JP2021074742A - セラミックコーテッドサンド、耐火物成形品、鋳型ならびにセラミックコーテッドサンドおよび耐火物成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度に優れる耐火物成形品を得る技術を提供する。【解決手段】成分(a):耐火物粒と、成分(a)の外側に設けられるとともに、成分(b):金属アルコキシド類および成分(c):アルカリ化合物を含む無機バインダー層と、無機バインダー層の外側に設けられるとともに、成分(d):フェノール樹脂を含む有機バインダー層と、を含み、成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む、セラミックコーテッドサンド。【選択図】なし
Description
本発明は、セラミックコーテッドサンド、耐火物成形品、鋳型ならびにセラミックコーテッドサンドおよび耐火物成形品の製造方法に関する。
セラミックコーテッドサンドに関する技術として、特許文献1(特開2012−236230号公報)に記載のものがある。同文献には、周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシド、およびこれらの部分加水分解物の群から選ばれた少なくとも1種の金属アルコキシド類と、アルカリ金属のアルカリ化合物および/またはアルカリ土類金属のアルカリ化合物とを含むアルコール溶液と耐火物粒とを混合し、次いでバインダーとしての有機高分子材料を混合して成型し、加熱して、耐火物成型品を得る方法に関する技術が記載されている。そして、かかる方法により得られる耐火物成型品は、無機−有機ハイブリッドの耐火性の機能性材料であり、耐火物の製造工程を簡素化することもできるとされている。
本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の技術においては、耐火物成型品の強度について改善の余地があることが見出された。
そこで、本発明は、強度に優れる耐火物成形品を得る技術を提供する。
本発明によれば、
成分(a):耐火物粒と、
前記成分(a)の外側に設けられるとともに、以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含む無機バインダー層と、
前記無機バインダー層の外側に設けられるとともに、成分(d):フェノール樹脂を含む有機バインダー層と、
を含み、
前記成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む、セラミックコーテッドサンドが提供される。
成分(a):耐火物粒と、
前記成分(a)の外側に設けられるとともに、以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含む無機バインダー層と、
前記無機バインダー層の外側に設けられるとともに、成分(d):フェノール樹脂を含む有機バインダー層と、
を含み、
前記成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む、セラミックコーテッドサンドが提供される。
本発明によれば、
成分(a):耐火物粒と、
前記成分(a)の外側に設けられるとともに、以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含む無機バインダー層と、
前記無機バインダー層の外側に設けられるとともに、成分(d):フェノール樹脂を含む有機バインダー層と、
を含み、
前記有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である、セラミックコーテッドサンドが提供される。
成分(a):耐火物粒と、
前記成分(a)の外側に設けられるとともに、以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含む無機バインダー層と、
前記無機バインダー層の外側に設けられるとともに、成分(d):フェノール樹脂を含む有機バインダー層と、
を含み、
前記有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である、セラミックコーテッドサンドが提供される。
本発明によれば、前記本発明におけるセラミックコーテッドサンドの成形体である耐火物成形品が提供される。
本発明によれば、前記本発明における耐火物成形品からなる鋳型が提供される。
本発明によれば、
成分(a):耐火物粒と、
以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程と、
前記混合物と、成分(d):フェノール樹脂とを混合する工程と、
を含み、
前記成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む、セラミックコーテッドサンドの製造方法が提供される。
成分(a):耐火物粒と、
以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程と、
前記混合物と、成分(d):フェノール樹脂とを混合する工程と、
を含み、
前記成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む、セラミックコーテッドサンドの製造方法が提供される。
本発明によれば、
成分(a):耐火物粒と、
以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程と、
