JP5276508B2 - Mimo送信装置 - Google Patents

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本発明は、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いる多入力多出力(以下、「MIMO(Multiple Input Multiple Output)」という。)伝搬環境におけるMIMO送信装置に関し、特に、空間フィルタリングと誤り訂正を組み合わせ、空間領域で多重された信号の分離及び検出を繰り返して行い、干渉を除去するIDD(Iterative Detection and Decoding)方式の性能を向上させる送信技術に関するものである。
従来、複数の送信アンテナを用いたMIMO送信装置と、複数の受信アンテナを用いたMIMO受信装置とにより構成されたMIMO伝送システムは、伝送容量を飛躍的に向上させることを可能にするシステムとして知られている。このMIMO送信装置は、系統毎の送信データをそれぞれ処理し、系統毎の複数の送信アンテナから信号をそれぞれ送信する。MIMO受信装置は、MIMO送信装置に備えた複数の送信アンテナから送信された信号を、空間領域で多重された信号として複数の受信アンテナを介して受信する。そして、各送信アンテナから送信された信号の伝搬チャネル特性の違いを利用することにより、空間領域で多重された信号の分離及び検出を行う。ここで、個々の送信データを処理する系統を複数備えたMIMO送信装置において、その系統毎の信号であって、送信アンテナから出力される信号を「送信データ系列」という。空間領域で多重された信号を分離及び検出するには、空間フィルタリングアルゴリズムであるZF(Zero Forcing)またはMMSE(Minimum Mean Square Error)等による手法が用いられる。ZF及びMMSEによる手法は既知であるから、ここでは詳細な説明を省略する。
一般に、MIMO伝送システムにおいて、MIMO送信装置及びMIMO受信装置が離れた見通し(LOS:Line−Of−Sight)環境にあり、卓越した受信電力を有する送信データ系列の直接波が同一方向から到来する場合には、空間領域で多重された信号の分離及び検出特性が著しく劣化してしまうことがある。これでは、安定した伝送を実現することが困難である。
このような環境にあったとしても、空間領域で多重された信号の分離及び検出特性を向上させるための手法として、非特許文献1に記載された技術が広く知られている。非特許文献1には、受信した複数の送信データ系列の中から、受信状況の良い送信データ系列をまず復号し、その送信データ系列の干渉レプリカを生成し、各送信データ系列が空間多重された受信信号からその送信データ系列の干渉レプリカを除去し、残りの送信データ系列を順次復号する手法が記載されている。この手法はV−BLAST(Vertical Bell Laboratories Layered Space−Time)と呼ばれている。
しかしながら、復号結果に誤りがある場合には、干渉レプリカの除去に伴うキャンセル誤りが伝搬し、空間領域で多重された信号の分離及び検出特性が劣化してしまう。ここで、信頼性の低い干渉レプリカを用いてキャンセルしたことに起因する誤りを、キャンセル誤りという。そこで、誤り訂正後の信号を用いてより信頼性の高い干渉レプリカを生成し、その干渉レプリカによるキャンセルと誤り訂正の復号とを繰り返して行うIDD方式の検討が行われた。このIDD方式を用いて干渉を除去する手法の詳細については、例えば非特許文献2及び特許文献1に記載されている。
一般に、誤り訂正による符号化利得を得るためには、送信データ系列を誤り訂正符号化した後に、信号をランダムに配置するためのインタリーブの処理を行う。IDD方式では、空間フィルタリングによって送信データ系列を分離及び検出した後にデインタリーブの処理を行い、誤り訂正復号した後に再度インタリーブの処理を行い、干渉レプリカを生成する。
一方、MIMO送信装置が時間的に長いインタリーブの処理を行う場合、MIMO受信装置は、受信特性を向上させるためにIDD方式の繰り返し回数を増やすと、デインタリーブ及び再インタリーブも繰り返し回数分だけ必要となる。このため、映像伝送にかかる遅延時間を許容することができず、メモリ容量等の要求されるハードウェアの規模も増大するという問題があった。この問題を解決するため、デインタリーブの処理及び再インタリーブの処理を、IDD方式の繰り返し処理の中で行わないようにするMIMO受信装置が、本出願と同一の出願人により提示されている(本出願の出願時に未公開の特許出願:特願2008−203529号公報を参照)。
特開2003−152603号公報
G.D.Golden,G.J.Foschini,R.A.Valenzuela and P.W.Wolniansky,"Detection algorithm and initial laboratory results using V-BLAST spacetime communication architecture,",Electron. Lett.,35,1,pp.14-16,1999.1. B.Lu,G.Yue,and X.Wang,"Performance Analysis and Design Optimization of LDPC-Coded MIMO OFDM Systems,"IEEE Trans. Signal Proc.,vol.52,no.2,pp.348-361,Feb.2004.
前述のMIMO伝送システムでは、MIMO送信装置が、複数の送信アンテナから複数の送信データ系列を同一周波数でそれぞれ送信し、MIMO受信装置が、これらの送信データ系列を、空間領域で多重された信号として複数の受信アンテナを介して受信する。非特許文献1のMIMO受信装置は、V−BLASTの手法を採用し、受信状況の良い送信データ系列をまず復号し、復号結果を用いてその送信データ系列の干渉レプリカを生成し、各送信データ系列が空間多重された受信信号からその送信データ系列の干渉レプリカを除去し、残りの送信データ系列を順次復号する。これにより、送信データ系列の受信品質が等しい場合だけでなく、送信データ系列の受信品質が異なる場合であっても、送信データ系列を高精度に復号することができる。
これに対し、IDD方式を採用するMIMO受信装置、すなわち、誤り訂正後の信号を用いて干渉レプリカを生成し、その干渉レプリカによるキャンセルと誤り訂正の復号とを繰り返して行う方式を採用するMIMO受信装置では、並列復号の処理を基本としているから、送信データ系列の受信品質が異なる場合、送信データ系列の受信品質が同じ場合に比べてIDD方式の特性が劣化し、送信データ系列を高精度に復号することができないことが報告されている(光山、 神原、 中川、 池田、 大槻、“800MHz帯FPUシステムにおけるLDPC符号化MIMO反復復号法の検討”、信学技報、RCS−2008−80(2008−8))。
この問題を解決するために、IDD方式を採用するMIMO受信装置に、前述のV−BLASTの手法である順次復号の処理を組み込むことが考えられる。
しかしながら、IDD方式を採用するMIMO受信装置に、前述の順次復号の処理を組み込むことは困難である。具体的には、MIMO送信装置が送信データ系列を符号化した後に2系統のデータに分けて送信する場合、IDD方式を採用するMIMO受信装置は、原理的に前述の順次復号の処理を行うことができない。誤り訂正の復号を行うためには、2系統に分ける前の送信データ系列に戻す必要があり、分岐した片系統の信号だけでは復号できないためである。一方、MIMO送信装置が異なる複数の送信データ系列を独立して符号化し送信する場合、IDD方式を採用するMIMO受信装置は、原理的に前述の順次復号の処理を行うことができる。しかしながら、MIMO受信装置には、IDD方式を実現する回路に加えて、順次復号の処理を実現する回路が必要になるから、回路規模が増大すると共に処理遅延が増大するという問題があった。
