JP6635772B2 - 粉体物の混合方法および樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

粉体物の混合方法および樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、粉体原料含有の樹脂組成物を製造する際などに利用できる、ペレット状熱可塑性樹脂と粉体原料とを混合する粉体物の混合方法および樹脂組成物の製造方法に関する。
様々な形状に成形される樹脂には、成形加工上或いは成形品品質上必要な機能を付与するために、粉状または液状の種々の添加剤が添加されている。添加方法は、予めペレット状樹脂と添加剤とを混合機にて混合して混合物とした後、混合物を成形機に投入し溶融混練して直接樹脂組成物あるいは樹脂成形品を得る方法、または、混合物を押出機に投入し溶融混練してストランド状に押出しカッティングしてペレット状等粒状体の樹脂組成物とした後、粒状体の樹脂組成物を成形機に投入し溶融混練して樹脂成形品を得る方法のいずれかの方法が採られている(特許文献1、特許文献2)。その際の樹脂と粉状添加剤との混合方法として、ペレット状樹脂表面への粉状添加剤の付着を均一なものとすべく、通常、ペレット状樹脂の表面を展着剤で被覆処理した後、粉状添加剤と混合する方法が採られている。
特開2013−1808号公報 特開2000−319519号公報
しかしながら、ペレット状樹脂への展着剤量が多い場合は、タンブラー混合機で混合する際、混合した原料に塊が生じることや原料の払出しが悪くなる課題がある。さらに、得られた混合物を溶融混練して得られた樹脂組成物は、物性のバラつきが大きくなるという問題もある。
本発明は上記事情にかんがみてなされたものであり、混合物中に原料の塊がなく混合状態が良好な混合物を得ることが可能な粉体物の混合方法を提供することを目的とする。また本発明は、その混合方法により得られた混合物を用い、物性バラつきを良好に低減することが可能な樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ペレット状熱可塑性樹脂と粉体原料とを混合する方法、さらに、得られた混合物を押出機等で溶融混練して樹脂組成物を製造する方法について鋭意検討した結果、ペレット状熱可塑性樹脂と粉体原料の混合を、タンブラー混合機を用い、特定の順序で原料を仕込むことで、混合状態が良好な混合物が得られることを見出した。さらに、得られた混合物を押出機等で溶融混練すると、簡便な装置で物性のバラつきを抑制した樹脂組成物を製造できることを見出した。
すなわち、本発明の粉体物の混合方法は、
(A)ペレット状熱可塑性樹脂69.5〜85.9質量部、(B)粉体原料13〜27質量部、および(C)展着剤1.1〜3.5質量部を混合する方法であって、下記(1)または(2)の工程を含む粉体物の混合方法である。
(1):タンブラー混合機内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して50〜95質量%の(A)、(C)展着剤全量、(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して5〜50質量%の(A)、および(B)粉体原料全量の順で供給し、供給後10〜50rpmで2〜30分混合する工程
(2):タンブラー混合機内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂全量、(C)展着剤全量、および(B)粉体原料全量の順で供給し、供給後10〜50rpmで2〜30分混合する工程
(A)ペレット状熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテルとアルケニル系樹脂のブレンド物、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル芳香族化合物共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(B)粉体原料は、ケイ酸カルシム、マイカ、タルク、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、メラミンシアヌレート系難燃剤、ホスフィン酸塩類、ジホスフィン酸およびホスフィン酸塩類とジホスフィン酸との縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(C)展着剤は、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、シリコン系オイル、ミネラルオイル、リン酸エステル系化合物、ポリアルキレン多価アルコール、およびポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、本発明の粉体物の混合方法により得られた混合物を溶融混練する工程を含む。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、さらに、(A)ペレット状熱可塑性樹脂および(B)粉体原料の少なくとも一方を、上記混合物を溶融混練装置に供給した供給装置とは異なる供給装置より供給することが好ましい。
本発明の粉体物の混合方法を採用すれば、ペレット状熱可塑性樹脂と粉体原料の混合状態の良好な混合物を得ることができる。また、本発明の混合方法で得られた混合物を押出機等で溶融混練することにより、物性のバラつきが良好に低減された樹脂組成物を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の粉体物の混合方法は、(A)ペレット状熱可塑性樹脂69.5〜85.9質量部、(B)粉体原料13〜27質量部、(C)展着剤1.1〜3.5質量部を混合する方法であって、下記(1)または(2)を含む混合方法である。
(1)は、タンブラー混合機内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して50〜95質量%の(A)、(C)展着剤全量、(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して5〜50質量%の(A)、および(B)粉体原料全量の順で供給し、10〜50rpmで2〜30分混合する工程である。
