JP2019201404A - 制御信号符号化器、制御信号復号器、送信装置及び受信装置 - Google Patents

制御信号符号化器、制御信号復号器、送信装置及び受信装置 Download PDF

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Hiroaki Miyasaka
宏明 宮坂
拓也 蔀
Takuya Shitomi
拓也 蔀
佐藤 明彦
Akihiko Sato
明彦 佐藤
朝倉慎悟
Shingo Asakura
慎悟 朝倉
円香 本田
Madoka Honda
円香 本田
知明 竹内
Tomoaki Takeuchi
知明 竹内
規之 白井
Noriyuki Shirai
規之 白井
悠喜 山上
Yuki Yamagami
悠喜 山上
朋也 井地口
Tomoya Ijiguchi
朋也 井地口
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Kenichi Murayama
研一 村山
正寛 岡野
Masahiro Okano
正寛 岡野
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Kenichi Tsuchida
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Abstract

【課題】データ信号の伝送特性よりも低い所要C/Nとなる制御信号の伝送を可能とし、且つ時間変動のある伝送路に対して耐性を有する、次世代地上デジタル放送における制御信号符号化器、制御信号復号器、送信装置及び受信装置を提供する。【解決手段】本発明の制御信号符号化器15は、制御信号に対し所定の差動周波数空間符号化(SFC)処理を施すことにより、OFDMフレーム内で同一シンボルの2本一対の近接した制御信号のキャリアで1ブロックとし異なる2系統のブロックの符号化信号を生成する差動SFC処理部153を備える。本発明の制御信号復号器27は、OFDM信号から当該差動SFC処理が施された制御信号のキャリアを抽出するキャリア抽出部271a,271bと、抽出した制御信号のキャリアのシンボルを基に、当該SFC処理に対応する差動SFC復号処理を施す差動周波数空間復号処理部272a,272bと、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式の次世代地上デジタル放送の技術に関し、特に、次世代地上デジタル放送における制御信号符号化器、制御信号復号器、送信装置及び受信装置に関する。
現在の地上デジタル放送(ISDB−T:Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)は、伝送パラメータの異なる複数の階層のデータ信号を同時に伝送する階層伝送が可能である。各階層の変調方式等のパラメータに関する伝送制御情報はTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号によって伝送される。
TMCC信号は、マルチパスによる伝送路特性の周期的なディップの影響を軽減するために、周波数(キャリア)方向にランダムに配置され、現在の地上デジタル放送(ISDB−T)におけるMODE3では1セグメント当たり4本のキャリアがTMCC信号として割り当てられている。
現在の地上デジタル放送(ISDB−T)ではTMCC信号の受信耐性を強めるために、TMCC信号のキャリア振幅値をデータ信号のキャリア振幅値の4/3倍としている。変調方式にはDBPSKを採用することで伝送路情報不要で容易に復号することができる。また誤り訂正符号には差集合巡回符号(273,191)の短縮符号(184,102)が用いられている。
TMCC信号は送信側から複数のキャリアで伝送されるため、受信側では、複数のキャリアで伝送されるTMCC信号をアナログ加算することで所要C/Nを下げ、受信性能を向上させることができる。
現在の地上デジタル放送(ISDB−T)では上記の様な誤り訂正符号や加算技術により、TMCC信号はデータ信号よりも小さな所要C/Nで受信可能となっている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、次世代地上デジタル放送の伝送方式としては、1つの送信アンテナ及び1つの受信アンテナを用いてデータ信号の伝送を行うSISO(Single Input Single Output)伝送方式だけでなく、複数の送信アンテナ及び複数の受信アンテナを用いてデータ信号の伝送を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送方式や、複数の送信アンテナ及び1つの受信アンテナを用いてデータ信号の伝送を行うMISO(Multiple Input Single Output)方式の利用形態が検討されている。
特に、異なる2つの偏波(例えば水平、垂直)によりデータ信号の伝送を行う偏波MIMO伝送方式が知られている(例えば、非特許文献2参照)。偏波MIMO伝送方式は、送信側と受信側の双方で、異なる2つの偏波(例えば水平、垂直)の信号を分離可能とするアンテナを使用し、当該異なる2つの偏波を同時に使用してデータ信号の伝送を行う伝送システムであり、当該異なる2つの偏波の信号について同一周波数帯域を使用できるため、周波数利用効率として優れたものとなる。
そして、次世代地上デジタル放送の伝送方式では、強力な誤り訂正符号であるLDPC符号とBCH符号との連接符号の使用が検討されており、送信ダイバーシティ方式(MIMO,MISO)により、現在の地上デジタル放送(ISDB−T)よりも受信耐性の向上が見込まれている。
また、現在の地上デジタル放送(ISDB−T)では、同期変調によるデータ信号のシンボルの復調基準信号としてSP(Scattered Pilot)シンボルが予め定められた配置パターンでOFDMフレームに挿入され、このSPシンボルの配置パターンに関してTMCC信号を用いて伝送する仕組みとはなっていないが、次世代地上デジタル放送では当該SPシンボルの配置パターンを可変とし、TMCC信号を用いて伝送することが検討されている。
