JP2010206457A - 無線アクセスシステム及び移動局装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】OFDMAシステムにおいて1セル周波数繰返しを実現する。
【解決手段】各基地局は共通の周波数帯域を用いるとともに、移動局における各基地局の信号の受信タイミングのずれがガードインターバル内になるように同期されている。各基地局は、パイロット信号を含むパイロットチャネルと、少なくとも移動局との通信に必要な制御情報を含む制御チャネルと、チャネル符号化されたユーザデータの情報を含むトラフィックチャネルとが多重されたOFDM信号を送信する。移動局3は、無線伝搬路における歪みおよび周辺セル基地局2からの干渉信号による干渉を受けた自セル基地局1からの希望信号を受信し、パイロット信号から取得したチャネル情報と受信した制御情報を用い、MAP推定に基づく繰り返し信号検出により、希望信号sと干渉信号uを分離検出し、希望信号成分のみを取り出すことで、自セル基地局1からの希望信号sを高精度に再生する。
【選択図】図1

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式を用いた無線アクセスシステム及びその移動局装置に関する。
第3.9世代や第4世代等の次世代移動通信方式としてOFDM方式を用いた無線アクセス方式(OFDMAシステム)が有力視されている。
OFDMAシステムなどのサービスの面的展開を図るときに、周波数の有効利用を図るための各種の方法が知られている。
図12は、同一周波数を用いる基地局間距離を多くとり、同一周波数干渉を軽減することにより、周波数の地理的再利用率を向上させる方法の例を示す図であり、(a)はNセル周波数繰返し、(b)はFFR(Fractional Frequency Reuse:部分周波数繰り返し)の図である。
図12の(a)は、N=3の場合のNセル周波数繰返しを示しており、この場合、周波数利用率は概ね1/3となる。
図12の(b)に示すFFRの例は、共通の周波数帯域を4つに分割し、各セルの中心部では同一の周波数帯域を利用し、周辺部では他の周波数帯域を繰返し利用するものである。この場合の周波数利用率は概ね1/2となり、従来のNセル周波数繰返しに比べて、周波数利用率を改善することができる。
一方、図13は、リピテーションの例を示す図である。リピテーションは、同じデータをM回繰返し送信してSIRを向上することにより、全セルで共通の周波数帯域を使用する1セル周波数繰返しを実現する方法である。図示する例の場合には、1セル周波数繰返しであるため、周波数の地理的な再利用率は1となるが、M=3とされているため、時間軸を考慮した周波数利用率は概ね1/3となる。
また、希望信号と干渉信号のレプリカを用いて同一周波数干渉を高精度に除去するための干渉キャンセル技術が提案されている(特許文献1、2、非特許文献1)。
さらに、アダプティブアレーアンテナを用いて干渉波を抑圧する方法も知られている。これは、所望波方向の利得を増大させ、干渉波方向に対する利得を減少させる指向性パターンを適応的に制御することで、所望波を良好に受信する技術である。この方法は、第3世代以降の移動通信方式(DS−CDMA等)における周波数利用効率増大技術として大きな期待が寄せられている。
近年、送信機、受信機にそれぞれ複数のアンテナを持つMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)システムが注目されている。MIMOシステムにおける送信方法、すなわちマルチアンテナ送信方法にはいくつかの方法があり、単一のストリームを時空間符号化やビームフォーミングを行って送信することにより得られるダイバーシティ効果によってSN比を改善し、伝送の信頼性の向上を主眼とするMIMOダイバーシティと、複数のストリームを空間多重で送信することにより、伝送レートを向上させることを主眼とするMIMO空間多重に大別される(非特許文献3)。さらに近年では、MIMOダイバーシティとMIMO空間多重のハイブリッド型に位置づけられる方法も提案され、検討されている(非特許文献4、5)。なお、これらのマルチアンテナ送信方法及びその受信方法については非特許文献3及びその参考文献などに詳しく記載されているので、ここではこれらの詳細な説明は省略するが、MIMOシステムにおいては、同時に送信された複数の信号を高精度に分離・検出する技術、すなわち信号分離技術が実現に不可欠な要素技術の一つとして、様々な方法が提案され、検討が行われている(非特許文献3)。
MIMO空間多重における信号分離技術の代表例として、空間フィルタリングによる方法(ZF(zero-forcing)法、MMSE(minimum mean square error)法など)、最尤推定に基づく信号検出(最尤判定、MLD:maximum likelihood detection)法及びMIMOチャネル行列のMMSE QR分解とMアルゴリズムを用いたMMSE QRD−Mアルゴリズムに基づきMLD法からの特性劣化を抑えながら、MLD法に対する演算量の大幅な削減を実現する方法(MMSE−QRM−MLD法)などが知られている(非特許文献2、3)。
また、誤り訂正符号(チャネル符号)化されたMIMOシステムを対象とし、軟入力軟出力誤り訂正復号器の外部値を軟出力MIMO信号検出器に事前値としてフィードバックする最大事後確率(MAP:Maximum A posteriori Probability)推定に基づく繰り返し信号検出法(MAP検出法)が提案されており(非特許文献7)、該MAP検出の簡易化アルゴリズムとして、SD(Sphere Decoding)アルゴリズム(非特許文献7、10)や軟出力Mアルゴリズム(Soft-Output M-Algorithm)(非特許文献8)などが知られている。これらの手法では、誤り訂正MIMO空間多重における信号分離技術と誤り訂正復号技術を連携させることにより、前述のZF法、MMSE法、MLD法に比べて優れたMIMO伝送特性を実現できることが知られている。
さらに、OFDM方式にMIMOを適用したシステムや(非特許文献2、6)、軟入力軟出力誤り訂正復号の簡略化アルゴリズムも知られている(非特許文献11)。
無線アクセスシステムにおいて、無線周波数のより効率的な利用が求められている。
しかしながら、上述のように、図12及び図13に示した方法では、周波数利用率1を実現することは困難である。
セル間干渉除去により、リピテーションを用いずに1セル(セクタ)周波数繰返しを実現することができれば、OFDMAシステムにおける周波数利用率は大きく向上する。
従来の干渉キャンセル技術を利用してセル間干渉除去を行う方法も考えられるが、従来の干渉キャンセル技術、例えば非特許文献1に記載の技術は、OFDM方式を前提としてない。また、アダプティブアレーアンテナ等の空間フィルタリングを用いたセル間干渉抑圧技術において、同時に打ち消すことが可能な干渉波数は、(アレーアンテナの素子数−1)、すなわち、アレーの自由度だけしかなく多数の干渉波を抑圧するためには多くの素子数を用意する必要がある。アンテナ設置スペースを広くとることができない移動局側にアダプティブアレーアンテナ等で用いられるMMSE法等の線形信号処理に基づく空間フィルタリング技術を適用する場合には、この制約は厳しいものとなる。特に、送受で複数のアンテナを用いるMIMO構成を採用した場合には、複数の信号が同時に送信されている場合が多く、線形信号処理に基づく空間フィルタリングを用いた干渉抑圧技術では周辺セルからの干渉波への対応が困難となる。そのため、送信側及び受信側で用いられるアンテナ数について制約を受けない、最尤推定やMAP推定等の非線形信号処理に基づく干渉除去法を適用する必要がある。
OFDMにおいてセル間干渉除去を効率的に行うため、互いに異なる基地局から送信される希望信号と干渉信号の間で伝搬路におけるマルチパスを含めた受信タイミングずれ(タイミングオフセット)がOFDMのガードインターバル(GI)内に収まっていること、すなわちシンボル間同期がとれていることが望ましい。すなわち、希望信号と干渉信号の受信タイミングずれがOFDMのガードインターバル(GI)を超えると復調精度が大きく劣化するため、基地局間の同期制御が必要である。
また、高精度な干渉除去を実現するためには、受信側で検出すべき希望信号のパラメータ、すなわち自セル基地局における信号の変調方法・マルチアンテナ送信方法(例えば、送信アンテナ数やプレコーディング方法)等の送信方式だけでなく、考慮すべき干渉信号に関するパラメータ、すなわち干渉となる周辺セル基地局の数や各周辺セル基地局における信号の変調方法・マルチアンテナ送信方法等の送信方式を事前に把握する必要がある。送信方式が固定されている簡易なシステムであれば、受信側で変調方法やマルチアンテナ送信方法等の情報を改めて取得する必要はないが、少なくとも希望信号の受信レベルと比較して無視できない受信レベルの干渉信号の数(以下、干渉信号数)に関する情報については、基地局配置や伝搬環境によって変化するため、動的に取得する必要がある。
干渉信号数の情報を取得する方法として、受信信号を解析することにより推定することも可能であるが、その情報を取得するための方法は簡素化できることが望ましい。
一方、近年、変調方法や誤り訂正の符号化率等の送信方式を伝搬路の状態に応じて適応的に切替制御を行う適応伝送(リンクアダプテーション)を適用したシステムが増えつつあり、このようなシステムでは、適応的に切替わる送信方式を受信側で認識できるための仕組みは不可欠となっている。しかし、非特許文献1等に記載されている従来の干渉キャンセル技術を利用してセル間干渉除去を行う方法は、このような適応伝送を前提としていない。そのため、適応伝送を行うシステムにはそのまま適用できない課題がある。
そこで、本発明者は、周辺セルからの干渉信号を除去するセル間干渉キャンセラ技術によりリピテーションを用いずに1セル周波数繰り返し(N=1)を実現することで、OFDMを用いた無線アクセスシステムにおける周波数利用率を大きく向上させた無線アクセスシステム、基地局装置及び移動局装置を提案した(特願2007−268108号、非特許文献9)。
この提案された無線アクセスシステムは、OFDMにより基地局と移動局が通信を行う無線アクセスシステムにおける下りリンクの伝送において複数の基地局で共通の周波数帯域を使用する際、互いに干渉となる全ての基地局の送信タイミングが、移動局における各基地局からの信号のマルチパスを含めた受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル内に収まるように制御されており、各基地局は、パイロット信号を含むパイロットチャネルと、少なくとも移動局との通信に必要な制御情報を含む制御チャネルと、ユーザデータの情報を含むトラフィックチャネルとが多重されたOFDM信号を送信し、移動局は、各基地局からの信号のパイロット信号区間における受信信号に含まれる前記パイロット信号に基づいて自セル基地局と自移動局との間、及び干渉となる各周辺セル基地局と自移動局との間のチャネル情報を取得する手段と、前記制御チャネルを自セル基地局及び干渉となる周辺セル基地局について復調し、自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の前記制御情報を取得する手段と、前記取得したチャネル情報と前記取得した自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の制御情報とに基づいて、受信信号から自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号とをMLD(最尤検出法)などを用いて検出することにより、自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号を分離する信号分離手段とを有し、分離されたこれらの複数信号から希望信号のみを取り出すことで周辺セルからの干渉信号除去を実現するものである。
