JP6578787B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Description
なお、前記制御部は、前記閉塞状態が検出された場合に、前記密閉弁を開放することで前記燃料タンクを減圧するように機能することが好ましい。
(4)前記制御部は、前記閉塞状態が検出されなければ、前記燃料タンクの圧力が第三圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖し、前記閉塞状態が検出されたら、前記燃料タンクの圧力が前記第三圧力よりも低い第四圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖することが好ましい。なお、前記第三圧力は前記第一圧力よりも低い圧力であることが好ましい。
(6)前記制御部が、前記燃料タンクに残留する燃料量に応じて、前記密閉弁の開閉状態を制御することが好ましい。この場合、前記燃料量が所定量以上ならば前記密閉弁を開放し、前記燃料量が前記所定量未満ならば前記密閉弁を閉鎖することが好ましい。
例えば、前記検出部は、前記キャニスタの内圧と前記吸気系圧力との差圧が所定差圧未満であることを以て前記閉塞状態を検出することが好ましい。なお、前記検出部は、前記キャニスタに吸着している前記蒸発燃料をエンジンに吸引させるキャニスタパージ制御中における前記差圧に基づいて、前記閉塞状態を検出することが好ましい。
本実施形態の蒸発燃料処理装置が適用された車両の構成を図1に例示する。この車両は、走行用モータの駆動力で走行するEV(Electric Vehicle)モードと、エンジン21の駆動力を使用(又は併用)して走行するHEV(Hybrid Electric Vehicle)モードとを備えたハイブリッド車両である。エンジン21の作動時には、燃料タンク5の内部から燃料がポンプで吸い上げられ、車両の走行状態に応じた量の燃料がインジェクタ22から噴射される。また、吸入空気量は、吸気通路23に介装されたスロットルバルブ25で制御される。
密閉弁1は、燃料タンク5を密閉するための電磁制御弁であり、タンク通路7とキャニスタ通路8との分岐点よりも燃料タンク5に近い位置に配置される。密閉弁1は、基本的には常にタンク通路7を閉鎖して、燃料タンク5の密閉状態を維持するように機能する。また、燃料タンク5の内部圧力が上昇し過ぎた場合には一時的に開放される。本実施形態の密閉弁1は、制御信号の種類や大きさに応じてオン・オフ作動(開作動又は閉作動)する二位置切替弁である。
本実施形態の制御装置30は、タンク密閉制御,圧抜き制御,キャニスタパージ制御,タンクパージ制御,第二タンクパージ制御という五種類の制御を実施する。タンク密閉制御及び圧抜き制御は、エンジン21が作動していない状態で実施可能な制御である。これに対し、残りの三種類の制御は、エンジン21の作動中であって、エンジン21の運転状態が比較的安定している場合に実施される。本実施形態では、エンジン21の停止中にタンク密閉制御,圧抜き制御の何れかが実施され、エンジン21の作動中には、キャニスタパージ制御,タンクパージ制御,第二タンクパージ制御の何れかが実施されるものとする。
タンク密閉制御は、エンジン21の停止中に密閉弁1を閉鎖することで、燃料タンク5で発生した燃料蒸気の流出を防止する制御である。このとき、パージ弁3も閉鎖状態に制御される。これにより、燃料タンク5は、エンジン21の吸気通路23に対して密閉弁1とパージ弁3とで二重に遮断される。なお、バイパス弁2の開閉状態は任意であり、本実施形態では開放状態に制御される。
圧抜き制御は、燃料タンク5の内部圧力が大気圧PATMに比して過剰に大きくならないように、密閉弁1とバイパス弁2を開放して燃料タンク5を圧抜きする制御である。圧抜き制御は、燃料タンク5への給油の直前に実施される。このとき、パージ弁3は閉鎖状態に制御される。密閉弁1とバイパス弁2とを開放することで、燃料タンク5からキャニスタ6の大気開放通路9を介して、外部へと向かう空気の流れが生じる。これにより、燃料タンク5のタンク圧Pが低下するとともに、燃料タンク5及びパージ用通路10内に存在する燃料蒸気がキャニスタ6で回収される。
キャニスタパージ制御は、エンジン21の作動中にバイパス弁2を開放し、キャニスタ6に吸着している燃料蒸気を吸気通路23へと吸い込ませることで、キャニスタ6を浄化(パージ)する制御である。キャニスタパージ制御は、エンジン21の安定作動中であって、タンクパージ制御,第二タンクパージ制御が実施されていないときに実施される。なお、本実施形態のキャニスタパージ制御は、少なくとも大気開放通路9の閉塞状態が検出されていない場合に実施されるものとする。
