JP6640544B2 - 発光モジュール、灯具および発光素子用回路基板 - Google Patents

発光モジュール、灯具および発光素子用回路基板 Download PDF

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Description

本発明は、発光モジュール、灯具および発光素子用回路基板に関する。
近年になって、発光素子である発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を光源として用いた灯具が実用化されている。これらの従来技術では、複数のLEDからの光を均一化するとともに、外部から個々のLEDを視認できないようにするため、回路基板上に搭載したLEDからの光を反射鏡で反射させて前方に光を取り出している(特許文献1−3)。
特許文献1では、回路基板の上下面に複数のLEDパッケージを搭載して、LEDパッケージからの光を回路基板の上方および下方に設けた反射鏡で前方に反射させることで、回路基板上での実装面積を有効に利用して光源部分をコンパクトにしている。特許文献2では、支持用基板上にLEDを実装して、放熱板が設けられた支持体上に支持用基板とLEDを搭載し、複数の支持体を上方または下方に向けてリフレクターと組み合わせることで、支持体とリフレクターを一体にしている。特許文献3では、回路基板の一方の面に回路パターンを形成して複数のLEDを搭載し、リフレクターが設けられる領域において回路パターンの面積を大きくすることで放熱効率を向上させている。
特開2003−100114号公報 特開2013−131316号公報 特開2015−032472号公報
しかし特許文献1では、リードピンを基板に挿入して実装する挿入実装型のLEDパッケージを用いており、LEDの実装密度を高くして光量を確保することや放熱効率を向上させることは困難であった。また特許文献2では、放熱板が設けられた支持体とリフレクターを一体化して放熱性を向上させているが、支持用基板の一方の面にしかLEDを搭載できず、LEDの実装密度を高くすることが困難であった。また特許文献3では、回路基板を放熱板に搭載しているため、回路基板の一方の面にしかLEDを搭載できず実装密度を高くすることが困難であった。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、複数のLEDを高密度に実装できるとともに放熱性を向上させることが可能な発光モジュール、灯具および発光素子用回路基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の発光モジュールは、支持基材の一方の面および他方の面に複数のパターンが形成された搭載基板と、前記パターンの搭載領域表面に搭載された複数の発光素子を備え、前記パターンは、前記一方の面に形成され前記発光素子が搭載された第一の搭載領域と、前記他方の面の前記第一の搭載領域に対応する位置に形成された第一の非搭載領域と、前記他方の面に形成され前記発光素子が搭載された第二の搭載領域と、前記一方の面の前記第二の搭載領域に対応する位置に形成された第二の非搭載領域とを有し、前記第一の非搭載領域および前記第二の非搭載領域は前記支持基材よりも熱伝導率が高い材料で形成され、前記第一の搭載領域と前記第二の非搭載領域が隣接して形成され、前記第一の搭載領域と、前記第二の搭載領域とは、平面視で互いに重なり合うラップ領域を有していることを特徴とする。
このような本発明の発光モジュールでは、搭載基板の一方の面では搭載領域と非搭載領域が隣接して形成され、搭載領域の裏面側は支持基材よりも熱伝導率が高い非搭載領域となるため、両面に発光素子を搭載して高密度な実装を実現しつつ、非搭載領域からの放熱性を向上させることができる。
前記第一の搭載領域の面積は、前記第一の非搭載領域の面積よりも大きくしてもよい。
前記第一の非搭載領域および前記第二の非搭載領域が導電性材料により形成され、前記支持基材を貫通する第一の貫通接続によって前記第一の搭載領域と前記第一の非搭載領域とが電気的に接続され、前記支持基材を貫通する第二の貫通接続によって前記第二の搭載領域と前記第二の非搭載領域とが電気的に接続されるとしてもよい。
また、本発明の灯具は、前記発光モジュールを備えたことを特徴としている。
また、本発明の発光素子用回路基板は、支持基材の一方の面および他方の面に複数のパターンが形成された発光素子用回路基板であって、前記パターンは、前記一方の面に形成され発光素子が搭載される第一の搭載領域と、前記他方の面の前記第一の搭載領域に対応する位置に形成された第一の非搭載領域と、前記他方の面に形成され前記発光素子が搭載される第二の搭載領域と、前記一方の面の前記第二の搭載領域に対応する位置に形成された第二の非搭載領域とを有し、前記第一の非搭載領域および前記第二の非搭載領域は支持基材よりも熱伝導率が高い材料で形成され、前記第一の搭載領域と前記第二の非搭載領域が隣接して形成され、前記第一の搭載領域と、前記第二の搭載領域とは、平面視で互いに重なり合うラップ領域を有していることを特徴としている。