特開平8−331025号公報 再表94/17600号公報
Hitoshi Yoshino, Kazuhiko Fukawa, and Hiroshi Suzuki, "Interference Cancelling Equalizer (ICE) for Mobile Radio Communication," IEEE Transactions on Vehicular Technology, vol.46, no.4, pp.849-861, Nov. 1997. Sunmei Sun, Yongmei Dai, Zhongding Lei, Kenichi Higuchi, and Hiroyuki Kawai, "Pseudo-Inverse MMSE Based QRD-M Algorithm for MIMO OFDM," in Proceedings of IEEE VTC2006-Spring, vol.3, pp.1545-1549, Melbourne, Australia, May 2006. Takeo OHGANE, Toshihiko NISHIMURA and Yasutaka OGAWA, "Applications of Space Division Multiplexing and Those Performance in a MIMO Channel", IEICE Transactions on Communications, Vol.E88-B, No.5, pp.1843-1851, May 2005. E.N. Onggosanusi, A.G. Dabak, and T.M. Schmidl, "High Rate Space-time Block Coded Scheme: Performance and Improvement in Correlated Fading Channels," in Proccedings of IEEE WCNC2002, vol.1, pp.194-199, Orland, Florida, USA, March 2002. M.V. Do, W.H. Chin, and Y. Wu, "Performance Study on a Hybrid Space Time Block Coded System", in Proceedings of IEEE ISWPC2006, Phuket, Thailand, Jan. 2006. A. van Zelst, R. van Nee and G.A. Awater, "Space Division Multiplexing (SDM) for OFDM systems", in Proceedings of IEEE VTC2000-Spring vol.2, pp.1070-1074, Tokyo, Japan, May 2000. H. Vikalo, B. Hassibi, and T. Kailath, "Iterative decoding for MIMO channels via modified sphere decoding", IEEE Transactions on Wireless Communications, vol.3, no.6, pp.2299-2311, Nov. 2006. K. K.Y. Wong and P.I. McLane, "Low-complexity space-time turbo equalization with the soft-output M-algorithm for frequency-selective channels", in Proceedings of IEEE ICC2005, vol.4, pp.2251-2255, Seoul, Korea, May 2005. M. Mikami and T. Fujii, "A downlink transmission method for OFDM cellular systems with inter-cell interference cancellation using simplified MLD based MMSE QRD-M algorithm," in Proceedings of IEEE VTC2008-Spring, pp.2011-2015, Marina Bay, Singapore, May. 2008. B.M. Hochwald and S. ten Brink, "Achieving near-capacity on a multiple-antenna channel," IEEE Transaction on Communications, vol.51, no.3, pp.389−399, March 2003. A.J. Viterbi, "An intuitive justification and a simplified implementation of the MAP decoder for convolution codes," IEEE Journal Selected Areas in Communications, vol.16, pp.260−264, Feb. 1998.
上記本発明者により提案された無線アクセスシステムによれば、希望信号のみならず干渉信号も検出して信号分離処理を行うことにより1セル周波数繰り返しを実現することができたが、より一層のスループット性能の向上が望まれている。
また、提案された無線アクセスシステムは、希望信号と干渉信号を分離する複数信号分離処理において誤り訂正復号処理との連携を行うものではなかった。
そこで、本発明は、複数信号分離処理において誤り訂正復号処理との連携を図り、OFDMセルラシステムの下りリンクにおける周波数利用率及びセル端のスループット性能の大幅な向上を実現することができる無線アクセスシステム及びその移動局装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の無線アクセスシステムは、OFDMにより基地局と移動局が通信を行う無線アクセスシステムであって、下りリンクの伝送において複数の基地局で共通の周波数帯域を使用する際、互いに干渉となる全ての基地局の送信タイミングが、移動局における各基地局からの信号のマルチパスを含めた受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル内に収まるように制御されており、各基地局は、パイロット信号を含むパイロットチャネルと、少なくとも移動局との通信に必要な制御情報を含む制御チャネルと、誤り訂正符号化されたユーザデータの情報を含むトラフィックチャネルとが多重されたOFDM信号を送信し、移動局は、各基地局からの信号のパイロット信号区間における受信信号に基づいて自セル基地局と自移動局との間、及び干渉となる各周辺セル基地局と自移動局との間のチャネル情報を取得する手段と、前記制御チャネルを自セル基地局及び干渉となる周辺セル基地局について復調し、自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の前記制御情報を取得する手段と、軟出力MIMO信号検出器及び軟入力軟出力チャネル復号器を備え、前記取得したチャネル情報並びに前記取得した自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局から送信される制御情報を用いて、受信信号から自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号とを最大事後確率推定又はこれに準じる方法に基づく繰り返し信号検出により、受信信号からトラフィックチャネルにおける自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号を分離する信号分離手段とを有し、分離されたこれらの複数信号から希望信号成分のみを取り出すことで周辺セルからの干渉信号除去と自セル基地局からの希望信号の復調を同時に実現するものである。
また、各基地局は、自局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を前記制御情報中に含ませて送信するように構成されており、前記移動局は、前記トラフィックチャネルに適用する送信方式に関する情報を取得することができるようになされており、前記信号分離手段は、各基地局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報に基づいて、自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号とを分離できるように構成されているものである。
さらに、各基地局は、自局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を前記制御情報中に含ませて送信するように構成されており、移動局は、前記自セル基地局及び周辺セル基地局から受信した制御情報を復調して各基地局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を取得する送信方式情報取得手段を備え、前記信号分離手段は、前記送信方式情報取得手段により取得した情報を利用して自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号を分離できるように構成されているものである。
あるいは、各基地局はトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を自局に加えて干渉となる周辺セル基地局についても前記制御情報に含ませて送信するように構成されており、移動局は、自セル基地局から受信した制御情報を復調して自セル基地局及び周辺セル基地局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を取得するようになされているものである。