タンクパージ制御,第二タンクパージ制御は、エンジン21の作動中に密閉弁1を開放し、燃料タンク5内の燃料蒸気を吸気通路23へと吸い込ませることで、燃料タンク5をパージ(浄化)する制御である。この制御では、パージ弁3が開放状態に制御されるとともに、バイパス弁2が閉鎖状態に制御される。つまり、吸気通路23に対して燃料タンク5が連通した状態となり、キャニスタ6は遮断される。これにより、パージ用通路10から吸気通路23へと導入される燃料蒸気は、燃料タンク5からの燃料蒸気のみとなるため、燃料蒸気量の推定精度が向上し、エンジン21の制御性が向上する。
A.エンジン21が作動中、かつ、運転状態が安定している
B.タンク圧Pが第一圧力P1以上である(ただしP1<PMAX)
=タンクパージ制御の終了条件=
C.エンジン21が停止、又は、運転状態が安定していない
D.タンク圧Pが第三圧力P3未満である(ただしP3<P1)
E.エンジン21が作動中、かつ、運転状態が安定している
F.直近の給油時からの経過時間が所定時間未満である
G.タンク圧Pが第二圧力P2以上である(ただしP2<P1)
=第二タンクパージ制御の終了条件=
H.エンジン21が停止、又は、運転状態が安定していない
I.タンク圧Pが第四圧力P4未満である(ただしP4<P2,P4<P3)
上記の各種制御を実施するための制御構成として、制御装置30には、検出部31と制御部32とが設けられる。これらは、制御装置30で実行されるプログラムの一部の機能を示すものであり、ソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
本実施形態の制御部32は、検出部31で大気開放通路9の閉塞状態が検出された場合に、密閉弁1を開放する制御を実施する。すなわち、制御部32は閉塞状態が検出されたときの密閉弁1の開放条件を、閉塞状態が検出されないときの密閉弁1の開放条件よりも緩和する機能を持つ。また、制御部32は、大気開放通路9の閉塞状態が検出されたときの密閉弁1の閉鎖条件を、閉塞状態が検出されないときの密閉弁1の閉鎖条件よりも強化する機能を持つ。
図2,図3は、上記の各種制御を実施するための制御手順を例示するフローチャートである。図2はおもにエンジン21の停止中の制御内容に対応し、図3はおもにエンジン21の安定作動中の制御内容に対応する。これらのフロー中の制御フラグFは、タンクパージ制御又は第二タンクパージ制御の実施状況を示すものであり、何れかの制御の実施中にはF=1に設定される。
図2に示すように、まず各種センサ11〜15で検出された情報が制御装置30に入力され(ステップA1)、エンジン21が作動中であるか否かが判定される(ステップA2)。ここで、エンジン21が作動中であればステップA7に進み、停止中ならばステップA3に進む。エンジン21の作動状態は、エンジン回転数Ne,インマニ圧PIM,冷却水温,車速,要求トルク,燃料噴射量,吸入空気量などに基づき、公知の手法を用いて判定される。
ステップA12では、検出部31が大気開放通路9の閉塞状態を検出しているか否かが判定される。ここで、閉塞状態が検出されていなければ、タンクパージ制御の開始条件Bが判定され(ステップA14)、閉塞状態が検出されていれば直近の給油時からの経過時間が所定時間未満であることを条件として(ステップA13)、第二タンクパージ制御の開始条件Gが判定される(ステップA15)。このように、密閉弁1を開放するための条件は、大気開放通路9の閉塞状態に応じて、あるいは、直近の給油時からの経過時間に応じて切り替えられる。
タンクパージ制御の終了条件Dが成立した場合にはタンクパージ制御が終了し(ステップA24)、制御フラグFがF=0に設定されて、この演算周期での制御が終了する。また、第二タンクパージ制御の終了条件Iが成立した場合には第二タンクパージ制御が終了し(ステップA25)、制御フラグFがF=0に設定されて、この演算周期での制御が終了する。
大気開放通路9の閉塞状態に基づく制御について、図4(A)〜(F)を用いて説明する。時刻t0にキャニスタパージ制御の開始条件が成立すると、バイパス弁2,パージ弁3が開放状態に制御され、密閉弁1が閉鎖状態に制御される。このとき、大気開放通路9が閉塞された状態であれば、図4(B)に示すように、大気圧PATMとほぼ同圧力のキャニスタ圧Cが徐々に低下し、インマニ圧PIMに近づくように変化する。このようなキャニスタ圧Cの変化は制御装置30の検出部31で検出される。
(3)また、密閉弁1が開放される閾値としての圧力を、第一圧力P1から第二圧力P2へと低下させることで、より低圧の状態から燃料タンク5の減圧を開始することができる。したがって、部品保護性をさらに向上させることができる。また、減圧の開始閾値を低下させることでタンク圧Pの平均値も低下するため、圧抜き制御の実施時間を短縮することができる。
(5)また、密閉弁1が閉鎖される閾値としての圧力を、第三圧力P3から第四圧力P4へと低下させることで、燃料タンク5がより低圧の状態まで減圧を継続することができる。したがって、部品保護性をさらに向上させることができる。また、減圧の終了閾値を低下させることでタンク圧Pの平均値がさらに低下するため、圧抜き制御の実施時間をより短縮することができる。
