以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。本発明の実施形態は、後述するように実施例1から実施例5まであり、各実施例は、MIMO受信装置において、干渉除去のための繰り返し処理、すなわち、干渉レプリカのキャンセルと誤り訂正の復号とを繰り返して行う処理の中に、デインタリーブ及び再インタリーブの処理が含まれていない。このため、繰り返し処理の数が増えたとしても、デインタリーブ及び再インタリーブの処理の数が増えることがないから、デインタリーブ及び再インタリーブの処理によって遅延時間が増大することがない。以下、実施例1〜実施例5についてそれぞれ説明する。尚、以下の説明において、MIMO送信装置を単に送信装置といい、MIMO受信装置を単に受信装置という。
尚、以下の説明では、送信装置は2つの送信アンテナを備え、受信装置は2つの受信アンテナを備えているものとする。また、送信装置により送信される信号は、マルチキャリアであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式で変調されるものとする。また、誤り訂正方式としてLDPC符号を用いるものとする。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。この実施例1は、2つの送信データ系列におけるLDPC符号化処理及びインタリーブ処理が同じであり、2つの受信アンテナ系列におけるデインタリーブ処理が同じであり、2つの繰り返し処理におけるLDPC復号処理も同じ場合の例である。図1は、実施例1の送信装置の構成を示す図である。この送信装置101は、2系列の異なる送信データ系列a,bをそれぞれ独立して処理し、2つの送信アンテナを介してそれぞれ送信する。送信装置101は、送信データ系列aを処理するLDPC(Low Density Parity Check)符号化部1−1、インタリーブ部2−1、マッピング部3−1、OFDMフレーム構成部4−1、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部5−1、GI(Guard Interval)付加部6−1及び直交変調部7−1を備え、送信データ系列bを処理するLDPC符号化部1−2、インタリーブ部2−2、マッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2及び直交変調部7−2を備えている。
LDPC符号化部1−1は、送信データ系列aを入力し、LDPC符号化(1)により誤り訂正を行い、符号化された信号を出力する。ここで、LDPC符号化部1−1による符号化方法とLDPC符号化部1−2による符号化方法は同じであるとする。すなわち、LDPC符号化部1−1,1−2は、同じ符号化方法であるLDPC符号化(1)により誤り訂正符号化を行う。
インタリーブ部2−1は、LDPC符号化部1−1から符号化された信号を入力し、1本のサブキャリアに割り当てる1ビットまたは複数ビットをインタリーブの1単位としてインタリーブAのパターンでインタリーブし、インタリーブされたサブキャリア単位の信号を出力する。ここで、インタリーブ部2−1によるインタリーブのパターンとインタリーブ部2−2によるインタリーブのパターンは同じであるとする。すなわち、インタリーブ部2−1,2−2は、同じパターンでインタリーブAを行う。これにより、符号化された信号は時間軸方向に分散される。
マッピング部3−1は、インタリーブ部2−1からインタリーブされたサブキャリア単位の信号を入力し、QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等のキャリア変調のコンスタレーション配置上にマッピングし、マッピングされた信号を出力する。
OFDMフレーム構成部4−1は、マッピング部3−1からマッピングされた信号を入力し、この信号をデータ信号として、CP(Continual Pilot)、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)、AC(Auxiliary Channel)等のパイロット信号をリファレンスとして挿入すると共に、予め設定された周波数に配置してフレームを構成し、OFDM信号として出力する。
IFFT部5−1は、OFDMフレーム構成部4−1からフレーム構成されたOFDM信号を入力し、IFFT(逆フーリエ変換)を行い、周波数軸データから時間軸データに変換し、時間軸データのOFDM信号を出力する。
GI付加部6−1は、IFFT部5−1から時間軸データのOFDM信号を入力し、GI信号を付加し、GI信号が付加されたOFDM信号を出力する。直交変調部7−1は、GI付加部6−1からGI信号が付加されたOFDM信号を入力し、ここまで実数と虚数の2つずつの組合せ信号(複素数)として処理されてきたOFDM信号を、同相信号と直交信号に載せて直交化する直交変調を行い、直交変調されたOFDM信号を出力する。このようにして処理された信号は、図示しない送信アンテナ(送信データ系列a用の送信アンテナ)を介して送信される。
LDPC符号化部1−2、インタリーブ部2−2、マッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2及び直交変調部7−2も、前述したLDPC符号化部1−1、インタリーブ部2−1、マッピング部3−1、OFDMフレーム構成部4−1、IFFT部5−1、GI付加部6−1及び直交変調部7−1と同様の処理をそれぞれ行う。このようにして処理された信号は、図示しない送信アンテナ(送信データ系列b用の送信アンテナ)を介して送信される。そして、送信データ系列a用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)と、送信データ系列b用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)は、空間領域において多重される。
図2は、実施例1の受信装置の構成を示す図である。また、図3は、図2に示す受信装置の処理を説明するフローチャートである。この受信装置201は、空間領域において多重された送信ストリームを、2つの受信アンテナを介して受信し、2つの受信アンテナ系列においてそれぞれ直交復調等の処理を行い、デインタリーブの処理を行い、そして、干渉除去のための繰り返し処理を行う。受信装置201は、第1の受信アンテナ系列(受信系統)を処理する直交復調部51−1、GI除去部52−1、FFT部53−1及びデインタリーブ部55−1を備え、送信データ系列a(第1の送信データ系列)について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−1,56−3、乗算部58−1,58−3、加算部59−1、対数尤度比算出部60−1、LDPC復号部61−1、スイッチ部63−1及び干渉レプリカ生成部62−1を備え、第2の受信アンテナ系列(受信系統)を処理する直交復調部51−2、GI除去部52−2、FFT部53−2及びデインタリーブ部55−2を備え、送信データ系列b(第2の送信データ系列)について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−4,56−2、乗算部58−4,58−2、加算部59−2、対数尤度比算出部60−2、LDPC復号部61−2、スイッチ部63−2及び干渉レプリカ生成部62−2を備え、CP抽出/チャネル推定部54、デインタリーブ部55−3及びウェート演算部57を備え、第1の送信データ系列を処理する硬判定部64−1及び第2の送信データ系列を処理する硬判定部64−2を備えている。
直交復調部51−1は、図示しない第1の受信アンテナを介して、空間領域において多重された送信ストリームを入力し、直交復調を行って同相信号と直交信号に分離し、実数と虚数の2つずつの組合せ信号(複素数)として出力する。GI除去部52−1は、直交復調部51−1により直交復調されたOFDM信号を入力し、所定のシンボルタイミングに従って、OFDM信号からGI信号を除去して出力する。FFT部53−1は、GI除去部52−1からGI信号が除去されたOFDM信号を入力し、FFT(フーリエ変換)を行い、時間軸データから周波数軸データに変換し、周波数軸データのOFDM信号を出力する。このように、直交復調部51−1、GI除去部52−1及びFFT部53−1により、直交復調、ガードインターバル除去及びFFT演算処理等の復調処理が行われ(ステップS301)、復調処理が行われた信号は、デインタリーブ部55−1及びCP抽出/チャネル推定部54へ出力される。
