄「バインダー樹脂の種類」のR−1〜R−6は、それぞれポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)及びバインダー樹脂(R−5)〜(R−6)を示す。欄「バインダー樹脂の分子量」は粘度平均分子量を示す。欄「フタロシアニン系顔料の種類」のx−H2Pc、Y−TiOPc、α−TiOPc、及びε−CuPcは、それぞれX型無金属フタロシアニン顔料、Y型チタニルフタロシアニン顔料、α型チタニルフタロシアニン顔料、及びε型銅フタロシアニン顔料を示す。欄「フタロシアニン系顔料の含有量」は、電荷輸送層におけるバインダー樹脂100質量部に対するフタロシアニン系顔料の含有量を示す。欄「正孔輸送剤」のHTM−1〜HTM−12は、それぞれ正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−12)を示す。
<感度特性の評価:露光後電位VLの測定>
(電位環境安定性)
感光体(A−1)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−4)の何れかに対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数31rpm及び帯電電位−600Vの条件で帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了後、80ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。露光量を0.05μJ/cm2から1.0μJ/cm2まで増加させて、複数の露光後電位を測定した。露光後電位の測定は、低温低湿環境(LL環境:温度10℃及び相対湿度15%RH)又は高温高湿環境(HH環境:温度30℃及び相対湿度85%RH)で行われた。最小二乗法を用いて複数の露光後電位を露光量に対して線形近似を行い、一次関数を得た。一次関数を用いて露光後電位が−300Vとなるときの露光量を算出した。得られた露光量をE1/2(単位:μJ/cm2)とした。詳しくは、LL環境で測定された露光後電位から求めたE1/2をE1/2(LL)とし、HH環境で測定された露光後電位から求めたE1/2をE1/2(HH)とした。得られたE1/2(LL)及びE1/2(HH)から数式(1)を用いて、ΔE1/2を算出した。
ΔE1/2=E1/2(LL)−E1/2(HH)・・・(1)
ΔE1/2の値が小さいほど、露光後電位の温湿度環境に対する安定性(電位環境安定性)が優れることを示す。表2に電位環境安定性の評価結果を示す。
(HH繰り返し特性)
感光体(A−1)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−4)の何れかに対して、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数31rpm及び帯電電位−600Vの条件で帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:0.8μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。露光光を照射した後から80ミリ秒後に感光体の表面電位を測定した。得られた表面電位を初期の露光後電位(VL0)とした。次いで、単色光(波長:660nm、露光量:5μJ/cm2)を感光体の表面に照射して除電した。このような帯電−露光−除電を繰り返し、感光体を1万回転させた。次いで、同条件で帯電及び露光し、露光光を照射した後から80ミリ秒後の露光後電位を測定した。得られた表面電位を1万回転後の露光後電位(VL10,000)とした。露光後電位の測定は、HH環境(温度30℃及び相対湿度85%RH)で実行された。VL0及びVL10,000から数式(2)を用いて、ΔVLを算出した。
ΔVL=|VL0−VL10,000|・・・(2)
ΔVLの値が小さいほど、HH環境における露光後電位の繰返し安定性(HH繰り返特性)が優れることを示す。表2にHH繰返し特性の評価結果を示す。
<感光体の耐摩耗性の評価:摩耗減量の測定>
感光体(A−1)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−4)の何れかの製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布し、塗布膜を形成した。120℃で40分塗布膜を乾燥させた。その結果、膜厚30μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用のシートを作製した。
このポリプロピレンシートから電荷輸送層を剥離し、ウィールS−36(テーバー社製)に貼り付け、サンプルを作製した。作製したサンプルをロータリーアブレージョンテスター(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、摩耗輪CS−10(テーバー社製)を用い、荷重500gfかつ回転速度60rpmの条件で1,000回転させ、摩耗評価試験を実施した。摩耗評価試験前後のサンプルの質量変化である摩耗減量(mg/1000回転)を測定した。得られた摩耗減量に基づいて、感光体の耐摩耗性を評価した。表2に耐摩耗性の評価結果を示す。
Figure 0006642732
Figure 0006642732
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−21)では、感光層は、積層型感光層であった。感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備えていた。電荷輸送層は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)の何れかと、フタロシアニン系顔料とを含有していた。電荷輸送層におけるフタロシアニン系顔料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1.00質量部以下であった。ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−4)は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂であった。表2に示すように、感光体(A−1)〜(A−21)では、摩耗減量は2.8mg以上3.7mg以下であった。
表1に示すように、感光体(B−1)では、電荷輸送層は、フタロシアニン系顔料を含有していなかった。感光体(B−2)及び(B−3)では、電荷輸送層は、それぞれバインダー樹脂(R−5)及び(R−6)を含有していた。バインダー樹脂(R−5)及び(R−6)は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂ではなかった。感光体(B−4)では、電荷輸送層におけるフタロシアニン系顔料の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して2.00質量であった。表2に示すように、感光体(B−1)〜(B−4)では、摩耗減量は4.0mg以上11.4mg以下であった。
表1及び表2から明らかなように、感光体(A−1)〜(A−21)は、感光体(B−1)〜(B−4)に比べ、耐摩耗性に優れていた。
表1に示すように、感光体(A−4)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(R−4)を含んでいた。表2に示すように、感光体(A−4)では、摩耗減量は2.8mgであった。
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−3)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−3)の何れか1種を含んでいた。表2に示すように、感光体(A−1)〜(A−3)では、摩耗減量は3.5mg以上3.7mg以下であった。