前記混合物と、成分(d):フェノール樹脂とを混合する工程と、
を含み、
前記有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である、セラミックコーテッドサンドの製造方法が提供される。
成分(a):耐火物粒と、
以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程と、
前記混合物と、成分(d):フェノール樹脂とを混合する工程と、
を含み、
前記有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である、セラミックコーテッドサンドの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、前記本発明におけるセラミックコーテッドサンドを成形し、加熱することにより耐火物成形品を得る工程を含む、耐火物成形品の製造方法が提供される。
本発明によれば、強度に優れる耐火物成形品を得る技術を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。なお、数値範囲の「〜」は、断りがなければ、以上から以下を表し、両端の数値をいずれも含む。また、組成物は、各成分を単独でまたは2種以上組み合わせて含むことができる。
また、本明細書において、「フェノール性水酸基当量」を適宜単に「水酸基当量」とも呼ぶ。
また、本明細書において、「フェノール性水酸基当量」を適宜単に「水酸基当量」とも呼ぶ。
(セラミックコーテッドサンド)
本実施形態において、セラミックコーテッドサンドは、成分(a):耐火物粒と、成分(a)の外側に設けられる無機バインダー層と、無機バインダー層の外側に設けられる有機バインダー層と、を含む。
無機バインダー層は、具体的には以下の成分(b)および(c)を含み、有機バインダー層は、具体的には以下の成分(d)を含む。
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
(d)フェノール樹脂
そして、成分(d)は、下記(i)および(ii)の一方または両方を満たす。
(i)成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む。
(ii)有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である。
以下、各層および構成成分について具体例を挙げて説明する。はじめに、有機バインダー層に関する構成を説明する。
本実施形態において、セラミックコーテッドサンドは、成分(a):耐火物粒と、成分(a)の外側に設けられる無機バインダー層と、無機バインダー層の外側に設けられる有機バインダー層と、を含む。
無機バインダー層は、具体的には以下の成分(b)および(c)を含み、有機バインダー層は、具体的には以下の成分(d)を含む。
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
(d)フェノール樹脂
そして、成分(d)は、下記(i)および(ii)の一方または両方を満たす。
(i)成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む。
(ii)有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である。
以下、各層および構成成分について具体例を挙げて説明する。はじめに、有機バインダー層に関する構成を説明する。
(有機バインダー層)
有機バインダー層は、無機バインダー層の外側に設けられ、好ましくは無機バインダー層に接して設けられる。有機バインダー層は、従来のレジンコーテッドサンドの成形条件で成形できるという観点から、好ましくは成分(a)の外側を被覆する。
有機バインダー層は、無機バインダー層の外側に設けられ、好ましくは無機バインダー層に接して設けられる。有機バインダー層は、従来のレジンコーテッドサンドの成形条件で成形できるという観点から、好ましくは成分(a)の外側を被覆する。
有機バインダー層の添加量は、成形品の強度向上の観点から、成分(a)に対し、好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.8質量%以上である。
また、鋳込み時の発煙の抑制の観点から、有機バインダー層の添加量は、成分(a)に対し、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以下である。
有機バインダー層は成分(d)を含み、好ましくは成分(d)を含む樹脂組成物により構成される。
また、鋳込み時の発煙の抑制の観点から、有機バインダー層の添加量は、成分(a)に対し、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以下である。
有機バインダー層は成分(d)を含み、好ましくは成分(d)を含む樹脂組成物により構成される。
(成分(d))
成分(d)は、フェノール樹脂である。成分(d)を含む有機バインダー層は、下記(i)および(ii)の一方または両方を満たし、好ましくは両方を満たす。
(i)成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂(以下、「変性フェノール樹脂」ともいう。)を含む。
(ii)有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である。