さらにまた、本発明の移動局装置は、OFDMにより基地局と移動局が通信を行う無線アクセスシステムにおける移動局装置であって、前記無線アクセスシステムは、下りリンクの伝送において複数の基地局で共通の周波数帯域を使用する際、互いに干渉となる全ての基地局の送信タイミングが、移動局における各基地局からの信号のマルチパスを含めた受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル内に収まるように制御されており、また、各基地局は、パイロット信号を含むパイロットチャネルと、少なくとも移動局との通信に必要な制御情報を含む制御チャネルと、誤り訂正符号化されたユーザデータの情報を含むトラフィックチャネルとが多重されたOFDM信号が送信するようになされているものであり、各基地局からの信号のパイロット信号区間における受信信号に基づいて、自セル基地局と自移動局との間、及び、干渉となる各周辺セル基地局と自移動局との間のチャネル情報を取得する手段と、制御チャネルを自セル基地局及び干渉となる周辺セル基地局について復調し、自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の前記制御情報を取得する手段と、軟出力MIMO信号検出器と軟入力軟出力チャネル復号器とを備え、前記取得したチャネル情報及び前記取得した自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の制御情報を用いて、受信信号から自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号とを最大事後確率推定又はこれに準じる方法に基づく繰り返し信号検出により同時に検出することにより、自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号を分離する信号分離手段とを有し、分離されたこれらの複数信号から希望信号のみを取り出すことで周辺セルからの干渉信号除去と自セル基地局からの希望信号の復調を同時に実現するものである。
このような本発明の無線アクセスシステム及び移動局装置によれば、周辺セルからの同一周波数干渉を高精度に除去することが可能となるので、リピテーションを用いずに1セル(セクタ)周波数繰返しを実現することができ、OFDMAシステムにおける周波数利用率を大きく向上することができる。
すなわち、各基地局からの信号の受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル内に収まるように制御されていることにより、希望信号と干渉信号との間でシンボル同期がとれ、高精度な干渉除去が可能となる。
さらに、希望信号だけでなく干渉信号も検出して信号分離処理を行うことにより、高精度な干渉除去が可能となる。特に、最大事後確率(MAP)推定に基づき、軟入力軟出力チャネル復号器(軟入力軟出力誤り訂正復号器)から得られる希望信号及び干渉信号の各ビットの事後確率情報を軟出力MIMO信号分離器に対する事前確率情報としてフィードバックする繰返し処理を行うことにより、各ビットの事前確率情報を用いない従来の最尤推定に基づくMIMO信号分離(MLD:Maximum Likelihood Detection)に比べて、極めて高い信号分離精度を実現することが可能となる。さらに、OFDMシステムでは、一般に誤り訂正符号化後の信号が周波数方向にインターリーブされる。そのため、周波数選択性フェージング環境下において、受信信号のランダム度が増すため、畳み込み符号等のランダム誤りの訂正に適した誤り訂正符号を適用した場合、誤り訂正復号の精度が増し、その結果、本発明で用いられる繰り返し信号分離検出の効果を得やすいという効果もある。
さらにまた、自セルの基地局の制御チャネルを介して干渉となる各周辺セル基地局の送信アンテナ数や送信ストリーム数を制御情報に含めて通知することにより、受信側において各周辺セル基地局からの制御チャネルを復号することなく干渉局の送信アンテナ数や干渉信号のストリーム数をといった高精度な干渉除去を実現するために必要な情報を受信側で把握することが可能となる。
さらにまた、制御チャネルを介してトラフィックチャネルの変調方法、誤り訂正符号化(チャネル符号化)方式、マルチアンテナ伝送方法などの送信方式に関する情報を通知することにより、無線伝搬路の状態に応じた適応伝送を行う場合にも適用することが可能となる。
本発明の無線アクセスシステムの基本的な構成および移動局の受信処理の基本概念を説明するための図である。 本発明の無線アクセスシステムの第1の実施の形態について説明するための図であり、(a)は本発明の無線アクセスシステムの第1の実施の形態の構成、(b)は基地局から送信される信号のフォーマットの一例を示す図である。 本発明の無線アクセスシステムの第2の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の無線アクセスシステムの第3の実施の形態の構成を示す図である。 本発明の無線アクセスシステムにおける基地局装置及び移動局装置の構成例を示す図であり、(a)は基地局における送信機の構成例を示すブロック図、(b)は移動局における受信機の構成例を示すブロック図である。 本発明におけるセル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器の構成の概念を説明するための図である。 本発明の移動局受信機におけるセル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器の構成例を示す図である。 本発明の無線アクセスシステムに関するシミュレーションのための評価用システムモデルの構成を示す図である。 本発明の無線アクセスシステムに関するシミュレーション諸元を示す図である。 本発明の無線アクセスシステムに関するシミュレーション結果であるブロック誤り率特性を示す図である。 本発明の無線アクセスシステムに関するシミュレーション結果であるスループット特性を示す図である。 周波数の空間利用率を向上させる従来の方法について説明するための図であり、(a)はNセル周波数繰返し、(b)はFFRの例を示す図である。 リピテーションについて説明するための図である。
図1は、本発明の無線アクセスシステムの基本的な構成について説明するための図である。
図1において、1は移動局3が在圏する基地局(自セル基地局)、2は前記基地局1に隣接する基地局(周辺セル基地局)、3は移動局である。
本発明の無線アクセスシステムはOFDM変調を用いたセルラシステムの下りリンクを対象としている。そして、図1に示すように、本システムを用いて全てのセルで共通の周波数帯域f0を使用する1セル周波数繰り返し方式とされている。そして、各基地局1、2は、移動局3における各基地局1、2から送信される信号の受信タイミングのずれが可能な限りOFDMのガードインターバル(GI)内に収まるように、同期制御されている。また、各基地局1、2は、それぞれに属する移動局に対して、同一周波数のサブキャリア上で誤り訂正符号化が施されたユーザデータを送信する。
図示するように、移動局3には、自セル基地局1から送信される希望信号sと周辺セル基地局2から送信される干渉信号uが同時に受信される。希望信号sと干渉信号uは同一周波数帯のOFDM信号である。本発明の無線アクセスシステムの移動局3は、受信信号(s+u)(ただし実際には、このsおよびuは無線伝搬路におけるフェージングによる歪を受けている)に対してMAP推定に基づく繰り返し信号検出法(MAP検出法)を用いて、希望信号sと干渉信号uを同時に推定した後、希望信号sのみを取り出すことで、干渉信号uの除去と希望信号sの高精度な復号を実現している。
すなわち、本発明の移動局3は、OFDMの各サブキャリアごとに、前記自セル基地局1から送信された希望信号と前記周辺セル基地局2から送信された干渉信号をMIMOシステムにおける複数のアンテナから送信された信号とみなし、MAP検出法に基づく信号分離技術を用いて希望信号と干渉信号の両方を推定し、そのうちの自セル基地局1からの希望信号の推定結果を取り出すことで、希望信号を復調する。
これにより、リピテーションを用いることなく、1セル周波数繰返しを実現できる。
そして、自セル基地局1からの希望信号sと周辺セル基地局2から干渉信号uの成分が混合された受信信号から、干渉信号成分を容易に除去することができるように、本発明の無線アクセスシステムにおいては、各基地局から送信される信号のマルチパス遅延を含めた受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル(GI)内に収まるように、各基地局において送信タイミングを制御している(基地局間同期制御)。また、事前に干渉信号のパラメータを把握することができるように、各基地局から送信方式に関する情報を移動局に通知するようにしている。
なお、以上の説明では、周辺セル基地局2が一つであるものとして説明したが、周辺セル基地局2の数は複数であっても同様に取り扱うことができる。また、本発明における信号検出法の適用効果を発揮するためには、複数信号分離における干渉信号の推定精度を向上させる必要がある。干渉信号の推定精度を向上させるため、同一セル内の複数のユーザに対して異なる周波数のサブキャリアを割り当てることにより、複数ユーザを多重するOFDMA方式へ適用する場合には、互いにセル間干渉を引き起こすユーザに対し、各基地局が連携して同じ数かつ同一周波数のサブキャリアが割り当てられることが望ましい。
このような本発明の無線アクセスシステムの第1の実施の形態について、図2を参照して説明する。
図2において、(a)は本発明の無線アクセスシステムの第1の実施の形態の概略構成を示す図であり、(b)は基地局から送信される信号のフォーマットの一例を示す図である。
図2の(a)に示すように、自セル基地局1には1又は複数本のアンテナ4が設けられており、周辺セル基地局2には1又は複数本のアンテナ5が設けられている。自セル基地局1のアンテナ4及び周辺セル基地局2のアンテナ5から送信された信号は、移動局3に設けられた1又は複数本のアンテナ6で受信される。また、各基地局間は、コアネットワーク7で接続されている。各基地局1、2は、コアネットワーク7を介して各種情報を共有することができる。また、各基地局間では、例えば、GPSを用いて基地局間の同期制御が行われており、移動局3におけるマルチパスを含めた各基地局からの信号の受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル以内となるように送信タイミングが制御されている。
図2の(b)は、各基地局から送信される信号のチャネル構成の例であり、各基地局1、2は下りリンクにおいて、パイロットチャネル11、主に同一セル内の全てのユーザに共通の制御情報を送信する共通制御チャネル(あるいは報知チャネル)と主にユーザ毎に固有の個別制御情報を送信する個別制御チャネル(以下、上記共通制御チャネル(あるいは報知チャネル)及び上記個別制御チャネルを単に「制御チャネル」という)12、及び、トラフィックチャネル13を含む信号を移動局に向けて送信する。なお、この例では、パイロットチャネル11及び制御チャネル12はトラフィックチャネル13に対し、単純に時間多重された概念で表記しているが必ずしもこの構成に従う必要はない。例えば、パイロットチャネル11については、時間軸上やサブキャリア上で散在させてトラフィックチャネル13に対し多重するスキャッタードパイロット構成としたり、トラフィックチャネルについては、ある特定のサブキャリアの特定のタイミングのみに割り当てる構成とする方法等が考えられる。
