≪発明者による検討内容と実施の形態(その1)≫
欧州における地上デジタルテレビ放送の伝送規格であるDVB―T(DVB-Terrestrial)方式により、欧州を初め、欧州以外の国々でもテレビ放送のデジタル化が広く進行している。一方、周波数利用効率改善を目的として、第2世代地上デジタルテレビ放送であるDVB―T2方式の規格化が2006年より開始され、2009年に英国で本放送によるHDTVサービスが開始された。DVB―T2方式はDVB―Tと同じく、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を採用している(非特許文献1、2)。
一方、携帯・モバイル受信機用伝送規格であるDVB―NGH(DVB-Next Generation Handheld)方式の規格化が2010年より開始され、2012年9月に規格書ドラフトがDVB−TM(DVB-Technical Module)で承認された(非特許文献3)。DVB―NGHはMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送技術を採用した初のデジタルテレビ放送規格である。
図53は、DVB―NGH方式の伝送フレーム構成を示す図である。DVB―NGH方式はPLP(Physical Layer Pipe)と呼ばれる概念を有し、PLP毎に独立に変調方式、符号化率などの伝送パラメータを設定できることが特徴の一つである。PLPの数は最小1、最大255であり、図53は例として、PLPの数が10の場合を示している。
以下に、伝送フレーム構成を示す。
スーパーフレーム=N_EBFフレーム群基本ブロック(N_EBF=2〜255)
フレーム群基本ブロック=N_Fフレーム(N_F=1〜255)
フレーム=P1シンボル+aP1シンボル+P2シンボル+データシンボル
P1シンボル=1シンボル
aP1シンボル=0〜1シンボル
P2シンボル=N_P2シンボル(N_P2はFFTサイズにより一意)
データシンボル=L_dataシンボル(L_dataは可変、上限と下限あり)
P1シンボルはFFTサイズ1k、GI(Guard Interval)=1/2で送信される。P1シンボルはS1の3ビットにより、そのP1シンボルから開始するフレームのフォーマット(NGH_SISO、NGH_MISO、それ以外を示すESCなど)を送信する。
またP1シンボルはS2の4ビットにより、そのフレームのフォーマットがNGH_SISOまたはNGH_MISOの場合、後続するP2シンボル及びデータシンボルにおけるFFTサイズなどの情報を送信する。またP1シンボルはS2の4ビットにより、そのフレームのフォーマットがそれ以外を示すESCである場合、そのフレームのフォーマット(NGH_MIMOなど)を送信する。
aP1シンボルは、P1シンボル中のS1でESCと送信された場合のみ送信される。P1シンボルと同じくFFTサイズ1k、GI(Guard Interval)=1/2で送信されるが、GIの生成方法がP1シンボルと異なる。aP1シンボルはS3の3ビットにより、後続するP2シンボル及びデータシンボルにおけるFFTサイズなどの情報を送信する。
P2シンボルは前半部分にL1シグナリング情報を含み、余った後半部分に主信号データを含む。データシンボルは主信号データの続きを含む。
P2シンボルで送信するL1シグナリング情報は、主に全PLPに共通な情報を送信するL1−pre情報と、主にPLP毎の情報を送信するL1−post情報によって構成される。図53ではL1−pre情報に続いてL1−post情報が送信される、LC(Logical Channel)type Aの構成を示している。なおLC type Bにおいては、L1−post情報の送信順序はL1−pre情報の次に限定されない。
図54は、DVB―NGH方式のMIMOプロファイルにおける送信装置2000の構成を示す図である(非特許文献3参照)。送信装置2000は一例として2つのストリームが入力される、すなわち2つのPLPを生成する場合を示し、PLP毎にMIMO−PLP処理部2031を備える。また送信装置2000は、L1(Layer-1)情報処理部2041、フレーム構成部2051を備える。更に送信装置2000は、送信アンテナ毎にOFDM信号生成部2061、D/A変換部2091、周波数変換部2096を備える。
以下、送信装置2000の動作について説明する。PLP毎のMIMO−PLP処理部2031はそれぞれ入力ストリームをPLPに対応させ、そのPLPに関する処理を行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対する各PLPのマッピングデータ(cell)を出力する。入力ストリームの一例としては、TS(Transport Stream)、TSのあるプログラムに含まれる音声・映像などのサービス・コンポーネント、SVC(Scalable Video Coding)を用いた映像のBase layerやEnhancement layerなどのサービス・サブコンポーネントなどが挙げられ、情報源符号化の一例としてはH.264やHEVC(H.265)などが挙げられる。
L1情報処理部2041は、L1情報に関する処理を行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するL1情報のマッピングデータを出力する。フレーム構成部2051は、MIMO−PLP処理部2031から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対する各PLPのマッピングデータと、L1情報処理部2041から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するL1情報のマッピングデータを用いて、図53に示すDVB―NGH方式の伝送フレームを生成して出力する。
2つの送信アンテナ毎のOFDM信号生成部2061はそれぞれ、フレーム構成部2051から出力されるDVB―NGH方式の伝送フレーム構成に対して、パイロット信号の付加、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、GIの挿入、P1シンボルとaP1シンボルの挿入を行い、DVB―NGH方式のデジタルベースバンド送信信号を出力する。2つの送信アンテナ毎のD/A変換部2091はそれぞれ、OFDM信号生成部2061から出力されるDVB―NGH方式のデジタルベースバンド送信信号に対してD/A変換を行い、DVB―NGH方式のアナログベースバンド送信信号を出力する。2つの送信アンテナ毎の周波数変換部2096はそれぞれ、D/A変換部2091から出力されるDVB―NGH方式のアナログベースバンド送信信号に対して周波数チャンネルAに周波数変換を行い、DVB―NGH方式のアナログRF送信信号を図示しない送信アンテナから出力する。
次に、MIMO−PLP処理部2031の動作について詳細を説明する。図55に示す通り、MIMO−PLP処理部2031は、入力処理部2071、FEC(Forward Error Correction)符号化部2072、マッピング部2073、MIMO符号化部2076、2つの送信アンテナ毎のインターリーブ部2074を備える。
MIMO−PLP処理部2031において、入力処理部2071は入力ストリームをベースバンド・フレームに変換する。FEC符号化部2072はベースバンド・フレーム毎にBCH符号化、及びLDPC符号化を行ってパリティビットを付加し、FECフレームを生成する。マッピング部2073はI・Q座標へのマッピングを行ってFECブロックに変換し、各マッピングデータ(cell)を出力する。MIMO符号化部2076はMIMO符号化を行う。2つの送信アンテナ毎のインターリーブ部2074は、整数個のFECブロックを含むTI(Time Interleaving)ブロック内で、マッピングデータ(cell)の並べ替えを行う。
次に、L1情報処理部2041の動作について詳細を説明する。図56に示す通り、L1情報処理部2041は、L1情報生成部2081、FEC符号化部2082、マッピング部2083、MIMO符号化部2076を備える。
L1情報処理部2041において、L1情報生成部2081は、伝送パラメータを生成してL1−pre情報とL1−post情報に変換する。FEC符号化部2082はL1−pre情報とL1−post情報毎に、BCH符号化、及びLDPC符号化を行ってパリティビットを付加する。マッピング部2083はI・Q座標へのマッピングを行い、マッピングデータ(cell)を出力する。MIMO符号化部2076はMIMO符号化を行う。
ところで、HDTVサービスの解像度を超えるUHDTV(Ultra HDTV)サービスの検討が盛んに行われている。特に8k画質(水平7,680×垂直4,320の画素数)のサービス実現のためにはHEVC(H.265)を用いたとしても、100Mbpsを超えるペイロード・ビットレートの伝送が必要である。英国におけるDVB―T2方式の本放送では、帯域幅8MHzを用いて約40Mbpsのペイロード・ビットレートにより伝送を行っている。DVB−T2方式に2つの送信アンテナを用いたMIMO伝送技術を適用したとしても、ペイロード・ビットレートは最大約80Mbpsであり、8k画質のサービスを伝送することができない。よって、複数の基本帯域(例:8MHz)を用いたMIMO伝送技術の検討が重要である。ここで基本帯域とは、上記の周波数チャンネルを指し、図54ではCH−Aに相当する。すなわち、基本帯域は変調されたRF送信信号の帯域幅を指す。
ここでLTE−Advanced規格(LTE Rel.10)では、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術を規定している。しかしながら、変調と伝送路符号化はトランスポートブロック単位で各基本帯域(CC:Component Carrier)で独立に行われ、それぞれ1つのCCのみにマッピングされる。従って、伝送路符号化による周波数ダイバーシティ効果は基本帯域内に限定される。
また特許文献1には、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、MIMO符号化の前に複数の基本帯域を一括してインターリーブを行う構成が示されているが、インターリーブの具体的処理に関する記載がなされていない。
前述の通り、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果が不十分であるという課題がある。
以下で説明する、実施の形態1〜8に係る発明は、この課題を解決するべくなされたものであり、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、集積回路、及びプログラムを提供することを目的とする。
以下、各実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
<送信装置及び送信方法>
図1は、本発明の実施の形態1における送信装置100の構成を示す図である。従来の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図1に示す送信装置100は図54に示す従来の送信装置2000と比較して、MIMO−PLP処理部2031及びL1情報処理部2041及びフレーム構成部2051をMIMO−PLP処理部131及びL1情報処理部141及びフレーム構成部151にそれぞれ置き換えた構成である。また送信装置100では、各送信アンテナの周波数チャンネル毎にOFDM信号生成部2061、D/A変換部2091を備える。更に送信装置100では、送信アンテナ毎に周波数チャンネルAに対しては周波数変換部2096を備え、周波数チャンネルBに対しては周波数変換部196を備える。
以下、送信装置100の動作について説明する。PLP毎のMIMO−PLP処理部131はそれぞれ入力ストリームをPLPに対応させ、そのPLPに関する処理を行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対する各PLPのマッピングデータ(cell)を出力する。
L1情報処理部141は、L1情報に関する処理を行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するL1情報のマッピングデータを出力する。
フレーム構成部151は、MIMO−PLP処理部131から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対する各PLPのマッピングデータと、L1情報処理部141から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するL1情報のマッピングデータを用いて、図53に示す伝送フレームを生成して出力する。ここで図54に示す従来の送信装置2000と異なる点は、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)において、伝送フレームを構成していることである。
2つの送信アンテナの周波数チャンネル毎のOFDM信号生成部2061及びD/A変換部2091は、図54に示す従来の送信装置2000と同様の動作を行う。
周波数チャンネルAに対する2つの送信アンテナ毎の周波数変換部2096は図54に示す従来の送信装置2000と同様に、周波数チャンネルAに周波数変換を行い、アナログRF送信信号を図示しない送信アンテナから出力する。一方周波数チャンネルBに対する2つの送信アンテナ毎の周波数変換部196は、周波数チャンネルBに周波数変換を行い、アナログRF送信信号を図示しない送信アンテナから出力する。
図2は、MIMO−PLP処理部131の構成を示す図である。図55に示す従来のMIMO−PLP処理部2031と比較して、MIMO符号化部2076をMIMO符号化部176に置き換えた構成である。またMIMO−PLP処理部131では、各送信アンテナの周波数チャンネル毎にインターリーブ部2074を備える。
図2のMIMO−PLP処理部131において、MIMO符号化部176は入力される各FECブロックに対して、先頭から4つずつのマッピングデータ(cell)を用いてプリコーディングを行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するMIMO符号化データを出力する。各FECブロックのマッピングデータ(cell)を先頭からs1、s2、…、sNcells(Ncells:FECブロック中のcell数)と表すと、入力ベクトルs=(s4k+1,s4k+2,s4k+3,s4k+4)T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)に対して出力ベクトルz=(z1A_k,z2A_k,z1B_k,z2B_k)Tは式(1)のように表される。
但し、zPQ_kは送信アンテナP、周波数チャンネルQに対する出力データ(MIMO符号化データ)、Fは式(2)で表される固定プリコーディング行列である。
式(2)において、固定プリコーディング行列の各要素wMN(M=1,2,3,4、N=1,2,3,4)は複素数である。但し、wMNは全て複素数である必要はなく、実数の要素が含まれてもよい。
なお式(3)と式(4)に示す通り、式(1)に対して更に規則的に変化する位相変更行列X(k)を乗算して、プリコーディングを行ってもよい。
この位相変更行列X(k)により、送信アンテナ2(Tx−2)に対するMIMO符号化データ系列に対して、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)ともに2π/9ラジアンずつ変化する周期9の位相変更を施す。よってMIMO伝送路に規則的な変動を起こすことにより、直接波が支配的なLOS(Line Of Sight)環境における受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。なお、この位相変更例は一例に過ぎず、周期は9に限ったものではない。この周期の数が多くなればその分だけ、受信装置の受信性能(より正確には誤り訂正性能)の向上を促すことができる可能性がある(周期が大きければよいというわけではないが、2のような小さい値は避ける方がよい可能性が高い)。
また、上記式(3)と式(4)で示した位相変更例では逐次所定の位相(上記式では、2π/9ラジアンずつ)だけ回転させていく構成を示したが、同じ位相量だけ回転させるのではなくランダムに位相を変更することとしてもよい。位相の規則的な変更において重要となるのは、変調信号の位相が規則的に変更されることであり、変更される位相の度合いについては、なるべく均等になる、例えば、−πラジアンからπラジアンに対し、一様分布となるのが望ましいもののランダムであってもよい。
MIMO符号化部176が以上の動作をすることにより、出力ベクトルzの各要素は式(5)〜式(8)のように表される。
ここで、f1A、f2A、f1B、f2Bは関数を表す。
2つの送信アンテナの周波数チャンネル毎のインターリーブ部2074は、図54に示す従来の送信装置2000と同様の動作を行う。これにより、FECブロック中の各マッピングデータ(cell)の成分は、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)全てから送信される。
図3は、L1情報処理部141の構成を示す図である。図56に示す従来のL1情報処理部2041と比較して、L1情報生成部2081とMIMO符号化部2076をL1情報生成部181とMIMO符号化部176にそれぞれ置き換えた構成である。
図3のL1情報処理部141において、L1情報生成部181は2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に関する伝送パラメータを生成する。MIMO符号化部176は前述した図2におけるMIMO符号化部176と同様の動作を行う。これにより、L1情報のFECブロック中の各マッピングデータ(cell)の成分は、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)全てから送信される。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中の各マッピングデータ(cell)の成分を、全送信アンテナそれぞれの全周波数チャンネルから送信することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、複数の基本帯域に渡ってMIMOプリコーディング処理結果を出力することが特徴である。
なお、ここでの基本帯域とは、上記の周波数チャンネルを指し、図1ではCH−AとCH−Bに相当する。すなわち、基本帯域は変調されたRF送信信号の帯域幅を指す。以降でも、同じ定義である。
また、複数の基本帯域を用いた伝送とは、複数の基本帯域のそれぞれにおいて、共通のサービスのコンテンツを格納したRF送信信号を生成して同時に送信することを意味する。ここで、複数の基本帯域は互いに隣接した複数の基本帯域であっても良いし、他のサービスで使用される周波数チャネル、または周波数帯域を間に含む、隣接しない複数の基本帯域であっても良い。
なお、複数の基本帯域を用いた伝送では、複数の基本帯域のRF送信信号を常に同時に送信する必要は無く、例えば、時分割された一部の期間において一つの基本帯域のみを用いた伝送が行われるような使用する基本帯域の数を切り替え可能な方式であってもよい。
<受信装置及び受信方法>
図4は、本発明の実施の形態1における受信装置200の構成を示す図である。図4の受信装置200は、図1の送信装置100に対応し、送信装置100の機能を反映するものである。
受信装置200は、受信アンテナ(Rx−1、Rx−2)毎に一方の周波数チャンネル(CH−A)用のチューナ部205Aと、A/D変換部208Aと、復調部211Aと、周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215Aと、PLP用デインターリーブ部221Aと、選択部231Aを備える。また受信装置200は、受信アンテナ(Rx−1、Rx−2)毎に他方の周波数チャンネル(CH−B)用のチューナ部205Bと、A/D変換部208Bと、復調部211Bと、周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215Bと、PLP用デインターリーブ部221Bと、選択部231Bを備える。更に受信装置200は、MIMOデマッピング部232と、FEC復号化部233を備える。
以下、受信装置200の動作について説明する。
一方の受信アンテナRx−1よりアナログRF送信信号が入力されると、チューナ部205A−1は一方の周波数チャンネル(CH−A)の信号を選択受信し、所定の帯域にダウンコンバートする。A/D変換部208A−1はA/D変換して、デジタル受信信号を出力する。復調部211A−1はOFDM復調を行い、I・Q座標のcellデータと伝送路推定値を出力する。周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215A−1は、選局されたプログラムデータを含むPLPのcellデータと伝送路推定値を周波数デインターリーブし、かつL1情報のcellデータと伝送路推定値のデインターリーブを行う。デインターリーブされたL1情報のcellデータと伝送路推定値は、選択部231A−1で選択される。
他方の受信アンテナRx−2よりアナログRF送信信号が入力されると、チューナ部205A−2と、A/D変換部208A−2と、復調部211A−2と、周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215A−2と、PLP用デインターリーブ部221A−2と、選択部231A−2は前述のRx−1(CH−Aの選択受信)と同様の動作を行う。
また受信アンテナRx−1よりアナログRF送信信号が入力されると、チューナ部205B−1は他方の周波数チャンネル(CH−B)の信号を選択受信し、所定の帯域にダウンコンバートする。A/D変換部208B−1と、復調部211B−1と、周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215B−1と、PLP用デインターリーブ部221B−1と、選択部231B−1は前述のRx−1(CH−Aの選択受信)と同様の動作を行う。
また受信アンテナRx−2よりアナログRF送信信号が入力されると、チューナ部205B−2と、A/D変換部208B−2と、復調部211B−2と、周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215B−2と、PLP用デインターリーブ部221B−2と、選択部231B−2は前述のRx−1(CH−Aの選択受信)と同様の動作を行う。
4つの選択部(231A−1、231A−2、231B−1、231B−2)から出力されたL1情報のcellデータと伝送路推定値に対して、MIMOデマッピング部232がMIMO用デマッピング処理を行い、FEC復号化部233がLDPC復号処理、BCH復号処理を行う。これにより、L1情報が復号される。
4つのPLP用デインターリーブ部221(221A−1、221A−2、221B−1、221B−2)は、復号されたL1情報に含まれるスケジューリング情報に基づき、ユーザにより選択されたプログラムを含むPLP(例えば、図1に示すPLP−1)のcellデータと伝送路推定値を抽出して、送信側のインターリーブ処理と逆の並べ替えを行う。
4つの選択部(231A−1、231A−2、231B−1、231B−2)はそれぞれ、これら4つのPLP用デインターリーブ部(221A−1、221A−2、221B−1、221B−2)出力を選択する。
4つの選択部(231A−1、231A−2、231B−1、231B−2)から出力されたPLPのcellデータと伝送路推定値に対して、MIMOデマッピング部232がMIMO用デマッピング処理を行い、FEC復号化部233がLDPC復号処理、BCH復号処理を行う。これにより、PLPデータが復号される。
また、図4の受信装置200の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路240としてもよい。
以下、MIMOデマッピング部232の動作について説明する。MIMOデマッピング部232に入力される各FECブロックに対して、入力ベクトルy=(y1A_k,y2A_k,y1B_k,y2B_k)T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)は式(9)のように表される。
但し、yPQ_kは受信アンテナP、周波数チャンネルQに対する入力データ、Hは式(10)で表される伝送路行列、n=(n1A_k,n2A_k,n1B_k,n2B_k)
Tはノイズベクトルであり、nPQ_kは平均値0、分散σ
2のi.i.d.複素ガウス雑音である。
式(9)と式(10)を用いて、MIMOデマッピング部232は最尤復号(MLD:Maximum Likelihood Decoding)を行い、各FECブロックのベクトル推定値s’=(s’4k+1,s’4k+2,s’4k+3,s’4k+4)
T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)を算出して、出力する。なお、MIMOデマッピング部232の処理は最尤復号に限らず、ZF(Zero Forcing)など他の方法を用いてもよい。
ここで式(10)において、伝送路行列Hの各要素hMN_k(M=1,2,3,4、N=1,2,3,4)は複素数である。注目すべき点は、(M=1,2、N=3,4)及び(M=3,4、N=1,2)に対する伝送路行列Hの要素が0であることである。これらの要素は異なる2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間を示すため、0となる。よって、式(9)と式(10)は4行4列の伝送路行列Hを含むが、伝送路行列Hの全要素が非零の場合と比較して、MIMOデマッピング部232における演算量は少なくなる。