このように、送信データ系列の受信品質が異なる場合であっても、送信データ系列を高精度に復号することができるようにするため、IDD方式を採用するMIMO受信装置に、前述の順次復号の処理を組み込むことが考えられるが、この手法は不可能または困難である。そこで、MIMO受信装置は、品質の等しい送信データ系列をそれぞれ受信し、IDD方式を実現する回路のみを用いて並列復号を行うことが望ましい。
しかしながら、送信データ系列を送信するMIMO送信装置の出力電力及びアンテナ特性は異なるものである。このため、MIMO受信装置では、分離及び検出した送信データ系列の受信品質に少なからず差異が生じてしまう。また、移動伝送を行うMIMO伝送システムにおいては、伝搬経路の違いによっても、送信データ系列の受信品質の差異が時々刻々と変動する。したがって、IDD方式を採用するMIMO受信装置は、受信品質の等しい送信データ系列を必ずしも受信することができるとは限らず、IDD方式の性能を最大限に向上させることができなかった。
そこで、本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、送信データ系列を出力するMIMO送信装置の出力電力、アンテナ特性及び伝搬経路に違いがあったとしても、MIMO受信装置においてIDD方式により分離及び検出される送信データ系列の受信品質を等しくし、IDD方式による復号性能を向上させることが可能なMIMO送信装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明によるMIMO送信装置は、送信データ系列の信号を、誤り訂正符号により符号化してインタリーブし、直交変調して送信アンテナから送信する系統を複数備えたMIMO送信装置と、空間多重された送信データ系列の信号を複数の受信アンテナを介して受信し、前記受信した信号を復調し、デインタリーブして誤り訂正復号を行うMIMO受信装置とにより構成されるMIMO伝送システムの下で、前記送信データ系列の分離及び検出を、誤り訂正復号と共に繰り返すIDD方式を採用する前記MIMO受信装置に対して送信を行う前記MIMO送信装置において、複数の送信データ系列の信号を、所定の符号化により誤り訂正符号を行う符号化部と、前記誤り訂正符号が行われた複数の送信データ系列の信号に、所定の単位でインタリーブを行うインタリーブ部と、前記インタリーブされた複数の送信データ系列の信号を、キャリア変調のコンスタレーション配置上にマッピングするマッピング部と、前記マッピングされた複数の送信データ系列の信号にパイロット信号を挿入し、OFDMフレームを構成するOFDMフレーム構成部と、前記OFDMフレームが構成された複数の送信データ系列の信号にIFFTを行い、時間軸データに変換するIFFT部と、前記時間軸データに変換された複数の送信データ系列の信号にGIを付加するGI付加部と、GIが付加された複数の送信データ系列の信号に直交変調を行う直交変調部と、前記直交変調された複数の送信データ系列の信号を入力し、複数のシンボル期間である所定のシンボルブロック期間毎に、前記送信データ系列の位相を異なる位相に切り替え、前記入力した送信データ系列の信号と、異なる位相に切り替えた他の送信データ系列の信号とを合成し、前記合成した送信データ系列の信号を合成信号として、前記入力した送信データ系列の系統毎に出力する送信ビームパターン生成部と、前記送信ビームパターン生成部により出力された複数の合成信号であるデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、前記アナログ信号に変換された複数の合成信号における周波数を無線周波数に変換する周波数変換部と、前記無線周波数に変換された複数の合成信号を送信する送信アンテナと、を備え、前記送信ビームパターン生成部が、前記送信アンテナによって、前記送信データ系列の信号が他の送信データ系列の信号とは異なるビームパターンで送信されるように、前記送信データ系列の位相を、予め設定された異なる位相に切り替える、ことを特徴とする。
また、本発明によるMIMO送信装置は、前記送信ビームパターン生成部が、前記送信アンテナによって、前記送信データ系列の信号が、他の送信データ系列の信号との間で前記送信アンテナの水平面内全方向にわたる指向性利得の差の積分が最大となるビームパターンで送信されるように、前記送信データ系列の位相を、予め設定された異なる位相に切り替える、ことを特徴とする。
また、本発明によるMIMO送信装置は、前記送信ビームパターン生成部が送信データ系列の位相を異なる位相に切り替えるタイミングを示す前記所定のシンボルブロック期間を、MIMO受信装置が伝搬チャネルを推定するために必要なシンボル期間を整数倍した期間とする、ことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、送信データ系列を出力するMIMO送信装置の出力電力、アンテナ特性及び伝搬経路に違いがあったとしても、MIMO受信装置においてIDD方式により分離及び検出される送信データ系列の受信品質を等しくし、IDD方式による復号性能を向上させることが可能となる。
実施例1におけるMIMO送信装置の構成を示す図である。 データ系列切り替え部における、K=1のときの切り替え処理を説明する図である。 データ系列切り替え部における、K=2のときの切り替え処理を説明する図である。 実施例2におけるMIMO送信装置の構成を示す図である。 送信ビームパターンの組み合わせ例を説明する図である。 送信ビームパターン生成部における、K=1のときの切り替え処理を説明する図である。 市街地における野外実験結果を示す図である。 LDPC符号及びMMSEアルゴリズムを用いたIDD方式の実験結果を比較する図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。図1は、実施例1によるMIMO送信装置の構成を示す図である。このMIMO送信装置101は、2つの異なる送信データ系列a,bを、予め設定されたシンボルブロック単位に切り替えることにより、2つの送信アンテナ10−1,10−2からそれぞれ送信するものである。送信アンテナ10−1,10−2は、互いに異なる偏波の信号を出力するものとする。
MIMO送信装置101は、2系統の処理部を備えている。具体的には、送信データ系列aを処理するLDPC(Low Density Parity Check)符号化部1−1、インタリーブ部2−1、マッピング部3−1、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)フレーム構成部4−1、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部5−1、GI(Guard Interval)付加部6−1、直交変調部7−1、D/A変換部8−1及び周波数変換部9−1を備え、送信データ系列bを処理するLDPC符号化部1−2、インタリーブ部2−2、マッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2、直交変調部7−2、D/A変換部8−2、周波数変換部9−2を備え、さらに、GI付加部6−1,6−2と直交変調部7−1,7−2との間にデータ系列切り替え部11を備えている。OFDM変調については、例えば、ARIB STD−B33「テレビジョン放送番組素材伝送用可搬形OFDM方式デジタル無線伝送システム」の規格が適用される。