デインタリーブ部55−1は、復調処理が行われた信号を入力し、サブキャリア単位にデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた信号を出力する(ステップS302)。ここで、デインタリーブ部55−1によるデインタリーブのパターンとデインタリーブ部55−2によるデインタリーブのパターンは同じであるとする。すなわち、デインタリーブ部55−1,55−2は、同じパターンでデインタリーブAを行う。その結果、デインタリーブ部55−1,55−2によりデインタリーブされた信号は、各受信アンテナ系統共に、インタリーブされる前の送信データ系列と同じ配置となるが、この段階ではまだ各送信ストリームが多重されたままの状態である。デインタリーブ部55−1によりデインタリーブされた信号は送信ストリームの数である2つに分岐し、一方が干渉レプリカ除去部56−1へ、他方が干渉レプリカ除去部56−2へそれぞれ出力される。また、デインタリーブ部55−2によりデインタリーブされた信号も同様に2つに分岐し、一方が干渉レプリカ除去部56−3へ、他方が干渉レプリカ除去部56−4へそれぞれ出力される。
直交復調部51−2、GI除去部52−2、FFT部53−2及びデインタリーブ部55−2も、前述した直交復調部51−1、GI除去部52−1、FFT部53−1及びデインタリーブ部55−1と同様の処理をそれぞれ行う。
CP抽出/チャネル推定部54は、FFT部53−1,53−2から復調処理が行われた信号をそれぞれ入力し、リファレンスとして挿入されているパイロット信号を抽出し、データキャリアに対する伝搬チャネルHをサブキャリア単位に推定し、伝搬チャネルHを出力する(ステップS304)。
デインタリーブ部55−3は、CP抽出/チャネル推定部54から伝搬チャネルHを入力し、サブキャリア単位に、デインタリーブ部55−1,55−2と同じデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた伝搬チャネルHを出力する(ステップS305)。デインタリーブ部55−3によりデインタリーブされた伝搬チャネルHは、ウェート演算部57及び干渉レプリカ生成部62−1,62−2へそれぞれ出力される。
ウェート演算部57は、デインタリーブ部55−3からデインタリーブされた伝搬チャネルHを入力し、各送信ストリームを分離するためのウェートベクトルをサブキャリア単位に送信ストリームの数だけ算出する(ステップS306)。ここで、送信ストリームの数は2であるから、ウェート演算部57は、2つのウェートベクトルを算出する。ウェート算出手法としては、ZFまたはMMSE等の空間フィルタリングアルゴリズム等を用いることができる。ウェート演算部57により演算された、第1の送信データ系列の送信ストリームを干渉ストリームとみなして空間フィルタリングを行うウェートベクトルの各要素(ウェート)は、乗算部58−2,58−4へそれぞれ出力される。また、ウェート演算部57により演算された、第2の送信データ系列の送信ストリームを干渉ストリームとみなして空間フィルタリングを行うウェートベクトルの各ウェートは、乗算部58−1,58−3へそれぞれ出力される。
干渉レプリカ除去部56−1は、デインタリーブ部55−1からデインタリーブされた信号を入力すると共に、干渉レプリカ生成部62−1から干渉レプリカを入力し、デインタリーブされた信号から干渉レプリカを減算することにより、干渉ストリーム成分を除去する(ステップS303)。この場合、初回は、干渉レプリカ生成部62−1から0の干渉レプリカを入力するから、デインタリーブされた信号から0を減算する。
同様に、干渉レプリカ除去部56−2は、デインタリーブ部55−1からデインタリーブされた信号を入力すると共に、干渉レプリカ生成部62−2から干渉レプリカを入力し、デインタリーブされた信号から干渉レプリカを減算することにより、干渉ストリーム成分を除去する。また、干渉レプリカ除去部56−3,56−4は、デインタリーブ部55−2からデインタリーブされた信号を入力すると共に、干渉レプリカ生成部62−1,62−2から干渉レプリカをそれぞれ入力し、デインタリーブされた信号から干渉レプリカを減算することにより、干渉ストリーム成分を除去する。
乗算部58−1は、干渉レプリカ除去部56−1から干渉が除去された信号を入力すると共に、ウェート演算部57で算出したウェートを入力して乗算する。また、乗算部58−3は、干渉レプリカ除去部56−3から干渉が除去された信号を入力すると共に、ウェート演算部57で算出したウェートを入力して乗算する。加算部59−1は、乗算部58−1からの乗算結果と、乗算部58−3からの乗算結果とを入力し、加算演算を行う。これにより、受信信号ベクトルとウェートベクトルの内積演算がなされ、第1の送信データ系列の送信ストリームを出力する。
同様に、乗算部58−2は、干渉レプリカ除去部56−2から干渉が除去された信号を入力すると共に、ウェート演算部57で算出したウェートを入力して乗算する。また、乗算部58−4は、干渉レプリカ除去部56−4から干渉が除去された信号を入力すると共に、ウェート演算部57で算出したウェートを入力して乗算する。加算部59−2は、乗算部58−2からの乗算結果と、乗算部58−4からの乗算結果とを入力し、加算演算を行う。これにより、受信信号ベクトルとウェートベクトルの内積演算がなされ、第2の送信データ系列の送信ストリームを出力する。
このように、乗算部58−1,58−3及び加算部59−1の内積演算、並びに、乗算部58−2,58−4及び加算部59−2の内積演算により、空間多重された各送信ストリームを分離及び検出することができる(ステップS307)。例えば、ウェート演算部57により演算されたウェートベクトルをW1=(w11,w21),W2=(w12,w22)とし、干渉レプリカ除去部56−1〜56−4により減算された結果をそれぞれa,b,c,dとする。この場合、乗算部58−1はw11×aを、乗算部58−3はw21×cを演算するから、加算部59−1はw11×a+w21×cを演算する。つまり、乗算部58−1,58−3及び加算部59−1により内積演算が行われる。同様に、乗算部58−2はw12×bを、乗算部58−4はw22×dを演算するから、加算部59−2はw12×b+w22×dを演算する。つまり、乗算部58−2,58−4及び加算部59−2により内積演算が行われる。但し、この段階では、伝搬環境に応じた残留干渉成分が除去しきれずに存在する。
対数尤度比算出部60−1は、加算部59−1から、空間フィルタリングによる分離及び検出された第1の送信データ系列の送信ストリームを入力し、サブキャリア単位にビット毎の対数尤度比(LLR:Log Likelihood Ratio)を算出し、LLRを出力する(ステップS308)。同様に、対数尤度比算出部60−2は、加算部59−2から、空間フィルタリングによる分離及び検出された第2の送信データ系列の送信ストリームを入力し、サブキャリア単位にビット毎の対数尤度比(LLR)を算出し、LLRを出力する。
LDPC復号部61−1は、対数尤度比算出部60−1から第1の送信データ系列のLLRを入力し、LDPC復号(1)により、信頼性の高いビット毎のLLRに更新し、再びLLRを出力する(ステップS309)。同様に、LDPC復号部61−2は、対数尤度比算出部60−2から第2の送信データ系列のLLRを入力し、LDPC復号(1)により、信頼性の高いビット毎のLLRに更新し、再びLLRを出力する。ここで、LDPC復号部61−1による復号方法とLDPC復号部61−2による復号方法は同じであるとする。すなわち、LDPC復号部61−1,61−2は、同じ復号方法であるLDPC復号(1)を行う。
スイッチ部63−1は、LDPC復号部61−1からLLRを入力すると共に、繰り返し処理回数と、予め設定された回数(指定回数)との比較結果を示す制御信号を入力する。制御信号が、繰り返し処理回数が指定回数以上でないことを示している場合、入力したLLRを干渉レプリカ生成部62−1に出力する(ステップS310:N)。一方、制御信号が、繰り返し処理回数が指定回数以上であることを示している場合、入力したLLRを硬判定部64−1に出力する(ステップS310:Y)。ここで、繰り返し処理回数とは、干渉レプリカ生成部62−1、干渉レプリカ除去部56−1,56−3、乗算部58−1,58−3、加算部59−1、対数尤度比算出部60−1及びLDPC復号部61−1により、第1の送信データ系列の送信ストリームに対する干渉除去のための処理を行った回数をいう。図示しない制御部は、この繰り返し処理回数をカウントし、繰り返し処理回数と指定回数とを比較し、その比較結果を示す制御信号をスイッチ部63−1に出力する。