FEC復号化部233はMIMOデマッピング部232から出力される各FECブロックのベクトル推定値s’に対してLDPC復号とBCH復号を行い、復号結果を出力する。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中の各マッピングデータ(cell)の成分を、全送信アンテナそれぞれの全周波数チャンネルから送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。
<送信装置及び送信方法の変形例>
なお、図2に示すMIMO−PLP処理部131を図5に示すMIMO−PLP処理部132に置き換えてもよい。図5に示すMIMO−PLP処理部132は図2に示すMIMO−PLP処理部131と比較して、MIMO符号化部176をMIMO符号化部177に置き換えた構成である。更に周波数チャンネルB(CH−B)に対する2つのインターリーブ部2074−3と2074−4をそれぞれインターリーブ部174−3と174−4にそれぞれ置き換えた構成である。
図5において、MIMO符号化部177は式(11)に示す位相変更行列X(k)を乗算して、プリコーディングを行ってもよい。
式(11)におけるθの値の一例としてπ/9が挙げられるが、これに限定されない。式(11)に示す位相変更行列X(k)により、送信アンテナ2(Tx−2)に対するMIMO符号化データ系列に対して、一方の周波数チャンネル(CH−A)には初期値0ラジアンで、2π/9ラジアンずつ変化する周期9の位相変更を施す。他方の周波数チャンネル(CH−B)には初期値π/9ラジアンで、2π/9ラジアンずつ変化する周期9の位相変更を施す。2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)が同一の送信アンテナ群(Tx−1,Tx−2)から送信され、同一の受信アンテナ群(Rx−1,Rx−2)で受信される場合、特に直接波が支配的なLOS環境においては、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)の伝送路特性が高い相関性を持つ可能性がある。式(11)に示す位相変更行列X(k)は2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)の位相変更パターンを異ならせることで、相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。なお位相変更パターンを異ならせる方法がこれに限らず、例えば異なる位相変更の周期を用いてもよい。
図5において、周波数チャンネルB(CH−B)に対する2つのインターリーブ部174−3と174−4は、周波数チャンネルA(CH−A)に対する2つのインターリーブ部2074−1と2074−2と異なるパターンの並べ替えを行ってもよい。異なるパターンの一例としては、インターリーブを行うフレーム数が挙げられるが、これに限定されない。ここで注目すべき点は、同じ周波数チャンネルA(CH−A)に対する2つのインターリーブ部2074−1と2074−2は同一パターンの並べ替えを行い、かつ同じ周波数チャンネルB(CH−B)に対する2つのインターリーブ部174−1と174−2は同一パターンの並べ替えを行う点である。これにより、MIMOデマッピングにおける演算量を増加させることなく、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対する位相変更行列X(k)の位相変更パターンを異ならせることとインターリーブの並び替えパターンを異ならせることは同時に適用してもよいし、いずれか一方のみ適用してもよい。
また、図3に示すL1情報処理部141を図6に示すL1情報処理部142に置き換えてもよい。図6に示すL1情報処理部142は図3に示すL1情報処理部141と比較して、MIMO符号化部176をMIMO符号化部177に置き換えた構成である。MIMO符号化部177は、図5におけるMIMO符号化部177と同様の動作を行う。これにより、式(11)に示す位相変更行列X(k)は2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)の位相変更パターンを異ならせることで、相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
<受信装置及び受信方法の変形例>
以上の図5に示すMIMO−PLP処理部132及び図6に示すL1情報処理部142が適用された場合に対する受信装置250の構成を図7に示す。図7に示す受信装置250は図4に示す受信装置200と比較して、周波数チャンネルB(CH−B)用のPLP用デインターリーブ部221BをPLP用デインターリーブ部222Bに置き換え、MIMOデマッピング部232をMIMOデマッピング部235に置き換えた構成である。図7において周波数チャンネルB(CH−B)用のPLP用デインターリーブ部222Bは、図5におけるインターリーブ部174と逆の並び替えを行う。またMIMOデマッピング部235は、式(4)に示す位相変更行列X(k)の代わりに式(11)に示す位相変更行列X(k)を考慮して、式(9)と式(10)を用いて最尤復号(MLD)を行う。
また、図7の受信装置250の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路241としてもよい。
(実施の形態2)
<送信装置及び送信方法>
図8は、本発明の実施の形態2における送信装置300の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態1の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図8の送信装置300は図1に示す実施の形態1における送信装置100と比較して、MIMO−PLP処理部131及びL1情報処理部141をMIMO−PLP処理部331及びL1情報処理部341にそれぞれ置き換えた構成である。
図9は、MIMO−PLP処理部331の構成を示す図である。図2に示す実施の形態1におけるMIMO−PLP処理部131と比較して、S/P(Serial to Parallel)変換部378を追加した構成である。更に、MIMO符号化部176を2つのMIMO符号化部376Aと376Bに置き換えた構成である。
図9のMIMO−PLP処理部331において、S/P変換部378は入力される各FECブロックに対して、先頭から2つずつのマッピングデータ(cell)を順にMIMO符号化部376A、MIMO符号化部376B、MIMO符号化部376A、MIMO符号化部376B、…と振り分ける。よって、各FECブロックの半分ずつのマッピングデータ(cell)がMIMO符号化部376Aと376Bに振り分けられる。
MIMO符号化部376Aは入力される各FECブロックの内の半分のマッピングデータ(cell)に対して、先頭から2つずつを用いてプリコーディングを行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するMIMO符号化データを出力する。各FECブロックのマッピングデータ(cell)を先頭からs1、s2、…、sNcells(Ncells:FECブロック中のcell数)と表すと、MIMO符号化部376Aへの入力ベクトルs_A=(s4k+1,s4k+2)T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)に対して出力ベクトルz_A=(z1A_k,z2A_k)Tは式(12)のように表される。
但し、zPQ_kは送信アンテナP、周波数チャンネルQに対する出力データ(MIMO符号化データ)、F_Aは式(13)で表される固定プリコーディング行列である。
式(13)において、固定プリコーディング行列の各要素wMN_A(M=1,2、N=1,2)は複素数である。但し、wMN_Aは全て複素数である必要はなく、実数の要素が含まれてもよい。
なお式(14)と式(15)に示す通り、式(12)に対して更に規則的に変化する位相変更行列X_A(k)を乗算して、プリコーディングを行ってもよい。
この位相変更行列X_A(k)により、送信アンテナ2(Tx−2)に対するMIMO符号化データ系列に対して、2π/9ラジアンずつ変化する周期9の位相変更を施す。よってMIMO伝送路に規則的な変動を起こすことにより、直接波が支配的なLOS(Line Of Sight)環境における受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。なお、この位相変更例は一例に過ぎず、周期は9に限ったものではない。この周期の数が多くなればその分だけ、受信装置の受信性能(より正確には誤り訂正性能)の向上を促すことができる可能性がある(周期が大きければよいというわけではないが、2のような小さい値は避ける方がよい可能性が高い。)。
また、上記式(14)と式(15)で示した位相変更例では逐次所定の位相(上記式では、2π/9ラジアンずつ)だけ回転させていく構成を示したが、同じ位相量だけ回転させるのではなくランダムに位相を変更することとしてもよい。位相の規則的な変更において重要となるのは、変調信号の位相が規則的に変更されることであり、変更される位相の度合いについては、なるべく均等になる、例えば、−πラジアンからπラジアンに対し、一様分布となるのが望ましいもののランダムであってもよい。
一方、MIMO符号化部376BはMIMO符号化部376Aと同様にして、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するMIMO符号化データを出力する。MIMO符号化部376Bへの入力ベクトルs_B=(s4k+3,s4k+4)T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)に対して出力ベクトルz_B=(z1B_k,z2B_k)Tは式(16)のように表される。
但し、F_Bは式(17)で表される固定プリコーディング行列である。
なお式(18)と式(19)に示す通り、式(16)に対して更に規則的に変化する位相変更行列X_B(k)を乗算して、プリコーディングを行ってもよい。
MIMO符号化部376Aと376Bが以上の動作をすることにより、出力ベクトルz_A及びz_Bの各要素は式(20)〜式(23)のように表される。
2つの送信アンテナの周波数チャンネル毎のインターリーブ部2074は、図55におけるインターリーブ部2074と同様の動作を行う。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
なお、図9に示すMIMO−PLP処理部331を図10に示すMIMO−PLP処理部332に置き換えてもよい。図10に示すMIMO−PLP処理部332は図9に示すMIMO−PLP処理部331と比較して、マッピング部2073後段のS/P変換部378をマッピング部2073前段のS/P変換部379に置き換えた構成である。更にマッピング部2073を2つ備えた構成である。
図10において、S/P変換部379はFEC符号化部2072から出力される各FECフレームに対して、先頭から2つずつのマッピングデータ(cell)となるビットグループを順にマッピング部2073A、マッピング部2073B、マッピング部2073A、マッピング部2073B、…と振り分ける。マッピング部2073Aとマッピング部2073Bは、図9におけるマッピング部2073と同様の動作を行う。よって、図9に示すMIMO−PLP処理部331と同様に、各FECブロックの半分ずつのマッピングデータ(cell)がMIMO符号化部376Aと376Bに振り分けられることになる。その他の動作は、図9に示すMIMO−PLP処理部331と同様である。
図11は、L1情報処理部341の構成を示す図である。図3に示す実施の形態1におけるL1情報処理部141と比較して、S/P変換部378を追加した構成である。更に、MIMO符号化部176を2つのMIMO符号化部376Aと376Bに置き換えた構成である。
図11のL1情報処理部341において、S/P変換部378は図9での動作と同様にして、入力される各FECブロックに対して、先頭から2つずつのマッピングデータ(cell)を順にMIMO符号化部376A、MIMO符号化部376B、MIMO符号化部376A、MIMO符号化部376B、…と振り分ける。よって、各FECブロックの半分ずつのマッピングデータ(cell)がMIMO符号化部376Aと376Bに振り分けられる。
MIMO符号化部376AとMIMO符号化部376Bは図9での動作と同様にして、入力される各FECブロックの内の半分のマッピングデータ(cell)に対して、先頭から2つずつを用いてプリコーディングを行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するMIMO符号化データを出力する。これにより、L1情報のFECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
なお、図11に示すL1情報処理部341を図12に示すL1情報処理部342に置き換えてもよい。図12に示すL1情報処理部342は図11に示す1情報処理部341と比較して、マッピング部2083後段のS/P変換部378をマッピング部2083前段のS/P変換部379に置き換えた構成である。更にマッピング部2083を2つ備えた構成である。
図12において、S/P変換部379は図10での動作と同様にして、FEC符号化部2082から出力される各FECフレームに対して、先頭から2つずつのマッピングデータ(cell)となるビットグループを順にマッピング部2083A、マッピング部2083B、マッピング部2083A、マッピング部2083B、…と振り分ける。マッピング部2083Aとマッピング部2083Bは、図11におけるマッピング部2083と同様の動作を行う。よって、図11に示すL1情報処理部341と同様に、L1情報のFECブロック中の半分ずつのマッピングデータ(cell)がMIMO符号化部376Aと376Bに振り分けられることになる。その他の動作は、図11に示すL1情報処理部341と同様である。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、各FECブロックに対して、先頭から2つずつのマッピングデータ(cell)を順にMIMO符号化部376A、MIMO符号化部376B、MIMO符号化部376A、MIMO符号化部376B、…と振り分けることが特徴である。
<受信装置及び受信方法>
図13は、本発明の実施の形態2における受信装置400の構成を示す図である。図13の受信装置400は、図8の送信装置300に対応し、送信装置300の機能を反映するものである。従来の受信装置、及び実施の形態1の受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図13の受信装置400は図4に示す実施の形態1における受信装置200と比較して、MIMOデマッピング部232を2つのMIMOデマッピング部432に置き換えた構成である。更に、P/S変換部435を追加した構成である。
以下、図13の受信装置400の動作について説明する。MIMOデマッピング部432Aに入力される各FECブロック内の半分のマッピングデータ(cell)に対して、入力ベクトルy_A=(y1A_k,y2A_k)T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)は式(24)のように表される。
但し、yPQ_kは受信アンテナP、周波数チャンネルQに対する入力データ、H_Aは式(25)で表される伝送路行列、n_A=(n1A_k,n2A_k)
Tはノイズベクトルであり、nPQ_kは平均値0、分散σ
2のi.i.d.複素ガウス雑音である。
式(24)と式(25)を用いて、MIMOデマッピング部432Aは最尤復号(MLD)を行い、各FECブロックの内の半分のベクトル推定値s’=(s’4k+1,s’4k+2)
T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)を算出して、出力する。なお、MIMOデマッピング部432Aの処理は最尤復号に限らず、ZFなど他の方法を用いてもよい。
一方、MIMOデマッピング部432Bに入力される各FECブロック内の残り半分のマッピングデータ(cell)に対して、入力ベクトルy_B=(y1B_k,y2B_k)T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)は式(26)のように表される。
但し、H_Bは式(27)で表される伝送路行列、n_B=(n1B_k,n2B_k)
Tはノイズベクトルである。
式(26)と式(27)を用いて、MIMOデマッピング部432Bは最尤復号(MLD:Maximum Likelihood Decoding)を行い、各FECブロックの内の残り半分のベクトル推定値s’=(s’4k+3,s’4k+4)
T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)を算出して、出力する。なお、MIMOデマッピング部432Bの処理は最尤復号に限らず、ZF(Zero Forcing)など他の方法を用いてもよい。
P/S変換部435は、MIMOデマッピング部432Aから出力される各FECブロックの内の半分のベクトル推定値s’=(s’4k+1,s’4k+2)T(k=0,1,…,(Ncells/4)−1)と、MIMOデマッピング部432Bから出力される各FECブロックの内の残り半分のベクトル推定値s’=(s’4k+3,s’4k+4)Tを多重し、各FECブロックのベクトル推定値s’=(s’4k+1,s’4k+2,s’4k+3,s’4k+4)Tを出力する。
ここで式(25)と(27)において、伝送路行列H_AとH_Bの各要素hMN_k(M=1,2、N=1,2)(M=3,4、N=3,4)は複素数である。注目すべき点は、式(25)と(27)はともに4行4列ではなく、2行2列の伝送路行列Hを含んでいる。よって実記の形態1のMIMOデマッピング部232と比較して、MIMOデマッピング部432Aと432Bにおける演算量は少なくなる。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。
また、図13の受信装置400の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路440としてもよい。
<送信装置及び送信方法の変形例>
なお、図9に示すMIMO−PLP処理部331を図14に示すMIMO−PLP処理部333に置き換えてもよい。図14に示すMIMO−PLP処理部333は図9に示すMIMO−PLP処理部331と比較して、MIMO符号化部376BをMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。更に周波数チャンネルB(CH−B)に対する2つのインターリーブ部2074−3と2074−4をそれぞれインターリーブ部174−3と174−4にそれぞれ置き換えた構成である。
図14において、MIMO符号化部377Bは式(28)に示す固定プリコーディング行列F_Bを用いて、プリコーディングを行ってもよい。
これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
また図14において、MIMO符号化部377Bは式(29)に示す位相変更行列X_B(k)を乗算して、プリコーディングを行ってもよい。
式(29)におけるθの値の一例としてπ/9が挙げられるが、これに限定されない。式(29)に示す位相変更行列X_B(k)により、送信アンテナ2(Tx−2)に対するMIMO符号化データ系列に対して、一方の周波数チャンネル(CH−A)には初期値0ラジアンで、2π/9ラジアンずつ変化する周期9の位相変更が施され、他方の周波数チャンネル(CH−B)には初期値π/9ラジアンで、2π/9ラジアンずつ変化する周期9の位相変更が施される。2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)が同一の送信アンテナ群(Tx−1,Tx−2)から送信され、同一の受信アンテナ群(Rx−1,Rx−2)で受信される場合、特に直接波が支配的なLOS環境においては、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)の伝送路特性が高い相関性を持つ可能性がある。式(15)と式(29)にそれぞれ示す位相変更行列X_A(k)とX_B(k)は2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)の位相変更パターンを異ならせることで、相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
図14において、周波数チャンネルB(CH−B)に対する2つのインターリーブ部174−3と174−4は実施の形態1における<送信装置及び送信方法の変形例>と同様に、周波数チャンネルA(CH−A)に対する2つのインターリーブ部2074−1と2074−2と異なるパターンの並べ替えを行ってもよい。これにより、MIMOデマッピングにおける演算量を増加させることなく、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対する固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせること、及びインターリーブの並び替えパターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
また、図10に示すMIMO−PLP処理部332を図15に示すMIMO−PLP処理部334に置き換えてもよい。図15に示すMIMO−PLP処理部334は図10に示すMIMO−PLP処理部332と比較して、マッピング部2073BとMIMO符号化部376Bをそれぞれマッピング部373BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。更に周波数チャンネルB(CH−B)に対する2つのインターリーブ部2074−3と2074−4をそれぞれインターリーブ部174−3と174−4にそれぞれ置き換えた構成である。
図15において、周波数チャンネルB(CH−B)に対するマッピング部373Bは、周波数チャンネルA(CH−A)に対するマッピング部2073Aと異なるパターンのマッピングを行ってもよい。異なるパターンの一例としては、マッピング部2073Aと373Bがそれぞれ均一マッピングと非均一マッピングを用いることが挙げられるが、これに限定されない。均一マッピングと非均一マッピングの一例としてはそれぞれ、非特許文献3における64−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とNU(Non Uniform)−64QAMが挙げられるが、これに限定されない。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
MIMO符号化部377Bと、インターリーブ部174−3と174−4は図14と同様の動作を行う。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するマッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせること、及びインターリーブの並び替えパターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
また、図11に示すL1情報処理部341を図16に示すL1情報処理部343に置き換えてもよい。図16に示すL1情報処理部343は図11に示すL1情報処理部341と比較して、MIMO符号化部376BをMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。MIMO符号化部377Bは、図14におけるMIMO符号化部377Bと同様の動作を行う。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
また、図12に示すL1情報処理部342を図17に示すL1情報処理部344に置き換えてもよい。図17に示すL1情報処理部344は図12に示すL1情報処理部342と比較して、マッピング部2083BとMIMO符号化部376Bをそれぞれマッピング部383BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。
図17において、周波数チャンネルB(CH−B)に対するマッピング部383Bは図15におけるマッピング部373Bと同様にして、周波数チャンネルA(CH−A)に対するマッピング部2083Aと異なるパターンのマッピングを行ってもよい。異なるパターンの一例としては、マッピング部2083Aと383Bがそれぞれ均一マッピングと非均一マッピングを用いることが挙げられるが、これに限定されない。均一マッピングと非均一マッピングの一例としてはそれぞれ、非特許文献3における64−QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とNU(Non Uniform)−64QAMが挙げられるが、これに限定されない。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
またMIMO符号化部377Bは、図14におけるMIMO符号化部377Bと同様の動作を行う。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するマッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
<受信装置及び受信方法の変形例>
