JP6583230B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体又は積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と電荷輸送の機能とを有する単層の感光層を備える。積層型電子写真感光体は、感光層として、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1には、下記一般式で表されるポリアリレート樹脂の少なくとも1種を結合剤樹脂として含む電子写真感光体が記載されている。
Figure 0006583230
特開昭56−135844号公報
しかし、特許文献1に記載の一般式で表されるポリアリレート樹脂は、感光層形成用の溶剤に対する溶解性が低いため、感光層用塗布液を調製することが難しい。また、特許文献1に記載の電子写真感光体では、耐摩耗性が不十分である。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、耐摩耗性に優れ、感光層に固形状異物が発生することを抑制できる電子写真感光体を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを含む。前記電荷発生層は、電荷発生剤を含む。前記電荷輸送層は、フィラー粒子とバインダー樹脂とを少なくとも含む。前記バインダー樹脂は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂を含む。前記フィラー粒子の含有量は、100.0質量部の前記バインダー樹脂に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下である。
Figure 0006583230
前記一般式(1)中、Xは、化学式(XA)、(XB)又は(XC)で表される二価の基を表す。Yは、化学式(YA)、(YB)、(YC)又は(YD)で表される二価の基を表し、XとYとは互いに異なっている。kr及びktは、各々独立に、2又は3を表す。r及びsは、各々独立に、数式(2)及び(3)を満たす正の数を表す。t及びuは、各々独立に、前記数式(2)及び(3)を満たす0以上の数を表す。
r+s+t+u=100・・・(2)
r+t=s+u ・・・(3)
Figure 0006583230
Figure 0006583230
本発明の電子写真感光体は耐摩耗性に優れ、感光層に固形状異物が発生することを抑制できる。
(a)、(b)及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す部分断面図である。 化学式(R−1)で表されるポリアリレート樹脂の1H−NMRスペクトルである。 化学式(R−2)で表されるポリアリレート樹脂の1H−NMRスペクトルである。 化学式(R−3)で表されるポリアリレート樹脂の1H−NMRスペクトルである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨は限定されない。なお、本明細書において、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、化学式及び一般式中の「OEt」はエトキシ基を表す。
以下、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基及びハロゲン原子は、何ら規定していなければ、各々次の意味である。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基及び炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、各々、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基が挙げられる。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上6以下である基である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上4以下である基である。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基及び炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基又はオクチルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基の例は、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例として述べた基のうち、炭素原子数が1以上4以下である基である。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとしては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン又はシクロへプタンが挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基に酸素原子が結合した基である。炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、又はフェナントリルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、非置換である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基は、炭素原子数6以上14以下のアリール基と、炭素原子数1以上6以下のアルキル基とが結合した基である。炭素原子数7以上20以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基(ベンジル基)、2−フェニルエチル基(フェネチル基)、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基又は4−フェニルブチル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
<電子写真感光体>
本実施形態は、電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)に関する。本実施形態の感光体は耐摩耗性に優れ、感光層に固形状異物(例えば、フィラーの凝集体)が発生することを抑制できる。その理由は、以下のように推測される。
本実施形態の感光体の感光層は、バインダー樹脂として、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(1)と記載することがある)を含む。ポリアリレート樹脂(1)は、高い硬度を有する傾向がある。高い硬度を有するポリアリレート樹脂(1)及びフィラー粒子の両方が感光層に含まれることで、画像形成装置が備える部材に感光層が接触して感光層が摩耗することを抑制でき、更に摩耗した感光層からフィラー粒子が脱離することを抑制できる。その結果、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。
また、本実施形態の感光体の感光層は、フィラー粒子を含む。フィラー粒子は、感光層の表面に凹凸を形成する。感光層の表面に凹凸が形成されることで、画像形成装置が備える部材(例えば、クリーニングブレード又は帯電ローラー)と、感光体の感光層との接触面積が小さくなる。これにより、画像形成装置の部材によって感光層が削られることを抑制でき、感光体の耐摩耗を向上させることができる。
更に、フィラー粒子の含有量は、100質量部のバインダー樹脂に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下である。フィラー粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して0.5質量部以上であることで、感光体の耐摩耗性が向上する。フィラー粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して20.0質量部以下であることで、感光層におけるフィラー粒子の凝集を抑制でき、感光層に固形状異物が発生することを抑制できる。以下、感光層における固形状異物の発生が抑制されていることを、感光体の表面外観に優れると記載することがある。なお、感光層に固形状異物が発生すると、形成画像に画像不良(例えば、白点)が発生し易くなる。
次に、図1を参照して、本実施形態に係る感光体1の構造について説明する。図1は、本実施形態に係る感光体1の構造を示す部分断面図である。
図1(a)に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとを含む。感光体1は、積層型電子写真感光体である。感光体1の一例においては、導電性基体2の上に電荷発生層3aが備えられ、電荷発生層3aの上に電荷輸送層3bが備えられる。感光層3は導電性基体2の上に直接備えられてもよい。電荷発生層3aは、導電性基体2の上に直接備えられてもよい。
図1(b)に示すように、感光体1の別の例においては、例えば、導電性基体2の上に電荷輸送層3bが備えられ、電荷輸送層3bの上に電荷発生層3aが備えられる。電荷輸送層3bは、導電性基体2の上に直接備えられてもよい。
図1(c)に示すように、感光体1は、例えば、導電性基体2と、中間層4(下引層)と、感光層3とを備えていてもよい。感光層3は、導電性基体2の上に中間層4を介して備えられてもよい。中間層4は、導電性基体2と電荷発生層3aとの間に備えられてもよい。中間層4は、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとの間に備えられてもよい。
電荷発生層3aの厚さは、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層3bの厚さは、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。以上、図1を参照して、感光体1の構造について説明した。以下、感光体について、更に詳細に説明する。
<導電性基体>
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体の少なくとも表面部が、導電性を有する材料であればよい。導電性基体の一例は、導電性を有する材料で構成された導電性基体である。導電性基体の別の例は、導電性を有する材料で被覆された導電性基体である。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム又はインジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼又は真鍮等)が挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。
<感光層>
感光層は電荷発生層と電荷輸送層とを含む。電荷発生層は、電荷発生剤を含む。電荷発生層は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)を含有してもよい。電荷輸送層は、フィラー粒子とバインダー樹脂とを少なくとも含む。電荷輸送層は、正孔輸送剤を更に含んでいてもよい。電荷発生層及び電荷輸送層は、必要に応じて、添加剤を含有してもよい。
(電荷発生剤)
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フタロシアニン顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン又は金属フタロシアニンが挙げられる。無金属フタロシアニンは、化学式(CGM−1)で表される。金属フタロシアニンの例は、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン又はクロロガリウムフタロシアニンである。チタニルフタロシアニンは、化学式(CGM−2)で表される。フタロシアニン顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、Y型、V型又はII型)については特に限定されない。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、無金属フタロシアニンのX型結晶(以下、X型無金属フタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型、β型又はY型結晶(以下、それぞれを、α型、β型又はY型チタニルフタロシアニンと記載することがある)が挙げられる。
