JP6641972B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉タンク式の蒸発燃料処理装置に関する。
従来、燃料タンクで発生する蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、その吸着燃料をエンジンの運転中に吸気系へとパージさせる蒸発燃料処理装置が知られている。すなわち、蒸発燃料を一時的にキャニスタで捕集しつつエンジンに吸引させて、蒸発燃料の大気中への放出を防止するものである。このような蒸発燃料処理装置が搭載されたエンジンでは、キャニスタから脱離する蒸発燃料量を考慮して、燃料噴射量や吸入空気量が制御される。
一方、近年では、走行用モータを主体的に使用して走行し、エンジンを補助的に使用するハイブリッド車両(PHEV,PHV)が開発されている。このようなハイブリッド車両は、エンジンのみを動力源とする車両と比較してエンジンの作動時間が短く、キャニスタに吸着された蒸発燃料をパージする機会が少ない。そこで、燃料タンクとキャニスタとを接続する通路上に密閉弁を設け、燃料タンクの密閉状態をできるだけ長く維持することで、燃料の蒸発やキャニスタへの吸着を抑制する技術(密閉タンクシステム)が提案されている(特許文献1,2参照)。
特開2015−081528号公報 特開2014−092069号公報
上記の密閉式タンクシステムでは、燃料タンク内の燃料量の変化や燃料の温度変化に伴って内部圧力が変化することが知られている。燃料タンクの内部圧力は、正圧だけでなく負圧にもなり得る。例えば、内部に貯留されている燃料量が減少した場合や、燃料が高温状態から急冷された場合には、燃料タンクの内部圧力が大気圧よりも低い負圧となる。
ところで、燃料タンクには、内部圧力が正圧であるときよりも負圧であるときの方が変形や破損に対して弱いという性質を有しているものがある。そのため、燃料タンクの内部圧力が負圧になったときの対策として、内部圧力が負圧のときに自動的に開弁し、負圧を逃がす機能を持ったリリーフ弁を燃料タンクに設けることが考えられる。しかし、リリーフ弁が正常に機能しない場合には、燃料タンクの負圧を逃がすことができないため、燃料タンクの保護という観点からは更なる改良が望まれる。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、密閉式の燃料タンクを備えた蒸発燃料処理装置に関し、燃料タンクの保護性を高めることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する蒸発燃料処理装置は、密閉式の燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するとともに大気開放口を有するキャニスタと、前記燃料タンクとエンジンの吸気系とを接続するタンク通路と、前記タンク通路から前記キャニスタに向かって分岐形成されたキャニスタ通路と、前記タンク通路における分岐点よりも前記燃料タンクに近い第一通路部に介装された密閉弁と、前記燃料タンクのフィラーキャップに設けられ、前記燃料タンクの内部圧力が大気圧よりも低い所定の開弁圧よりも低下した場合に開放される負圧リリーフ弁と、を備える。また、前記内部圧力が前記開弁圧よりも低い第一所定値以下である場合に、少なくとも前記第一通路部を大気と連通させるとともに前記密閉弁を開放する制御装置を備える。
(2)前記分岐点又は前記キャニスタ通路上に介装されたバイパス弁と、前記タンク通路における前記分岐点よりも前記吸気系に近い第二通路部に介装されたパージ弁と、を備えることが好ましい。この場合、前記制御装置は、前記エンジンが停止していれば、前記バイパス弁を閉鎖するとともに前記パージ弁を開放して前記タンク通路を大気と連通させることが好ましい。
(3)前記制御装置は、前記エンジンが作動していれば、前記バイパス弁を開放するとともに前記パージ弁を閉鎖して前記キャニスタ通路を大気と連通させることが好ましい。
(4)また、前記制御装置は、前記内部圧力が前記第一所定値よりも低い第二所定値以下である場合に、前記タンク通路及び前記キャニスタ通路を大気と連通させるとともに前記密閉弁を開放することが好ましい。
(5)前記制御装置は、前記密閉弁を開放してから所定時間が経過したら前記密閉弁を閉鎖することが好ましい。
燃料タンクの内部圧力が大気圧よりも低い第一所定値以下であるときには、少なくともタンク通路の第一通路部が大気と連通した状態に制御されるとともに密閉弁が開放される。これにより、燃料タンクが大気開放されるため、燃料タンクの内部圧力を大気圧に近付けることができ、燃料タンクを保護することができる。また、第一通路部の負圧状態も解消されるため、タンク通路も保護することができる。
蒸発燃料処理装置が適用された車両の構成及び制御装置を示す図である。 大気開放制御の制御手順を例示するフローチャートである。 他の四つの制御の制御手順を例示するフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としての蒸発燃料処理装置について説明する。以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の各実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.装置構成]