表1及び表2から明らかなように、感光体(A−4)は、感光体(A−1)〜(A−3)に比べ、耐摩耗性に優れていた。
本発明に係る電子写真感光体は、複合機のような画像形成装置に利用できる。

Claims (7)

  1. 導電性基体と、感光層とを備える電子写真感光体であって、
    前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備え、
    前記電荷発生層は、電荷発生剤を含み、
    前記電荷輸送層は、正孔輸送剤と、バインダー樹脂と、フタロシアニン系顔料とを含み、
    前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂を含み、
    前記ポリアリレート樹脂は、化学式(R−3)で表され、
    前記フタロシアニン系顔料の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部に対して0.01質量部以上1.00質量部以下である、電子写真感光体。
    Figure 0006642732
  2. 前記フタロシアニン系顔料は、X型無金属フタロシアニン顔料、Y型チタニルフタロシアニン顔料、α型チタニルフタロシアニン顔料、又はε型銅フタロシアニン顔料である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記正孔輸送剤が、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、又は一般式(6)で表される化合物を含む、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006642732
    前記一般式(2)中、
    1は、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、前記フェニル基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を有してもよく、
    2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
    3、Q4、Q5、Q6、及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよく、
    aは、0以上5以下の整数を表し、aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
    Figure 0006642732
    前記一般式(3)中、
    8、Q10、Q11、Q12、Q13、及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
    9及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
    bは、0以上5以下の整数を表し、bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    cは、0以上4以下の整数を表し、cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    kは、0又は1を表す。
    Figure 0006642732
    前記一般式(4)中、
    a、Rb及びRcは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
    qは、0以上4以下の整数を表し、qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニレン基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよく、
    m及びnは、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、nが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよい。
    Figure 0006642732
    前記一般式(5)中、
    1、R2、及びR3は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、ハロゲン原子、又は水素原子を表し、
    2とR3とは、互いに結合してもよく、
    dは、1又は2を表す。
    Figure 0006642732
    前記一般式(6)中、
    111及びR112は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基、又はハロゲン原子を表し、
    1及びd2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、
    3は、1又は2を表す。
  4. 前記一般式(2)中、
    1は、フェニル基又は水素原子を表し、前記フェニル基は炭素原子数1以上8以下のアルキル基を有し、
    2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
    3、Q4、Q5、Q6及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7のうち隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよく、
    aは、0又は1を表し、
    前記一般式(3)中、
    8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、
    b及びcは、0を表し、
    前記一般式(4)中、
    a及びRbは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
    m及びnは、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、
    qは0を表し、
    前記一般式(5)中、
    1、R2、及びR3は、各々、炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、
    2とR3とは、互いに結合してもよく、
    前記一般式(6)中、
    111及びR112は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
    1及びd2は、各々独立に、0又は1を表し、
    3は、1を表す、請求項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記正孔輸送剤は、化学式(HTM−1)、化学式(HTM−2)、化学式(HTM−3)、化学式(HTM−4)、化学式(HTM−5)、化学式(HTM−6)、化学式(HTM−7)、化学式(HTM−8)、化学式(HTM−9)、化学式(HTM−10)、化学式(HTM−11)、又は化学式(HTM−12)で表される、請求項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006642732
    Figure 0006642732
    Figure 0006642732
    Figure 0006642732
  6. 前記電荷発生剤は、Y型チタニルフタロシアニン顔料である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  7. 前記正孔輸送剤は、前記一般式(3)又は(4)で表される化合物である、請求項1に記載の電子写真感光体。
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