例えば、デジタル光学式の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用した、レーザービームプリンター又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。このような画像形成装置に備えられる感光体の電荷発生層には、電荷発生剤として、フタロシアニン顔料が含有されることが好ましく、無金属フタロシアニン又はチタニルフタロシアニンが含有されることがより好ましく、X型無金属フタロシアニン又はY型チタニルフタロシアニンが含有されることが更に好ましく、Y型チタニルフタロシアニンが含有されることが一層好ましく、Y型チタニルフタロシアニンのみが含有されることが特に好ましい。
Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有する。CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークとは、ブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。Y型チタニルフタロシアニンは、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、26.2℃にピークを有しないことが好ましい。
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。得られたX線回折スペクトルから主ピークを決定し、主ピークのブラッグ角を読み取る。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体の電荷発生層には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料が含有されることが好ましい。
電荷発生剤の含有量は、電荷発生層に含有されるベース樹脂1質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上4.5質量部以下であることが特に好ましい。また、電荷発生剤の含有量は、電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上4.5質量部以下であることが特に好ましい。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(1)と記載することがある)を含む。電荷輸送層がバインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(1)とフィラー粒子とを含むことで、既に述べたように感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させることができる。ポリアリレート樹脂(1)の1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Figure 0006583230
一般式(1)中、Xは、下記化学式(XA)、(XB)又は(XC)で表される二価の基を表す。Yは、化学式(YA)、(YB)、(YC)又は(YD)で表される二価の基を表し、XとYとは互いに異なっている。kr及びktは、各々独立に、2又は3を表す。r及びsは、各々独立に、下記数式(2)及び(3)を満たす正の数を表す。t及びuは、各々独立に、下記数式(2)及び(3)を満たす0以上の数を表す。
r+s+t+u=100・・・(2)
r+t=s+u ・・・(3)
Figure 0006583230
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1)は、一般式(1−10)で表される繰返し単位と、一般式(1−11)で表される繰返し単位と、一般式(1−12)で表される繰返し単位と、一般式(1−13)で表される繰返し単位とを有する。以下、一般式(1−10)、(1−11)、(1−12)及び(1−13)で表される繰返し単位を、各々、繰返し単位(1−10)、(1−11)、(1−12)及び(1−13)と記載することがある。
Figure 0006583230
一般式(1−10)中のkr、一般式(1−11)中のX、一般式(1−12)中のkt、及び一般式(1−13)中のYは、各々、一般式(1)中のkr、X、kt及びYと同義である。
一般式(1)中のrは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる繰り返し単位(1−10)の数n1-10と繰り返し単位(1−11)の数n1-11と繰り返し単位(1−12)の数n1-12と繰り返し単位(1−13)の数n1-13との和に対する、繰り返し単位(1−10)の数n1-10の百分率を表す。rは、数式「r=100×n1-10/(n1-10+n1-11+n1-12+n1-13)」から求められる。一般式(1)中のsは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる繰り返し単位(1−10)の数n1-10と繰り返し単位(1−11)の数n1-11と繰り返し単位(1−12)の数n1-12と繰り返し単位(1−13)の数n1-13との和に対する、繰り返し単位(1−11)の数n1-11の百分率を表す。sは、数式「s=100×n1-11/(n1-10+n1-11+n1-12+n1-13)」から求められる。一般式(1)中のtは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる繰り返し単位(1−10)の数n1-10と繰り返し単位(1−11)の数n1-11と繰り返し単位(1−12)の数n1-12と繰り返し単位(1−13)の数n1-13との和に対する、繰り返し単位(1−12)の数n1-12の百分率を表す。tは、数式「t=100×n1-12/(n1-10+n1-11+n1-12+n1-13)」から求められる。一般式(1)中のuは、ポリアリレート樹脂(1)に含まれる繰り返し単位(1−10)の数n1-10と繰り返し単位(1−11)の数n1-11と繰り返し単位(1−12)の数n1-12と繰り返し単位(1−13)の数n1-13との和に対する、繰り返し単位(1−13)の数n1-13の百分率を表す。uは、数式「u=100×n1-13/(n1-10+n1-11+n1-12+n1-13)」から求められる。
一般式(1)中のr、s、t及びuの各々は、1本の分子鎖から得られる値ではなく、電荷輸送層に含有されるポリアリレート樹脂(1)の全体(複数の分子鎖)から得られる値の平均値である。r、s、t及びuの各々は、例えば、次の方法で測定される。プロトン核磁気共鳴分光計を用いて、ポリアリレート樹脂(1)の1H−NMRスペクトルを測定する。溶媒としてCDCl3を、内部標準試料としてテトラメチルシラン(TMS)を用いる。得られたポリアリレート樹脂(1)の1H−NMRスペクトルにおける、繰り返し単位(1−10)に特徴的なピークと、繰り返し単位(1−11)に特徴的なピークと、繰り返し単位(1−12)に特徴的なピークと、繰り返し単位(1−13)に特徴的なピークとの比率から、r、s、t及びuの各々を算出する。
ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1−10)、(1−11)、(1−12)及び(1−13)の配列は、芳香族ジオール由来の繰返し単位と芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位とが互いに隣接する限り、特に限定されない。芳香族ジオール由来の繰返し単位は、繰り返し単位(1−10)及び(1−12)である。芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位は、繰り返し単位(1−11)及び(1−13)である。例えば、繰返し単位(1−10)は、繰返し単位(1−11)又は繰返し単位(1−13)と隣接して互いに結合している。また、繰返し単位(1−12)は、繰返し単位(1−11)又は繰返し単位(1−13)と隣接して互いに結合している。ポリアリレート樹脂(1)は、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体又はブロック共重合体であってもよい。
ポリアリレート樹脂(1)は、繰返し単位(1−10)、(1−11)、(1−12)及び(1−13)以外の繰返し単位を更に有していてもよい。ポリアリレート樹脂(1)に含まれる繰返し単位の総数に対する、繰返し単位(1−10)、(1−11)、(1−12)及び(1−13)の合計数の比率は、0.80以上であることが好ましく、0.90以上であることがより好ましく、1.00であることが更に好ましい。t及びuが0である場合、ポリアリレート樹脂(1)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(1−10)及び(1−11)のみを有していてもよい。また、t及びuが0でない場合、ポリアリレート樹脂(1)は、繰り返し単位として、繰り返し単位(1−10)、(1−11)、(1−12)及び(1−13)のみを有していてもよい。
一般式(1)中のYは、化学式(YA)又は(YD)で表される二価の基を表すことが好ましく、化学式(YA)で表される二価の基を表すことがより好ましい。一般式(1)中のkr及びktは、各々、3を表すことが好ましい。
感光体の耐摩耗性を向上させるためには、一般式(1)中のt及びuが各々0ではないことが好ましい。以下、一般式(1)中のt及びuが0でない場合について説明する。t及びuが0でないとき、ポリアリレート樹脂(1)は、繰り返し単位(1−10)、(1−11)、(1−12)及び(1−13)を含む。t及びuが0でないとき、ポリアリレート樹脂(1)は、下記一般式(1A)で表されるポリアリレート樹脂であることが好ましく、下記一般式(1B)で表されるポリアリレート樹脂であることがより好ましい。以下、一般式(1A)及び(1B)で表されるポリアリレート樹脂を、各々、ポリアリレート樹脂(1A)及び(1B)と記載することがある。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
一般式(1A)中のX、Y、kr及びktは、各々、一般式(1)中のX、Y、kr及びktと同義である。一般式(1B)中のX及びYは、各々、一般式(1)中のX及びYと同義である。一般式(1A)及び(1B)中、r11、s11、t11及びu11は、各々独立に、下記数式(2’)、(3’)及び(4)を満たす正の数を表す。
11+s11+t11+u11=100 ・・・(2’)
11+t11=s11+u11 ・・・(3’)
0.30≦s11/(s11+u11)≦0.70 ・・・(4)
一般式(1A)及び(1B)中、r11、s11、t11及びu11は、各々独立に、下記数式(2’)、(3’)及び(4)に加えて、下記数式(5)を満たす正の数を表してもよい。
0.30≦r11/(r11+t11)≦0.70 ・・・(5)
数式(4)で示される「s11/(s11+u11)」は、0.40以上0.60以下であることが好ましく、0.50であることがより好ましい。数式(5)で示される「r11/(r11+t11)」は、0.40以上0.60以下であることが好ましく、0.50であることがより好ましい。
ポリアリレート樹脂(1B)は、化学式(1B−10)で表される繰り返し単位、一般式(1B−11)で表される繰り返し単位及び一般式(1B−13)で表される繰り返し単位を含む。一般式(1B−11)中のX及び一般式(1B−13)中のYは、各々、一般式(1)中のX及びYと同義である。以下、化学式(1B−10)で表される繰り返し単位、一般式(1B−11)で表される繰り返し単位及び一般式(1B−13)を、各々、繰り返し単位(1B−10)、(1B−11)及び(1B−13)と記載することがある。