本実施形態の蒸発燃料処理装置が適用された車両の構成を図1に例示する。この車両は、走行用モータの駆動力で走行するEV(Electric Vehicle)モードと、エンジン20の駆動力を使用(又は併用)して走行するHEV(Hybrid Electric Vehicle)モードとを備えたハイブリッド車両である。エンジン20の作動時には、燃料タンク5の内部から燃料がポンプで吸い上げられ、車両の走行状態に応じた量の燃料がインジェクタ21から噴射される。また、吸入空気量は、吸気通路22(吸気系)に介装されたスロットルバルブ23で制御される。
このエンジン20には、燃料タンク5で発生する蒸発燃料をキャニスタ6で回収して吸気系に導入するためのパージ用通路10が装備される。パージ用通路10には、燃料タンク5とエンジン20の吸気系とを接続するタンク通路7と、タンク通路7からキャニスタ6に向かって分岐形成されたキャニスタ通路8とが設けられる。タンク通路7の一端は、燃料タンク5の例えば天井面付近や側面上部に接続され、他端は吸気通路22に接続される。タンク通路7の接続位置は、スロットルバルブ23よりも下流側(エンジン20のシリンダに近い側)に設定される。
以下、タンク通路7とキャニスタ通路8との接続部7c(分岐点)よりも燃料タンク5側におけるタンク通路7を「第一通路部7a」と呼び、接続部7cよりも吸気通路22側のタンク通路7を「第二通路部7b」と呼ぶ。タンク通路7は、第一通路部7a及び第二通路部7bが接続部7cを挟んで設けられた通路であるともいえる。また、キャニスタ通路8の一端は、キャニスタ6の上面に接続され、他端はタンク通路7に対して三叉路を形成するように接続される。
パージ用通路10には、通路内におけるガスの流れを制御するための弁として、密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3が介装される。
密閉弁1は、燃料タンク5を密閉するための電磁制御弁であり、タンク通路7の第一通路部7aに配置される。密閉弁1は、基本的には常に第一通路部7aを閉鎖して、燃料タンク5の密閉状態を維持するように機能する。密閉弁1は、給油時には開放されて、燃料タンク5を圧抜きする。また、密閉弁1は、エンジン20の作動中に燃料タンク5の内部圧力が上昇し過ぎた場合にも一時的に開放される。本実施形態の密閉弁1は、ノーマルクローズタイプの電磁弁であり、制御信号に応じてオン・オフ作動(開作動又は閉作動)する二位置切替弁である。
バイパス弁2は、キャニスタ通路8を開放又は遮断するための電磁制御弁であり、タンク通路7とキャニスタ通路8との接続部7cに配置される。バイパス弁2は、キャニスタ6に蒸発燃料を吸着させるときや、キャニスタ6で吸着された蒸発燃料をパージさせるときに開放される。本実施形態のバイパス弁2は、ノーマルオープンタイプの電磁弁であり、制御信号に応じてオン・オフ作動する二位置切替弁である。
パージ弁3は、吸気通路22に対してタンク通路7を開放又は遮断するための電磁制御弁であり、タンク通路7の第二通路部7bに配置される。パージ弁3は、基本的にはエンジン20の作動中に、吸気通路22に対して第二通路部7bを開放するように制御される。また、エンジン20の停止中は、第二通路部7bを閉鎖するように制御される。本実施形態のパージ弁3は、ノーマルクローズタイプの電磁弁であり、制御信号の大きさに応じた開度で第二通路部7bを開放する可変開度制御弁である。パージ弁3の開度は、エンジン20の運転状態やキャニスタ6に吸着されている蒸発燃料量,燃料タンク5に残留する燃料量などに応じて設定可能である。
キャニスタ6の上面には大気開放口が設けられ、この大気開放口にはキャニスタ6と外部とを接続する大気開放通路9が取り付けられる。大気開放通路9は、蒸発燃料をキャニスタ6に吸着させる際の圧抜き通路として機能するとともに、キャニスタ6に吸着している蒸発燃料を吸気通路22へと流出させる際の外気取り込み通路として機能する。また、大気開放通路9にはエアフィルタ19が介装され、ここで外気中の異物が除去される。
また、密閉弁1を迂回して密閉弁1の上流側と下流側とを接続するように形成された迂回通路上には、リリーフ弁4が介装される。リリーフ弁4は、密閉弁1よりも燃料タンク5側におけるタンク通路7の圧力(以下「第一通路圧Pa」と呼ぶ)と、密閉弁1よりも吸気通路22側におけるタンク通路7の圧力(以下「第二通路圧Pb」と呼ぶ)との差圧ΔPが所定圧ΔP0を超えると開放される安全弁である。