同様に、スイッチ部63−2は、第2の送信データ系列の送信ストリームに対する干渉除去のための処理を行った繰り返し処理回数が所定回数以上でない場合、LDPC復号部61−2から入力したLLRを干渉レプリカ生成部62−2に出力し、繰り返し処理回数が所定回数以上である場合、入力したLLRを硬判定部64−2に出力する。
干渉レプリカ生成部62−1は、スイッチ部63−1から第1の送信データ系列のLLR(LDPC復号後のビット毎のLLR)を入力すると共に、デインタリーブ部55−3からデインタリーブされた伝搬チャネルHを入力する。そして、入力したLLRからサブキャリア毎の軟信号値を算出し、この軟信号値に、これに対応するデインタリーブされた伝搬チャネルHをサブキャリア毎に乗算し、干渉ストリームの軟値レプリカを生成し、干渉レプリカとして出力する(ステップS311)。尚、軟信号値の算出手法、及び干渉ストリームの軟値レプリカの生成手法については、例えば、前述した非特許文献1に記載されているため、ここでは詳細な説明を省略する。
同様に、干渉レプリカ生成部62−2は、スイッチ部63−2から入力した第2の送信データ系列のLLRからサブキャリア毎の軟信号値を算出し、デインタリーブ部55−2から入力したデインタリーブされた伝搬チャネルHを乗算し、干渉ストリームの軟値レプリカを生成し、干渉レプリカとして出力する。
干渉レプリカ生成部62−1により生成された干渉レプリカは、干渉レプリカ除去部56−1,56−3へ出力され、干渉レプリカ生成部62−2により生成された干渉レプリカは、干渉レプリカ除去部56−2,56−4へ出力される。そして、それぞれの受信アンテナ系列の信号から干渉レプリカが減算される。
このようにして、干渉レプリカ生成部62−1,62−2において干渉レプリカが生成され、干渉レプリカ除去部56−1,56−2,56−3,56−4において受信信号から干渉レプリカが減算される毎に、残留干渉成分が徐々に少なくなり、除去されることになる。すなわち、乗算部58−1〜58−4、加算部59−1,59−2、対数尤度比算出部60−1,60−2、LDPC復号部61−1,61−2、スイッチ部63−1,63−2、干渉レプリカ生成部62−1,62−2及び干渉レプリカ除去部56−1,56−2までの処理を1回の処理単位とし、この処理を繰り返し複数回行う(IDDループを行う)。これにより、残留干渉成分の影響を低減することが可能となる。
硬判定部64−1は、繰り返し処理回数が指定回数以上である場合に、スイッチ部63−1からLLRを入力し、硬判定により、元の第1の送信データ系列の送信ストリームを復元する(ステップS312)。同様に、硬判定部64−2は、繰り返し処理回数が指定回数以上である場合に、スイッチ部63−2からLLRを入力し、硬判定により、元の第2の送信データ系列の送信ストリームを復元する。
以上のように、実施例1の受信装置201によれば、干渉除去のためのIDDループの中に、デインタリーブ部55−1〜55−3によるデインタリーブの処理及び再インタリーブの処理を入れないようにした。このため、干渉除去のためのIDDループの繰り返し回数が増えた場合であっても、それに伴ってデインタリーブ及び再インタリーブの処理の数が増えることはない。したがって、デインタリーブ及び再インタリーブの処理による遅延時間が増大することがなく、比較的インタリーブ長の大きいMIMO伝送システムであっても、最低限(インタリーブ及びデインタリーブ1回分)の遅延時間でIDDループを実現することができる。これにより、ハイビジョン映像等の高ビットレートの素材を途切れずに安定して伝送することが可能となる。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明する。この実施例2は、2つの送信データ系列におけるLDPC符号化処理が異なり、インタリーブ処理が同じであり、2つの受信アンテナ系列におけるデインタリーブ処理が同じであり、2つの繰り返し処理におけるLDPC復号処理が異なる場合の例である。図4は、実施例2の送信装置の構成を示す図である。この送信装置102は、図1に示した送信装置101と同様に、2系列の異なる送信データ系列a,bをそれぞれ独立して処理し、2つの送信アンテナを介してそれぞれ送信する。送信装置102は、送信データ系列aを処理するLDPC符号化部11−1、インタリーブ部2−1、マッピング部3−1、OFDMフレーム構成部4−1、IFFT部5−1、GI付加部6−1及び直交変調部7−1を備え、送信データ系列bを処理するLDPC符号化部11−2、インタリーブ部2−2、マッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2及び直交変調部7−2を備えている。
図1に示した実施例1の送信装置101と図4に示す実施例2の送信装置102とを比較すると、全体的な構成は同一である。一方、実施例1の送信装置101が、LDPC符号化(1)を行うLDPC符号化部1−1,1−2を備えており、同じ符号化方法を実現するのに対し、実施例2の送信装置102は、LDPC符号化(1)を行うLDPC符号化部11−1及びLDPC符号化(2)を行うLDPC符号化部11−2を備えており、異なる符号化方法を実現する点で相違する。図4において、図1と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
LDPC符号化部11−1は、送信データ系列aを入力し、LDPC符号化(1)により誤り訂正符号化を行い、符号化された信号を出力する。一方、LDPC符号化部11−2は、送信データ系列bを入力し、LDPC符号化(1)とは異なるLDPC符号化(2)により誤り訂正符号化を行い、符号化された信号を出力する。
インタリーブ部2−1は、LDPC符号化部11−1から符号化された信号を入力し、1本のサブキャリアに割り当てる1ビットまたは複数ビットをインタリーブの1単位としてインタリーブAのパターンでインタリーブし、インタリーブされたサブキャリア単位の信号を出力する。一方、インタリーブ部2−2は、LDPC符号化部11−2から符号化された信号を入力し、インタリーブ部2−1と同様に、インタリーブAのパターンでインタリーブし、インタリーブされたサブキャリア単位の信号を出力する。インタリーブ部2−1,2−2は、同じパターンでインタリーブAを行う。これにより、符号化された信号は時間軸方向に分散される。
送信装置102において処理された信号は、図示しない送信アンテナを介して送信される。そして、送信データ系列a用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)と、送信データ系列b用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)は、空間領域において多重される。
図5は、実施例2の受信装置の構成を示す図である。この受信装置202は、空間領域において多重された送信ストリームを、2つの受信アンテナを介して受信し、2つの受信アンテナ系列においてそれぞれ直交復調等の処理を行い、デインタリーブの処理を行い、そして、干渉除去のための繰り返し処理を行う。受信装置202は、第1の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−1、GI除去部52−1、FFT部53−1及びデインタリーブ部55−1を備え、第1の送信データ系列について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−1,56−3、乗算部58−1,58−3、加算部59−1、対数尤度比算出部60−1、LDPC復号部71−1、スイッチ部63−1及び干渉レプリカ生成部62−1を備え、第2の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−2、GI除去部52−2、FFT部53−2及びデインタリーブ部55−2を備え、第2の送信データ系列について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−4,56−2、乗算部58−4,58−2、加算部59−2、対数尤度比算出部60−2、LDPC復号部71−2、スイッチ部63−2及び干渉レプリカ生成部62−2を備え、CP抽出/チャネル推定部54、デインタリーブ部55−3及びウェート演算部57を備え、第1の送信データ系列を処理する硬判定部64−1及び第2の送信データ系列を処理する硬判定部64−2を備えている。