このような本発明の発光素子用回路基板でも、一方の面では搭載領域と非搭載領域が隣接して形成され、搭載領域の裏面側は支持基材よりも熱伝導率が高い非搭載領域となるため、両面に発光素子を搭載して高密度な実装を可能としながらも、非搭載領域からの放熱性を向上させることができる。
本発明では、複数のLEDを高密度に実装できるとともに放熱性を向上させることが可能な発光モジュール、灯具および発光素子用回路基板を提供できる。
第1実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。 搭載基板20に形成されたパターン12を詳細に説明するための図であり、図2(a)は表面側11aを示し、図2(b)は裏面側11bを示した模式平面図である。 搭載基板20に形成された搭載領域12aと非搭載領域12bの位置関係を示す模式平面図である。 発光モジュール1を用いた車両用灯具2の概略を示す模式正面図である。 発光モジュール1を用いた車両用灯具2の概略を示す模式断面図であり、図4のA−A位置での断面を示している。 第2実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。 搭載領域12aと非搭載領域12bの面積比を変えた場合の搭載基板20表面と裏面の到達温度を比較するシミュレーション結果である。 図7に示したシミュレーション結果のうち、搭載基板20のLED1〜6を実装領域の到達温度をプロットしたグラフである。 第3実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。 第4実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。 第5実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。本実施形態の発光モジュール1は、支持基材11、パターン12、貫通接続13および発光素子14を備えている。
支持基材11は、表面側11aと裏面側11bにパターン12が形成されて搭載基板20を構成しており、搭載基板20は発光素子14を搭載して回路を構成するための回路基板である。支持基材11を構成する材料としては、通常のプリント配線基板として用いられるものであればよく、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁材料や、金属板の表裏面に絶縁膜を形成したもの、フレキシブル基板などであってもよい。
パターン12は、支持基材11の表面側11aと裏面側11bに形成された図形であり、発光素子14が搭載される搭載領域12aと、発光素子14が搭載されない非搭載領域12bとが形成されている。搭載領域12aは、発光素子14に対して電流を供給するための導電経路であるため、導電性材料で形成されている。非搭載領域12bは、支持基材11よりも熱伝導率が高い材料で形成されており、導電性材料で形成されても非導電性材料で形成されてもよい。後述するように非搭載領域12bを発光素子14への給電経路の一部として用いるためには、非搭載領域12bを導電性材料で形成することが好ましい。
搭載領域12aと非搭載領域12bとは、支持基材11の両面でそれぞれ対応する位置に形成されて一対のパターンを構成している。ここで、両面で対応する位置とは、支持基材11の一方の面に形成された搭載領域12aと、他方の面に形成された非搭載領域12bとが、支持基材11を平面視したときに重なる領域を有することを意味する。また、支持基材11の表面側11aまたは裏面側11bにおいて、搭載領域12aと非搭載領域12bは隣接して形成されている。
貫通接続13は、支持基材11を貫通して搭載領域12aと非搭載領域12bとを熱的に接続するための部材であり、非搭載領域12bが導電性材料で形成されている場合には両者を電気的にも接続する。貫通接続13の形成位置は限定されないが、図1に示すように発光素子14が実装された領域の周囲に形成することで、発光素子14の実装領域の平坦性に影響を与えずに、発光素子14からの発熱を効率的に非搭載領域12b側に伝達できる。貫通接続13の形成は、支持基材11を貫通する孔に導電性材料を形成したスルーホールやビア等の公知の技術を用いることができる。