また、前記パイロットチャネル11及び前記制御チャネル12の信号は、自セル基地局1から送信される信号も周辺セル基地局2から送信される信号もともに移動局3において復調することができることが必要とされる。したがって、パイロットチャネル11及び制御チャネル12は、互いに送信タイミングをずらすTDMA的な技術を用いたり、これらのチャネルを互いに異なる符号を用いて拡散するCDMA的な技術などを用いて、これらのチャネルが基地局間及び送信アンテナ間の干渉量を減らし、各基地局及び各送信アンテナからの信号が移動局側で識別可能となるように送信される必要がある。また、制御チャネル12については、符号化率の低い誤り訂正符号を用いて送信する等の方法を用いることにより、大きな干渉が存在する場合にも、各基地局の制御チャネルに含まれる信号をそれぞれ正しく識別できるようにすることもできる。
パイロットチャネル11は、送信側及び受信側に既知のパイロット信号(パイロットシンボル)を送信するためのチャネルであり、各基地局及び送信アンテナごとに固有のパイロットシンボルが各サブキャリアで送信される。移動局3は、パイロット信号を受信することにより、信号の受信タイミングの検出、及び、無線伝搬路における振幅及び位相の変動量の推定(チャネル推定)を行うことができる。
制御チャネル12は、主にシステムの制御のために必要な情報、同一セル内の全てのユーザに共通の制御情報を報知するための共通制御チャネル(あるいは報知チャネル)や、主にユーザ毎に個別の制御情報を所望のユーザ端末に通知するための個別制御チャネル等から構成される。セル間干渉除去を行うためには、事前に検出すべき希望信号のパラメータだけでなく、除去すべき干渉信号のパラメータを把握する必要がある。少なくとも、送信方式が固定されている簡易なシステムであっても、送信アンテナ数等の自セル基地局と移動局の通信に必要な最低限の制御情報及び除去すべき干渉信号数を事前に把握する必要がある。本発明の第1の実施の形態は、変調方法やマルチアンテナ送信方法等の送信方式が固定された適応伝送を用いない簡易なシステムについてのものであるため、この第1の実施の形態においては、各基地局は自基地局の送信信号数(送信側でビームフォーミングを用いない簡易な空間分割多重方式では、送信アンテナ数に対応するため、以下、単に送信アンテナ数とする)の情報を制御チャネル12を用いて移動局に送信するようにしている。また、本発明の他の実施の形態においては、この制御チャネル12を介して、自局についての送信方式に関する情報やさらには干渉となる周辺セル基地局の送信アンテナ数の情報及び送信方式に関する情報が送信されるが、これらについては後述する。
トラフィックチャネル13は、ユーザデータの伝送に用いられるチャネルである。各基地局は、ユーザデータを誤り訂正符号化して送信する機能とOFDM変調して送信する機能を有しており、誤り訂正符号化されたユーザデータが、サブキャリア単位でI/Qマッピングされ、時間領域の信号に変換されてトラフィックチャネル13を介して移動局3に送信される。なお、誤り訂正符号化方式としては、軟入力軟出力誤り訂正復号を行うことができるものであればどのような方式であっても良く、例えば、畳み込み符号、ターボ符号、LDPC(低密度パリティチェック)符号などを用いることができる。
移動局3では、セルサーチの段階で自移動局が属するセルの基地局、すなわち自セル基地局1だけでなく、干渉となる基地局、すなわち周辺セル基地局2の存在を認識する。ユーザデータの伝送時には、自セル基地局1及び周辺セル基地局2からそれぞれ送信されるパイロットチャネル11の信号を受信し復調することにより、基地局1、2から送信された信号の受信タイミングを検出するとともに、自セル基地局1の各送信アンテナ4及び周辺セル基地局2の各送信アンテナ5から自局の各受信アンテナ6までのサブキャリアごとのチャネル推定を行い、チャネル行列を得ることができる。
そして、チャネル推定の結果に基づいて自セル基地局1及び周辺セル基地局2からそれぞれ送信される制御チャネル12の信号を受信し復調することにより、自セル基地局1と移動局3の通信に必要な最低限の制御情報及び周辺セル基地局2から送信された信号のパラメータを認識する。これにより、希望信号数と干渉信号数をそれぞれ認識し、取得することができる。なお、自セル基地局1と移動局3の通信に必要な最低限の制御情報としては、例えば、自セル基地局1の移動局3に対するOFDMのサブキャリア割当情報や送信アンテナ数の情報等が考えられる。
移動局3は、軟出力MIMO信号検出器と軟入力軟出力チャネル復号器とを備え、上述のようにして得られたチャネル行列と、取得した希望信号数と干渉信号数の情報とに基づいて、MAP(最大事後確率)推定に基づく繰り返し信号検出法を用いて希望信号と干渉信号を推定し、希望信号と干渉信号を分離し、分離されたこれらの複数信号から、自セル基地局1からの希望信号成分のみを取り出すことで、セル間干渉信号除去と自セル基地局1からの希望信号の復調を同時に実現する。
ここで、本来のMAP推定による繰り返し信号検出法(MAP検出)に限られることはなく、MAP検出を簡略化したSphere Decoding法(非特許文献7、10)及びSoft-Output M-Algorithm(非特許文献8)などを用いるようにしてもよい。また、軟入力軟出力チャネル復号(軟入力軟出力誤り訂正復号)アルゴリズムとしては、BCJRアルゴリズム、Max Log-MAPアルゴリズム、SOVA(Soft-Output Viterbi Algorithm)などのアルゴリズムが知られているが、このいずれかのアルゴリズム、あるいはこれらを変形改良したものを使用することができる。
次に、ランクアダプテーション(適応サブストリーム数制御)を含むリンクアダプテーション(適応変調及び適応符号化率制御)が適用されたシステムを対象とする本発明の第2及び第3の実施の形態について説明する。ランクアダプテーション(適応サブストリーム数制御)を含むリンクアダプテーション(適応変調及び適応符号化率制御)が適用されたシステムを対象とする場合には、移動局側で、希望信号の送信方式(変調方式、誤り訂正符号化方式、MIMO空間多重・時空間符号化方式等)に関する情報のみならず、干渉源となる周辺セル基地局(干渉局)でトラフィックチャネルに用いられている送信方式(変調方式、誤り訂正符号化方式、MIMO空間多重・時空間符号化方式等)に関する情報を事前に把握しておくことが、高精度なセル間干渉除去を行うために必要である。
図3は、本発明の無線アクセスシステムの第2の実施の形態の構成を示す図である。この実施の形態においては、各基地局1、2は、前記制御チャネル12を介して、自局の送信アンテナ数の情報に加えて、自局の送信方式(変調方式、誤り訂正符号化方式、空間多重・時空間符号化方式等)に関する情報を送信する。これにより、移動局3は、自セル基地局1からの制御チャネル12の情報及び周辺セル基地局2からの制御チャネル12の受信信号を復号することにより、自セル基地局1及び周辺セル基地局2からのそのサブキャリアの送信信号の変調方式、誤り訂正符号化方式、空間多重・時空間符号化方式等などの送信方式に関する情報を取得することが可能となる。
これにより、伝搬路の状態に応じて最適な送信方式を選択して伝送を行うリンクアダプテーションを適用する場合に、希望信号だけでなく干渉信号の送信方式を識別することが可能となり、高精度なセル間干渉信号除去を行うことができる。
図4は、本発明の無線アクセスシステムの第3の実施の形態の構成を示す図である。
この実施の形態においては、自セル基地局1が、自局の送信アンテナ数の情報及び自局の前記送信方式に関する情報に加えて、干渉となる周辺セル基地局2の送信アンテナ数の情報及びその前記送信方式に関する情報を、前記制御チャネル12を介して移動局3に通知するようにしている。各基地局が前記コアネットワーク7経由で同一周波数を用いる送信アンテナ数の情報や前記送信方式に関する情報などの情報を相互に交換することにより、自セル基地局1は、前記コアネットワーク7を介して周辺セル基地局2の各サブキャリアで使用される送信アンテナ数の情報や送信方式に関する情報を得ることができる。自セル基地局1は、このようにして取得した周辺セル基地局の送信アンテナ数の情報及び前記送信方式に関する情報を自局に属する移動局3に通知する。
これにより、移動局3は、自セル基地局1からの制御チャネル12に含まれている情報を復調することにより干渉局(周辺セル基地局)2の送信アンテナ数の情報及び前記送信方式に関する情報を取得することが可能となる。前記図3に示した実施の形態においては、周辺セル基地局2と移動局3の間のチャネル推定及び周辺セル基地局2からの制御チャネル12の情報を復調後、復号する処理が必要であったのに対し、これらの処理を行うことなく周辺セル基地局2の送信アンテナ数及び前記送信方式に関する情報を得ることができるため、受信信号処理が簡易となり、干渉信号数の情報の取得が容易となる。
なお、適応伝送(リンクアダプテーション)を適用していない場合には、周辺セル基地局の送信アンテナ数の情報のみを自セル基地局1の制御チャネル12を用いて移動局3に通知するようにすればよい。
図2、図3、図4では、各基地局は異なる場所に設置し、オムニセル構成を用いることを前提とした記載となっているが、異なる複数の基地局を同一の場所(サイト)に設置し、基地局アンテナの指向性や場所により、各基地局がカバーするエリアを互いにシフトさせるセクタセル構成への適用も可能である。セクタセル構成を適用する場合、複数の基地局が同じ場所にあるため、コアネットワーク7を介さずに基地局間同期(セクタ間同期)を実現できる。
また、第3の実施の形態を上記セクタセル構成に適用した場合、コアネットワーク7を介さずに周辺セル(他セクタ)の送信信号方式に関する基地局間の情報転送が実現できるため、基地局間の情報転送における遅延問題を大きく軽減できる。そのため、第3の実施形態は、セクタセル構成における同一サイトのセル間干渉(セクタ間干渉)の実現が極めて容易にできるという特徴を持つ。一方、近年の基地局装置のRF部は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる方式も使われており、RRH方式では、基地局のベースバンド部とRF部は光ファイバ等で接続されるため、必ずしも同じサイトに設置される必要はない。RRH方式では、適用各基地局のRF部分のみ基地局アンテナが設置されているサイトに分散設置(張り出し設置)し、複数のサイトの基地局ベースバンド処理部を交換局がある場所等に1箇所へまとめて設置する方式(複数サイトベースバンド処理部集中設置方式)を適用できる。RRH方式の適用により、互いに同じ場所に設置された基地局ベースバンド処理部は、実質的に互いに異なるセクタと見なせるため、これらのサイト間の干渉(セル間干渉)は、セクタ干渉と同様に扱うことができる。従って、第3の実施形態を複数サイトベースバンド処理部集中設置方式に適用した場合も、複数の基地局のベースバンド処理部が同じ場所にあることから、基地局間の同期や基地局間の情報転送について、コアネットワーク7を介さずに実現できるため、セル間干渉キャンセルが極めて容易に実現できる。