図2に示した実施例1の受信装置201と図5に示す実施例2の受信装置202とを比較すると、全体的な構成は同一である。一方、実施例1の受信装置201が、LDPC復号(1)により信頼性の高いビット毎のLLRに更新するLDPC復号部61−1,61−2を備えており、同じ復号方法を実現するのに対し、実施例2の受信装置202は、LDPC復号(1)により信頼性の高いビット毎のLLRを更新するLDPC復号部71−1及びLDPC復号(2)により信頼性の高いビット毎のLLRを更新するLDPC復号部71−2を備えており、異なる復号方法を実現する点で相違する。受信装置202において異なる復号方法を実現するのは、送信装置102において異なる符号化方法を実現しており、これに対応しているからである。図5において、図2と共通する部分には図2と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
デインタリーブ部55−1は、復調処理が行われた第1の受信アンテナ系列の信号を入力し、サブキャリア単位にデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた信号を出力する。一方、デインタリーブ部55−2は、復調が行われた第2の受信アンテナ系列の信号を入力し、デインタリーブ部55−1と同様に、サブキャリア単位にデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた信号を出力する。デインタリーブ部55−1,55−2は、同じパターンでデインタリーブAを行う。
デインタリーブ部55−3は、伝搬チャネルHを入力し、サブキャリア単位に、デインタリーブ部55−1,55−2と同じデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた伝搬チャネルHを出力する。
LDPC復号部71−1は、第1の送信データ系列のLLRを入力し、LDPC復号(1)により、信頼性の高いビット毎のLLRに更新し、再びLLRを出力する。一方、LDPC復号部71−2は、第2の送信データ系列のLLRを入力し、LDPC復号(1)とは異なるLDPC復号(2)により、信頼性の高いビット毎のLLRに更新し、再びLLRを出力する。
IDDによる繰り返し処理回数が指定回数以上になった場合に、硬判定部64−1,64−2における硬判定により、元の第1の送信データ系列及び第2の送信データ系列の送信ストリームが復元される。
以上のように、実施例2の受信装置202によれば、LDPC復号部71−1,71−2において異なるLDPC復号処理を行う場合であっても、干渉除去のためのIDDループの中に、デインタリーブ部55−1〜55−3によるデインタリーブの処理及び再インタリーブの処理を入れないようにした。このため、干渉除去のためのIDDループの繰り返し回数が増えた場合であっても、それに伴ってデインタリーブ及び再インタリーブの処理の数が増えることはない。したがって、デインタリーブ及び再インタリーブの処理による遅延時間が増大することがなく、比較的インタリーブ長の大きいMIMO伝送システムであっても、最低限(インタリーブ及びデインタリーブ1回分)の遅延時間でIDDループを実現することができる。これにより、ハイビジョン映像等の高ビットレートの素材を途切れずに安定して伝送することが可能となる。
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明する。この実施例3は、2つの送信データ系列におけるLDPC符号化処理が同じで、インタリーブ処理が異なり、2つの受信アンテナ系列におけるデインタリーブ処理が異なり、2つの繰り返し処理におけるLDPC復号処理が同じ場合の例である。図6は、実施例3の送信装置の構成を示す図である。この送信装置103は、図1に示した送信装置101と同様に、2系列の異なる送信データ系列a,bをそれぞれ独立して処理し、2つの送信アンテナを介してそれぞれ送信する。送信装置103は、送信データ系列aを処理するLDPC符号化部1−1、インタリーブ部12−1、マッピング部3−1、OFDMフレーム構成部4−1、IFFT部5−1、GI付加部6−1及び直交変調部7−1を備え、送信データ系列bを処理するLDPC符号化部1−2、インタリーブ部12−2、マッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2及び直交変調部7−2を備えている。
図1に示した実施例1の送信装置101と図6に示す実施例3の送信装置103とを比較すると、全体的な構成は同一である。一方、実施例1の送信装置101が、インタリーブAのパターンでインタリーブを行うインタリーブ部2−1,2−2を備えており、同じインタリーブAを行うのに対し、実施例3の送信装置103が、インタリーブAのパターンでインタリーブを行うインタリーブ部12−1及びインタリーブBのパターンでインタリーブを行うインタリーブ部12−2を備えており、異なるインタリーブA,Bを行う点で相違する。図6において、図1と共通する部分には図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
LDPC符号化部1−1は、送信データ系列aを入力し、LDPC符号化(1)により誤り訂正符号化を行い、符号化された信号を出力する。一方、LDPC符号化部1−2は、送信データ系列bを入力し、LDPC符号化部1−1と同様に、LDPC符号化(1)により誤り訂正符号化を行い、符号化された信号を出力する。LDPC符号化部1−1,1−2は、同じ符号化処理を行う。
インタリーブ部12−1は、LDPC符号化部1−1から符号化された信号を入力し、1本のサブキャリアに割り当てる1ビットまたは複数ビットをインタリーブの1単位としてインタリーブAのパターンでインタリーブし、インタリーブされたサブキャリア単位の信号を出力する。一方、インタリーブ部12−2は、LDPC符号化部1−2から符号化された信号を入力し、インタリーブAとは異なるインタリーブBのパターンでインタリーブし、インタリーブされたサブキャリア単位の信号を出力する。インタリーブ部12−1,12−2は、異なるインタリーブ処理を行う。
送信装置103において処理された信号は、図示しない送信アンテナを介して送信される。そして、送信データ系列a用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)と、送信データ系列b用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)は、空間領域において多重される。
図7は、実施例3の受信装置の構成を示す図である。また、図8は、図7に示す受信装置の処理を説明するフローチャートである。この受信装置203は、空間領域において多重された送信ストリームを、2つの受信アンテナを介して受信し、2つの受信アンテナ系列においてそれぞれ直交復調等の処理を行い、デインタリーブの処理を行い、そして、干渉除去のための繰り返し処理を行う。受信装置203は、第1の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−1、GI除去部52−1、FFT部53−1、デインタリーブ部75−1,75−2を備え、第1の送信データ系列について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−2,56−4、デインタリーブ部78−2,78−4、乗算部58−2,58−4、加算部59−1、対数尤度比算出部60−1、LDPC復号部61−1、スイッチ部63−1及び干渉レプリカ生成部62−1を備え、第2の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−2、GI除去部52−2、FFT部53−2及びデインタリーブ部75−5,75−6を備え、第2の送信データ系列について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−3,56−1、デインタリーブ部78−3,78−1、乗算部58−3,58−1、加算部59−2、対数尤度比算出部60−2、LDPC復号部61−2、スイッチ部63−2及び干渉レプリカ生成部62−2を備え、CP抽出/チャネル推定部54、デインタリーブ部75−3,75−4及びウェート演算部77−1,77−2を備え、第1の送信データ系列を処理する硬判定部64−1及び第2の送信データ系列を処理する硬判定部64−2を備えている。