発光素子14は、搭載領域12aに搭載されて電流供給により発光する素子であり、発光ダイオードや有機EL、半導体レーザなどが挙げられる。発光素子14の形状はどのようなものでもよいが、実装密度と放熱性を向上させるためには表面実装型のものを用いることが好ましい。灯具や照明用途に用いるためには、発光素子14は白色を発光することが好ましいが、RGBの各色を発光するものであっても他の色を発光するものであってもよい、
図2は、搭載基板20に形成されたパターン12を詳細に説明するための図であり、図2(a)は表面側11aを示し、図2(b)は裏面側11bを示した模式平面図である。図2(a)および図2(b)に示したように、表面側11aと裏面側11bの両面に搭載領域12aと非搭載領域12bが交互に一列に形成されている。また、搭載領域12aの面積は、非搭載領域12bの面積よりも大きく形成されている。ここでは搭載領域12aと非搭載領域12bとが一次元的に配列された例を示しているが、マトリックス状や直並列接続などの二次元的な配置としてもよい。
図1でも述べたように、搭載領域12aには複数の貫通接続13が発光素子14を取り囲むように形成されている。搭載領域12aのうち発光素子14が実装される領域には、カソード用ランド(図示省略)が形成されており、発光素子14のカソードがハンダなどにより電気的に接続されている。発光素子14のアノードは、配線パターン15に形成されたアノード用ランド(図示省略)に接続されている。また搭載領域12aと非搭載領域12bには、搭載基板20の外部に設けられた図示しない駆動回路から発光素子14に対して電流が供給される。配線パターン15は、支持基材11上の非搭載領域12bから延伸して形成された導電性パターンである。本実施形態ではカソード側のパターンに貫通接続13を設けて、搭載領域12aから非搭載領域12bに対して熱を伝達する構成としているが、搭載する発光素子14のアノード側からの放熱を重視する場合には、非搭載領域12bのパターン形状を適宜変更したうえでアノード側に貫通接続13を設けるとしてもよい。
搭載領域12aに対応した他方の面に形成された非搭載領域12bは、貫通接続13によって搭載領域12aと電気的に接続されて電位が等しくされている。したがって、アノード用ランドとカソード用ランドに発光素子14を実装することで、複数の発光素子14は直列接続される。また、導電性パターンを適宜組み合わせることで、発光素子を並列接続することもできる。
図3は、搭載基板20に形成された搭載領域12aと非搭載領域12bの位置関係を示す模式平面図である。図3は搭載基板20の表面側11aから見た図であり、表面側11aに形成された搭載領域12a、非搭載領域12bおよび配線パターン15を実線で表し、裏面側11bに形成された搭載領域12a、非搭載領域12bおよび配線パターン15を破線で表している。搭載領域12aの面積が非搭載領域12bよりも大きく形成されているため、表面側11aと裏面側11bに形成された搭載領域12a同士は、平面視したときに図3中にハッチングを施したラップ領域12cで重なり合っている。
発光モジュール1の外部から電流および駆動信号が供給されると、駆動回路は配線パターン15を介して電流を供給して発光素子14を発光させる。発光素子14では発光にともなって熱が発生するが、発生した熱は搭載領域12aの全体に伝達されて表面から放熱される。また、搭載領域12aに対応する位置に形成された非搭載領域12bは、支持基材11よりも熱伝導率が高い材料で形成されているため、貫通接続13を介して伝達された熱は支持基材11を伝達するよりも良好に非搭載領域12bの全体に伝達されて放熱される。これにより、搭載基板20の表面側11aと裏面側11bの両面に発光素子14を実装して実装密度を向上させつつ、両面から放熱して放熱性を向上させることができる。
このとき、発光素子14に近い搭載領域12aからの放熱は、貫通接続13を介して搭載基板20の裏面側に熱が伝わる非搭載領域12bからの放熱よりも効果が大きい。したがって、搭載領域12aの面積を非搭載領域12bよりも大きくすることで、さらに発光素子14からの放熱効率を向上させることができる。また、非搭載領域12bの周縁領域では発光素子14からの伝熱経路が長くなり、放熱に寄与する度合いが比較的小さくなることから、周縁部分を除去することでパターン12全体の重量を軽減することができる。また、表面側11aと裏面側11bに形成された搭載領域12aがラップ領域12cにおいて平面視で重なりあうようにすることで、ラップ領域12cで重ならないような位置関係よりも搭載基板20の同じ面における搭載領域12aと非搭載領域12bとの距離を近づけることができ、発光素子14の実装密度を向上させつつ放熱性を向上することができる。発光素子14の実装密度と放熱性を向上させることで、搭載基板20と発光モジュール1の小型化を図ることが可能となる。