次に、前記自セル基地局1及び周辺セル基地局2の送信機、及び、移動局3の受信機の具体的構成例について説明する。本発明の無線アクセスシステムは、空間分割多重(SDM:Space Division Multiplexing)技術として、複数の符号語を並列に伝送する方式(MCW:Multiple CodeWord)及び単一の符号語を伝送する方式(SCW:Single-Codeword)のいずれの場合にも適用することができるが、ここでは、MCW方式へ適用する場合の例に説明する。
図5の(a)は前記基地局1及び2における送信機の構成例を示すブロック図である。図5の(a)では、本発明に直接係る部分を中心に図示し、実際の通信において当然必要となる部位(フィルタ等)については省略している。
図5の(a)に示す送信機において、送信すべきユーザデータは、図示しないバッファを介して図示しない送信タイミング制御部により制御されたタイミングで直並列変換部21に入力され、この基地局に設けられている送信アンテナの数Nt0に対応するNt0系列の並列データに変換される。直並列変換部21から出力される各系列のデータは、それぞれ対応して設けられている送信部22−1〜22−Nt0に供給される。送信部22−1〜22−Nt0は同一の構成とされている。
各送信部22−1〜22−Nt0において、前記直並列変換器21からの各系列のデータは、チャネル符号化器31に入力されて誤り訂正符号化される。前述のように、誤り訂正符号としては、畳み込み符号、ターボ符号、LDPC符号など各種の符号を用いることができる。チャネル符号化器31で誤り訂正符号化されたデータはバースト誤りによる影響を小さくするためにインターリーバ32でチャネルインターリーブされた後、変調器33で変調される。例えば、QPSKが採用されている場合、データはIQマッピングされて複素シンボルに変換される。該変調された信号は、直並列変換器34で並列信号に変換され、多重化器35で前記パイロットチャネル及び前記制御チャネルが多重され、逆高速フーリエ変換部36に入力される。リンクアダプテーションを適用する場合、最適な変調レベル及び符号化レベルの組み合わせが、各移動局からフィードバックされるCQI(Channel Quality Indicator)に基づき選択され、選択されたその組み合わせ情報であるAMI(Adaptive Modulation and coding scheme level Information:適応変調及び適応符号化に関する情報)が制御チャネルに挿入されて送信される。
逆高速フーリエ変換部36は入力された信号に対して逆フーリエ変換を行い、該逆高速フーリエ変換部36から並列に出力される時間領域の信号は、並直列変換器37でシリアル信号に変換された後、ガードインターバル付加部38でガードインターバル(GI)が付加される。ガードインターバルが付加された信号は、D/A変換器39でアナログ信号に変換され、混合器40において局部発振器23からの搬送波周波数fcにアップコンバートされて、必要に応じてプレコーディングされた後、電力増幅器41で増幅され、対応する送信アンテナ24−1〜24−Nt0からそれぞれ送信される。
図5の(b)は、前記移動局3に設けられる受信機の構成例を示すブロック図である。図5の(b)では、図5の(a)と同様に、本発明に直接係る部分を中心について図示し、実際の通信において当然必要となる部位(フィルタ等)については省略している。
r本の受信アンテナ51−1〜51−Nrの受信信号は、それぞれに対応して設けられた信号受信部52−1〜52−Nrに入力される。各信号受信部52−1〜52−Nrは同一の構成とされている。
各信号受信部52−1〜52−Nrにおいて、対応する受信アンテナ51−1〜51−Nrで受信された信号は、図示しない低雑音増幅器で増幅された後、混合器61で局部発振器53からの搬送波周波数fcの信号と乗算されて、ベースバンドにダウンコンバートされ、A/D変換器62に入力される。A/D変換器62でデジタルデータに変換された受信信号は、ガードインターバル除去部63に入力されるとともに、タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54に入力される。
タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54は、信号受信部52−1〜52−Nrに対して共通に設けられており、各受信アンテナ51−1〜51−Nrで受信されデジタルデータに変換された信号が入力される。タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54では、各受信アンテナ51−1〜51−Nrの各サブキャリアの受信信号にそれぞれ含まれている前記パイロットチャネルの信号と前記制御チャネルの信号を復調する。
前述のように、パイロット信号は、各基地局の送信アンテナごとに固有のシンボルであり、このパイロットチャネルの信号を復調することにより、各基地局の各送信アンテナからの信号の受信タイミングを検出し、その送信アンテナからその受信アンテナまでのサブキャリアごとの伝達関数(振幅及び位相の変動)が推定される。そして、前記制御チャネルの受信信号を復調し、該制御チャネルに含まれている当該基地局の送信アンテナ数の情報(及び送信方式に関する情報)を復号することにより、自セル基地局1及び周辺セル基地局2のそれぞれの送信アンテナ数の情報(及び送信方式に関する情報)を取得する。これにより、チャネル行列H(k)を得ることができ、また、希望信号数と干渉信号数の情報や各基地局の送信方式に関する情報等、希望信号及び干渉信号に関するパラメータを取得することができる。
なお、前記図3に示した第2の実施の形態の場合には、タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54は、各基地局からの受信信号に含まれている制御チャネルの情報を復号することにより、各基地局の送信方式に関する情報を取得することができる。
また、前記図4に示した第3の実施の形態の場合には、前記自セル基地局1からの制御チャネルの中に干渉局の送信アンテナ数及び送信方式に関する情報も含まれているため、タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54は、自セル基地局1からの受信信号に含まれている制御チャネルの情報を復号するのみでよい。
このようにして、タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54により、チャネル行列及び自セル基地局及び周辺セル基地局の送信アンテナ数及び送信方式に関する情報(適応変調及び適応符号化に関する情報(AMI:Adaptive Modulation and coding scheme level Information))を取得することができる。
これらの情報は、セル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器55に供給され、後述する信号分離処理に使用される。
各信号受信部52−1〜52−Nrにおいて、前記ガードインターバル除去部63でガードインターバルが除去された前記A/D変換器62からの出力信号は、直並列変換器64でパラレル信号に変換されて高速フーリエ変換部65に供給され、サブキャリアごとの信号に変換されて出力される。ここで、サブキャリア数をNsubとする。
信号受信部52−1〜52−Nrからそれぞれ出力される各サブキャリアの信号は、セル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器55に入力される。このセル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器55において、前記タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54で推定されたチャネル情報(チャネル行列)及び復調された制御情報を用いて、MAP推定に基づく繰り返し信号検出により、各サブキャリアの受信信号から自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号が分離され、分離されたこれらの複数信号から希望信号のみを取り出すことで、干渉信号除去と同時に希望信号が高精度に再生される。なお、このセル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器55の構成については図7を参照して後述する。
前記セル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器55の構成について図7を参照して説明する前に、単一のサブキャリアについてのセル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器の構成の概念図について、図6を参照して説明する。ここでは、簡単のために希望波信号と干渉波信号がともに1系列であるとする。
図6において、91はMAPアルゴリズムに基づいて動作する軟出力MIMO信号検出器であり、複数の受信アンテナで受信された受信信号から希望信号と干渉信号を分離し、希望信号の事後確率対数尤度比(a posteriori LLR)LD1 (s)と干渉信号の事後確率対数尤度比LD1 (u)を出力する。
加算器92、デインターリーバ93、軟入力軟出力チャネル復号器94、硬判定器95、加算器96及びインターリーバ97により希望信号に対する信号推定部が構成されている。軟出力MIMO信号検出器91から出力される希望信号の事後確率対数尤度比LD1 (s)とインターリーバ97から出力される事前対数尤度比(a priori LLR)(事前値)LA1 (s)との差が外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1 (s)として出力される。該外部対数尤度比LE1 (s)は、デインターリーバ93でデインターリーブされ、事前入力値LA2 (s)として軟入力軟出力チャネル復号器94に供給される。軟入力軟出力チャネル復号器94は事前入力値LA2 (s)に基づいて誤り訂正復号処理を行い事後確率対数尤度比LD2 (s)を出力する。事後確率対数尤度比LD2 (s)と前記事前入力値LA2 (s)の差が外部情報(外部値)LE2 (s)として出力され、インターリーバ97で再インターリーブされて事前対数尤度比(事前値)LA1 (s)として前記軟出力MIMO信号検出器91に入力される。また、前記軟入力軟出力チャネル復号器94における複数回繰り返し処理後の事後確率対数尤度比LD2,i (s)は希望信号のユーザデータ部分の信頼度情報として硬判定器95で硬判定され、希望信号の再生出力として出力される。