図2に示した実施例1の受信装置201と図7に示す実施例3の受信装置203とを比較すると、全体的な構成は同一である。一方、実施例1の受信装置201が、デインタリーブ部55−1,55−2,55−3及びウェート演算部57を備えているのに対し、実施例3の受信装置203は、それぞれ異なるデインタリーブを行うデインタリーブ部75−1,75−2、デインタリーブ部75−5,75−6、デインタリーブ部75−3,75−4及びウェート演算部77−1,77−2を備えている点で相違する。また、実施例3の受信装置203は、デインタリーブ部78−1,78−2,78−3,78−4を備えている点で相違する。
直交復調部51−1,51−2、GI除去部52−1,52−2、FFT部53−1,53−2及びCP抽出/チャネル推定部54は、図2に示した実施例1の受信装置201と同様であるので、ここでは説明を省略する(ステップS801,ステップS805)。
デインタリーブ部75−1は、FFT部53−1から復調処理が行われた第1の受信アンテナ系列の信号を入力し、サブキャリア単位にデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた信号を干渉レプリカ除去部56−1に出力する(ステップS802)。また、デインタリーブ部75−2は、FFT部53−1から復調処理が行われた第1の受信アンテナ系列の信号を入力し、サブキャリア単位にデインタリーブBのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた信号を干渉レプリカ除去部56−2に出力する(ステップS802)。
同様に、デインタリーブ部75−5は、FFT部53−2から復調処理が行われた第2の受信アンテナ系列の信号を入力し、サブキャリア単位にデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた信号を干渉レプリカ除去部56−3に出力する(ステップS802)。また、デインタリーブ部75−6は、FFT部53−2から復調処理が行われた第2の受信アンテナ系列の信号を入力し、サブキャリア単位にデインタリーブBのパターンでデインタリーブし、デインタリーブされた信号を干渉レプリカ除去部56−4に出力する(ステップS802)。
デインタリーブ部75−3は、CP抽出/チャネル推定部54から伝搬チャネルHを入力し、サブキャリア単位にデインタリーブBのパターンでデインタリーブし、デインタリーブBされた伝搬チャネルHをウェート演算部77−1に出力する(ステップS806)。また、デインタリーブ部75−4は、CP抽出/チャネル推定部54から伝搬チャネルHを入力し、サブキャリア単位にデインタリーブAのパターンでデインタリーブし、デインタリーブAされた伝搬チャネルHをウェート演算部77−2に出力する(ステップS806)。
ウェート演算部77−1は、デインタリーブ部75−3からデインタリーブBされた伝搬チャネルHを入力し、各送信ストリームを分離するために、第1の送信データ系列の送信ストリームを干渉ストリームとみなして空間フィルタリングを行うウェートベクトルを、サブキャリア単位に算出する(ステップS807)。ウェート演算部77−1により演算されたウェートベクトルの各ウェートは、乗算部58−1,58−3へそれぞれ出力される。
同様に、ウェート演算部77−2は、デインタリーブ部75−4からデインタリーブAされた伝搬チャネルHを入力し、各送信ストリームを分離するために、第2の送信データ系列の送信ストリームを干渉ストリームとみなして空間フィルタリングを行うウェートベクトルを、サブキャリア単位に算出する(ステップS807)。ウェート演算部77−2により演算されたウェートベクトルの各ウェートは、乗算部58−2,58−4へそれぞれ出力される。ウェート算出手法としては、ZFまたはMMSE等の空間フィルタリングアルゴリズム等を用いることができる。
干渉レプリカ除去部56−1は、デインタリーブ部75−1からデインタリーブAされた信号を入力すると共に、干渉レプリカ生成部62−1から干渉レプリカを入力し、デインタリーブAされた信号から干渉レプリカを減算することにより、第1の送信データ系列の干渉ストリーム成分を除去する(ステップS803)。この場合、初回は、干渉レプリカ生成部62−1から0の干渉レプリカを入力するから、デインタリーブされた信号から0を減算する。また、干渉レプリカ除去部56−2は、デインタリーブ部75−2からデインタリーブBされた信号を入力すると共に、干渉レプリカ生成部62−2から干渉レプリカを入力し、デインタリーブBされた信号から干渉レプリカを減算することにより、第2の送信データ系列の干渉ストリーム成分を除去する(ステップS803)。
同様に、干渉レプリカ除去部56−3は、デインタリーブ部75−5からデインタリーブAされた信号をそれぞれ入力すると共に、干渉レプリカ生成部62−1から干渉レプリカをそれぞれ入力し、デインタリーブAされた信号から干渉レプリカを減算することにより、第1の送信データ系列の干渉ストリーム成分を除去する(ステップS803)。また、干渉レプリカ除去部56−4は、デインタリーブ部75−6からデインタリーブBされた信号をそれぞれ入力すると共に、干渉レプリカ生成部62−2から干渉レプリカをそれぞれ入力し、デインタリーブBされた信号から干渉レプリカを減算することにより、第2の送信データ系列の干渉ストリーム成分を除去する(ステップS803)。
デインタリーブ部78−1は、干渉レプリカ除去部56−1から、第1の送信データ系列の干渉が除去された信号を入力し、デインタリーブABの処理(第2の送信データ系列の順番に並び戻すための処理)を行い、デインタリーブABされた信号を乗算部58−1に出力する(ステップS804)。また、デインタリーブ部78−2は、干渉レプリカ除去部56−2から、第2の送信データ系列の干渉が除去された信号を入力し、デインタリーブBAの処理(第1の送信データ系列の順番に並び戻すための処理)を行い、デインタリーブBAされた信号を乗算部58−2に出力する(ステップS804)。
同様に、デインタリーブ部78−3は、干渉レプリカ除去部56−3から、第1の送信データ系列の干渉が除去された信号を入力し、デインタリーブABの処理(第2の送信データ系列の順番に並び戻すための処理)を行い、デインタリーブABされた信号を乗算部58−3に出力する(ステップS804)。また、デインタリーブ部78−4は、干渉レプリカ除去部56−4から、第2の送信データ系列の干渉が除去された信号を入力し、デインタリーブBAの処理(第1の送信データ系列の順番に並び戻すための処理)を行い、デインタリーブBAされた信号を乗算部58−4に出力する(ステップS804)。
乗算部58−1は、デインタリーブ部78−1からデインタリーブABされた信号を入力すると共に、ウェート演算部77−1から、デインタリーブBが行われた伝搬ベクトルHから求めたウェートを入力して乗算する。また、乗算部58−3は、デインタリーブ部78−3からデインタリーブABされた信号を入力すると共に、ウェート演算部77−1から、デインタリーブBが行われた伝搬ベクトルHから求めたウェートを入力して乗算する。加算部59−2は、乗算部58−1からの乗算結果と、乗算部58−3からの乗算結果とを入力し、加算演算を行う。これにより、受信信号ベクトルとウェートベクトルの内積演算がなされ、第2の送信データ系列の送信ストリームを出力する。
同様に、乗算部58−2は、デインタリーブ部78−2からデインタリーブBAされた信号を入力すると共に、ウェート演算部77−2から、デインタリーブAが行われた伝搬ベクトルHから求めたウェートを入力して乗算する。また、乗算部58−4は、デインタリーブ部78−4からデインタリーブBAされた信号を入力すると共に、ウェート演算部77−2から、デインタリーブAが行われた伝搬ベクトルHから求めたウェートを入力して乗算する。加算部59−1は、乗算部58−2からの乗算結果と、乗算部58−4からの乗算結果とを入力し、加算演算を行う。これにより、受信信号ベクトルとウェートベクトルの内積演算がなされ、第1の送信データ系列の送信ストリームを出力する。