ところで、MIMO伝送方式には、複数の送信アンテナへ別々のデータ信号を割り当てて送信することで伝送容量を拡大する空間多重(SDM:Space Division Multiplexing)による伝送形式と、複数の送信アンテナから異なる符号化を施した同じデータ信号を送信することで伝送耐性を向上させる時空間符号化(STC:Space-Time Coding)による伝送形式がある。
次世代地上放送の伝送方式には、強力な誤り訂正符号であるLDPCの使用や、STCによる送信ダイバーシティ効果により、従来よりも大きな受信耐性の向上が見込まれている。そのため、次世代地上放送は従来よりも小さな所要C/Nで受信することが想定される。
一方で、次世代地上放送の伝送方式においてもTMCC信号はデータ伝送より強い受信耐性を持つ必要がある。データ伝送特性の低C/N化に伴い、TMCCについても低C/N化することが重要となる。
そこで、伝送制御情報を示すTMCC信号、及びデータ信号の伝送に係る付加情報を示すAC(Auxiliary Channel)信号のような制御信号について、差動STC符号化を行い(例えば、非特許文献3参照)、これらの制御信号の伝送の受信耐性の強化、及び低C/N化する技法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−225117号公報
"地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式 標準規格 ARIB STD-B31 2.2版"、平成26年3月18日改定、一般社団法人 電波産業会(ARIB) 村山研一、「スーパーハイビジョン放送に向けた次世代地上大容量伝送技術」、NHK技研R&D、No.134、2012.7 梅田周作、「QAM信号を一次変調に用いた差動時空間符号化方式の検討」、信学技報、RCS2013-199、2013.11
特許文献1には、伝送制御情報を示すTMCC信号、及びデータ信号の伝送に係る付加情報を示すAC信号のような制御信号について、差動STC符号化を行う技法が開示されているが、差動STC符号化ブロックは時間方向の2シンボル間に渡り生成される。この復号には2つの差動STC符号化ブロックを用いるため、4シンボルに跨るデータを用いて復号することになる。
つまり、4シンボルに跨るデータは、時間方向にまたがる4シンボルの伝送路応答が同じとみなして復号される。即ち、4シンボルの伝送路応答の差が生じると、誤り率の増加につながる。そのため、時間変動のある伝送路では、受信特性劣化の要因となる。
ところで、現行のISDB−Tでは、DBPSKによる差動変調がシンボル方向に行われるため、2シンボルに跨るデータを用いて復号している。これに対し、特許文献1の技法では、上述の通り、差動STC符号化を用いた復号は4シンボルに跨るため、ISDB−Tの2倍のシンボルが必要となり、時間変動の伝送路による受信特性劣化の影響を受けやすくなる。
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、データ信号の伝送特性よりも低い所要C/Nとなる制御信号の伝送を可能とし、且つ時間変動のある伝送路に対して耐性を有する、次世代地上デジタル放送における制御信号符号化器、制御信号復号器、送信装置及び受信装置を提供することにある。
本発明における送信装置における制御信号符号化器は、差動SFC(SFC:Space-Frequency Coding)符号化部を備えるように構成され、この差動SFC符号化部は、制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボルを周波数方向に隣接したキャリアに配置する。即ち、従来の特許文献1の技法では1つの差動SFC符号化ブロックを2つの時間方向のシンボルに跨り配置していたが、本発明では、周波数方向に隣接する2つのキャリアに配置する。そのため、1つの差動SFC符号化ブロックは1つのシンボル内に割り当てるものとなる。
また、本発明における受信装置における制御信号復号器は、差動SFC復号部を備えるように構成され、この差動SFC復号部は、差動SFC符号化部で符号化された制御信号を復号する際に、時間方向の2シンボル間に跨る2つのSFC符号化ブロックを用いるため、従来の特許文献1の技法のように4シンボルに跨るものと比較して、時間変動のある伝送路の場合における受信特性劣化の影響を軽減できるようになる。
即ち、本発明の制御信号符号化器は、OFDM信号を送信する送信装置における制御信号を伝送用に符号化する制御信号符号化器であって、前記制御信号を入力する入力手段と、当該制御信号に対し所定の差動周波数空間符号化処理を施すことにより、OFDMフレーム内で同一シンボルの2本一対の近接した制御信号のキャリアで1ブロックとし、異なる2系統のブロックの符号化信号を生成する差動周波数空間符号化処理手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の制御信号符号化器において、前記差動周波数空間符号化処理手段は、OFDMフレーム内で同一シンボルの2本一対の隣接した制御信号のキャリアで1ブロックとする差動周波数空間符号化処理を施すことを特徴とする。
尚、本発明の制御信号符号化器において、前記差動周波数空間符号化処理手段は、OFDMフレーム内で同一シンボルの2本一対の隣接した制御信号のキャリアを1,2,4,8組のいずれかで構成することが好ましい。
また、本発明の制御信号符号化器において、前記差動周波数空間符号化処理手段は、当該制御信号に対し受信側で伝送路推定を不要とするように当該差動周波数空間符号化処理を施す構成が好ましい。
また、本発明の制御信号符号化器において、前記入力手段によって入力される制御信号に対し所定の誤り訂正符号化処理を施す誤り訂正符号化手段と、前記所定の誤り訂正符号化処理を施した制御信号に対しキャリア変調を施すキャリア変調手段とを更に備え、前記差動周波数空間符号化処理手段は、前記キャリア変調を施した制御信号に対し前記所定の差動周波数空間符号化処理を施す構成が好ましい。
また、本発明の制御信号符号化器において、前記制御信号は、伝送制御情報を含み、前記伝送制御情報は、OFDMフレームを構成するための階層情報、データ信号のキャリア情報、及び復号制御情報、少なくともSISO、MISO、及びMIMOのいずれの伝送方式が用いられているのかを受信側に識別させるための伝送方式の識別情報を含むことを特徴とする。