LDPC符号化部1−1は、送信データ系列aを入力し、LDPC符号化により誤り訂正を行い、符号化した信号を出力する。インタリーブ部2−1は、LDPC符号化部1−1から符号化された信号を入力し、1本のサブキャリアに割り当てる1ビットまたは複数ビットをインタリーブの1単位としてインタリーブし、インタリーブしたサブキャリア単位の信号を出力する。LDPC符号化部1−2は、送信データ系列bを入力し、LDPC符号化部1−1と同様の処理を行う。また、インタリーブ部2−2は、インタリーブ部2−1と同様の処理を、送信データ系列bについて行う。これにより、LDPC符号化部1−1,1−2により符号化された信号は時間軸方向にそれぞれ分散される。ここでは、説明を簡単にするために、各系統のLDPC符号化部1−1,1−2は同じ符号化器を用い、インタリーブ部2−1,2−2も同じインタリーブパターンを用いるものとする。
マッピング部3−1は、インタリーブ部2−1からインタリーブされたサブキャリア単位の信号を入力し、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等のキャリア変調のコンスタレーション配置上にマッピングし、マッピングした信号を出力する。マッピング部3−2は、マッピング部3−1と同様の処理を、送信データ系列bについて行う。
OFDMフレーム構成部4−1は、マッピング部3−1からマッピングされた信号を入力し、この信号をデータ信号として扱い、CP(Continual Pilot)、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)、AC(Auxiliary Channel)等の信号をリファレンスあるいは制御信号としてデータ信号内に挿入すると共に、予め設定された周波数に配置してフレームを構成し、OFDM信号として出力する。OFDMフレーム構成部4−2は、OFDMフレーム構成部4−1と同様の処理を、送信データ系列bについて行う。
IFFT部5−1は、OFDMフレーム構成部4−1からフレーム構成されたOFDM信号を入力し、IFFT(逆高速フーリエ変換)を行い、周波数軸データから時間軸データに変換し、時間軸データのOFDM信号を出力する。IFFT部5−2は、IFFT部5−1と同様の処理を、送信データ系列bについて行う。
GI付加部6−1は、IFFT部5−1から時間軸データのOFDM信号を入力し、GI信号を付加する。GI付加部6−2は、GI付加部6−1と同様の処理を、送信データ系列bについて行う。
データ系列切り替え部11は、GI付加部6−1からGI信号が付加された送信データ系列aのOFDM信号を入力し、GI付加部6−2からGI信号が付加された送信データ系列bのOFDM信号を入力する。そして、データ系列切り替え部11は、OFDMフレームの先頭シンボルを基準にして、予め設定されたシンボルブロック単位に、送信データ系列aのOFDM信号と送信データ系列bのOFDM信号との系統を切り替えて、垂直偏波を有する送信アンテナ10−1系統の直交変調部7−1に出力すると共に、水平偏波を有する送信アンテナ10−2系統の直交変調部7−2に出力する。この場合、送信データ系列aのOFDM信号を直交変調部7−1に出力しているときは、送信データ系列bのOFDM信号を直交変調部7−2に出力し、逆に、送信データ系列bのOFDM信号を直交変調部7−1に出力しているときは、送信データ系列aのOFDM信号を直交変調部7−2に出力するように、信号を交互に選択して系統を切り替える。切り替えはデジタル信号処理で行われ、送信アンテナ10−1,10−2から送信される信号には、一時的に無信号となるような不連続な状態が生じないものとする。データ系列切り替え部11による信号切り替え処理の詳細については後述する。
直交変調部7−1は、データ系列切り替え部11から出力された第1のOFDM信号を入力し、ここまで実数と虚数の2つずつの組合せ信号(複素数)として処理されてきたOFDM信号を、同相信号と直交信号に載せて直交化する直交変調を行い、直交変調したOFDM信号を出力する。直交変調部7−2は、直交変調部7−1と同様の処理を、データ系列切り替え部11から出力された第2のOFDM信号について行う。
D/A変換部8−1は、直交変調部7−1から直交変調されたOFDM信号を入力し、デジタル信号をアナログ信号に変換する。周波数変換部9−1は、D/A変換部8−1によりアナログ信号に変換された信号を入力し、入力した信号の周波数を無線周波数に変換する。このようにして処理された信号は、図示しない送信アンテナ10−1を介して垂直偏波の信号として送信される。D/A変換部8−2及び周波数変換部9−2は、それぞれD/A変換部8−1及び周波数変換部9−1と同様の処理を行い、処理された信号は、図示しない送信アンテナ10−2を介して水平偏波の信号として送信される。
このように、MIMO送信装置101は、送信アンテナ10−1,10−2を介して、送信データ系列aの信号と送信データ系列bの信号とを、予め設定されたシンボルブロック単位で交互に送信する。そして、送信アンテナ10−1,10−2から送信された送信データ系列aの信号及び送信データ系列bの信号は、空間領域において多重される。
ここで、送信アンテナ10−1,10−2は、互いに異なる偏波の信号を送信する。例えば、前述したとおり、送信アンテナ10−1が垂直偏波の信号を、送信アンテナ10−2が水平偏波の信号をそれぞれ送信する。送信アンテナ10−1が水平偏波の信号を、送信アンテナ10−2が垂直偏波の信号をそれぞれ送信するようにしてもよい。これにより、互いの干渉を空間領域で事前に減少させることができるから、MIMO受信装置において、IDD方式により送信データ系列a,bを高精度に復号することができる。尚、送信アンテナ10−1,10−2は、互いに等しい偏波の信号を出力するようにしてもよい。
(データ系列切り替え部の処理)
次に、データ系列切り替え部11の処理について詳細に説明する。MIMO受信装置は、空間領域において多重された信号(MIMO送信装置101からの送信データ系列aの信号及び送信データ系列bの信号が多重された信号)を受信する。そして、MIMO受信装置は、受信した多重信号を送信データ系列a及び送信データ系列bに復調するための処理として、送信データ系列a及び送信データ系列bの分離及び検出処理のために伝搬チャネルを推定する。伝搬チャネルの推定は、通常数シンボルを1ブロック(以下、「伝搬チャネル推定用シンボルブロック」という。)として、1伝搬チャネル推定用シンボルブロック単位に行われ、伝搬チャネル推定用シンボルブロックの期間内では伝搬チャネルの変動または不連続性がないことが前提条件となる。
したがって、データ系列切り替え部11では、少なくとも伝搬チャネル推定用シンボルブロックより短い期間で、送信データ系列a,bの切り替えは行わないものとする。データ系列切り替え部11は、伝搬チャネル推定用シンボルブロック(この期間をBとする。)の整数倍(K)の期間を1周期とした一定のタイミングで切り替える。すなわち、データ系列切り替え部11は、OFDMフレームの先頭シンボルを基準にして、B×Kのシンボルブロック期間の周期で、直交変調部7−1への送信データ系列aの出力、及び直交変調部7−2への送信データ系列bの出力と、直交変調部7−1への送信データ系列bの出力、及び直交変調部7−2への送信データ系列aの出力とを切り替える。
図2は、K=1のときの切り替え処理を説明する図であり、MIMO受信装置において、伝搬チャネルを推定するために必要な伝搬チャネル推定用シンボルブロックが2シンボルであり、MIMO送信装置101のデータ系列切り替え部11において、送信データ系列a,bの切り替え周期を、伝搬チャネル推定用シンボルブロックと同じ2シンボルとした場合、すなわち、B=2,K=1とした場合を示している。
図2において、Tはシンボルブロックの切り替え単位(切り替え周期)を示しており、tはシンボルブロックの番号である。また、Sn_iはシンボルを示している。nは、送信データ系列aのときに1、送信データ系列bのときに2である。iはシンボル番号である。
データ系列切り替え部11は、Tの期間において、GI付加部6−1から入力した送信データ系列aにおけるシンボル番号0の信号S1_0及びシンボル番号1の信号S1_1を直交変調部7−1に出力する。また、GI付加部6−2から入力した送信データ系列bにおけるシンボル番号0の信号S2_0及びシンボル番号1の信号S2_1を直交変調部7−2に出力する。信号S1_0,S1_1は送信アンテナ10−1から送信され、信号S2_0,S2_1は送信アンテナ10−2から送信される。