(2)は、タンブラー混合機内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂全量、(C)展着剤全量、および(B)粉体原料全量の順で供給し、10〜50rpmで2〜30分混合する工程である。
以下に、混合物の各原料について説明する。
[(A):ペレット状熱可塑性樹脂]
本発明において、ペレット状熱可塑性樹脂組成物とは、ペレット形状に成形された熱可塑性樹脂単体又は複数の熱可塑性樹脂のブレンド物をいう。(A)ペレット状熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンエーテルとアルケニル系樹脂のブレンド物、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂のブレンド物、ポリスチレン系樹脂(ゼネラルパーパスポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン)、アクリロニトリル・スチレン共重合体、シンジオタクチックポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ビニル芳香族化合物共重合体(スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレンブロック共重合体等)、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等)、ポリアセタール、ポリフェニレンスルニド、ポリアミド樹脂(ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6,6/6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD(m−キシリレンジアミン),6、ポリアミド6,T、ポリアミド9,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6)、ポリアミドイミド、ポリアリーレート、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン及びポリエーテルケトンから選ばれた少なくとも1種の樹脂又は樹脂組成物が挙げられる。
好ましいペレット状熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテルとアルケニル系樹脂のブレンド物、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル芳香族化合物共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートである。なお、ブレンド物は、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂をドライブレンドしたものでも、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン系樹脂を溶融混練したコンセントレートでも構わない。ペレット状熱可塑性樹脂のペレット形状に限定はなく、例えば、円柱形のものや、球形のものを使用することができる。円柱のペレットの場合、その直径は1〜6mm、長さは1〜6mm程度であることが好ましく、通常、直径3mm、長さ3mm程度である。また、球形ペレットの場合は、その直径1〜6mm程度であることが好ましく、通常、直径3mm程度である。また、球形ペレットは真球状であってもよいし、縦横比0.5〜0.9の楕円球状であってもよい。
(A)の含有量は、混合後の原料の塊や分級の観点から、(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対し、69.5〜85.9質量部であり、74.5〜85質量部であることが好ましい。
[(B):粉体原料]
本発明の混合方法において使用する(B)粉体原料の種類に限定はなく、例えば、ケイ酸カルシム、マイカ、タルク、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、メラミンシアヌレート系難燃剤、ホスフィン酸塩類、ジホスフィン酸およびホスフィン酸塩類とジホスフィン酸との縮合物から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。混合の観点より、粉体原料の嵩比重は0.1〜0.9であることが好ましい。(B)の含有量は、混合後の原料の塊や分級の観点から、(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対し、13〜27質量部であり、14〜25質量部以下であることが好ましい。粉体原料は、(A)と後述の(C)が主となる原料の塊を少なくする観点から、13質量部以上であり、(B)の展着を十分に行い、分級を抑制する観点から、粉体原料が27質量部以下である。
[(C):展着剤]
本発明の混合方法において使用する(C)展着剤は、液体であれば特に限定はなく、樹脂組成物の用途等に応じて適宜決定することができ、具体的には、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、シリコン系オイル、ミネラルオイル、リン酸エステル系化合物、ポリアルキレン多価アルコール、ポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。(C)の粘度は、混合および/または展着効率の観点より、5〜200mPa/s(25℃)であり、60〜120mPa/s(25℃)がより好ましい。
(C)の含有量は、展着や混合後の払出しの観点から、(A)、(B)及び(C)の合計100質量部に対し、1.1〜3.5質量部であり、1.2〜3.0質量部がより好ましい。展着剤は、(A)および(B)の展着を十分に行い、分級を抑制する観点から1.1質量部以上である。また、混合後にブレンダーの壁面や蓋へ付着することを防ぎ、払出し不良を引き起こさない観点から、3.5質量部以下である。なお、本発明で用いる(C)は、展着以外の効果として樹脂の可塑化や粉体原料の分散剤等としても使用できる(ただし、効果はこれに限らない)。
