JP2020147006A - サイドフィーダー、押出機、および熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、2軸押出機の原料輸送部(固体搬送部)と混練部(混練ゾーン)を持った2本のスクリュシャフト軸(2軸スクリュ)の原料輸送部に幅広1条スクリュを設置し、微粉体原料の搬送能力を上げる技術が開示されている。
特許文献3には、2軸押出機の搬送ゾーンに1条スクリュを使用し、混練ゾーンに特殊な幅広ニーディングディスクを組み合わせることで、搬送能力を上げる技術が開示されている。
特許文献4には、スクリュ長径と短径との比が特定範囲のスクリュエレメントを搬送部に使う技術が開示されており、搬送能力の高い一条スクリュエレメントを用いることが好ましい旨開示されている。
[1]
押出機に粉体原材料を供給する、サイドフィーダーであって、
前記サイドフィーダーは、サイドフィーダー原料供給口、サイドフィーダースクリュ、及びサイドフィーダーシリンダーを有し、
前記サイドフィーダースクリュが1条であり、かつ2軸であり、
前記サイドフィーダースクリュの長径Doの短径Diに対する割合(Do/Di)が1.8〜2.2であり、
前記サイドフィーダースクリュのリードLsの長径Doに対する割合(Ls/Do)が1.0〜2.0であり、
前記サイドフィーダーシリンダーと前記サイドフィーダースクリュとの隙間の距離σの、前記サイドフィーダースクリュの長径Doに対する割合(σ/Do)が0.005〜0.05であることを特徴とする、サイドフィーダー。
[2]
前記サイドフィーダー原料供給口の長さLmfの、前記サイドフィーダースクリュの長径Doに対する割合(Lmf/Do)が2.5〜5.0であり、前記サイドフィーダー原料供給口の幅Wmfの、前記サイドフィーダースクリュの長径Doに対する割合(Wmf/Do)が1.4〜2.0である、[1]に記載のサイドフィーダー。
[3]
前記サイドフィーダー原料供給口に接続するサイドフィーダーホッパーをさらに有し、前記サイドフィーダーホッパーの上部にガス抜き配管と粉体原料供給配管とを有する、[1]又は[2]に記載のサイドフィーダー。
[4]
前記ガス抜き配管が、前記粉体原料供給配管よりも押出機側に配置される、[3]に記載のサイドフィーダー。
[5]
前記サイドフィーダーホッパーの側壁の傾斜角度βが65〜90度である、[3]又は[4]に記載のサイドフィーダー。
[6]
前記サイドフィーダーシリンダーがシリンダー冷却装置を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載のサイドフィーダー。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載のサイドフィーダーを少なくとも1つ有することを特徴とする、押出機。
[8]
前記サイドフィーダーが接続されたバレルの下流に混練ゾーンを有し、前記バレルの上流及び/又は前記混練ゾーンの下流に、ガス抜き用バレルを少なくとも1つ有する、[7]に記載の押出機。
[9]
[7]又は[8]に記載の押出機を用いた熱可塑性樹脂組成物の製造方法であり、平均粒径が0.1〜200μmの粉体状熱可塑性樹脂及び平均粒径が0.1〜200μmの粉体状無機フィラーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体原材料を含む原料を、前記サイドフィーダーから供給し、熱可塑性樹脂と溶融混練することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[10]
前記粉体原材料が、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレン、及びスチレン・アクリロニトリル・ブタジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体状熱可塑性樹脂である、[9]に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
[11]
前記粉体原材料が、マイカ、タルク、ガラスフレーク、及びウォラストナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体状無機フィラーである、[9]に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右、水平、垂直等の位置・方向関係は、特に断らない限り、図面に示す位置・方向関係に基づくものとし、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
また、本明細書において、上流側、下流側とは、本実施形態のサイドフィーダー又は押出機において、原材料の流れの上流を上流側、下流を下流側とする。
本実施形態のサイドフィーダーは、押出機に粉体原材料を供給する、サイドフィーダーであって、前記サイドフィーダーは、サイドフィーダー原料供給口、サイドフィーダースクリュ、及びサイドフィーダーシリンダーを有し、前記サイドフィーダースクリュが1条であり、かつ2軸であり、前記サイドフィーダースクリュの長径Doの短径Diに対する割合(Do/Di)が1.8〜2.2であり、前記サイドフィーダースクリュのリードLsの長径Doに対する割合(Ls/Do)が1.0〜2.0であり、前記サイドフィーダーシリンダーと前記サイドフィーダースクリュとの隙間の距離σの、前記サイドフィーダースクリュの長径Doに対する割合(σ/Do)が0.005〜0.05である。