例えば、密閉弁1及びパージ弁3が閉鎖状態であってバイパス弁2が開放状態である場合には、第二通路圧Pbが大気圧PATMとなる。このとき、リリーフ弁4は、第一通路圧Paが所定の上限値PMAX以下であれば閉鎖状態とされ、第一通路圧Paが上限値PMAXを超えると開放される。この上限値PMAXは、大気圧PATMに上記の所定圧ΔP0を加算した値とされる。つまり、リリーフ弁4は、燃料タンク5の内部圧力の上限値PMAXを規定する安全弁であるともいえる。また、第一通路圧Paが上限値PMAXよりも低い場合でも、第二通路圧Pbが大気圧PATMよりも低く(すなわち負圧であり)、かつ、差圧ΔPが所定圧ΔP0を超えれば、リリーフ弁4は開放される。これにより、燃料タンク5の内部圧力が上限値PMAXを越えて上昇することが防止されるとともに、タンク通路7の内部圧力が大きな負圧になることが防止される。
また、燃料タンク5には給油用の給油通路25が設けられ、その先端の給油口がフィラーキャップ26で閉塞されるとともに、フィラードア28の内側まで延設される。燃料の給油時には、フィラードア28が開放された後にフィラーキャップ26が回動操作されて取り外される。また、給油通路25には、燃料の逆流や蒸発燃料を含んだガス(以下「燃料蒸気」という)の流出を防止するための逆止弁27が設けられる。逆止弁27は、車両の外部から燃料タンク5に向かう方向への流体の流入を許容し、逆方向への流体の流出を阻止するように機能する。また、フィラーキャップ26には、負圧リリーフ弁29が設けられる。負圧リリーフ弁29は、燃料タンク5の内部圧力が所定の開弁圧PVよりも低下した場合に開放される安全弁である。なお、この開弁圧PVは大気圧PATMよりも低い値(PV<PATM)である。
上述の密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3の開閉状態(開度)は、コンピュータとして機能する制御装置30で制御される。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサとROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory),不揮発メモリ等を集積した電子デバイスである。ここでいうプロセッサとは、例えば制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ)等を内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、ROM,RAM及び不揮発メモリは、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置である。制御装置30で実施される制御の内容は、ファームウェアやアプリケーションプログラムとしてROM,RAM,不揮発メモリ,リムーバブルメディア内に記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容がRAM内のメモリ空間内に展開され、プロセッサによって実行される。
この制御装置30には、キャニスタ圧センサ11,インマニ圧センサ12,タンク圧センサ13,エンジン回転数センサ14,ドアセンサ15が接続される。キャニスタ圧センサ11は、キャニスタ6の内圧に対応する大気開放通路9の内部圧力を「キャニスタ圧C」として検出するものである。ここでは、キャニスタ6に内蔵される活性炭フィルタとエアフィルタ19との間の圧力が検出される。また、インマニ圧センサ12は、吸気通路22においてスロットルバルブ23よりも下流側に設けられたサージタンク24の内部圧力を「インマニ圧PIM(吸気系圧力)」として検出するものである。ここでは、吸気通路22とタンク通路7との接続箇所近傍における圧力が検出される。
タンク圧センサ13は、燃料タンク5の内部圧力(気体部分の圧力)を「タンク圧P」として検出するものである。タンク圧センサ13は、燃料液面よりも上方となる位置に取り付けられる。また、エンジン回転数センサ14は、エンジン20の回転速度(エンジン回転数Ne)を検出するものである。ドアセンサ15は、フィラードア28が開放されたことを検出するものである。これらの各種センサ類11〜15で検出された情報は、制御装置30に伝達される。なお、キャニスタ圧センサ11,インマニ圧センサ12,タンク圧センサ13のそれぞれで検出される圧力は、絶対圧であってもよいし、大気圧PATMを基準としたゲージ圧であってもよい。
[2.制御の内容]
本実施形態の制御装置30は、燃料タンク5の内部圧力が所定値以上の負圧になった場合に、燃料タンク5を大気開放させる大気開放制御を実施する。本実施形態の制御装置30は、タンク圧P(負圧の度合い)及びエンジン20の作動状態に応じて、三種類の大気開放制御を実施する。また、制御装置30は、大気開放制御を実施しない場合には、密閉制御,圧抜き制御,キャニスタパージ制御,高圧パージ制御の何れかを実施する。まずはこれらの四つの制御について簡単に説明し、次いで大気開放制御について詳述する。
[2−1.密閉制御]
密閉制御は、エンジン20の停止中に密閉弁1を閉鎖することで、燃料タンク5で発生した燃料蒸気の流出を防止する制御である。このとき、パージ弁3も閉鎖状態に制御される。これにより、燃料タンク5は、エンジン20の吸気通路22に対して密閉弁1とパージ弁3とで二重に遮断される。なお、バイパス弁2の開閉状態は任意であり、本実施形態では開放状態に制御される。
[2−2.圧抜き制御]