このように、乗算部58−1,58−3及び加算部59−2の内積演算、並びに、乗算部58−2,58−4及び加算部59−1の内積演算により、空間多重された各送信ストリームを分離及び検出することができる(ステップS808)。但し、この段階では、実環境が論理的に完全に送信ストリームを分離できる理想的な伝搬環境でないことから、程度の差はあるものの、伝搬環境に応じた残留干渉成分が除去しきれずに存在する。
干渉レプリカ生成部62−1は、スイッチ部63−1から第1の送信データ系列のLLR(LDPC復号後のビット毎のLLR)を入力すると共に、デインタリーブ部75−4からデインタリーブAされた伝搬チャネルHを入力する。そして、入力したLLRからサブキャリア毎の軟信号値を算出し、この軟信号値に、これに対応するデインタリーブAされた伝搬チャネルHをサブキャリア毎に乗算し、第1の送信データ系列の干渉ストリームの軟値レプリカを生成し、干渉レプリカとして出力する(ステップS812)。
同様に、干渉レプリカ生成部62−2は、スイッチ部63−2から入力した第2の送信データ系列のLLRからサブキャリア毎の軟信号値を算出し、デインタリーブ部75−3から入力したデインタリーブBされた伝搬チャネルHを乗算し、第2の送信データ系列の干渉ストリームの軟値レプリカを生成し、干渉レプリカとして出力する(ステップS812)。
干渉レプリカ生成部62−1により生成された干渉レプリカは、干渉レプリカ除去部56−1,56−3へ出力され、干渉レプリカ生成部62−2により生成された干渉レプリカは、干渉レプリカ除去部56−4,56−2へ出力される。そして、それぞれの受信アンテナ系列の信号から干渉レプリカが減算される。
対数尤度比算出部60−1,60−2、LDPC復号部61−1,61−2、スイッチ部63−1,63−2及び硬判定部64−1,64−2は、図2に示した実施例1の受信装置201と同様であるので、ここでは説明を省略する(ステップS809〜ステップS811,ステップS813)。
IDDによる繰り返し処理回数が指定回数以上になった場合に、硬判定部64−1,64−2における硬判定により、元の第1の送信データ系列及び第2の送信データ系列の送信ストリームが復元される。
以上のように、実施例3の受信装置203によれば、受信アンテナ系列において異なるデインタリーブ処理を行う場合であっても、干渉除去のためのIDDループの中に、デインタリーブ部75−1〜75−6によるデインタリーブの処理及び再インタリーブの処理を入れないようにした。このため、干渉除去のためのIDDループの繰り返し回数が増えた場合であっても、それに伴ってデインタリーブ(デインタリーブ部78−1〜78−4による処理は除く。)及び再インタリーブの処理の数が増えることはない。したがって、デインタリーブ及び再インタリーブの処理による遅延時間がさほど増大することがなく、比較的インタリーブ長の大きいMIMO伝送システムであっても、短い遅延時間でIDDループを実現することができる。これにより、ハイビジョン映像等の高ビットレートの素材を途切れずに安定して伝送することが可能となる。
〔実施例4〕
次に、実施例4について説明する。この実施例4は、2つの送信データ系列におけるLDPC符号化処理及びインタリーブ処理が異なり、2つの受信アンテナ系列におけるデインタリーブ処理が異なり、2つの繰り返し処理におけるLDPC復号処理が異なる場合の例である。図9は、実施例4の送信装置の構成を示す図である。この送信装置104は、図4に示した送信装置102と同様に、2系列の異なる送信データ系列a,bをそれぞれ独立して処理し、2つの送信アンテナを介してそれぞれ送信する。送信装置104は、送信データ系列aを処理するLDPC符号化部11−1、インタリーブ部12−1、マッピング部3−1、OFDMフレーム構成部4−1、IFFT部5−1、GI付加部6−1及び直交変調部7−1を備え、送信データ系列bを処理するLDPC符号化部11−2、インタリーブ部12−2、マッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2及び直交変調部7−2を備えている。
図4に示した実施例2の送信装置102と図9に示す実施例4の送信装置104とを比較すると、全体的な構成は同一である。一方、実施例2の送信装置102が、インタリーブAのパターンでインタリーブを行うインタリーブ部2−1,2−2を備えており、同じインタリーブAを行うのに対し、実施例4の送信装置104が、インタリーブAのパターンでインタリーブを行うインタリーブ部12−1及びインタリーブBのパターンでインタリーブを行うインタリーブ部12−2を備えており、異なるインタリーブA,Bを行う点で相違する。図9において、図4と共通する部分には図4と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。
LDPC符号化部11−1は、送信データ系列aを入力し、LDPC符号化(1)により誤り訂正符号化を行い、符号化された信号を出力する。一方、LDPC符号化部11−2は、送信データ系列bを入力し、LDPC符号化(2)により誤り訂正符号化を行い、符号化された信号を出力する。LDPC符号化部11−1,11−2は、異なる符号化処理を行う。
インタリーブ部12−1は、LDPC符号化部11−1から符号化された信号を入力し、1本のサブキャリアに割り当てる1ビットまたは複数ビットをインタリーブの1単位としてインタリーブAのパターンでインタリーブし、インタリーブされたサブキャリア単位の信号を出力する。一方、インタリーブ部12−2は、LDPC符号化部11−2から符号化された信号を入力し、インタリーブAとは異なるインタリーブBのパターンでインタリーブし、インタリーブされたサブキャリア単位の信号を出力する。インタリーブ部12−1,12−2は、異なるインタリーブ処理を行う。
送信装置104において処理された信号は、図示しない送信アンテナを介して送信される。そして、送信データ系列a用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)と、送信データ系列b用の送信アンテナから送信された信号(送信ストリーム)は、空間領域において多重される。
図10は、実施例4の受信装置の構成を示す図である。この受信装置204は、空間領域において多重された送信ストリームを、2つの受信アンテナを介して受信し、2つの受信アンテナ系列においてそれぞれ直交復調等の処理を行い、デインタリーブの処理を行い、そして、干渉除去のための繰り返し処理を行う。受信装置204は、第1の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−1、GI除去部52−1、FFT部53−1、デインタリーブ部75−1,75−2を備え、第1の送信データ系列について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−2,56−4、デインタリーブ部78−2,78−4、乗算部58−2,58−4、加算部59−1、対数尤度比算出部60−1、LDPC復号部71−1、スイッチ部63−1及び干渉レプリカ生成部62−1を備え、第2の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−2、GI除去部52−2、FFT部53−2及びデインタリーブ部75−5,75−6を備え、第2の送信データ系列について干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−3,56−1、デインタリーブ部78−3,78−1、乗算部58−3,58−1、加算部59−2、対数尤度比算出部60−2、LDPC復号部71−2、スイッチ部63−2及び干渉レプリカ生成部62−2を備え、CP抽出/チャネル推定部54、デインタリーブ部75−3,75−4及びウェート演算部77−1,77−2を備え、第1の送信データ系列を処理する硬判定部64−1及び第2の送信データ系列を処理する硬判定部64−2を備えている。
図5に示した実施例2の受信装置202と図10に示す実施例4の受信装置204とを比較すると、全体的な構成は同一である。一方、実施例2の受信装置202が、デインタリーブ部55−1,55−2,55−3及びウェート演算部57を備えているのに対し、実施例4の受信装置204は、それぞれ異なるデインタリーブを行うデインタリーブ部75−1,75−2、デインタリーブ部75−5,75−6、デインタリーブ部75−3,75−4及びウェート演算部77−1,77−2を備えている点で相違する。また、実施例4の受信装置204は、デインタリーブ部78−1,78−2,78−3,78−4を備えている点で相違する。