そして、データ系列切り替え部11は、Tの期間において、GI付加部6−1から入力した送信データ系列aにおけるシンボル番号2の信号S1_2及びシンボル番号3の信号S1_3を直交変調部7−2に出力する。また、GI付加部6−2から入力した送信データ系列bにおけるシンボル番号2の信号S2_2及びシンボル番号3の信号S2_3を直交変調部7−1に出力する。信号S1_2,S1_3は送信アンテナ10−2から送信され、信号S2_2,S2_3は送信アンテナ10−1から送信される。
このように、データ系列切り替え部11は、B×K=2×1=2シンボルのシンボルブロック毎に、GI付加部6−1,6−2から入力した送信データ系列a,bを切り替えて、直交変調部7−1,7−2にそれぞれ出力する。そして、2シンボルのシンボルブロック毎に切り替えられた送信データ系列a,bの信号が、送信アンテナ10−1,10−2から交互に送信される。
図3は、K=2のときの切り替え処理を説明する図であり、MIMO受信装置において伝搬チャネル推定用シンボルブロックが2シンボルであり、MIMO送信装置101のデータ系列切り替え部11において、送信データ系列a,bの切り替え周期を、伝搬チャネル推定用シンボルブロックの2倍の周期である4シンボルとした場合、すなわち、B=2,K=2とした場合を示している。T,Sn_iは図2と同様である。
データ系列切り替え部11は、Tの期間において、GI付加部6−1から入力した送信データ系列aにおけるシンボル番号0の信号S1_0、シンボル番号1の信号S1_1、シンボル番号2の信号S1_2及びシンボル番号3の信号S1_3を直交変調部7−1に出力する。また、GI付加部6−2から入力した送信データ系列bにおけるシンボル番号0の信号S2_0、シンボル番号1の信号S2_1、シンボル番号2の信号S2_2及びシンボル番号3の信号S2_3を直交変調部7−2に出力する。信号S1_0,S1_1,S1_2,S1_3は送信アンテナ10−1から送信され、信号S2_0,S2_1,S2_2,S2_3は送信アンテナ10−2から送信される。
そして、データ系列切り替え部11は、Tの期間において、GI付加部6−1から入力した送信データ系列aにおけるシンボル番号4の信号S1_4、シンボル番号5の信号S1_5、シンボル番号6の信号S1_6及びシンボル番号7の信号S1_7を直交変調部7−2に出力する。また、GI付加部6−2から入力した送信データ系列bにおけるシンボル番号4の信号S2_4、シンボル番号5の信号S2_5、シンボル番号6の信号S2_6及びシンボル番号7の信号S2_7を直交変調部7−1に出力する。信号S1_4,S1_5,S1_6,S1_7は送信アンテナ10−2から送信され、信号S2_4,S2_5,S2_6,S2_7は送信アンテナ10−1から送信される。
このように、データ系列切り替え部11は、B×K=2×2=4シンボルのシンボルブロック毎に、GI付加部6−1,6−2から入力した送信データ系列a,bを切り替えて、直交変調部7−1,7−2にそれぞれ出力する。そして、4シンボルのシンボルブロック毎に切り替えられた送信データ系列a,bの信号が、送信アンテナ10−1,10−2から交互に送信される。
尚、MIMO受信装置は、MIMO送信装置101の送信アンテナ10−1,10−2から交互に送信された送信データ系列a,bを受信し、OFDMフレームの先頭シンボルを基準にして、シンボルブロック単位で、チャネル推定、ウェイト演算、信号分離及び検出の各処理を行う。
以上のように、実施例1によるMIMO送信装置101によれば、データ系列切り替え部11が、伝搬チャネルの変動または不連続性がない伝搬チャネル推定用シンボルブロックの期間を整数倍したシンボルブロックの期間(B×K)の周期で、入力した送信データ系列a,bを切り替えるようにした。そして、送信アンテナ10−1は、送信データ系列a,bの信号をB×Kのシンボルブロックの周期で交互に送信し、送信アンテナ10−2は、送信データ系列b,aの信号をB×Kのシンボルブロックの周期で交互に送信する。これにより、送信アンテナ10−1から交互に送信された送信データ系列a,bの信号と、送信アンテナ10−2から交互に送信された送信データ系列b,aの信号とが空間領域において多重された信号となる。MIMO受信装置は、このような多重信号を受信し、誤り訂正後の信号を用いてより干渉レプリカを生成し、その干渉レプリカによるキャンセルと誤り訂正の復号とを並列に繰り返して行うIDD方式によって、送信データ系列a,bを分離及び検出する。
これにより、送信データ系列a,bを送信するMIMO送信装置101における送信アンテナ10−1,10−2間の出力電力の違い、送信アンテナ10−1,10−2自体の特性の違い、または伝搬経路の違いがあったとしても、送信アンテナ10−1から送信データ系列a,bの信号が交互に送信され、送信アンテナ10−2から送信データ系列b,aの信号が交互に送信されるから、これらの違いは、送信データ系列aの信号及び送信データ系列bの信号に対して同じように反映されることになる。つまり、MIMO受信装置が受信する送信データ系列aの信号と送信データ系列bの信号との間で、伝搬チャネル推定用シンボルブロックの期間を整数倍したシンボルブロックの期間、すなわち、送信データ系列a,bの切り替え期間において、その受信品質の差は存在するが、送信データ系列a, bの切り替え期間に比べて十分長い期間をLDPC符号の1ブロックとする場合、この1ブロックの期間の平均的な受信品質の差をなくすことができる。したがって、MIMO受信装置においてIDD方式により分離及び検出される送信データ系列aと送信データ系列bとの間の受信品質を等しくすることができ、IDD方式の復号性能を向上させることができる。
すなわち、実施例1によるMIMO送信装置101によれば、複数の送信アンテナ10−1,10−2を用いて空間多重伝送を行う場合、MIMO送信装置101の出力電力、アンテナ特性及び伝搬経路の違いがある場合でも、MIMO受信装置において分離及び検出される送信データ系列a,bの受信品質、すなわち平均BER(Bit Error Rate:ビット誤り率)を等しくすることができ、IDD方式の復号性能を向上させることができる。また、送信アンテナ10−1,10−2から送信される送信データ系列a,bの伝搬経路が高頻度に切り替えられるから、空間インタリーブ効果により誤り訂正の符号化利得を向上させることができる。さらに、偏波の異なるアンテナを用いるMIMO方式に適用することで送信データ系列a,bにおける伝搬経路間の相関を下げ、送信データ系列a,bの分離及び検出性能を一層向上させることができる。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。図4は、実施例2によるMIMO送信装置の構成を示す図である。このMIMO送信装置102は、2つの異なる送信データ系列a,bの位相を、予め設定されたシンボルブロック単位にシフトして合成した後、2つの送信アンテナ12−1,12−2からそれぞれ送信するものである。2つの送信アンテナ12−1,12−2を用いてビームパターンを形成するため、送信アンテナ12−1,12−2は、互いに等しい偏波の信号を出力するものとする。
MIMO送信装置102は、2系統の処理部を備えている。具体的には、送信データ系列aを処理するLDPC符号化部1−1、インタリーブ部2−1、マッピング部3−1、OFDMフレーム構成部4−1、IFFT部5−1、GI付加部6−1、直交変調部7−1、D/A変換部8−1及び周波数変換部9−1を備え、送信データ系列bを処理するLDPC符号化部1−2、インタリーブ部2−2、マッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2、直交変調部7−2、D/A変換部8−2、周波数変換部9−2を備え、さらに、直交変調部7−1,7−2とD/A変換部8−1,8−2との間に送信ビームパターン生成部13を備えている。