上述した発光モジュール1を用いた灯具として、図4,5に車両用灯具に用いた例を示す。図4は発光モジュール1を用いた車両用灯具2の概略を示す模式正面図である。図5は発光モジュール1を用いた車両用灯具2の概略を示す模式断面図であり、図4のA−A位置での断面を示している。なお、ここでは車両用灯具を一例として示すが、天井照明や懐中電灯などの各種照明器具として用いることもできる。
図4に示すように、車両用灯具2はハイビームユニット21、ロービームユニット22、サイドターンシグナルランプ23、クリアランスランプ24などの複数の光源ユニットを備えたヘッドランプである。本実施形態ではロービームユニット22に前述した発光モジュール1を用いた例を示し、図4中のA−A位置での断面図を図5に示す。本実施形態ではロービームユニット22として発光モジュール1を用いた例を示すが、用途はロービームユニット22に限定されずハイビームユニット21等の他の光源ユニットに用いてもよい。
図5に示すように、ロービームユニット22は、ランプボディー31、アウターカバー32、アジャスティングスクリュー33、ブラケット34、上側リフレクター35a、下側リフレクター35b、取付けリブ35c、エクステンション36、駆動回路37を備えている。また、搭載基板20と発光素子14を有する発光モジュール1が内部に収容されている。
ランプボディー31は、ロービームユニット22の外形を構成する筐体であり、内部に描く部材を収容するとともに前面にアウターカバー32が取り付けられる。アウターカバー32は、発光素子14からの光を外部前方に取り出すための部材であり、透光性材料で構成されてランプボディー31の前面を覆って内部を保護している。アジャスティングスクリュー33は、ランプボディー31の後面に設けられた孔に挿入されて、その先端にはランプボディー31の内部でブラケット34が取り付けられている。
ブラケット34には上側リフレクター35aの取付けリブ35cと、下側リフレクター35bの取付けリブ35cと、搭載基板20が取り付けられている。上側リフレクター35aは、搭載基板20の上側に搭載された発光素子14からの光を前方に反射するための反射面35dが形成され、下側リフレクター35bは、搭載基板20の下側に搭載された発光素子14からの光を前方に反射するための反射面35eが形成されている。
前述したように搭載基板20の外部に設けられた駆動回路は、外部からの電流供給と制御信号に応じて発光素子14を発光させる。搭載基板20の両面に搭載された発光素子14からの光は、それぞれ上側リフレクター35aと下側リフレクター35bで反射されてアウターカバー32から前方に照射される。
ロービームユニット22では、ランプボディー31の後方に取付けられたアジャスティングスクリュー33を外部から回転させることで、ロービームユニット22内部でブラケット34の向きを調整して上側リフレクター35aと下側リフレクター35bの向きを調整し、光の照射方向を微調整する。本実施形態では、ブラケット34を用いる構造例を示したが、従来から公知のブラケットを用いない構造としてもよい。
本実施の形態の車両用灯具2では、搭載基板20を一枚にして両面に発光素子14を搭載しているので、コストダウンと同時に軽量化を図ることができる。また、複数の搭載基板を組み付ける工程が無くなるため、組立工程を低減して製造工程の短縮化を図るとともに、組み付け誤差を無くして配光パターンの精度を向上させることができる。また、発光素子14の実装密度を向上させつつ放熱性を向上することができる。また、搭載基板20の両面に発光素子14を実装するため、発光素子14で生じた熱を搭載基板20の両面に分散して放熱することができ、基板の反りを低減できる。これにより、車両用灯具2での発光素子14の位置ずれを防止することができ、光学部材との位置関係のずれを低減できるため適切な配光を投射することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図6から図8を用いて説明する。本実施形態では、搭載領域12aと非搭載領域12bの面積比が第1実施形態と異なっており、他の構成は第1実施形態と同様であるから重複する説明は省略する。図6は本発明の第2実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。
図6に示すように、本実施形態の発光モジュール3も、支持基材11の表面側11aと裏面側11bとに搭載領域12aと非搭載領域12bがそれぞれ対応する位置に形成され、一方の面においては搭載領域12aと非搭載領域12bとが隣接して交互に設けられている。本実施形態では、搭載領域12aと非搭載領域12bの面積は略同程度とされており、その形状と配置もほぼ同一とされている。したがって、平面視したときに重なりあうラップ領域が形成されない。
