JP6634810B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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(4)また、前記制御装置は、前記密閉弁を一旦閉鎖してから所定時間が経過した場合に、前記密閉弁及び前記バイパス弁を開放することが好ましい。
(6)前記制御装置は、前記エンジンの作動中に前記密閉弁を閉鎖するとともに前記バイパス弁を開放し、前記キャニスタに吸着した前記蒸発燃料を前記吸気系に吸入させるキャニスタパージ制御を実施するものであって、前記大気開放後には、前記キャニスタパージ制御を強制的に実施することが好ましい。
本実施形態の蒸発燃料処理装置が適用された車両の構成を図1に例示する。この車両は、走行用モータの駆動力で走行するEV(Electric Vehicle)モードと、エンジン20の駆動力を使用(又は併用)して走行するHEV(Hybrid Electric Vehicle)モードとを備えたハイブリッド車両である。エンジン20の作動時には、燃料タンク5の内部から燃料がポンプで吸い上げられ、車両の走行状態に応じた量の燃料がインジェクタ21から噴射される。また、吸入空気量は、吸気通路22(吸気系)に介装されたスロットルバルブ23で制御される。
密閉弁1は、燃料タンク5を密閉するための電磁制御弁であり、タンク通路7とキャニスタ通路8との分岐点よりも燃料タンク5に近い位置に配置される。密閉弁1は、基本的には常にタンク通路7を閉鎖して、燃料タンク5の密閉状態を維持するように機能する。密閉弁1は、給油時には開放されて、燃料タンク5を圧抜きする。また、密閉弁1は、エンジン20の作動中に燃料タンク5の内部圧力が上昇し過ぎた場合にも一時的に開放される。本実施形態の密閉弁1は、制御信号に応じてオン・オフ作動(開作動又は閉作動)する二位置切替弁である。
本実施形態の制御装置30は、密閉制御,圧抜き制御,高圧パージ制御,キャニスタパージ制御,大気開放制御という五種類の制御を実施する。エンジン20が作動していない状態では、密閉制御,圧抜き制御,大気開放制御が実施可能であり、エンジン20の作動中では、五種類の制御が実施可能である。
密閉制御は、エンジン20の停止中に密閉弁1を閉鎖することで、燃料タンク5で発生した燃料蒸気の流出を防止する制御である。このとき、パージ弁3も閉鎖状態に制御される。これにより、燃料タンク5は、エンジン20の吸気通路22に対して密閉弁1とパージ弁3とで二重に遮断される。なお、バイパス弁2の開閉状態は任意であり、本実施形態では開放状態に制御される。
圧抜き制御は、燃料タンク5の内部圧力が大気圧PATMに比して過剰に大きくならないように、密閉弁1とバイパス弁2を開放して燃料タンク5を圧抜きする制御である。圧抜き制御は、燃料タンク5への給油の直前に実施される。このとき、パージ弁3は閉鎖状態に制御される。密閉弁1とバイパス弁2とを開放することで、燃料タンク5からキャニスタ6の大気開放通路9を介して、外部へと向かうガスの流れが生じる。これにより、燃料タンク5のタンク圧Pが低下するとともに、燃料タンク5及びパージ用通路10内に存在する燃料蒸気がキャニスタ6で回収される。
キャニスタパージ制御は、エンジン20の作動中にバイパス弁2を開放し、キャニスタ6に吸着している蒸発燃料を吸気通路22へと吸い込ませることで、キャニスタ6を浄化(パージ)する制御である。キャニスタパージ制御は、エンジン20の作動中、かつ、運転状態が安定している場合であって、高圧パージ制御及び大気開放制御が実施されていないときに実施される。
高圧パージ制御は、エンジン20の作動中に密閉弁1を開放し、燃料タンク5内の燃料蒸気を吸気通路22へと吸い込ませることで、燃料タンク5をパージ(浄化)する制御である。この制御では、パージ弁3が開放状態に制御されるとともに、バイパス弁2が閉鎖状態に制御される。つまり、吸気通路22に対して燃料タンク5が連通した状態となり、キャニスタ6は遮断される。これにより、パージ用通路10から吸気通路22へと導入されるパージガスは、燃料タンク5からの燃料蒸気のみとなる。高圧パージ制御においても、空燃比に基づいてパージ弁3の開度が制御される。
A.エンジン20が作動中、かつ、運転状態が安定している