本実施形態のサイドフィーダーは、押出機のバレルの横側面又は上部に接続することで、樹脂組成物の製造装置等として使用することができる。
図1に、本実施形態のサイドフィーダーの一例の概略側面図(A)及び概略断面図(B)を示す。
以下、本実施形態のサイドフィーダーについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のサイドフィーダースクリュ1は、フライト(長径部分)が1つの1条スクリュであり、かつ2軸である。スクリュが単軸であると搬送能力が低くなり、3軸以上では機械的な構造が複雑になるので好ましくない。1条2軸スクリュが搬送能力と構造的な観点から好ましい。
図2に、本実施形態のサイドフィーダースクリュ1の一例の概略正面図(A)及び概略側面図(B)を示す。
本実施形態のサイドフィーダーシリンダー2は、図1(B)に示すように、サイドフィーダースクリュ1の形状に合わせて2軸形状である。
また、サイドフィーダーシリンダー2の径Dsは、図1(A)に示すように、接続する押出機11のバレル径D以下である。
なお本開示で、サイドフィーダーシリンダー2とサイドフィーダースクリュ1との隙間の距離σは、下記式(1)により計算される。
σ=(Ds−Do)/2・・・・・・・・・・・・・(1)
本実施形態のサイドフィーダー原料供給口3は、原料を供給するためにサイドフィーダーシリンダー2に設けられた開口部である。
本実施形態のサイドフィーダー原料供給口3の開口形状(図1(A)の上方向から見た形状)は、特に限定されず、矩形、円形、楕円形等であってよい。
なお本開示で、サイドフィーダー原料供給口3の長さLmfは、図1(A)に示すように、サイドフィーダー原料供給口3の、サイドフィーダースクリュ1の軸方向の最長の長さである。
なお本開示で、サイドフィーダー原料供給口3の幅Wmfは、図1(B)に示すように、サイドフィーダー原料供給口3の、サイドフィーダースクリュ1の軸方向に垂直な幅方向(図1(B)における左右方向)の最長の長さである。
本実施形態のサイドフィーダー原料供給口3には、原料を集めるサイドフィーダーホッパー6を接続することができる。
本実施形態のサイドフィーダーホッパー6の形状は、特に限定されないが、側壁に傾斜面を有していることが好ましい。
また、サイドフィーダーホッパー6の上部には、蓋が付いていてもよく、原料粉体を供給するための粉体原料供給配管7とガス抜き用のガス抜き配管8とを有することができる。
なお本開示で、サイドフィーダーホッパー6の側壁の傾斜角度βは、図1(A)及び(B)に示すように、サイドフィーダーホッパー6の側壁の傾斜面と、水平面とのなす角度である。
本実施形態のサイドフィーダーSは、サイドフィーダースクリュ1を駆動するサイドフィーダーモーター4を設置することができる。
サイドフィーダーモーター4は、特に限定されないが、回転数を変えてもモータートルクが一定のインバーターモーターを使用するのが好ましい。
本実施形態のサイドフィーダーSは、サイドフィーダーギアボックス5を設置することができる。
サイドフィーダーギアボックス5は、サイドフィーダースクリュ1に合わせて、2軸用とする。サイドフィーダーギアボックス5の軸の回転方向は、押出機11のスクリュの回転方向がスクリュ先端に向かって左周り回転ならば、左周りが好ましく、右周り回転ならば、右周りが好ましい。上記の回転方向とすることにより、サイドフィーダーSから押出機11のスクリュに供給される紛体の食い込みが良好となる。
本実施形態の押出機11は、本実施形態のサイドフィーダーSを少なくとも1つ有する押出機であれば、特に限定されない。具体的には、少なくとも1つのサイドフィーダーSが押出機11のサイドフィーダーバレルと接続される実施形態が挙げられる。供給される粉体原材料が2種以上ある場合、サイドフィーダーSを2つ以上有しても構わない。また、供給される粉体原材料が1種であっても、例えば、押出される樹脂組成物100質量%に対して粉体原材料が30質量%を超える場合、2つ以上のサイドフィーダーから粉体原材料を分割供給しても構わない。
図4に、本実施形態のサイドフィーダー付押出機の一例の概略側面図を示す。
押出機11の規格や大きさは、特に限定されないが、バレル径Dは40〜200mmであることが好ましい。バレル径Dが40mm以上であることで生産性が向上し、バレル径Dが200mm以下であることで、溶融混練時の発熱が大きくなり過ぎることが防止できる。
押出機11の長さLtは、特に限定されないが、バレル径Dの30〜60倍であることが好ましい。押出機11の長さLtがバレル径Dの30倍以上であることで、サイドフィーダーSから供給される原材料を十分に混練することがより容易となり、押出機11の長さLtがバレル径Dの60倍以下であることで、スクリュ軸の振れを小さくすることができ好ましい。
また、本実施形態のサイドフィーダーが接続されたサイドフィーダーバレル(供給口)の下流に混練ゾーンを有し、該サイドフィーダーバレル(供給口)の上流及び/又は該混練ゾーンの下流に、ガス抜き用バレル(大気ベント)を少なくとも1つ有することが好ましい。
以下、本実施形態の押出機の好ましいバレル構成について、図4に示す供給口を3つ有するバレル構成を例に、具体的に説明する。
