以下、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る送信装置の変調器の構成例を示すブロック図である。図1の送信装置100の変調器のブロック図は、データ入力インターフェースからIF信号出力までを示している。本発明の送信装置は、階層ごとにMIMO方式とMISO方式を切り替え可能となっており、両方の伝送方式のデータが多重されたOFDM変調信号の送信が可能となっている。
送信装置100の変調器は、入力I/F(interface:インターフェース)10と、ビットIL(Interleave)部11と、フレームヘッダ生成部12と、マッピング部13と、レベル調整部14と、系統分離部15と、階層合成部16と、帯域分割部17と、時間IL部18と、周波数IL部19と、帯域合成部20と、MISO符号化部21と、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報ビット生成部22と、同期ビット生成部23と、TMCC生成部24と、パイロット生成部25と、OFDMフレーム構成部26と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部27と、GI(Guard interval)付加部28と、直交変調部29と、DAC(digital to analog converter)部30とを含む。変調器の出力であるIF(Intermediate Frequency)信号出力1とIF信号出力2は、所定の変調処理を行った後、それぞれ異なる送信系統(アンテナ)から出力される。
入力I/F(interface:インターフェース)10は、伝送すべきデータが入力されるインターフェースであって、画像信号となるデータや、伝送方式に関する制御データ等の各種データが入力される。例えば、画像信号となるデータは、必要に応じて、A階層、B階層、C階層の3階層に分けて、それぞれの階層の処理系統に出力される。また、制御データは、例えば、TMCC情報やLchデータとして出力される。
ビットIL(Interleave:インターリーブ)部11(11a,11b,11c)は、A階層、B階層、C階層それぞれのデータ列をビット単位でインターリーブを行う。ビット単位のインターリーブとしては、例えば、ビット列を所定の単位でブロック化し、各ブロック内のビット順を変えるビットローテーション等がある。ビット単位インターリーブを行ったデータ列は、マッピング部13に出力される。
フレームヘッダ生成部12は、各データ列のフレームヘッダ情報とFEC(forward error correction)ポインタ等に基づいて、各階層データのフレームヘッダを生成し、各データ列に挿入する。フレームヘッダが挿入されたデータ列は、マッピング部13に送られる。
マッピング部13(13a,13b,13c)は、各階層データの変調方式に基づいて、データを所定のビット数ごとにI-Q平面にマッピングし、キャリヤ変調を行う。すなわち、データをキャリアシンボルに変換する。生成されたキャリアシンボルはレベル調整部14に出力される。
レベル調整部14(14a,14b,14c)は、階層毎にキャリアシンボルのレベル調整を行う。調整されたキャリアシンボルは、系統分離部15に出力される。
系統分離部15(15a,15b,15c)は、デマルチプレクサであり、入力されたキャリアシンボルを複数の系統(ここでは2系統)に分離する。この系統分離部15は、当該階層の伝送方式が、空間分割多重MIMO伝送方式であるときにのみ動作する。分離された各階層のキャリアシンボルは、一方が第1の系統(以下、単に「1系」という。)の階層合成部161に、他方が第2の系統(以下、単に「2系」という。)の階層合成部162に、出力される。当該階層の伝送方式がMISO方式のときは、系統分離部15は全てのキャリアシンボルを1系の階層合成部161に出力する。なお、MIMO伝送方式を3系統以上の送信系統で行う場合は、送信系統数に対応して、データを分離する。
階層合成部16(161,162)は、系統分離部15a,15b,15cから、それぞれ入力されたA階層、B階層、C階層のキャリアシンボルを階層合成する。階層合成されたキャリアシンボルは、それぞれの系統毎に、帯域分割部17に出力される。
帯域分割部17(171,172)は、階層合成されたキャリアシンボルを各帯域に分割する。例えば、C階層データの一部を、必要に応じて、調整帯域に分割する。帯域分割されたキャリアシンボルは、時間IL部18に出力される。
時間IL(インターリーブ)部18(181,182)は、帯域分割されたキャリアシンボルに対して、時間方向(すなわち、各キャリアにおいてシンボルの並び順方向)のインターリーブを行う。時間インターリーブしたキャリアシンボルは、周波数IL部19に出力される。
周波数IL(インターリーブ)部19(191,192)は、キャリア周波数方向のインターリーブを行う。なお、この周波数インターリーブ部19(191,192)の構成の詳細は後述する。周波数インターリーブしたキャリアシンボルは、帯域合成部20に出力される。
帯域合成部20(201,202)は、周波数インターリーブした部分受信帯域、非部分受信帯域、及び、調整帯域のキャリアシンボルを合成し、データセグメントを構成する。空間分割多重MIMO方式が採用されるときは、1系の帯域合成部201からは1系キャリアシンボルx1が出力され、2系の帯域合成部202からは1系と異なる2系キャリアシンボルx2が出力される。
MISO符号化部21は、1系キャリアシンボルx1のデータに対して時空間符号化(STBC符号化又はSFBC符号化)を行い、2系キャリアシンボルx2を生成する。なお、STBC符号化(以下、単に「STBC」ということがある。)では、時間方向に2つのデータシンボルを組みとして、データキャリアシンボルの複素共役・符号反転を行う。また、SFBC符号化(以下、単に「SFBC」ということがある。)では、周波数方向に2つのデータシンボルを組みとして、データキャリアシンボルの複素共役・符号反転を行う。
各階層又は各セグメントの伝送方式に基づいて、スイッチ(選択部)でデータを選択し、2系キャリアシンボルx2とする。MIMO方式の場合は、2系の帯域合成部202からの出力が2系キャリアシンボルx2として出力され、また、MISO方式の場合は、MISO符号化部21からの出力が2系キャリアシンボルx2として出力される。この切り替えは、系統分離部15の処理と連動する。これらのキャリアシンボルx1,x2は、OFDMフレーム構成部26に出力される。