(8)なお、キャニスタ圧Cとインマニ圧PIMとに基づいて閉塞状態を検出することで、大気開放通路9の閉塞状態(詰まり具合)を精度よく把握することができる。また、キャニスタ圧Cの比較対象をインマニ圧PIMとすることで、大気圧PATMを参照せずに大気開放通路9の詰まり具合を把握することができ、車両の走行高度の高低に関わらず、大気開放通路9の閉塞状態を高精度に検出することができる。
上述の実施形態では、大気開放通路9の閉塞状態が検出されたときに、タンクパージ制御の開始条件,終了条件を変更することで密閉弁1の開閉状態を制御するものを例示したが、密閉弁1を開閉するための具体的な手法はこれに限定されない。例えば、タンク圧Pを減圧するための圧抜き通路をパージ用通路10とは別設し、圧抜き通路上に介装された第二密閉弁の開閉状態を大気開放通路9の詰まり具合に応じて制御してもよい。この場合、大気開放通路9の詰まりが検出されたときに第二密閉弁を開放することで、燃料タンク5を減圧することができ、部品保護性を向上させることができる。
2 バイパス弁
3 パージ弁
4 リリーフ弁
5 燃料タンク
6 キャニスタ
7 タンク通路
8 キャニスタ通路
9 大気開放通路
10 パージ用通路
30 制御装置
31 検出部
32 制御部
C キャニスタ圧
P タンク圧
PIM インマニ圧
Claims (7)
- 燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するキャニスタと前記燃料タンクとを接続する通路上に密閉弁が介装された密閉タンク式の蒸発燃料処理装置において、
前記キャニスタと外部とを接続する大気開放通路の閉塞状態を検出する検出部と、
前記検出部で前記閉塞状態が検出されたら前記密閉弁を開放し、前記閉塞状態が検出されなければ前記密閉弁を閉鎖する制御部と、を備え、
前記制御部が、前記閉塞状態が検出されたときの前記密閉弁の開放条件を前記閉塞状態が検出されないときの開放条件よりも緩和する
ことを特徴とする、蒸発燃料処理装置。 - 前記制御部は、前記閉塞状態が検出されなければ、前記燃料タンクの圧力が第一圧力以上の場合に前記密閉弁を開放し、前記閉塞状態が検出されたら、前記燃料タンクの圧力が前記第一圧力よりも低い第二圧力以上の場合に前記密閉弁を開放する
ことを特徴とする、請求項1記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記制御部が、前記閉塞状態が検出されたときの前記密閉弁の閉鎖条件を前記閉塞状態が検出されていないときの閉鎖条件よりも強化する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記制御部は、前記閉塞状態が検出されなければ、前記燃料タンクの圧力が第三圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖し、前記閉塞状態が検出されたら、前記燃料タンクの圧力が前記第三圧力よりも低い第四圧力未満の場合に前記密閉弁を閉鎖する
ことを特徴とする、請求項3記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記制御部が、直近の給油時からの経過時間に応じて、前記密閉弁の開閉状態を制御する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記制御部が、前記燃料タンクに残留する燃料量に応じて、前記密閉弁の開閉状態を制御する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記検出部が、前記キャニスタの内圧とエンジンの吸気系圧力とに基づき、前記閉塞状態を検出する
ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。
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JP2015147329A JP6578787B2 (ja) | 2015-07-27 | 2015-07-27 | 蒸発燃料処理装置 |
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JP2015147329A Active JP6578787B2 (ja) | 2015-07-27 | 2015-07-27 | 蒸発燃料処理装置 |
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JPH09264207A (ja) * | 1996-03-29 | 1997-10-07 | Mazda Motor Corp | 蒸発燃料供給系の故障診断装置 |
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