第二供給口の下流には、第二混練ゾーン15−2を少なくとも1つ配置する。
押出機11の大気ベント16−1、16−2、16−3には、酸化劣化物数を抑制する観点から、不活性ガスを供給しても構わない。不活性ガスとしては、窒素又はアルゴンが例示される。
また、第三供給口を有するサイドフィードバレル自体にガス抜き用の大気ベント16−4を設けても構わない。大気ベント16−4には、窒素又はアルゴン等の不活性ガスを供給しても構わない。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、本実施形態の押出機を用いた熱可塑性樹脂組成物の製造方法であり、平均粒径が0.1〜200μmの粉体状熱可塑性樹脂及び平均粒径が0.1〜200μmの粉体状無機フィラーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体原材料を含む原料を、前記サイドフィーダーから供給し、熱可塑性樹脂と溶融混練することを特徴とする。
サイドフィーダーから供給される粉体原材料の平均粒径は、1.0〜200μmであることが好ましく、1.0〜150μmであることがより好ましい。平均粒径が上記範囲であると、粉体原材料の供給が安定する。
これらの供給位置は、特に限定されず、例えば上述した押出機11の第一供給口でも構わないし、第二供給口、第三供給口から供給しても構わない。
(サイドフィーダー)
サイドフィーダーは、図1(A)に示す構成とし、シリンダー径Ds=58.0mm、スクリュ軸は2つ、Lmf/Do=3.0、Wmf/Do=1.8のサイドフィーダーを製作して用いた。サイドフィーダーホッパーの側壁の傾斜角度βは75度、粉体原料供給配管の径は5インチ、粉体原料供給配管の配管角度は90度、ガス抜き配管の径は5インチ、ガス抜き配管の高さは1mとした。サイドフィーダーシリンダーの冷却水循環ユニットの冷却水のバルブを開とし、シリンダーを冷却した。
使用したサイドフィーダースクリュを表1に示す。
押出機は、図4に示す構成とし、サイドフィードバレルに上記のサイドフィーダーを接続した。
押出機として、最大ギアボックストルク密度21.25N・m/cm3の二軸同方向回転押出機(「TEM58SS」、東芝機械社製、バレル径D:58mm、押出機の長さLt:2880mm)を使用した。
((押出機のバレル構成))
押出機のバレル構成は、次のとおりである。
No.1バレル :第一供給口
No.2〜3バレル :搬送ゾーン
No.4バレル :第一混練ゾーン
No.5バレル :第一大気ベント(16−1)
No.6バレル :第二供給口(第二大気ベント(16−2)付サイドフィードバレル)
No.7バレル :第二混練ゾーン
No.8バレル :第三大気ベント(16−3)
No.9バレル :第三供給口(第四大気ベント(16−4)付サイドフィードバレル)
No.10バレル :第三混練ゾーン
No.11バレル :第一真空ベント(17)(−0.09Mpa)
No.12バレル :クローズドバレル
メッシュ :なし
ダイヘッド :4Φmm 25穴
ストランドバス :水温 40℃±3℃
ペレタイザー :ペレット形状 3.0±0.5mm目標にカッティング
振動篩い :長いペレット、連粒ペレット、切り粉を排除
重量式フィーダー :kubota社製 CE−W−4を第一供給口に2台、第二、第三供給口に各1台を配置した。
((押出機のスクリュ構成))
第一混練ゾーンのスクリュ構成は、右廻りニーディングブロック2個、ニュートラルニーディングブロック1個、左廻りニーディングブロック1個とした。
第二混練ゾーンのスクリュ構成は、右廻りニーディングブロック2個、ニュートラルニーディングブロック1個、右廻りニーディングブロック1個とした。
第三混練ゾーンのスクリュ構成は、右廻りニーディングブロック2個、ニュートラルニーディングブロック1個、左廻りニーディングブロック1個、右廻りニーディングブロック1個とした。
第一供給口(ホッパー(14−1))に供給する重量式フィーダー(18−1)に、ポリフェニレンエーテル(PPE)パウダー(商品名「S201A」、旭化成プラスチックシンガポール社製)を投入した。また、重量式フィーダー(18−2)には、混合物(ハイインパクトポリスチレン(商品名「CT60」、ペトロケミカル社製)21.5質量%、水素添加スチレン・ブタジエンブロック共重合体(商品名「H1272」、旭化成株式会社製)1質量%、低密度ポリエチレン(商品名「サンテックLD M2004」、旭化成株式会社製)1質量%、カーボンマスターバッチ(カーボン/ゼネラルパーパスポリスチレン685/WAX=45/50/5)1質量%、安定剤(商品名「アデカスタブPEP36」、株式会社ADEKA製/商品名「イルガノックス1010」、BASF社製=2/3)0.5質量%をタンブラーで均一混合)を投入した。
第二供給口(サイドフィーダーホッパー(14−2))に供給する重量式フィーダー(18−3)には、マイカ(商品名「BHT Mica200D」、北京厚信貿易有限公司社製、平均粒径:75μm)25質量%を投入した。
第三供給口、大気ベント(16−4)は、止め栓を押出機バレルNo.9に取り付け、閉とした。
表2及び3に、各原材料の配合量を示す。
(樹脂組成物の物性評価)
シャルピー衝撃強度