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1B)において、繰り返し単位(1B−10)の数n1B-10と繰り返し単位(1B−11)の数n1B-11と繰り返し単位(1B−13)の数n1B-13との和に対する、繰り返し単位(1B−10)の数n1B-10の百分率「100×n1B-10/(n1B-10+n1B-11+n1B-13)」は、50である。繰り返し単位(1B−10)の数n1B-10と繰り返し単位(1B−11)の数1B-11と繰り返し単位(1B−13)の数n1B-13との和に対する、繰り返し単位(1B−11)の数1B-11と繰り返し単位(1B−13)の数n1B-13との和の百分率「100×(n1B-11+n1B-13)/(n1B-10+n1B-11+n1B-13)」は、50である。繰り返し単位(1B−11)の数1B-11と繰り返し単位(1B−13)の数n1B-13との和に対する、繰り返し単位(1B−11)の数1B-11の比率「n1B-11/(n1B-11+n1B-13)」は、0.30以上0.70以下であることが好ましく、0.40以上0.60以下であることがより好ましく、0.50であることが特に好ましい。
感光体の耐摩耗性を向上させるためには、一般式(1)中、t及びuが各々0ではなく、Yが化学式(YA)、(YB)又は(YC)で表される二価の基を表し、XとYとが互いに異なっていることが好ましい。このようなポリアリレート樹脂のより好適な例は、後述する一般式(1−1)で表されるポリアリレート樹脂である。
一般式(1)中のt及びuが0でないとき、感光体の耐摩耗性を向上させるためには、ポリアリレート樹脂(1)は、一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)又は(1−4)で表されるポリアリレート樹脂であることが好ましい。一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)中のr11、s11、t11及びu11は、一般式(1A)及び(1B)中のr11、s11、t11及びu11と同義である。以下、一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)で表されるポリアリレート樹脂を、各々、ポリアリレート樹脂(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)と記載することがある。ポリアリレート樹脂(1)のより好適な例は、ポリアリレート樹脂(1−1)である。
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1−1)は、化学式(1−1−10)で表される繰り返し単位、一般式(1−1−11)で表される繰り返し単位及び一般式(1−1−13)で表される繰り返し単位を含む。ポリアリレート樹脂(1−1)における化学式(1−1−10)で表される繰り返し単位の数n1-1-10、一般式(1−1−11)で表される繰り返し単位の数n1-1-11及び一般式(1−1−13)で表される繰り返し単位の数n1-1-13の関係は、ポリアリレート樹脂(1B)における繰り返し単位(1B−10)の数1B-10、繰り返し単位(1B−11)の数1B-11及び繰り返し単位(1B−13)の数1B-13の関係と同じである。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1−2)は、化学式(1−2−10)で表される繰り返し単位、一般式(1−2−11)で表される繰り返し単位及び一般式(1−2−13)で表される繰り返し単位を含む。ポリアリレート樹脂(1−2)における化学式(1−2−10)で表される繰り返し単位の数n1-2-10、一般式(1−2−11)で表される繰り返し単位の数n1-2-11及び一般式(1−2−13)で表される繰り返し単位の数n1-2-13の関係は、ポリアリレート樹脂(1B)における繰り返し単位(1B−10)の数1B-10、繰り返し単位(1B−11)の数1B-11及び繰り返し単位(1B−13)の数1B-13の関係と同じである。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1−3)は、化学式(1−3−10)で表される繰り返し単位、一般式(1−3−11)で表される繰り返し単位及び一般式(1−3−13)で表される繰り返し単位を含む。ポリアリレート樹脂(1−3)における化学式(1−3−10)で表される繰り返し単位の数n1-3-10、一般式(1−3−11)で表される繰り返し単位の数n1-3-11及び一般式(1−3−13)で表される繰り返し単位の数n1-3-13の関係は、ポリアリレート樹脂(1B)における繰り返し単位(1B−10)の数1B-10、繰り返し単位(1B−11)の数1B-11及び繰り返し単位(1B−13)の数1B-13の関係と同じである。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1−4)は、化学式(1−4−10)で表される繰り返し単位、一般式(1−4−11)で表される繰り返し単位及び一般式(1−4−13)で表される繰り返し単位を含む。ポリアリレート樹脂(1−4)における化学式(1−4−10)で表される繰り返し単位の数n1-4-10、一般式(1−4−11)で表される繰り返し単位の数n1-4-11及び一般式(1−4−13)で表される繰り返し単位の数n1-4-13の関係は、ポリアリレート樹脂(1B)における繰り返し単位(1B−10)の数1B-10、繰り返し単位(1B−11)の数1B-11及び繰り返し単位(1B−13)の数1B-13の関係と同じである。
Figure 0006583230
以下、一般式(1)中のt及びuが0である場合について説明する。t及びuが0であるとき、一般式(1)中のr及びsは各々50を表す。t及びuが0であるときのポリアリレート樹脂(1)は、下記一般式(1C)で表されるポリアリレート樹脂であることが好ましく、下記一般式(1D)で表されるポリアリレート樹脂であることがより好ましい。以下、一般式(1C)及び(1D)で表されるポリアリレート樹脂を、各々、ポリアリレート樹脂(1C)及び(1D)と記載することがある。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
一般式(1C)中のX及びkrは、各々、一般式(1)中のX及びkrと同義である。一般式(1D)中のXは、各々、一般式(1)中のXと同義である。
ポリアリレート樹脂(1D)は、化学式(1D−10)で表される繰り返し単位及び一般式(1D−11)で表される繰り返し単位を含む。一般式(1D−11)中のXは、各々、一般式(1)中のXと同義である。以下、化学式(1D−10)で表される繰り返し単位及び一般式(1D−11)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(1D−10)及び(1D−11)と記載することがある。
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1D)において、繰り返し単位(1D−10)の数n1D-10と繰り返し単位(1D−11)の数n1D-11との和に対する、繰り返し単位(1D−10)の数n1D-10の百分率「100×n1D-10/(n1D-10+n1D-11)」は、50である。繰り返し単位(1D−10)の数n1D-10と繰り返し単位(1D−11)の数n1D-11との和に対する、繰り返し単位(1D−11)の数n1D-11の百分率「100×n1D-11/(n1D-10+n1D-11)」は、50である。
一般式(1)中のt及びuが0であるとき、感光体の耐フィルミング性を向上させるためには、ポリアリレート樹脂(1)は、化学式(1−5)で表されるポリアリレート樹脂であることが好ましい。
Figure 0006583230
ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量は、35000以上であることが好ましく、40000以上であることがより好ましく、45000以上であることが更に好ましい。ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が35000以上である場合、電荷輸送層が摩耗しにくくなる。一方、ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量は、75000以下であることが好ましく、60000以下であることがより好ましく、55000以下であることが更に好ましい。ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が75000以下である場合、電荷輸送層形成用の溶剤にポリアリレート樹脂(1)が溶解し易くなり、電荷輸送層の形成が容易になる。
ポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、特に限定されない。一般式(1)中のt及びuが0であるときのポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、例えば、一般式(BP−A)で表される第一芳香族ジオールと、一般式(DC−A)で表される第一芳香族ジカルボン酸とを縮重合させて、ポリアリレート樹脂(1)を得る。一般式(1)中のt及びuが0でないときのポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、例えば、一般式(BP−A)で表される第一芳香族ジオールと、一般式(BP−B)で表される第二芳香族ジオールと、一般式(DC−A)で表される第一芳香族ジカルボン酸と、一般式(DC−B)で表される第二芳香族ジカルボン酸とを縮重合させて、ポリアリレート樹脂(1)を得る。一般式(BP−A)中のkr、一般式(BP−B)中のkt、一般式(DC−A)中のX、及び一般式(DC−B)中のYは、各々、一般式(1)中のkr、kt、X及びYと同義である。
Figure 0006583230
芳香族ジオールである化合物(BP−A)及び(BP−B)の各々は、誘導体化して使用されてもよい。芳香族ジオールの誘導体の例は、芳香族ジアセテートである。芳香族ジカルボン酸である化合物(DC−A)及び(DC−B)の各々は、誘導体化して使用されてもよい。芳香族ジカルボン酸の誘導体の例は、芳香族ジカルボン酸ジクロリド、芳香族ジカルボン酸ジメチルエステル、芳香族ジカルボン酸ジエチルエステル又は芳香族ジカルボン酸無水物である。芳香族ジカルボン酸ジクロリドは、芳香族ジカルボン酸の2個の「−C(=O)−OH」基が各々「−C(=O)−Cl」基で置換された化合物である。
芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸とを縮重合させる方法は、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合、溶融重合又は界面重合等)を採用することができる。重縮合反応は、アルカリ及び触媒の存在下で進行させてもよい。触媒としては、例えば、第三級アンモニウム(より具体的には、トリアルキルアミン等)又は第四級アンモニウム塩(より具体的には、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド等)が挙げられる。アルカリとしては、例えば、アルカリ金属の水酸化物(より具体的には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等)又はアルカリ土類金属の水酸化物(より具体的には、水酸化カルシウム等)が挙げられる。重縮合反応は、溶媒中及び不活性ガス雰囲気下で進行させてもよい。溶媒としては、例えば、水又はクロロホルムが挙げられる。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンが挙げられる。重縮合反応の反応時間は、2時間以上5時間以下であることが好ましい。重縮合反応の反応温度は、5℃以上25℃以下であることが好ましい。必要に応じて、重縮合反応後にポリアリレート樹脂(1)は精製されてもよい。精製方法としては、例えば、公知の方法(より具体的には、ろ過、クロマトグラフィー又は晶折等)が挙げられる。
