JP6631755B2 - レジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物、レジンコーテッドサンド、鋳物用の中子、およびフェノール樹脂・レジンコーテッドサンド・鋳物・鋳物製品の製造方法 - Google Patents

レジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物、レジンコーテッドサンド、鋳物用の中子、およびフェノール樹脂・レジンコーテッドサンド・鋳物・鋳物製品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、レジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物、レジンコーテッドサンド、鋳物用の中子、および鋳物の製造方法に関する。
これまで鋳物用の中子を形成するためのレジンコーテッドサンドにおいて様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、88.0〜99.9重量パーセントの珪砂(SiO)を含む鋳物砂にノボラック型フェノール樹脂と金属粉末とを添加し、更に、ヘキサメチレンテトラミンを添加し加熱下において混練し、かつ滑剤としてのステアリン酸カルシュームを添加することにより、鋳物砂の表面に金属粉末含有フェノール樹脂被覆を形成したレジンコーテッドサンドを得る、と記載されている(特許文献1の表1)。
特開2004−106038号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載のレジンコーテッドサンドにおいて、易崩壊性および強度の点で改善の余地があることが判明した。
レジンコーテッドサンド(RCS)は、一般的に次のように使用される。
まず、RCSを造形金型に充填し、加熱により硬化して砂型(中子)を形成する。続いて、得られた中子(造形品)を金型(主型)に配置し、金型と中子との間隙に溶融した金属(たとえば、鉄やアルミニウムなど)を注湯する。その後、冷却し、金型を外し、中子をノックアウトし、鋳物の中から中子を除去して、鋳物製品を製造するための鋳物を得ることができる。
本発明者が検討した結果、注湯時の中子には強度が要求されるとともに、その後のノックアウト時の中子において易崩壊性が要求されることが判明した。
そこで、本発明者は、中子の要求特性に関して、中子の形成に用いるRCSに着眼して検討したところ、RCSに崩壊剤を添加することにより易崩壊性を向上させることを試みたが、反対に強度が低下してしまうことが分かった。そして、崩壊剤の添加量を増大させると、強度は一層低下するものであった。
また、崩壊剤とフェノール樹脂とを単に混合してRCSを作製した場合、詳細なメカニズムは定かでないが、フェノール樹脂中において崩壊剤が分散されないと考えられ、その結果、RCSにおいて崩壊剤による易崩壊性の効能が想定どおりに発揮されないことが分かった。そのため、この作製方法で、崩壊剤の添加量を低くすると、易崩壊性が想定以上に低下してしまうことが判明した。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、RCSに用いるフェノール樹脂中に崩壊剤を予め分散させた上で、崩壊剤の添加量を低く抑えることにより、易崩壊性とともに強度が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
詳細なメカニズムは定かでないが、フェノール樹脂中に崩壊剤を予め加熱混合することで、RCS中における崩壊剤の分散性が高くなり、低量の崩壊剤でも十分な易崩壊性の効果が得られるため、強度と易崩壊性のトレードオフを改善できる、と考えられる。
本発明によれば、
フェノール樹脂と、崩壊剤として無機酸アルカリ金属塩と、を含み、骨材を含まないレジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物であって、
前記無機酸アルカリ金属塩が、亜硫酸アルカリ金属塩を含み、
前記無機酸アルカリ金属塩の含有量が、前記フェノール樹脂100重量部に対して、0.1質量部以上8質量部以下である、レジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物が提供される。
また本発明によれば、
骨材と、前記骨材の表面を被覆する樹脂層と、を備える、中子形成用のレジンコーテッドサンドであって、
前記樹脂層は、上記フェノール樹脂組成物と、硬化剤と、を含む、レジンコーテッドサンドが提供される。
また本発明によれば、上記レジンコーテッドサンドの硬化物で構成される、鋳物用の中子が提供される。
また本発明によれば、