押出機で製造された樹脂組成物のペレットを、射出成形機(東芝機械製「IS−80AM」射出成形機)で、ISO179規格で規定された寸法の試験サンプルを成形した。その際のシリンダー温度は、240〜290℃とし、金型温度は、80℃とした。
得られた試験サンプルについて、シャルピー衝撃強度(kJ/cm2)を、ISO179に従い、測定した。測定値が大きい値であるほど耐衝撃性に優れていると評価した。
表2及び3に、測定結果を示す。
サイドフィーダースクリュとして、表1のAの1条スクリュを使用し、スクリュ回転数は400rpmとした。押出機のスクリュ回転数を500rpmに設定し、押出量を500kg/hrに設定し、重量式フィーダー(18−2)を125kg/hr、重量式フィーダー(18−1)を250kg/hrと順に立ち上げ、重量式フィーダー(18−3)を粉体原材料が溜まるまで5kg/hr刻みで上げていき、サイドフィーダーの供給能力(kg/hr)を測定した。
重量式フィーダー(18−3)は、130kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、125kg/hrに設定した。大気ベント16−1、16−2からのガス抜きも良好で、大気ベントからのマイカの噴出もなかった。ダイ出口樹脂温度は348℃で、シャルピー衝撃強度は3.2kJ/m2と良好な結果であった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして表1のBの2条スクリュを使用した以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、80kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、75kg/hrに設定し、押出量300kg/hrで実施した。サイドフィーダースクリュが2条であったため、実施例1と比べて搬送能力が低かった。ダイ出口樹脂温度は374℃と実施例1と比べて高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べて低かった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして表1のCの1条スクリュを使用した以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、100kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、95kg/hrに設定し、押出量380kg/hrで実施した。サイドフィーダースクリュの長径Doの短径Diに対する割合(Do/Di)が実施例1と比べて、小さい分、搬送能力が低かった。ダイ出口樹脂温度は362℃と実施例1と比べて高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べて低かった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして表1のDの1条スクリュを使用した以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、95kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、90kg/hrに設定し、押出量360kg/hrで実施した。サイドフィーダースクリュのリードLsの長径Doに対する割合(Ls/Do)が実施例1と比べて、小さい分、搬送能力が低かった。ダイ出口樹脂温度は367℃と実施例1と比べて高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べて低かった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして表1のEの1条スクリュを使用した以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、150kg/hrでサイドフィーダースクリュが止まり、80kg/hrでもサイドフィーダースクリュが停止したので、中止した。サイドフィーダースクリュの長径Doに対し、サイドフィーダーシリンダーとサイドフィーダースクリュとの隙間の距離σが狭すぎて、隙間にマイカが溜まったことが原因であると考えられる。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして表1のFの1条スクリュを使用した以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、95kg/hrでマイカがサイドフィーダーホッパー(14−2)に溜まったので、90kg/hrに設定し、押出量360kg/hrで実施した。サイドフィーダースクリュの長径Doに対し、サイドフィーダーシリンダーとサイドフィーダースクリュとの隙間の距離σが広すぎたため、搬送能力が低かった。