更に、本発明の制御信号復号器は、OFDM信号を受信する受信装置にて、本発明の制御信号符号化器によって生成された符号化信号として差動周波数空間符号化処理が施された制御信号を復号する制御信号復号器であって、前記OFDM信号から前記差動周波数空間符号化処理が施された制御信号のキャリアを抽出するキャリア抽出手段と、当該抽出した制御信号のキャリアのシンボルを基に、前記差動周波数空間符号化処理に対応する差動周波数空間復号処理を施す差動周波数空間復号処理手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の制御信号復号器において、前記差動周波数空間復号処理手段は、伝送路推定を不要とする当該差動周波数空間符号化処理に対応する復号処理を施すことを特徴とする。
また、本発明の制御信号復号器において、前記差動周波数空間復号処理手段は、前記差動周波数空間符号化処理による異なる2系統の符号化信号をそれぞれ復号し、前記差動周波数空間復号処理手段によって復号した異なる2系統の符号化信号をダイバーシティ合成する合成手段を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の制御信号復号器において、前記キャリア抽出手段によって抽出した制御信号の複数のキャリアを加算するキャリア加算手段、又は該複数のキャリアに対応する前記差動周波数空間復号処理後の信号について対数尤度比を基に加算するLLR加算手段を更に備えることを特徴とする。
更に、本発明の送信装置は、本発明の制御信号符号化器と、該制御信号符号化器によって生成した異なる2系統の符号化信号のうちいずれか一方又は双方を含むようOFDMフレームを構成するOFDMフレーム構成手段と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明の受信装置は、本発明の制御信号復号器と、前記制御信号復号器によって復号した当該制御信号に格納される伝送制御情報を基に、データ信号の復調及び復号処理を行うデータ信号処理手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記伝送制御情報は、OFDMフレームを構成するための階層情報、データ信号のキャリア情報、及び復号制御情報、少なくともSISO、MISO、及びMIMOのいずれの伝送方式が用いられているのかを受信側に識別させるための伝送方式の識別情報を含み、前記データ信号処理手段は、前記識別情報を基に当該伝送方式を識別し、データ信号の復調及び復号処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、次世代地上デジタル放送におけるTMCC信号又はAC信号の制御信号について、データ信号の伝送特性よりも低い所要C/Nとなる制御信号の伝送が可能となり、これに加えて、復号に必要な時間方向のシンボル数が少なくなるため、時間変動のある伝送路において、受信特性劣化の影響が軽減できる。
本発明による一実施形態の送信装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による一実施形態の送信装置における一実施例の制御信号符号化器の差動SFC符号化部周辺のブロック図である。 従来技法に基づく差動STC符号化部に係るTMCC信号のキャリア配置を示す図である。 本発明に係る差動SFC符号化部に係るTMCC信号のキャリア配置を示す図である。 本発明による一実施形態の受信装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による一実施形態の受信装置における一実施例の制御信号復号器の差動SFC復号部周辺のブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の送信装置10及び送信装置20について、詳細に説明する。
図1は、本発明による一実施形態の送信装置10の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本発明による一実施形態の送信装置10における一実施例の制御信号符号化器15の差動SFC符号化部153周辺のブロック図である。
(送信装置)
図1に示す送信装置10は、MISO,MIMOの伝送方式に利用可能な次世代地上デジタル放送における送信装置の概略構成を図示しているが、以下の説明では、主として偏波MIMO伝送方式を例に説明する。尚、図1に示す送信装置10は、特許文献1における送信装置と対比して、制御信号符号化器15が差動STC符号化部を備える代わりに、差動SFC符号化部153を備える点で相違している。
送信装置10は、誤り訂正符号化部11、キャリア変調部12、STC符号化部13、制御信号生成部14、制御信号符号化器15、OFDMフレーム構成部16a,16b、逆フーリエ変換(IFFT)部17a,17b、及びガードインターバル(GI)付加部18a,18bを備える。
誤り訂正符号化部11は、映像・音声等のデジタル形式のデータを入力し、LDPC符号及びBCH符号の連接符号を施して、キャリア変調部12に出力する。尚、誤り訂正符号化部11による誤り訂正符号化処理として、本例では、LDPC符号及びBCH符号を想定して説明するが、他の誤り訂正符号でもよい。
キャリア変調部12は、誤り訂正符号化されたデータに対し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や64QAM(quadrature amplitude modulation)等のキャリア変調を施し、STC符号化部13に出力する。
STC符号化部13は、キャリア変調後のデータ信号(データシンボル)に対し、Alamoutiにより提案されているようなブロック符号による時空間符号化(STC)処理を施し、STCにより符号化した同じデータ信号をOFDMフレーム構成部16a,16bへそれぞれ出力する。尚、本例では、データ信号の伝送にSTCによる伝送符号化処理を用いる例を説明するが、SDM(Space Division Multiplexing)のような伝送符号化処理を用いてもよい。
制御信号生成部14は、制御信号としてTMCC信号又はAC信号を生成する機能部であり、生成した制御信号(TMCC信号又はAC信号)を制御信号符号化器15に出力する。