また、図7に示した実施例3の受信装置203と図10に示す実施例4の受信装置204とを比較すると、実施例3の受信装置203が、LDPC復号(1)により信頼性の高いビット毎のLLRに更新するLDPC復号部61−1,61−2を備えており、同じ復号方法を実現するのに対し、実施例4の受信装置204は、LDPC復号(1)により信頼性の高いビット毎のLLRを更新するLDPC復号部71−1及びLDPC復号(2)により信頼性の高いビット毎のLLRを更新するLDPC復号部71−2を備えており、異なる復号方法を実現する点で相違する。受信装置204において異なる復号方法を実現するのは、送信装置104において異なる符号化方法を実現しており、これに対応しているからである。実施例4の受信装置204の各構成要素については、すでに実施例2の受信装置202及び実施例3の受信装置203において説明しているので、ここでは説明を省略する。
以上のように、実施例4の受信装置204によれば、受信アンテナ系列において異なるデインタリーブ処理を行い、LDPC復号部71−1,71−2において異なるLDPC復号処理を行う場合であっても、干渉除去のためのIDDループの中に、デインタリーブ部75−1〜75−6によるデインタリーブの処理及び再インタリーブの処理を入れないようにした。このため、干渉除去のためのIDDループの繰り返し回数が増えた場合であっても、それに伴ってデインタリーブ(デインタリーブ部78−1〜78−4による処理は除く。)及び再インタリーブの処理の数が増えることはない。したがって、デインタリーブ及び再インタリーブの処理による遅延時間がさほど増大することがなく、比較的インタリーブ長の大きいMIMO伝送システムであっても、短い遅延時間でIDDループを実現することができる。これにより、ハイビジョン映像等の高ビットレートの素材を途切れずに安定して伝送することが可能となる。
〔実施例5〕
次に、実施例5について説明する。この実施例5は、送信データ系列を1つとし、送信アンテナから送信される送信ストリームを2つとした場合の例である。図11は、実施例5の送信装置の構成を示す図である。この送信装置105は、1系列の送信データ系列aに対して誤り訂正符号化を行い、送信ストリーム数に相当する数の連続データ(キャリア単位)をグループの要素としてグループ化し、グループ単位でインタリーブを行い、グループ内の各要素を送信ストリーム系統にそれぞれシリアル/パラレル変換し、マッピング等を行って2つの送信アンテナを介してそれぞれ送信する。送信装置105は、1系列の送信データ系列aを処理するLDPC符号化部21、グループ化部22、インタリーブ部23及びS/P変換部24を備え、第1の送信ストリームの処理を行うマッピング部3−1、OFDMフレーム構成部4−1、IFFT部5−1、GI付加部6−1及び直交変調部7−1を備え、第2の送信ストリームの処理を行うマッピング部3−2、OFDMフレーム構成部4−2、IFFT部5−2、GI付加部6−2及び直交変調部7−2を備えている。
図1に示した実施例1の送信装置101及び図4に示した実施例2の送信装置102と図11に示す実施例5の送信装置105とを比較すると、実施例1の送信装置101及び実施例2の送信装置102におけるLDPC符号化部1−1,1−2,11−1,11−2及びインタリーブ部2−1,2−2が2系列であるのに対し、実施例5の送信装置105におけるLDPC符号化部21、グループ化部22、インタリーブ部23、S/P変換部24が1系列である点で相違する。
LDPC符号化部21は、送信データ系列aを入力し、LDPC符号化(1)により誤り訂正符号化を行い、符号化された信号を出力する。グループ化部22は、LDPC符号化部21から符号化された信号を入力し、送信ストリーム数に相当する数の連続データ(キャリア単位)をグループの要素としてグループ化し、グループ化された信号を出力する。
図13は、送信装置105における送信データの流れを説明する図である。図13に示すように、グループ化部22は、LDPC符号化部21から、各キャリアに割り当てられているデータC0,C1,・・・,C9を入力し、送信ストリームの数が2であるから、例えば、隣接データC0,C1を1つのグループG0にグループ化し、隣接データC2,C3を1つのグループG1にグループ化する等して、グループ化された信号G0,G1,・・・,G4をインタリーブ部23に出力する。
図11に戻って、インタリーブ部23は、グループ化部22からグループ化された信号を入力し、グループ毎にインタリーブAのパターンでインタリーブし、インタリーブされたグループ毎のサブキャリア単位の信号を出力する。これにより、符号化された信号は、グループ毎に時間軸方向に分散される。
図13を参照して、具体的には、インタリーブ部23は、グループ化部22からグループ化された信号G0,G1,・・・,G4を入力し、グループ毎にインタリーブAを行い、例えば、インタリーブされた信号G3,G0,・・・,G1をS/P変換部24に出力する。
図11に戻って、S/P変換部24は、インタリーブ部23から、インタリーブされたグループ毎のサブキャリア単位の信号を入力し、グループ内の要素を送信ストリームの系統毎に分けるために、シリアル/パラレル変換を行う。S/P変換部24により変換された第1の送信ストリームの信号はマッピング部3−1へ、第2の送信ストリームの信号はマッピング部3−2へそれぞれ出力される。
図13を参照して、S/P変換部24は、例えば、グループG3内の要素C6,C7をシリアル/パラレル変換し、信号G3(C6)と信号G3(C7)とに分け、マッピング部3−1,3−2にそれぞれ出力する。同様に、グループG0については、要素C0,C1をシリアル/パラレル変換し、信号G0(C0)と信号G0(C1)とに分け、マッピング部3−1,3−2にそれぞれ出力する。これにより、同時に送信される信号を観測した場合、同じグループ内の信号(例えば、C6及びC7、C0及びC1等)が空間的に多重されることになる。
図11に戻って、マッピング部3−1,3−2、OFDMフレーム構成部4−1,4−2、IFFT部5−1,5−2、GI付加部6−1,6−2及び直交変調部7−1,7−2の処理は、図1に示した実施例1の送信装置101と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図12は、実施例5の受信装置の構成を示す図である。この受信装置205は、空間領域において多重された送信ストリームを、2つの受信アンテナを介して受信し、2つの受信アンテナ系列にてそれぞれ直交復調等の処理を行い、デインタリーブの処理を行い、そして、干渉除去のための繰り返し処理を行う。受信装置205は、第1の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−1、GI除去部52−1、FFT部53−1及びデインタリーブ部55−1を備え、第2の受信アンテナ系列を処理する直交復調部51−2、GI除去部52−2、FFT部53−2及びデインタリーブ部55−2を備え、送信ストリームについて干渉除去のための繰り返し処理を行う干渉レプリカ除去部56−1〜56−4、乗算部58−1〜58−4、加算部59−1,59−2、P/S変換部81、対数尤度比算出部82、LDPC復号部83、S/P変換部84及び干渉レプリカ生成部62−1,62−2を備え、CP抽出/チャネル推定部54、デインタリーブ部55−3及びウェート演算部57を備え、送信データ系列を処理する硬判定部85を備えている。
図2に示した実施例1の受信装置201及び図5に示した実施例2の受信装置202と図12に示す実施例5の受信装置205とを比較すると、実施例1の受信装置201及び実施例2の受信装置202における対数尤度比算出部60−1,60−2、LDPC復号部61−1,61−2,71−1,71−2、スイッチ部63−1,63−2が2系列であるのに対し、実施例5の受信装置205におけるP/S変換部81、対数尤度比算出部82、LDPC復号部83及びS/P変換部84が1系列である点で相違する。受信装置205においてP/S変換部81、対数尤度比算出部82、LDPC復号部83及びS/P変換部84が1系統であるのは、送信装置105においてLDPC符号化部21、グループ化部22、インタリーブ部23及びS/P変換部24が1系統であることに対応しているからである