実施例1のMIMO送信装置101と、実施例2のMIMO送信装置102とを比較すると、両装置は、LDPC符号化部1−1,1−2、インタリーブ部2−1,2−2、・・・及び周波数変換部9−1,9−2を備えている点で同一である。これに対し、実施例2のMIMO送信装置102は、実施例1のデータ系列切り替え部11の代わりに送信ビームパターン生成部13を備えている点で相違する。また、実施例1のデータ系列切り替え部11は、GI付加部6−1,6−2と直交変調部7−1,7−2との間に設けられているのに対し、実施例2の送信ビームパターン生成部13は、直交変調部7−1,7−2とD/A変換部8−1,8−2との間に設けられている点で相違する。
LDPC符号化部1−1,1−2からGI付加部6−1,6−2までは、実施例1と同様であるから、ここでは説明を省略する。直交変調部7−1は、GI付加部6−1からGI信号が付加された送信データ系列aのOFDM信号を入力し、ここまで実数と虚数の2つずつの組合せ信号(複素数)として処理されてきたOFDM信号を、同相信号と直交信号に載せて直交化する直交変調を行い、直交変調したOFDM信号を出力する。直交変調部7−2は、直交変調部7−1と同様の処理を、送信データ系列bのOFDM信号について行う。
送信ビームパターン生成部13は、直交変調部7−1から直交変調された送信データ系列aのOFDM信号を入力し、直交変調部7−2から直交変調された送信データ系列bのOFDM信号を入力する。そして、送信ビームパターン生成部13は、予め設定されたシンボルブロック単位に、送信データ系列aのOFDM信号における位相を異なる位相に切り替えると同時に、送信データ系列bのOFDM信号における位相を異なる位相に切り替える。そして、送信データ系列aのOFDM信号と異なる位相に切り替えた送信データ系列bのOFDM信号とを合成し、送信データ系列bのOFDM信号と異なる位相に切り替えた送信データ系列aのOFDM信号とを合成し、前者の送信データ系列a,bの合成信号を、送信アンテナ12−1系統のD/A変換部8−1に出力し、後者の送信データ系列b,aの合成信号を、送信アンテナ12−2系統のD/A変換部8−2に出力する。この場合、同じシンボルブロックの期間において、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列aのビームパターンと送信データ系列bのビームパターンとの間で、互いに重なりが少なくなるように、切り替え前後の位相が設定されているものとする。互いに重なりが少ないビームパターンの説明については後述する。位相の切り替えはデジタル信号処理で行われ、送信アンテナ12−1,12−2から送信される信号には、一時的に無信号となるような不連続な状態が生じないものとする。
送信ビームパターン生成部13は、位相制御器131−1,131−2及び加算器132−1,132−2を備えている。送信ビームパターン生成部13は、入力した送信データ系列aのOFDM信号を複製し、一方のOFDM信号を、送信アンテナ12−1系統の加算器132−1に出力し、他方のOFDM信号を、送信アンテナ12−2系統の位相制御器131−2に出力する。また、入力した送信データ系列bのOFDM信号を複製し、一方のOFDM信号を、送信アンテナ12−2系統の加算器132−2に出力し、他方のOFDM信号を、送信アンテナ12−1系統の位相制御器131−1に出力する。
位相制御器131−1は、送信データ系列bのOFDM信号を入力し、その位相をφだけシフトする。位相制御器131−2は、送信データ系列aのOFDM信号を入力し、その位相をφだけシフトする。ここで、位相シフト量φ,φは予め設定された値である。例えば、φに0及び3.13が設定され、φに3.13及び0が設定されている場合、あるシンボルブロックの期間において、位相制御器131−1は、送信データ系列bのOFDM信号の位相をφ=3.13だけシフトし、位相制御器131−2は、送信データ系列aのOFDM信号の位相をφ=0だけシフトする(シフトしない)。そして、次のシンボルブロックの期間において、位相制御器131−1は、送信データ系列bのOFDM信号の位相をφ=0だけシフトし(シフトせず)、位相制御器131−2は、送信データ系列aのOFDM信号の位相をφ=3.13だけシフトする。このようなシンボルブロックの期間は交互に繰り返される。
加算器132−1は、送信データ系列aのOFDM信号と、位相制御器131−1からφだけ位相シフトした送信データ系列bのOFDM信号とをそれぞれ入力し、これらのOFDM信号を加算して合成し、合成信号としてD/A変換部8−1に出力する。合成信号Sは、以下の式で表すことができる。
=a+b・exp(jφ
また、加算器132−2は、送信データ系列bのOFDM信号と、位相制御器131−2からφだけ位相シフトした送信データ系列aのOFDM信号とをそれぞれ入力し、これらのOFDM信号を加算して合成し、合成信号をD/A変換部8−2に出力する。合成信号Sは、以下の式で表すことができる。
=b+a・exp(jφ
D/A変換部8−1は、送信ビームパターン生成部13から、合成信号Sを入力し、デジタル信号をアナログ信号に変換する。周波数変換部9−1は、D/A変換部8−1によりアナログ信号に変換された合成信号Sを入力し、合成信号Sの周波数を無線周波数に変換する。このようにして処理された信号は、図示しない送信アンテナ12−1を介して送信される。D/A変換部8−2及び周波数変換部9−2は、それぞれD/A変換部8−1及び周波数変換部9−1と同様の処理を行い、処理された信号は、図示しない送信アンテナ12−2を介して送信される。
このように、MIMO送信装置102は、送信アンテナ12−1,12−2を介して、送信データ系列aとφだけ位相シフトした送信データ系列bとの間の合成信号S、及び、送信データ系列bとφだけ位相シフトした送信データ系列aとの間の合成信号Sを送信する。この場合、位相シフト量φ,φは、送信アンテナ12−1,12−2において、送信データ系列aのビームパターンと送信データ系列bのビームパターンとの間の重なりが少なくなるように、シンボルブロックの期間毎に、予め設定された第1の位相シフト量と第2の位相シフト量とが交互に切り替えられる。そして、送信アンテナ12−1,12−2から送信された合成信号S,Sは、空間領域において多重される。
(送信ビームパターン生成部における位相制御器の処理)
次に、送信ビームパターン生成部13における位相制御器131−1,131−2の処理について詳細に説明する。MIMO受信装置では、実施例1にて説明したとおり、伝搬チャネルの推定が伝搬チャネル推定用シンボルブロック単位に行われ、伝搬チャネル推定用シンボルブロックの期間内では伝搬チャネルの変動または不連続性がないことが前提条件となる。
したがって、位相制御器131−1,131−2では、少なくとも伝搬チャネル推定用シンボルブロックより短い期間で、位相シフト量φの切り替え及び位相シフト量φの切り替えは行わないものとする。位相制御器131−1,131−2は、伝搬チャネル推定用シンボルブロック(この期間をBとする。)の整数倍(K)の期間を1周期とした一定のタイミングで位相シフト量を切り替える。すなわち、位相制御器131−1は、B×Kのシンボルブロック期間の周期で、位相シフト量φを異なる位相シフト量に切り替える。また、位相制御器131−2も、B×Kのシンボルブロック期間の周期で、位相制御器131−1と同じタイミングで、位相シフト量φを異なる位相シフト量に切り替える。
ここで、具体的な数値を用いて説明する。例えば、送信アンテナ12−1と送信アンテナ12−2との間隔dを無線周波数の1.5倍(d=1.5λ(λは波長))とし、あるシンボルブロック期間Tでは、位相シフト量(φ,φ)=(0,3.13)(単位:ラジアン)が設定されるものとする。