TMCC情報ビット生成部22は、入力I/F10からTMCC情報(各種制御情報)を受けて、TMCCの情報ビットを生成し、TMCC生成部24に出力する。
同期ビット生成部23は、TMCCの一部となる同期ビットを生成し、TMCC生成部24に出力する。
TMCC生成部24は、TMCC情報ビット生成部22からのTMCC情報ビットと、同期ビット生成部23からの同期ビットと、FECポインタの情報とが入力され、TMCCを生成する。生成されたTMCCは、OFDMフレーム構成部26へ出力される。
パイロット生成部25は、OFDMフレームに組み込むパイロット信号(SP(Scattered Pilot)信号、CP(Continual Pilot)信号等)を生成する。生成されたパイロット信号は、OFDMフレーム構成部26に出力される。
OFDMフレーム構成部26(261,262)は、入力されたキャリアシンボル(データセグメント)に、TMCCと、パイロット信号と、Lch信号とを付加して、OFDMフレームを構成する。1系のOFDMフレーム構成部261は、1系キャリアシンボルx1に基づいて1系のOFDMフレームを生成し、2系のOFDMフレーム構成部262は、2系キャリアシンボルx2に基づいて2系のOFDMフレームを生成する。生成されたOFDMフレームは、それぞれIFFT部27に出力される。
IFFT部27(271,272)は、入力されたOFDMフレームをIFFT(逆高速フーリエ変換)処理して有効シンボル信号を生成する。生成された有効シンボル信号は、GI付加部28に出力される。
GI付加部28(281,282)は、IFFT部27から入力された有効シンボル信号の先頭に、有効シンボル信号の末尾の一部分をコピーした信号であるガードインターバルを付加する。なお、ガードインターバルは、マルチパス遅延波の遅延時間がガードインターバル長を超えないように設定される。ガードインターバルが付加された信号は、直交変調部29に出力される。なお、本発明では、OFDMフレーム構成部26と、IFFT部27と、GI付加部28を合わせて、「OFDM変調部」と呼ぶことがある。
直交変調部29(291,292)は、入力されたOFDMシンボル信号を直交変調し、DAC部30に出力する。
DAC部30(301,302)は、直交変調されたOFDMシンボル信号を、デジタル/アナログ変換処理し、IF信号出力とする。1系のDAC部301からはIF信号出力1が出力され、2系のDAC部302からはIF信号出力2が出力される。
IF信号出力1,2は、所定の変調処理を行った後、それぞれ異なるアンテナ(送信系統)から出力される。
このように、実施の形態1の送信装置100の変調器が構成される。本発明の送信装置100によれば、時空間符号化MISO方式と空間分割多重MIMO方式とを切り替えることができ、階層毎に、或いはセグメント毎に、伝送方式を設定することができる。
図2は、変調器の周波数インターリーブ部19の構成例を示すブロック図であり、図1の変調器の一つの系統の帯域分割部17から帯域合成部20までを示している。なお、各ブロックの内部構成は一例にすぎない。
帯域分割部17は、階層合成部16からの入力を階層分離部で一度A,B,Cの各階層に分離し、このうち最下位階層であるC階層のデータを帯域分離部に入力し、その一部を調整帯域のデータとして分離する。なお、調整帯域とは、互換モードのセグメント構造(図14(c))において、33セグメントの外側の周波数帯域に設定される帯域である。各階層の信号は時間インターリーブ部18に入力される。
時間インターリーブ部18は、各階層及び調整帯域の信号(キャリアシンボル)に対し、それぞれ時間IL部18a~18dにおいて、時間方向(すなわち、各キャリアにおいてシンボルの並び順方向)のインターリーブを行う。時間インターリーブを行ったA,B,C階層のデータを階層内セグメント間インターリーブ部31に出力する。時間インターリーブを行った調整帯域のデータは、周波数インターリーブを行うことなく帯域合成部20に出力される。
図1の周波数インターリーブ部19は、階層内セグメント間インターリーブ部31と、部分受信帯域分離部32と、階層間IL(インターリーブ)部33,34と、セグメント内IL(インターリーブ)部35,36と、を備えている。
階層内セグメント間インターリーブ部31は、それぞれの階層の周波数インターリーブを行うセグ間IL(インターリーブ)部31a,31b,31cからなり、各セグ間IL部は、それぞれの階層データを構成する全てのセグメントにおいて(全てのセグメントをまたいで)キャリア単位で周波数インターリーブを施すように構成されている。セグメント間周波数インターリーブが行われた各階層データは、部分受信帯域分離部32に出力される。
部分受信帯域分離部32は、各階層データから、部分受信帯域データと非部分受信帯域データを生成する。例えば、全体33セグメントのうち9セグメントを部分受信帯域とするとき、9個のセグメントにまずA階層データを割り当てた後、空きがある場合は、B階層データを割り当てることによって部分受信帯域データを生成し、他の24セグメントの非部分受信帯域には、残りのB階層データ及びC階層データを割り当てることによって、非部分受信帯域データを生成する。部分受信帯域データは、階層間IL(インターリーブ)部33に出力され、非部分受信帯域データは、階層間IL(インターリーブ)部34に出力される。
階層間IL(インターリーブ)部33は、A階層データとB階層データの伝送方式やSP(Scattered Pilot)配置により、部分受信帯域データを構成するセグメント単位で周波数インターリーブを施すか、或いは、部分受信帯域データを構成する全てのセグメントをまたいでデータキャリア単位で周波数インターリーブを施す。階層間インターリーブ部33の処理の詳細については後述する。インターリーブされた部分受信帯域データは、セグ内IL部35に出力される。
階層間IL(インターリーブ)部34は、非部分受信帯域データを構成する全てのセグメントをまたいでデータキャリア単位で周波数インターリーブを施す。インターリーブされた非部分受信帯域データは、セグ内IL部36に出力される。