図7は、搭載領域12aと非搭載領域12bの面積比を変えた場合の搭載基板20表面と裏面の到達温度を比較するシミュレーション結果である。図7(a)は搭載領域12aと非搭載領域12bの面積比a:bを5:5とした場合を示し、図7(b)はa:b=6:4とした場合を示し、図7(c)はa:b=7:3を示し、図7(d)はa:b=8:2とした場合を示し、図7(e)はa:b=10:0とした場合を示している。ここで図7(e)の10:0では、非搭載領域12bおよび貫通接続13を形成しない例である。熱流体シミュレーションは面積比以外の条件を各例で一致させて計算しており、いずれの結果においても、搭載基板20の表面側11aを上段に示し裏面側11bを下段に示しており、上段および下段の左側から順にLED1からLED6を発光素子14として用いた例を計算した。
図8は、図7に示したシミュレーション結果のうち、搭載基板20のLED1〜6を実装した領域の到達温度Tb1〜Tb6をプロットしたグラフである。図7,8に示したように、搭載基板20の両端に位置するLED1,6の到達温度が一番低く、中央に位置するLED3,4の到達温度が一番高く、それらの中間に位置するLED2,5は中間の温度となっている。いずれの例においても、搭載領域12aと非搭載領域12bの全体に熱が良好に伝導されており、放熱性が向上していることがわかる。
発光素子14は、温度によって発光波長や発光効率が変化する傾向があるため、発光モジュール1内での温度分布の差は小さいほうが好ましい。図7,8に示されたように、面積比a:bの差が大きくなるほどLED1,6の到達温度とLED3,4の到達温度の差が小さくなっており、搭載基板20全体の温度分布の差も小さくできている。また、面積比a:bの差が大きくなるほどLED2〜5の到達温度が低くなっており、発光モジュール1全体としての放熱性が向上していることがわかる。
しかし、図7(e)に示した10:0の例では搭載領域12aの面積を常に最大にする必要があり、現実の配線パターンで常に実現できるとは限らない。そのため、非搭載領域12bを設けることで搭載基板20の表裏面を有効に利用して放熱に用いることができ、少なくとも面積比a:bが8:2程度となるような非搭載領域12bの面積を確保することが好ましい
以上述べたように、本実施形態の図6に示した搭載領域12aと非搭載領域12bの面積比が5:5の場合であっても、発光素子14での発光にともなって発生した熱は、搭載領域12aの全体に伝達されて表面から放熱され、貫通接続13を介して伝達された熱は非搭載領域12bの全体で良好に放熱される。これにより、搭載基板20の表面側11aと裏面側11bの両面に発光素子14を実装して実装密度を向上させつつ、両面から放熱して放熱性を向上させることができる。
また、搭載領域12aの面積を非搭載領域12bよりも大きくすると、さらに発光素子14からの放熱効率を向上させることができる。この場合、非搭載領域12bから放熱に対する寄与が小さい周縁部分を除去することができ、パターン12全体の重量を軽減することができる。表面側11aと裏面側11bに形成された搭載領域12aがラップ領域12cにおいて平面視で重なりあうようにすることで、搭載基板20の同じ面における搭載領域12aと非搭載領域12bとの距離を近づけることができ、発光素子14の実装密度を向上させつつ放熱性を向上することができる。発光素子14の実装密度と放熱性を向上させることで、搭載基板20と発光モジュール1の小型化を図ることが可能となる。
また、搭載基板20の両面に発光素子14を実装するため、発光素子14で生じた熱を搭載基板20の両面に分散して放熱することができ、基板の反りを低減できる。これにより、車両用灯具2での発光素子14の位置ずれを防止することができ、光学部材との位置関係のずれを低減できるため適切な配光を投射することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図9を用いて説明する。本実施形態では、支持基材11の表面側11aと裏面側11bに設ける搭載領域12aと非搭載領域12bとの配置が第1実施形態と異なっており、他の構成は第1実施形態と同様であるから重複する説明は省略する。図9は本発明の第3実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。