TMCC信号には伝送制御情報が格納される。本例の伝送制御情報には、OFDMフレームを構成するための階層情報、キャリア変調部12に係るデータ信号のキャリア情報(SP情報や変調方式情報)、及び復号制御情報、少なくともSISO、MISO、及びMIMOのいずれの伝送方式が用いられているのかを受信側に識別させるための伝送方式の識別情報を含む。尚、次世代地上デジタル放送では、振幅・位相変調方式として多種類のキャリア変調を想定しているため、SPシンボルの配置パターンを可変とする。このため、SP情報は、当該可変とするSPシンボルの配置パターンの情報を示し、復号制御情報は、誤り訂正符号化部11による誤り訂正符号化処理に対応する符号化率情報やLLR情報を含む。
尚、AC信号を生成及び伝送のための制御信号生成部14及び制御信号符号化器15は、TMCC信号を生成及び伝送のための制御信号生成部14及び制御信号符号化器15と同様に並設される。AC信号は、データ信号の伝送に係る付加情報が格納される点でTMCC信号とは異なるが、基本的なデータ構成及びシンボル数は同じであり、TMCC信号及びAC信号のそれぞれの生成及び伝送に関して、同様な処理構成の制御信号符号化器15とすることができる。
制御信号符号化器15は、誤り訂正符号化部151、キャリア変調部152、及び差動SFC符号化部153を備える。
誤り訂正符号化部151は、制御信号生成部14によって生成された制御信号(TMCC信号又はAC信号)に対し、差集合巡回符号化処理による誤り訂正符号化処理を施し、キャリア変調部152へ出力する。尚、本例では、制御信号(TMCC信号又はAC信号)の誤り訂正符号化処理に差集合巡回符号化処理を用いる例を説明するが、LDPC符号やBCH符号、或いは2以上の誤り訂正符号化処理による連接符号とするなど、他の誤り訂正符号化処理としてもよい。
キャリア変調部152は、誤り訂正符号化処理を施した制御信号(TMCC信号又はAC信号)に対し、BPSKなどのキャリア変調を施し、差動SFC符号化部153へ出力する。
差動SFC符号化部153は、キャリア変調を施した制御信号(TMCC信号又はAC信号)に対し、伝送路推定を不要とする差動周波数空間符号化(差動SFC)処理を施し、後述するように異なる2系統(図示15a, 15b)の符号化信号を生成して、OFDMフレーム構成部16a,16bへそれぞれ出力する。
OFDMフレーム構成部16a,16b、逆フーリエ変換(IFFT)部17a,17b、及びガードインターバル(GI)付加部18a,18bは、それぞれ第1送信アンテナTx1を介してOFDMフレームの信号(OFDM信号)を送信する第1信号系統、及び第2送信アンテナTx2を介してOFDMフレームの信号(OFDM信号)を送信する第2信号系統として構成される。実際の送信装置10には、信号系統ごとにインターリーブ等の処理も含まれるが、ここでは割愛している。
OFDMフレーム構成部16a,16bは、それぞれSPシンボルや差動SFCが施された制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボルとともに、データ信号のシンボルについて、第1信号系統及び第2信号系統用にOFDMフレームを構成し、逆フーリエ変換(IFFT)部17a,17bにそれぞれ出力する。ここではデータが1階層の例を示しているが、階層伝送を行う場合、同様の処理が階層数分行われる。
逆フーリエ変換(IFFT)部17a,17bは、それぞれ第1信号系統及び第2信号系統用のOFDMフレームの信号に対し、それぞれ逆フーリエ変換処理を施してOFDM変調処理を行い、ガードインターバル(GI)付加部18a,18bへそれぞれ出力する。
ガードインターバル(GI)付加部18a,18bは、それぞれ第1信号系統及び第2信号系統用の逆フーリエ変換処理を施したOFDMフレームの信号に対し、それぞれガードインターバルを付加してOFDM信号を生成し、それぞれ第1送信アンテナTx1、及び第2送信アンテナTx2を介して外部に送信する。偏波MIMO伝送方式では、異なる2つの偏波(例えば水平、垂直)によりデータ信号の伝送を行うことができ、例えば第1送信アンテナTx1には水平偏波、2送信アンテナTx2には垂直偏波を用いて、それぞれの信号系統のOFDM信号を送信することができる。
(制御信号符号化器)
制御信号符号化器15は、上述したように、誤り訂正符号化部151、キャリア変調部152、及び差動SFC符号化部153を備え、誤り訂正符号化部151は、制御信号生成部14によって生成された制御信号(TMCC信号又はAC信号)に対し、差集合巡回符号化処理による誤り訂正符号化処理を施し、キャリア変調部152は、キャリア変調を施して差動SFC符号化部153に出力する。
ここで、図2を参照しながら、制御信号符号化器15における差動SFC符号化部153による伝送符号化処理として、伝送路推定を不要とする差動周波数空間符号化(差動SFC)処理についてより詳細に説明する。
図2は、本発明による第1実施形態の伝送システムにおける一実施例の制御信号符号化器15の差動SFC符号化部153周辺のブロック図である。差動SFC符号化部153は、差動シンボル生成部1531、遅延部1532、及びSFC符号化部1533からなる。また、式(1)は、伝送路推定を不要とする差動周波数空間符号化(差動SFC)の符号化処理による変換行列を示している。
ただし、Si,kはキャリア変調部152によってキャリア変調が施されたTMCC信号のシンボル(原シンボル)を表し、Ui,kは差動シンボルを示す。また、添え字のiは処理対象のブロック番号、添え字のkは2種類の信号を示し、* は複素共役を表す。差動SFC符号化部153は、式(1)より、第iブロックの差動シンボルのブロックに対して、第i−1ブロックの差動シンボルのブロックを用いて差動符号化を行う。処理対象となる各ブロックを( )で表すと、キャリア変調部152によってキャリア変調が施された制御信号(TMCC信号又はAC信号)の2つのシンボル(Si,1i,2)毎に、差動シンボル生成部1531により、式(1)に基づいて、1つの差動シンボルのブロック(Ui,1i,2)に変換される。
(Ui−1,1i−1,2)は、遅延部1532によって遅延させた1つ前の差動シンボルのブロックを示している。そして、差動シンボルのブロック(Ui,1i,2)は、制御信号(TMCC信号又はAC信号)の隣接キャリアに割り当てるように生成され、1つのSFC符号化された伝送符号信号となる。