有機バインダー層が、下記(i)および(ii)の少なくとも一方を満たすことにより、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度を向上することができる。
成分(d)は、フェノール樹脂である。成分(d)を含む有機バインダー層は、下記(i)および(ii)の一方または両方を満たし、好ましくは両方を満たす。
(i)成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂(以下、「変性フェノール樹脂」ともいう。)を含む。
(ii)有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である。
有機バインダー層が、下記(i)および(ii)の少なくとも一方を満たすことにより、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度を向上することができる。
まず、上記(i)における変性フェノール樹脂について説明する。
変性フェノール樹脂は、具体的には、変性されたフェノール樹脂であり、好ましくはアルキルベンゼン変性フェノール樹脂およびアラルキル変性フェノール樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含む。
また、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂における芳香族炭化水素として、たとえば、トルエン、キシレン、メシチレン等のアルキルベンゼンが挙げられる。
変性フェノール樹脂は、具体的には、変性されたフェノール樹脂であり、好ましくはアルキルベンゼン変性フェノール樹脂およびアラルキル変性フェノール樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含む。
また、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂における芳香族炭化水素として、たとえば、トルエン、キシレン、メシチレン等のアルキルベンゼンが挙げられる。
アルキルベンゼン変性フェノール樹脂は、具体的には、アルキルベンゼンがメチレン結合等を介してフェノール樹脂と結合したものである。かかるアルキルベンゼン変性フェノール樹脂を製造する方法として、たとえば、アルキルベンゼンとホルムアルデヒドとを酸性触媒の存在下で反応させてアルキルベンゼン樹脂を製造し、これを酸性触媒の存在下でフェノール類またはフェノール類およびアルデヒド類と反応させる方法が挙げられる。この製造方法は、アルキルベンゼンとフェノール類の反応性の差を顕在化させることなく、変性フェノール樹脂を効率よく得ることができる点で好ましい。
アルキルベンゼン樹脂の製造に用いられるアルキルベンゼンとして、たとえば、アルキル基としてはメチル基またはエチル基であり、これがベンゼン環に1〜3個結合したものが挙げられる。中でも、アルキルベンゼンとしてトルエン、キシレン、およびメシチレンから選ばれる1種以上を用い、これを硫酸等の酸性触媒の存在下でホルムアルデヒドと反応させて得られるアルキルベンゼン樹脂が好ましい。
かかるアルキルベンゼン樹脂として、さらに具体的には、キシレンとホルムアルデヒドとを反応させて得られるキシレン樹脂、メシチレンとホルムアルデヒドとを反応させて得られるメシチレン樹脂が挙げられる。これらのアルキルベンゼン樹脂は、ベンゼン核結合官能基としてメチロール基、ジメチレンエーテル基、アセタール基などを有し、フェノール類との反応性が良好なものである。また、性状は粘稠な液体であり、取り扱いも容易である。
また、アルキルベンゼン樹脂として、所望の性状に調製された市販品を用いてもよい。アルキルベンゼン樹脂の市販品としては、たとえば、キシレン樹脂としてフドー社製「ニカノールH」、メシチレン樹脂として同「ニカノールM」が挙げられる。
アルキルベンゼン樹脂の製造に用いられるアルキルベンゼンとして、たとえば、アルキル基としてはメチル基またはエチル基であり、これがベンゼン環に1〜3個結合したものが挙げられる。中でも、アルキルベンゼンとしてトルエン、キシレン、およびメシチレンから選ばれる1種以上を用い、これを硫酸等の酸性触媒の存在下でホルムアルデヒドと反応させて得られるアルキルベンゼン樹脂が好ましい。
かかるアルキルベンゼン樹脂として、さらに具体的には、キシレンとホルムアルデヒドとを反応させて得られるキシレン樹脂、メシチレンとホルムアルデヒドとを反応させて得られるメシチレン樹脂が挙げられる。これらのアルキルベンゼン樹脂は、ベンゼン核結合官能基としてメチロール基、ジメチレンエーテル基、アセタール基などを有し、フェノール類との反応性が良好なものである。また、性状は粘稠な液体であり、取り扱いも容易である。
また、アルキルベンゼン樹脂として、所望の性状に調製された市販品を用いてもよい。アルキルベンゼン樹脂の市販品としては、たとえば、キシレン樹脂としてフドー社製「ニカノールH」、メシチレン樹脂として同「ニカノールM」が挙げられる。
アルキルベンゼン樹脂を用いてアルキルベンゼン変性フェノール樹脂を製造するには、たとえば、アルキルベンゼン樹脂とフェノール類またはフェノール類およびアルデヒド類とを酸性触媒下で反応させる。