圧抜き制御は、燃料タンク5の内部圧力が大気圧PATMに比して過剰に大きくならないように、密閉弁1とバイパス弁2を開放して燃料タンク5を圧抜きする制御である。圧抜き制御は、燃料タンク5への給油の直前に実施される。このとき、パージ弁3は閉鎖状態に制御される。密閉弁1とバイパス弁2とを開放することで、燃料タンク5からキャニスタ6の大気開放通路9を介して、外部へと向かうガスの流れが生じる。これにより、燃料タンク5のタンク圧Pが低下するとともに、燃料タンク5及びパージ用通路10内に存在する燃料蒸気がキャニスタ6で回収される。
[2−3.キャニスタパージ制御]
キャニスタパージ制御は、エンジン20の作動中にバイパス弁2を開放し、キャニスタ6に吸着している蒸発燃料を吸気通路22へと吸い込ませることで、キャニスタ6を浄化(パージ)する制御である。キャニスタパージ制御は、エンジン20の作動中、かつ、運転状態が安定している場合であって、高圧パージ制御及び大気開放制御が実施されていないときに実施される。
この制御は、蒸発燃料をエンジン20に消費させる制御であることから、パージ弁3が開放状態に制御されるとともに、密閉弁1は閉鎖状態に制御される。つまり、吸気通路22に対してキャニスタ6が連通した状態となり、燃料タンク5は遮断される。これにより、パージ用通路10から吸気通路22へと導入される燃料蒸気は、キャニスタ6からの燃料蒸気のみとなる。
[2−4.高圧パージ制御]
高圧パージ制御は、エンジン20の作動中に密閉弁1を開放し、燃料タンク5内の燃料蒸気を吸気通路22へと吸い込ませることで、燃料タンク5をパージ(浄化)する制御である。この制御では、パージ弁3が開放状態に制御されるとともに、バイパス弁2が閉鎖状態に制御される。つまり、吸気通路22に対して燃料タンク5が連通した状態となり、キャニスタ6は遮断される。これにより、パージ用通路10から吸気通路22へと導入される燃料蒸気は、燃料タンク5からの燃料蒸気のみとなる。
本実施形態における高圧パージ制御の開始条件,終了条件を以下に例示する。高圧パージ制御は、条件A,Bがともに成立した場合に開始され、条件C,Dの何れかが成立した場合に終了する。なお、条件Aは、例えばエンジン20の冷却水温が所定値以上であり、エンジン回転数Neが安定している場合に成立するものとする。ただし、燃料噴射量の学習中には、条件Aが成立しないものとする。
=高圧パージ制御の開始条件=
A.エンジン20が作動中、かつ、運転状態が安定している
B.タンク圧Pが開始圧力PS以上である(ただしPS<PMAX
=高圧パージ制御の終了条件=
C.エンジン20が停止、又は、運転状態が安定していない
D.タンク圧Pが終了圧力PF未満である(ただしPF<PS
[2−5.大気開放制御]
大気開放制御は、燃料タンク5の内部圧力が異常な負圧となった場合に、少なくとも第一通路部7aを大気と連通させるとともに密閉弁1を開放して、燃料タンク5を大気開放させることで内部圧力を大気圧PATMに近づける制御である。この制御は、タンク圧Pが大気圧PATMよりも低い第一所定値P1以下(P≦P1)である場合に実施される。なお、第一所定値P1は、負圧リリーフ弁29の開弁圧PVよりも低い値(P1<PV)である。
本実施形態の大気開放制御では、負圧状態を判断する閾値として、第一所定値P1及び第二所定値P2が設けられる。第二所定値P2は、第一所定値P1よりも低い値(P2<P1)である。タンク圧Pが第一所定値P1以下であり、かつ、第二所定値P2よりも高い場合には、エンジン20の作動,停止に対応した大気開放制御(第一又は第二の大気開放制御)が実施される。また、タンク圧Pが第二所定値P2以下である場合には、エンジン20の作動状態にかかわらず、第三の大気開放制御が実施される。
本実施形態における三つの大気開放制御の開始条件,終了条件を以下に示す。条件a,b,cのそれぞれは、第一,第二,第三の大気開放制御の開始条件に対応する。すなわち、成立した条件に応じて、三つの大気開放制御のうちの一つが開始される。また、何れの大気開放制御が開始された場合であっても、条件d,eの何れか一方が成立するとその制御を終了する。
=大気開放制御の開始条件=
a:P2<P≦P1、かつ、エンジン停止中
b:P2<P≦P1、かつ、エンジン作動中
c:P≦P2
=大気開放制御の終了条件=
d.タンク圧Pが大気圧PATMに収束した
e.密閉弁1の開放時から所定時間t0が経過した
条件eは、ノーマルクローズタイプの密閉弁1を保護するための条件である。密閉弁1は、長時間連続して開放状態を維持できるような性能を備えていないことが多い。そのため、大気開放制御を開始してから所定時間t0が経過した時点で、仮にタンク圧Pが大気圧PATMに収束していなくても密閉弁1を強制的に閉鎖する。これにより、密閉弁1の保護性を高める。なお、密閉弁1が開放状態を長時間連続して維持できる性能を有する場合には、条件eは省略可能である。また、条件eにより大気開放制御が終了した場合には、所定のインターバル期間を経てから再び条件a〜cを判定するようにしてもよい。このような構成とすることで、大気開放制御が終了した後すぐに開始されることを防ぐことができるため、密閉弁1の保護性を高めることができる。