骨材を含まないレジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物の製造方法であって、
フェノール樹脂またはその原料成分が溶融した状態で、崩壊剤として無機酸アルカリ金属塩を、加熱混合する工程を含み、
前記無機酸アルカリ金属塩が、亜硫酸アルカリ金属塩を含み、
前記無機酸アルカリ金属塩の含有量が、前記フェノール樹脂100重量部に対して、0.1質量部以上8質量部以下である、
フェノール樹脂組成物の製造方法が提供される。
また本発明によれば、
骨材と、上記のフェノール樹脂組成物の製造方法で得られたフェノール樹脂組成物と、硬化剤と、を加熱混練する工程を含む、
前記骨材の表面を被覆する樹脂層を備える、中子形成用のレジンコーテッドサンドの製造方法が提供される。
また本発明によれば、
上記の製造方法で得られたレジンコーテッドサンドを造形金型に充填し、硬化し、脱型することにより、前記レジンコーテッドサンドの硬化物で構成された中子を得る工程と、
得られた中子を主型中に配置した後、前記主型と前記中子との間隙に溶融した金属材料を注湯する工程と、
冷却し、前記主型を脱型した後、前記中子を崩壊して、鋳物を得る工程と、を含む、鋳物の製造方法が提供される。
また本発明によれば、上記鋳物の製造方法で得られた鋳物を用いて鋳物製品を製造する工程を含む、鋳物製品の製造方法が提供される。
本発明によれば、易崩壊性および強度に優れたレジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物、それを用いたレジンコーテッドサンド、鋳物用の中子、および鋳物の製造方法が提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
実施例・比較例のRCSの曲げ強度と易崩壊性率との関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態のフェノール樹脂組成物は、レジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物であり、フェノール樹脂と、崩壊剤として無機酸アルカリ金属塩と、を含むことができる。このフェノール樹脂組成物中において、無機酸アルカリ金属塩の含有量は、フェノール樹脂100重量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下とすることができる。
本実施形態によれば、上記フェノール樹脂組成物を用いてなるRCSで中子を形成することにより、注湯時の中子の強度を高められるとともに、ノックアウト時の中子の易崩壊性を向上できる。
本発明者の知見によれば、崩壊剤の種類を適切に選択した上で、RCSに用いるフェノール樹脂中に崩壊剤を予め混合し、その崩壊剤の添加量を適切に制御することにより、易崩壊性とともに強度を改善することができる。すなわち、崩壊剤として無機酸アルカリ金属塩を用い、この無機酸アルカリ金属塩の含有量を下限値以上とすることで易崩壊性を高めつつも、その含有量を上限値以下とすることにより強度を向上させることが可能である。
しかしながら、本発明者が検討した結果、フェノール樹脂と、崩壊剤と、骨材と、必要に応じて硬化剤や滑剤を単に混練混合しただけでは、崩壊剤がフェノール樹脂中に分散されずと考えられ、その結果、十分な易崩壊性が得られないことが判明した。
これに対して、詳細なメカニズムは定かでないが、フェノール樹脂を加熱溶融させて後、そのフェノール樹脂中に崩壊剤を予め溶融混合することで、フェノール樹脂内部において崩壊剤(無機酸アルカリ塩)を高度に分散できるため、フェノール樹脂および骨材を含むRCS中における崩壊剤の分散性を向上できる。そのため、低量の崩壊剤でも十分な易崩壊性の効果が得られるので、中子における強度と易崩壊性のトレードオフを改善できる、と考えられる。
本実施形態によれば、このような崩壊剤(無機酸アルカリ金属塩)が分散されたフェノール樹脂で構成されたフェノール樹脂組成物を用い、そのフェノール樹脂組成物および骨材を含むRCSを得て、このRCSを硬化させてなる中子を用いることにより、鋳型の製造プロセスにおける製造安定性を高めることができる。
現在、鋳物製品の複雑化や軽量化が益々進んでおり、このような開発環境に対応して、上記鋳型の製造プロセスにおいて、注湯する金属として、鉄(約1200℃)よりも溶融温度が低い金属であるアルミニウム(約700℃)を使用することが多い。そのような場合、ノックアウト時における中子の易崩壊性が一層要求される。これに対して、本実施形態では、溶融温度が低い金属を使用した場合でも、易崩壊性に優れた上記の中子を使用することで、鋳型の製造安定性を維持することが可能である。