図5(1)は、d=1.5λ、(φ,φ)=(0,3.13)のときの送信ビームパターンの組み合わせ例を説明する図である。円周に沿って付した数値(0,30,60,・・・,330)は、送信される信号の水平面内における方向(方位)を示しており、円の中心に向かって付した数値(0,−10,−20,−30)は、最大を0dBとした指向性利得、すなわち、アンテナ利得の大きさを示している。円以外の実線は、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列aのビームパターンAを示しており、円及び直線以外の破線は、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列bのビームパターンBを示している。
仮に、送信データ系列aのビームパターンAと送信データ系列bのビームパターンBとが同じである場合、伝搬チャネルの違いがなくなり、MIMO受信装置は、受信した多重信号から送信データ系列a,bを分離及び検出することができない。このため、送信データ系列aのビームパターンAと送信データ系列bのビームパターンBとは、互いにできるだけ重ならないように予め選択されている必要がある。つまり、MIMO送信装置102は、送信ビームパターン生成部13の位相制御器131−1,131−2において、送信アンテナ12−1,12−2が互いにできるだけ重なりの少ないビームパターンA及びビームパターンBで送信データ系列a,bを送信することができるように、位相シフト量φ,φを予め設定しておく必要がある。
そこで、送信データ系列aのビームパターンにおける各方向の指向性利得と、送信データ系列bのビームパターンにおける各方向の指向性利得との間の差を、全方位に渡って積分して求め、その値が最も大きくなるように、ビームパターンの組み合わせが選択されるものとする。いま、送信データ系列aにおいて、位相シフト量がφのときのビームパターンをG(θ,φ)とする。また、送信データ系列bにおいて、位相シフト量がφのときのビームパターンをG(θ,φ)とする。互いに重なりが最も少ないそれぞれのビームパターンを生成する位相シフト量(φ,φ)の組み合わせは次式で表される。
Figure 0005276508
ただし、
Figure 0005276508
は、関数f(x)を最大にする変数xの値を出力する関数とする。
このように、MIMO送信装置102において、送信ビームパターン生成部13の位相制御器131−1,131−2が使用する位相シフト量φ,φは、前述の(1)式に基づいて予め設定される。つまり、予め多数の位相シフト量に対する送信データ系列aのビームパターン及び送信データ系列bのビームパターンが測定され、多数のビームパターンの中から前述の(1)式を満足する、重なりが最も少ないビームパーンが選定され、そのときの位相シフト量φ,φが用いられる。このようにして設定された位相シフト量は、d=1.5λの例として、図5(1)に示すように、(φ,φ)=(0,3.13)であり、後述する図5(2)に示すように、(φ,φ)=(3.13,0)である。すなわち、ビームパターンA,Bのときに互いの重なりが最も少なくなるから、そのときの位相シフト量が用いられる。
また、位相制御器131−1,131−2において、例えば、送信アンテナ12−1と送信アンテナ12−2との間隔dを無線周波数の1.5倍(d=1.5λ)とし、あるシンボルブロック期間Tでは、位相シフト量(φ,φ)=(3.13,0)が設定されるものとする。
図5(2)は、d=1.5λ、(φ,φ)=(3.13,0)のときの送信ビームパターンの組み合わせ例を説明する図であり、図5(1)におけるφ,φの値を切り替えたときの図である。円以外の実線は、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列aのビームパターンBを示しており、図5(1)に示した送信データ系列bのビームパターンB(破線)と同じである。また、円及び直線以外の破線は、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列bのビームパターンAを示しており、図5(1)に示した送信データ系列aのビームパターンA(実線)と同じである。
このように、MIMO送信装置102は、あるシンボルブロック期間Tにおいて、送信ビームパターン生成部13の位相制御器131−1が送信データ系列bの位相をシフトさせず、位相制御器131−2が送信データ系列aの位相を3.13シフトさせ、送信アンテナ12−1,12−2から、送信データ系列aの信号を図5(1)に示した実線のビームパターンAで送信し、送信データ系列bの信号を図5(1)に示した破線のビームパターンBで送信する。そして、MIMO送信装置102は、次のシンボルブロック期間Tになると、位相制御器131−1,131−2が異なる位相にそれぞれ切り替える。すなわち、MIMO送信装置102は、あるシンボルブロック期間Tにおいて、位相制御器131−1が送信データ系列bの位相を3.13シフトさせ、位相制御器131−2が送信データ系列aの位相をシフトさせず、送信アンテナ12−1,12−2から、送信データ系列aの信号を図5(2)に示した実線のビームパターンBで送信し、送信データ系列bの信号を図5(2)に示した破線のビームパターンAで送信する。そして、MIMO送信装置102は、図5(1)(2)に示したビームパターンA,Bで送信するように、位相制御器131−1において、予め設定された2つの位相シフト量(0及び3.13)を交互に切り替え、それと同じタイミングで、位相制御器131−2において、予め設定された2つの位相シフト量(3.13及び0)を交互に切り替える。
図6は、位相制御器131−1,131−2において、K=1のときの切り替え処理(伝搬チャネル推定用シンボルブロックの期間で、位相シフト量φ,φを異なる位相シフト量に切り替える処理)を説明する図である。具体的には、図6は、MIMO受信装置において、伝搬チャネル推定用シンボルブロックが2シンボルであり、MIMO送信装置102の位相制御器131−1,131−2において、位相シフト量φ,φを異なる位相シフト量に切り替える周期を、伝搬チャネル推定用シンボルブロックと同じ2シンボルとした場合を示している。
図6において、Tはシンボルブロックの切り替え単位(切り替え周期)を示しており、tはその番号である。また、Sn_iはシンボルを示している。nは、送信データ系列aのときに1、送信データ系列bのときに2である。iはシンボル番号である。
位相制御器131−1は、Tの期間において、直交変調部7−2から入力した送信データ系列bにおけるシンボル番号0の信号S2_0及びシンボル番号1の信号S2_1に対し、その位相をφ(=3.13)だけシフトする。そして、加算器132−1は、送信データ系列aにおけるシンボル番号0の信号S1_0及びシンボル番号1の信号S1_1と、φ(=3.13)だけ位相がシフトした送信データ系列bにおけるシンボル番号0の信号S2_0及びシンボル番号1の信号S2_1とを合成する。また、位相制御器131−2は、Tの期間において、直交変調部7−1から入力した送信データ系列aにおけるシンボル番号0の信号S1_0及びシンボル番号1の信号S1_1に対し、その位相をφ(=0)だけシフトする(シフトしない)。そして、加算器132−2は、送信データ系列bにおけるシンボル番号0の信号S2_0及びシンボル番号1の信号S2_1と、φ(=0)だけ位相がシフトした(シフトしていない)送信データ系列aにおけるシンボル番号0の信号S1_0及びシンボル番号1の信号S1_1とを合成する。これにより、送信データ系列aにおけるシンボル番号0の信号S1_0及びシンボル番号1の信号S1_1は、図5(1)の実線で示したビームパターンAで送信され、送信データ系列bにおけるシンボル番号0の信号S2_0及びシンボル番号1の信号S2_1は、図5(1)の破線で示したビームパターンBで送信される。