また、加算器98、デインターリーバ99、軟入力軟出力チャネル復号器100、加算器101及びインターリーバ102により、干渉信号に対する信号推定部が構成されている。この干渉信号に対する信号推定部は、硬判定器を備えていない点を除いて前記希望信号に対する信号推定部と同様に構成されている。前記軟出力MIMO信号検出器91から出力される干渉信号の事後確率対数尤度比LD1 (u)と事前値LA1 (u)の差が外部対数尤度比LE1 (u)として出力され、デインターリーバ99を介して事前入力値LA2 (u)として軟入力軟出力チャネル復号器100に入力される。軟入力軟出力チャネル復号器100において誤り訂正復号処理が行われて事後確率対数尤度比LD2 (u)が出力され、前記事前入力値LA2 (u)との差が外部対数尤度比(外部値)LE2 (u)として出力される。この外部対数尤度比LE2 (u)がインターリーバ102で再インターリーブされ、事前対数尤度比(事前値)LA1 (u)として前記軟出力MIMO信号検出器91に入力される。なお、前記軟入力軟出力チャネル復号器100において複数回繰り返し処理された後に出力される事後確率対数尤度比LD2,i (u)の情報は、干渉信号に含まれる他ユーザのデータ部分の信頼度情報であるため、硬判定する必要はない。
MAP復号における初回の復号処理のときには事前対数尤度比(事前値)LA1 (s)及びLA1 (u)が0であり、軟出力MIMO信号検出器91はMLDの場合と同様となる。すなわち、初回の復号処理における希望信号の各ビットの事後確率対数尤度比LD1 (s)と、干渉信号の各ビットの事後確率対数尤度比LD1 (u)は、前記タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部54の出力に基づいて生成した希望信号又は干渉信号のレプリカと受信信号との二乗ユークリッド距離に基づいて算出される。
前記図5の(a)に示したように、各送信機から送信される信号は、チャネル符号化器31で誤り訂正符号化された後にインターリーバ32でインターリーブされて送信されているため、前記希望信号の外部対数尤度比LE1 (s)及び干渉信号の外部対数尤度比LE1 (u)は、デインターリーバ93及びデインターリーバ99でデインターリーブした後、軟入力軟出力チャネル復号器94及び軟入力軟出力チャネル復号器100に入力する必要がある。また、軟入力軟出力チャネル復号器94からの外部情報LE2 (s)及び軟入力軟出力チャネル復号器100からの外部情報LE2 (u)は、インターリーバ97及びインターリーバ102で再インターリーブされた事前対数尤度比(事前値)LA1 (s)及び事前対数尤度比(事前値)LA1 (u)として、前記軟出力MIMO信号検出器91に入力される。前記軟出力MIMO信号検出器91は、事前値LA1 (s)を用いて再度受信信号から希望信号を分離する処理及び事前値LA1 (u)を用いて再度受信信号から干渉信号を分離する処理を行い、希望信号の事後確率対数尤度比LD1 (s)及び干渉信号の事後確率対数尤度比LD1 (u)を出力する。以下、上述の処理を繰り返し行う。
このように、軟入力軟出力チャネル復号器の外部値を軟出力MIMO信号検出器に対する事前値としてフィードバックするため、従来のMLDに基づく手法に比べて高精度な信号分離を実現することができる。
図7は、OFDMに対応した前記セル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器55の構成例を示す図である。前記図6に示した構成は、単一サブキャリアで、希望信号と干渉信号がそれぞれ1系列ずつの場合であったが、前記図5の(a)及び(b)に示した送信機と受信機の場合には、サブキャリア数がNsub、各基地局の送信アンテナ数がNt0本とされている。また、図7では、各サブキャリアについて軟出力MIMO信号検出器に対する外部対数尤度比を求める際、図6に示したように事後確率対数尤度比と事前対数尤度比の差を計算することで求める方法もあるが、この処理に相当する部分の図示は省略している。以下では、簡単化のため、全ての基地局の送信アンテナ数が等しいものとして説明する。ここで、周辺セル基地局の数を(NB−1)とすると、自セル基地局と各周辺セル基地局の送信アンテナ数の合計は、Nt=Nt0・NB本となる。図5の(a)に示したように、送信アンテナ対応に設けられた送信部でチャネル符号化を行うMCW方式とされているため、データ系列数はNtとなる。
図7において、71−1〜71−Nsubは、各サブキャリア対応に設けられた軟出力MIMO信号検出器である。前述のように、前記受信アンテナ51−1〜51−Nr対応に設けられた信号受信部52−1〜52−Nrにそれぞれ設けられた高速フーリエ変換部65から、各受信アンテナで受信された受信信号がサブキャリアごとの受信信号に分離されて出力される。各信号受信部52−1〜52−Nrからの各サブキャリアの受信信号は、それぞれ対応する軟出力MIMO信号検出器71−1〜71−Nsubに入力される。すなわち、軟出力MIMO信号検出器71−1には、信号受信部52−1〜52−Nrからそれぞれ出力されるサブキャリア番号1の受信信号(受信信号ベクトルx(1))が入力され、軟出力MIMO信号検出器71−2には、信号受信部52−1〜52−Nrからそれぞれ出力されるサブキャリア番号2の受信信号(受信信号ベクトルx(2))が入力され、以下同様に、軟出力MIMO信号検出器71−Nsubには信号受信部52−1〜52−Nrからそれぞれ出力されるサブキャリア番号Nsubの受信信号(受信信号ベクトルx(Nsub))が入力される。
各軟出力MIMO信号検出器71−1〜71−Nsubは、入力される受信信号ベクトルx(k)(k=1,...,Nsub)及び軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−Ntの事後確率対数尤度比LE2(dj) (ただし、j=1,...,Ntであり、また、djは第jストリームの送信データ系列を表す)に基づく事前値LA1(ci(k))(i=1,...,NtMc)を用いて、各サブキャリアの送信信号ベクトルs(k)(k=1,...,Nsub)に含まれる符号化されたビット列c(k)={c1(k),…,cNtMc(k)}の事後確率対数尤度比LD1(ci(k))(i=1,...,NtMc、k=1,...,Nsub)をビット毎に計算し、前記事前値LA1(ci(k))との差である外部対数尤度比LE1(ci(k))を出力する。ここで、Ntは前述した全基地局の送信アンテナ数の合計数であり、Mcはlog2(変調多値数)、すなわち、コンスタレーションシンボルあたりのビット数である。
72−1〜72−Ntはデータ系列ごとに設けられたデータ推定部であり、前記サブキャリアごとに設けられた軟出力MIMO信号検出器71−1〜71−Nsubから出力されるデータ系列ごとの外部対数尤度比LE1(ci(k))(i=1,...,NtMc、k=1,...,Nsub)の対応する系列の信号が入力される並直列変換器81−1〜81−Ntと、該並直列変換器81〜1〜81〜Ntで直列に変換された信号をデインターリーブするデインターリーバ82−1〜82−Ntと、該デインターリーバ82−1〜82−Ntからの出力が事前入力値LA2(dj)(j=1,...,Nt)として入力される軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−Ntと、該軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−Ntから出力される外部情報LE2(dj)(事後確率対数尤度比LD2(dj)−事前入力値LA2(dj))を再インターリーブするインターリーバ84−1〜84−Ntと、該インターリーバ84−1〜84−Ntからの出力を各サブキャリアに対応するように直並列変換して、対応する前記軟出力MIMO信号検出器71−1〜71−Nsubに事前対数尤度比(事前値)LA1(ci(k))として供給する直並列変換器85−1〜85−Ntを有している。
前記図6に関して説明した場合と同様に、MIMO信号検出器71−1〜71−Nsubは軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−Ntによって提供される軟出力の信頼度情報(事前対数尤度比LA1(ci(k)))を処理し、軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−NtはMIMO信号検出器71−1〜71−Nsubによって提供される軟出力の信頼度情報(事前値LA2(dj))を処理する。希望信号のみならず干渉信号に対する各ビットの軟出力の信頼度情報を軟出力MIMO信号検出器71−1〜71−Nsubと軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−Ntの間で交換し、望ましい特性が得られるまで繰返し処理する。そして、繰り返し処理が終了した後、希望信号選択部73により、自セル基地局から送信された希望信号に対応するデータ系列の軟入力軟出力チャネル復号器から出力される事後確率対数尤度比LD2(dj)を選択して並直列変換器74に入力して直列信号に変換し、硬判定器75で硬判定することにより、希望信号の復号出力を得ることができる。なお、干渉信号に対応するデータ系列の軟入力軟出力チャネル復号器の出力は使用されない。
このように、MAP検出法を希望信号だけではなく干渉信号も対象とするように拡張することにより、干渉信号除去と希望信号の高精度復調を同時に実現することが可能となる。
本発明のセル間干渉キャンセルつき信号検出アルゴリズムについてさらに説明する。ここでは、簡単のため、各基地局の送信アンテナ数は全て等しく、それぞれNt0本ずつ持つのとして説明する。
タイミングオフセットがマルチパス遅延を含めてOFDMのガードインターバル(GI)を超えないものとすると、移動局での第kサブキャリアの受信信号ベクトルx(k)は等価低域系表現を用い、式(1)に示すNr×1次元のベクトルで表される。
Figure 2010206457
ただし、行列HD(k)及びGnB(k)は、第kサブキャリアにおける自セル基地局から移動局間及び第nB周辺セル基地局から移動局間のNr×Nt0次元のチャネル応答行列をそれぞれ表す。ベクトルsD(k)及びunB(k)は、第kサブキャリアにおける自セル基地局からの送信信号ベクトル及び第nB周辺セル基地局からの送信信号ベクトルをそれぞれ表し、その次元はNt0×1である。ΔθnBは、周波数オフセットΔfnBに伴う位相オフセットを表す。ベクトルn(k)は受信機雑音のベクトルであり、その各要素は複素ガウス分布に従うものとする。
タイミングオフセット及び周波数オフセットが無視できるとき、移動局側から見た基地局アンテナは1つの仮想的な大規模アレーアンテナとみなすことができる。従って、基地局アンテナと移動局アンテナ間のチャネルは仮想的なMIMOチャネルとみなすことができる。移動局での第kサブキャリアの受信信号ベクトルx(k)は式(2)で表される。
Figure 2010206457
ただし、Nr×Nt次元の行列H(k)は仮想MIMOチャネル行列であり、その各要素はHD(k)及び各GnB(k)ejθnBによって構成され、NB×1次元のベクトルs(k)は仮想送信信号ベクトルであり、それぞれ以下の式(3)及び(4)のように表される。
Figure 2010206457
Figure 2010206457
ただし、Nt=NB・Nt0は全ての基地局についてのトータルの送信アンテナ数、上付き文字Tは行列またはベクトルの転置を表す。