本実施形態において、鋳型製品は、各種様々な用途に用いることが可能であるが、たとえば、自動車用部品、建設機械用部品、工作機械用部品、電気機器用部品、配管等が挙げられる。この中でも自動車用部品としては、たとえば、ウオータージャケット、エンジンブロック、シリンダヘッド、カムシャフト等のエンジン部品、マニホールド等の吸気・排気系部品、ディスク、キャリバー等のブレーキ部品、ターボ部品、トランスミッション、ディファレンシャル部品等の動力伝達装置部品等が挙げられる。
本実施形態の鋳型は、上記のような鋳型製品の製造に好適に用いることが可能である。
以下、本実施形態のフェノール樹脂組成物、RCSの各成分について説明する。
(フェノール樹脂組成物)
本実施形態のフェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂と崩壊剤とを含むものである。このフェノール樹脂組成物は、RCSの形成に用いられるもので、RCSとは異なり、RCSの構成成分の一つである骨材を含まないものと定義できる。
上記崩壊剤は、無機酸アルカリ金属塩を用いることができる。
上記無機酸アルカリ金属塩は、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等のアルカリ金属の塩であり、1価のアルカリ金属塩であることが好ましい。無機酸としては、たとえば、硫酸、硝酸等の強酸、亜硫酸、亜硝酸等の弱酸等が挙げられる。アルカリ金属塩と無機酸とを適宜組み合わせて使用することができる。
この中でも、易崩壊性および分散性の観点から、亜硫酸アルカリ金属塩を用いることができ、好ましくは亜硫酸ナトリウムを用いることができる。
上記無機酸アルカリ金属塩は、単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明者の知見によれば、有機酸塩やアンモニウム塩は、上記の無機酸アルカリ金属塩と比較して、適当な易崩壊性が得られない。
RCSを用いた鋳造プロセスにおいて、鉄(約1200℃)鋳型から、アルミニウム(約700℃)鋳型の需要が高まっており、より低温での易崩壊性が要求されている。上記の無機酸アルカリ金属塩は、有機酸塩やアンモニウム塩と比べて、比較的低温加熱条件下での易崩壊性を向上させることができる。
上記無機酸アルカリ金属塩の含有量の下限値は、上記フェノール樹脂全体(固形分100重量部)に対して、たとえば、0.1質量部以上であり、好ましくは0.3質量部以上であり、より好ましくは0.5質量部以上である。これにより、RCSの硬化物の強度を高めることができる。一方で、上記無機酸アルカリ金属塩の含有量の上限値は、上記フェノール樹脂の固形分100重量部に対して、たとえば、10質量部以下であり、好ましくは8質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下である。これにより、RCSの硬化物の易崩壊性を高めることができる。
本実施形態において、フェノール樹脂の固形分とは、フェノール樹脂中における不揮発分を指し、水や溶媒等の揮発成分を除いた残部を指す。
上記フェノール樹脂は、一般に使用されているフェノール樹脂であれば特に制限はない。
上記フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のフェノール類とホルムアルデヒドやケトン類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂、上記したフェノール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂などのフェノールアラルキル樹脂、トリスフェノールメタン骨格を有するフェノール樹脂、などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール樹脂は、たとえば、フェノール類とアルデヒド類とを反応させることにより得るこができる。酸性条件下で反応させることで、ノボラック型フェノール樹脂が得られる。の酸性条件として、例えば、公知の有機酸または無機酸等の酸性触媒を用いることができる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール環数は1核体、2核体または3核体などのいずれでもよく、フェノール性水酸基数は、1個でも2個以上でもよい。