以上の図14に示すMIMO−PLP処理部333または図15に示すMIMO−PLP処理部334と、図16に示すL1情報処理部343または図17に示すL1情報処理部344が適用された場合に対する受信装置450の構成を図18に示す。図18に示す受信装置450は図13に示す受信装置400と比較して、周波数チャンネルB(CH−B)用のPLP用デインターリーブ部221BとMIMOデマッピング部432BをそれぞれPLP用デインターリーブ部222BとMIMOデマッピング部434Bに置き換えた構成である。図18において周波数チャンネルB(CH−B)用のPLP用デインターリーブ部222Bは図7のそれと同様の動作を行う。また周波数チャンネルB(CH−B)用MIMOデマッピング部434Bは、式(17)に示す固定プリコーディング行列F_Bの代わりに式(28)に示す固定プリコーディング行列F_Bを考慮して、式(26)と式(27)を用いて最尤復号(MLD)を行う。また周波数チャンネルB(CH−B)用MIMOデマッピング部434Bは、式(19)に示す位相変更行列X_B(k)の代わりに式(29)に示す位相変更行列X_B(k)を考慮して、式(26)と式(27)を用いて最尤復号(MLD)を行う。更に、図15に示すMIMO−PLP処理部334と図17に示すL1情報処理部344のように、周波数チャンネルB(CH−B)が周波数チャンネルA(CH−A)と異なるパターンのマッピングを行っている場合には、それも考慮して最尤復号(MLD)を行う。
また、図18の受信装置450の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路441としてもよい。
(実施の形態3)
<送信装置及び送信方法>
図19は、本発明の実施の形態3における送信装置500の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態1〜2の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図19の送信装置500は図1に示す実施の形態1における送信装置100と比較して、MIMO−PLP処理部131及びL1情報処理部141をMIMO−PLP処理部531及びL1情報処理部541にそれぞれ置き換えた構成である。
図20は、MIMO−PLP処理部531の構成を示す図である。図10に示す実施の形態2におけるMIMO−PLP処理部332と比較して、周波数チャンネル間入替部591を追加した構成である。更に、FEC符号化部2072後段のS/P変換部379をFEC符号化部2072前段のS/P変換部581に置き換え、FEC符号化部2072を2つ備えた構成である。
図20において、S/P変換部581は入力処理部2071から出力されるベースバンド・フレームに対して、フレーム先頭から順にベースバンド・フレーム単位で順にFEC符号化部2072A、FEC符号化部2072B、FEC符号化部2072A、FEC符号化部2072B、…と振り分ける。
FEC符号化部2072、マッピング部2073、MIMO符号化部376、及びインターリーブ部2074の動作は、図10での動作と同様である。よって、各フレームのFECブロックを先頭からFB−1、FB−2、FB−3、FB−4、…、FB−Nblocks(Nblocks:フレーム中のFECブロック数)と表すと、周波数チャンネルA(CH−A)用のインターリーブ部2074−1と2074−2からは、フレームそれぞれについて、FB−(2N−1)(N=1,2,…,(Nblocks/2))の全cellマッピングデータ(cell)の成分が出力される。一方周波数チャンネルB(CH−B)用のインターリーブ部2074−3と2074−4からは、フレームそれぞれについて、FB−2Nの全マッピングデータ(cell)の成分が出力される。
図21は、周波数チャンネル間入替部591の構成を示す図である。周波数チャンネル間入替部591はセレクタ595を4つ備えた構成である。周波数チャンネル間入替部591は選択信号を生成し、4つのセレクタ595に入力する。選択信号が“0”の場合、セレクタは“0”に入力されるデータを選択して出力する。逆に選択信号が“1”の場合、セレクタは“1”に入力されるデータを選択して出力する。一例として、生成された選択信号が各FECブロックの先頭からcell単位で“0”、“1”、“0”、“1”、…と交番する場合、周波数チャンネル間入替部591の出力データ系列は以下で示される。
Tx−1,CH−A:u1_2k+1(FB−(2N−1)),u3_2k+2(FB−2N)
Tx−2,CH−A:u2_2k+1(FB−(2N−1)),u4_2k+2(FB−2N)
Tx−1,CH−B:u3_2k+1(FB−2N),u1_2k+2(FB−2N−1)
Tx−2,CH−B:u4_2k+1(FB−2N),u4_2k+2(FB−2N−1)
(k=0,1,…,(Ncells/2)−1)
但し、uR_T(FB−L)はインターリーブ部2074−Rから出力されるFB−Lの先頭からT番目のマッピングデータ(cell)の成分であり、NcellsはFECブロック中のcell数である。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
なお、選択信号は各FECブロックの先頭からcell単位で“0”、“1”、“0”、“1”、…の交番とは限らず、好ましくは“0”と“1”の数が均等に近ければよい。
図22は、L1情報処理部541の構成を示す図である。図12に示す実施の形態2におけるL1情報処理部342と比較して、周波数チャンネル間入替部591を追加した構成である。更に、FEC符号化部2082後段のS/P変換部379をFEC符号化部2082前段のS/P変換部581に置き換え、FEC符号化部2082を2つ備えた構成である。S/P変換部581は図20での動作と同様にして、L1情報生成部181から出力されるL1−pre情報とL1−post情報のベースバンド・フレームに対して、フレーム先頭から順にベースバンド・フレーム単位で順にFEC符号化部2082A、FEC符号化部2082B、FEC符号化部2082A、FEC符号化部2082B、…と振り分ける。FEC符号化部2082、マッピング部2083、MIMO符号化部376の動作は、図12での動作と同様である。周波数チャンネル間入替部591の動作は、図21での動作と同様である。但し、MIMO符号化部376から出力されるMIMO符号化データを入力として図21に示す構成により動作し、フレーム構成部151に出力する。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、MIMO伝送の用いる周波数チャンネル分だけのFEC符号化部を設けて、インターリーブ後に周波数チャンネル間のデータ入替を行うことが特徴である。
<受信装置及び受信方法>
図23は、本発明の実施の形態3における受信装置600の構成を示す図である。図23の受信装置600は、図19の送信装置500に対応し、送信装置500の機能を反映するものである。従来の受信装置、及び実施の形態1〜2の受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図23の受信装置600は図13に示す実施の形態2における受信装置400と比較して、P/S変換部435をP/S変換部635に置き換えた構成である。更に、周波数チャンネル間逆入替部637を追加した構成である。
以下、図23の受信装置600の動作について説明する。周波数チャンネル間逆入替部637は、図21に示す周波数チャンネル間入替部591と逆のデータ入替を行う。P/S変換部635は、MIMOデマッピング部432Aから出力される各フレームのFECブロックFB−(2N−1)(N=1,2,…,(Nblocks/2))と、MIMOデマッピング部432Bから出力される各フレームのFECブロックFB−2Nのベクトル推定値をFECブロック単位で多重して出力する。その他の動作は、図13に示す実施の形態2における受信装置400と同様である。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、P/S変換部635はFECブロック単位で入力データを多重して出力することが特徴である。これにより、MIMOデマッピングにおいてスフィア復号(Sphere decoding)など、復号時間が受信C/N(Carrier to Noise power ratio)などの伝送路に依存して変化する場合に、P/S変換部での処理が容易となる効果を有する。
また、図23の受信装置600の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路640としてもよい。
<送信装置及び送信方法の変形例>
なお、図20に示すMIMO−PLP処理部531を図24に示すMIMO−PLP処理部532に置き換えてもよい。図24に示すMIMO−PLP処理部532は図20に示すMIMO−PLP処理部531と比較して、FEC符号化部2072Bとマッピング部2073BとMIMO符号化部376Bをそれぞれ、FEC符号化部572Bとマッピング部373BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。更に2つのインターリーブ部2074−3と2074−4をそれぞれインターリーブ部174−3と174−4にそれぞれ置き換えた構成である。
図24において、FEC符号化部572BはFEC符号化部2072Aと異なるパターンのLDPC符号化を行ってもよい。異なるパターンの一例としては、符号化に用いるパリティ検査行列が挙げられるが、これに限定されず、例えば異なる符号化率を用いてもよい。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
マッピング部373B、MIMO符号化部377B、及びインターリーブ部174−3と174−4の動作は、図15での動作と同様である。その他の動作は、図20に示すMIMO−PLP処理部531と同様である。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するLDPC符号化パターンを異ならせること、マッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせること、及びインターリーブの並び替えパターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つまたは4つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
また、図22に示すL1情報処理部541を図25に示すL1情報処理部542に置き換えてもよい。図25に示すL1情報処理部542は図22に示すL1情報処理部541と比較して、FEC符号化部2082Bとマッピング部2083BとMIMO符号化部376Bをそれぞれ、FEC符号化部582Bとマッピング部383BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。
図25において、FEC符号化部582Bは図24におけるFEC符号化部572Bと同様にして、FEC符号化部2082Aと異なるパターンのLDPC符号化を行ってもよい。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するLDPC符号化パターンを異ならせること、マッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、及び位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
<受信装置及び受信方法の変形例>
以上の図24に示すMIMO−PLP処理部532及び図25に示すL1情報処理部542が適用された場合に対する受信装置650の構成を図26に示す。図26に示す受信装置650は図23に示す受信装置600と比較して、PLP用デインターリーブ部221BとMIMOデマッピング部432BとFEC復号化部233をそれぞれ、PLP用デインターリーブ部222BとMIMOデマッピング部434BとFEC復号化部633に置き換えた構成である。図26においてPLP用デインターリーブ部222BとMIMOデマッピング部434Bの動作は、図18での動作と同様である。FEC復号化部633はLDPC復号において、MIMOデマッピング部434Bから出力される各フレームのFECブロックFB−2N(N=1,2,…,(Nblocks/2))と、MIMOデマッピング部432Aから出力される各フレームのFECブロックFB−(2N−1)に対して、それぞれ異なるパリティ検査多項式を用いて、LDPC復号を行う。その他の動作は、図23に示す受信装置600と同様である。
また、図26の受信装置650の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路641としてもよい。
(実施の形態4)
<送信装置及び送信方法>
図27は、本発明の実施の形態4における送信装置700の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態1〜3の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図27の送信装置700は図19に示す実施の形態3における送信装置500と比較して、MIMO−PLP処理部531をMIMO−PLP処理部731に置き換えた構成である。
図28は、MIMO−PLP処理部731の構成を示す図である。図20に示す実施の形態3におけるMIMO−PLP処理部531と比較して、周波数チャンネル間入替部591の配置をインターリーブ部2074後段から前段に変更した構成である。
図28において、周波数チャンネル間入替部591は実施の形態3と同様の動作を行う。但し、MIMO符号化部376から出力されるMIMO符号化データを入力として図21に示す構成により動作し、インターリーブ部2074に出力する。その他の動作は、図20に示す実施の形態3におけるMIMO−PLP処理部531と同様である。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、MIMO伝送の用いる周波数チャンネル分だけのFEC符号化部を設けて、MIMO符号化後に周波数チャンネル間のデータ入替を行うことが特徴である。
<受信装置及び受信方法>
図29は、本発明の実施の形態4における受信装置800の構成を示す図である。図29の受信装置800は、図27の送信装置700に対応し、送信装置700の機能を反映するものである。従来の受信装置、及び実施の形態1〜3の受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。図29の受信装置800は図23に示す実施の形態3における受信装置600と比較して、周波数チャンネル間逆入替部637の配置をPLP用デインターリーブ部221前段からMIMOデマッピング部432前段に変更した構成である。
図29において、周波数チャンネル間逆入替部637は実施の形態3と同様の動作を行い、図28に示す周波数チャンネル間入替部591と逆のデータ入替を行う。その他の動作は、図23に示す実施の形態3における受信装置600と同様である。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、P/S変換部635はFECブロック単位で入力データを多重して出力することが特徴である。これにより、MIMOデマッピングにおいてスフィア復号(Sphere decoding)など、復号時間が受信C/N(Carrier to Noise power ratio)などの伝送路に依存して変化する場合に、P/S変換部での処理が容易となる効果を有する。
また、図29の受信装置800の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路840としてもよい。
<送信装置及び送信方法の変形例>
なお、図28に示すMIMO−PLP処理部731を図30に示すMIMO−PLP処理部732に置き換えてもよい。図30に示すMIMO−PLP処理部732は図28に示すMIMO−PLP処理部731と比較して、FEC符号化部2072Bとマッピング部2073BとMIMO符号化部376Bをそれぞれ、FEC符号化部572Bとマッピング部373BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。更に2つのインターリーブ部2074−3と2074−4をそれぞれインターリーブ部174−3と174−4にそれぞれ置き換えた構成である。
図30において、FEC符号化部572B、マッピング部373B、MIMO符号化部377B、及びインターリーブ部174−3と174−4の動作は、図24での動作と同様である。その他の動作は、図28に示すMIMO−PLP処理部731と同様である。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するLDPC符号化パターンを異ならせること、マッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせること、及びインターリーブの並び替えパターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つまたは4つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
<受信装置及び受信方法の変形例>
以上の図30に示すMIMO−PLP処理部732が適用された場合に対する受信装置850の構成を図31に示す。図31に示す受信装置850は図29に示す受信装置800と比較して、PLP用デインターリーブ部221BとMIMOデマッピング部432BとFEC復号化部233をそれぞれ、PLP用デインターリーブ部222BとMIMOデマッピング部434BとFEC復号化部633に置き換えた構成である。図31においてPLP用デインターリーブ部222B、MIMOデマッピング部434B、FEC復号化部633の動作は、図26での動作と同様である。その他の動作は、図29に示す受信装置800と同様である。
また、図31の受信装置850の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路841としてもよい。
(実施の形態5)
<送信装置及び送信方法>
図32は、本発明の実施の形態5における送信装置900の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態1〜4の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図32の送信装置900は図1に示す実施の形態1における送信装置100と比較して、MIMO−PLP処理部131及びL1情報処理部141をMIMO−PLP処理部931及びL1情報処理部941にそれぞれ置き換えた構成である。
図33は、MIMO−PLP処理部931の構成を示す図である。図28に示す実施の形態4におけるMIMO−PLP処理部731と比較して、インターリーブ部2074前段の周波数チャンネル間入替部591をMIMO符号化部376前段の周波数チャンネル間入替部991に置き換えた構成である。
図34は、周波数チャンネル間入替部991の構成を示す図である。周波数チャンネル間入替部991はセレクタ595を2つ備えた構成である。周波数チャンネル間入替部991は選択信号を生成し、2つのセレクタ595に入力する。選択信号が“0”の場合、セレクタは“0”に入力されるデータを選択して出力する。逆に選択信号が“1”の場合、セレクタは“1”に入力されるデータを選択して出力する。一例として、生成された選択信号が各FECブロックの先頭から2cell単位で“0”、“0”、“1”、“1”“0”、“0”、“1”、“1”、…と交番する場合、周波数チャンネル間入替部991の出力データ系列は以下で示される。
MIMO符号化部376Aへの出力:vA_2k+1(FB−(2N−1)),vA_2k+2(FB−(2N−1)),vB_2k+3(FB−2N),vB_2k+4(FB−2N)
MIMO符号化部376Bへの出力:vB_2k+1(FB−2N),vB_2k+2(FB−2N),vA_2k+3(FB−(2N−1)),vA_2k+4(FB−(2N−1))
(k=0,1,…,(Ncells/2)−1)(N=1,2,…,(Nblocks/2))
但し、vA_T(FB−L)はマッピング部2073Aから出力されるFB−Lの先頭からT番目のマッピングデータ(cell)であり、vB_T(FB−L)はマッピング部2073Bから出力されるFB−Lの先頭からT番目のマッピングデータ(cell)であり、NcellsはFECブロック中のcell数であり、Nblocksはフレーム中のFECブロック数である。なお、選択信号は各FECブロックの先頭から2cell単位で“0”、“0”、“1”、“1”“0”、“0”、“1”、“1”、…の交番とは限らず、好ましくは“0”と“1”の数が均等に近ければよい。
よって図33において、MIMO符号化部376Aと376Bともに、FB−(2N−1)とFB−2Nのマッピングデータ(cell)が2cell単位で交互に入力される。MIMO符号化部376Aと376Bは図9での動作と同様に、どちらも2cell単位でプリコーディングを行って、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に1cellずつ出力する。
図33に示すMIMO−PLP処理部931のその他の動作は、図28に示すMIMO−PLP処理部731と同様である。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
図35は、L1情報処理部941の構成を示す図である。図22に示す実施の形態3におけるL1情報処理部541と比較して、MIMO符号化部376後段の周波数チャンネル間入替部591をMIMO符号化部376前段の周波数チャンネル間入替部991に置き換えた構成である。周波数チャンネル間入替部991の動作は、図34での動作と同様である。但し、マッピング部2083から出力されるマッピングデータ(cell)を入力として図34に示す構成により動作し、MIMO符号化部376に出力する。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、MIMO伝送の用いる周波数チャンネル分だけのFEC符号化部を設けて、マッピング後に周波数チャンネル間のデータ入替を行うことが特徴である。
<受信装置及び受信方法>
図36は、本発明の実施の形態5における受信装置1000の構成を示す図である。図36の受信装置1000は、図32の送信装置900に対応し、送信装置900の機能を反映するものである。従来の受信装置、及び実施の形態1〜4の受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。図36の受信装置1000は図29に示す実施の形態4における受信装置800と比較して、MIMOデマッピング部432前段の周波数チャンネル間逆入替部637をP/S変換部635前段の周波数チャンネル間逆入替部1037に置き換えた構成である。
図36において、周波数チャンネル間逆入替部1037は図34に示す周波数チャンネル間入替部991と逆のデータ入替を行う。その他の動作は、図29に示す実施の形態4における受信装置800と同様である。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、P/S変換部635はFECブロック単位で入力データを多重して出力することが特徴である。これにより、MIMOデマッピングにおいてスフィア復号(Sphere decoding)など、復号時間が受信C/N(Carrier to Noise power ratio)などの伝送路に依存して変化する場合に、P/S変換部での処理が容易となる効果を有する。
また、図36の受信装置1000の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路1040としてもよい。
<送信装置及び送信方法の変形例>
なお、図33に示すMIMO−PLP処理部931を図37に示すMIMO−PLP処理部932に置き換えてもよい。図37に示すMIMO−PLP処理部932は図33に示すMIMO−PLP処理部931と比較して、FEC符号化部2072Bとマッピング部2073BとMIMO符号化部376Bをそれぞれ、FEC符号化部572Bとマッピング部373BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。更に2つのインターリーブ部2074−3と2074−4をそれぞれインターリーブ部174−3と174−4にそれぞれ置き換えた構成である。図37において、FEC符号化部572B、マッピング部373B、MIMO符号化部377B、及びインターリーブ部174−3と174−4の動作は、図24での動作と同様である。その他の動作は、図33に示すMIMO−PLP処理部931と同様である。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するLDPC符号化パターンを異ならせること、マッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、及び位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせること、及びインターリーブの並び替えパターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つまたは4つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