周波数オフセットΔfnBが無視できるほど十分小さいものとすると、位相オフセットΔθnBは0で近似できるため、仮想MIMOチャネル行列H(k)は式(5)で表される。
Figure 2010206457
本発明の無線アクセスシステムでは、セル間干渉(ICI)環境下における希望信号の信号検出精度を改善するため、MAP信号検出法を拡張した方法を用いる。具体的には、信号パスの探索空間の次元について、希望信号空間に加えて干渉信号空間を加えることにより拡張する。以下に信号検出の基本原理を説明する。
自セル基地局及び各周辺セル基地局から移動局間のMIMOチャネル行列及び各基地局から送信されるAMIが両方得られるとき、MAPに基づくMIMO信号検出器は、事後確率(posteriori probability)P(s(k)|x(k))を最大化することができ、その硬判定出力s^MAP(k)は式(6)で表される。
Figure 2010206457
ただし、sD^(k)及びunB^(k)(nB=1,...,NB-1)は、自セル基地局から送信された希望信号の最も確からしい候補、及びnB番目の周辺セル基地局から送信された干渉信号の最も確からしい候補をそれぞれ表す。また、sm (rep)はNt×1次元の信号ベクトル候補であり、その要素は、sD(k)及びunB(k)の候補から構成される。Bayesの定理を用いると式(7)が得られる。
Figure 2010206457
なお、式(7)に含まれる尤度関数P(x(k)|s(k))は式(8)に書き換えられる。
Figure 2010206457
ただし、σ2は受信アンテナあたりの実部または虚部の平均雑音電力である。さらに、各シンボルs1(k),s2(k),...,sNt(k)がそれぞれ独立であるとすることにより、式(7)の事前確率(a priori probability P(s(k))は式(9)で表される。
Figure 2010206457
従って、MAPアルゴリズムに基づくMIMO信号検出は、以下の最適化問題と等価である。
Figure 2010206457
ただし、sm,nt (rep)はベクトルsm,nt (rep)のnt番目の要素を表す。図7に示したように、式(6)のs^MAP(k)から,u^nB(k)(nB=1,...,NB-1)を捨てることにより、自セル基地局から送信された希望信号ベクトルsD(k)をセル間干渉キャンセルと同時に正しく推定することができる。
ここで、軟入力チャネル復号器は、MIMO信号検出器の出力として硬判定値のみならず、その信頼度情報を出力することを必要とすることに注意すべきである。MIMO信号検出器はチャネル復号器によって提供される軟出力の信頼度情報を処理し、チャネル復号器はMIMO信号検出器によって提供される軟出力の信頼度情報を処理する。本発明における信号検出法では、希望信号のみならず干渉信号に対する各ビットの軟出力の信頼度情報を軟出力MIMO信号検出器と軟入力軟出力チャネル復号器の間で交換し、望ましい特性が得られるまで繰返し処理する。次に、軟出力の信頼度情報の計算方法について詳しく述べる。
各OFDMサブキャリアのコンスタレーションシンボルあたりのビット数をMc=log2aryとする。c(k)={c1(k),...,cNt,Mc(k)}を仮想送信信号ベクトルs(k)の中に含まれる符号化されたビット列とする。一般に、符号化されたビット列c1(k),…,cNt,Mc(k)がそれぞれ独立であると仮定することにより、MIMO信号検出器出力におけるs(k)のi番目(i=1,...,NtMc)ビットの軟出力の信頼度情報は、事後確率対数尤度比(a posteriori LLR)として表され、式(11)で表される(非特許文献10参照)。
Figure 2010206457
ただし、P(ci(k)=±1|x(k))は信号ベクトルx(k)を受信したときのci(k)=±1となる条件付き確率を表す。また、式(11)では、論理値0をci(k)=+1、論理値1をci(k)=−1として表している。cm (rep)={cm,1 (rep),...,cm,NtMc (rep)}は、送信信号ベクトルのレプリカsm (rep)に対応するビット列を表す。また、LA1(ci(k))及びLE1(ci(k)|x(k))は、軟出力MIMO信号検出器における事前対数尤度比(a priori LLR)及び外部対数尤度比(extrinsic LLR)をそれぞれ表す。式(11)における事前対数尤度比LA1(ci(k))の定義より、事前確率P(ci(k))は、式(12)で表される。
Figure 2010206457
第kサブキャリアの送信信号ベクトルs(k)は、符号化されたビット列のブロックc(k)を多値化し、Gray符号化を行ってI/Q平面上にマッピングすることによって得られるので、式(11)の外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1(ci(k)|x(k))は、式(12)を用いて、式(13)のように書き換えられる。
Figure 2010206457
ただし、cm,[i] (rep)は(NtMc-1)×1のベクトルであり、送信信号ベクトルのレプリカsm (rep)をビット単位のベクトルに変換したブロックcm (rep)のうち、第iビットを除いたものである。また、LA1,[i]は(NtMc-1)×1のベクトルであり、信号分離の単位となるNt個の送信信号に含まれる全ての事前対数尤度比(a priori LLR)LA1(cp(k))から構成されるベクトルLA1に対し、第i番目の要素を除いたものである。
Max-log近似を用いることにより、外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1(ci(k)|x(k))は式(14)で近似できる。
Figure 2010206457
ただし、sm (rep)=map{cm (rep)}である。ただし、map{ } は{ }内のビット列を多値化し、Gray符号化を行った後、I/Q平面上にマッピングするマッピング関数を表す。さらに、式(11)、式(12)、及び式(14)より、事後確率対数尤度比(a posteriori LLR) LD1(ci(k)|x(k))は式(15)で近似できる。
Figure 2010206457
式(11)より、外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1(ci(k)|x(k))は、式(14)に基づいて直接計算することも可能である。一方、式(11)から式(16)が成り立つ。
Figure 2010206457
すなわち、式(16)より、図6に示したように、事後確率対数尤度比(a posteriori LLR) LD1(ci(k)|x(k))から事前対数尤度比LA1(ci(k))を差し引くことで、外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1(ci(k)|x(k))を計算できる。従って、実際には式(15)に基づき事後確率対数尤度比(a posteriori LLR) LD1(ci(k)|x(k))を求めた後、式(16)に基づき軟入力軟出力誤り訂正符号器からフィードバックされる事前対数尤度比LA1(ci(k))との差をとることで軟入力軟出力誤り訂正符号器へ渡す外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1(ci(k)|x(k))を求めることもある。
図7における軟出力MIMO信号検出器71−k(k=1,...,Nsub)は、チャネル観測値(受信信号)x(k)及び事前対数尤度比(a priori LLR)LA1(ci(k))(i=1,...,NtMc)から、式(13)に従って受信信号ベクトルx(k)ごとにNtc個の符号化された各ビットの外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1(ci(k)|x(k))を計算する。外部対数尤度比(extrinsic LLR)LE1(ci(k)|x(k))はデインターリーブされて、軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−Ntに対する事前入力値(a priori input)LA2 (dj) (j=1,...,Nt)となり、軟入力軟出力チャネル復号器83−1〜83−Ntは符号化ビットに対する外部情報LE2(dj)を計算する。そして、LE2(dj)は再インターリーブされ、軟出力MIMO信号検出器71−kへ事前対数尤度比(a priori LLR)LA1(ci(k))としてフィードバックされ、これらの処理を繰返しまたはそのサイクルを完了させる。各繰返し処理において、これらの情報を交換することによりビット誤り率が低減される。
なお、MAPに基づく繰返しMIMO信号検出アルゴリズムの実装は、計算量削減を用いないMLDと同様、変調多値数あるいは送信アンテナ数が大きい場合、計算量削減手法を適用しないと一般に実装が困難であり、Sphere Decodingを用いた計算量削減手法(非特許文献7、10など)や軟出力Mアルゴリズム(Soft-Output M-Algorithm)(非特許文献8など)を用いた計算量削減手法、等が提案されている。本発明の繰り返し信号検出においても、これらの計算量削減手法を適用するようにしてもよい。
計算機シミュレーションにより、誤り訂正符号化されたMIMO−OFDMセルラ方式において、本発明のセル間干渉キャンセルつき繰返し信号検出法の特性を評価した結果について説明する。
図8に評価用システムモデルを示し、図9にシミュレーション諸元を示す。
ここでは、図8に示すように2セルモデル(すなわち、NB=2)を仮定した。各基地局の送信アンテナ数はNt0=2とし、移動局の受信アンテナ数はNr=2とした。このため、この条件では、受信アンテナ数Nr(=2)は、全ての基地局のトータルの送信アンテナ数Nt=NB・Nt0(=4)より少なくなる。従って、受信アンテナのアレーの自由度が不足するため、MMSE (Minimum Mean Square Error)等の線形信号処理によって正しく信号を検出することはできない。ガードインターバル長Tgは有効OFDMシンボル長の1/4とした。また、フレーム長は1msとし、これは12OFDMシンボル長に相当する。チャネル符号として、拘束長K=3の畳み込み符号を用いた。簡単のため、自セル基地局及び隣接基地局からの送信信号は、同一の変調方式QPSK、同一の符号化率R=1/2を用いた。自セル基地局からの信号と周辺セル基地局からの信号の受信タイミングずれ(タイミングオフセット)は固定し、1/8有効OFDMシンボル長とした。FFT時間窓の検出及びチャネル推定は理想的に行えるものとした。また、自セル基地局から送信された制御シンボル及び周辺セル基地局から送信された制御シンボル共に移動局側で完全に復元できるものとした。移動局受信機では、希望信号と干渉信号を上述した繰返しMIMO信号検出法に基づき分離し、分離された希望信号と干渉信号は繰返し処理の中で、Max Log-MAPアルゴリズム(非特許文献11)に基づき軟入力軟出力チャネル復号される。繰返し処理を完了した後、チャネル復号器の出力におけるユーザデータの各ビットに対する事後確率対数尤度比(a posteriori LLR)の値を硬判定することによってユーザデータ系列を推定する。