即ち、本発明に係る制御信号符号化器15が備える差動SFC符号化部153は、特許文献1に開示される制御信号符号化器のものとは異なり、1つの差動シンボルのブロック(Ui,1i,2)を、隣接キャリアに割り当てるように生成する。
また、差動シンボル生成部1531により生成された差動シンボルのブロック(Ui,1i,2)は、SFC符号化部1533により、差動SFC符号化処理が施され、異なる2系統の符号化信号(Ui,1i,2)及び(−U i,2 i,1)として生成される。尚、この差動SFC符号化処理による異なる2系統の符号化信号の生成自体は、キャリアの割り当てが異なるのみで差動STC符号化処理と同様であり非特許文献3を参照されたい。つまり、1つの差動シンボルのブロック(−U i,2 i,1)についても、特許文献1に開示される制御信号符号化器のものとは異なり、隣接キャリアに割り当てるように生成される。
ここで、図3及び図4を参照して、従来技法(特許文献1)に基づく差動STC符号化部に係るTMCC信号のキャリア配置と、本発明に係る差動SFC符号化部に係るTMCC信号のキャリア配置とを対比して、その相違点を説明する。
まず、図3は、従来技法(特許文献1)に基づく差動STC符号化部に係るTMCC信号のキャリア配置を示す図である。図3では、4本のTMCC信号のキャリア♯1〜♯4がある場合を例示しており、差動STC符号化されたTMCC信号の差動シンボルのブロック(Ui,1i,2)及び(−U i,2 i,1)は、それぞれ水平偏波及び垂直偏波で伝送するOFDMフレームにおいて、シンボル方向に配置される。差動STC符号化は2つの変調シンボル毎に施されるため、1つの差動STC符号化ブロックは時間方向の2シンボル間に跨り配置される。復号には、2つの差動STC符号化ブロックが必要であるため、この場合、4シンボル間に跨った信号を利用することになる。この4シンボルの間に伝送路の変動がある場合、受信特性劣化の要因となる。尚、各TMCC信号として同じ情報を伝送することで、受信側でキャリアダイバーシティの効果を得ることができる。即ち、本例では4本のキャリアダイバーシティが可能である。
一方、図4は、本発明に係る差動SFC符号化部153に係るTMCC信号のキャリア配置を示す図である。図4においても、4本のTMCC信号のキャリア♯1〜♯4がある場合を例示しており、本発明に係る差動SFC符号化部153は、差動STC符号化したTMCC信号の差動シンボルのブロック(Ui,1i,2)及び(−U i,2 i,1)を、それぞれ水平偏波及び垂直偏波で伝送するOFDMフレームにおいて、同一シンボルの隣接したTMCC信号のキャリア♯1,♯2、並びに♯3,♯4に配置する。これにより、復号に用いる2つの差動SFC符号化ブロックは時間方向の2シンボルに跨るのみとなるため、図3に示す構成に比べて、伝送路の時間変動の影響を受ける時間は半分となり、劣化の影響を軽減できるようになる。
図4に示す構成では差動SFC符号化ブロック内の信号が周波数方向に跨ることになるため、隣接したキャリアを用いることで、それぞれの伝送路応答の差異を小さくしている。尚、本例においても、各TMCC信号として同じ情報を伝送することで、受信側でキャリアダイバーシティの効果を得ることができる。即ち、本例では4本のキャリアダイバーシティが可能である。
ところで、図4に示す構成において、近接キャリア(好適には隣接したキャリア)を用いることから、OFDMフレームにおいて、図示するように制御信号(TMCC信号又はAC信号)のキャリア♯1〜♯4のうち同一シンボルの2本一対の隣接したキャリアで2組を割り当てたキャリア配置とすること以外にも、制御信号(TMCC信号又はAC信号)のキャリア♯1,♯2のみとし同一シンボルの2本一対の隣接したキャリアで1組のみを割り当てたキャリア配置とすることや、同一シンボルの2本一対の隣接したキャリアで4組を、或いは同一シンボルの2本一対の隣接したキャリアで8組を割り当てたキャリア配置とすることができる。このように、OFDMフレーム内で同一シンボルの2本一対の隣接した制御信号のキャリアを1,2,4,8組のいずれかで構成し、このように予め定めた組数で構成することで、少ない組数時の処理負担の軽減と、比較的多い組数時の高いダイバーシティ効果との選択が容易に可能となる。
このようにして、差動SFC符号化部153は、異なる2系統(図示15a, 15b)の制御信号(TMCC信号又はAC信号)に関する符号化信号を生成して、OFDMフレーム構成部16a,16bへそれぞれ出力する。
従って、制御信号(TMCC信号又はAC信号)が異なる2系統の符号化信号として、第1信号系統及び第2信号系統用のOFDMフレームを構成するのにそれぞれ用いられるため、送信ダイバーシティ効果が見込まれ、受信側における受信耐性の向上が可能となり、これに加えて時間変動のある伝送路において受信特性劣化の影響を軽減させることができる。
(受信装置)
次に、図5を参照して受信装置20について説明する。図5は、本発明による一実施形態の受信装置20の概略構成を示すブロック図である。尚、図5に示す受信装置20は、特許文献1における受信装置と対比して、制御信号復号器27が差動STC復号部を備える代わりに、差動SFC復号部272a,272bを備える点で相違している。
図5に示す受信装置20は、MIMOの伝送方式に利用可能な次世代地上デジタル放送における受信装置の概略構成を図示しており、受信アンテナを2本としたMIMOを想定した場合である。ここでは、特に、受信装置20は、図1に示す送信装置10の2本の送信アンテナ(第1送信アンテナTx1及び第2送信アンテナTx2)から送信される異なる2偏波(水平偏波、垂直偏波)のOFDM信号を受信する偏波MIMO伝送方式を例に説明する。尚、受信アンテナを1本としてMISO伝送方式の受信装置として構成することもできる。MISO伝送方式は、図3に示す2本の受信アンテナ(第1受信アンテナRx1及び第2受信アンテナRx2)のうち、いずれか一方のみの信号系統を構成することでも実現可能である。
受信装置20は、ガードインターバル(GI)除去部21a,21b、フーリエ変換(FFT)部22a,22b、データ信号キャリア抽出部23、伝送路推定部24、STC復号部25、誤り訂正復号部26、及び制御信号復号器27を備える。