上記フェノール類の一例としては、特に限定されないが、例えば、フェノール;オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール等のクレゾール;2、3−キシレノール、2、4−キシレノール、2、5−キシレノール、2、6−キシレノール、3、5−キシレノール等のキシレノール;2,3,5−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、イソブチルフェノール、tert−ブチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、クミルフェノール、アリルフェノール等のアルキルフェノール;1−ナフトール、2−ナフトール等のナフトール;フルオロフェノール、クロロフェノール、ブロモフェノール、ヨードフェノール等のハロゲン化フェノール、p−フェニルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ジニトロフェノール、トリニトロフェノール等の1価フェノール置換体;レゾルシン、アルキルレゾルシン、ピロガロール、カテコール、アルキルカテコール、ハイドロキノン、アルキルハイドロキノン、フロログルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン、ナフタレン等の多価フェノール;などが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、フェノール類は、フェノール、クレゾール、キシレノールおよびアルキルフェノールからなる群より選ばれた2種以上を含ことができる。
上記アルデヒド類としては、特に限定されないが、例えば、ホルマリンやパラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒド;トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は単独または2種以上を組み合わせて使用してもよい。この中でも、アルデヒド類は、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドを含むことができ、生産性および安価な観点から、ホルマリンまたはパラホルムアルデヒドを用いることができる。
また、フェノール類とアルデヒド類のモル比(F/Pモル比)は、フェノール類1モルに対し、例えば、アルデヒド類を0.4〜1.0モルとしてもよく、好ましくは0.6〜0.9モルとすることができる。アルデヒド類を上記範囲とすることで、未反応フェノール量を少なくすることができ、歩留まりを上げることができる。
反応方法としては、反応の開始時にフェノール類とアルデヒド類を全量一括して反応容器に仕込み、触媒を添加し反応してもよく、また反応初期の発熱を抑制するために、フェノール類と触媒を仕込んだ後アルデヒド類を逐次添加して反応させてもよい。
また、反応温度は、例えば、60℃〜120℃としてもよく、好ましくは80℃〜100℃としてもよい。これにより、効率よく反応を十分に進めることができる。なお、反応時間は、特に制限はなく、出発原料の種類、配合モル比、触媒の使用量及び種類、反応条件に応じて適宜決定すればよい。
上記酸性触媒としては、特に限定されないが、例えば、蓚酸、酢酸などの有機カルボン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、有機ホスホン酸、塩酸、硫酸などの無機酸などが挙げられる。この中でも無機酸を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸性触媒の添加量は、特に限定されないが、例えば、フェノール類1モルに対して、0.001〜4.0モルであることが好ましく、より好ましくは、0.01〜0.5モルである。
本実施形態における反応溶媒としては、水を用いてもよいが、有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤としては、非極性溶媒を用いて非水系を用いることができる。有機溶剤の一例としては、例えば、アルコール類、ケトン類、芳香族類で、アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等で、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等で、芳香族類としては、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態によれば、酸性条件下、フェノール類とアルデヒド類とを反応させることにより25℃で固形のノボラック型フェノール樹脂を得るこができる。
上記フェノール樹脂は、25℃で固形のノボラック型フェノール樹脂を含むことができる。
25℃で固形のノボラック型フェノール樹脂の含有量が、上記フェノール樹脂の固形分全体に対して、たとえば、5重量%以上100重量%以下であり、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上である。これにより、崩壊剤の分散性を効果的に高めることが可能となり、また種々の特性を有するフェノール樹脂との組み合わせが可能になる。