セグ内IL(セグメント内インターリーブ)部35は、階層間IL(インターリーブ)部33で周波数インターリーブされた部分受信帯域データに対して、各セグメント内で周波数インターリーブを行う。このセグメント内インターリーブとしては、例えば、キャリアローテーションやキャリアランダマイズが施される。セグメント内インターリーブされたデータは帯域合成部20に出力される。
セグ内IL(セグメント内インターリーブ)部36は、階層間IL(インターリーブ)部34で周波数インターリーブされた非部分受信帯域データに対して、各セグメント内で周波数インターリーブを行う。このセグメント内インターリーブとしては、例えば、キャリアローテーションやキャリアランダマイズが施される。セグメント内インターリーブされたデータは帯域合成部20に出力される。
この後、帯域合成部20は、周波数インターリーブした部分受信帯域、非部分受信帯域、及び、調整帯域のキャリアシンボルを合成し、データセグメントを再構成し、1つの系統のキャリアシンボルとして出力する。
部分受信帯域データの階層間インターリーブについて、補足的に説明する。図3は、階層間IL(インターリーブ)部33の構成例を示すブロック図であり、内部には、階層間セグメント単位インターリーブ部331と、階層間キャリア単位インターリーブ部332と、そのいずれかを選択する切り替え部がある。例えば、部分受信帯域データを構成するA階層データとB階層データのSP配置が異なっているとき、階層間セグメント単位インターリーブ部331が選択され、A階層データとB階層データの伝送方式もSP配置も一致しているときは、階層間キャリア単位インターリーブ部332が選択される。
図4は、セグメント単位インターリーブとキャリア単位インターリーブとを説明する図である。ここでは、部分受信帯域データが、A階層の5個のセグメント0~4と、B階層の4個のセグメント5~8より構成されている場合を例とする。
図4(a)は、A階層データとB階層データのSP配置が異なっている(すなわち、セグメント当たりのデータキャリア数が異なっている)例であり、階層間セグメント単位インターリーブ部331が選択されて、セグメントを単位としたインターリーブが行われる。セグメントの配列は変更されるが、各セグメント内のキャリア配列は変わらない。
図4(b)は、A階層データとB階層データの伝送方式とSP配置(すなわち、セグメント当たりのデータキャリア数)が同じ例であり、階層間キャリア単位インターリーブ部332が選択されて、データキャリアを単位としたインターリーブが行われる。部分受信帯域内の9個のセグメント全体でデータキャリア配列が変更されるため、各セグメントの内容も変わることとなる。
図5は、伝送方式の組み合わせと階層間インターリーブの関係を示す図であり、どのような条件のときに、セグメント単位インターリーブとキャリア単位インターリーブが選択されるかを説明する図である。
SP配置の同/異は、各セグメントに含まれるデータキャリア数が同じか否かを意味する。なぜなら、セグメントを構成する総キャリア数は、全てのセグメントで同じであって(例えば、FFTサイズ16384で、キャリア総数432)、総キャリア数は、データキャリアとTMCCとパイロット信号(SP信号)とLch信号からなり、TMCCとLchは各セグメントで同じであるから、パイロット信号(SP信号)が幾つ入るかにより、データキャリア数が定まる。SP配置が同じであれば、データキャリア数が同じであるから、原則的にキャリア単位のインターリーブが可能である。
SISO/MIMOフラグとは、TMCCに含まれる情報の1つであり、各階層の伝送方式を識別するフラグである。X階層とY階層は、A階層とB階層の組み合わせを示しており、一方がA階層のとき他方がB階層を示す。X階層がA階層であっても、B階層であっても良い。なお、STBCとSFBCは、同じ時空間符号化MISO方式であるが、2系の信号を生成する際のデータキャリアシンボルの組み方が異なるため、同時に混在させるのは好ましくない。(STBCとSFBCの組み合わせは除かれている。)
図5から明らかなように、2つの階層の伝送方式において、SP配置が異なるとき(セグメント当たりのデータキャリア数が異なるとき)、階層間インターリーブはセグメント単位で行う。また、2つの階層の伝送方式において、SP配置が同じとき(セグメント当たりのデータキャリア数が同じとき)は、原則的にはキャリア単位で階層間インターリーブを行うが、伝送方式がSFBCとSDMの組み合わせの場合は、例外的にセグメント単位で階層間インターリーブを行う。これにより、1つのセグメント内でSFBCキャリアとSDMキャリアが混在しないようにする。これは、SFBCのペアリングを最大限に行うためである。(SDMとSFBCをキャリア単位でインターリーブをすると、SFBCのキャリアがSDMのキャリアと隣接する場合が増加し、十分にキャリアのペアが組めないため。)
したがって、SISO/MIMOフラグが、一方がSFBCで他方がSDMであった場合は、SP配置が同一であっても、図3の階層間インターリーブの際は、階層間セグメント単位インターリーブ部331が選択され、図4(a)のように、セグメント単位のインターリーブが行われる。
また、SISO/MIMOフラグが、それ以外の伝送方式の組み合わせであるとき(例えば、一方がSTBCで他方がSDMであった場合)は、SP配置が同一であるか否か(それぞれのセグメントのデータキャリア数が同じであるか否か)により、図3の階層間インターリーブの際、階層間キャリア単位インターリーブ部332が選択され、図4(b)のように、キャリア単位のインターリーブが行われるか、又は、階層間セグメント単位インターリーブ部331が選択され、図4(a)のように、セグメント単位のインターリーブが行われるかが、分けられる。
このように、階層毎に伝送方式を選択することができ、条件に応じて周波数インターリーブの方法を変えることができる。すなわち、異なる受信環境を想定した階層毎に伝送方式を使い分けることができ、例えば、A階層として雑音耐性の高い時空間符号化MISO伝送方式を用いることや、B階層として伝送レートの高い空間分割多重MIMO伝送方式を用いることができる。
また、後述のSFBCにおけるキャリアのペアリングの例で説明するが、上述の階層間インターリーブを採用することにより、SFBCのペアリングできるキャリア数の増大と、周波数インターリーブを効果的に行うこととのバランスをとることができ、両者の効果を共に高めることができる。