そして、位相制御器131−1は、Tの期間において、直交変調部7−2から入力した送信データ系列bにおけるシンボル番号2の信号S2_2及びシンボル番号3の信号S2_3に対し、その位相をφ(=0)だけシフトする(シフトしない)。そして、加算器132−1は、送信データ系列aにおけるシンボル番号2の信号S1_2及びシンボル番号3の信号S1_3と、φ(=0)だけ位相がシフトした(シフトしていない)送信データ系列bにおけるシンボル番号2の信号S2_2及びシンボル番号3の信号S2_3とを合成する。また、位相制御器131−2は、Tの期間において、直交変調部7−1から入力した送信データ系列aにおけるシンボル番号2の信号S1_2及びシンボル番号3の信号S1_3に対し、その位相をφ(=3.13)だけシフトする。そして、加算器132−2は、送信データ系列bにおけるシンボル番号2の信号S2_2及びシンボル番号3の信号S2_3と、φ(=3.13)だけ位相がシフトした送信データ系列aにおけるシンボル番号2の信号S1_2及びシンボル番号3の信号S1_3とを合成する。これにより、送信データ系列aにおけるシンボル番号2の信号S1_2及びシンボル番号3の信号S1_3は、図5(2)の実線で示したビームパターンBで送信され、送信データ系列bにおけるシンボル番号2の信号S2_2及びシンボル番号3の信号S2_3は、図5(2)の破線で示したビームパターンAで送信される。Tの期間以降のシンボルブロック期間については、図5(1)(2)に示すようなビームパターンが繰り返される。
このように、位相制御器131−1は、B×K=2×1=2シンボルのシンボルブロック毎に、送信データ系列bの位相をφ(=3.13,0)に交互に切り替える。また、位相制御器131−2は、B×K=2×1=2シンボルのシンボルブロック毎に、送信データ系列aの位相をφ(=0,3.13)に交互に切り替える。
尚、MIMO受信装置は、MIMO送信装置102の送信アンテナ12−1,12−2から送信された合成信号S,Sを受信し、OFDMフレームの先頭シンボルを基準にして、シンボルブロック単位で、チャネル推定、ウェイト演算、信号分離及び検出の各処理を行う。
以上のように、実施例2によるMIMO送信装置102によれば、送信ビームパターン生成部13が、伝搬チャネルの変動または不連続性がない伝搬チャネル推定用シンボルブロックの期間を整数倍したシンボルブロック期間(B×K)の周期で、入力した送信データ系列a,bの位相をシフトし、送信データ系列aと位相シフトした送信データ系列bとを合成すると共に、送信データ系列bと位相シフトした送信データ系列aとを合成するようにした。そして、送信データ系列a,bの位相シフト量をそれぞれ切り替えることにより、送信データ系列aのビームパターンと送信データ系列bのビームパターンとの重なりが最少になるように、合成した信号(合成信号S,S)を送信アンテナ12−1,12−2から送信するようにした。これにより、送信アンテナ12−1,12−2からそれぞれ送信された合成信号S,Sが空間領域において多重された信号となる。MIMO受信装置は、このような多重信号を受信し、誤り訂正後の信号を用いて干渉レプリカを生成し、その干渉レプリカによる干渉成分のキャンセルと誤り訂正の復号とを並列に繰り返して行うIDD方式によって、送信データ系列a,bを分離及び検出する。
これにより、合成信号S,Sを送信するMIMO送信装置102の送信アンテナ12−1,12−2間の出力電力の違い、送信アンテナ12−1,12−2自体の特性の違い、または伝搬経路の違いがあったとしても、送信アンテナ12−1,12−2から合成信号S,Sが送信され、送信データ系列a,bの重なりが最少のビームパターンに交互に切り替えられるから、これらの違いは、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列aの信号及び送信データ系列bの信号に対して同じように反映されることになる。つまり、MIMO受信装置が受信する送信データ系列aの信号と送信データ系列bの信号との間で、伝搬チャネル推定用シンボルブロックの期間を整数倍したシンボルブロックの期間、すなわち、送信データ系列a,bの位相をシフトする期間において、その受信品質の差は存在するが、送信データ系列a, bの位相をシフトする期間に比べて十分長い期間をLDPC符号の1ブロックとする場合、この1ブロックの期間の平均的な受信品質の差をなくすことができる。また、図5(1)(2)に示したように、送信データ系列aの指向性利得が大きい値となる方向と送信データ系列bの指向性利得が大きい値となる方向とが異なって、送信データ系列aの放射方向と送信データ系列bの放射方向とが異なるから、MIMO受信装置の受信アンテナである受信点まで到達する送信データ系列a,bの伝搬経路の違いをもたらすことになる。つまり、送信データ系列a,bにおける伝搬経路の相関を小さくすることができる。したがって、MIMO受信装置においてIDD方式による分離及び検出を容易にし、IDD方式の復号性能を向上させることができる。
すなわち、実施例2によるMIMO送信装置102によれば、複数の送信アンテナ12−1,12−2を用いて空間多重伝送を行う場合、送信データ系列a,bに対応する出力電力、アンテナ特性及び伝搬経路の違いがある場合でも、MIMO受信装置において分離及び検出される送信データ系列a,bの受信品質、すなわち平均BERを等しくすることができ、IDD方式の復号性能を向上させることができる。また、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列a,bの伝搬経路が高頻度に切り替えられるから、空間インタリーブ効果により誤り訂正の符号化利得を向上させることができる。さらに、互いにできるだけ重なりの少ないビームパターンで送信データ系列a,bを送信することで、送信データ系列a,bにおける伝搬経路間の相関が低下するから、送信データ系列a,bの分離及び検出性能を一層向上させることができる。
すなわち、実施例2によるMIMO送信装置102によれば、複数の送信アンテナ12−1,12−2を用いて空間多重伝送を行う場合、送信データ系列a,bに対応する出力電力、アンテナ特性及び伝搬経路の違いがある場合でも、MIMO受信装置において分離及び検出される送信データ系列a,bの受信品質、すなわちBERを等しくすることができ、IDD方式の復号性能を向上させることができる。また、送信アンテナ12−1,12−2から送信される送信データ系列a,bの伝搬経路が高頻度に切り替えられるから、インタリーブ効果により誤り訂正の符号化利得を向上させることができる。さらに、送信データ系列a,bにおける伝搬経路間の相関が低下するから、送信データ系列a,bの分離及び検出性能を一層向上させることができる。
尚、ここでは、2つのビームパターンA,Bを切り替える手法について具体例を挙げて説明したが、4つのビームパターンを切り替えるようにしてもよい。例えば、ビームパターンA,B,C,Dを切り替える場合、送信ビームパターン生成部13の位相制御器131−1,131−2において、それぞれのビームパターンに対応する位相シフト量p,q,r,sを予め設定しておく。そして、Tの期間において、位相制御器131−1が送信データ系列bの位相シフト量qを用いて処理を行い、位相制御器131−2が送信データ系列aの位相シフト量pを用いて処理を行い、送信データ系列aをビームパターンAで送信し、送信データ系列bをビームパターンBで送信する。そして、Tの期間において、位相制御器131−1が送信データ系列bの位相シフト量pを用いて処理を行い、位相制御器131−2が送信データ系列aの位相シフト量qを用いて処理を行い、送信データ系列aをビームパターンBで送信し、送信データ系列bをビームパターンAで送信する。