本実施形態のフェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂と崩壊剤とを加熱混合することにより得ることができる。このフェノール樹脂組成物は、25℃で固形の固形樹脂組成物である。崩壊剤は、フェノール樹脂の合成プロセス時に添加してもよく、合成後のフェノール樹脂に添加してもよい。混合は、加熱した状態で混合することが好ましく、フェノール樹脂またはその原料成分が溶融した状態で溶融混合する方法が好ましい。これにより、崩壊剤の分散性を一層高めることが可能である。
上記フェノール樹脂組成物の150℃におけるゲルタイムは、たとえば、40秒以上160秒以下であり、好ましくは50秒以上150秒以下であり、より好ましくは60秒以上140秒以下である。ゲルタイムを適切に選択することにより、鋳物の成型性が良好になるという効果が得られる。
上記JIS K 2207により測定した、当該フェノール樹脂組成物の軟化点は、たとえば、70℃以上120℃以下であり、好ましくは73℃以上110℃以下であり、より好ましくは75℃以上100℃以下である。軟化点を適切に選択することにより、溶融したフェノール樹脂が砂に均一にコーティングすることで、高強度且つ安定した品質のRCSが生産できるという効果が得られる。
(レジンコーテッドサンド)
本実施形態のレジンコーテッドサンド(RCS)は、中子形成用のレジンコーテッドサンドである。上記RCSは、骨材と、骨材の表面を被覆する樹脂層と、を備えるものである。この樹脂層は、上記のフェノール樹脂組成物および硬化剤を含むことができる。
ここでいう被覆とは、一部被覆または全面被覆のいずれも含むものである。
上記骨材は、石英質を主成分とする硅砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、ムライト砂、合成ムライト砂、マグネシア、アルミナ系人工砂、サンパール砂及びこれらの回収砂、再生砂等の砂が挙げられる。上記の砂としては、新砂、回収砂、再生砂、あるいはこれらの混合物など、特に限定することなく種々を使用することができる。
上記砂の形状としては、適宜選択できるが、分散性の観点から、球状であることが好ましい。この中でも、耐火性および分散性の観点から、上記骨材は球状硅砂を含むことが好ましい。
上記樹脂層は、硬化剤を含むことができる。
上記硬化剤としては、上記フェノール樹脂組成物の硬化剤であれば公知のものを使用することができるが、たとえば、ヘキサメチレンテトラミンを用いることができる。
上記硬化剤の含有量は、前記フェノール樹脂100重量部に対して、例えば、10重量部〜50重量部、好ましくは13重量部〜40重量部、より好ましくは15重量部〜30重量部である。これにより、適度な強度を有するRCSを実現できる。
上記樹脂層は、滑剤を含むことができる。
滑剤としては、たとえば、エチレンビスステアリン酸アマイド,エチレンビスオレイン酸アマイド,メチレンビスステアリン酸アマイド,オキシステアリン酸アマイド,ステアリン酸アマイド,パルミチン酸アマイド,オレイン酸アマイド,メチロールアマイド,ステアリン酸カルシウム,ポリエチレンワックス,パラフィンワックス,モンタンワックス,カルナバワックス等が使用できる。
上記樹脂層は、上記フェノール樹脂組成物、硬化剤、滑剤などを含むRCS用樹脂組成物からなる樹脂層で構成され得る。
本実施形態のRCSの製造方法の一例としては、次のような工程が挙げられる。まず、所定の温度に加熱した骨材を、ミキサー等の混練機に投入する。骨材は、たとえば、130〜160℃、好ましくは130〜150℃に加熱する。続いて、ミキサー中に樹脂層を構成するRCS樹脂組成物の各成分を投入する。各成分は同時に添加しても、別々に添加してもよい。骨材の熱を利用して、RCS樹脂組成物を溶融混練して、骨材表面に樹脂層を被覆させることができる。たとえば、上記フェノール樹脂組成物、硬化剤を水に溶解させたもの(たとえば、ヘキサ水)、滑剤の順で添加してもよい。
以上により、本実施形態のRCSを得ることができる。
本発明者の知見によれば、下記の易崩壊性率の測定方法に基づくことにより、RCSの易崩壊性を簡便かつ安定的に評価可能であることが見出された。易崩壊性率(%)という指標に基づく場合、易崩壊性率が40%以上であれば、鋳型の製造プロセスにおいて、ノックアウト時の中子に要求される易崩壊性の要求水準を満たすものと考えられる。
本実施形態のRCSの易崩壊性率は、たとえば、50%以上であり、好ましくは55%以上であり、より好ましくは60%以上である。