ガードインターバル(GI)除去部21a,21bは、2本の受信アンテナ(第1受信アンテナRx1及び第2受信アンテナRx2)によってそれぞれ個別に受信した異なる2偏波(水平偏波、垂直偏波)のOFDM信号について、それぞれガードインターバルを除去してフーリエ変換(FFT)部22a,22bに出力する。ガードインターバル(GI)除去部21a,21b及びフーリエ変換(FFT)部22a,22bは、それぞれ第1受信アンテナRx1を介して受信したOFDM信号を処理する第1信号系統、及び第2受信アンテナRx2を介して受信したOFDM信号を処理する第2信号系統として構成される。
フーリエ変換(FFT)部22a,22bは、それぞれガードインターバルを除去した第1信号系統及び第2信号系統のOFDM信号に対し、それぞれフーリエ変換処理を施してOFDM復調処理を行い、データ信号キャリア抽出部23及び制御信号復号器27に出力する。
ここで、データ信号のキャリア復調・復号処理に先立って、制御信号復号器27により、制御信号(TMCC信号又はAC信号)のキャリア復調・復号処理を行う。
制御信号復号器27は、制御信号キャリア抽出部271a,271b、差動SFC復号部272a,272b、合成部273、及び誤り訂正復号部274を備える。
制御信号キャリア抽出部271a,271bは、送信側の変調処理(本例ではDBPSK)に対応して制御信号(TMCC信号又はAC信号)のキャリアを抽出する機能部であり、前述したフーリエ変換(FFT)部22a,22bによって、それぞれフーリエ変換処理を施した第1信号系統及び第2信号系統のOFDM信号に対し、それぞれ制御信号(TMCC信号又はAC信号)のキャリアを抽出し、得られる制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボルについて差動SFCの符号化処理が施された符号化信号を、差動SFC復号部272a,272bに出力する。
即ち、第1信号系統及び第2信号系統のOFDM信号には、2つの信号系統のデータ信号のSTC符号化による符号化信号と、当該2つの信号系統のTMCC信号の差動SFC符号化による符号化信号が搬送されているため、制御信号キャリア抽出部271a,271bは、それぞれの信号系統(図示27a,27b)の制御信号(TMCC信号又はAC信号)のキャリアを抽出して復調し、得られる符号化信号を差動SFC復号部272a,272bへそれぞれ出力する。
制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボルについて差動SFCの符号化処理が施された符号化信号は、送信側の差動SFC符号化部153によって、2シンボル毎のブロックとなっている。このため、差動SFC復号部272a,272bは、制御信号キャリア抽出部271a,271bによりそれぞれの信号系統で抽出されたTMCC信号に関する符号化信号について、このブロック単位で差動SFCの復号処理を行う。
ここで、図6を参照しながら、差動SFC復号部272a,272bによる差動SFCの復号処理を説明する。図6は、本発明による一実施形態の受信装置20における一実施例の制御信号復号器27の差動SFC復号部272a,272b周辺のブロック図である。また、式(2)は、伝送路推定を不要とする差動周波数空間符号化(差動SFC)の復号処理による変換行列を示している。
まず、差動SFC復号部272aには、制御信号キャリア抽出部271aから、受信アンテナRx1経由の第1信号系統(図示27a)の制御信号シンボル(より正確には、制御信号のシンボルについて差動SFCの符号化処理が施された符号化信号)が入力される。同時に、差動SFC復号部272bには、制御信号キャリア抽出部271bから、受信アンテナRx2経由の第2信号系統(図示27b)の制御信号シンボル(より正確には、制御信号のシンボルについて差動SFCの符号化処理が施された符号化信号)が入力される。
差動SFC復号部272a,272bは、それぞれ同一の構成要素からなり、差動SFC復号部272aは、SFC復号部2721a及び遅延部2722aを備える。また、差動SFC復号部272bは、SFC復号部2721b及び遅延部2722bを備える。
遅延部2722a,2722bは、それぞれ1ブロック前の制御信号(TMCC信号又はAC信号)の符号化信号を一時記憶し、処理対象のブロック(現ブロック)に対し1ブロック分遅延させる遅延バッファとして構成される。
SFC復号部2721a,2721bは、それぞれ対応する遅延部2722a,2722bから得られる直前ブロックと、制御信号キャリア抽出部271a,271bからそれぞれ得られる現ブロックの2ブロックにわたって制御信号(TMCC信号又はAC信号)の符号化信号を用いてSFCの復号処理を行う。
より具体的には、SFC復号部2721aに入力される現ブロックの符号化信号を(ri,1i,2)、同じくSFC復号部2721aに入力されるその直前ブロックの符号化信号を(ri−1,1i−1,2)とすると、SFC復号部2721aにより式(2)の変換行列を用いて差動SFCの復号処理を行うことで、送信側から送信されたそれぞれの制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボル(式(1)の(Si,1i,2))に対応する復元シンボル(S’i,1 S’i,2)を得ることができる。
SFC復号部2721bも、SFC復号部2721aと同様に処理される。尚、差動SFC符号化処理による異なる2系統の符号化信号の復号に関する更なる詳細は、キャリアの割り当てが異なるのみで差動STC符号化処理の復号と同様であり非特許文献3を参照されたい。
このため、差動SFC復号部272a,272bの各々は、現ブロックの異なる2系統の符号化信号(ri,1i,2)を基に、それぞれ送信側から送信されたそれぞれの制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボル(式(1)の(Si,1i,2))に対応する復元シンボル(S’i,1 S’i,2)を生成し、即ち4シンボル分のTMCC信号のシンボルを得て合成部273へ出力する。
合成部273は、差動SFC復号部272a,272bの各々から得られる復元シンボル(S’i,1 S’i,2)を合成し、送信側から送信されたそれぞれの制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボル(式(1)の(Si,1i,2))を復元してキャリア復調し、誤り訂正復号部274へ出力する。このように、制御信号(TMCC信号又はAC信号)の受信に関して、伝送路推定を不要としつつ、MIMO伝送方式に基づくダイバーシティ効果を得ることができる。