そして、Tの期間において、位相制御器131−1が送信データ系列bの位相シフト量sを用いて処理を行い、位相制御器131−2が送信データ系列aの位相シフト量rを用いて処理を行い、送信データ系列aをビームパターンCで送信し、送信データ系列bをビームパターンDで送信する。そして、Tの期間において、位相制御器131−1が送信データ系列bの位相シフト量rを用いて処理を行い、位相制御器131−2が送信データ系列aの位相シフト量sを用いて処理を行い、送信データ系列aをビームパターンDで送信し、送信データ系列bをビームパターンCで送信する。すなわち、T〜T期間において、送信データ系列aのビームパターン及び送信データ系列bのビームパターンを、(A,B)→(B,A)→(C,D)→(D,C)に切り替える。そして、これらの順番を繰り返す。
また、MIMO送信装置102は、最初に、2つのビームパターンの切り替えを行う処理を行い、手動にてまたは所定の時間後に自動的に、4つのビームパターンの切り替えを行う処理に変更するようにしてもよい。具体的には、送信ビームパターン生成部13の位相制御器131−1,131−2は、切り替えを行う位相シフト量φとして使用する値の数を、2から4に変更し、位相シフト量φとして使用する値の数も、2から4に変更する。
(実験結果)
図7は、実際の市街地において移動伝送を行った場合の野外実験結果を示す図である。図7(1)は、水平面内無指向性の各送信アンテナ12−1,12−2からそれぞれの送信データ系列a,bを一様に送信した場合の実験結果、すなわち、位相シフトを行わず、ビームパターンの切り替えを行わない場合の実験結果である。図7(2)は、MIMO送信装置102において実施例2により位相シフトを行い、ビームパターンの切り替えを行った場合の実験結果である。縦軸が、MIMO受信装置において測定した平均BERであり、横軸が時間である。
図7(1)から、ビームパターンの切り替えを行わない場合は、送信データ系列a,b間に受信品質の差が生じていることがわかる。一方、図7(2)から、実施例2によりビームパターンの切り替えを行う場合は、移動環境であっても送信データ系列a,b間に受信品質の差はなく、常に等しい受信品質が保たれていることがわかる。
図8は、LDPC符号及びMMSEアルゴリズムを用いたIDD方式の実験結果を比較する図である。図8(1)は、時間インタリーブの処理がなく、ビームパターンの切り替えも行わない場合の実験結果である。図8(2)は、本出願の出願時に未公開の特許出願(特願2008−203529号公報)に記載された時間インタリーブの処理があり、ビームパターンの切り替えを行わない場合の実験結果である。図8(3)は、前記時間インタリーブの処理があり、MIMO送信装置102において実施例2によるビームパターンの切り替えを行った場合の実験結果である。縦軸が、MIMO受信装置において測定したBERであり、横軸がサンプルフレームの番号である。また、バツ印は、MIMO受信装置において、MMSEの空間フィルタリングアルゴリズムを用いてウェイトベクトルを算出し、このウェイトベクトルを用いて送信データ系列a,bを分離した後のBERであって、LDPCによる誤り訂正がされていない状態のBERを示している。三角印は、ウェイトベクトルを用いて送信データ系列a,bを分離し、LDPCによる誤り訂正を1回行った後のBERを示している。丸印は、ウェイトベクトルを用いて送信データ系列a,bを分離し、LDPCによる誤り訂正を3回行った後のBERを示している。
図8(3)から、時間インタリーブの処理があり、実施例2によるビームパターンの切り替えを行った場合は、図8(2)に比べ、BERが改善される方向(下方向)に丸印が分布していることがわかる。つまり、LDPCによる誤り訂正を1回行った後のBERが2×10−3から2×10−2までのサンプルだけを抽出し、これらのサンプルがIDD方式によってどの程度改善されるかに着目すると、図8(3)が最も改善効果が得られている。
以上、実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施例1,2では、2つの送信データ系列a,bに対して2系統の処理部により2つの送信アンテナ10−1,10−2または送信アンテナ12−1,12−2から信号を送信するようにしたが、本発明は、送信データ系列、処理系統、送信アンテナの数を限定するものではない。
1 LDPC符号化部
2 インタリーブ部
3 マッピング部
4 OFDMフレーム構成部
5 IFFT部
6 GI付加部
7 直交変調部
8 D/A変換部
9 周波数変換部
10,12 送信アンテナ
11 データ系列切り替え部
13 送信ビームパターン生成部
101,102 MIMO送信装置
131 位相制御器
132 加算器

Claims (3)

  1. 送信データ系列の信号を、誤り訂正符号により符号化してインタリーブし、直交変調して送信アンテナから送信する系統を複数備えたMIMO送信装置と、空間多重された送信データ系列の信号を複数の受信アンテナを介して受信し、前記受信した信号を復調し、デインタリーブして誤り訂正復号を行うMIMO受信装置とにより構成されるMIMO伝送システムの下で、前記送信データ系列の分離及び検出を、誤り訂正復号と共に繰り返すIDD方式を採用する前記MIMO受信装置に対して送信を行う前記MIMO送信装置において、
    複数の送信データ系列の信号を、所定の符号化により誤り訂正符号を行う符号化部と、
    前記誤り訂正符号が行われた複数の送信データ系列の信号に、所定の単位でインタリーブを行うインタリーブ部と、
    前記インタリーブされた複数の送信データ系列の信号を、キャリア変調のコンスタレーション配置上にマッピングするマッピング部と、
    前記マッピングされた複数の送信データ系列の信号にパイロット信号を挿入し、OFDMフレームを構成するOFDMフレーム構成部と、
    前記OFDMフレームが構成された複数の送信データ系列の信号にIFFTを行い、時間軸データに変換するIFFT部と、
    前記時間軸データに変換された複数の送信データ系列の信号にGIを付加するGI付加部と、
    GIが付加された複数の送信データ系列の信号に直交変調を行う直交変調部と、
    前記直交変調された複数の送信データ系列の信号を入力し、複数のシンボル期間である所定のシンボルブロック期間毎に、前記送信データ系列の位相を異なる位相に切り替え、前記入力した送信データ系列の信号と、異なる位相に切り替えた他の送信データ系列の信号とを合成し、前記合成した送信データ系列の信号を合成信号として、前記入力した送信データ系列の系統毎に出力する送信ビームパターン生成部と、
    前記送信ビームパターン生成部により出力された複数の合成信号であるデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
    前記アナログ信号に変換された複数の合成信号における周波数を無線周波数に変換する周波数変換部と、
    前記無線周波数に変換された複数の合成信号を送信する送信アンテナと、を備え、
    前記送信ビームパターン生成部は、前記送信アンテナによって、前記送信データ系列の信号が他の送信データ系列の信号とは異なるビームパターンで送信されるように、前記送信データ系列の位相を、予め設定された異なる位相に切り替える、ことを特徴とするMIMO送信装置。
  2. 請求項に記載のMIMO送信装置において、
    前記送信ビームパターン生成部は、前記送信アンテナによって、前記送信データ系列の信号が、他の送信データ系列の信号との間で前記送信アンテナの水平面内全方向にわたる指向性利得の差の積分が最大となるビームパターンで送信されるように、前記送信データ系列の位相を、予め設定された異なる位相に切り替える、ことを特徴とするMIMO送信装置。
  3. 請求項に記載のMIMO送信装置において、
    前記送信ビームパターン生成部が送信データ系列の位相を異なる位相に切り替えるタイミングを示す前記所定のシンボルブロック期間を、MIMO受信装置が伝搬チャネルを推定するために必要なシンボル期間を整数倍した期間とする、ことを特徴とするMIMO送信装置。
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