[粉体物の混合方法]
本発明の混合方法は、以下の(1)または(2)の工程を含む。
(1):タンブラー混合機内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して50〜95質量%の(A)、(C)展着剤全量、(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して5〜50質量%の(A)、(B)粉体原料全量の順で供給し、10〜50rpmで2〜30分混合する工程。回転数は、混合効率の観点から、10〜50rpmである、好ましくは15〜40rpmである。混合時間は、生産性の観点から30分以下、混合性の観点から2分以上であり、好ましくは5〜25分である。
(2):タンブラー混合機内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂全量、(C)展着剤全量、および(B)粉体原料全量、の順で供給し、10〜50rpmで、2〜30分、好ましくは5〜25分、混合する工程。回転数は、混合効率の観点から、10〜50rpmである、好ましくは15〜40rpmである。混合時間は、生産性の観点から30分以下、混合性の観点から2分以上であり、好ましくは5〜25分である。
タンブラー混合機では、タンブラータンク内に混合すべき原料を供給し、タンブラータンクを回転又は振動させることにより原料を混合する。本発明において使用するタンブラー混合機の混合能力を十分活用するためには、タンブラータンクの内容積に対するペレットと粉体フィラーの容積は、40〜80%にするのが好ましく、さらに好ましくは40〜70%である。この範囲であると混合の効率がよい。本発明においては、使用するタンブラー混合機のタンブラータンクの内部に、邪魔板を設置することが好ましい。
邪魔板はタンク内の原料の移動を規制する役割を果たし、邪魔板を設置すると短時間で混合をすることが可能となり、混合効率が高まる。邪魔板は、原料の移動を規制するものであればその形状に限定はなく、必ずしも板状でなくてもよい。例えば、邪魔板として円柱状の棒を使用し、これをタンク内部に斜めに設置してもよいし、邪魔板として、山形鋼を使用し、これをタンク内部に斜めに設置してもよい。
もっとも、邪魔板を設置すると、タンク内部の掃除をするときには掃除時間が長くなるので、邪魔板は、混合する粉体原料が少ない場合等には、必ずしも付ける必要はない。
従来技術の混合方法は、ペレット状熱可塑性樹脂に展着させた後、粉体原料を供給し、ブレンドする方法である。一方、本発明のように(C)の量が多い場合、従来技術の方法では、ペレット状熱可塑性樹脂に展着しきれなかった過剰の展着剤がタンブラー内壁・蓋へ付着し、内壁・蓋へ付着した展着剤が後から投入される粉体原料を抱き込みやすくなるため、混合原料の内壁・蓋への付着や払出し不良や分級が生じる。本発明の混合方法とすることで、展着剤をペレット熱可塑性樹脂および/または粉体原料へ展着させられ、タンブラー内壁・蓋へ付着する展着剤の絶対量を低減できる、と本発明者らは推測している(ただし、効果はこれに限らない)。
[樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物の製造方法は、(1)または(2)の工程で得られた混合物を溶融混錬するものである。溶融混錬装置としては、単軸押出機および二軸同方向回転押出機等を使用することができる。このような押出機としては、例えば、COPERION社製ZSKシリーズ、東芝機械製TEMシリーズ、日本製鋼所TEXシリーズ等が適しており、バラつきが抑制された樹脂組成物を得られる。さらに、上述の製造方法で得られた樹脂組成物は、マスターバッチペレットとして使用してもよく、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテルとアルケニル系樹脂のブレンド物、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル芳香族化合物共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂と溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
単軸押出機の場合、(1)または(2)の工程で得られた混合物を供給装置を用いて供給してもよい。
(1)または(2)の工程で得られた混合物に、(A)および(B)の少なくとも一方を更に追加した樹脂組成物を製造する場合は、(1)または(2)の工程で得られた混合物を溶融混練装置に供給した後、さらに、(A)および(B)の少なくとも一方の原料を、上記混合物を溶融混練装置に供給した供給装置とは異なる供給装置から供給して、単軸押出機または二軸同方向回転押出機等で溶融混練することが好ましい。このような供給装置としてはロスインウェイトフィーダー等が好ましい。
タンブラー混合機内で、(A)、(B)及び(C)の混合物を得た後に、(A)および(B)の少なくとも一方を追加投入して、再度タンブラー混合機で混合すると、(A)成分に添着していた(B)成分が脱落する、あるいは、混合物が分級することがあるため、溶融混練時に追加することが好ましい。
なお、追加投入する(A)が複数種である場合、その複数種全てをあらかじめ混合してから、上記(1)または(2)の工程で得られた混合物を供給した供給装置とは異なる供給装置から溶融混練装置に供給してもよい。または、複数種の(A)を1種類ずつ別々の供給装置から溶融混練装置に供給してもよい。また、追加投入する(B)が複数種である場合も(A)の場合と同様に供給することができる。
このように別の供給装置から供給する原料の供給量としては、混合状態が良好な混練物を得る観点から、(1)または(2)の工程で得られた混合物100質量部に対して、10〜1000質量部であることが好ましい。
[その他成分]