また、図35に示すL1情報処理部941を図38に示すL1情報処理部942に置き換えてもよい。図38に示すL1情報処理部942は図35に示すL1情報処理部941と比較して、FEC符号化部2082Bとマッピング部2083BとMIMO符号化部376Bをそれぞれ、FEC符号化部582Bとマッピング部383BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。図38において、FEC符号化部582B、マッピング部383B、MIMO符号化部377Bの動作は、図25での動作と同様である。その他の動作は、図35に示すL1情報処理部941と同様である。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するLDPC符号化パターンを異ならせること、マッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、及び位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
<受信装置及び受信方法の変形例>
以上の図37に示すMIMO−PLP処理部932及び図38に示すL1情報処理部942が適用された場合に対する受信装置1050の構成を図39に示す。図39に示す受信装置1050は図36に示す受信装置1000と比較して、PLP用デインターリーブ部221BとMIMOデマッピング部432BとFEC復号化部233をそれぞれ、PLP用デインターリーブ部222BとMIMOデマッピング部434BとFEC復号化部633に置き換えた構成である。図39においてPLP用デインターリーブ部222B、MIMOデマッピング部434B、FEC復号化部633の動作は、図26での動作と同様である。その他の動作は、図36に示す受信装置1000と同様である。
但し、図37に示すMIMO−PLP処理部932と図38に示すL1情報処理部942において、マッピング部が周波数チャンネルA(CH−A)と周波数チャンネルB(CH−B)とで異なるパターンのセルマッピングを行っている場合には、MIMOデマッピング部432A及び434Bはそれぞれ、これを考慮して処理を行う。
また、図39の受信装置1050の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路1041としてもよい。
(実施の形態6)
<送信装置及び送信方法>
図40は、本発明の実施の形態6における送信装置1100の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態1〜5の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図40の送信装置1100は図1に示す実施の形態1における送信装置100と比較して、MIMO−PLP処理部131及びL1情報処理部141をMIMO−PLP処理部1131及びL1情報処理部1141にそれぞれ置き換えた構成である。
図41は、MIMO−PLP処理部1131の構成を示す図である。図33に示す実施の形態5におけるMIMO−PLP処理部931と比較して、MIMO符号化部376前段の周波数チャンネル間入替部991をマッピング部2073前段の周波数チャンネル間入替部1191に置き換えた構成である。
図42は、周波数チャンネル間入替部1191の構成を示す図である。周波数チャンネル間入替部1191はセレクタ1195を2つ備えた構成である。
周波数チャンネル間入替部1191は選択信号を生成し、2つのセレクタ1195に入力する。選択信号が“0”の場合、セレクタは“0”に入力されるデータ(FEC符号化部2072から出力されるFECフレーム)を選択して、マッピング部2073へ出力する。逆に選択信号が“1”の場合、セレクタは“1”に入力されるデータを選択して出力する。一例として、変調方式が16−QAMである場合、生成された選択信号が各FECフレームに対して、先頭から2つずつのマッピングデータ(cell)となるビットグループ単位(この例の場合 8ビット)で“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“0”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、“1”、…と交番する場合、周波数チャンネル間入替部1191後段のマッピング部2073の出力データ系列は実施の形態5におけるMIMO−PLP処理部931と同様になる。
よって図41において、MIMO符号化部376Aと376Bともに、FB−(2N−1)とFB−2Nのマッピングデータ(cell)が2cell単位で交互に入力される。
図41に示すMIMO−PLP処理部1131のその他の動作は、図33に示すMIMO−PLP処理部931と同様である。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
図43は、L1情報処理部1141の構成を示す図である。図35に示す実施の形態5におけるL1情報処理部941と比較して、MIMO符号化部376前段の周波数チャンネル間入替部991をマッピング部2083前段の周波数チャンネル間入替部1191に置き換えた構成である。周波数チャンネル間入替部1191の動作は、図42での動作と同様である。但し、FEC符号化2082から出力されるFECフレームを入力として図42に示す構成により動作し、マッピング部2083に出力する。これにより、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。また残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信される。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、FECブロック中のマッピングデータ(cell)の内、半分の成分は一方の周波数チャンネル(CH−A)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信し、残り半分の成分は他方の周波数チャンネル(CH−B)の2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれから送信することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、MIMO伝送の用いる周波数チャンネル分だけのFEC符号化部を設けて、マッピング前に周波数チャンネル間のデータ入替を行うことが特徴である。
<受信装置及び受信方法>
本発明の実施の形態6における受信装置は、図36に示す実施の形態5における受信装置1000と同じ構成を用いることができる。
<送信装置及び送信方法の変形例>
なお、図41に示すMIMO−PLP処理部1131を図44に示すMIMO−PLP処理部1132に置き換えてもよい。図44に示すMIMO−PLP処理部1132は図41に示すMIMO−PLP処理部1131と比較して、FEC符号化部2072Bとマッピング部2073BとMIMO符号化部376Bをそれぞれ、FEC符号化部572Bとマッピング部373BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。更に2つのインターリーブ部2074−3と2074−4をそれぞれインターリーブ部174−3と174−4にそれぞれ置き換えた構成である。
図44において、FEC符号化部572B、マッピング部373B、MIMO符号化部377B、及びインターリーブ部174−3と174−4の動作は、図24での動作と同様である。その他の動作は、図41に示すMIMO−PLP処理部1131と同様である。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するLDPC符号化パターンを異ならせること、マッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、及び位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせること、及びインターリーブの並び替えパターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つまたは4つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
また、図43に示すL1情報処理部1141を図45に示すL1情報処理部1142に置き換えてもよい。図45に示すL1情報処理部1142は図43に示すL1情報処理部1141と比較して、FEC符号化部2082Bとマッピング部2083BとMIMO符号化部376Bをそれぞれ、FEC符号化部582Bとマッピング部383BとMIMO符号化部377Bに置き換えた構成である。図45において、FEC符号化部582B、マッピング部383B、MIMO符号化部377Bの動作は、図25での動作と同様である。その他の動作は、図43に示すL1情報処理部1141と同様である。これにより、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)間の伝送路特性に関する相関性を低減して受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。
以上のように、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するLDPC符号化パターンを異ならせること、マッピングパターンを異ならせること、固定プリコーディング行列F_AとF_Bを異ならせること、及び位相変更行列X_A(k)とX_B(k)の位相変更パターンを異ならせることは全て同時に適用してもよいし、いずれか2つまたは3つを同時に適用してもよいし、いずれか1つのみ適用してもよい。
<受信装置及び受信方法の変形例>
以上の図44に示すMIMO−PLP処理部1132及び図45に示すL1情報処理部1142が適用された場合に対する受信装置は、図39に示す実施の形態5における受信装置1050と同じ構成を用いることができる。
(実施の形態7)
<送信装置及び送信方法>
図46は、本発明の実施の形態7における送信装置1300の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態1〜6の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。本実施の形態7では、TS(Transport Stream)生成部1210において、SVC(Scalable Video Coding)を用いて映像コンポーネントとして映像B(Base layer)と映像E(Enhancement layer)の2つを生成する。これにより、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎にPLPに割当を行い、PLP毎に複数の基本帯域を用いたMIMO伝送と単一の基本帯域を用いたMIMO伝送を選択することを可能とする。
図46の送信装置1300は図8に示す実施の形態2における送信装置300と比較して、L1情報処理部341とフレーム構成部151をL1情報処理部1341及びフレーム構成部1351にそれぞれ置き換えた構成である。更に、2つのPLP割当部1321と2つのMIMO−PLP処理部2031を追加した構成である。
図47は、TS生成部1210の構成を示す図である。図47のTS生成部1210は一例としてTS中に1つのプログラムを生成する場合を示し、音声符号化部1221と映像符号化部1222を1つずつ備える。またTS生成部1210は、各プログラム中における音声・映像B・映像Eのサービス・コンポーネント毎にパケット化部1223を備える。またTS生成部1210は、パケット化ストリーム多重化部1224とL2(Layer-2)情報処理部1225を備える。
TS生成部1210において、音声符号化部1221は音声の情報源符号化を行う。映像符号化部1222はSVCを用いた映像の情報源符号化を行い、映像Bと映像Eの2つのコンポーネントを生成する。情報源符号化の一例としては、H.264やHEVC(H.265)などが挙げられる。
パケット化部1223は音声符号化部1221、または映像符号化部1222の出力をパケット化する。L2情報処理部1225は、PSI(Program-Specific Information)やSI(System Information)などのL2情報を生成する。パケット化ストリーム多重化部1224は、パケット化部1223の出力とL2情報処理部1225の出力を多重化してTSを生成して、図46に示す送信装置1300に出力する。
図46に示す送信装置1300において、PLP割当部1321は、TS生成部1210から出力されるTSのプログラム毎に含まれる音声・映像B・映像Eのサービス・コンポーネント毎、及びL2情報にPLPを割り当てる。図46では一例として、以下のように割り当てる。
PLP−1:TS−1のプログラム−1の音声、映像B、L2情報
PLP−2:TS−1のプログラム−1の映像E
PLP−3:TS−2のプログラム−1の音声、映像B、L2情報
PLP−4:TS−2のプログラム−1の映像E
図46において、MIMO−PLP処理部2031への音声、映像B、L2情報パケットは実際には多重化されて、1つの入力となる。MIMO−PLP処理部2031の動作は、図55での動作と同様である。また映像Eパケットが入力されると、MIMO−PLP処理部331の動作は、図9での動作と同様である。
図48は、L1情報処理部1341の構成を示す図である。L1情報処理部1341は図56に示す従来のL1情報処理部2041と比較して、L1情報生成部2081をL1情報生成部1381に置き換えた構成である。更に、周波数チャンネル毎にFEC符号化部2082とマッピング部2083とMIMO符号化部2076を備える。
図48において、L1情報生成部1381は2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に関する伝送パラメータを生成する。FEC符号化部2082とマッピング部2083とMIMO符号化部2076の動作は、図56での動作と同様である。
図46において、フレーム構成部1351は、MIMO−PLP処理部2031−1から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対する一方の周波数チャンネル(CH−A)に対するPLP−1のマッピングデータと、MIMO−PLP処理部2031−3から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対する他方の周波数チャンネル(CH−B)に対するPLP−3のマッピングデータと、MIMO−PLP処理部331から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対する各PLP(PLP−2と4)のマッピングデータと、L1情報処理部1341から出力される2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれの2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対するL1情報のマッピングデータを用いて、伝送フレームを生成して出力する。ここで図8に示す実施の形態2における送信装置300と異なる点は、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)を用いたMIMO伝送のPLP(PLP−2と4)と、一方の周波数チャンネル(CH−A)を用いたMIMO伝送のPLP(PLP−1)と、他方の周波数チャンネル(CH−B)を用いたMIMO伝送のPLP(PLP−3)が伝送フレーム内で混在していることである。
OFDM信号生成部2061とD/A変換部2091と周波数変換部2096と周波数変換部196の動作は、図8での動作と同様である。
以上の構成により、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎にPLPに割当を行い、PLP毎に複数の基本帯域を用いたMIMO伝送と単一の基本帯域を用いたMIMO伝送を選択することを可能とする。特に、音声、映像B、L1情報に対して単一の基本帯域を用いたMIMO伝送を行うことにより、単一の基本帯域のみに対応したMIMO受信装置において、基本情報のPLPは受信可能となり、その番組の基本情報部分、例えば標準画質でその番組を楽しむことができる。
なお、図45におけるMIMO−PLP処理部331を、図2、5、10、14、15、20、24、28、30、33、37、41、44にそれぞれ示すMIMO−PLP処理部131、132、332、333、334、531、532、731、732、931、932、1131、1132に置き換えてもよい。
<受信装置及び受信方法>
図49は、本発明の実施の形態7における受信装置1400の構成を示す図である。図49の受信装置1400は、図46の送信装置1300に対応し、送信装置1300の機能を反映するものである。従来の受信装置、及び実施の形態1〜6の受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。図49の受信装置1400は図13に示す実施の形態2における受信装置400と比較して、P/S変換部435をP/S変換部1435に置き換えた構成である。
図49において、P/S変換部1435はL1情報に対しては、FECブロック単位でMIMOデマッピング部432Aと432Bからの出力を多重して、後段のFEC復号化部233へ出力する。具体的には、P/S変換部1435は2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)を用いたMIMO伝送のPLP(図46のPLP−2と4)に対しては、図13におけるP/S変換部435と同様の動作を行う。またP/S変換部1435は、一方の周波数チャンネル(CH−A)を用いたMIMO伝送のPLP(図46のPLP−1)に対しては、MIMOデマッピング部432Aからの出力を選択し、後段のFEC復号化部233へ出力する。またP/S変換部1435は、他方の周波数チャンネル(CH−B)を用いたMIMO伝送のPLP(図46のPLP−3)に対しては、MIMOデマッピング部432Bからの出力を選択し、後段のFEC復号化部233へ出力する。その他の動作は、図13に示す実施の形態2における受信装置400と同様である。
以上の構成により、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎にPLPに割当を行い、PLP毎に複数の基本帯域を用いたMIMO伝送と単一の基本帯域を用いたMIMO伝送を選択して送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、拡張情報部分も含めて受信し、例えば高精細画質でその番組を楽しむことができる。
また、図49の受信装置1400の内、チューナ部205Aと205Bを除く構成要素を含んで集積回路1440としてもよい。
また図50に示す通り、受信装置1450を構成してもよい。図50の受信装置1450は図49に示す受信装置1400と比較して、チューナ部205BとA/D変換部208Bと復調部211Bと周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215BとPLP用デインターリーブ部221Bと選択部231BとMIMOデマッピング部432BとP/S変換部1435を削除した構成である。
図50において、受信装置1450は単一の基本帯域のみに対応したMIMO受信装置である。2つのチューナ部205Aがともに一方の周波数チャンネル(CH−A)あるいは他方の周波数チャンネル(CH−B)の信号を選択受信し、所定の帯域にダウンコンバートする。A/D変換部208Aと復調部211Aと周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215AとPLP用デインターリーブ部221Aと選択部231AとMIMOデマッピング部432Aの動作は、図49での動作と同様である。FEC復号化部233はMIMOデマッピング部432Aから出力される各FECブロックのベクトル推定値に対してLDPC復号とBCH復号を行い、復号結果を出力する。
以上の構成により、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎にPLPに割当を行い、PLP毎に複数の基本帯域を用いたMIMO伝送と単一の基本帯域を用いたMIMO伝送を選択して送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、基本情報のPLPは受信可能となり、その番組の基本情報部分、例えば標準画質でその番組を楽しむことができる。図49に示す受信装置と比較して、図50に示す通り、回路規模を半分に削減する効果を有する。
また、図50の受信装置1450の内、チューナ部205Aを除く構成要素を含んで集積回路1441としてもよい。
(実施の形態8)
<送信装置及び送信方法>
図51は、本発明の実施の形態8における送信装置150の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態1〜7の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。本実施の形態8では、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)が隣接している場合に、フレーム構成部より後段の処理に関して、2つの周波数チャンネルを一括して行う。
図51の送信装置150は図1に示す実施の形態1における送信装置100と比較して、4つのOFDM信号生成部2061と4つのD/A変換部2091と2つずつの周波数変換部2096及び196をそれぞれ、2つのOFDM信号生成部161と2つのD/A変換部191と2つの周波数変換部198に置き換えた構成である。
図51に示す送信装置150において、フレーム構成部151より出力される2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)の一方の送信アンテナ(Tx−1)に関する伝送フレームに対して、Tx−1用のOFDM信号生成部161−1は2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)を一括してパイロット信号の付加、IFFT、GIの挿入、P1シンボルとaP1シンボルの挿入を行い、デジタルベースバンド送信信号を出力する。Tx−1用のD/A変換部191−1はOFDM信号生成部161−1から出力されるTx−1用のデジタルベースバンド送信信号に対してD/A変換を行い、アナログベースバンド送信信号を出力する。Tx−1用の周波数変換部196−1はD/A変換部191−1から出力されるアナログベースバンド送信信号に対して周波数チャンネルAとBに周波数変換を行い、アナログRF送信信号を図示しない送信アンテナから出力する。これにより、Tx−1の2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)に関するアナログRF送信信号を送信する。
フレーム構成部151より出力される2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)の他方の送信アンテナ(Tx−2)に関する伝送フレームに対して、Tx−2用のOFDM信号生成部161−2とD/A変換部191−2と周波数変換部196−2の動作は、Tx−1用の動作と同様である。これにより、Tx−2の2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)に関するアナログRF送信信号を送信する。
その他の動作は、図1に示す実施の形態1における送信装置100と同様である。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、フレーム構成部より出力される伝送フレームに対して、送信アンテナ毎に2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)を一括して処理を行うことが特徴である。
なお、フレーム構成部より出力される伝送フレームに対して、送信アンテナ毎に2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)を一括して処理を行うことは、実施の形態2〜7における送信装置に対しても同様に適用可能である。
<受信装置及び受信方法>
図52は、本発明の実施の形態8における受信装置270の構成を示す図である。図52の受信装置270は、2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)が隣接している場合の図51の送信装置150及び図1の送信装置100に対応し、送信装置150及び100の機能を反映するものである。従来の受信装置、及び実施の形態1〜7の受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。図52の受信装置270は図4に示す実施の形態1における受信装置200と比較して、4つのチューナ部205と4つのA/D変換部208と4つの復調部211をそれぞれ、2つのチューナ部206と2つのA/D変換部209と2つの復調部212に置き換えた構成である。更に、2つのS/P変換部214を追加した構成である。