直交復調部51−1,51−2、GI除去部52−1,52−2、FFT部53−1,53−2、CP抽出/チャネル推定部54、デインタリーブ部55−1〜55−3、干渉レプリカ除去部56−1〜56−4、ウェート演算部57、乗算部58−1〜58−4及び加算部59−1,59−2の処理は、図2に示した実施例1の受信装置201及び図5に示した実施例2の受信装置202と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図14は、受信装置205における受信データの流れを説明する図である。図14に示すように、受信装置205は、送信装置105から空間的に多重された信号を、2つの受信アンテナを介してそれぞれ受信する。デインタリーブ部55−1,55−2は、多重された信号をグループ毎にデインタリーブAを行う。具体的には、デインタリーブ部55−1は、多重された信号G3,G0,・・・,G1を入力し、グループ毎にデインタリーブAを行い、例えば、デインタリーブされた信号G0,G1,・・・,G4を出力する。同様に、デインタリーブ部55−2は、多重された信号G3,G0,・・・,G1を入力し、グループ毎にデインタリーブAを行い、例えば、デインタリーブされた信号G0,G1,・・・,G4を出力する。
デインタリーブ部55−1,55−2によりグループ毎にデインタリーブされた信号は、干渉レプリカ除去部56−1〜56−4において干渉レプリカが除去され、空間フィルタリングにより各々の送信ストリームを分離及び検出する。図14においては、空間フィルタリングにより、第1の送信ストリームの信号C0,C2,・・・,C8及び第2の送信ストリームの信号C1,C3,・・・,C9の信号が出力される。
図12に戻って、P/S変換部81は、加算部59−1から、空間フィルタリングによる分離及び検出された第1の送信ストリームを入力すると共に、加算部59−2から、空間フィルタリングによる分離及び検出された第2の送信ストリームを入力し、パラレル/シリアル変換を行う。つまり、P/S変換部81は、送信装置105のS/P変換部24におけるシリアル/パラレル変換に対応した逆の処理を行い、送信装置105のグループ化部22における入力信号に対応した信号を、シリアル信号として出力する。
図14を参照して、具体的には、P/S変換部81は、第1の送信ストリームの信号C0,C2,・・・,C8を入力すると共に、第2の送信ストリームの信号C1,C3,・・・,C9を入力し、パラレル/シリアル変換を行い、シリアル信号C0,C1,・・・,C9を出力する。
図12に戻って、対数尤度比算出部82は、P/S変換部81からパラレル/シリアル変換された信号を入力し、サブキャリア単位にビット毎の対数尤度比を算出し、LLRを出力する。LDPC復号部83は、対数尤度比算出部82から送信データ系列のLLRを入力し、LDPC復号(1)により、信頼性の高いビット毎のLLRに更新し、再びLLRを出力する。繰り返し処理回数が指定回数以上でない場合は、LLRをS/P変換部84に出力し、繰り返し処理回数が指定回数以上である場合は、LLRを硬判定部85に出力する。
S/P変換部84は、LDPC復号部83からLDPC復号後の送信データ系列のLLRを入力し、シリアル/パラレル変換する。S/P変換部84によりシリアル/パラレル変換された第1の送信ストリームのLLRは干渉レプリカ生成部62−1へ、第2の送信ストリームのLLRは干渉レプリカ生成部62−2へそれぞれ出力される。
干渉レプリカ生成部62−1は、S/P変換部84から第1の送信ストリームのLLR(LDPC復号後のビット毎のLLR)を入力すると共に、デインタリーブ部55−3からデインタリーブされた伝搬チャネルHを入力する。そして、入力したLLRからサブキャリア毎の軟信号値を算出し、この軟信号値に、これに対応するデインタリーブされた伝搬チャネルHをサブキャリア毎に乗算し、干渉ストリームの軟値レプリカを生成し、干渉レプリカとして出力する。
同様に、干渉レプリカ生成部62−2は、S/P変換部84から第2の送信ストリームのLLRからサブキャリア毎の軟信号値を算出し、デインタリーブ部55−5から入力したデインタリーブされた伝搬チャネルHを乗算し、干渉ストリームの軟値レプリカを生成し、干渉レプリカとして出力する。
干渉レプリカ生成部62−1により生成された干渉レプリカは、干渉レプリカ除去部56−1,56−3へ出力され、干渉レプリカ生成部62−2により生成された干渉レプリカは、干渉レプリカ除去部56−4,56−2へ出力される。そして、それぞれの受信アンテナ系列の信号から干渉レプリカが減算される。
このように、干渉レプリカ生成部62−1,62−2において干渉レプリカが生成され、干渉レプリカ除去部56−1,56−2,56−3,56−4において受信信号から干渉レプリカが減算される毎に、残留干渉成分が徐々に少なくなり、除去されることになる。すなわち、乗算部58−1〜58−4、加算部59−1,59−2、P/S変換部81、対数尤度比算出部82、LDPC復号部83、S/P変換部84、干渉レプリカ生成部62−1,62−2及び干渉レプリカ除去部56−1,56−2までの処理を1回の処理単位とし、この処理を繰り返し複数回行う(IDDループを行う)。これにより、残留干渉成分の影響を低減することが可能となる。
硬判定部85は、繰り返し処理回数が指定回数以上である場合に、LDPC復号部83からLLRを入力し、硬判定により、元の送信データ系列の送信ストリームを復元する。
以上のように、実施例5の受信装置205によれば、干渉除去のためのIDDループの中に、デインタリーブ部55−1〜55−3によるデインタリーブの処理及び再インタリーブの処理を入れないようにした。このため、干渉除去のためのIDDループの繰り返し回数が増えた場合であっても、それに伴ってデインタリーブ及び再インタリーブの処理の数が増えることはない。したがって、デインタリーブ及び再インタリーブの処理による遅延時間が増大することがなく、比較的インタリーブ長の大きいMIMO伝送システムであっても、最低限(インタリーブ及びデインタリーブ1回分)の遅延時間でIDDループを実現することができる。これにより、ハイビジョン映像等の高ビットレートの素材を途切れずに安定して伝送することが可能となる。
以上、実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。前記実施例のMIMO伝送システムは、2台の送信アンテナを備えた送信装置101〜105と、2台の受信アンテナを備えた受信装置201〜205とにより構成されていたが、本発明は送信アンテナ及び受信アンテナの台数により限定されるものではなく、3台以上の送信アンテナ及び受信アンテナにも適用がある。
また、前記実施例1〜4のMIMO伝送システムでは2系列の送信データ系列a,bを対象とし、実施例5のMIMO伝送システムでは1系統の送信データ系列aを対象としているが、本発明は送信データ系列の系列数により限定されるものではない。
また、前記実施例のMIMO伝送システムは、対象とする信号を、OFDM方式で変調されるマルチキャリアの信号としたが、本発明は信号の種別により限定されるものではなく、例えば、シングルキャリア等のその他の変調方式による信号にも適用がある。
また、前記実施例の送信装置101〜105では、LDPC符号化部1−1,1−2,11−1,11−2,21が、LDPC符号化により誤り訂正を行い、符号化された信号を出力するが、本発明は誤り訂正符号としてLDPC符号に限定されるものではなく、その他の誤り訂正符号にも適用がある。例えば、ターボ符号等の軟値入力軟値出力型の誤り訂正方式による符号、硬判定型の誤り訂正符号を用いてもよい。
また、前記実施例1〜4の受信装置201〜204では、スイッチ部63−1,63−2が、繰り返し処理回数が指定回数以上でない場合、入力したLLRを干渉レプリカ生成部62−1,62−2に出力し、繰り返し処理回数が指定回数以上である場合、入力したLLRを硬判定部64−1,64−2に出力するようにしたが、LDPC復号部61−1,61−2,71−1,71−2により出力された復号後のLLRの平均値が予め設定された値を超えない場合に、入力したLLRを干渉レプリカ生成部62−1,62−2に出力し、そのLLRの平均値が予め設定された値を超えた場合に、入力したLLRを硬判定部64−1,64−2に出力するようにしてもよい。前記実施例5の受信装置205において、LDPC復号部83についても同様である。