(実施の形態2)
図6は本発明の実施の形態2に係る受信装置の復調器の構成例を示すブロック図である。図6の受信装置200の復調器のブロック図は、IF信号入力から、各階層データの出力までを示している。本発明の受信装置は、MIMO方式にもMISO方式にも対応可能となっており、両方の伝送方式のデータが多重されたOFDM変調信号の受信に対応が可能となっている。
受信装置200の復調器は、ADC(analog to digital converter)部41と、直交復調部42と、GI除去部43と、FFT(Fast Fourier Transform)部44と、等化・復号部45と、帯域分離部46と、周波数デインターリーブ部47と、時間デインターリーブ部48と、帯域合成部49と、階層分離部50と、系統合成部51と、レベル調整部52と、デマッピング部53と、ビットデインターリーブ部54とを含む。出力された各階層データは、その後誤り訂正等の所定の処理を行った後、例えば、画像データとして復号される。MIMO方式のときは、2つのアンテナからIF信号入力1:y1と、IF信号入力2:y2が入力され、MISO方式のときは、原則として1つのアンテナからIF信号入力1:y1のみが入力される。なお、MISO方式(SFBC,STBC)において、2つのアンテナを使用し、その後の復調処理を容易にしてもよい。
ADC部41(411,412)は、各アンテナで受信した信号を周波数コンバータ(図示せず)で変換したIF信号入力1:y1と、IF信号入力2:y2が、それぞれ入力され、アナログ/デジタル変換処理を行う。デジタル化された信号は、直交復調部42に出力される。
直交復調部42(421,422)は、デジタル化された入力信号に対して直交復調を行い、シンボル信号に相当する所定のベースバンド信号とした後、GI除去部43に出力する。
GI除去部43(431,432)は、直交復調された受信信号から、ガードインターバル(GI)を除去し、有効シンボル長の信号としてFFT部44に出力する。
FFT部44(441,442)は、ガードインターバルが除去された信号に対して、FFT(高速フーリエ変換)処理を行い、処理後の2つの信号を共に等化・復号部45に出力する。
等化・復号部45は、FFT処理された入力信号から、送信された元のキャリアシンボルを推定する。MIMO伝送では、複数の受信側のアンテナには、それぞれ複数の送信側アンテナからの信号が混合して受信されるため、数学的処理を行い、各送信アンテナから送信された元のキャリアシンボルを分離する。この数学的処理には様々な手法があるが、例えば、ZF(Zero forcing)法やMLD(Maximum likelihood Detection:最尤検波)法等の処理が用いられる。この復号処理の結果、1系のキャリアシンボルと、2系のキャリアシンボルが分離されて出力される。1系のキャリアシンボルは1系の帯域分離部461に出力し、2系のキャリアシンボルは2系の帯域分離部462に出力する。また、MISO伝送では、2つのデータキャリアシンボル(本来のデータと複素共役・符号反転したデータ)の組み合わせから、SFBC復号処理又はSTBC復号処理を行い、1系のキャリアシンボルを導出することができる。等化・復号部45は、各階層によって(各伝送方式に対応して)、復号処理を切り替えることができる。
帯域分離部46(461,462)は、それぞれ入力されたキャリアシンボル(データセグメント)を、部分受信帯域、非部分受信帯域、及び、調整帯域のキャリアシンボルに分離する。分離された各帯域のキャリアシンボルは、周波数デインターリーブ部47に出力する。
周波数デインターリーブ部47(471,472)は、各帯域のキャリアシンボルに対して、キャリア周波数方向のデインターリーブを行う。なお、この周波数デインターリーブ部47(471,472)の構成の詳細は後述する。周波数デインターリーブしたキャリアシンボルは、時間デインターリーブ部48に出力される。
時間デインターリーブ部48(481,482)は、周波数デインターリーブしたキャリアシンボルに対して、時間方向(すなわち、各キャリアにおいてシンボルの並び順方向)のデインターリーブを行い、送信側でインターリーブを行う前の元の配列に戻す。ここでの時間デインターリーブは、送信側で行った時間インターリーブの反対の処理であれば良い。時間デインターリーブしたキャリアシンボルは、帯域合成部49に出力する。
帯域合成部49(491,492)は、部分受信帯域、非部分受信帯域、及び、調整帯域に分かれて処理されたデータを合成し、合成されたデータを階層分離部50に出力する。
階層分離部50(501,502)は、帯域合成されたデータを、A階層、B階層、C階層のキャリアシンボル毎に階層分離し、A階層キャリアシンボルは系統合成部51aに、B階層キャリアシンボルは系統合成部51bに、C階層キャリアシンボルは系統合成部51cにそれぞれ出力する。
系統合成部51(51a,51b,51c)は、マルチプレクサであり、分かれて処理されていた1系と2系のキャリアシンボルデータを合成する。なお、この合成処理は、空間分割多重MIMO方式のデータに対して行われる。合成された各階層のキャリアシンボルは、レベル調整部52に出力する。
レベル調整部52(52a,52b,52c)は、合成されて元の一体となったキャリアシンボルを、階層毎にレベル調整する。レベル調整したキャリアシンボルは、デマッピング部53に出力する。
デマッピング部53(53a,53b,53c)は、レベル調整したキャリアシンボルのI信号値とQ信号値から元のビット単位のデータに復調する。各階層のビット単位のデータはビットデインターリーブ部54に出力する。
ビットインターリーブ部54(54a,54b,54c)は、デマッピングされてビット単位となったデータに対して、ビット単位のデインターリーブを行い、元のビット列を復元する。ここでのビットデインターリーブは、送信側で行ったビットインターリーブの反対の処理であれば良い。ビットデインターリーブが行われたデータ列は、各階層の送信データに相当する。
出力された各階層データは、その後誤り訂正等の所定の処理を行った後、例えば、画像データとして復号される。