図52に示す受信装置270において、一方の受信アンテナ(Rx−1)用のチューナ部206−1は2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)の信号を一括して選択受信し、所定の帯域にダウンコンバートする。Rx−1用のA/D変換部209−1はRx−1用のチューナ部206−1から出力される信号をA/D変換して、デジタル受信信号を出力する。復調部212−1はOFDM復調を行い、I・Q座標のcellデータと伝送路推定値を出力する。これにより、Rx−1の2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)に関するI・Q座標のcellデータと伝送路推定値を出力する。S/P変換部214−1は復調部212−1の出力に対して、一方の周波数チャンネル(CH−A)に関するデータを周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215A−1に出力し、他方の周波数チャンネル(CH−B)に関するデータを周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215B−1に出力する。
他方の受信アンテナ(Rx−2)用のチューナ部206−2とA/D変換部209−2と2つの復調部212−2の動作は、Rx−1用の動作と同様である。これにより、Rx−2の2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)に関するI・Q座標のcellデータと伝送路推定値を出力する。S/P変換部214−2は復調部212−2の出力に対して、一方の周波数チャンネル(CH−A)に関するデータを周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215A−2に出力し、他方の周波数チャンネル(CH−B)に関するデータを周波数デインターリーブ・L1情報デインターリーブ部215B−2に出力する。
その他の動作は、図4に示す実施の形態1における受信装置200と同様である。
以上の構成により、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送技術において、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を十分発揮させて送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、チューナ部とA/D変換部と復調部が受信アンテナ毎に2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)を一括して処理を行うことが特徴である。
なお、受信アンテナ毎に2つの周波数チャンネル(CH−A,CH−B)を一括して処理を行うことは、実施の形態2〜7における受信装置に対しても同様に適用可能である。
また、図52の受信装置270の内、チューナ部206−1と206−2を除く構成要素を含んで集積回路242としてもよい。
(補足)
本発明は上記の実施の形態で説明した内容に限定されず、本発明の目的とそれに関連又は付随する目的を達成するためのいかなる形態においても実施可能であり、例えば、以下であってもよい。
(1)実施の形態1〜8において、DVB−NGH方式をベースに説明したが、これに限らず、DVB−NGH方式以外の伝送方式に対しても適用可能である。
(2)実施の形態1〜8において、送受信アンテナ数がいずれも2の場合を示したがこれに限らず、3以上であってもよい。また、送受信アンテナ数が異なってもよい。
(3)実施の形態1〜8において、周波数チャンネル(基本帯域)数が2の場合を示したがこれに限らず、3以上であってもよい。
(4)実施の形態1〜8において、基本帯域数が3以上である場合には、その複数の基本帯域の全て、または複数の基本帯域の内2以上の基本帯域に各符号化ブロック中に含まれるデータ成分を振り分ける処理を行ってもよい。
(5)実施の形態1〜8において、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対して異なる偏波を適用してもよい。異なる偏波の一例としては、V(Vertical:垂直)偏波とH(Horizontal:水平)偏波が挙げられる。これにより、更にダイバーシティ効果を高めることができる。また2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対して、送信アンテナ1(Tx−1)、送信アンテナ2(Tx−2)に割り当てる偏波は同じであってもよいし、異なってもよい。
(6)実施の形態1〜8において、送信アンテナ2(Tx−2)に対して位相変更を施したがこれに限らず、送信アンテナ1(Tx−1)に対して位相変更を施してもよい。また2つの周波数チャンネル(CH−A、CH−B)に対して、位相変更を施す送信アンテナをそれぞれ送信アンテナ1(Tx−1)、送信アンテナ2(Tx−2)のように、異なってもよい。
(7)実施の形態7において、TS数を2つとしたが、これに限らない。またTS−1と2のプログラム数を1としたが、これに限らない。
(8)実施の形態7において、サービス・コンポーネントを音声と映像としたが、これに限らない。他に、データ・コンポーネントなどが挙げられる。また実施の形態7において、映像に対してscalable codingを行う構成としたが、これに限らず、音声やデータ・コンポーネントに対してscalable codingを行ってもよい。
(9)実施の形態7において、SVCにより映像Bと映像Eを生成するとしたがこれに限らず、例えばMVC(Multi-view Video Coding)によりMVC_B(Base view)とMVC_D(Dependent view)を生成してもよい。この場合、MVC_BをあるPLPに割り当てて単一の基本帯域を用いたMIMO伝送とし、MVC_Dを別のPLPに割り当てて複数の基本帯域を用いたMIMO伝送とすれば、単一の基本帯域のみに対応したMIMO受信装置において、基本情報のPLPは受信可能となり、その番組の基本情報部分、例えば2Dでその番組を楽しむことができる。更に複数の基本帯域に対応したMIMO受信装置において、基本情報と拡張情報のPLPを受信可能となり、例えば3Dでその番組を楽しむことができる。
(10)実施の形態7において、音声、映像B、L2情報を単一の基本帯域を用いたMIMO伝送、映像Eを複数の基本帯域を用いたMIMO伝送としたが、これに限らない。例えば、音声とL2情報を単一の基本帯域を用いたMISO(Multiple Input Single Output)伝送、映像Bを単一の基本帯域を用いたMIMO伝送、映像Eを複数の基本帯域を用いたMIMO伝送としてもよい。また別の例として、音声とL2情報を単一の基本帯域を用いたSISO(Single Input single Output)伝送、映像Bを単一の基本帯域を用いたMISO伝送、映像Eを複数の基本帯域を用いたMIMO伝送としてもよい。以上のように、更にMISO伝送とSISO伝送を混在させてもよい。
(11)上記の実施の形態1〜8は、ハードウェアとソフトウェアを使った実装に関するものであってもよい。上記の実施の形態はコンピューティングデバイス(プロセッサ)を使って実装又は実行されてもよい。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、メインプロセッサ/汎用プロセッサ(general purpose processor)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)、他のプロラマブル論理デバイスなどであってよい。上記の実施の形態は、これらのデバイスの結合によって実行され、あるいは、実現されてもよい。
(12)上記の実施の形態1〜8は、プロセッサによって、または、直接ハードウェアによって実行される、ソフトウェアモジュールの仕組みによって実現されてもよい。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組み合わせも可能である。ソフトウェアモジュールは、様々な種類のコンピュータ読み取り可能なストレージメディア、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなど、に保存されてもよい。
≪発明者による検討内容と実施の形態(その2)≫
ところで、国内地上テレビ放送は2011年7月に完全にデジタル放送に移行され、伝送規格としてISDB―T(ISDB-Terrestrial)方式を用いてHDTVサービスが行われている。ISDB―T方式はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を採用している(非特許文献4)。
図75は、ISDB―T方式における送信装置5000の構成を示す図である。送信装置5000は、TS(Transport Stream)再多重部5011、RS(Reed-Solomon)符号化部5021、階層分割部5031、階層処理部5041−A〜C、階層合成部5051、時間インターリーブ部5061、周波数インターリーブ部5071、パイロット信号生成部5081、TMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control)/AC(Auxiliary Channel)信号生成部5091、フレーム構成部5101、OFDM信号生成部5111、D/A変換部5121、周波数変換部5131を備える。
以下、送信装置5000の動作について説明する。図示しないMPEG−2多重部から出力された複数のTSは、データセグメント単位の信号処理に適したTSパケット配置とするためTS再多重部5011に入力される。TS再多重部5011は、FFT(Fast Fourier Transform)サンプルクロックの4倍のクロックにより、188バイト単位のバースト信号形式かつ単一のTSに変換する。RS符号化部5021はRS符号化を行い、188バイトの情報に対して16バイトのパリティを付加する。階層分割部5031は階層伝送を行う場合には、階層情報の指定に沿って最大3系統(A階層、B階層、C階層)の階層分割を行う。
図76は、階層処理部5041の構成を示す図である。階層処理部5041は、エネルギー拡散部5201、バイトインターリーブ部5211、畳込符号化部5221、ビットインターリーブ部5231、マッピング部5241を備える。階層処理部5041は入力された階層のデータに対して、主として誤り訂正符号化、インターリーブ等のデジタルデータ処理、キャリア変調を行う。誤り訂正、インターリーブ長、キャリア変調方式はそれぞれの階層で独立に設定する。
階層合成部5051は、階層処理部5041−A〜Cから出力される最大3系統(A階層、B階層、C階層)のデータの階層合成を行う。
図77は、周波数インターリーブ部5071の構成を示す図である。周波数インターリーブ部5071は、セグメント分割部5301、セグメント間インターリーブ部5311−D及びS、セグメント内キャリアローテーション部5321−P及びD及びS、セグメント内キャリアランダマイズ部5331−P及びD及びSを備える。移動受信における電界変動やマルチパス妨害に対して誤り訂正符号化の能力を有効に発揮させるため、階層合成部5051からの出力に対して時間インターリーブ部5061がセグメント内の畳込インターリーブを行い、周波数インターリーブ部5071がセグメント間とセグメント内のインターリーブを行う。周波数インターリーブ部5071において、セグメント分割部5301は、部分受信部、差動変調部(キャリア変調がDQPSKに指定されたセグメント)、同期変調部(キャリア変調がQPSK、16QAM、または64QAMに指定されたセグメント)の順に、データセグメント番号0から12を割り当てる。なお、階層構成とデータセグメントの関係については、各階層のデータセグメントを番号順に連続的に配置し、データセグメントの小さい番号を含む階層から、A階層、B階層、C階層とする。階層が異なる場合でも、同じ種類の変調部に属するデータセグメントにはセグメント間インターリーブを行う。
パイロット信号生成部5081は同期再生用パイロット信号を生成する。複数の伝送パラメータが混在する階層伝送に対して、受信機の復調・復号を補助するため、TMCC/AC信号生成部5091は制御情報であるTMCC信号と、付加情報であるAC信号を生成する。フレーム構成部5101は周波数インターリーブ部5071から出力される情報データ、パイロット信号生成部5081から出力される同期再生用パイロット信号、及びTMCC/AC信号生成部5091から出力されるTMCC信号からISDB−T方式の伝送フレームを構成する。
図78に、モード1の同期変調部(QPSK、16QAM、64QAM)を例に、ISDB−T方式のセグメント構成を示す。同期再生用パイロット信号としての分散パイロット信号(以下SP信号:Scattered Pilot信号)をサブキャリア毎に伝送するのではなく、周波数(サブキャリア)方向及び時間(シンボル)方向に、シンボル番号nのシンボルに対し、キャリア番号kがk=3(n mod 4)+12p(modは剰余演算を表し、pは整数)を満たすキャリア位置で伝送する。すなわち図78に示すように、SP信号を4シンボルの周期で反復して配置し、シンボル毎に3キャリアずつシフトして配置する。このように配置したSP信号をそのキャリア位置で決定される特定のパターンで2値に変調し、送信する。またTMCC信号とAC信号のキャリアは、マルチパスによる伝送路特性の周期的なディップの影響を軽減するために、周波数方向にランダムに配置される。ISDB−T方式では、SP信号、TMCC信号、及びAC信号を配置していないキャリアを用いて、情報伝送信号をQPSK,16QAM,64QAMなどに変調し、送信する。
OFDM信号生成部5111はフレーム構成部5101から出力されるISDB−T方式の伝送フレーム構成に対して、IFFT(Inverse FFT)、GI(Guard Interval)の挿入を行い、ISDB−T方式のデジタルベースバンド送信信号を出力する。D/A変換部5121は、OFDM信号生成部5111から出力されるISDB−T方式のデジタルベースバンド送信信号に対してD/A変換を行い、ISDB−T方式のアナログベースバンド送信信号を出力する。周波数変換部5131は、D/A変換部5121から出力されるISDB−T方式のアナログベースバンド送信信号に対して周波数チャンネルYに周波数変換を行い、ISDB−T方式のアナログRF送信信号を図示しない送信アンテナ(Tx−1)から出力する。
ところで、HDTVサービスの解像度を超えるUHDTV(Ultra HDTV)サービスの検討が盛んに行われている。ビットレートが高いUHDTVサービス実現のために、ISDB―T方式より周波数利用効率の高い大容量伝送を可能とする伝送方式の検討が重要である。このためには、送受信とも複数のアンテナを用いるMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送技術の導入が鍵となる。
受信アンテナが屋根の上に存在する固定受信では、見通しとなるLOS(Line Of Sight)環境が典型的な伝送路である。この場合、MIMO伝送方式によっては受信品質が劣化するという問題が発生する(非特許文献5)。
この問題を緩和するため、異なる偏波方向(例えば、V(Vertical:垂直)偏波、H(Horizontal:水平)偏波)を有する複数のアンテナからなる偏波MIMO伝送技術が検討されている。偏波MIMOを使用する放送システムにおいて、送信装置は、例えば放送局に設けられた複数系統の異なるデータ信号を複数本の送信アンテナの各々に割り当て、同一の周波数上または周波数帯が重なる状態の放送波によりOFDM信号を送信する。このOFDM信号は複数系統の伝搬路を経て送信されることになり、受信装置は、複数本の受信アンテナによって、当該複数系統のOFDM信号を受信し、各複数系統のOFDM信号から、経由した伝搬路ごとの伝達関数を推定して分離することにより、送信装置から送信された複数系統の異なるデータ信号を復調することができる。
偏波MIMO伝送技術において、誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)符号化後のデータをそれぞれの偏波アンテナに分散させて、偏波ダイバーシティ効果を高めることが重要である。また国内地上テレビ放送に偏波MIMO伝送技術を導入する場合には、既存のISDB―T方式との親和性を高くすることが重要である。更に同一周波数チャンネル内で、既存のISDB―T方式と偏波MIMO伝送技術を用いた新方式を混在可能とすることで、新方式の導入を容易にすることが重要である。
以下で説明する、実施の形態9〜12に係る発明は、上述の問題を解決するべくなされたものであり、MIMO伝送技術を用いた送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、集積回路、及びプログラムを提供することを目的とする。
以下、各実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態9)
<送信装置及び送信方法>
図57は、本発明の実施の形態9における送信装置3000の構成を示す図である。従来の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図57に示す送信装置3000は図75に示す従来の送信装置5000と比較して、階層処理部5041−A〜C及びパイロット信号生成部5081及びTMCC/AC信号生成部5091及びフレーム構成部5101を、階層処理部3041−A〜C及びパイロット信号生成部3081及びTMCC/AC信号生成部3091及びフレーム構成部3101にそれぞれ置き換えた構成である。また送信装置3000では、送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)毎に階層合成部5051、時間インターリーブ部5061、周波数インターリーブ部5071、OFDM信号生成部5111、D/A変換部5121、周波数変換部5131を備える。なおTx−1、Tx−2はそれぞれ、H偏波とV偏波を用いるとするが、これに限らず、異なる偏波を組み合わせればよい。
以下、送信装置3000の動作について説明する。図58は、階層処理部3041の構成を示す図である。図76に示す従来の階層処理部5041と比較して、MISO(Multiple Input Single Output)符号化部3251、MIMO符号化部3261、及びセレクタ3271を追加した構成である。図58の階層処理部3041において、マッピング部5241からの出力に対して、MISO符号化部3251はMISO符号化を行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するMISO符号化データを出力する。MISO符号化の一例としてAlamouti符号化が挙げられるが、これに限らない。
またマッピング部5241からの出力に対して、MIMO符号化部3261はMIMO符号化を行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するMIMO符号化データを出力する。具体的には、2つずつのマッピングデータを用いてプリコーディングを行い、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対するMIMO符号化データを出力する。マッピングデータの組をs2k+1、s2k+2、…と表すと、入力ベクトルs=(s2k+1,s2k+2)T、(k=0,1,…)に対して出力ベクトルz=(z1_k,z2_k)Tは式(30)のように表される。
但し、zP_kは送信アンテナPに対する出力データ(MIMO符号化データ)、Fは式(31)で表される固定プリコーディング行列である。
式(31)において、固定プリコーディング行列の各要素wMN(M=1,2、N=1,2)は複素数である。但し、wMNは全て複素数である必要はなく、実数の要素が含まれてもよい。
なお式(32)と式(33)に示す通り、式(30)に対して更に規則的に変化する位相変更行列X(k)を乗算して、プリコーディングを行ってもよい。
この位相変更行列X(k)により、送信アンテナ2(Tx−2)に対するMIMO符号化データ系列に対して、2π/9ラジアンずつ変化する周期9の位相変更を施す。よってMIMO伝送路に規則的な変動を起こすことにより、直接波が支配的なLOS(Line Of Sight)環境における受信装置におけるデータの受信品質が向上するという効果を得ることができる。なお、この位相変更例は一例に過ぎず、周期は9に限ったものではない。この周期の数が多くなればその分だけ、受信装置の受信性能(より正確には誤り訂正性能)の向上を促すことができる可能性がある(周期が大きければよいというわけではないが、2のような小さい値は避ける方がよい可能性が高い。)。
また、上記式(32)と式(33)で示した位相変更例では逐次所定の位相(上記式では、2π/9ラジアンずつ)だけ回転させていく構成を示したが、同じ位相量だけ回転させるのではなくランダムに位相を変更することとしてもよい。位相の規則的な変更において重要となるのは、変調信号の位相が規則的に変更されることであり、変更される位相の度合いについては、なるべく均等になる、例えば、−πラジアンからπラジアンに対し、一様分布となるのが望ましいもののランダムであってもよい。
MIMO符号化部3261が以上の動作をすることにより、出力ベクトルzの各要素は式(34)〜式(35)のように表される。
ここで、f1、f2は関数を表す。よって偏波MIMO伝送技術において、各マッピングデータの成分を、全送信アンテナから送信することにより、偏波ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。
また式(36)で表される固定プリコーディング行列Fを用いてもよい。
なお式(32)と式(33)に示す通り、式(36)に対して更に規則的に変化する位相変更行列X(k)を乗算して、プリコーディングを行ってもよい。MIMO符号化部3261が以上の動作をすることにより、出力ベクトルzの各要素は式(37)〜式(38)のように表される。
ここで、f1、f2は関数を表す。よって偏波MIMO伝送技術において、全マッピングデータの内、半分は一方の送信アンテナ(Tx−1)から送信し、残り半分は他方の送信アンテナ(Tx−2)から送信することにより、偏波ダイバーシティ効果を十分発揮させる送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。
図58の階層処理部3041において、セレクタ3271は選択信号が“0”、“1”、“2”の場合、それぞれ“0” 、“1”、“2”に入力されるデータを選択して出力する。すなわち、その階層が既存のISDB―T方式、MISO伝送、MIMO伝送であれば、それぞれ選択信号が“0”、“1”、“2”である。但し選択信号が“0”の場合、Tx−2にはヌル信号が出力される。
以上の構成により、階層処理部3041は最大3系統(A階層、B階層、C階層)のデータを出力し、それぞれISDB―T方式、MISO伝送、MIMO伝送の内のいずれかを選択可能である。
図57の送信装置3000において、各送信アンテナの階層合成部5051、時間インターリーブ部5061、及び周波数インターリーブ部5071は、図75に示す従来の送信装置5000と同様の動作を行う。すなわち両送信アンテナに対する動作を同じにする。但し、図60(TMCC信号の定義の一部)を用いて後述する通り、図77に示す周波数インターリーブ部5071において、セグメント分割部5301はISDB−T方式が同期変調部または差動変調部を未使用の場合、MISO/MIMO同期変調部を同期変調部または差動変調部(未使用である方)に割り当てる。これにより、ISDB−T方式とMISO/MIMO方式とをそれぞれ独立して周波数インターリーブを行い、周波数インターリーブ後の各セグメント内にISDB−T方式とMISO/MIMO方式とが混在しないようにする。但し、周波数インターリーブ後の各セグメント内にMISO伝送の階層とMIMO伝送の階層を混在させることができる。
パイロット信号生成部3081は同期再生用パイロット信号を生成する。但し、MIMO伝送またはMISO伝送の階層に属するセグメントに対しては、MIMO/MISO用の同期再生用パイロット信号を生成する。TMCC/AC信号生成部3091は制御情報であるTMCC信号と、付加情報であるAC信号を生成する。但し、MIMO伝送及びMISO伝送の階層に属するセグメントに対しては、それぞれMIMO用、MISO用のTMCC信号を生成する。
図59に示すモード1の同期変調部を例に、MIMO伝送及びMISO伝送のセグメント構成を示す。図59に示す通り、OFDMシンボル番号が偶数の場合には両送信アンテナのSP信号を同位相とし、奇数の場合にはTx−2のSP信号をTx−1と逆位相とする。またキャリア番号0にISDB−T方式のCP(Continual Pilot)信号を配置する(Tx−1:CP、Tx−2:ヌル)ことにより、ISDB−T方式の同期変調部セグメントが周波数の低い方に隣接する場合に、ISDB−T方式同期変調部のSPの代わりを果たす。但し、周波数の低い方に隣接するセグメントがMIMO伝送またはMISO伝送のセグメントの場合には、両送信アンテナからCP信号を送信してもよい。この場合には、OFDMシンボル番号が偶数の場合には両送信アンテナのCP信号を同位相とし、奇数の場合にはTx−2のCP信号をTx−1と逆位相とする。
またTMCC信号とAC信号にはMIMO/MISO符号化を行わず、同一の信号を両送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)から送信し、また、その周波数方向配置をISDB−T方式におけるそれと同一とすることにより、既存ISDB−T受信機もMIMO/MISOセグメントのTMCC信号とAC信号とが受信可能となる。
図60にTMCC信号の定義の一部を示す。図60(a)(b)はそれぞれ、ISDB−T方式及び本実施の形態9におけるキャリア変調マッピング方式の定義を示す。図60(b)に示す通り、本実施の形態9ではISDB−T方式で未定義であった“100”及び“101”にそれぞれ、MISO伝送、MIMO伝送を割り当てる。これにより、MISO伝送またはMIMO伝送のセグメントを、既存のISDB−T受信機は「受信不可」と認識することができ、MISO伝送及びMIMO伝送に対応した受信機はMISO伝送またはMIMO伝送のセグメントと認識することができる。