第一の大気開放制御では、バイパス弁2が閉鎖状態に制御されるとともにパージ弁3が開放状態に制御される。これにより、タンク通路7がエンジン20の吸気通路22を介して大気と連通した状態となる。このとき、密閉弁1も開放されることから、吸気通路22及びタンク通路7を介して、外部から燃料タンク5へと向かう空気の流れが生じ、タンク圧Pが大気圧PATMへと収束していく。また、このときバイパス弁2は閉鎖されることから、キャニスタ通路8はタンク通路7から遮断され、キャニスタ6の大気開放通路9を介した空気の流入が遮断される。
第二の大気開放制御では、バイパス弁2が開放状態に制御されるとともにパージ弁3が閉鎖状態に制御される。これにより、第一通路部7a及びキャニスタ通路8がキャニスタ6の大気開放通路9を介して大気と連通した状態となる。このとき、密閉弁1も開放されることから、大気開放通路9,キャニスタ通路8及び第一通路部7aを介して、外部から燃料タンク5へと向かう空気の流れが生じ、タンク圧Pが大気圧PATMへと収束していく。また、このときパージ弁3は閉鎖されることから、吸気通路22はタンク通路7から遮断され、吸気通路22を介した空気の流入が遮断される。
第三の大気開放制御では、バイパス弁2及びパージ弁3が共に開放状態に制御される。これにより、タンク通路7がエンジン20の吸気通路22を介して大気と連通した状態となるとともに、キャニスタ通路8がキャニスタ6の大気開放通路9を介して大気と連通した状態となる。このとき、密閉弁1も開放されることから、吸気通路22及びタンク通路7を介して外部から燃料タンク5へと向かう空気の流れと、大気開放通路9,キャニスタ通路8及び第一通路部7aを介して外部から燃料タンク5へと向かう空気の流れとが生じる。これらによって、タンク圧Pが大気圧PATMへと早期に収束していく。
本実施形態における制御の名称と密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3の開閉状態との関係をまとめると、以下の通りである。
Figure 0006641972
[3.制御構成]
上記の各種制御を実施するための制御構成として、制御装置30には、通常制御部31と大気開放制御部32とが設けられる。これらは、制御装置30で実行されるプログラムの一部の機能を示すものであり、ソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
通常制御部31は、上述した密閉制御,圧抜き制御,キャニスタパージ制御,高圧パージ制御を司るものであり、各制御の開始条件,終了条件はここで判定される。通常制御部31は、大気開放制御部32による大気開放制御が実施されていないことを条件に、四つの制御の何れかを実施する機能を持つ。具体的には、通常制御部31は、エンジン20が停止していれば、基本的には密閉制御を実施し、フィラードア28が開放されているときに限って圧抜き制御を実施する。
通常制御部31は、エンジン20が作動中であって、その運転状態が安定していれば、キャニスタパージ制御又は高圧パージ制御を実施する。本実施形態の通常制御部31は、タンク圧Pが開始圧力PS以上である場合に高圧パージ制御を開始し、タンク圧Pが終了圧力PF未満になったら高圧パージ制御を終了する。高圧パージ制御でのパージ弁3の開度は、エンジン20の運転状態や燃料タンク5に残留する燃料量などに応じて設定される。また、通常制御部31は、高圧パージ制御を実施しないときには、キャニスタパージ制御を実施する。キャニスタパージ制御でのパージ弁3の開度は、エンジン20の運転状態やキャニスタ6に吸着されている蒸発燃料量などに応じて設定される。なお、本実施形態の通常制御部31は、エンジン20が作動中であってその運転状態が不安定の場合には、密閉制御を実施するものとする。
大気開放制御部32は、上述した大気開放制御を司るものであり、大気開放制御の開始条件,終了条件はここで判定される。大気開放制御部32は、タンク圧Pが第一所定値P1以下である場合には、少なくともタンク通路7における第一通路部7aを大気と連通させるとともに密閉弁1を開放することで、燃料タンク5を大気開放し、タンク圧Pを大気圧PATMへと近付ける機能を持つ。
本実施形態の大気開放制御部32は、タンク圧Pが第一所定値P1以下であって第二所定値P2には達していない状態でエンジン20が停止していれば、バイパス弁2を閉鎖するとともにパージ弁3を開放することで、タンク通路7全体を大気と連通させる。また、同様の状態でエンジン20が作動していれば、バイパス弁2を開放するとともにパージ弁3を閉鎖することで、第一通路部7a及びキャニスタ通路8を大気と連通させる。
大気開放制御部32は、タンク圧Pが第二所定値P2以下である場合には、負圧状態を一刻も早く解消するために、バイパス弁2及びパージ弁3を開放して、タンク通路7及びキャニスタ通路8を大気と連通させる。大気開放制御部32は、大気開放制御を開始してからのタンク圧Pが大気圧PATMに収束するまで、あるいは、密閉弁1の開放状態が所定時間t0だけ継続するまで、密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3の開閉状態を維持する機能を持つ。また、大気開放制御部32は、タンク圧Pが大気圧PATMに収束したとき、又は、密閉弁1を開放してから所定時間t0が経過したときには、密閉弁1を閉鎖して大気開放制御を終了する。その後は、通常制御部31による制御が再び実施される。