化合物(DC−A)の好適な例は、化学式(DC−2)〜(DC−4)で表される化合物である。化合物(DC−B)の好適な例は、化学式(DC−1)〜(DC−4)で表される化合物である。以下、化学式(DC−1)〜(DC−4)で表される化合物を、各々、化合物(DC−1)〜(DC−4)と記載することがある。なお、化合物(DC−B)としては、化合物(DC−A)と異なる化合物が選択される。
Figure 0006583230
化合物(DC−4)の好適な例は、化学式(DC−5)で表される化合物(以下、化合物(DC−5)と記載することがある)である。
Figure 0006583230
化合物(BP−A)及び(BP−B)の各々の好適な例は、化学式(BP−1)又は(BP−2)で表される化合物である。以下、化学式(BP−1)及び(BP−2)で表される化合物を、各々、化合物(BP−1)及び(BP−2)と記載することがある。なお、化合物(BP−B)としては、化合物(BP−A)と異なる化合物が選択されてもよいし、化合物(BP−A)と同じ化合物が選択されてもよい。
Figure 0006583230
(フィラー粒子)
電荷輸送層はフィラー粒子を含有する。電荷輸送層がフィラー粒子を含有することにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。フィラー粒子の含有量は、100.0質量部のバインダー樹脂に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下である。フィラー粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して0.5質量部未満であると、感光体の耐摩耗性が低下する。フィラー粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して20.0質量部超であると、感光層内のフィラー粒子が凝集し易くなり、感光層に多数の固形状異物が発生する。そのため、感光体の表面外観が劣る。
フィラー粒子の平均一次粒径は、5nm以上1000nm以下であることが好ましい。フィラー粒子の平均一次粒径が5nm以上1000nm以下であると、感光体の耐摩耗性を好適に向上させることができる。感光体の耐摩耗性を向上させるためには、フィラー粒子の平均一次粒径は、10nm以上150nm以下であることがより好ましい。感光体の耐摩耗性を向上させつつ、感光体の表面外観を向上させるためには、フィラー粒子の平均一次粒径は、50nm以上150nm以下であることが更に好ましい。
フィラー粒子の平均一次粒径は、例えば、以下の方法で測定される。測定試料として、複数のフィラー粒子(粉体)を使用する。測定試料の−196℃でのN2吸着等温線を測定する。得られたN2吸着等温線をBrunauer、Emmett及びTellerの方法、更にDe Boerによるt曲線法に従って評価する。これにより、測定試料の比表面積を算出する。得られた測定試料の比表面積から、数式「S=6/ρd」に従って、測定試料の粒径を算出する。数式中、Sは測定試料の比表面積を、ρは測定試料の密度を、dは測定試料の粒径を示す。算出された測定試料の粒径を、フィラー粒子の平均一次粒径とする。なお、フィラー粒子の平均一次粒径を測定する別の方法としては、次の方法も挙げられる。詳しくは、透過型電子顕微鏡を用いて相当数のフィラー粒子の画像を撮影して、画像中の各フィラー粒子の一次粒子径を測定する。測定された一次粒子径の和を測定されたフィラー粒子の個数で除することで、フィラー粒子の平均一次粒径を算出する。
フィラー粒子としては、例えば、非樹脂粒子又は樹脂粒子が挙げられる。非樹脂粒子としては、シリカ粒子又はアルミナ粒子が好ましく、シリカ粒子がより好ましい。樹脂粒子としては、シリコーン樹脂粒子が好ましい。フィラー粒子の1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フィラー粒子としては、シリカ粒子が特に好ましい。電荷輸送層がフィラー粒子としてシリカ粒子を含有することで、感光体の耐摩耗性を更に向上させることができる。また、電荷輸送層がフィラー粒子としてシリカ粒子を含有することで、感光層内のフィラー粒子が凝集し難くなり、感光層における固形状異物の発生を更に抑制することができる。更に、シリカ粒子には、表面処理が容易であり、製造コストに優れ、粒径の調製が容易であるという利点もある。
シリカ粒子の表面は、表面処理剤で処理されていることが好ましい。換言すると、シリカ粒子は、表面処理剤を含む表面層を有することが好ましい。シリカ粒子の表面が表面処理剤で処理されることにより、シリカ粒子の表面の水酸基の少なくとも一部がシリル化される。これにより、シリカ粒子の表面の水酸基が少なくなる傾向がある。その結果、水分(湿度)による感光体の電気特性の低下を抑制することができる。シリカ粒子の表面処理剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、N−メチル−ヘキサメチルジシラザン、N−エチル−ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチル−N−プロピルジシラザン、ジメチルジクロロシラン又はポリジメチルシロキサンが挙げられる。
シリカ粒子の表面は、ヘキサメチルジシラザンで処理されていることが好ましい。換言すると、シリカ粒子は、ヘキサメチルジシラザンを含む表面層を有することが好ましい。表面処理剤としてヘキサメチルジシラザンを用いることにより、以下の利点があると考えられる。第一の利点として、感光体の耐摩耗性を一層向上させることができる。第二の利点として、シリカ粒子の表面の水酸基とヘキサメチルジシラザンが有するトリメチルシリル基との反応性が良好であるため、シリカ粒子の表面の水酸基が少なくなる傾向がある。その結果、水分(湿度)による感光体の電気特性の低下を更に抑制することができる。
シリカ粒子の表面がヘキサメチルジシラザンで処理される場合、シリカ粒子の表面は、下記化学式(9)で表される基を有する。化学式(9)で表される基は、シリカ粒子の表面の水酸基と、ヘキサメチルジシラザンとが反応することにより形成される。なお、シリカ粒子の表面には、シリカ粒子の表面の水酸基と反応していないヘキサメチルジシラザンが存在していてもよい。
Figure 0006583230
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体又はジ(アミノフェニルエテニル)ベンゼン誘導体)、オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン)、カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール)、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン)、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物が挙げられる。正孔輸送剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を更に向上させるためには、正孔輸送剤としては、一般式(10)又は(11)で表される化合物が好ましく、一般式(11)で表される化合物がより好ましい。以下、一般式(10)及び(11)で表される化合物を、各々、化合物(10)及び(11)と記載することがある。
化合物(10)は、下記一般式(10)で表される。
Figure 0006583230
一般式(10)中、R101、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。R102及びR109は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。b1及びb2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
一般式(10)中、R101〜R109が表わす炭素原子数1以上8以下のアルキル基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基がより好ましく、メチル基又はn−ブチル基が更に好ましく、n−ブチル基が特に好ましい。
一般式(10)中、R101〜R109が表わす炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基としては、炭素原子数1以上4以下のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、エトキシ基が更に好ましい。
1が2以上5以下の整数を表す場合、複数のR102は、互いに同一でも異なっていてもよい。b2が2以上5以下の整数を表す場合、複数のR109は、互いに同一でも異なっていてもよい。b1及びb2は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましく、0を表すことがより好ましい。
一般式(10)中、R101及びR108は、水素原子を表すことが好ましい。R102及びR109は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表すことが好ましい。R103、R104、R105、R106及びR107は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すことが好ましい。b1及びb2は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
化合物(10)の好適な例としては、化学式(HT−1)で表される化合物(以下、化合物(HT−1)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006583230
化合物(11)は、下記一般式(11)で表される。
Figure 0006583230
一般式(11)中、R111及びR112は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基又はハロゲン原子を表す。d1及びd2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。d3は、1又は2を表す。
一般式(11)中、R111及びR112は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことがより好ましく、メチル基を表すことが更に好ましい。
1が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR111は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R111の結合位置は特に限定されない。R111は、フェニル基のオルト位、メタ位又はパラ位に結合してもよく、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。d2が2以上5以下の整数を表すとき、複数のR112は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R112の結合位置は特に限定されない。R112は、フェニル基のオルト位、メタ位又はパラ位に結合してもよく、フェニル基のパラ位に結合することが好ましい。一般式(11)中、d1及びd2は、各々独立に、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(11)中、d3は、1又は2を表す。d3が1を表すとき、一般式(11)は、一般式(11−1)に相当する。d3が2を表すとき、一般式(11)は、一般式(11−2)に相当する。一般式(11−1)及び(11−2)中のR111、R112、d1及びd2は、各々、一般式(11)中のR111、R112、d1及びd2と同義である。一般式(11−1)中のd3は、1を表すことが好ましい。