図60(c)(d)はそれぞれ、ISDB−T方式及び本実施の形態9におけるB110〜B121の定義を示す。図60(d)に示す通り、本実施の形態9ではISDB−T方式で未定義であったB110〜B112の“000”及び“001”及び“010”にそれぞれ、QPSK(MISO/MIMO伝送)、16QAM(MISO/MIMO伝送)、64QAM(MISO/MIMO伝送)、を割り当てる。これにより、既存のISDB−T受信機に悪影響を与えることなく、MISO伝送及びMIMO伝送に対応した受信機は、MISO伝送またはMIMO伝送のセグメントのキャリア変調マッピング方式を認識することができる。
図60(e)(f)はそれぞれ、ISDB−T方式及び本実施の形態9におけるセグメント識別の定義を示す。図60(f)に示す通り、本実施の形態9では“000”及び“001”をそれぞれ、同期変調部またはMISO/MIMO同期変調部、差動変調部またはMISO/MIMO同期変調部とする。ISDB−T方式において同期変調部または差動変調部が未使用の場合、それぞれ“000”または“111”でMISO/MIMO同期変調部を定義することができる。“000”及び“111”がそれぞれMISO/MIMO同期変調部かどうかに関しては、図60(b)のキャリア変調マッピング方式の定義により認識される。既存のISDB−T受信機は、引き続き、“000”及び“111”をそれぞれ同期変調部及び差動変調部と解釈するが、図60(b)のキャリア変調マッピング方式の定義がISDB−T方式で未定義であった“100”及び“101”(MISO伝送及びMIMO伝送のセグメント)である場合には、「受信不可」と認識することができる。これに対して、MISO伝送及びMIMO伝送に対応した受信機は、図60(b)のキャリア変調マッピング方式の定義により、MISO伝送またはMIMO伝送のセグメントと認識し、MISO/MIMO同期変調部を認識することができる。このように、既存のISDB−T受信機に悪影響を与えることなく、MISO伝送及びMIMO伝送に対応した受信機はMISO伝送またはMIMO伝送のセグメントのキャリア変調マッピング方式を認識することができる。
フレーム構成部3101は送信アンテナ毎の周波数インターリーブ5071から出力される情報データ、パイロット信号生成部3081から出力される同期再生用パイロット信号、及びTMCC/AC信号生成部3091から出力されるTMCC及びAC信号から、伝送フレームを構成する。ここで図75に示す従来のフレーム構成部5101と異なる点は、2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)それぞれにおいて伝送フレームを構成していることと、MIMOまたはMISO伝送のセグメントを含んでもよいことである。
図57の送信装置3000において、OFDM信号生成部5111、D/A変換部5121、周波数変換部5131は、図75に示す従来の送信装置5000と同様の動作を行う。すなわち両送信アンテナに対する動作を同じにする。
以上の構成により、偏波MIMO伝送技術において、既存のISDB―T方式と偏波MIMO伝送技術を用いた新方式を混在可能とし、新方式の導入を容易にする送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。更に偏波MIMO伝送技術を用いた新方式において、偏波ダイバーシティ効果を十分発揮させることができ、特に既存のISDB―T方式と親和性の高い処理方法(ISDB―T方式と同一の時間インターリーブ、周波数インターリーブなど)を用いて実現していることが特徴である。
<既存のISDB―T受信装置及び受信方法>
図61は、既存のISDB―T受信装置3300の構成を示す図である。図61のISDB―T受信装置3300は、図75の送信装置5000に対応し、送信装置5000の機能を反映するものである。
ISDB―T受信装置3300は、チューナ部3305と、A/D変換部3308と、復調部3311と、周波数デインターリーブ部3315、時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3331と、FEC復号化部3333と、TMCC信号復号部3335を備える。
以下、ISDB―T受信装置3300の動作について説明する。図75の送信装置5000から送信された信号に対して、受信アンテナRx−1よりアナログRF送信信号が入力されると、チューナ部3305は選局された周波数チャンネル(CH−Y)の信号を選択受信し、所定の帯域にダウンコンバートする。A/D変換部3308はA/D変換して、デジタル受信信号を出力する。復調部3311はOFDM復調を行い、等化後のI・Q座標のマッピングデータ(cell)と伝送路推定値を周波数デインターリーブ部3315に出力するとともに、等化前のFFT出力をTMCC信号復号部3335に出力する。
TMCC信号復号部3335は復調部3311から出力された等化前のFFT出力に対して、図59に示すTMCC信号が配置されている各キャリアに対して差動BPSK復調を行い、セグメント毎に集まった復調結果を多数決復号して、TMCC信号を復号する。復号されたTMCC信号は復調部3311と、周波数デインターリーブ部3315と、時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3331と、FEC復号化部3333に出力され、各部で復号されたTMCC信号に基づいた動作が行われる。
周波数デインターリーブ部3315は復調部3311から出力された等化後のI・Q座標のマッピングデータと伝送路推定値に対して、部分受信部、差動変調部、同期変調部それぞれに対して周波数デインターリーブを行う。時間デインターリーブ部3321は周波数デインターリーブ部3315からの出力に対して、時間デインターリーブを行う。
図62は、複数階層TS再生部3331の構成を示す図である。複数階層TS再生部3331は、SISO(Single Input Single Output)デマッピング部3401と、ビットデインターリーブ部3411と、デパンクチャ部3421と、TS再生部3431を備える。SISOデマッピング部3401は周波数デインターリーブ部3315と時間デインターリーブ部3321で並び替えが行われた等化後のI・Q座標のマッピングデータと伝送路推定値に基づき、デマッピング処理を行う。ビットデインターリーブ部3411はビットデインターリーブを行い、デパンクチャ部3421はデパンクチャ処理を行う。TS再生部3431はデパンクチャ部3421の出力に対して階層毎にTS再生を行う。
図63は、FEC復号化部3333の構成を示す図である。FEC復号化部3333は、ビタビ復号部3441と、バイトデインターリーブ部3451と、エネルギー逆拡散部3461と、RS復号部3471を備える。複数階層TS再生部3331からの出力に対して、ビタビ復号部3441はビタビ復号を行い、バイトデインターリーブ部3451はバイトデインターリーブを行い、エネルギー逆拡散部3461はエネルギー逆拡散を行い、RS復号部3471はRS復号を行う。
以上の動作により、図61のISDB―T受信装置3300は、図75の送信装置5000から送信された信号に対して、誤り訂正復号まで行った各階層のTSを出力する。なお、図61のISDB―T受信装置3300の内、チューナ部3305を除く構成要素を含んで集積回路3341としてもよい。
次に、図57の送信装置3000から送信された信号に対する図61のISDB―T受信装置3300の動作について、前述した図75の送信装置5000から送信された信号に対する動作と異なる点のみ説明する。
図57の送信装置3000から送信された信号に対して、受信アンテナRx−1よりアナログRF送信信号が入力されると、チューナ部3305と、A/D変換部3308は前述と同じ動作を行う。
TMCC信号復号部3335は前述の動作と同じく、セグメント毎に集まった復調結果を多数決復号して、TMCC信号を復号する。なおMISO伝送またはMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントにおいて、図57の送信装置3000はTMCC信号に対してMIMO/MISO符号化を行わずに、両送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)から同一信号を送信する。よって、TMCC復号部3335はMISO伝送またはMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントのTMCC信号を復号可能であり、図60に示すTMCC信号の定義により、受信不可能なセグメントと判定する。
この判定結果は復調部3311と、周波数デインターリーブ部3315と、時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3331と、FEC復号化部3333に出力され、各部はISDB―T方式の階層が割り当てられたセグメントのみ処理を行う。
以上の動作により、図61のISDB―T受信装置3300は、図57の送信装置3000から送信された信号に対して、誤り訂正復号まで行ったISDB―T方式の階層のTSを出力する。
<受信装置及び受信方法>
図64は、本発明の実施の形態9における受信装置3500の構成を示す図である。図64の受信装置3500は、図57の送信装置3000に対応し、送信装置3000の機能を反映するものである。既存のISDB―T受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
受信装置3500は、図61に示すISDB―T受信装置3300と比較して、複数階層TS再生部3331とTMCC信号復号部3335をそれぞれ、複数階層TS再生部3531とTMCC信号復号部3535に置き換えた構成である。更に、復調部3311を復調部3511に置き換え、送信アンテナ毎に備えた構成である。また受信装置3500では、送信アンテナ毎にチューナ部3305と、A/D変換部3308と、周波数デインターリーブ部3315、時間デインターリーブ部3321を備える。
以下、受信装置3500の動作について説明する。図57の送信装置3000から送信された信号に対して、両受信アンテナ(Rx−1、Rx−2)よりアナログRF送信信号が入力されると、各受信アンテナのチューナ部3305とA/D変換部3308は、図61に示すISDB―T受信装置3300と同様の動作を行う。
各受信アンテナの復調部3511はOFDM復調を行う。但しMISO伝送またはMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントに対しては等化を行わず、図59に示すSP信号に基づいて、MISO/MIMO用伝送路推定を行う。よって各受信アンテナの復調部3511は、MISO伝送またはMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントに対しては、等化前のFFT出力を周波数デインターリーブ部3315及びTMCC信号復号部3535に出力するとともに、伝送路推定値を周波数デインターリーブ部3315に出力する。
TMCC信号復号部3535は復調部3511から出力された等化前のFFT出力に対して、図61におけるTMCC信号復号部3335と同様に差動BPSK復調と多数決復号を行って、TMCC信号を復号する。但し、両受信アンテナ(Rx−1、Rx−2)の復調部3511からの出力を用いて多数決復号を行うことにより、更に復号性能が向上する。またTMCC信号復号部3535は、図60に示すTMCC信号の定義を認識し、MISO伝送またはMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントに対しても、MISO伝送であるかMIMO伝送であるかを検出するとともに、キャリア変調マッピング方式(QPSK、16QAM、64QAM)も検出する。
この検出結果は各受信アンテナの復調部3511と、周波数デインターリーブ部3315と、時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3531と、FEC復号化部3333に出力され、各部はISDB―T方式の階層が割り当てられたセグメント及びMISO伝送及びMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントの処理を行う。
各受信アンテナの周波数デインターリーブ部3315及び時間デインターリーブ部3321の動作は、図61における動作と同様である。但し周波数デインターリーブ部3315は図60(f)に示す通り、MISO/MIMO同期変調部が割り当てられたISDB−T同期変調部またはISDB−T差動変調部の各受信アンテナにおける周波数デインターリーブ機能を用いて、周波数デインターリーブが可能である。またISDB―T方式の階層が割り当てられたセグメントに対しては、一方の受信アンテナ(Rx−1またはRx−2)の周波数デインターリーブ部3315及び時間デインターリーブ部3321の動作を停止することができる。あるいは両受信アンテナ(Rx−1、Rx−2)とも動作を行い、ダイバーシティ受信を行うことで更に受信性能を向上可能である。
図65は、複数階層TS再生部3531の構成を示す図である。複数階層TS再生部3531は図62に示す複数階層TS再生部3331と比較して、SISOデマッピング部3401をSISO/MISO/MIMOデマッピング部3501に置き換えた構成である。SISO/MISO/MIMOデマッピング部3501は入力されるTMCC信号に基づき、ISDB―T方式の階層が割り当てられたセグメントに対してはSISOデマッピング部3401と同様の動作を行い、MISO伝送またはMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントに対しては、MISOまたはMIMO用デマッピング処理を行う。図65の複数階層TS再生部3531のその他の動作は、図62の複数階層TS再生部3331と同様である。
図64において、FEC復号化部3333は図61における動作と同様である。
以下、SISO/MISO/MIMOデマッピング部3501におけるMIMO用デマッピング処理について説明する。MIMOデマッピング部3501への入力ベクトルy=(y1_k,y2_k)Tは式(39)のように表される。
但し、yP_kは受信アンテナPに対する入力データ、Hは式(40)で表される伝送路行列、n=(n1_k,n2_k)
Tはノイズベクトルであり、nP_kは平均値0、分散σ
2のi.i.d.複素ガウス雑音である。
式(39)と式(40)を用いて、SISO/MISO/MIMOデマッピング部3501は最尤復号(MLD:Maximum Likelihood Decoding)を行い、ベクトル推定値s’=(s’2k+1,s’2k+2)
Tを算出して、出力する。なお最尤復号に限らず、ZF(Zero Forcing)など他の方法を用いてもよい。
以上の構成により、偏波MIMO伝送技術において、マッピングデータをそれぞれの偏波アンテナに分散させて送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。
また、図64の受信装置3500の内、チューナ部3305を除く構成要素を含んで集積回路3541としてもよい。
(実施の形態10)
<送信装置及び送信方法>
図66は、本発明の実施の形態10における送信装置3600の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態9の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
図66の送信装置3600は図57に示す実施の形態9における送信装置3000と比較して、TS再多重部5011及び階層分割部5031及びTMCC/AC信号生成部3091を、TS再多重部3611及び階層分割部3631及びTMCC/AC信号生成部3691にそれぞれ置き換えた構成である。そして更に、LDPC階層割当部3635及びLDPC階層処理部3645を追加した構成である。本実施の形態10では、C階層のみLDPC符号化を行う構成としたがこれに限らず、他の階層に対してLDPC符号化を行ってもよく、また複数の階層に対してLDPC符号化を行ってもよい。
以下、送信装置3600の動作について説明する。TS再多重部3611は図示しないMPEG−2多重部から出力された3つのTSの内、2つのTSを入力として、単一のTSに変換する。但し、残り1つのTSが入力されないことによる空き時間に対してはヌルパケットを挿入する。階層分割部3631は階層情報の指定に沿って最大2系統(A階層、B階層)の階層分割を行う。
一方LDPC階層割当部3635は残り1つのTSを入力として、そのTSにLDPC符号化を行うC階層を割り当て、各TSパケットのタイミング情報を生成して、各TSパケットとともにLDPC階層処理部3645に出力する。
図67は、LDPC階層処理部3645の構成を示す図である。LDPC階層処理部3645は図58に示す実施の形態10における階層処理部3041と比較して、バイトインターリーブ部5211及び畳込符号化部5221を削除し、BCH符号化部3711及びLDPC符号化部3721を追加した構成である。更にLDPC階層処理部3645は、ビットインターリーブ部5231をビットインターリーブ部3731に置き換えた構成である。
LDPC階層処理部3645において、BCH符号化部3711はLDPC階層割当部3635から出力される1つ以上のTSパケットに含まれるデータを集めるとともに、タイミング情報をヘッダに格納して情報ビットとし、BCH符号化を行う。エネルギー拡散部5201は図76における動作と同様である。LDPC符号化部3721はLDPC符号化を行い、ビットインターリーブ部3731はLDPC符号化の能力を引き出すため、一般的には図58におけるISDB−T方式のビットインターリーブ部5231とは異なるビットインターリーブを行う。マッピング部5241以降の動作は、図58に示す階層処理部3041における動作と同様である。
図66の送信装置3600において、階層合成部5051は階層処理部3041−A〜BとLDPC階層処理部3645−Cからの出力データに対して、図58に示す階層処理部3041と同様の動作を行う。
TMCC/AC信号生成部3691は制御情報であるTMCC信号と、付加情報であるAC信号を生成する。但し、MIMO伝送及びMISO伝送の階層に属するセグメントに対しては、それぞれMIMO用、MISO用のTMCC信号を生成するとともに、LDPC階層に属するセグメントに対しては、LDPC符号化に関するTMCC信号を生成する。
図68に、LDPC符号化に関するTMCC信号の定義を示す。図68(a)(b)はそれぞれ、ISDB−T方式及び本実施の形態10における畳込符号化率の定義を示す。図68(b)に示す通り、本実施の形態10ではISDB−T方式で未定義であった“101”に、LDPC符号化を割り当てる。これにより、LDPC符号化を行うセグメントを、既存のISDB−T受信機は「受信不可」と認識することができ、LDPC符号化に対応した受信機はLDPC符号化のセグメントと認識することができる。
図68(c)は、本実施の形態10におけるB110〜B121の定義を示す。図60(c)に示す通り、本実施の形態10ではISDB−T方式で未定義であったB113〜B115の“000”〜“100”にそれぞれ、1/2(LDPC符号化率)、2/3(LDPC符号化率)、3/4(LDPC符号化率)、5/6(LDPC符号化率)、7/8(LDPC符号化率)を割り当てる。これにより、既存のISDB−T受信機に悪影響を与えることなく、LDPC符号化に対応した受信機はLDPC符号化率を認識することができる。
その他の動作は、図57に示す実施の形態9における送信装置3000と同様である。
以上の構成により、偏波MIMO伝送技術において、既存のISDB―T方式と偏波MIMO伝送技術を用いた新方式を混在可能とし、新方式の導入を容易にする送信装置、送信方法、及びプログラムを提供することができる。新方式における誤り訂正符号化方式としてBCH符号 + LDPC符号を用いることにより、誤り訂正能力を向上することができる。更に偏波MIMO伝送技術を用いた新方式において、偏波ダイバーシティ効果を十分発揮させることができ、特に既存のISDB―T方式と親和性の高い処理方法(ISDB―T方式と同一の時間インターリーブ、周波数インターリーブなど)を用いて実現していることが特徴である。
<既存のISDB―T受信装置及び受信方法>
図66の送信装置3600から送信された信号に対する図61のISDB―T受信装置3300の動作について、実施の形態9における図57の送信装置3000から送信された信号に対する動作と異なる点のみ説明する。
TMCC信号復号部3335は実施の形態9での動作と同じく、セグメント毎に集まった復調結果を多数決復号して、TMCC信号を復号する。よって、TMCC信号復号部3335はLDPC符号化を行うセグメントのTMCC信号も復号可能であり、図68に示すTMCC信号の定義により、受信不可能なセグメントと判定する。
この判定結果は復調部3311と、周波数デインターリーブ部3315と、時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3331と、FEC復号化部3333に出力され、各部はISDB―T方式の階層が割り当てられたセグメントのみ処理を行う。
以上の動作により、図61のISDB―T受信装置3300は、図66の送信装置3600から送信された信号に対して、誤り訂正復号まで行ったISDB―T方式の階層のTSを出力する。
<受信装置及び受信方法>
図69は、本発明の実施の形態10における受信装置3800の構成を示す図である。図69の受信装置3800は、図66の送信装置3600に対応し、送信装置3600の機能を反映するものである。既存のISDB―T受信装置、及び実施の形態9の受信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。
受信装置3800は、図64に示す実施の形態9における受信装置3500と比較して、複数階層TS再生部3531及びFEC復号化部3333及びTMCC信号復号部3535をそれぞれ、複数階層TS再生部3831及びFEC復号化部3833及びTMCC信号復号部3835に置き換えた構成である。
以下、受信装置3800の動作について説明する。TMCC信号復号部3835は図68に示すTMCC信号の定義を認識し、LDPC符号化を行うセグメントに対しても、LDPC符号化を行っていることを検出するとともに、LDPC符号化率も検出する。
TMCC信号の内、特にLDPC符号化に関する検出結果は複数階層TS再生部3831及びFEC復号化部3833に出力される。
図70は、複数階層TS再生部3831の構成を示す図である。複数階層TS再生部3831は図65に示す複数階層TS再生部3531と比較して、SISO/MISO/MIMOデマッピング部3501をSISO/MISO/MIMOデマッピング部3801に置き換えた構成である。SISO/MISO/MIMOデマッピング部3801は入力されるTMCC信号に基づき、LDPC符号化を行うセグメントのデータに対してはデマッピング処理後のデータをLDPC階層データとして出力する。LDPC符号化を行っていないセグメントのデータに対しては、図62での動作と同様にデマッピング処理後のデータをビットデインターリーブ部3411に出力し、ビットデインターリーブ部3411以降の動作は図62と同様であり、非LDPC階層データとして出力する。
図71は、FEC復号化部3833の構成を示す図である。FEC復号化部3833は図63に示すFEC復号化部3333と比較して、ビットデインターリーブ部3911と、LDPC復号化部3941と、BCH復号化部3971と、LDPC階層・非LDPC階層合成部3981を追加し、エネルギー逆拡散部3461を更に1つ追加した構成である。
図71において、FEC復号化部3833は非LDPC階層データに対して、ビタビ復号化部3441〜RS復号化部3471において、図63と同様の動作を行う。またFEC復号化部3833はLDPC階層データに対して、ビットデインターリーブ部3911でビットデインターリーブを行い、LDPC復号化部3941でLDPC復号を行い、エネルギー逆拡散部3461でエネルギー逆拡散を行い、BCH復号化部3971でBCH復号を行う。
LDPC階層・非LDPC階層合成部3981は、BCH復号化部3971から出力されるLDPC階層復号データのヘッダに含まれるタイミング情報に基づき、RS復号化部3471から出力される非LDPC階層復号データの間に、LDPC階層復号データを挿入することで、両階層の復号データを合成して、誤り訂正復号まで行ったTSを出力する。
以上の構成により、偏波MIMO伝送技術において、マッピングデータをそれぞれの偏波アンテナに分散させて送信された信号を受信する受信装置、受信方法、及びプログラムを提供することができる。特に、新方式における誤り訂正符号化方式としてBCH符号 + LDPC符号を用いる場合にも対応できる。
また、図69の受信装置3800の内、チューナ部3305を除く構成要素を含んで集積回路3841としてもよい。
(実施の形態11)
<送信装置及び送信方法>
図72は、本発明の実施の形態11における送信装置4000の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態9の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。本実施の形態11では、TS(Transport Stream)生成部において、SVC(Scalable Video Coding)を用いて映像コンポーネントとして映像B(Base layer)と映像E(Enhancement layer)の2つを生成する。これにより、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎に階層への割当を可能とし、階層毎に既存のISDB―T方式、MISO伝送、MIMO伝送から選択することを可能とする。