B.タンク圧Pが第一圧力P1(パージ圧)以上である(ただしP1<PMAX)
=高圧パージ制御の終了条件=
C.エンジン20が停止、又は、運転状態が安定していない
D.タンク圧Pが第三圧力P3未満である(ただしP3<P1)
大気開放制御は、タンク圧Pが異常に高圧となった場合にバイパス弁2を開放し、燃料タンク5を大気開放させることで内部圧力を低下させる制御である。この制御では、大気開放時(すなわちバイパス弁2の開放時)に密閉弁1が開放状態に制御されるとともに、パージ弁3が閉鎖状態に制御される。これにより、燃料タンク5からキャニスタ6の大気開放通路9を介して、外部へと向かうガスの流れが生じ、タンク圧Pが低下するとともに燃料タンク5及びパージ用通路10内に存在する燃料蒸気がキャニスタ6で回収される。なお、大気開放制御中のエンジン20の作動状態は任意であり、本実施形態では大気開放前には作動状態に制御される。
=大気開放制御の開始条件=
a.タンク圧Pが第二圧力P2(開放圧)以上である(ただし、P1<PMAX<P2)
=大気開放制御の終了条件=
b.タンク圧Pが第四圧力P4未満である(ただし、P1<P4<P2)
=燃料タンクの大気開放条件=
c.密閉弁1を閉鎖してからのパージガス量Qpが所定量Qp0以上である
d.密閉弁1を閉鎖してから所定時間が経過した
上記の各種制御を実施するための制御構成として、制御装置30には、高圧パージ制御部31,大気開放制御部32,キャニスタパージ制御部33が設けられる。これらは、制御装置30で実行されるプログラムの一部の機能を示すものであり、ソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子制御回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
図2,図3は、上記の各種制御を実施するための制御手順を例示するフローチャートである。図2はおもにエンジン20の停止中の制御内容に対応し、図3はおもにエンジン20の安定作動中の制御内容に対応する。これらのフロー中の制御フラグFは、高圧パージ制御の実施状況を示すものであり、制御の実施中にはF=1に設定される。また、制御フラグGはキャニスタパージ制御を強制実施するか否かをチェックするためのものであり、強制実施する場合にはG=1に設定される。
大気開放制御について、図4を用いて説明する。図4(a)〜(d)に示すように、キャニスタパージ制御中にタンク圧Pが上昇し、時刻t1にタンク圧Pが第一圧力P1以上になると、高圧パージ制御の開始条件が成立する。そのため、時刻t1に密閉弁1及びパージ弁3が開放状態に制御され、バイパス弁2が閉鎖状態に制御される。
(2)また、高圧パージ制御の実施中にタンク圧Pが第二圧力P2以上となった場合には、バイパス弁2が開放されて燃料タンク5が大気開放されることから、高圧パージ制御では減圧し切れなかった燃料タンク5の内部圧力を確実に低下させることができる。これにより、燃料タンク5の保護性を高めることができる。
(6)また、密閉弁1を一旦閉鎖してから所定時間が経過したら、パージガス量Qpにかかわらず密閉弁1及びバイパス弁2が開放される。すなわち、大気開放前に密閉弁1を閉鎖させておく最大の時間(所定時間)が設定されているため、タンク圧Pの更なる上昇を抑制することができ、燃料タンク5の保護性をより高めることができる。
(8)また、大気開放制御を実施することでキャニスタ6に吸着する蒸発燃料量が増大するが、上述の蒸発燃料処理装置では、大気開放後に強制的にキャニスタパージ制御が実施されるため、キャニスタ6に吸着した蒸発燃料を吸気系にパージすることができ、キャニスタ6を浄化することができる。
上述の実施形態では、大気開放制御中であって大気開放前にエンジン20が作動している場合を例示したが、エンジン20の作動状態は特に限られず、例えば大気開放制御の開始条件が成立した場合にエンジン20を停止させてもよい。この場合は、密閉弁1に加えてパージ弁3も閉鎖状態に制御することが好ましい。密閉弁1を閉鎖することで、上述の実施形態と同様、燃料タンク5からの圧力が直接的にバイパス弁2に作用しないようにすることができる。また、パージ弁3も閉鎖することで、タンク通路7内の燃料蒸気がキャニスタ6を通過せずに大気中に放出されることを防ぐことができる。