図10は、横軸を1シンボルあたりの平均受信エネルギー対雑音電力密度比(受信Es/N0)として、移動局MSにおける平均希望波電力対干渉波電力比CIR=0dB(希望波と干渉波の平均受信電力が同じ)、繰り返しMAP信号検出における繰り返し回数Niter=1及びNiter=4とした場合の平均ブロック誤り率(BLER:BLock Error Rate)特性、及び、繰り返し信号検出を用いない従来のMLDに基づく信号分離法(非特許文献9)(繰り返し回数Niter=0に相当)を適用した場合の平均BLER特性をそれぞれ示す図である。ただし、ここではブロック長を1フレーム(12OFDMシンボル)に含まれる情報ビット数としている。なお、同図中には参考としてセル間干渉(ICI:Inter-Cell Interference)がない場合(No ICI,CIR=∞)の特性、すなわち理想的なセル間干渉キャンセラを実現できた場合の特性を破線で示している。この図より、本発明の繰り返しMAP信号検出法を適用した場合、繰り返し回数Niterを増やすに従い、BLER特性を改善できることがわかる。例えば、平均BLER≦10−2を達成する所要受信Es/N0を、繰り返し回数Niter=1及びNiter=4の場合で、従来のMLDに基づく方法に比べ、それぞれ約3dB及び4dB改善することができる。特に、繰り返し回数Niter=4の場合、平均受信Es/N0が約7dB以上の領域でセル間干渉が存在しない場合のBLER特性に漸近し、ほぼ理想的なセル間干渉キャンセルを実現できることがわかる。このように、受信アンテナ数Nrが全ての基地局からのトータルの送信アンテナ数Ntより少ないのにも係らず、本発明の信号検出法では、優れた伝送特性が得られている。
図11は、横軸を1シンボルあたりの平均受信エネルギー対雑音電力密度比(受信Es/N0)として、移動局MSにおける平均希望波電力対干渉波電力比CIR=0dB、繰り返しMAP信号検出における繰り返し回数Niter=1及びNiter=4とした場合、及び、繰り返し信号検出を用いない従来のMLDに基づく信号分離法(非特許文献9)(繰り返し回数Niter=0に相当)を適用した場合の平均スループット特性をそれぞれ示す図である。なお、同図中には参考としてセル間干渉(ICI:Inter-Cell Interference)がない場合(No ICI,CIR=∞)の特性、すなわち理想的なセル間干渉キャンセラを実現できた場合の特性を破線で示している。例えば、平均スループット1.8 bits/s/Hzを達成するための所要平均Es/N0について考える。図11より、CIR=0dBのとき、本発明の信号検出法では、Niter=4の場合、従来のMLDに基づく方法に比べ、所要平均Es/N0を約5dB低減することができる。さらに、本発明の信号検出法では、Niter=4のとき、CIR=0dBにおける平均Es/N0=10dBのときの平均スループットを従来の信号検出法に比べ約2倍改善することができる。この結果より、本発明のMAPアルゴリズムに基づく信号検出法は、従来のMLDに基づく信号検出法に比べて、誤り訂正符号化されたMIMO-OFDMセルラ方式におけるセル端の移動局のスループット特性を劇的に改善することが確認できる。
1:自セル基地局、2:周辺セル基地局、3:移動局、4:自セル基地局送信アンテナ、5:周辺セル基地局送信アンテナ、6:移動局受信アンテナ、7:コアネットワーク、11:パイロットチャネル、12:報知チャネルと制御チャネル、13:トラフィックチャネル、21:直並列変換器、22−1〜22−Nt0:送信部、23:局部発振器、24−1〜24−Nt0:送信アンテナ、31:チャネル符号化器、32:インターリーバ、33:変調器、34:直並列変換器、35:多重化器、36:逆高速フーリエ変換部、37:並直列変換器、38:ガードインターバル付加部、39:D/A変換器、40:混合器、41:電力増幅器、51−1〜51−Nr:受信アンテナ、52−1〜52−Nr:信号受信部、53:局部発振器、54:タイミング検出、チャネル推定及び制御信号復調部、55:セル間干渉キャンセル機能付き繰り返し信号検出及びチャネル復号器、61:混合器、62:A/D変換器、63:ガードインターバル除去部、64:直並列変換器、65:高速フーリエ変換部、71−1〜71−Nsub:軟出力MIMO信号検出器、72−1〜72−Nt:データ推定部、73:希望信号選択部、74:並直列変換器、75:硬判定器、81−1〜81−Nt:並直列変換器、82−1〜82−Nt:デインターリーバ、83−1〜83−Nt:軟入力軟出力チャネル復号器、84−1〜84−Nt:インターリーバ、85−1〜85−Nt:直並列変換器、91:軟出力MIMO信号検出器、92,96,98,101:加算器、93,99:デインターリーバ、94,100:軟入力軟出力チャネル復号器、95:硬判定器、97,102:インターリーバ

Claims (5)

  1. OFDMにより基地局と移動局が通信を行う無線アクセスシステムであって、
    下りリンクの伝送において複数の基地局で共通の周波数帯域を使用する際、互いに干渉となる全ての基地局の送信タイミングが、移動局における各基地局からの信号のマルチパスを含めた受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル内に収まるように制御されており、
    各基地局は、パイロット信号を含むパイロットチャネルと、少なくとも移動局との通信に必要な制御情報を含む制御チャネルと、誤り訂正符号化されたユーザデータの情報を含むトラフィックチャネルとが多重されたOFDM信号を送信し、
    移動局は、
    各基地局からの信号のパイロット信号区間における受信信号に基づいて自セル基地局と自移動局との間、及び干渉となる各周辺セル基地局と自移動局との間のチャネル情報を取得する手段と、
    前記制御チャネルを自セル基地局及び干渉となる周辺セル基地局について復調し、自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の前記制御情報を取得する手段と、
    軟出力MIMO信号検出器及び軟入力軟出力チャネル復号器を備え、前記取得したチャネル情報並びに前記取得した自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の制御情報を用い、最大事後確率推定又はこれに準じる方法に基づく繰り返し信号検出により、受信信号からトラフィックチャネルにおける自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号を分離する信号分離手段とを有し、分離されたこれらの複数信号から希望信号のみを取り出すことで周辺セルからの干渉信号除去と自セル基地局からの希望信号の復調を同時に実現することを特徴とする無線アクセスシステム。
  2. 各基地局は、自局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を前記制御情報中に含ませて送信するように構成されており、
    前記移動局は、前記トラフィックチャネルに適用する送信方式に関する情報を取得することができるようになされており、
    前記信号分離手段は、各基地局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報に基づいて、自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号とを分離できるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の無線アクセスシステム。
  3. 各基地局は、自局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を前記制御情報中に含ませて送信するように構成されており、
    移動局は、前記自セル基地局及び周辺セル基地局から受信した制御情報を復調して各基地局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を取得する送信方式情報取得手段を備え、
    前記信号分離手段は、前記送信方式情報取得手段により取得した情報を利用して自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号を分離できるように構成されていること
    を特徴とする請求項2記載の無線アクセスシステム。
  4. 各基地局はトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を自局に加えて干渉となる周辺セル基地局についても前記制御情報に含ませて送信するように構成されており、
    移動局は、自セル基地局から受信した制御情報を復調して自セル基地局及び周辺セル基地局のトラフィックチャネルの送信方式に関する情報を取得することを特徴とする請求項2記載の無線アクセスシステム。
  5. OFDMにより基地局と移動局が通信を行う無線アクセスシステムにおける移動局装置であって、
    前記無線アクセスシステムは、下りリンクの伝送において複数の基地局で共通の周波数帯域を使用する際、互いに干渉となる全ての基地局の送信タイミングが、移動局における各基地局からの信号のマルチパスを含めた受信タイミングのずれがOFDMのガードインターバル内に収まるように制御されており、また、各基地局は、パイロット信号を含むパイロットチャネルと、少なくとも移動局との通信に必要な制御情報を含む制御チャネルと、誤り訂正符号化されたユーザデータの情報を含むトラフィックチャネルとが多重されたOFDM信号を送信するようになされているものであり、
    各基地局からの信号のパイロット信号区間における受信信号に基づいて、自セル基地局と自移動局との間、及び、干渉となる各周辺セル基地局と自移動局との間のチャネル情報を取得する手段と、
    制御チャネルを自セル基地局及び干渉となる周辺セル基地局について復調し、自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の前記制御情報を取得する手段と、
    軟出力MIMO信号検出器及び軟入力軟出力チャネル復号器を備え、前記取得したチャネル情報並びに前記取得した自セル基地局及び干渉となる各周辺セル基地局の制御情報を用いて、受信信号から自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号とを最大事後確率推定又はこれに準じる方法に基づく繰り返し信号検出により、自セル基地局からの希望信号と周辺セル基地局からの干渉信号を分離する信号分離手段とを有し、分離されたこれらの複数信号から希望信号のみを取り出すことで周辺セルからの干渉信号除去と自セル基地局からの希望信号の復調を同時に実現することを特徴とする移動局装置。
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