図72の送信装置4000は図57に示す実施の形態9における送信装置3000と比較して、TS再多重部5011をTS再多重部4011に置き換えた構成である。更に図72の送信装置4000は、階層割当部4005を追加した構成である。
図73は、TS生成部4210の構成を示す図である。図73のTS生成部4210は一例としてTS中に1つのプログラムを生成する場合を示し、音声符号化部4221と映像符号化部4222を1つずつ備える。またTS生成部4210は、各プログラム中における音声・映像B・映像Eのサービス・コンポーネント毎にパケット化部4223を備える。またTS生成部4210は、パケット化ストリーム多重化部4224とL2情報処理部4225を備える。
TS生成部4210において、音声符号化部4221は音声の情報源符号化を行う。映像符号化部4222はSVCを用いた映像の情報源符号化を行い、映像Bと映像Eの2つのコンポーネントを生成する。情報源符号化の一例としては、H.264やHEVC(H.265)などが挙げられる。
パケット化部4223は音声符号化部4221、または映像符号化部4222の出力をパケット化する。L2情報処理部4225は、PSI(Program-Specific Information)やSI(System Information)などのL2情報を生成する。パケット化ストリーム多重化部4224は、パケット化部4223の出力とL2情報処理部4225の出力を多重化してTSを生成して、図72に示す送信装置4000に出力する。
図72に示す送信装置4000において、階層割当部4005は、TS生成部4210から出力されるTSのプログラムに含まれる音声・映像B・映像Eのサービス・コンポーネント毎、及びL2情報に階層を割り当てる。図72では一例として、以下のように割り当てる。
A階層:プログラム−1の音声、映像B、L2情報
B階層:プログラム−1の映像E
図72において、TS再多重部4011への音声、映像B、L2情報パケットは実際には多重化されて、1つの入力となる。TS再多重部4011の動作は、多重化された音声、映像B、L2情報パケットで構成されたストリームと、映像Eパケットで構成されたストリームをそれぞれ1つのTSとして扱う以外は、図57での動作と同様である。
階層分割部5031は、階層割当部4005が割り当てた通りに階層分割を行う。
図72に示す送信装置4000において、階層処理部3041−Aは既存のISDB―T方式として動作し、階層処理部3041−BはMISO伝送またはMIMO伝送として動作するものとする。
図72の送信装置4000におけるその他の動作は、図57に示す実施の形態9における送信装置3000と同様である。
以上の構成により、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎に階層への割当を可能とし、階層毎に既存のISDB―T方式、MISO伝送、MIMO伝送から選択することを可能とする。特に、音声、映像Bに対して既存のISDB―T方式を選択することにより、既存のISDB―T受信装置において、基本情報の階層は受信可能となり、その番組の基本情報部分、例えば標準画質でその番組を楽しむことができる。
<既存のISDB―T受信装置及び受信方法>
図72の送信装置4000から送信された信号に対する図61のISDB―T受信装置3300の動作について、実施の形態9における図57の送信装置3000から送信された信号に対する動作と異なる点のみ説明する。
TMCC信号復号部3335は実施の形態9での動作と同じく、セグメント毎に集まった復調結果を多数決復号して、TMCC信号を復号し、MISO伝送またはMIMO伝送のB階層(プログラム−1の映像E)が割り当てられたセグメントを、受信不可能と判定する。
この判定結果は復調部3311と、周波数デインターリーブ部3315と、時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3331と、FEC復号化部3333に出力され、各部はISDB―T方式のA階層(プログラム−1の音声、映像B、L2情報)が割り当てられたセグメントのみ処理を行う。
以上の動作により、図61のISDB―T受信装置3300は、図72の送信装置4000から送信された信号に対して、誤り訂正復号まで行ったISDB―T方式の階層のTSを出力する。すなわち、プログラム−1の音声、映像B、L2情報を出力する。
<受信装置及び受信方法>
図72の送信装置4000から送信された信号に対する図64の受信装置3500の動作について、実施の形態9における図57の送信装置3000から送信された信号に対する動作と異なる点のみ説明する。
TMCC信号復号部3535は実施の形態9での動作と同じく、MISO伝送またはMIMO伝送のB階層(プログラム−1の映像E)が割り当てられたセグメントに対して、MISO伝送であるかMIMO伝送であるかを検出するとともに、キャリア変調マッピング方式(QPSK、16QAM、64QAM)も検出する。
この検出結果は各受信アンテナの復調部3511と周波数デインターリーブ部3315と時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3531及びFEC復号化部3333に出力され、各部はISDB―T方式のA階層(プログラム−1の音声、映像B、L2情報)が割り当てられたセグメント及びMISO伝送またはMIMO伝送のB階層(プログラム−1の映像E)が割り当てられたセグメントの処理を行う。
以上の動作により、図64の受信装置3500は、図72の送信装置4000から送信された信号に対して、誤り訂正復号まで行ったISDB―T方式のA階層及びMISO伝送またはMIMO伝送のB階層のTSを出力する。すなわち、プログラム−1の全コンポーネント(音声、映像B、映像E、L2情報)を出力する。
(実施の形態12)
<送信装置及び送信方法>
図74は、本発明の実施の形態12における送信装置4300の構成を示す図である。従来の送信装置、及び実施の形態9〜11の送信装置と同じ構成要素は、同じ符号を用い、説明を省略する。本実施の形態11では、TS生成部において、SVCを用いて映像コンポーネントとして映像Bと映像Eの2つを生成する。これにより、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎に階層への割当を可能とし、階層毎に既存のISDB―T方式、MISO伝送、MIMO伝送から選択することを可能とするとともに、新方式であるMISO伝送及びMIMO伝送における誤り訂正符号化方式としてBCH符号 + LDPC符号を用いる。
図74の送信装置4300は図66に示す実施の形態10における送信装置3600と比較して、TS再多重部3611をTS再多重部4311に置き換えた構成である。更に図74の送信装置4300は、階層割当部4005を追加した構成である。
図74に示す送信装置4300において、階層割当部4005は実施の形態11と同様にして、図73に示すTS生成部4210から出力されるTSのプログラムに含まれる音声・映像B・映像Eのサービス・コンポーネント毎、及びL2情報に階層を割り当てる。図74では一例として、以下のように割り当てる。
A階層:プログラム−1の音声、映像B、L2情報
C階層:プログラム−1の映像E
図74において、TS再多重部4311への音声、映像B、L2情報パケットは実際には多重化されて、1つの入力となる。TS再多重部4311の動作は、多重化された音声、映像B、L2情報パケットで構成されたストリームを1つのTSとして扱い、残り1つのコンポーネント(映像E)が入力されないことによる空き時間に対してはヌルパケットを挿入する以外は、図66での動作と同様である。
階層分割部3631は、階層割当部4005が割り当てた通りに、多重化された音声、映像B、L2情報パケットで構成されたストリームをA階層に階層分割を行う。
LDPC階層割当部3635は、階層割当部4005が割り当てた通りに、残り1つのコンポーネント(映像E)で構成されたストリームを入力として、そのTSにLDPC符号化を行うC階層を割り当て、各TSパケットのタイミング情報を生成して、各TSパケットとともにLDPC階層処理部3645に出力する。
図74の送信装置4300において、階層処理部3041−Aは既存のISDB―T方式として動作し、LDPC階層処理部3645−CはMISO伝送またはMIMO伝送として動作するものとする。
図74の送信装置4300におけるその他の動作は、図66に示す実施の形態10における送信装置3600と同様である。
以上の構成により、音声、映像B、映像Eのコンポーネント毎に階層への割当を可能とし、階層毎に既存のISDB―T方式、MISO伝送、MIMO伝送から選択することを可能とするとともに、新方式であるMISO伝送及びMIMO伝送における誤り訂正符号化方式としてBCH符号 + LDPC符号を用いる。特に、音声、映像Bに対して既存のISDB―T方式を選択することにより、既存のISDB―T受信装置において、基本情報の階層は受信可能となり、その番組の基本情報部分、例えば標準画質でその番組を楽しむことができる。
<既存のISDB―T受信装置及び受信方法>
図74の送信装置4300から送信された信号に対する図61のISDB―T受信装置3300の動作について、実施の形態9における図57の送信装置3000から送信された信号に対する動作と異なる点のみ説明する。
TMCC信号復号部3335は実施の形態9での動作と同じく、セグメント毎に集まった復調結果を多数決復号して、TMCC信号を復号し、MISO伝送またはMIMO伝送のC階層(プログラム−1の映像E)が割り当てられたセグメントを、受信不可能と判定する。
この判定結果は復調部3311と、周波数デインターリーブ部3315と、時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3331と、FEC復号化部3333に出力され、各部はISDB―T方式のA階層(プログラム−1の音声、映像B、L2情報)が割り当てられたセグメントのみ処理を行う。
以上の動作により、図61のISDB―T受信装置3300は、図74の送信装置4300から送信された信号に対して、誤り訂正復号まで行ったISDB―T方式の階層のTSを出力する。すなわち、プログラム−1の音声、映像B、L2情報を出力する。
<受信装置及び受信方法>
図74の送信装置4300から送信された信号に対する図69の受信装置3800の動作について、実施の形態9における図57の送信装置3000から送信された信号に対する動作と異なる点のみ説明する。
TMCC信号復号部3835は実施の形態10での動作と同じく、LDPC符号化を行い、MISO伝送またはMIMO伝送のC階層(プログラム−1の映像E)が割り当てられたセグメントに対しても、MISO伝送かMIMO伝送であるか、キャリア変調マッピング方式(QPSK、16QAM、64QAM)を検出するとともに、LDPC符号化を行っていることと、LDPC符号化率も検出する。
この検出結果は各受信アンテナの復調部3511と周波数デインターリーブ部3315と時間デインターリーブ部3321と、複数階層TS再生部3831及びFEC復号化部3833に出力され、各部はISDB―T方式のA階層(プログラム−1の音声、映像B、L2情報)が割り当てられたセグメント、及びLDPC符号化を行い、MISO伝送またはMIMO伝送のC階層(プログラム−1の映像E)が割り当てられたセグメントの処理を行う。
以上の動作により、図69の受信装置3800は、図74の送信装置4300から送信された信号に対して、誤り訂正復号まで行ったISDB―T方式の階層、及びLDPC符号化を行い、MISO伝送またはMIMO伝送の階層のTSを出力する。すなわち、プログラム−1の全コンポーネント(音声、映像B、映像E、L2情報)を出力する。
(補足)
本発明は上記の実施の形態9〜12で説明した内容に限定されず、本発明の目的とそれに関連又は付随する目的を達成するためのいかなる形態においても実施可能であり、例えば、以下であってもよい。
(1)実施の形態9〜12において、TMCC信号とAC信号にはMIMO/MISO符号化を行わずに両送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)から同一信号として伝送するとしたが、これに限らず、MIMO/MISO符号化を行わずに一方の送信アンテナからのみ伝送してもよい。
(2)実施の形態9〜12において、ISDB−T方式、MIMO、MISOの3つを混在させることができるとしたがこれに限らず、その内のいずれか2つを混在させてもよく、またMIMOのみ、MISOのみを送受信可能としてもよい。
(3)実施の形態9〜12において、周波数帯域の中央セグメント(データセグメント番号0)に優先的にISDB−T方式を割り当てても良い。特に優先的に、ISDB−T方式の部分受信部に割り当てても良い。
(4)実施の形態9〜12において、MISO伝送及びMIMO伝送における送受信アンテナ数がいずれも2の場合を示したがこれに限らず、3以上であってもよい。また、送受信アンテナ数が異なってもよい。
(5)実施の形態9〜12において、MISO伝送及びMIMO伝送における2つの送信アンテナ(Tx−1、Tx−2)に対して異なる偏波を適用するとしたが、同一偏波を用いてもよい。
(6)実施の形態11〜12において、A階層をISDB―T方式で、B階層またはC階層をMISOまたはMIMOで伝送するとしたが、これに限らず、例えば、A階層をMISOで、B階層またはC階層をMIMOで伝送してもよい。
(7)実施の形態9〜12において、送信アンテナ2(Tx−2)に対して位相変更を施したがこれに限らず、送信アンテナ1(Tx−1)対して位相変更を施してもよい。
(8)実施の形態9〜12において、MIMOまたはMISOに対して同期変調を適用したが、差動変調を適用してもよい。
(9)実施の形態11〜12において、TS数を1つとしたが、これに限らない。またTSのプログラム数を1としたが、これに限らない。
(10)実施の形態11〜12において、サービス・コンポーネントを音声と映像としたが、これに限らない。他に、データ・コンポーネントなどが挙げられる。また実施の形態11〜12において、映像に対してscalable codingを行う構成としたが、これに限らず、音声やデータ・コンポーネントに対してscalable codingを行ってもよい。
(11)実施の形態11〜12において、SVCにより映像Bと映像Eを生成するとしたがこれに限らず、例えばMVC(Multi-view Video Coding)によりMVC_B(Base view)とMVC_D(Dependent view)を生成してもよい。この場合、MVC_Bをある階層に割り当てて既存のISDB―T方式とし、MVC_Dを別の階層に割り当ててMISO伝送またはMIMO伝送とすれば、既存ISDB―T受信装置において、基本情報の階層は受信可能となり、その番組の基本情報部分、例えば2Dでその番組を楽しむことができる。更にMISO伝送またはMIMO伝送に対応した受信装置において、基本情報と拡張情報の階層を受信可能となり、例えば3Dでその番組を楽しむことができる。
(12)実施の形態11〜12において、音声、映像B、L2情報を既存のISDB―T方式、映像EをMISO伝送またはMIMO伝送としたが、これに限らない。例えば、音声とL2情報を既存のISDB―T方式、映像BをMISO伝送、映像EをMIMO伝送としてもよい。
(13)実施の形態9〜12において、時間インターリーブ部5061、及び周波数インターリーブ部5071は、図75に示す従来の送信装置5000と同様の動作を行うとした。MISO伝送またはMIMO伝送の階層が割り当てられたセグメントに対しては、図59に示すMIMO伝送及びMISO伝送のセグメント構成とした。MIMO伝送及びMISO伝送のセグメントにおける1シンボル当たりのデータキャリア数をISDB−T方式と合わせるため、例えばACキャリア数を削減してもよい。あるいはデータキャリア数がISDB−T方式と異なった場合には、時間インターリーブ部5061、及び周波数インターリーブ部5071は、少なくなったデータキャリア数分だけヌルキャリアとして動作し、出力段でヌルキャリアを削除してもよく、これに限らないが、時間インターリーブ部5061、及び周波数インターリーブ部5071は引き続きISDB−T方式と親和性の高い方法を維持できる。また図59に示すMIMO伝送及びMISO伝送のセグメント構成において、MIMO/MISO用の同期再生用パイロット信号のキャリア方向密度を例えば2倍に高めてもよい。この場合にも、前述の通りに時間インターリーブ部5061、及び周波数インターリーブ部5071は引き続きISDB−T方式と親和性の高い方法を維持できる。
(14)上記の実施の形態9〜12は、ハードウェアとソフトウェアを使った実装に関するものであってもよい。上記の実施の形態はコンピューティングデバイス(プロセッサ)を使って実装又は実行されてもよい。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、例えば、メインプロセッサ/汎用プロセッサ(general purpose processor)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)、他のプロラマブル論理デバイスなどであってよい。上記の実施の形態は、これらのデバイスの結合によって実行され、あるいは、実現されてもよい。
(15)上記の実施の形態9〜12は、プロセッサによって、または、直接ハードウェアによって実行される、ソフトウェアモジュールの仕組みによって実現されてもよい。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組み合わせも可能である。ソフトウェアモジュールは、様々な種類のコンピュータ読み取り可能なストレージメディア、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD−ROM、DVDなど、に保存されてもよい。
≪まとめ≫
実施の形態等に係る送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法とその効果についてまとめる。
送信装置(1)は、複数の基本帯域を用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送を行う送信装置であって、所定長のデータブロック毎に、誤り訂正符号化して誤り訂正符号化フレームを生成する誤り訂正符号化部と、前記誤り訂正符号化フレームを所定数のビットずつシンボルにマッピングして誤り訂正符号化ブロックを生成するマッピング部と、前記誤り訂正符号化ブロックに対してMIMO符号化を行うMIMO符号化部と、を有し、前記誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、前記複数の基本帯域の内2以上の基本帯域に振り分けて送信を行うことを特徴とする。
送信装置(1)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、複数の基本帯域の内2以上の基本帯域に振り分けて送信を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(2)は、送信装置(1)において、送信データの基本情報に対して、前記複数の基本帯域を用いたMIMO伝送で送信し、前記送信データの拡張情報に対して、単一の基本帯域を用いて送信し、前記基本情報は単独で復号可能な情報であり、前記拡張情報は前記基本情報と組み合わせて復号可能な情報であるとしてもよい。
送信装置(2)によれば、送信データの基本情報に対して、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送で送信し、送信データの拡張情報に対して、単一の基本帯域を用いて送信を行うことにより、PLP毎に複数の基本帯域を用いたMIMO伝送と単一の基本帯域を用いたMIMO伝送を選択することを可能とする送信装置を提供することができる。
送信装置(3)は、送信装置(1)において、前記MIMO伝送に用いる送信アンテナ数を2とし、前記各送信アンテナの偏波極性が異なるとしてもよい。
送信装置(3)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、MIMO伝送に用いる送信アンテナ数を2とし、各送信アンテナの偏波極性が異なることにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果に加えて、偏波ダイバーシティ効果も発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(4)は、送信装置(1)において、前記誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、更に前記MIMO伝送に用いる複数の送信アンテナの内2以上の送信アンテナに振り分けて送信を行うとしてもよい。
送信装置(4)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、更にMIMO伝送に用いる複数の送信アンテナの内2以上の送信アンテナに振り分けて送信を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果に加えて、空間(アンテナ)ダイバーシティ効果も発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(5)は、送信装置(1)又は(4)において、前記基本帯域の数をK(Kは2以上の自然数)、送信アンテナの数をM(Mは2以上の自然数)とすると、前記MIMO符号化部はK×M個の出力ポートを有し、各出力ポートは各基本帯域の各送信アンテナに対応し、前記誤り訂正符号化ブロックに含まれる各データの成分を前記K×M個の全ての出力ポートに出力するとしてもよい。
送信装置(5)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、MIMO符号化部が誤り訂正符号化ブロックに含まれる各データの成分を、全基本帯域の全送信アンテナに対応する出力ポートに出力することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(6)は、送信装置(5)において、前記MIMO符号化部は、(K×M)行(K×M)列のプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行うとしてもよい。
送信装置(6)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、MIMO符号化部がプリコーディング行列を用いて誤り訂正符号化ブロックに含まれる各データの成分を、全基本帯域の全送信アンテナに対応する出力ポートに出力することにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(7)は、送信装置(1)又は(4)において、前記基本帯域の数をK(Kは2以上の自然数)、送信アンテナの数をM(Mは2以上の自然数)とすると、K個の出力ポートを有し、各出力ポートは各基本帯域に対応し、前記誤り訂正符号化ブロックに含まれるマッピングデータを前記K個の出力ポートに振り分ける直並列(S/P:Serial to Parallel)変換部を更に有し、前記基本帯域毎に前記MIMO符号化部を有し、前記基本帯域毎の前記MIMO符号化部はM個の出力ポートを有し、各出力ポートは各送信アンテナに対応し、前記直並列変換部の出力データに対してMIMO符号化を行うとしてもよい。
送信装置(7)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、直並列変換部が誤り訂正符号化ブロックに含まれるマッピングデータを全基本帯域に対応する出力ポートに振り分けることにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(8)は、送信装置(1)又は(4)において、前記基本帯域の数をK(Kは2以上の自然数)、送信アンテナの数をM(Mは2以上の自然数)とすると、K個の出力ポートを有し、各出力ポートは各基本帯域に対応し、前記誤り訂正符号化フレームに含まれるデータを前記K個の出力ポートに振り分ける直並列(S/P:Serial to Parallel)変換部を更に有し、前記基本帯域毎に前記マッピング部と前記MIMO符号化部と、を有し、前記基本帯域毎の前記マッピング部は、前記直並列変換部の出力データに対して所定数のビットずつシンボルにマッピングし、前記基本帯域毎の前記MIMO符号化部はM個の出力ポートを有し、各出力ポートは各送信アンテナに対応し、前記基本帯域毎のマッピング部の出力データに対してMIMO符号化を行うとしてもよい。
送信装置(8)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、直並列変換部が誤り訂正符号化フレームに含まれるデータを全基本帯域に対応する出力ポートに振り分けることにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(9)は、送信装置(7)又は(8)において、前記基本帯域毎のMIMO符号化部は、M行M列のプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行うとしてもよい。