尚、制御信号(TMCC信号又はAC信号)は複数のキャリアで同じ情報を伝送しているため、受信側の制御信号復号器27では、キャリア加算やLLR加算による受信特性の向上が可能である。例えば、図5に示す例では、制御信号キャリア抽出部271a,271bによる制御信号(TMCC信号又はAC信号)のキャリア抽出後の信号をキャリア加算する形態とすることができる。或いは、差動SFC復号部272a,272bによる差動SFC復号処理後に対数尤度比を基に加算するLLR加算を行う形態とすることもできる。これは、MIMO伝送方式に限らず、SISO、MISO伝送方式の場合も同様である。
図5を参照するに、誤り訂正復号部274は、合成部273から得られる制御信号(TMCC信号又はAC信号)に対し、送信側の誤り訂正符号化部151の誤り訂正符号化処理に対応する誤り訂正復号処理を施し、送信側の制御信号生成部14によって生成された制御信号(TMCC信号又はAC信号)を復元し、この制御信号(TMCC信号又はAC信号)に格納されている伝送制御情報を基に、以下に説明するデータ信号キャリア抽出部23以降のデータ信号の復調・復号処理を実行させる。
データ信号キャリア抽出部23は、第1データ信号キャリア抽出部23a及び第2データキャリア抽出部23bを備えている。
第1データ信号キャリア抽出部23aは、TMCC信号の復号処理によって得られる伝送制御情報(SP情報及び変調方情報)を基に、第1受信アンテナRx1経由で得られる第1信号系統のデータ信号のキャリアを抽出し、伝送路推定部24へ出力する。
第2データ信号キャリア抽出部23bは、TMCC信号の復号処理によって得られる伝送制御情報(SP情報及び変調方情報)を基に、第2受信アンテナRx2経由で得られる第2信号系統のデータ信号のキャリアを抽出し、伝送路推定部24へ出力する。
伝送路推定部24は、データ信号キャリア抽出部23から得られる各信号系統のデータ信号のキャリアについて、TMCC信号の復号処理によって得られる伝送制御情報(SP情報及び変調方式情報)を基に、伝送路推定処理を行い、双方のデータ信号のキャリアについて等化処理を施し、STC復号部25へ出力する。
STC復号部25は、等化処理後の各信号系統のデータ信号のキャリアに対し、送信側のSTC符号化部13に対応するSTC復号処理を施して誤り訂正復号部26に出力する。
誤り訂正復号部26は、TMCC信号の復号処理によって得られる伝送制御情報(復号制御情報)を基に、STC復号処理後のデータ信号に対し、送信側の誤り訂正符号化部11に対応する復号処理を施し、送信側から伝送されたデータを復元して外部に出力する。
以上のように、本実施形態の送信装置10及び受信装置20、並びに、制御信号符号化器15及び制御信号復号器27によれば、次世代地上デジタル放送での適用を想定したMIMO伝送方式、或いはMISO伝送方式を構築することができ、特に、TMCC信号又はAC信号の制御信号について、データ信号の伝送特性よりも低い所要C/Nとなる制御信号の伝送が可能となる。
特に、本発明に係る送信装置10の制御信号符号化器15は、特許文献1の技法とは異なり、差動SFC符号化部153を備えるように構成され、この差動SFC符号化部153は、制御信号(TMCC信号又はAC信号)のシンボルを周波数方向に隣接したキャリアに配置するようにしている。そして、本発明に係る受信装置20における制御信号復号器27は、特許文献1の技法とは異なり、差動SFC復号部272a,272bを備えるように構成され、この差動SFC復号部272a,272bは、差動SFC符号化部153で符号化された制御信号を復号する際に、時間方向の2シンボル間に跨る2つのSFC符号化ブロックを用いる。このため、従来の特許文献1の技法のように4シンボルに跨るものと比較して、時間変動のある伝送路の場合における受信特性劣化の影響を軽減できるようになる。
そして、MIMO伝送方式において、各受信アンテナ経由でキャリア抽出した制御信号(TMCC信号又はAC信号)をアナログ加算して合成することにより、制御信号(TMCC信号又はAC信号)の受信耐性を向上させることができる。このため、データ信号の受信時にも、その受信耐性を向上させたTMCC信号について復号した伝送制御情報から、データ信号のキャリア情報及び復号制御情報を取得できるため、SISO,MISO伝送方式よりも、優れた受信性能が実現できる。
MIMO伝送方式においては、送信ダイバーシティ効果が期待できるため、移動受信時やマルチパス環境でのTMCC信号及びデータ信号の受信特性の改善が可能となる。即ち、上述したように、送信側で伝送路推定が不要な差動SFCを用いて制御信号(TMCC信号又はAC信号)を送信し、受信側で複数の受信アンテナを用いて制御信号(TMCC信号又はAC信号)の受信時に伝送路推定を不要としつつ復調し合成することで、優れた送信ダイバーシティ効果を得ることができる。
また、伝送制御情報は、OFDMフレームを構成するための階層情報、データ信号のキャリア情報、及び復号制御情報、少なくともSISO、MISO、及びMIMOのいずれの伝送方式が用いられているのかを受信側に識別させるための伝送方式の識別情報を含むよう構成することで、受信装置が、その識別情報を基に当該伝送方式を識別し、データ信号の復調及び復号処理を行うよう構成することができる。これにより、伝送方式によらず制御信号の互換性を高めることができる。
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した実施形態の例では、MIMO伝送方式において、2本の送信アンテナと2本の受信アンテナによる2×2のMIMOについて説明したが、例えば受信アンテナの本数をM(Mは3以上の整数)本として2×MのMIMOを構成し、受信装置側で受信ダイバーシティ合成を行う構成とすることや、1つの送信装置内に複数の制御信号符号化器 15を設け、N(Nは3以上の整数)本の送信アンテナとし、N×MのMIMOを構成することも可能である。
また、上述した実施形態の例では、伝送に用いる偏波として水平偏波・垂直偏波を利用する例を説明したが、例えば、右旋及び左旋の円偏波を利用する態様や、右斜め45°の偏波及び左斜め45°の偏波を利用する態様にも適用可能である。