フェノール類として、たとえば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール類、ビスフェノール類、カテコールおよびレゾルシンからなる群から選択される1または2以上の化合物が挙げられる。成形体の強度向上の観点から、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂の製造に用いるフェノール類は、好ましくはフェノール、クレゾール類、およびビスフェノール類からなる群から選択される1以上の化合物である。
また、アルデヒド類の具体例として、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等、またこれらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などを挙げることができる。成形体の強度向上の観点から、アルデヒド類は、好ましくはホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒドの1つ以上である。
フェノール類として、たとえば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール類、ビスフェノール類、カテコールおよびレゾルシンからなる群から選択される1または2以上の化合物が挙げられる。成形体の強度向上の観点から、アルキルベンゼン変性フェノール樹脂の製造に用いるフェノール類は、好ましくはフェノール、クレゾール類、およびビスフェノール類からなる群から選択される1以上の化合物である。
また、アルデヒド類の具体例として、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等、またこれらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などを挙げることができる。成形体の強度向上の観点から、アルデヒド類は、好ましくはホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒドの1つ以上である。
アルキルベンゼン変性フェノール樹脂は、たとえば下記一般式(1)で示される構造と、下記一般式(2)で示される構造とを有する樹脂である。
(上記一般式(1)中、mは1〜50、aは1〜50である。)
(上記一般式(2)中、nは1〜10、bは1〜50である。)
また、アラルキル変性フェノール樹脂は、具体的には、フェノール類とアラルキルエーテル類とを、またはフェノール類とアラルキルエーテル類とアルデヒド類とを反応させて得られる樹脂である。
フェノール類およびアルデヒド類としては、たとえばアルキルベンゼン変性フェノール樹脂の原料として前述したものを用いることができる。
また、アラルキルエーテル類として、たとえば、α'−ジメトキシ−p−キシレン(PXDM)、α,α'−ジエトキシ−p−キシレン、α,α'−ジメトキシ−m−キシレンおよびα,α,α'−トリメトキシ−p−キシレンからなる群から選択される1または2以上の化合物が挙げられ、好ましくはPXDMである。
フェノール類およびアルデヒド類としては、たとえばアルキルベンゼン変性フェノール樹脂の原料として前述したものを用いることができる。
また、アラルキルエーテル類として、たとえば、α'−ジメトキシ−p−キシレン(PXDM)、α,α'−ジエトキシ−p−キシレン、α,α'−ジメトキシ−m−キシレンおよびα,α,α'−トリメトキシ−p−キシレンからなる群から選択される1または2以上の化合物が挙げられ、好ましくはPXDMである。
アラルキル変性フェノール樹脂の製造においては、原料成分を反応させる順序として、たとえばフェノール類とアラルキルエーテル類を一括で仕込み、触媒を添加して反応させた後、場合によってはアルデヒド類を添加して反応させる方法、フェノール類、触媒を一括で仕込みアルデヒド類を添加して反応させた後、アラルキルエーテル類を添加して反応させる方法、あるいは、フェノール類、触媒を一括で仕込み、ここへアラルキルエーテル類とアルデヒド類とを添加して反応させる方法、などが挙げられる。
アラルキル変性フェノール樹脂の製造においては、触媒として公知のものを用いることができる。たとえば塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸第二銅、硫酸第二水銀、硫酸第一水銀、塩化第二水銀、塩化第一水銀、硫酸銀、塩化銀、硫酸水素ナトリウムのような無機化合物、モノエチル硫酸、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸、p−フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸等のような有機スルホン酸、あるいは塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、蓚酸、p−トルエンスルホン酸のような通常ノボラック型フェノール樹脂の合成に用いる無機、有機酸を用いることができる。これらの併用触媒の中でも、反応速度を大きくするという目的のためには、特にモノエチル硫酸、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸を用いることが好ましい。
また、アラルキル変性フェノール樹脂の製造には、たとえば特開2005−179383号公報に記載の方法を用いてもよい。
アラルキル変性フェノール樹脂は、たとえば下記一般式(3)に示される。
(上記一般式(3)中、pは1〜50である。)
次に、上記(ii)について説明する。
有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量は、成形体の強度向上の観点から、好ましくは120g/eq以上であり、より好ましくは125g/eq以上、さらに好ましくは130g/eq以上である。