送信装置(9)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、直並列変換部が誤り訂正符号化ブロックに含まれるマッピングデータまたは誤り訂正符号化フレームに含まれるデータを全基本帯域に対応する出力ポートに振り分け、MIMO符号化部がプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(10)は、送信装置(1)又は(4)において、前記基本帯域の数をK(Kは2以上の自然数)、送信アンテナの数をM(Mは2以上の自然数)とすると、K個の出力ポートを有し、各出力ポートは各基本帯域に対応し、前記所定長のデータブロック毎に前記K個の出力ポートに振り分ける直並列(S/P:Serial to Parallel)変換部を更に有し、前記基本帯域毎に前記誤り訂正符号化部と前記マッピング部と前記MIMO符号化部と、を有し、前記基本帯域毎の前記誤り訂正符号化部は、前記直並列変換部の出力データに対して誤り訂正符号化して誤り訂正符号化フレームを生成し、前記基本帯域毎の前記誤り訂正符号化部の出力データ、前記マッピング部の出力データ、および前記MIMO符号化部の出力データの内の何れかに対して、所定数の単位ずつ基本帯域間で入替を行う基本帯域間入替部、を更に有する、としてもよい。
送信装置(10)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、直並列変換部が所定長のデータブロック毎に全基本帯域に対応する出力ポートに振り分け、基本帯域毎の前記誤り訂正符号化部の出力データ、前記マッピング部の出力データ、および前記MIMO符号化部の出力データの内の何れかに対して、所定数の単位ずつ基本帯域間で入替を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(11)は、送信装置(1)又は(4)において、前記基本帯域の数をK(Kは2以上の自然数)、送信アンテナの数をM(Mは2以上の自然数)とすると、K個の出力ポートを有し、各出力ポートは各基本帯域に対応し、前記所定長のデータブロック毎に前記K個の出力ポートに振り分ける直並列(S/P:Serial to Parallel)変換部を更に有し、前記基本帯域毎に前記誤り訂正符号化部と前記マッピング部と前記MIMO符号化部と、を有し、前記基本帯域毎の前記誤り訂正符号化部は、前記直並列変換部の出力データに対して誤り訂正符号化して誤り訂正符号化フレームを生成し、前記基本帯域毎の前記MIMO符号化部に設けられるM個の出力ポートそれぞれから出力されるデータに対して並べ替えを行うM個のインターリーブ部と、前記基本帯域毎の前記誤り訂正符号化部の出力データ、前記マッピング部の出力データ、前記MIMO符号化部の出力データ、および前記インターリーブ部の出力データの内の何れかに対して、所定数の単位ずつ基本帯域間で入替を行う基本帯域間入替部と、を更に有する、としてもよい。
送信装置(11)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、直並列変換部が所定長のデータブロック毎に全基本帯域に対応する出力ポートに振り分け、基本帯域毎にインターリーブ部がMIMO符号化部の出力データに対して並べ替えを行い、基本帯域毎の前記誤り訂正符号化部の出力データ、前記マッピング部の出力データ、前記MIMO符号化部の出力データ、および前記インターリーブ部の出力データの内の何れかに対して、所定数の単位ずつ基本帯域間で入替を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(12)は、送信装置(10)又は(11)において、前記基本帯域毎の前記MIMO符号化部は、M行M列のプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行うとしてもよい。
送信装置(12)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、直並列変換部が所定長のデータブロック毎に全基本帯域に対応する出力ポートに振り分け、基本帯域毎のデータを所定数の単位ずつ基本帯域間で入替を行い、MIMO符号化部がプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(13)は、送信装置(1)又は(4)において、前記MIMO符号化部は、前記基本帯域毎に少なくとも1つのアンテナから送信される信号の位相を規則的に変更する位相変更部を備えるとしてもよい。
送信装置(13)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、MIMO符号化部が基本帯域毎に少なくとも1つのアンテナから送信される信号の位相を規則的に変更し、誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、複数の基本帯域の内2以上の基本帯域に振り分けて送信を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果に加えて、直接波が支配的なLOS(Line Of Sight)環境におけるデータの受信品質向上効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(14)は、送信装置(7)又は(8)又は(10)において、前記MIMO符号化部において、前記基本帯域毎に異なるMIMO符号化を行う、前記MIMO符号化部において、前記基本帯域毎に異なるM行M列のプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行う、前記MIMO符号化部において、前記基本帯域毎に信号の位相を規則的に変更し、前記位相変更を前記基本帯域毎に異ならせる、前記マッピング部において、前記基本帯域毎に異なるパターンのマッピングを行う、前記誤り訂正符号化部において、前記基本帯域毎に異なるパターンの誤り訂正符号化を行う、ことの内少なくとも1つを行う、としてもよい。
送信装置(14)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果に加えて、基本帯域間の伝送路特性に関する相関性低減による受信品質向上効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(15)は、送信装置(11)において、前記インターリーブ部において、前記基本帯域毎に異なるパターンの並び替えを行う、前記MIMO符号化部において、前記基本帯域毎に異なるMIMO符号化を行う、前記MIMO符号化部において、前記基本帯域毎に異なるM行M列のプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行う、前記MIMO符号化部において、前記基本帯域毎に信号の位相を規則的に変更し、前記位相変更を前記基本帯域毎に異ならせる、前記マッピング部において、前記基本帯域毎に異なるパターンのマッピングを行う、前記誤り訂正符号化部において、前記基本帯域毎に異なるパターンの誤り訂正符号化を行う、ことの内少なくとも1つを行う、としてもよい。
送信装置(15)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果に加えて、基本帯域間の伝送路特性に関する相関性低減による受信品質向上効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(16)は、送信装置(11)において、前記インターリーブ部は、前記基本帯域毎に異なるパターンの並べ替えを行い、且つ前記基本帯域内のM個のインターリーブ部が同じパターンの並べ替えを行うとしてもよい。
送信装置(16)によれば、インターリーブ部が基本帯域毎に異なるパターンの並べ替えを行いかつ基本帯域内の送信アンテナ毎に同じパターンの並べ替えを行うことにより、MIMOデマッピングにおける演算量を増加させることなく、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果に加えて、基本帯域間の伝送路特性に関する相関性低減による受信品質向上効果を発揮する送信装置を提供することができる。
受信装置(17)は、複数の基本帯域を用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送により、誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、前記複数の基本帯域の内の2以上の基本帯域に振り分けて送信された信号を受信する受信装置であって、前記基本帯域毎に復調を行う復調部と、復調されたデータに対してMIMOデマッピングを行うMIMOデマッピング部と、MIMOデマッピングの出力に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号化部と、を有することを特徴とする。
受信装置(17)又は後述する受信方法(19)によれば、復調部(復調ステップ)が基本帯域毎に復調を行い、MIMOデマッピング部(MIMOデマッピングステップ)が復調されたデータに対してMIMOデマッピングを行い、誤り訂正復号化部(誤り訂正復号ステップ)がMIMOデマッピングの出力に対して誤り訂正復号を行うことにより、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送により送信された信号を受信する受信装置(受信方法)を提供することができる。
送信方法(18)は、複数の基本帯域を用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送を行う送信方法であって、所定長のデータブロック毎に、誤り訂正符号化して誤り訂正符号化フレームを生成する誤り訂正符号化ステップと、前記誤り訂正符号化フレームを所定数のビットずつシンボルにマッピングして誤り訂正符号化ブロックを生成するマッピングステップと、前記誤り訂正符号化ブロックに対してMIMO符号化を行うMIMO符号化ステップと、を含み、前記誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、前記複数の基本帯域の内の2以上の基本帯域に振り分けて送信を行うことを特徴とする。
送信方法(18)によれば、複数の基本帯域を用いたMIMO伝送において、誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、複数の基本帯域の内2以上の基本帯域に振り分けて送信を行うことにより、複数の基本帯域に関する周波数ダイバーシティ効果を発揮する送信方法を提供することができる。
受信方法(19)は、複数の基本帯域を用いたMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送により、誤り訂正符号化ブロック中に含まれるデータの成分を、前記複数の基本帯域の内の2以上の基本帯域に振り分けて送信された信号を受信する受信方法であって、前記基本帯域毎に復調を行う復調ステップと、復調されたデータに対してMIMOデマッピングを行うMIMOデマッピングステップと、MIMOデマッピングの出力に対して誤り訂正復号を行う誤り訂正復号化ステップと、を含むことを特徴とする。
送信装置(20)は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)での通信を実行する機能を有する送信装置であって、送信データに対して誤り訂正符号化する誤り訂正符号化部と、前記誤り訂正符号化されたデータを所定数のビットずつ変調シンボルにマッピングしてマッピングデータを生成するマッピング部と、前記マッピングデータに対してMIMO符号化を行うMIMO符号化部と、伝送パラメータを含んだ制御情報を生成する制御情報生成部と、前記MIMO符号化部から出力されるMIMO符号化データと、前記制御情報を、同一OFDMシンボル内に混在させて送信フレームを構成するフレーム構成部と、前記送信フレームに対して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を適用するOFDM信号生成部と、を有し、前記制御情報に対してはMIMO符号化を行わず、複数の送信アンテナから同一内容として送信を行うか、または1つの送信アンテナからのみ送信を行うことを特徴とする。
送信装置(20)によれば、MIMO符号化データと伝送パラメータを含んだ制御情報を同一OFDMシンボル内に混在させて送信フレームを構成し、制御情報に対してはMIMO符号化を行わず、複数の送信アンテナから同一内容として送信を行うか、または1つの送信アンテナからのみ送信を行うことにより、SISO方式の受信機に悪影響を与えずにMIMO伝送技術を用いた新方式の導入を可能とする送信装置を提供することができる。
送信装置(21)は、送信装置(20)において、前記MIMOに用いる送信アンテナの数をM(Mは2以上の自然数)とすると、前記MIMO符号化部はM個の出力ポートを有し、各出力ポートは各送信アンテナに対応し、前記M個の出力ポートからのデータそれぞれに対して並べ替えを行うM個のインターリーブ部を更に有するとしてもよい。
送信装置(21)によれば、MIMO符号化部の各出力ポートが各送信アンテナに対応し、出力ポートからのデータそれぞれに対してインターリーブ部を設けることにより、SISO方式の受信機に悪影響を与えずにMIMO伝送技術を用いた新方式の導入を可能とする送信装置を提供することができる。
送信装置(22)は、送信装置(21)において、前記M個のインターリーブ部が同じパターンの並べ替えを行うとしてもよい。
送信装置(22)によれば、MIMO符号化部の各出力ポートが各送信アンテナに対応し、出力ポートからのデータそれぞれに対して同じパターンの並べ替えを行うインターリーブ部を設けることにより、SISO方式と親和性の高いインターリーブを用いて、SISO方式の受信機に悪影響を与えずにMIMO伝送技術を用いた新方式の導入を可能とする送信装置を提供することができる。
送信装置(23)は、送信装置(20)において、前記MIMOに用いる送信アンテナ数を2とし、前記各送信アンテナの偏波極性が異なるとしてもよい。
送信装置(23)によれば、MIMOに用いる送信アンテナ数を2とし、各送信アンテナの偏波極性が異なることにより、MIMO伝送技術を用いた新方式において、偏波ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(24)は、送信装置(20)において、前記マッピングデータに含まれるデータの成分を、全ての送信アンテナに振り分けて送信を行うとしてもよい。
送信装置(24)によれば、マッピングデータに含まれるデータの成分を、全ての送信アンテナに振り分けて送信を行うことにより、MIMO伝送技術を用いた新方式において、空間(アンテナ)ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(25)は、送信装置(20)又は(24)において、送信アンテナの数をM(Mは2以上の自然数)とすると、前記MIMO符号化部はM個の出力ポートを有し、各出力ポートは各送信アンテナに対応し、前記マッピングデータに含まれる各データの成分を前記M個の全ての出力ポートに出力するとしてもよい。
送信装置(25)によれば、MIMO符号化部がマッピングデータに含まれる各データの成分を、全送信アンテナに対応する出力ポートに出力することにより、MIMO伝送技術を用いた新方式において、空間(アンテナ)ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(26)は、送信装置(25)において、前記MIMO符号化部は、M行M列のプリコーディング行列を用いてMIMO符号化を行うとしてもよい。
送信装置(26)によれば、MIMO符号化部がプリコーディング行列を用いて、マッピングデータに含まれる各データの成分を全送信アンテナに対応する出力ポートに出力することにより、MIMO伝送技術を用いた新方式において、空間(アンテナ)ダイバーシティ効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(27)は、送信装置(20)又は(24)において、前記MIMO符号化部は、少なくとも1つのアンテナから送信される信号の位相を規則的に変更する位相変更部を備えるとしてもよい。
送信装置(27)によれば、MIMO符号化部が少なくとも1つのアンテナから送信される信号の位相を規則的に変更し、マッピングデータに含まれるデータの成分を、全ての送信アンテナに振り分けて送信を行うことにより、MIMO伝送技術を用いた新方式において、空間(アンテナ)ダイバーシティ効果に加えて、直接波が支配的なLOS環境におけるデータの受信品質向上効果を発揮する送信装置を提供することができる。
送信装置(28)は、送信装置(20)において、送信データをL個(Lは2以上の自然数)の階層に分割する階層分割部を更に有し、前記階層毎に前記MIMO符号化部を有し、送信帯域をQ個(Qは2以上の自然数)のセグメントに分割し、前記各階層の前記MIMO符号化データをいずれかのセグメントに割り当てるセグメント分割部を更に有し、前記フレーム構成部は、前記セグメント分割部から出力されるデータと、前記制御情報を、同一セグメント内に混在させて送信フレームを構成するとしてもよい。
送信装置(28)によれば、階層化、セグメント化し、MIMO符号化データと制御情報を同一セグメント内に混在させて送信フレームを構成することにより、階層化及びセグメント化に対応したSISO方式の受信機に悪影響を与えずにMIMO伝送技術を用いた新方式の導入を可能とする送信装置を提供することができる。
送信装置(29)は、送信装置(20)において、SISO(Single Input Single Output)での通信を実行する機能を更に有し、送信データをL個(Lは2以上の自然数)の階層に分割する階層分割部を更に有し、前記階層毎に前記マッピングデータに対してMIMOまたはSISO符号化を行うMIMO/SISO符号化部を有し、送信帯域をQ個(Qは2以上の自然数)のセグメントに分割し、前記各階層の前記MIMOまたはSISO符号化データを異なるセグメントに割り当てるセグメント分割部を更に有し、前記フレーム構成部は、前記セグメント分割部から出力されるデータと、前記制御情報を、同一セグメント内に混在させて送信フレームを構成するとしてもよい。
送信装置(29)によれば、階層毎にMIMOまたはSISO符号化を行い、セグメント分割部が各階層のMIMOまたはSISO符号化データを異なるセグメントに割り当て、フレーム構成部がセグメント分割部から出力されるデータと制御情報を同一セグメント内に混在させて送信フレームを構成することにより、SISO方式とMIMO伝送技術を用いた新方式を混在可能とし、新方式の導入を容易にする送信装置を提供することができる。
送信装置(30)は、送信装置(29)において、前記階層分割部は、送信データの基本情報と拡張情報を別の階層に分割し、前記基本情報が割り当てられた階層のMIMO/SISO符号化部は、SISO符号化を行い、前記拡張情報が割り当てられた階層のMIMO/SISO符号化部は、MIMO符号化を行い、前記基本情報は単独で復号可能な情報であり、前記拡張情報は前記基本情報と組み合わせて復号可能な情報であるとしてもよい。
送信装置(30)によれば、送信データの基本情報の階層に対してSISO符号化を行い、送信データの拡張情報の階層に対してMIMO符号化を行うことにより、SISO方式の受信機は基本情報の階層は受信可能であり、MIMO伝送技術を用いた新方式にも対応した受信機は基本情報と拡張情報の階層を受信可能である送信装置を提供することができる。
送信装置(31)は、送信装置(29)において、前記制御情報生成部は、階層毎にMIMOまたはSISOを示す制御情報を生成するとしてもよい。
送信装置(31)によれば、階層毎にMIMOまたはSISOを示す制御情報を生成することにより、SISO方式とMIMO伝送技術を用いた新方式を混在可能とし、新方式の導入を容易にする送信装置を提供することができる。
送信装置(32)は、送信装置(29)において、前記MIMO符号化データが割り当てられたセグメントと、前記SISO符号化データが割り当てられたセグメントとに対して適用するパイロット信号パターンを異ならせて生成するパイロット信号生成部を更に有するとしてもよい。
送信装置(32)によれば、MIMO符号化データが割り当てられたセグメントとSISO符号化データが割り当てられたセグメントとに対して適用するパイロット信号パターンを異ならせて生成することにより、SISO方式とMIMO伝送技術を用いた新方式を混在可能とし、新方式の導入を容易にする送信装置を提供することができる。
送信装置(33)は、送信装置(32)において、前記パイロット信号生成部は、前記MIMO符号化データが割り当てられたセグメントの最も周波数が低いサブキャリアに対して、1つの送信アンテナのみにCP(Continual Pilot)信号を配置し、残り全ての送信アンテナにヌル信号を配置するとしてもよい。
送信装置(33)によれば、MIMO符号化データが割り当てられたセグメントの最も周波数が低いサブキャリアに対して、1つの送信アンテナのみにCP信号を配置し、残り全ての送信アンテナにヌル信号を配置することにより、SISO方式とMIMO伝送技術を用いた新方式を混在可能とし、新方式の導入を容易にする送信装置を提供することができる。
送信装置(34)は、送信装置(28)又は(29)において、前記送信データの少なくとも一部を、他の階層とは異なる誤り訂正符号化を行う階層に割り当て、タイミング情報を生成して、割り当てたデータとともに出力する異訂正符号化階層割当部を更に有し、前記誤り訂正符号化部は前記異訂正符号化階層割当部の出力データを集めるとともに、前記タイミング情報をヘッダに格納して情報ビットとし、誤り訂正符号化するとしてもよい。
送信装置(34)によれば、階層化、セグメント化し、異訂正符号化階層割当部が少なくとも送信データの一部を他の階層とは異なる誤り訂正符号化を行う階層に割り当て、タイミング情報を生成して、割り当てたデータとともに出力することにより、SISO伝送とは異なる誤り訂正符号化方式を用いたMIMO及び/またはMISO伝送技術を用いた新方式の導入を可能とする送信装置を提供することができる。
送信装置(35)は、送信装置(28)又は(29)において、前記フレーム構成部は、前記制御情報のサブキャリア配置パターンが全てのセグメントで同一とするとしてもよい。
送信装置(35)によれば、制御情報のサブキャリア配置パターンが全てのセグメントで同一とすることにより、階層化及びセグメント化に対応したSISO方式の受信機に悪影響を与えずにMIMO及び/またはMISOを用いた新方式の導入を可能とする送信装置を提供することができる。
受信装置(36)は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)での通信を実行する機能を有する受信装置であって、MIMO符号化データと伝送パラメータを含んだ制御情報が同一OFDMシンボル内に混在する送信フレームを受信する受信部と、前記制御情報を復号し、伝送パラメータを取得する制御情報復号部と、前記伝送パラメータに基づき、MIMO符号化データを復調する送信データ復調部と、を有し、前記制御情報に対してはMIMO符号化が行われず、複数の送信アンテナから同一内容として送信が行われるか、または1つの送信アンテナからのみ送信が行われることを特徴とする。
受信装置(36)又は後述する受信方法(38)によれば、制御情報復号部(制御情報復調ステップ)が制御情報を復号して伝送パラメータを取得し、送信データ復調部(送信データ復調ステップ)が伝送パラメータに基づきMIMO符号化データを復調することにより、MIMO符号化データと伝送パラメータを含んだ制御情報を同一OFDMシンボル内に混在させるMIMO伝送により送信された信号を受信する受信装置(受信方法)を提供することができる。
送信方法(37)は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)での通信を実行する機能を有する送信装置における送信方法であって、送信データに対して誤り訂正符号化する誤り訂正符号化ステップと、前記誤り訂正符号化されたデータを所定数のビットずつ変調シンボルにマッピングしてマッピングデータを生成するマッピングステップと、前記マッピングデータに対してMIMO符号化を行うMIMO符号化ステップと、伝送パラメータを含んだ制御情報を生成する制御情報生成ステップと、前記MIMO符号化ステップで生成されたMIMO符号化データと、前記制御情報を、同一OFDMシンボル内に混在させて送信フレームを構成するフレーム構成ステップと、前記送信フレームに対して、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を適用するOFDM信号生成ステップと、を含み、前記制御情報に対してはMIMO符号化を行わず、複数の送信アンテナから同一内容として送信を行うか、または1つの送信アンテナからのみ送信を行うことを特徴とする。
送信方法(37)によれば、MIMO符号化データと伝送パラメータを含んだ制御情報を同一OFDMシンボル内に混在させて送信フレームを構成し、制御情報に対してはMIMO符号化を行わず、複数の送信アンテナから同一内容として送信を行うか、または1つの送信アンテナからのみ送信を行うことにより、SISO方式の受信機に悪影響を与えずにMIMO伝送技術を用いた新方式の導入を可能とする送信方法を提供することができる。
受信方法(38)は、MIMO(Multiple Input Multiple Output)での通信を実行する機能を有する受信装置における受信方法であって、MIMO符号化データと前記制御情報が同一OFDMシンボル内に混在する送信フレームを受信する受信ステップと、前記制御情報を復号し、伝送パラメータを取得する制御情報復号ステップと、前記伝送パラメータに基づき、MIMO符号化データを復調する送信データ復調ステップと、を含み、前記制御情報に対してはMIMO符号化が行われず、複数の送信アンテナから同一内容として送信が行われるか、または1つの送信アンテナからのみ送信が行われることを特徴とする。