また、本発明に係る制御信号符号化器15及び制御信号復号器27の各々は、半導体チップとして1チップで構成するもの、複数チップで構成するもの、ディスクリート部品で構成するものを含み、或いはこれらディスクリート部品と1チップ又は複数チップとを組み合わせて構成するものを含む。
また、本発明に係る送信装置10及び受信装置20の各々は、半導体チップとして1チップで構成するもの、複数チップで構成するもの、ディスクリート部品で構成するものを含み、或いはこれらディスクリート部品と1チップ又は複数チップとを組み合わせて構成するものを含む。
従って、本発明に係る制御信号符号化器、制御信号復号器、送信装置及び受信装置は、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
本発明によれば、データ信号の伝送特性よりも低い所要C/Nとなる制御信号の伝送が可能とし、且つ時間変動のある伝送路に対して耐性を有するものとなるので、次世代地上デジタル放送において有用である。
10 送信装置
11 誤り訂正符号化部
12 キャリア変調部
13 STC符号化部
14 制御信号生成部
15 制御信号符号化器
15a, 15b 符号化信号
16a,16b OFDMフレーム構成部
17a,17b 逆フーリエ変換(IFFT)部
18a,18b ガードインターバル(GI)付加部
20 受信装置
21a,21b ガードインターバル(GI)除去部
22a,22b フーリエ変換(FFT)部
23 データ信号キャリア抽出部
23a 第1データキャリア抽出部
23b 第2データキャリア抽出部
24 伝送路推定部
25 STC復号部
26 誤り訂正復号部
27 制御信号復号器
27a,27b 制御信号(TMCC信号又はAC信号)
151 誤り訂正符号化部
152 キャリア変調部
153 差動SFC符号化部
271a,271b 制御信号キャリア抽出部
272a,272b 差動SFC復号部
273 合成部
274 誤り訂正復号部
1531 差動シンボル生成部
1532 遅延部
1533 SFC符号化部
2721a,2721b SFC復号部
2722a,2722b 遅延部
Tx1,Tx2 送信アンテナ
Rx1,Rx2 受信アンテナ

Claims (10)

  1. OFDM信号を送信する送信装置における制御信号を伝送用に符号化する制御信号符号化器であって、
    前記制御信号を入力する入力手段と、
    当該制御信号に対し所定の差動周波数空間符号化処理を施すことにより、OFDMフレーム内で同一シンボルの2本一対の近接した制御信号のキャリアで1ブロックとし、異なる2系統のブロックの符号化信号を生成する差動周波数空間符号化処理手段と、
    を備えることを特徴とする制御信号符号化器。
  2. 前記差動周波数空間符号化処理手段は、OFDMフレーム内で同一シンボルの2本一対の隣接した制御信号のキャリアで1ブロックとする差動周波数空間符号化処理を施すことを特徴とする、請求項1に記載の制御信号符号化器。
  3. 前記制御信号は、伝送制御情報を含み、
    前記伝送制御情報は、OFDMフレームを構成するための階層情報、データ信号のキャリア情報、及び復号制御情報、少なくともSISO、MISO、及びMIMOのいずれの伝送方式が用いられているのかを受信側に識別させるための伝送方式の識別情報を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の制御信号符号化器。
  4. OFDM信号を受信する受信装置にて、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御信号符号化器によって生成された符号化信号として差動周波数空間符号化処理が施された制御信号を復号する制御信号復号器であって、
    前記OFDM信号から前記差動周波数空間符号化処理が施された制御信号のキャリアを抽出するキャリア抽出手段と、
    当該抽出した制御信号のキャリアのシンボルを基に、前記差動周波数空間符号化処理に対応する差動周波数空間復号処理を施す差動周波数空間復号処理手段と、
    を備えることを特徴とする制御信号復号器。
  5. 前記差動周波数空間復号処理手段は、伝送路推定を不要とする当該差動周波数空間符号化処理に対応する復号処理を施すことを特徴とする、請求項4に記載の制御信号復号器。
  6. 前記差動周波数空間復号処理手段は、前記差動周波数空間符号化処理による異なる2系統の符号化信号をそれぞれ復号し、
    前記差動周波数空間復号処理手段によって復号した異なる2系統の符号化信号をダイバーシティ合成する合成手段を更に備えることを特徴とする、請求項4又は5に記載の制御信号復号器。
  7. 前記キャリア抽出手段によって抽出した制御信号の複数のキャリアを加算するキャリア加算手段、又は該複数のキャリアに対応する前記差動周波数空間復号処理後の信号について対数尤度比を基に加算するLLR加算手段を更に備えることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載の制御信号復号器。
  8. 請求項1から3のいずれか一項に記載の制御信号符号化器と、
    該制御信号符号化器によって生成した異なる2系統の符号化信号のうちいずれか一方又は双方を含むようOFDMフレームを構成するOFDMフレーム構成手段と、
    を備えることを特徴とする送信装置。
  9. 請求項4から7のいずれか一項に記載の制御信号復号器と、
    前記制御信号復号器によって復号した当該制御信号に格納される伝送制御情報を基に、データ信号の復調及び復号処理を行うデータ信号処理手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  10. 前記伝送制御情報は、OFDMフレームを構成するための階層情報、データ信号のキャリア情報、及び復号制御情報、少なくともSISO、MISO、及びMIMOのいずれの伝送方式が用いられているのかを受信側に識別させるための伝送方式の識別情報を含み、
    前記データ信号処理手段は、前記識別情報を基に当該伝送方式を識別し、データ信号の復調及び復号処理を行うことを特徴とする、請求項9に記載の受信装置。
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