本発明の混合方法においては、ペレット状熱可塑性樹脂、粉体原料及び展着剤に加えて、さらに、粉体原料分散剤(エチレンビスアマイド、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸)、エラストマー、官能基付与剤(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸)、各種着色剤、着色補剤(酸化チタン等)、紫外線吸収剤、耐電防止剤、安定剤(酸化亜鉛、硫化亜鉛、燐系、イオウ系、ヒンダードフェノール系等)を混合することができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに説明する。
<混合物の混合状態>
ブレンド工程で得られた混合物におけるペレット状熱可塑性樹脂と粉体原料の混合状態は、以下の基準に従って目視で判定した。
(評価基準)
4:タンブラー内壁に原料の付着無し。払出した混合原料は、塊が無く、かつ分級が生じていない。
3:タンブラー内壁に原料の付着無し。払出した混合原料は、僅かに塊があるが分級は生じていない。
2:タンブラー内壁に原料の付着無し。払出した混合原料は、塊があるが分級は生じていない。
1:タンブラー内壁に原料の付着があり、払出し後に原料が一部残る。払出した混合原料は、塊および/または分級が生じている。
<フィーダーの供給安定性・フィーダースクリュー部への付着状況>
混合原料を投入したロスインウェイトフィーダーの供給安定性を、以下の基準に従って判定した。フィーダースクリュー部への原料の付着状況は、運転終了後の状況を目視で確認した。
(評価基準)
良:フィード量の設置値に対して、実績値が±5%以内
可:フィード量の設置値に対して、実績値が±7%以内
不可:フィード量の設置値に対して、実績値が±7%を超える
<樹脂組成物の物性評価>
各実施例及び比較例のポリアミド樹脂組成物ペレットについて評価を行った。各評価項目及びその結果を表1に示す。各評価項目の評価方法は以下のとおりとした。
<Charpy衝撃強度 標準偏差>
ポリアミド樹脂組成物ペレットを、射出成型機(商品名「PS40E」、日精樹脂(株)製)を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度80℃に設定し、射出25秒、冷却10秒の射出成形条件で射出成形し、4mm厚みのISO試験片を得た。得られたISO試験片を用いてISO179に準じ、Charpy衝撃強度の測定を行った。各例あたり10サンプルを測定し、バラつきの指標として標準偏差を求めた。
<タルク含有量 標準偏差>
ポリアミド樹脂組成物の押出しを1時間行い、15分毎にサンプリングした。得られた樹脂ペレットを650℃に設定した電気炉にて樹脂成分を焼却後、その残渣質量から含まれるタルク含有量を測定し、標準偏差を求めた。
[(A)ペレット状熱可塑性樹脂]
(a−1)ポリアミド66 旭化成ケミカルズ(株)製レオナ(登録商標)1300
[(B)粉体原料]
(b−1):メラミンシアヌレート 嵩比重0.18
(b−2):タルク 嵩比重0.35
[(C)展着剤]
(c−1)PEM:ポリオキシエチレンモノラウレート 花王(株)製エマノーン(登録商標)1112 粘度75mPa/s(25℃)
(c−2)PEG:ポリエチレングリコール 三洋化成工業(株)製PEG400 粘度95mPa/s(25℃)
[実施例1]
樹脂組成物の混合装置として、プラテック社製SKD25Sに、(a−1)全量のうち75質量%を投入した後、(c−1)、(a−1)の残量、および(b−1)の順に投入し、回転数30rpmで15分間混合した。得られた混合物は、ロスインウェイトフィーダーを用いて、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35BS、二軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6)の第一供給口へ供給した。バレル温度270℃、吐出量30kg/hr、スクリュー回転数300rpmで押出しを行った。押出機先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
[実施例2]
混合装置に、(a−1)、(c−1)、および(b−1)の順に投入した以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。
[実施例3、4]
各成分の組成を表1に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。
[比較例1、4]
混合装置に、(a−1)、および(c−1)の順に投入し、回転数30rpmで15分間混合し、さらに(b−1)を投入後、回転数30rpmで15分間混合した以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。
[比較例2、3、5、6]
各成分の組成を表1に記載の通りとした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。
[実施例5]
樹脂組成物の混合装置として、プラテック社製SKD25Sに、(a−1)全量のうち75質量%を投入した後、(c−1)、(a−1)の残量、および(b−1)の順に投入し、回転数30rpmで15分間混合した。得られた混合物は、ロスインウェイトフィーダーを用いて、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35BS、二軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6)の第一供給口へ供給した。なお、同第一供給口より組成物中に(b−1)が原料の仕込み上35質量%となるように、別のロスインウェインフィーダーで(b−1)の量を調整して、バレル温度270℃、吐出量30kg/hr、スクリュー回転数300rpmで押出しを行った。押出機先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。
[比較例7]