このように、実施の形態2の受信装置200の復調器が構成される。本発明の受信装置200によれば、時空間符号化MISO方式の信号と空間分割多重MIMO方式の信号とを復号することができ、階層毎に、或いはセグメント毎に、伝送方式が設定されたOFDM変調信号を受信することができる。
図7は、復調器の周波数デインターリーブ部47の構成例を示すブロック図であり、図6の復調器の一つの系統の帯域分離部46から帯域合成部49までを示している。なお、各ブロックの内部構成は一例にすぎない。
図7の周波数デインターリーブ部47は、セグ内(セグメント内)デインターリーブ部61,62と、階層間デインターリーブ部63,64と、部分受信帯域合成部65と、階層内セグメント間デインターリーブ部66と、を備えている。
帯域分離部46は、入力されたキャリアシンボル(データセグメント)を、部分受信帯域、非部分受信帯域、及び、調整帯域のキャリアシンボルに分離する。分離された部分受信帯域データと、非部分受信帯域データは、セグ内デインターリーブ部61,62に出力する。また、調整帯域データは、時間デインターリーブ部48dに出力する。
セグ内デインターリーブ部61は、帯域分離部46から入力された部分受信帯域データに対して、各セグメント内で周波数デインターリーブを行う。このセグメント内デインターリーブは、送信側でのセグ内IL部35でのインターリーブの逆変換処理となる。セグメント内デインターリーブされたデータは階層間デインターリーブ部63に出力される。
セグ内デインターリーブ部62は、帯域分離部46から入力された非部分受信帯域データに対して、各セグメント内で周波数デインターリーブを行う。このセグメント内デインターリーブは、送信側でのセグ内IL部36でのインターリーブの逆変換処理となる。セグメント内デインターリーブされたデータは階層間デインターリーブ部64に出力される。
階層間デインターリーブ部63は、A階層データとB階層データの伝送方式やSP配置により、部分受信帯域データを構成するセグメント単位で周波数デインターリーブを施すか、或いは、部分受信帯域データを構成する全てのセグメントをまたいでデータキャリア単位で周波数デインターリーブを施す。この階層間デインターリーブは、送信側での階層間IL部33でのインターリーブの逆変換処理となる。デインターリーブされた部分受信帯域データは、部分受信帯域合成部65に出力される。
階層間デインターリーブ部64は、非部分受信帯域データを構成する全てのセグメントをまたいでデータキャリア単位で周波数デインターリーブを施す。この階層間デインターリーブは、送信側での階層間IL部34でのインターリーブの逆変換処理となる。デインターリーブされた非部分受信帯域データは、部分受信帯域合成部65に出力される。
部分受信帯域合成部65は、部分受信帯域データと非部分受信帯域データを合成した後、A階層、B階層、C階層の各階層データに分離して、階層内セグメント間デインターリーブ部66に出力する。
階層内セグメント間デインターリーブ部66は、それぞれの階層の周波数デインターリーブを行うセグ(セグメント)間インターリーブ部66a,66b,66cからなり、各セグ間インターリーブ部は、それぞれの階層データを構成する全てのセグメントにおいて(全てのセグメントをまたいで)キャリア単位で周波数デインターリーブを施す。このセグ間デインターリーブは、送信側での階層内セグメント間インターリーブ部31でのインターリーブの逆変換処理となる。セグメント間デインターリーブが行われた各階層データは、時間デインターリーブ部48に出力される。
時間デインターリーブ部48は、各階層及び調整帯域の信号(キャリアシンボル)に対し、それぞれ時間デインターリーブ部48a~48dにおいて、時間方向(すなわち、各キャリアにおいてシンボルの並び順方向)のデインターリーブを行う。この時間デインターリーブは、送信側での時間インターリーブ部18でのインターリーブの逆変換処理となる。時間デインターリーブを行ったA,B,C階層のデータ及び調整帯域のデータを、帯域合成部49に出力する。
帯域合成部49は、部分受信帯域、非部分受信帯域、及び、調整帯域に分かれて処理されたデータを合成する。このように、周波数デインターリーブ及び時間デインターリーブが行われる。
これまで説明したように、本発明の送信装置及び受信装置は、階層毎に伝送方式を設定することができる。伝送方式としてMISO方式のSFBC(Space Frequency Block Coding:空間・周波数ブロック符号化)伝送方式を選択した場合、1系のキャリアシンボルに対して、SFBC符号化を行う。次に、様々な条件下で、隣接したキャリアとペアを作るSFBCの処理について説明する。
図8~図13は、少なくとも1つの階層がMISOのSFBC伝送方式であるときの、SFBC符号化の際のデータキャリアのペアリングについて説明する図である。
各図で1つのブロックが1つのセグメントを示しており、番号0から32までの33のセグメントが周波数インターリーブされた状態を示している。細かいドットの描かれたブロック5個は、A階層のセグメントを示しており、他の28個のブロックがB階層のセグメントを示している。
SFBC符号化では、次の規則に従ってペアリングを行う。
(1)帯域の左端(低周波数側)から、ペアを組む。
(2)SFBCのセグメント同士であれば、調整帯域も含めて、セグメントをまたいでペアを組む。
(3)部分受信帯域と非部分受信帯域の境界では、A階層とB階層をまたいでペアは組まない。
(4)SFBCではない隣のセグメントとは、境界をまたいでペアは組まない。
(5)境界の隣接部分でペアが組めなくなった余りのキャリアについては、SFBC符号化しない。
以下、各事例に基づいて、ペアリングを説明する。
(部分受信オン、A階層SFBC)
図8は、部分受信を行う場合で、A階層がSFBCのケースである。図8(a)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,2)であり、B階層がSDMでSP配置が(6,2)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
なお、SP配置を示す括弧内の数字は、左側の数字(ここでは6)はSP信号を配置するキャリアの横方向(周波数方向)の間隔、右側の数字(ここでは2)は縦方向(時間方向)に隣接するSP信号の間隔であり、(6,2)はシンボル12個に1個の割合でSP信号が挿入されることを意味している。