Figure 0006583230
化合物(11)の好適な例としては、化学式(HT−2)又は(HT−3)で表される化合物(以下、それぞれを、化合物(HT−2)及び(HT−3)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006583230
化合物(10)は、例えば、公知の方法を適宜適用することにより、製造することができる。化合物(11)は、例えば、以下の方法で製造することができる。化合物(11)は、例えば、反応式(r−1)、(r−2)及び(r−3)で表される反応(以下、反応(r−1)、(r−2)及び(r−3)と記載する)に従って、又はこれに準ずる方法に従って、製造される。
Figure 0006583230
反応(r−1)では、1モル当量の化学式(A1)で表される化合物(以下、化合物(A1)と記載する)と、1モル当量の亜リン酸トリエチルとを反応させて、1モル当量の化学式(B1)で表される化合物(以下、化合物(B1)と記載する)を得る。反応(r−1)では、1モルの化合物(A1)に対して、1モル以上2.5モル以下の亜リン酸トリエチルを添加することが好ましい。反応(r−1)の反応温度は160℃以上200℃以下であることが好ましい。反応(r−1)の反応時間は2時間以上10時間以下であることが好ましい。
反応(r−2)では、1モル当量の化学式(A2)で表される化合物(以下、化合物(A2)と記載する)と、1モル当量の亜リン酸トリエチルとを反応させて、1モル当量の化学式(B2)で表される化合物(以下、化合物(B2)と記載する)を得る。反応(r−2)は、化合物(A1)を化合物(A2)に変更した以外は、反応(r−1)と同じ方法で行うことができる。
Figure 0006583230
反応(r−3)では、1モル当量の化合物(C)と、1モル当量の化合物(B1)と、1モル当量の化合物(B2)とを反応させて、1モル当量の化合物(11)を得る。1モルの化合物(C)に対して、1モル以上5モル以下の化合物(B1)を添加することが好ましい。1モルの化合物(C)に対して、1モル以上5モル以下の化合物(B2)を添加することが好ましい。反応(r−3)の反応温度は0℃以上50℃以下であることが好ましい。反応(r−3)の反応時間は10分以上24時間以下であることが好ましい。反応(r−3)は不活性ガス(例えば、アルゴンガス)の雰囲気下で行われてもよい。
反応(r−3)は、塩基の存在下で行われてもよい。塩基としては、例えば、ナトリウムアルコキシド(具体的には、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシド)、金属水素化物(具体的には、水素化ナトリウム又は水素化カリウム)又は金属塩(具体的には、n−ブチルリチウム)が挙げられる。塩基としては、ナトリウムメトキシドが好ましい。これらの塩基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基の添加量は、1モルの化合物(C)に対して、1モル以上3モル以下であることが好ましい。
反応(r−3)は、溶媒中で行われてもよい。溶媒としては、例えば、エーテル類(具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はジオキサン)、ハロゲン化炭化水素(具体的には、塩化メチレン、クロロホルム又はジクロロエタン)又は芳香族炭化水素(具体的には、ベンゼン又はトルエン)が挙げられる。溶媒としては、テトラヒドロフランが好ましい。
反応(r−3)で得られた反応生成物を、必要に応じて精製することにより、目的化合物である化合物(11)を単離することができる。精製方法としては、公知の方法が適宜採用され、例えば晶析又はシリカゲルクロマトグラフィーが挙げられる。精製に使用する溶媒としては、例えば、クロロホルム、ヘキサン、又はクロロホルムとヘキサンとの混合溶媒が挙げられる。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、正孔輸送剤としては、化合物(HT−1)、(HT−2)又は(HT−3)が好ましく、化合物(HT−2)又は(HT−3)がより好ましい。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、ポリアリレート樹脂(1)と化合物(10)又は(11)とを電荷輸送層が含むことが好ましく、ポリアリレート樹脂(1)と化合物(11)とを電荷輸送層が含むことが更に好ましい。同じ理由から、ポリアリレート樹脂(1)と(HT−1)、(HT−2)又は(HT−3)とを電荷輸送層が含むことが好ましく、ポリアリレート樹脂(1)と化合物(HT−2)又は(HT−3)とを電荷輸送層が含むことが更に好ましい。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、ポリアリレート樹脂(1A)と化合物(10)又は(11)とを電荷輸送層が含むことが好ましく、ポリアリレート樹脂(1A)と化合物(11)とを電荷輸送層が含むことがより好ましい。同じ理由から、ポリアリレート樹脂(1A)と(HT−1)、(HT−2)又は(HT−3)とを電荷輸送層が含むことが好ましく、ポリアリレート樹脂(1A)と化合物(HT−2)又は(HT−3)とを電荷輸送層が含むことがより好ましい。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、ポリアリレート樹脂(1B)と化合物(10)又は(11)とを電荷輸送層が含むことが好ましく、ポリアリレート樹脂(1B)と化合物(11)とを電荷輸送層が含むことがより好ましい。同じ理由から、ポリアリレート樹脂(1B)と(HT−1)、(HT−2)又は(HT−3)とを電荷輸送層が含むことが好ましく、ポリアリレート樹脂(1B)と化合物(HT−2)又は(HT−3)とを電荷輸送層が含むことがより好ましい。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、以下に示すバインダー樹脂と正孔輸送剤とを電荷輸送層が含むことが好ましい。
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−2)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−3)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−4)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−5)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であるか;又は
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(11)である。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、以下に示すバインダー樹脂と正孔輸送剤とフィラー粒子とを電荷輸送層が含むことが好ましい。
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−2)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−3)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−4)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−5)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が5nm以上10nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が30nm以上50nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が50nm以上150nm以下であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が500nm以上1000nm以下であるシリコーン樹脂粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、ジメチルジクロロシランを含む表面層を有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(10)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、ポリジメチルシロキサンを含む表面層を有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(11)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;又は
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(11)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が50nm以上150nm以下であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子である。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、以下に示すバインダー樹脂と正孔輸送剤とを電荷輸送層が含むことがより好ましい。
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−2)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−3)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−4)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−5)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であるか;バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−2)であるか;又は
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−3)である。
感光体の耐摩耗性及び表面外観を向上させるためには、以下に示すバインダー樹脂と正孔輸送剤とフィラー粒子とを電荷輸送層が含むことが好ましい。
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−2)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−3)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−4)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−5)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が5nm以上10nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が30nm以上50nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が50nm以上150nm以下であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が500nm以上1000nm以下であるシリコーン樹脂粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、ジメチルジクロロシランを含む表面層を有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−1)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、ポリジメチルシロキサンを含む表面層を有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−2)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−2)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が50nm以上150nm以下であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子であるか;又は