ダイ出口樹脂温度は366℃と実施例1と比べて高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べて低かった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダー原料供給口の長さLmfを短くするために、サイドフィーダー原料供給口の最上流部に入れ子を挿入し、Lmf/Do=2.4になるようにした以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、115kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、110kg/hrに設定し、押出量440kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度は353℃と実施例1と比べてやや高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べてやや低くなった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダー原料供給口の幅Wmfを短くするために、サイドフィーダー原料供給口の幅方向両側に入れ子を挿入し、Wmf/Do=1.3になるようにした以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、105kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、100kg/hrに設定し、押出量400kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度は357℃と実施例1と比べてやや高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べてやや低くなった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダーホッパー(14−2)の上部に設置したガス抜き配管を外して閉とした以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、110kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、105kg/hrに設定し、押出量420kg/hrで実施した。マイカに同伴されるガスが押出機に送られる分、大気ベント16−1及び16−2からのマイカの吹き出し量が実施例1より多くなった。ダイ出口樹脂温度は356℃と実施例1と比べてやや高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べてやや低くなった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダーホッパー(14−2)の上部に設置したガス抜き配管と原料供給配管との位置を交換し、ガス抜き配管をサイドフィーダーモーター側とした以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、105kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、100kg/hrに設定し、押出量400kg/hrで実施した。マイカに同伴されるガスのガス抜きが悪くなる分、マイカの搬送能力がやや低下した。ダイ出口樹脂温度は362℃と実施例1と比べて高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べてやや低くなった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
押出機の大気ベント16−1を閉とした以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、115kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、110kg/hrに設定し、押出量440kg/hrで実施した。マイカに同伴されるガスのガス抜きが悪くなる分、マイカの搬送能力がやや低下した。ダイ出口樹脂温度は354℃と実施例1と比べてやや高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べてやや低くなった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
サイドフィーダーシリンダーの冷却水循環ユニットの冷却水のバルブを閉とした以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、115kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にマイカが溜まったので、110kg/hrに設定し、押出量440kg/hrで実施した。押出機からサイドフィーダーに流れるガスのガス抜きが悪くなる分、マイカの搬送能力がやや低下した。ダイ出口樹脂温度は353℃と実施例1と比べてやや高く、シャルピー衝撃強度も実施例1と比べてやや低くなった。
詳細な条件は表2に記載のとおりとした。
重量式フィーダー(18−3)から供給する粉体原材料をタルク(商品名「RGE−250」、富士タルク工業製、平均粒径:2μm)に変えた以外、実施例1と同様に実施した。
粉体の粒径が小さい分、搬送能力が低下した。重量式フィーダー(18−3)は、125kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にタルクが溜まったので、120kg/hrに設定し、押出量480kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度は348℃で、シャルピー衝撃強度も良好だった。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