上記易崩壊性率の測定方法としては、次のようなものである。
まず、レジンコーテッドサンドを所定温度にて成型した成型物を、空気を遮断した雰囲気下で600℃、20分間の条件で焼成して焼成物を得る。
得られた焼成物の振盪試験前の重量W1を測定する。
得られた焼成物を20メッシュの篩上に設置し、この篩を、ロータップ式ふるい振盪機にて2分間振盪させる振盪試験を実施する。そして、振盪試験後20メッシュの篩上に残った焼成物の重量W2を測定する。
式:(重量W1−重量W2)/重量W1から、上記易崩壊性率(%)を算出する。
本実施形態のRCSを硬化処理した硬化物により、鋳型用の中子を構成することが可能である。この鋳物用の中子を利用した鋳物の製造工程の一例としては、次のようなものが挙げられる。
本実施形態の鋳物の製造工程は、本実施形態のレジンコーテッドサンドを造形金型に充填し、硬化し、脱型することにより、レジンコーテッドサンドの硬化物で構成された中子を得る工程と、得られた中子を主型中に配置した後、主型と中子との間隙に溶融した金属材料を注湯する工程と、冷却し、主型を脱型した後、中子を崩壊(ノックアウト)して、鋳物を得る工程と、を含むことができる。
得られた鋳物は、各種の鋳物製品を製造するために好適に利用できる。
本実施形態によれば、鋳物の製造方法で得られた鋳物を用いて鋳物製品を製造する工程を含む、鋳物製品の製造方法を提供できる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<フェノール樹脂組成物の調製>
(フェノール樹脂組成物A)
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、フェノール1000部、蓚酸10部、37%ホルマリン603部(F/P=0.7)を仕込み、攪拌しながら昇温し、95〜100℃にて4時間反応を行った後、大気圧にて内温140℃になるまで加熱脱水し、さらに減圧下で軟化点が90℃になるまで脱フェノールを行い、重量平均分子量(Mw)が1050であるノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂X)を得た。ゲルタイムは90秒、軟化点は84℃であった。
100部の得られたフェノール樹脂Xを加熱溶融させた後、1部の崩壊剤1(亜硫酸ナトリウム:NaS0)を混合し、冷却、固化させることにより、フェノール樹脂組成物Aを得た。
(フェノール樹脂組成物B)
亜硫酸ナトリウム(NaS0)の添加量を2部に変更した以外は、フェノール樹脂組成物Aの調製方法と同様にして、フェノール樹脂組成物Bを得た。
(フェノール樹脂組成物C)
亜硫酸ナトリウム(NaS0)の添加量を3部に変更した以外は、フェノール樹脂組成物Aの調製方法と同様にして、フェノール樹脂組成物Cを得た。
(フェノール樹脂組成物D)
亜硫酸ナトリウム(NaS0)の添加量を15部に変更した以外は、フェノール樹脂組成物Aの調製方法と同様にして、フェノール樹脂組成物Dを得た。
(フェノール樹脂組成物E)
冷却器、攪拌装置を備えた反応容器に、フェノール900部、ビスフェノールA100部、蓚酸10部、37%ホルマリン568部を仕込み、攪拌しながら昇温し、95〜100℃にて4時間反応を行った後、大気圧にて内温140℃になるまで加熱脱水し、さらに減圧下で軟化点が90℃になるまで脱フェノールを行い、重量平均分子量(Mw)が1050であるビスフェノールA変性ノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂Y)を得た。ゲルタイムは140秒、軟化点は84℃であった。
100部のフェノール樹脂Yを加熱溶融させた後、1部の崩壊剤1(亜硫酸ナトリウム)を混合し、冷却、固化させることにより、フェノール樹脂組成物Eを得た。
<レジンコーテッドサンドの作成>
(実施例1)
フェノール樹脂組成物Aの105部と130〜140℃に加熱した骨材1(再生硅砂)の7000部とを、実験用ワールミキサーに投入し、60秒間混錬した。更に、硬化剤1(ヘキサメチレンテトラミン)の23部を水105部に溶解したものを添加し、送風冷却し、その後、滑剤1(ステアリン酸カルシウム)の7部を添加して、レジンコーテッドサンド(RCS)を得た。
(実施例2)
フェノール樹脂組成物Aに代えて、フェノール樹脂組成物Bを使用した以外は、実施例1と同様にして、RCSを得た。
(実施例3)
フェノール樹脂組成物Aに代えて、フェノール樹脂組成物Cを使用した以外は、実施例1と同様にして、RCSを得た。
(実施例4)
フェノール樹脂組成物Aに代えて、フェノール樹脂組成物Eを使用した以外は、実施例1と同様にして、RCSを得た。
(比較例1)