図9に示すように、本実施形態の発光モジュール4も、搭載基板20の表面側11aと裏面側11bとに搭載領域12aと非搭載領域12bがそれぞれ対応する位置に形成され、搭載領域12aと非搭載領域12bとが隣接した配置と、搭載領域12a同士や非搭載領域12b同士が隣接した配置とが混在している。本実施形態では、搭載領域12aの面積が非搭載領域12bの面積よりも大きく、平面視で搭載領域12a同士が重なりあうラップ領域が形成されている。
本実施形態でも、発光素子14での発光にともなって発生した熱は、搭載領域12aの全体に伝達されて表面から放熱され、貫通接続13を介して伝達された熱は非搭載領域12bの全体で良好に放熱される。これにより、搭載基板20の表面側11aと裏面側11bの両面に発光素子14を実装して実装密度を向上させつつ、両面から放熱して放熱性を向上させることができる。
また、搭載領域12aの面積が非搭載領域12bよりも大きいので、非搭載領域12bから放熱に対する寄与が小さい周縁部分を除去することができ、パターン12全体の重量を軽減することができる。また、少なくとも1箇所で搭載領域12aと非搭載領域12bとを隣接して設けて、搭載領域12a同士がラップ領域12cにおいて平面視で重なりあうようにすることで、搭載基板20の同じ面における搭載領域12aと非搭載領域12bとの距離を近づけることができ、発光素子14の実装密度を向上させつつ放熱性を向上することができる。発光素子14の実装密度と放熱性を向上させることで、搭載基板20と発光モジュール1の小型化を図ることが可能となる。
また、搭載基板20の両面に発光素子14を実装するため、発光素子14で生じた熱を搭載基板20の両面に分散して放熱することができ、基板の反りを低減できる。これにより、車両用灯具2での発光素子14の位置ずれを防止することができ、光学部材との位置関係のずれを低減できるため適切な配光を投射することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図10を用いて説明する。本実施形態では、支持基材11の表面側11aと裏面側11bに設ける搭載領域12aと非搭載領域12bとの間に貫通接続13を設けない点が第2実施形態と異なっており、他の構成は第2実施形態と同様であるから重複する説明は省略する。図10は本発明の第4実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。
図10に示すように、本実施形態の発光モジュール5も、搭載基板20の表面側11aと裏面側11bとに搭載領域12aと非搭載領域12bがそれぞれ対応する位置に形成され、一方の面においては搭載領域12aと非搭載領域12bとが隣接して交互に設けられている。本実施形態では、表面側11aと裏面側11bの対応する位置に形成された搭載領域12aと非搭載領域12bとの間では、搭載基板20で熱が伝わる。
本実施形態で示したように、搭載領域12aと非搭載領域12bとの間に貫通接続13を形成しない場合であっても、搭載領域12aと非搭載領域12bとが表面側11aと裏面側11bの対応する位置に形成されているため、発光素子14で生じた熱は非搭載領域12bに対して伝達されて放熱される。非搭載領域12bは、支持基材11よりも熱伝導率が高い材料で形成されるので、搭載基板20のみで発光素子14の裏側から放熱するよりも放熱効率が向上する。これにより、搭載基板20の表面側11aと裏面側11bの両面に発光素子14を実装して実装密度を向上させつつ、両面から放熱して放熱性を向上させることができる。
また、搭載基板20の両面に発光素子14を実装するため、発光素子14で生じた熱を搭載基板20の両面に分散して放熱することができ、基板の反りを低減できる。これにより、車両用灯具2での発光素子14の位置ずれを防止することができ、光学部材との位置関係のずれを低減できるため適切な配光を投射することが可能となる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図11を用いて説明する。本実施形態では、非搭載領域12bと貫通接続13を設けない点が第1実施形態と異なっており、第2実施形態で図7(e)に示した面積比a:bを10:0とした場合に相当している。図11は本発明の第5実施形態に係る発光モジュールを示す模式断面図である。
図11に示すように、本実施形態の発光モジュール6でも、支持基材11の表面側11aと裏面側11bとに搭載領域12aが形成され、平面視で搭載領域12a同士が重なりあうラップ領域が形成されている。図11に示したように、搭載領域12aは裏面側に搭載された発光素子14の直下付近まで延在している。第4実施形態では、貫通接続13を形成しないため非搭載領域12bが電気的にフロートされた構成となるが、本実施形態では、非搭載領域12bを形成する場合と同等のパターン面積を搭載領域12aが確保でき、放熱効率を維持したまま電気的にフロートした領域を低減することができる。