A階層のセグメント8,4,0,3,5において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、1セグメント内のデータキャリア数が偶数となるため、SFBCの各セグメント(セグメント8,4,0,3,5)内でペアリングが完結する。
図8(b)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,4)であり、B階層がSDMでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
A階層のセグメント8,4,0,3,5において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、1セグメント内のデータキャリア数が奇数となるため、SFBCのセグメント8,4,0内は、セグメント端に、ペアリングできない(SFBC符号化しない)キャリアが存在する(ペアリングできないキャリアの存在を上向き矢印Cで示す。以下同様)。セグメント3と5は、共にSFBCのセグメントであるから、セグメント境界をまたいでペアリングを行う(境界をまたぐペアリングの位置を、境界上に下向きの矢印で示す。以下同様)。この結果、セグメント3,5は、データキャリア数が奇数であっても、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。
(部分受信オン、B階層SFBC)
図9は、部分受信を行う場合で、B階層がSFBCのケースである。図9(a)は、A階層がSDMでSP配置が(6,2)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,2)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
B階層のセグメント1,2,6,7,9~32、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が偶数となるため、SFBCの各セグメント及び調整帯域内でペアリングが完結する。
図9(b)は、A階層がSDMでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
B階層のセグメント1,2,6,7,9~32、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが共にSFBCのセグメントであるときは、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。セグメント7と9の境界は部分受信帯域端となるが、B階層の受信の際は、部分受信帯域と非部分受信帯域の両者を受信するため、部分受信帯域端をまたいでペアリングをすることができる。この結果、セグメント7,9,11~32、及び調整帯域は、データキャリア数が奇数であっても、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。SFBCのセグメント10,6,2,1内は、セグメント端に、ペアリングできない(SFBC符号化しない)キャリアが生じる。
図9(c)は、A階層がSDMでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントからなるノーマルモードである。
B階層のセグメント1,2,6,7,9~32、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが共にSFBCのセグメントであるときは、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。セグメント7と9の境界は部分受信帯域端となるが、B階層の受信の際は、部分受信帯域と非部分受信帯域の両者を受信するため、部分受信帯域端をまたいでペアリングをすることができる。この結果、セグメント7,9,10~30,32は、データキャリア数が奇数であっても、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。SFBCのセグメント6,2,1,31内は、セグメント端に、ペアリングできない(SFBC符号化しない)キャリアが生じる。
(部分受信オン、A階層SFBC、B階層SFBC)
図10は、部分受信を行う場合で、A階層とB階層が共にSFBCのケースである。図10(a)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,2)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,2)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。A階層とB階層の伝送方式が同一で、且つSP配置が同じであるから、部分受信帯域はキャリア単位で階層間インターリーブが行われており、A階層とB階層のデータはセグメントとして独立していない。
SFBCのセグメント0~32、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が偶数となるため、SFBCの各セグメント及び調整帯域内でペアリングが完結する。
図10(b)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。部分受信帯域はキャリア単位で階層間インターリーブが行われている。
SFBCのセグメント0~32、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが共にSFBCのセグメントであるときは、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。ただし、セグメント10と8の境界及び7と9の境界は部分受信帯域端となり、セグメント7と8がA階層のデータを含んでいる。A階層の受信の際は、部分受信帯域のみを受信するため、部分受信帯域端をまたいでペアリングをすることができない。このため、部分受信帯域端にペアリングできない(SFBC符号化できない)キャリアが生じる。一方、他のセグメント0~6,8,9,11~32は、データキャリア数が奇数であっても、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。なお、帯域端(調整帯域端)にペアリングできないキャリアが生じる。