また、上述の実施形態では、大気開放制御後に強制的にキャニスタパージ制御を実施しているが、強制的にキャニスタパージ制御を実施させるのではなく、キャニスタパージ制御が実施される機会を待ってもよい。
上述の実施形態では、大気開放制御の開始条件が成立して密閉弁1を閉鎖した場合に、条件c,dの何れかが成立したら密閉弁1及びバイパス弁2を開放しているが、条件c,dの代わりに、タンク通路7内の圧力やタンク圧Pに基づいて密閉弁1及びバイパス弁2を開放するタイミングを決定してもよい。例えば、条件cに代えて、密閉弁1を一旦閉鎖したのちのタンク通路7内の圧力が所定圧力まで低下することを条件としてもよい。また、条件dに代えて、密閉弁1を一旦閉鎖してからのタンク圧Pが所定圧力に達することを条件としてもよい。
2 バイパス弁
3 パージ弁
5 燃料タンク
6 キャニスタ
7 タンク通路
8 キャニスタ通路
9 大気開放通路
10 パージ用通路
20 エンジン
22 吸気通路(吸気系)
30 制御装置
31 高圧パージ制御部
32 大気開放制御部
33 キャニスタパージ制御部
P タンク圧(内部圧力)
P1 第一圧力(パージ圧)
P2 第二圧力(開放圧)
P3 第三圧力
P4 第四圧力
Claims (6)
- 燃料タンクで発生する蒸発燃料を吸着するとともに大気開放されたキャニスタと、
前記燃料タンクとエンジンの吸気系とを接続するタンク通路と、
前記タンク通路から前記キャニスタに向かって分岐形成されたキャニスタ通路と、
前記タンク通路における分岐点よりも前記燃料タンクに近い位置に介装された密閉弁と、
前記分岐点又は前記キャニスタ通路上に介装されたバイパス弁と、
前記燃料タンクの内部圧力に応じて前記密閉弁及び前記バイパス弁を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記内部圧力が所定の開放圧以上となった場合には、前記密閉弁及び前記バイパス弁を開放状態に制御して前記燃料タンクを大気開放し、
前記エンジンの作動中であって前記内部圧力が前記開放圧よりも低いパージ圧以上のときに前記密閉弁を開放するとともに前記バイパス弁を閉鎖し、前記燃料タンク内の前記蒸発燃料を前記吸気系に吸入させる高圧パージ制御を実施するとともに、前記高圧パージ制御中に前記内部圧力が前記開放圧以上となった場合には、前記バイパス弁を開放して前記燃料タンクを大気開放し、
前記燃料タンクの大気開放前に前記密閉弁を一旦閉鎖して前記高圧パージ制御を中止し、前記バイパス弁と前記密閉弁とを開放する
ことを特徴とする、蒸発燃料処理装置。 - 前記タンク通路における前記分岐点よりも前記吸気系に近い位置に介装されたパージ弁を備え、
前記制御装置は、前記大気開放前であって前記密閉弁を一旦閉鎖したときに前記エンジンが作動中であれば、前記パージ弁を開放状態に制御する
ことを特徴とする、請求項1記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記制御装置は、前記密閉弁を一旦閉鎖したのちに前記吸気系に吸入されたパージガス量に基づいて、前記バイパス弁の開放タイミングを決定する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記制御装置は、前記密閉弁を一旦閉鎖してから所定時間が経過した場合に、前記密閉弁及び前記バイパス弁を開放する
ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記タンク通路における前記分岐点よりも前記吸気系に近い位置に介装されたパージ弁を備え、
前記制御装置は、前記燃料タンクの大気開放時に前記パージ弁を閉鎖する
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。 - 前記制御装置は、
前記エンジンの作動中に前記密閉弁を閉鎖するとともに前記バイパス弁を開放し、前記キャニスタに吸着した前記蒸発燃料を前記吸気系に吸入させるキャニスタパージ制御を実施するものであって、
前記大気開放後には、前記キャニスタパージ制御を強制的に実施する
ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の蒸発燃料処理装置。
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