実施例8の重量式フィーダー(18−1)から供給するPPEを25質量%とし、重量式フィーダー(18−3)に供給する粉体原材料ををタルクからPPE25質量%に切り替えた。更に、第三供給口(サイドフィーダーホッパー(14−3))に重量式フィーダー(18−4)を取り付け、大気ベント(16−4)は、止め栓を押出機バレルNo.9から外して開とし、タルクを重量式フィーダー(18−4)から供給した。
押出機のスクリュ回転数を500rpmとし、重量式フィーダー(18−1)と(18−2)とは流量125kg/hrで稼働させた。重量式フィーダー(18−3)と(18−4)とは5kg/hrづつ流量を上げて行き、サイドフィーダーホッパー(14−2)と(14−3)に原材料が溜まる流量が各々125kg/hrであったので、各々120kg/hrに設定し、押出量480kg/hrで実施した。その他は、実施例8と同様に実施した。ダイ出口樹脂温度は337℃で、シャルピー衝撃強度も良好であった。
詳細な結果は表3に記載のとおりとした。
重量式フィーダー(18−1)にペレット樹脂ナイロン66(商品名「1300S」、旭化成株式会社製)を供給し、重量式フィーダー(18−2)は使用せず、重量式フィーダー(18−3)に供給する粉体原材料をタルク(商品名「LMS−400」、富士タルク工業製、平均粒径4μm、嵩密度120kg/m3)とした以外、実施例1と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、125kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にタルクが溜まったので、120kg/hrに設定し、押出量480kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度が322℃で、シャルピー衝撃強度も良好だった。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュを表1のBとした以外、実施例10と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、80kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にタルクが溜まったので、75kg/hrに設定し、押出量300kg/hrで実施した。サイドフィーダースクリュが2条であったため、実施例10と比べて搬送能力が低かった。ダイ出口樹脂温度は354℃と実施例10と比べて高く、シャルピー衝撃強度も実施例10と比べて低下した。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
重量式フィーダー(18−1)にペレット樹脂アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(商品名「ABS191F」、旭化成社製)を供給した以外、実施例10と同じ条件で実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、125kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にタルクが溜まったので、120kg/hrに設定し、押出量480kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度が314℃で、シャルピー衝撃強度も良好だった。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュを表1のBとした以外、実施例11と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、80kg/hrでサイドフィーダーホッパー(14−2)にタルクが溜まったので、75kg/hrに設定し、押出量300kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度は347℃と実施例11と比べて高く、シャルピー衝撃強度も実施例11と比べて低下した。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして、表1のGの1条スクリュを使用した以外、実施例8と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、135kg/hrでタルクがサイドフィードホッパー(14−2)に溜まったので、130kg/hrに設定し、押出量は520kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度は、実施例8に比べ、345℃と低下し、シャルピー衝撃強度は良好であった。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして、表1のHの1条スクリュを使用した以外、実施例8と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、140kg/hrでタルクがサイドフィードホッパー(14−2)に溜まったので、135kg/hrに設定し、押出量は540kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度は、実施例8に比べ、342℃と低下し、シャルピー衝撃強度は良好であった。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