図10(c)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントからなるノーマルモードである。
SFBCのセグメント0~32において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが共にSFBCのセグメントであるときは、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。セグメント7と9の境界は部分受信帯域端となり、セグメント7がA階層のデータを含んでいる。A階層の受信の際は、部分受信帯域のみを受信するため、部分受信帯域端をまたいでペアリングをすることができない。このため、部分受信帯域端にペアリングできない(SFBC符号化できない)キャリアが生じる。一方、他のセグメント0~6,8~32は、データキャリア数が奇数であっても、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。
(部分受信オフ、A階層SFBC)
図11は、部分受信を行わない場合で、A階層がSFBCのケースである。図11(a)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,2)であり、B階層がSDMでSP配置が(6,2)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
A階層のセグメント10,11,20,23,32において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が偶数となるため、SFBCの各セグメント(セグメント10,11,20,23,32)内でペアリングが完結する。
図11(b)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,4)であり、B階層がSDMでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
A階層のセグメント10,11,20,23,32において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるため、A階層のセグメント10,11,20,23,32内は、セグメント端に、ペアリングできない(SFBC符号化しない)キャリアが存在する。
図11(c)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,4)であり、B階層がSDMでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントからなるノーマルモードである。
A階層のセグメント10,11,20,23,32において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるため、A階層のセグメント10,11,20,23,32内は、セグメント端に、ペアリングできない(SFBC符号化しない)キャリアが存在する。
(部分受信オフ、B階層SFBC)
図12は、部分受信を行わない場合で、B階層がSFBCのケースである。図12(a)は、A階層がSDMでSP配置が(6,2)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,2)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
B階層のセグメント0~9,12~19,21,22,24~31、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が偶数となるため、SFBCの各セグメント及び調整帯域内でペアリングが完結する。
図12(b)は、A階層がSDMでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。
B階層のセグメント0~9,12~19,21,22,24~31、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが共にSFBCのセグメントであるときは、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。この結果、セグメント0~9,12~19,24~31は、データキャリア数が奇数であっても、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。SFBCのセグメント21,22、及び調整帯域内の端部に、ペアリングできない(SFBC符号化しない)キャリアが生じる。
図12(c)は、A階層がSDMでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントからなるノーマルモードである。
B階層のセグメント0~9,12~19,21,22,24~31において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが共にSFBCのセグメントであるときは、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。この結果、セグメント0~9,12~19,24~31は、データキャリア数が奇数であっても、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。SFBCのセグメント21,22のセグメント端に、ペアリングできない(SFBC符号化しない)キャリアが生じる。
(部分受信オフ、A階層SFBC、B階層SFBC)
図13は、部分受信を行わない場合で、A階層とB階層が共にSFBCのケースである。図13(a)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,2)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,2)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。部分受信を行わないから、部分受信帯域と非部分受信帯域の境界はなく、A階層とB階層の伝送方式が同一で、且つSP配置が同じであるから、全伝送帯域はキャリア単位で階層間インターリーブが行われており、A階層とB階層のデータはセグメントとして独立していない。