バインダー樹脂がポリアリレート樹脂(1−1)であり、正孔輸送剤が化合物(HT−3)であり、フィラー粒子が、平均一次粒径が10nm以上30nm未満であり、化学式(9)で表される基を表面に有するシリカ粒子である。
化合物(10)又は(11)の含有量は、正孔輸送剤の質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。正孔輸送剤の質量に対する化合物(10)又は(11)の含有量100質量%であるとき、電荷輸送層は、正孔輸送剤として、化合物(10)又は(11)のみを含有する。
(ベース樹脂)
ベース樹脂は、感光体に適用できる限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電荷発生層に含有されるベース樹脂は、電荷輸送層に含有されるバインダー樹脂とは異なることが好ましい。積層型感光体の製造では、例えば、導電性基体上に電荷発生層が形成され、電荷発生層上に電荷輸送層が形成される。その際に、電荷発生層上に、電荷輸送層用塗布液が塗布される。そのため、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいからである。
(添加剤)
添加剤としては、例えば、電子アクセプター化合物、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤又は紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、ドナー、界面活性剤又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、チオエーテル化合物又はホスファイト化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物が好ましい。電子アクセプター化合物としては、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノンが好ましい。
<中間層>
中間層は、例えば、無機粒子及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄又は銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ又は酸化亜鉛等)の粒子又は非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、無機粒子は、表面処理を施してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる限り、特に限定されない。中間層は、添加剤を含有してもよい。中間層に含有される添加剤の例は、感光層に含有される添加剤の例と同じである。
<感光体の製造方法>
感光体の製造方法は感光層形成工程を含む。感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを含む。電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層用塗布液を調製する。電荷発生層用塗布液は、電荷発生層を形成するための塗布液である。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、溶剤と、必要に応じて添加される成分(例えば、ベース樹脂又は添加剤)を含む。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤及び必要に応じて添加される成分を溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。
電荷輸送層形成工程では、まず、電荷輸送層用塗布液を調製する。電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送層を形成するための塗布液である。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層の上に塗布する。次いで、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(1)と、フィラー粒子と、溶剤とを少なくとも含む。電荷輸送層用塗布液は、ポリアリレート樹脂(1)とフィラー粒子とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層用塗布液には、必要に応じて正孔輸送剤と添加剤とを加えてもよい。
電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液(以下、塗布液と記載することがある)に含有される溶剤は、塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素又はクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン又はシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン溶剤(ハロゲン化炭化水素以外の溶剤)を用いることが好ましい。
電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。電荷発生層上に電荷輸送層用塗布液を塗布する場合に、電荷発生層が電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが好ましいからである。
塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー又は超音波分散器を用いることができる。
各成分の分散性又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、塗布液は、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
塗布液を塗布する方法としては、塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法又はバーコート法が挙げられる。
塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
感光体の電荷発生層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤を準備した。また、感光体の電荷輸送層を形成するための材料として、以下の正孔輸送剤、フィラー粒子、及びバインダー樹脂を準備した。
(電荷発生剤)
電荷発生剤として、実施形態で述べた化学式(CGM−2)で表されるY型チタニルフタロシアニンを準備した。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤として、実施形態で述べた化合物(HT−1)、化合物(HT−2)及び化合物(HT−3)を準備した。
(フィラー粒子)
表1に示すフィラー粒子(F1)〜(F7)を準備した。表1中、HMDSはヘキサメチルジシラザンを示し、AEROSILは登録商標である。各フィラー粒子は、表1に示す材質の粒子が、表1に示す表面処理剤で表面処理されていた。また、フィラー粒子(F1)〜(F4)の各々は、表面に化学式(9)で表される基を有するシリカ粒子であった。
Figure 0006583230
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂として、化学式(R−1)〜(R−7)で表されるポリアリレート樹脂(以下、それぞれをポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−7)と記載することがある)の各々を作製した。なお、化学式(R−5)は、実施形態で述べた化学式(1−5)に相当する。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
[ポリアリレート樹脂(R−1)の作製]
三口フラスコを反応容器として用いた。この三口フラスコは、温度計、三方コック及び容量200mLの滴下ロートを備えていた。反応容器に1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン(実施形態で述べた化合物(BP−1))12.24g(41.28ミリモル)と、tert−ブチルフェノール0.062g(0.413ミリモル)と、水酸化ナトリウム3.92g(98ミリモル)と、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド0.120g(0.384ミリモル)とを投入した。次いで、反応容器内の空気をアルゴンガスで置換した。反応容器の内容物に水600mLを加えた。反応容器の内容物を20℃で1時間攪拌した。次いで、反応容器の内容物の温度が10℃になるまで反応容器の内容物を冷却して、アルカリ性水溶液Iを得た。
一方、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジクロリド(実施形態で述べた化合物(DC−3)のジクロリド)4.52g(16.2ミリモル)と、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジクロリド(実施形態で述べた化合物(DC−5)のジクロリド)4.10g(16.2ミリモル)とを、クロロホルム300gに溶解させて、クロロホルム溶液IIを得た。
次いで、アルカリ性水溶液Iを10℃で攪拌しながら、アルカリ性水溶液Iにクロロホルム溶液IIを投入した。これにより、重合反応を開始させた。反応容器の内容物の温度(液温)を13±3℃に調節しながら、反応容器の内容物を3時間攪拌して重合反応を進行させた。次いで、デカントを用いて反応容器の内容物における上層(水層)を除去し、有機層を得た。次いで、容量2Lの三角フラスコに、イオン交換水500mLを入れた。フラスコ内容物に、得られた有機層を加えた。フラスコ内容物に、クロロホルム300g及び酢酸6mLを更に加えた。次いで、フラスコ内容物を、室温(25℃)で30分間攪拌した。その後、デカントを用いてフラスコ内容物における上層(水層)を除去し、有機層を得た。分液ロートを用いて、得られた有機層をイオン交換水500mLで洗浄した。イオン交換水による洗浄を8回繰り返した。その結果、水洗した有機層が得られた。水洗した有機層をろ過し、ろ液を得た。容量3Lのビーカーに1.5Lのメタノールを投入した。メタノールを攪拌した状態で、ろ液(有機層)をゆっくりと滴下し、沈殿物を得た。沈殿物をろ過により取り出した。得られた沈殿物を温度70℃で12時間真空乾燥させた。その結果、ポリアリレート樹脂(R−1)が得られた。ポリアリレート樹脂(R−1)の12.2gであり、収率は77モル%であった。得られたポリアリレート樹脂(R−1)の粘度平均分子量は、46,000であった。
[ポリアリレート樹脂(R−2)の作製]