混合装置に、(a−1)、および(c−1)の順に投入し、回転数30rpmで15分間混合し、さらに(b−1)を投入後、回転数30rpmで15分間混合した以外は、実施例5と同様にして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。
[実施例6]
樹脂組成物の混合装置として、プラテック社製SKD25Sに、(a−1)全量のうち75質量%を投入した後、(c−1)、(a−1)の残量、および(b−2)の順に投入し、回転数30rpmで15分間混合した。得られた混合物は、ロスインウェイトフィーダーを用いて、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35BS、二軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6)の第一供給口へ供給した。バレル温度270℃、吐出量30kg/hr、スクリュー回転数300rpmで押出しを行った。押出機先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出しは1時間行い、15分毎にサンプリングし、得られた樹脂ペレットを650℃に設定した電気炉にて樹脂成分を焼却した。その残渣重量から含まれるタルク含有量を測定し、標準偏差を求めた。
[比較例8]
混合装置に、(a−1)、および(c−1)の順に投入し、回転数30rpmで15分間混合し、さらに(b−2)を投入後、回転数30rpmで15分間混合した以外は、実施例6と同様にして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。
結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明の(1)の工程による混合方法を用いた実施例1、3〜6、および、(2)の工程による混合方法を用いた実施例2は、良好な混合状態を得た。またその混合物を用いた樹脂組成物においては物性のバラつきが小さい。
さらに、実施例5より、別の供給装置から押出機へ(B)を追加投入しても良好な混合状態を得ることがわかった。
一方、実施例1および実施例5とそれぞれ原料の配合比が同じであっても、(A)および(C)を投入した後に混合し、さらに(B)を投入した後にも混合した比較例1、4、7および8は、混合状態が実施例より劣り、組成物においては物性のバラつきが大きい。また本発明の原料配合比の範囲から外れる比較例2、3、5および6は、本発明の(1)の工程による混合方法を用いても混合状態が悪く、組成物の物性においても実施例より劣ることがわかった。
本発明の混合方法によれば、ペレット状熱可塑性樹脂と粉体原料の混合状態の良好な混合物を得ることができ、さらにこの混合物を使用して溶融混練を行えば、バラつきが抑制された樹脂組成物組成物を製造することができる。
本発明の混合方法を利用して得られた樹脂組成物は、OA材料(プリンター、複写機等)、機械工業部品、電子・電気部品、自動車部品等の用途分野に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. (A)ペレット状熱可塑性樹脂69.5〜85.9質量部、(B)粉体原料13〜27質量部、および(C)展着剤1.1〜3.5質量部をタンブラー混合機で混合する方法であって、該タンブラー混合機のタンブラータンクの内容積に対する前記(A)ペレット状熱可塑性樹脂と前記(B)粉体原料の容積が40〜70%であり、下記(1)または(2)の工程を含む粉体物の混合方法。
    (1):前記タンブラータンク内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して50〜95質量%の(A)、(C)展着剤全量、(A)ペレット状熱可塑性樹脂の全量に対して5〜50質量%の(A)、および(B)粉体原料全量の順で供給し、供給後10〜50rpmで2〜30分混合する工程
    (2):前記タンブラータンク内に(A)ペレット状熱可塑性樹脂全量、(C)展着剤全量、および(B)粉体原料全量の順で供給し、供給後10〜50rpmで2〜30分混合する工程
  2. 前記(A)ペレット状熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテルとアルケニル系樹脂のブレンド物、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル芳香族化合物共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の粉体物の混合方法。
  3. 前記(B)粉体原料が、ケイ酸カルシム、マイカ、タルク、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、メラミンシアヌレート系難燃剤、ホスフィン酸塩類、ジホスフィン酸、およびホスフィン酸塩類とジホスフィン酸との縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の粉体物の混合方法。
  4. 前記(C)展着剤が、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、シリコン系オイル、ミネラルオイル、リン酸エステル系化合物、ポリアルキレン多価アルコール、およびポリアルキレン多価アルコールの脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3いずれか1項に記載の粉体物の混合方法。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の粉体物の混合方法により得られた混合物を溶融混練する工程を含む樹脂組成物の製造方法。
  6. さらに、(A)ペレット状熱可塑性樹脂および(B)粉体原料の少なくとも一方を、前記混合物を溶融混練装置に供給した供給装置とは異なる供給装置より供給する請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
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