また、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤との反応性の向上の観点から、成分(d)の水酸基当量は、好ましくは250g/eq以下であり、より好ましくは200g/eq以下、さらに好ましくは180g/eq以下である。
有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量は、成形体の強度向上の観点から、好ましくは120g/eq以上であり、より好ましくは125g/eq以上、さらに好ましくは130g/eq以上である。
また、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤との反応性の向上の観点から、成分(d)の水酸基当量は、好ましくは250g/eq以下であり、より好ましくは200g/eq以下、さらに好ましくは180g/eq以下である。
ここで、成分(d)の水酸基当量は、たとえば以下の方法で測定される。たとえば、有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物がフェノール樹脂であるとき、フェノール樹脂10gを、100mL三角フラスコに秤取る。次に、秤量したフェノール樹脂を、無水酢酸−ピリジン混合液に溶解させることによって、フェノール樹脂のアセチル化反応をおこなう。なお、アセチル化反応を終了する際は、三角フラスコに純水を添加することにより、反応を停止する。反応終了後、三角フラスコ内にクレゾールレッドとチモールブルーを指示薬として添加し、水酸化ナトリウム溶液を標準液として用いて、pOH滴定を行い、水酸基当量を算出する。
また、有機バインダー層が2種以上のフェノール樹脂を含むとき、成分(d)全体としての水酸基当量は、各樹脂の水酸基当量を配合する質量比で加重平均することにより算出する。
また、有機バインダー層が2種以上のフェノール樹脂を含むとき、成分(d)全体としての水酸基当量は、各樹脂の水酸基当量を配合する質量比で加重平均することにより算出する。
また、有機バインダー層を構成する樹脂組成物が成分(d)以外のフェノール化合物の1種以上をさらに含むとき、好ましくは、樹脂組成物に含まれるフェノール性水酸基含有化合物全体の水酸基当量を前述の範囲とする。
成分(d)の例として、下記一般式(4)に示すジシクロペンタジエン(DCPD)変性フェノール樹脂が挙げられる。
(上記一般式(4)中、qは1〜50である。)
上記一般式(4)に示したDCPD変性フェノール樹脂の水酸基当量は、q=1で181g/eq、q=5で205g/eq、q=10で213g/eq、q=15で216g/eqである。
上記一般式(4)に示したDCPD変性フェノール樹脂の水酸基当量は、q=1で181g/eq、q=5で205g/eq、q=10で213g/eq、q=15で216g/eqである。
また、有機バインダー層は、成分(d)以外の成分を含んでもよい。成分(d)以外の成分は、樹脂組成物の構成成分として有機バインダー層中に含まれてもよいし、有機バインダー層に樹脂組成物とは独立して配合されていてもよい。
たとえば、有機バインダー層が、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール等の多価フェノール化合物を含んでもよい。
たとえば、有機バインダー層が、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール等の多価フェノール化合物を含んでもよい。
また、有機バインダー層は、滑剤、硬化剤、およびカップリング剤からなる群から選択される1種または2種以上を含んでもよい。
滑剤としては、たとえば、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、オキシステアリン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、オレイン酸アマイド、メチロールアマイド、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス、カルナバワックス等が挙げられる。
滑剤の含有量は、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度向上の観点から、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
滑剤の含有量は、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度向上の観点から、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
硬化剤として、たとえばフェノール樹脂の硬化剤が挙げられ、さらに具体的にはヘキサメチレンテトラミンが挙げられる。
硬化剤の含有量は、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度向上の観点から、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
硬化剤の含有量は、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度向上の観点から、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