[4.フローチャート]
図2,図3は、上記の各種制御を実施するための制御手順を例示するフローチャートである。図2はおもに大気開放制御の制御内容に対応し、図3は他の四つの制御の制御内容に対応する。これらのフロー中の制御フラグFは、大気開放制御の実施状況を示すものであり、制御の実施中にはF=1に設定される。また、制御フラグGは高圧パージ制御の実施状況を示すものであり、制御の実施中にはG=1に設定される。
図2に示すように、まず各種センサ11〜15で検出された情報が制御装置30に入力され(ステップS1)、制御フラグFがF=0であるか否かが判定される(ステップS2)。大気開放制御が未実施のときはステップS3に進み、タンク圧Pが第一所定値P1以下であるか否かが判定される。P≦P1でなければ(燃料タンク5が異常な負圧状態となっていなければ)、図3のステップS20に進む。
一方、タンク圧Pが第一所定値P1以下である場合には、ステップS4において、タンク圧Pが第二所定値P2よりも高いか否かが判定される。この条件が成立する場合にはステップS5に進み、成立しない場合にはステップS8に進む。ステップS5では、エンジン20の作動状態が判定される。エンジン20が停止していれば、第一の大気開放制御が実施され(ステップS6)、エンジン20が作動していれば、第二の大気開放制御が実施される(ステップS7)。第一の大気開放制御では、密閉弁1とパージ弁3とが開放されるとともにバイパス弁2が閉鎖されて、吸気通路22を通じて燃料タンク5が大気開放される。一方、第二の大気開放制御では、密閉弁1とバイパス弁2とが開放されるとともにパージ弁3が閉鎖されて、大気開放通路9を通じて燃料タンク5が大気開放される。
また、ステップS8では、エンジン20の作動状態にかかわらず、第三の大気開放制御が実施される。第三の大気開放制御では、密閉弁1,バイパス弁2,パージ弁3の何れもが開放されて、吸気通路22及び大気開放通路9を通じて燃料タンク5が大気開放される。ステップS6,S7,S8に続くステップS9では制御フラグFがF=1に設定され、ステップS10ではタイマーのカウントがスタートされて、この演算周期での制御が終了する。
次の演算周期では、ステップS2からステップS11に進み、タンク圧Pが大気圧PATMに収束したか否かが判定される。この条件が成立しない場合には、ステップS12においてタイマーのカウント値が所定時間t0以上であるか否かが判定され、この条件も成立しない場合には、この演算周期での制御が終了する。つまり、ステップS9において制御フラグFがF=1に設定されたのちは、ステップS11又はS12の条件(上記の条件d又はe)が成立するまでこれらの判定が繰り返される。ステップS11又はS12の条件が成立した場合にはステップS13に進み、密閉弁1が閉鎖されて、大気開放制御が終了する。そして、制御フラグFがF=0に設定され(ステップS14)、タイマーが停止,リセットされて(ステップS15)、図3のステップS20に進む。
図3のステップS20では、エンジン20が作動中であるか否かが判定される。ここで、エンジン20が作動中であればステップS21に進み、停止中ならばステップS30に進む。ステップS21では、エンジン20の運転状態が安定しているか否かが判定され、安定していない場合には、ステップS31に進んで密閉制御が実施される。一方、エンジン20の運転状態が安定している場合には、ステップS22に進み、制御フラグGがG=0であるか否かが判定される。なお、エンジン20の作動状態及び運転状態は、エンジン回転数Neやインマニ圧PIMなどに基づき、公知の手法を用いて判定される。
高圧パージ制御が実施されていなければ制御フラグGがG=0のため、ステップS23に進む。ステップS23では、タンク圧Pが開始圧力PS以上であるか否かが判定される。タンク圧Pが開始圧力PS未満であれば、ステップS24においてキャニスタパージ制御が開始され、密閉弁1が閉鎖状態に制御されるとともに、バイパス弁2及びパージ弁3が開放状態に制御される。
一方、タンク圧Pが開始圧力PS以上であれば、ステップS25において高圧パージ制御が開始され、密閉弁1及びパージ弁3が開放状態に制御されるとともに、バイパス弁2が閉鎖状態に制御される。そして、制御フラグGがG=1に設定されて(ステップS26)、この演算周期での制御が終了する。高圧パージ制御が開始されたのちは、ステップS22からステップS27に進み、タンク圧Pが終了圧力PFを下回ったか否かが判定される。そして、タンク圧Pが終了圧力PF未満になると、高圧パージ制御が終了し、制御フラグGがG=0に設定されて(ステップS28,29)、この演算周期での制御が終了する。