本実施形態でも、搭載領域12aと非搭載領域12bとが平面視で搭載領域12a同士が重なりあうラップ領域が形成されているため、搭載基板20の同じ面における搭載領域12aの距離を近づけることができ、発光素子14の実装密度を向上させつつ放熱性を向上することができる。発光素子14の実装密度と放熱性を向上させることで、搭載基板20と発光モジュール1の小型化を図ることが可能となる。
また、貫通接続13が不要であり搭載基板20に形成されるパターン12を簡素化でき、製造工程の簡略化とコスト低減を図ることが可能となる。また、第2実施形態の図7(e)および図8に示したように、搭載基板20上に搭載した発光素子14の温度を均一化することができ、車両用灯具2に用いた場合にも路面に対する配光ムラを低減することができる。
また、搭載基板20の両面に発光素子14を実装するため、発光素子14で生じた熱を搭載基板20の両面に分散して放熱することができ、基板の反りを低減できる。これにより、車両用灯具2での発光素子14の位置ずれを防止することができ、光学部材との位置関係のずれを低減できるため適切な配光を投射することが可能となる。 本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1,3,4,5,6…発光モジュール
11…支持基材
11a…表面側
11b…裏面側
12…パターン
12a…搭載領域
12b…非搭載領域
12c…ラップ領域
20…搭載基板
13…貫通接続
14…発光素子
15…配線パターン
2…車両用灯具
21…ハイビームユニット
22…ロービームユニット
23…サイドターンシグナルランプ
24…クリアランスランプ
31…ランプボディー
32…アウターカバー
33…アジャスティングスクリュー
34…ブラケット
35a…上側リフレクター
35b…下側リフレクター
35c…取付けリブ
35d…反射面
35e…反射面
36…エクステンション
37…駆動回路

Claims (5)

  1. 支持基材の一方の面および他方の面に複数のパターンが形成された搭載基板と、前記パターンの搭載領域表面に搭載された複数の発光素子を備え、
    前記パターンは、前記一方の面に形成され前記発光素子が搭載された第一の搭載領域と、前記他方の面の前記第一の搭載領域に対応する位置に形成された第一の非搭載領域と、前記他方の面に形成され前記発光素子が搭載された第二の搭載領域と、前記一方の面の前記第二の搭載領域に対応する位置に形成された第二の非搭載領域とを有し、
    前記第一の非搭載領域および前記第二の非搭載領域は前記支持基材よりも熱伝導率が高い材料で形成され、
    前記第一の搭載領域と前記第二の非搭載領域が隣接して形成され
    前記第一の搭載領域と、前記第二の搭載領域とは、平面視で互いに重なり合うラップ領域を有していることを特徴とする発光モジュール。
  2. 請求項1に記載の発光モジュールであって、
    前記第一の搭載領域の面積は、前記第一の非搭載領域の面積よりも大きいことを特徴とする発光モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の発光モジュールであって、
    前記第一の非搭載領域および前記第二の非搭載領域が導電性材料により形成され、
    前記支持基材を貫通する第一の貫通接続によって前記第一の搭載領域と前記第一の非搭載領域とが電気的に接続され、
    前記支持基材を貫通する第二の貫通接続によって前記第二の搭載領域と前記第二の非搭載領域とが電気的に接続されることを特徴とする発光モジュール。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の発光モジュールを備えた灯具。
  5. 支持基材の一方の面および他方の面に複数のパターンが形成された発光素子用回路基板であって、
    前記パターンは、前記一方の面に形成され発光素子が搭載される第一の搭載領域と、前記他方の面の前記第一の搭載領域に対応する位置に形成された第一の非搭載領域と、前記他方の面に形成され前記発光素子が搭載される第二の搭載領域と、前記一方の面の前記第二の搭載領域に対応する位置に形成された第二の非搭載領域とを有し、
    前記第一の非搭載領域および前記第二の非搭載領域は前記支持基材よりも熱伝導率が高い材料で形成され、
    前記第一の搭載領域と前記第二の非搭載領域が隣接して形成され
    前記第一の搭載領域と、前記第二の搭載領域とは、平面視で互いに重なり合うラップ領域を有していることを特徴とする発光素子用回路基板。
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