フェノール樹脂Xの105部と130〜140℃に加熱した骨材1(再生硅砂)の7000部とを、実験用ワールミキサーに投入し、60秒間混錬した。更に、硬化剤1(ヘキサメチレンテトラミン)の23部を水105部に溶解したものを添加し、送風冷却し、その後、滑剤1(ステアリン酸カルシウム)の7部を添加して、レジンコーテッドサンド(RCS)を得た。
(比較例2)
フェノール樹脂組成物Aに代えて、フェノール樹脂組成物Dを使用した以外は、実施例1と同様にして、RCSを得た。
(比較例3)
フェノール樹脂Xの105部と、崩壊剤1(亜硫酸ナトリウム)の1部と、130〜140℃に加熱した骨材1(再生硅砂)の7000部とを、実験用ワールミキサーに投入し、60秒間混錬した。更に、硬化剤1(ヘキサメチレンテトラミン)の23部を水105部に溶解したものを添加し、送風冷却し、その後、滑剤1(ステアリン酸カルシウム)の7部を添加して、レジンコーテッドサンド(RCS)を得た。
(軟化点)
得られたフェノール樹脂組成物の軟化点を、JIS K 2207に準拠して測定した。結果を表1に示す。
(ゲルタイム)
1gの試料(得られたフェノール樹脂組成物)を、150℃に保った熱板上にのせ、スパチュラで、常時、かき混ぜながら、スパチュラを持ち上げても、試料が糸を引かなくなるまでの時間(秒)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006631755
表1中、比較例3の「−」は、上記<フェノール樹脂組成物の調製>で得られたフェノール樹脂組成物Eの中に崩壊剤が含まれないことを意味する。
得られたレジンコーテッドサンドについて、下記の評価項目に基づいて評価を行った。
(曲げ強度)
得られたレジンコーテッドサンドを用いて、JIS−K−6910(検体の焼成条件:250℃で60秒間)に準ずるJIS式テストピース(幅:10mm×厚さ:10mm×長さ:60mm)を作製し、その得られたJIS式テストピース(以下、単にテストピース又はTPとも言う。)について、JACT試験法SM−1に準じて、その曲げ強度(N/cm)を測定した。評価結果を表1に示す。
(易崩壊性率)
レジンコーテッドサンドの易崩壊性率は以下のようにして測定した。
まず、得られたレジンコーテッドサンドを所定温度にて成型した成型物を、空気を遮断した雰囲気下で600℃、20分間の条件で焼成して焼成物を得た。
続いて、得られた焼成物の振盪試験前の重量W1(g)を測定した。
続いて、得られた焼成物を20メッシュの篩上に設置し、この篩を、ロータップ式ふるい振盪機にて2分間振盪させる振盪試験を実施する。そして、振盪試験後20メッシュの篩上に残った焼成物の重量W2(g)を測定した。
その後、式:(重量W1−重量W2)/重量W1から、上記易崩壊性率(%)を算出した。
実施例1〜4、比較例1〜3の上記の曲げ強度、易崩壊性率を図1にプロットした。比較例1、2のプロットを結んだものを基準線と呼称する。基準線に示されるように、通常、強度と易崩壊性はトレードオフの関係を示すことが分かる。崩壊剤の添加量を単純に増減させる手法では、この基準線上を移動するのみである。これに対して、実施例1〜4に示すように、崩壊剤の分散性を高めることにより、基準線が示すトレードオフを改善できることが分かった。なお、比較例3は、崩壊剤の添加量は実施例2と同じであるが、分散性が低い場合の例を示すものである。
(融着点)
融着点の測定は、JACT試験法C−1(融着点試験法)により行った。すなわち、温度勾配をもたせた金属棒の上に、測定しようとするRCSを手早く散布し、60秒後に上記金属棒から10cm離れた位置に、案内棒に沿って移動する口径1.0mmのノズルを、空気圧0.1MPaで低温部から高温部に向けて往復1回動かして金属棒上のRCSを吹き飛ばす。吹き飛ばされたRCSと吹き飛ばされなかったRCSの境界線の温度を1℃まで読み取ることにより、融着点(℃)を求めた。評価結果を表1に示す。
実施例1〜4のレジンコーテッドサンドは、比較例1〜3と比べて、強度および易崩壊性の両立という優れた特性を有するものである。実施例1〜4のレジンコーテッドサンドは、鋳物用の中子に好適に用いることが可能である。そして、その中子を用いることにより、鋳物の製造プロセス安定性を高めることができる。
この出願は、2018年1月16日に出願された日本出願特願2018−005137号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (16)

  1. フェノール樹脂と、崩壊剤として無機酸アルカリ金属塩と、を含み、骨材を含まないレジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物であって、