エンジン20が停止している場合には、ステップS20からS30に進み、フィラードア28が閉鎖されているか否かが判定され、閉鎖されていれば密閉制御が実施される(ステップS31)。密閉制御では、密閉弁1とパージ弁3とが閉鎖され、燃料タンク5で発生した高濃度ガスの流出が防止される。一方、フィラードア28が開放されていれば圧抜き制御が実施される(ステップS33)。圧抜き制御では、密閉弁1とバイパス弁2とが開放され、燃料タンク5が圧抜きされる。ステップS31,S33に続くステップS32では制御フラグGがG=0に設定され、この演算周期での制御が終了する。
[5.効果]
(1)上述の蒸発燃料処理装置では、タンク圧Pが大気圧PATMよりも低い第一所定値P1以下である場合に、少なくともタンク通路7の第一通路部7aが大気と連通状態にされるとともに密閉弁1が開放状態に制御される。これにより、燃料タンク5が大気開放されるため、燃料タンク5の内部圧力を大気圧PATMに近付けることができ、燃料タンク5を保護することができる。また、第一通路部7aの負圧状態も解消することできるため、タンク通路7も保護することができる。
上記の第一所定値P1は、負圧リリーフ弁29の開弁圧PVよりも低い値に設定されている。そのため、負圧リリーフ弁29が正常に機能(開弁)する場合には、大気開放制御が実施されることなく、負圧リリーフ弁29によって燃料タンク5の負圧を解消することができる。反対に、負圧リリーフ弁29が何らかの要因で正常に機能しなくなったときには、大気開放制御によって燃料タンク5の負圧状態を解消することができる。すなわち、上述の蒸発燃料処理装置では、大気開放制御の実施頻度を必要最小限に抑えつつ、燃料タンク5の保護性を高めることができる。
(2)また、上述の蒸発燃料処理装置では、タンク圧Pが第一所定値P1以下であるときにエンジン20が停止していれば、バイパス弁2が閉鎖されるとともにパージ弁3が開放される。これにより、タンク通路7全体が大気と連通した状態となり、エンジン20の吸気通路22を通じて外部から燃料タンク5へと向かう空気の流れが生じるため、タンク圧Pを大気圧PATMに近付けることができる。また、このときバイパス弁2は閉鎖されているため、キャニスタ6の大気開放通路9からは外気が進入しない。そのため、大気開放通路9(大気開放口)の詰まりや、エアフィルタ19の性能劣化(異物の堆積や目詰まりなど)を回避することができる。したがって、蒸発燃料処理装置全体の保護性を高めることができる。
(3)上述の蒸発燃料処理装置では、タンク圧Pが第一所定値P1以下であるときにエンジン20が作動していれば、バイパス弁2が開放されるとともにパージ弁3が閉鎖される。これにより、タンク通路7の第一通路部7a及びキャニスタ通路8が大気と連通した状態となり、キャニスタ6の大気開放通路9を通じて外部から燃料タンク5へと向かう空気の流れが生じるため、タンク圧Pを大気圧PATMに近付けることができる。
また、このときパージ弁3は閉鎖されているため、吸気通路22からタンク通路7には外気が進入しない。このため、エンジン20の気筒に導入される空気量(吸入空気量)が低下することがなく、空燃比を適切に制御することができることから、エンジン20のトルク変動を防止することができる。したがって、燃料タンク5及びタンク通路7の保護性を高めながら、エンジン20の安定した運転状態を維持することができる。
(4)上述の蒸発燃料処理装置では、タンク圧Pが第一所定値P1よりも低い第二所定値P2以下である場合に、タンク通路7及びキャニスタ通路8が共に大気と連通した状態に制御される。すなわち、燃料タンク5の負圧状態を一刻も早く解消すべき場合には、第一通路部7aを二つの経路で大気と連通させたうえで密閉弁1を開放する。これにより、吸気通路22及びタンク通路7を流通する空気の流れと、大気開放通路9,キャニスタ通路8及び第一通路部7aを流通する空気の流れとが生じることから、燃料タンク5の負圧状態を早期に解消することができる。したがって、燃料タンク5及びタンク通路7の保護性を高めることができる。
(5)上述の蒸発燃料処理装置では、大気開放制御が開始されて密閉弁1が開放状態に制御されたのち、その密閉弁1の開放状態が所定時間t0だけ継続したら、たとえタンク圧Pが大気圧PATMに収束していなかったとしても密閉弁1が閉鎖される。このため、密閉弁1が、長時間連続して開放状態を維持できるような性能を有していないものであったとしても、密閉弁1の保護性を高めることができる。言い換えると、このような性能を密閉弁1に持たせる必要性をなくすことができる。
[6.変形例]
上述の実施形態では、大気開放制御がタンク圧P及びエンジン20の作動状態に応じて実施される場合を例示したが、大気開放制御の具体的な開始条件は上述したものに限られない。例えば、第二所定値P2を用いた条件cを省略してもよいし、大気開放通路9の閉塞状態(エアフィルタ19の目詰まり等)に関する条件を追加してもよい。また、大気開放制御の終了条件や、他の四つの制御の開始,終了条件も上述したものに限られない。