次の点を変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の作製と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−2)を作製した。化合物(DC−3)のジクロリド4.52g(16.2ミリモル)及び化合物(DC−5)のジクロリド4.10g(16.2ミリモル)を、化合物(DC−1)のジクロリド16.2ミリモル及び化合物(DC−5)のジクロリド16.2ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−2)の粘度平均分子量は、47,500であった。
[ポリアリレート樹脂(R−3)の作製]
次の点を変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の作製と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−3)を作製した。化合物(DC−3)のジクロリド4.52g(16.2ミリモル)及び化合物(DC−5)のジクロリド4.10g(16.2ミリモル)を、化合物(DC−3)のジクロリド16.2ミリモル及び化合物(DC−1)のジクロリド16.2ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−3)の粘度平均分子量は、46,500であった。
[ポリアリレート樹脂(R−4)の作製]
次の点を変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の作製と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−4)を作製した。化合物(DC−3)のジクロリド4.52g(16.2ミリモル)及び化合物(DC−5)のジクロリド4.10g(16.2ミリモル)を、化合物(DC−2)のジクロリド16.2ミリモル及び化合物(DC−1)のジクロリド16.2ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−4)の粘度平均分子量は、48,200であった。
[ポリアリレート樹脂(R−5)の作製]
次の点を変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の作製と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−5)を作製した。化合物(DC−3)のジクロリド4.52g(16.2ミリモル)及び化合物(DC−5)のジクロリド4.10g(16.2ミリモル)を、化合物(DC−2)のジクロリド32.4ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−5)の粘度平均分子量は、47,600であった。
[ポリアリレート樹脂(R−6)の作製]
次の点を変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の作製と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−6)を作製した。化合物(DC−3)のジクロリド4.52g(16.2ミリモル)及び化合物(DC−5)のジクロリド4.10g(16.2ミリモル)を、化合物(DC−3)のジクロリド22.7ミリモル及び化合物(DC−5)のジクロリド9.7ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−6)の粘度平均分子量は、49,900であった。
[ポリアリレート樹脂(R−7)の作製]
次の点を変更した以外は、ポリアリレート樹脂(R−1)の作製と同じ方法で、ポリアリレート樹脂(R−7)を作製した。化合物(DC−3)のジクロリド4.52g(16.2ミリモル)及び化合物(DC−5)のジクロリド4.10g(16.2ミリモル)を、化合物(DC−3)のジクロリド9.7ミリモル及び化合物(DC−5)のジクロリド22.7ミリモルに変更した。得られたポリアリレート樹脂(R−7)の粘度平均分子量は、51,200であった。
次に、プロトン核磁気共鳴分光計(日本分光株式会社製、300MHz)を用いて、作製したポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−7)の1H−NMRスペクトルを測定した。溶媒としてCDCl3を用いた。内部標準試料としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。これらのうちポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)及び(R−3)を代表例として挙げる。図2は、ポリアリレート樹脂(R−1)の1H−NMRスペクトルを示す。図3は、ポリアリレート樹脂(R−2)の1H−NMRスペクトルを示す。図4は、ポリアリレート樹脂(R−3)の1H−NMRスペクトルを示す。図2〜図4の横軸は化学シフト(単位:ppm)を示し、縦軸は信号強度(単位:任意単位)を示す。
1H−NMRスペクトルにより、ポリアリレート樹脂(R−1)、(R−2)及び(R−3)が得られていることを確認した。他のポリアリレート樹脂(R−4)〜(R−7)についても同じように、1H−NMRスペクトルにより、それぞれポリアリレート樹脂(R−4)〜(R−7)が得られていることを確認した。
ポリアリレート樹脂(R−1)〜(R−7)に加えて、化学式(R−B1)〜(R−B4)で表されるポリアリレート樹脂(以下、それぞれをポリアリレート樹脂(R−B1)〜(R−B4)と記載することがある)も準備した。化学式(R−B1)〜(R−B4)中の繰り返し単位に付された添え字は、各々、樹脂に含まれる繰り返し単位の総数に対する、添え字が付された繰り返し単位の数の百分率を示す。ポリアリレート樹脂(R−B1)〜(R−B4)の粘度平均分子量は、各々、46,500、49,000、48,000及び48,200であった。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
Figure 0006583230
Figure 0006583230
<感光体の製造>
上述した電荷発生剤、正孔輸送剤、フィラー粒子及びバインダー樹脂を用いて、感光体(A−1)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−6)を製造した。
(感光体(A−1)の製造)
まず、中間層を形成した。表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、数平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて更に表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂(東レ株式会社製「アミラン(登録商標)CM8000」、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)(1質量部)とを、溶剤に対して添加した。溶剤は、メタノール(10質量部)、ブタノール(1質量部)及びトルエン(1質量部)の混合溶剤であった。ビーズミルを用いて、これらの材料及び溶剤を5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、中間層用塗布液を得た。得られた中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、ディップコート法を用いて、導電性基体の表面に中間層用塗布液を塗布した。導電性基体としては、アルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)を用いた。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体上に中間層(膜厚1.5μm)を形成した。
次に、電荷発生層を形成した。詳しくは、電荷発生剤としてのY型チタニルフタロシアニン(1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に添加した。ビーズミルを用いて、これらの材料及び溶剤を12時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、得られたろ液を、中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
次に、電荷輸送層を形成した。詳しくは、正孔輸送剤としての化合物(HT−1)50質量部と、ヒンダードフェノール酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2質量部と、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジフェノキノン2質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(R−1)100質量部と、フィラー粒子(F1)5質量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン350質量部と、溶剤としてのトルエン350質量部とを、循環型超音波分散装置を用いて、12時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、電荷輸送層用塗布液を調製した。得られた電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上にディップコート法を用いて塗布し、120℃で40分間乾燥させた。これにより、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚30μm)を形成した。その結果、感光体(A−1)が得られた。感光体(A−1)は、積層型電子写真感光体であった。感光体(A−1)において、導電性基体上に中間層が、中間層上に電荷発生層が、電荷発生層上に電荷輸送層が備えられていた。
(感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−6)の製造)
下記(1)〜(4)の点を変更した以外は、感光体(A−1)の製造と同じ方法で、感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−6)の各々を製造した。
(1)感光体(A−1)の製造においてはバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(R−1)を使用したが、感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−6)の各々の製造においては表2〜表4に示す種類のバインダー樹脂を使用した。
(2)感光体(A−1)の製造においてはフィラー粒子(F1)を使用したが、感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−6)の各々の製造においては表2〜表4に示す種類のフィラー粒子を使用した。
(3)感光体(A−1)の製造においては5.0質量部のフィラー粒子を添加したが、感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−6)の各々の製造においては表2〜表4に示す量のフィラー粒子を添加した。
(4)感光体(A−1)の製造においては正孔輸送剤として化合物(HT−1)を使用したが、感光体(A−2)〜(A−19)及び(B−1)〜(B−6)の各々の製造においては表2〜表4に示す種類の正孔輸送剤を使用した。
<電気特性の評価>
感光体(A−1)〜(A−19)及び感光体(B−1)〜(B−6)の各々に対して、電気特性の評価を行った。電気特性の評価環境は、温度23℃且つ相対湿度50%RHであった。ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、感光体の表面を−600Vに帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:1.0μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了から50ミリ秒が経過した時点の感光体の表面電位を測定した。測定した表面電位を感光体の感度電位(VL、単位:−V)とした。測定された感光体の感度電位(VL)を、表2〜表4に示す。なお、感度電位(VL)の絶対値が小さいほど、感光体の電気特性、特に感度特性が優れていることを示す。