サイドフィーダースクリュとして、表1のIの1条スクリュを使用した以外、実施例8と同様に実施した。
重量式フィーダー(18−3)は、115kg/hrでタルクがサイドフィードホッパー(14−2)に溜まったので、110kg/hrに設定し、押出量は440kg/hrで実施した。ダイ出口樹脂温度は、実施例8に比べ、353℃とやや高く、シャルピー衝撃強度も実施例8と比べてやや低くなった。
詳細な条件は表3に記載のとおりとした。
1:サイドフィーダースクリュ
1−2:サイドフィーダースクリュ排出口
2:サイドフィーダーシリンダー
3:サイドフィーダー原料供給口
4:サイドフィーダーモーター
5:サイドフィーダーギアボックス
6:サイドフィーダーホッパー
7:粉体原料供給配管
8:ガス抜き配管
9:シリンダー冷却水入口配管
10:シリンダー冷却水出口配管
11:押出機
12:押出機モーター
13:押出機ギアボックス
14−1:第一供給口ホッパー
14−2:第二供給口サイドフィーダーホッパー
14−3:第三供給口サイドフィーダーホッパー
15−1:第一混練ゾーン
15−2:第二混練ゾーン
15−3:第三混練ゾーン
16−1:第一大気ベント
16−2:第二大気ベント
16−3:第三大気ベント
16−4:第四大気ベント
17:真空ベント
18−1、18−2、18−3、18−4:重量式フィーダー
Claims (11)
- 押出機に粉体原材料を供給する、サイドフィーダーであって、
前記サイドフィーダーは、サイドフィーダー原料供給口、サイドフィーダースクリュ、及びサイドフィーダーシリンダーを有し、
前記サイドフィーダースクリュが1条であり、かつ2軸であり、
前記サイドフィーダースクリュの長径Doの短径Diに対する割合(Do/Di)が1.8〜2.2であり、
前記サイドフィーダースクリュのリードLsの長径Doに対する割合(Ls/Do)が1.0〜2.0であり、
前記サイドフィーダーシリンダーと前記サイドフィーダースクリュとの隙間の距離σの、前記サイドフィーダースクリュの長径Doに対する割合(σ/Do)が0.005〜0.05であることを特徴とする、サイドフィーダー。 - 前記サイドフィーダー原料供給口の長さLmfの、前記サイドフィーダースクリュの長径Doに対する割合(Lmf/Do)が2.5〜5.0であり、前記サイドフィーダー原料供給口の幅Wmfの、前記サイドフィーダースクリュの長径Doに対する割合(Wmf/Do)が1.4〜2.0である、請求項1に記載のサイドフィーダー。
- 前記サイドフィーダー原料供給口に接続するサイドフィーダーホッパーをさらに有し、前記サイドフィーダーホッパーの上部にガス抜き配管と粉体原料供給配管とを有する、請求項1又は2に記載のサイドフィーダー。
- 前記ガス抜き配管が、前記粉体原料供給配管よりも押出機側に配置される、請求項3に記載のサイドフィーダー。
- 前記サイドフィーダーホッパーの側壁の傾斜角度βが65〜90度である、請求項3又は4に記載のサイドフィーダー。
- 前記サイドフィーダーシリンダーがシリンダー冷却装置を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のサイドフィーダー。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のサイドフィーダーを少なくとも1つ有することを特徴とする、押出機。
- 前記サイドフィーダーが接続されたバレルの下流に混練ゾーンを有し、前記バレルの上流及び/又は前記混練ゾーンの下流に、ガス抜き用バレルを少なくとも1つ有する、請求項7に記載の押出機。
- 請求項7又は8に記載の押出機を用いた熱可塑性樹脂組成物の製造方法であり、平均粒径が0.1〜200μmの粉体状熱可塑性樹脂及び平均粒径が0.1〜200μmの粉体状無機フィラーからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体原材料を含む原料を、前記サイドフィーダーから供給し、熱可塑性樹脂と溶融混練することを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記粉体原材料が、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリオキシメチレン、及びスチレン・アクリロニトリル・ブタジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体状熱可塑性樹脂である、請求項9に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記粉体原材料が、マイカ、タルク、ガラスフレーク、及びウォラストナイトからなる群から選ばれる少なくとも1種の粉体状無機フィラーである、請求項9に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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