また、大気開放制御の内容も上述したものに限られない。例えば、タンク圧Pが第一所定値P1以下であってエンジン20が作動している場合に、エンジン20が停止するのを待ってから、あるいはエンジン20を停止させてから、燃料タンク5を大気開放するといった制御内容としてもよい。この場合、エンジン20が停止したのち、バイパス弁2を閉鎖するとともにパージ弁3を開放して、タンク通路7全体を大気と連通状態にしたうえで密閉弁1を開放すれば、上述の第一の大気開放制御と同様の作用効果を得ることができる。
反対に、タンク圧Pが第一所定値P1以下であってエンジン20が停止している場合に、エンジン20の作動が開始するのを待ってから、あるいはエンジン20の作動を開始させてから、燃料タンク5を大気開放するといった制御内容としてもよい。この場合、エンジン20が作動したのち、バイパス弁2を開放するとともにパージ弁3を閉鎖して、第一通路部7a及びキャニスタ通路8を大気と連通状態としたうえで密閉弁1を開放すれば、上述の第二の大気開放制御と同様の作用効果を得ることができる。
上述の蒸発燃料処理装置の構成は一例であって、上述したものに限られない。上述の実施形態では、密閉弁1及びバイパス弁2が二位置切替弁であり、パージ弁3が可変開度制御弁となっているが、これらの弁の種類は任意に変更可能である。また、密閉弁1及びパージ弁3がノーマルクローズタイプのものでなくてもよいし、バイパス弁2がノーマルオープンタイプのものでなくてもよい。また、バイパス弁2の位置はキャニスタ通路8上であってもよいし、パージ弁3を省略し、密閉弁1及びバイパス弁2によってパージガス流量を制御できるようにしてもよい。また、第一通路部7aを大気と連通させるための通路をパージ用通路10とは別設し、別設した通路上に制御弁を介装して、この制御弁を制御する構成としてもよい。この場合、タンク圧Pが第一所定値P1以下であるときに制御弁を開放することで、第一通路部7aを大気と連通させることができ、上述と同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記の第一所定値P1が、負圧リリーフ弁29の開弁圧PV以上(Pv≦P1)に設定されていてもよい。少なくとも、第一所定値P1が大気圧PATM以下であれば、上述と同様の作用効果を得ることができる。また、Pv≦P1とすれば、負圧リリーフ弁29に過大な負圧が作用しにくくなるため、負圧リリーフ弁29を故障しにくくでき、負圧リリーフ弁29の保護性を高めることができる。
1 密閉弁
2 バイパス弁
3 パージ弁
5 燃料タンク
6 キャニスタ
7 タンク通路
7a 第一通路部
7b 第二通路部
7c 接続部
8 キャニスタ通路
9 大気開放通路
10 パージ用通路
20 エンジン
22 吸気通路(吸気系)
30 制御装置
31 通常制御部
32 大気開放制御部
P タンク圧(内部圧力)
PATM 大気圧
P1 第一所定値
P2 第二所定値
t0 所定時間

Claims (5)

  1. 密閉式の燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するとともに大気開放口を有するキャニスタと、
    前記燃料タンクとエンジンの吸気系とを接続するタンク通路と、
    前記タンク通路から前記キャニスタに向かって分岐形成されたキャニスタ通路と、
    前記タンク通路における分岐点よりも前記燃料タンクに近い第一通路部に介装された密閉弁と、
    前記燃料タンクのフィラーキャップに設けられ、前記燃料タンクの内部圧力が大気圧よりも低い所定の開弁圧よりも低下した場合に開放される負圧リリーフ弁と、
    記内部圧力が前記開弁圧よりも低い第一所定値以下である場合に、少なくとも前記第一通路部を大気と連通させるとともに前記密閉弁を開放する制御装置と、
    を備えたことを特徴とする、蒸発燃料処理装置。
  2. 前記分岐点又は前記キャニスタ通路上に介装されたバイパス弁と、
    前記タンク通路における前記分岐点よりも前記吸気系に近い第二通路部に介装されたパージ弁と、を備え、
    前記制御装置は、前記エンジンが停止していれば、前記バイパス弁を閉鎖するとともに前記パージ弁を開放して前記タンク通路を大気と連通させる
    ことを特徴とする、請求項1記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記制御装置は、前記エンジンが作動していれば、前記バイパス弁を開放するとともに前記パージ弁を閉鎖して前記キャニスタ通路を大気と連通させる
    ことを特徴とする、請求項2記載の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記制御装置は、前記内部圧力が前記第一所定値よりも低い第二所定値以下である場合に、前記タンク通路及び前記キャニスタ通路を大気と連通させるとともに前記密閉弁を開放する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。
  5. 前記制御装置は、前記密閉弁を開放してから所定時間が経過したら前記密閉弁を閉鎖する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。
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