<外観評価>
感光体(A−1)〜(A−19)及び感光体(B−1)〜(B−6)の各々に対して、感光体の外観を評価した。詳しくは、感光体の表面全域を、光学顕微鏡(株式会社ニコン製「装置名:OPTIPHOTO POL」)を用いて倍率5倍で観察した。これにより、固形状異物の有無を確認した。確認された固形状異物の大きさ(長径)及び個数に基づいて、以下の基準で感光体の外観を評価した。確認された固形状異物の長径(単位:mm)及び個数、並びに評価結果を、表2〜表4に示す。なお、評価がA、B又はCである感光体を、感光体の表面外観が良好であると評価した。
(外観の評価基準)
評価A:固形状異物が全く確認されなかった。
評価B:長径が0.20mm未満である固形状異物が1個確認された。
評価C:長径が0.20mm以上0.30mm未満である固形状異物が1個確認された。
評価D:長径が0.30mm以上である固形状異物が1個以上確認された。又は、長径が0.30mm未満である固形状異物が2個以上確認された。
<耐摩耗性の評価>
感光体(A−1)〜(A−19)及び感光体(B−1)〜(B−6)の電荷輸送層の各々に対して、耐摩耗性を評価した。まず、感光体の製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。電荷輸送層用塗布液を塗布したポリプロピレンシートを、120℃で40分間乾燥させた。これにより、ポリプロピレンシート上に厚さ30μmの電荷輸送層(評価用シート)が形成された。続けて、ポリプロピレンシートから評価用シートを剥離した。そして、剥離された評価用シートをウィール(テーバー社製「S−36」)に貼り付けて、試験片を得た。得られた試験片の質量(摩耗試験前における試験片の質量)M1を測定した。
次いで、試験片に対して摩耗試験を行った。詳しくは、試験片をロータリーアブレージョンテスタ(株式会社東洋精機製作所製)の回転台に取り付けた。そして、試験片上に荷重1000gfの摩耗輪(テーバー社製「H−10」)を乗せた状態で、回転台を回転速度60rpmで回転させて、1000回転の摩耗試験を行った。続けて、摩耗試験後における試験片の質量M2を測定した。そして、試験前後の試験片の質量変化である摩耗減量(M1−M2、単位:mg)を求めた。求めた摩耗減量を、表2〜表4に示す。なお、摩耗減量が9.0mg以下である感光体を、感光体の耐摩耗性が良好であると評価した。
表2〜表4中、樹脂、HTM、HMDS、部、及びVLは、各々、バインダー樹脂、正孔輸送剤、ヘキサメチルジシラザン、質量部、及び感度電位を示す。フィラー粒子の量は、100質量部のバインダー樹脂に対するフィラー粒子の添加量(含有量)を示す。
Figure 0006583230
Figure 0006583230
Figure 0006583230
感光体(A−1)〜(A−19)の各々は、導電性基体と感光層とを備えていた。感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを含んでいた。電荷発生層は、電荷発生剤を含んでいた。電荷輸送層は、フィラー粒子とバインダー樹脂とを少なくとも含んでいた。バインダー樹脂が、ポリアリレート樹脂(1)を含んでいた。フィラー粒子の含有量が、100質量部のバインダー樹脂に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下であった。そのため、表2及び表3から明らかなように、感光体(A−1)〜(A−19)では、外観評価がA、B又はCであり、感光体の表面外観が良好であった。また、感光体(A−1)〜(A−19)では、摩耗減量が9.0mg以下であり、感光体の耐摩耗性が良好であった。更に、感光体(A−1)〜(A−19)では、電気特性を低下させることなく、感光体の表面外観及び耐摩耗性が向上していた。
感光体(B−1)〜(B−4)の各々では、電荷輸送層がバインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(1)を含んでいなかった。具体的には、感光体(B−1)〜(B−4)の各々の電荷輸送層は、ポリアリレート樹脂(R−B1)〜(R−B4)の各々を含んでいたが、ポリアリレート樹脂(R−B1)〜(R−B4)の各々は一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂ではなかった。そのため、表4から明らかなように、感光体(B−1)〜(B−4)の各々では、摩耗減量が9.0mg超であり、感光体の耐摩耗性が劣っていた。
感光体(B−5)では、フィラー粒子の含有量が、100質量部のバインダー樹脂に対して、20.0質量部超であった。そのため、表4から明らかなように、感光体(B−5)では、外観評価がDであり、感光体の表面外観が劣っていた。
感光体(B−6)では、電荷輸送層がフィラー粒子を含んでいなかった。そのため、表4から明らかなように、感光体(B−6)では、摩耗減量が9.0mg超であり、感光体の耐摩耗性が劣っていた。
以上のことから、本発明に係る感光体は、耐摩耗性及び表面外観に優れることが示された。
本発明に係る感光体は、複合機のような画像形成装置に利用できる。
1 :感光体
2 :導電性基体
3 :感光層
3a :電荷発生層
3b :電荷輸送層
4 :中間層

Claims (13)

  1. 導電性基体と感光層とを備える、電子写真感光体であって、
    前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを含み、
    前記電荷発生層は、電荷発生剤を含み、
    前記電荷輸送層は、フィラー粒子とバインダー樹脂とを少なくとも含み、
    前記バインダー樹脂は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂を含み、
    前記フィラー粒子の含有量は、100.0質量部の前記バインダー樹脂に対して、0.5質量部以上20.0質量部以下である、電子写真感光体。
    Figure 0006583230
    前記一般式(1)中、
    Xは、化学式(XA)、(XB)又は(XC)で表される二価の基を表し、
    Yは、化学式(YA)、(YB)、(YC)又は(YD)で表される二価の基を表し、XとYとは互いに異なっており、
    kr及びktは、各々3を表し、
    r及びsは、各々独立に、数式(2)及び(3)を満たす正の数を表し、
    t及びuは、各々独立に、前記数式(2)及び(3)を満たす0以上の数を表す。
    r+s+t+u=100・・・(2)
    r+t=s+u・・・(3)
    Figure 0006583230
    Figure 0006583230
  2. 前記一般式(1)中、t及びuは、各々、0ではない、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂は、一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)又は(1−4)で表されるポリアリレート樹脂である、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006583230
    前記一般式(1−1)、(1−2)、(1−3)及び(1−4)中、r11、s11、t11及びu11は、各々独立に、数式(2’)、(3’)及び(4)を満たす正の数を表す。
    11+s11+t11+u11=100・・・(2’)
    11+t11=s11+u11・・・(3’)
    0.30≦s11/(s11+u11)≦0.70 ・・・(4)
  4. 前記一般式(1)中、
    t及びuは、各々、0ではなく、
    Yは、前記化学式(YA)、(YB)又は(YC)で表される二価の基を表し、XとYとは互いに異なっている、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  5. 前記一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂は、一般式(1−1)で表されるポリアリレート樹脂である、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006583230
    前記一般式(1−1)中、r11、s11、t11及びu11は、各々独立に、数式(2’)、(3’)及び(4)を満たす正の数を表す。
    11+s11+t11+u11=100・・・(2’)
    11+t11=s11+u11・・・(3’)
    0.30≦s11/(s11+u11)≦0.70 ・・・(4)
  6. 前記一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂は、化学式(1−5)で表されるポリアリレート樹脂である、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006583230
  7. 前記フィラー粒子の平均一次粒径は、5nm以上1000nm以下である、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記フィラー粒子は、シリカ粒子である、請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記シリカ粒子の表面は、化学式(9)で表される基を有する、請求項8に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006583230
  10. 前記電荷輸送層は、正孔輸送剤を更に含み、
    前記正孔輸送剤は、一般式(10)又は(11)で表される化合物を含む、請求項1〜9の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006583230
    前記一般式(10)中、
    101、R103、R104、R105、R106、R107及びR108は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
    102及びR109は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
    1及びb2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。
    Figure 0006583230
    前記一般式(11)中、
    111及びR112は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、炭素原子数6以上14以下のアリールオキシ基、炭素原子数7以上20以下のアラルキル基又はハロゲン原子を表し、
    1及びd2は、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、
    3は、1又は2を表す。
  11. 前記正孔輸送剤は、前記一般式(10)又は(11)で表される化合物のうち、前記一般式(11)で表される化合物を含む、請求項10に記載の電子写真感光体。
  12. 前記一般式(11)中、
    111及びR112は、各々、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表し、
    1及びd2は、各々独立に、0又は1を表し、
    3は、1を表す、請求項11に記載の電子写真感光体。
  13. 前記一般式(11)で表される化合物は、下記化学式(HT−2)又は(HT−3)で表される化合物を含む、請求項11又は12に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006583230
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