SFBCのセグメント0~32、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が偶数となるため、SFBCの各セグメント及び調整帯域内でペアリングが完結する。
図13(b)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントの両側に調整帯域を有する互換モードである。全伝送帯域はキャリア単位で階層間インターリーブが行われている。
SFBCのセグメント0~32、及び調整帯域において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが全てSFBCのセグメントであるから、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。帯域の左端(低周波数側)から順にペアリングを行うことにより、帯域の右端(調整帯域端)にペアリングできないキャリアが生じる以外は、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。
図13(c)は、A階層がSFBCでSP配置が(6,4)であり、B階層がSFBCでSP配置が(6,4)である場合のペアリングを示す。このセグメント構造は33個のセグメントからなるノーマルモードである。全伝送帯域はキャリア単位で階層間インターリーブが行われている。
SFBCのセグメント0~32において、キャリアのペアリングが行われる。このSP配置の場合、データキャリア数が奇数となるが、隣接するセグメントが全てSFBCのセグメントであるから、セグメント境界をまたいでペアリングを行う。帯域の左端(低周波数側)から順にペアリングを行うことにより、帯域の右端のセグメント31にペアリングできないキャリアが生じる以外は、全てのキャリアをペアリングしてSFBC符号化でき、耐雑音性の効果が高まる。
以上のように、本発明における周波数インターリーブとSFBCのペアリングは、(a)周波数インターリーブはなるべくキャリア単位で行って、インターリーブ効果を高める、(b)SFBCはなるべく多くのペアを作って、送信ダイバーシティ効果を高める、との2つのニーズのバランスをとるものである。
上記の実施の形態1では、送信装置100の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、複数の送信系統を用いてOFDM変調信号を送信する送信装置100に搭載される半導体チップであって、送信信号の伝送帯域をセグメント構造とし、階層伝送を行い、階層ごとに空間分割多重MIMO伝送方式又は時空間符号化MISO伝送方式が選択された、複数のOFDM変調信号を生成することを特徴とする、チップとして構成されてもよい。
また更に、上記の実施の形態1では、送信装置100の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、複数の送信系統によりOFDM変調信号を送信する送信方法として構成されてもよい。すなわち、図1のデータの流れに従って、各階層のデータをマッピングしてキャリアシンボルを生成する工程と、各階層のデータを、当該階層の伝送方式が空間分割多重MIMO伝送方式であるとき複数の系統に分離する工程と、各系統において各階層のデータを合成する工程と、各系統のデータを少なくともキャリア周波数方向にインターリーブする工程と、第1の系統から出力された1系キャリアシンボルを時空間符号化する工程と、各階層の伝送方式に基づいて、MISO符号化部の出力と、第2の系統で信号処理されたデータとを選択し、2系キャリアシンボルを出力する工程と、1系キャリアシンボルに基づいてOFDM変調信号を生成する工程と、2系キャリアシンボルに基づいてOFDM変調信号を生成する工程と、を備えた、複数の送信系統によりOFDM変調信号を送信する送信方法として構成されても良い。
上記のチップ及び送信方法によれば、MIMO伝送方式又はMISO伝送方式により、階層伝送を実現し、階層毎に適切な伝送品質を確保することができる。
また、上記の実施の形態2では、受信装置200の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、複数の送信系統を用いて送信されたOFDM変調信号を受信する受信装置200に搭載される半導体チップであって、伝送帯域がセグメント構造であって、階層伝送されたOFDM変調信号に対して、階層ごとに空間分割多重MIMO伝送方式の復号処理又は時空間符号化MISO伝送方式の復号処理を選択することを特徴とする、チップとして構成されてもよい。
また更に、上記の実施の形態2では、受信装置200の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、複数の送信系統を用いて送信されたOFDM変調信号を受信する受信方法として構成されてもよい。すなわち、図6のデータの流れに従って、伝送帯域がセグメント構造のOFDM変調信号を受信する工程と、受信したOFDM変調信号をFFT処理する工程と、FFT処理された信号に対して、階層ごとに空間分割多重MIMO伝送方式の復号処理又は時空間符号化MISO伝送方式の復号処理を行う工程と、復号処理で得られたキャリアシンボルを、少なくともキャリア周波数方向にデインターリーブする工程と、各階層のデータを分離する工程と、当該階層の伝送方式が空間分割多重MIMO伝送方式であるとき複数の系統のデータを合成する工程と、系統合成されたキャリアシンボルをデマッピングして各階層のデータを生成する工程とを備えることを特徴とする、複数の送信系統を用いて送信されたOFDM変調信号を受信する受信方法として構成されても良い。
上記のチップ及び受信方法によれば、MIMO伝送方式又はMISO伝送方式により、階層伝送を実現し、階層毎に適切な伝送品質を確保することができる。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。