    前記無機酸アルカリ金属塩が、亜硫酸アルカリ金属塩を含み、
    前記無機酸アルカリ金属塩の含有量が、前記フェノール樹脂100重量部に対して、0.1質量部以上8質量部以下である、レジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載のフェノール樹脂組成物であって、
    前記フェノール樹脂が、25℃で固形のノボラック型フェノール樹脂を含む、フェノール樹脂組成物。
  3. 請求項2に記載のフェノール樹脂組成物であって、
    前記25℃で固形のノボラック型フェノール樹脂の含有量が、前記フェノール樹脂全体に対して、5重量%以上100重量%以下である、フェノール樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェノール樹脂組成物であって、
    前記無機酸アルカリ金属塩中の無機酸が、硫酸、硝酸、亜硫酸、および亜硝酸からなる群から選ばれる、フェノール樹脂組成物。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載のフェノール樹脂組成物であって、
    当該フェノール樹脂組成物の150℃におけるゲルタイムが、40秒以上160秒以下である、フェノール樹脂組成物。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のフェノール樹脂組成物であって、
    JIS K 2207に準拠して測定した、当該フェノール樹脂組成物の軟化点が、70℃以上120℃以下である、フェノール樹脂組成物。
  7. 骨材と、前記骨材の表面を被覆する樹脂層と、を備える、中子形成用のレジンコーテッドサンドであって、
    前記樹脂層は、請求項1からのいずれか1項に記載のフェノール樹脂組成物と、硬化剤と、を含む、レジンコーテッドサンド。
  8. 請求項に記載のレジンコーテッドサンドであって、
    下記の測定方法で得られた易崩壊性率が、50%以上である、レジンコーテッドサンド。
    (易崩壊性率の測定方法)
    当該レジンコーテッドサンドを所定温度にて成型した成型物を、空気を遮断した雰囲気下で600℃、20分間の条件で焼成して焼成物を得る。
    得られた焼成物の振盪試験前の重量W1を測定する。
    得られた焼成物を20メッシュの篩上に設置し、この篩を、ロータップ式ふるい振盪機にて2分間振盪させる振盪試験を実施する。そして、振盪試験後20メッシュの篩上に残った焼成物の重量W2を測定する。
    式:(重量W1−重量W2)/重量W1から、上記易崩壊性率(%)を算出する。
  9. 請求項またはに記載のレジンコーテッドサンドであって、
    前記骨材が、球状硅砂を含む、レジンコーテッドサンド。
  10. 請求項からのいずれか1項に記載のレジンコーテッドサンドであって、
    前記硬化剤が、ヘキサメチレンテトラミンを含む、レジンコーテッドサンド。
  11. 請求項から10のいずれか1項に記載のレジンコーテッドサンドであって、
    前記樹脂層は、滑剤を含む、レジンコーテッドサンド。
  12. 請求項から11のいずれか1項に記載のレジンコーテッドサンドの硬化物で構成される、鋳物用の中子。
  13. 骨材を含まないレジンコーテッドサンド形成用のフェノール樹脂組成物の製造方法であって、
    フェノール樹脂またはその原料成分が溶融した状態で、崩壊剤として無機酸アルカリ金属塩を、加熱混合する工程を含み、
    前記無機酸アルカリ金属塩が、亜硫酸アルカリ金属塩を含み、
    前記無機酸アルカリ金属塩の含有量が、前記フェノール樹脂100重量部に対して、0.1質量部以上8質量部以下である、
    フェノール樹脂組成物の製造方法。
  14. 骨材と、請求項13に記載のフェノール樹脂組成物の製造方法で得られたフェノール樹脂組成物と、硬化剤と、を加熱混練する工程を含む、
    前記骨材の表面を被覆する樹脂層を備える、中子形成用のレジンコーテッドサンドの製造方法。
  15. 請求項14に記載の製造方法で得られたレジンコーテッドサンドを造形金型に充填し、硬化し、脱型することにより、前記レジンコーテッドサンドの硬化物で構成された中子を得る工程と、
    得られた中子を主型中に配置した後、前記主型と前記中子との間隙に溶融した金属材料を注湯する工程と、
    冷却し、前記主型を脱型した後、前記中子を崩壊して、鋳物を得る工程と、を含む、鋳物の製造方法。
  16. 請求項15に記載の鋳物の製造方法で得られた鋳物を用いて鋳物製品を製造する工程を含む、鋳物製品の製造方法。
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