カップリング剤として、具体的には、エポキシシラン、アミノシラン、フェニルアミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤から選択される1種類または2種類以上が挙げられ、好ましくはγ-アミノプロピルトリエトキシシラン等のシラン系化合物が挙げられる。
カップリング剤の含有量は、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度向上の観点から、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
カップリング剤の含有量は、セラミックコーテッドサンドの成形体の強度向上の観点から、フェノール樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
次に、成分(a)および無機バインダー層について説明する。
(成分(a))
成分(a)は、耐火物粒である。成分(a)としては、たとえば、セラミックコーテッドサンドの骨材として用いることができる材料が挙げられる。成分(a)は、具体的には、石英質を主成分とする硅砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、ムライト砂、合成ムライト砂、マグネシア、アルミナ系人工砂、サンパール砂およびこれらの回収砂、再生砂等の砂が挙げられる。上記の砂としては、たとえば、新砂、回収砂、再生砂またはこれらの混合物を用いることができる。
(成分(a))
成分(a)は、耐火物粒である。成分(a)としては、たとえば、セラミックコーテッドサンドの骨材として用いることができる材料が挙げられる。成分(a)は、具体的には、石英質を主成分とする硅砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂、ムライト砂、合成ムライト砂、マグネシア、アルミナ系人工砂、サンパール砂およびこれらの回収砂、再生砂等の砂が挙げられる。上記の砂としては、たとえば、新砂、回収砂、再生砂またはこれらの混合物を用いることができる。
(無機バインダー層)
無機バインダー層は、成分(a)の外側に設けられ、好ましくは成分(a)に接して設けられる。無機バインダー層は、溶湯の熱で無機化、または注湯前に全体を焼成し無機化した成形品の強度向上の観点から、好ましくは成分(a)を被覆する。
無機バインダー層は、成分(a)の外側に設けられ、好ましくは成分(a)に接して設けられる。無機バインダー層は、溶湯の熱で無機化、または注湯前に全体を焼成し無機化した成形品の強度向上の観点から、好ましくは成分(a)を被覆する。
無機バインダーの添加量は、成形品の強度向上の観点から、成分(a)に対し、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。
また、成形品崩壊性を好ましいものとし鋳込み後の再生利用を容易にする観点から、無機バインダーの添加量は、成分(a)に対し、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
無機バインダー層は、具体的には成分(b)および(c)を含む。
また、成形品崩壊性を好ましいものとし鋳込み後の再生利用を容易にする観点から、無機バインダーの添加量は、成分(a)に対し、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
無機バインダー層は、具体的には成分(b)および(c)を含む。
(成分(b))
成分(b)は金属アルコキシド類であり、具体的には、周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上である。
ここで、本明細書において、上記金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物をまとめて金属アルコキシド類という。
成分(b)は金属アルコキシド類であり、具体的には、周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上である。
ここで、本明細書において、上記金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物をまとめて金属アルコキシド類という。
無機バインダー層の製造安定性を向上する観点から、成分(b)は好ましくはアルコール可溶性の金属アルコキシド類である。また、成分(b)は、好ましくは加水分解率0%以上であってアルコール溶剤に溶解するものである。このとき、成分(b)は、直鎖状部分加水分解物であっても、網目状部分加水分解物であっても、また、環状部分加水分解物であってもよい。
成分(b)は、さらに具体的には、下記一般式(5)または(6)に示される金属アルコキシドまたはその部分加水分解物である。
R1 mM1(OR1)4-m (5)
(上記一般式(5)中、M1は周期律表4A族または炭素以外の4B族の金属を示し、R1は互いに独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基または炭素数7〜12のアリールオキシアルキル基であり、M1がSiの場合にはm=0〜3の整数であって、M1がSi以外の場合にはm=0である。)
M2(OR1)3 (6)
(上記一般式(6)中、M2は周期律表3A族または3B族の金属を示し、R1は上記一般式(5)中のR1と同じである。)
R1 mM1(OR1)4-m (5)
(上記一般式(5)中、M1は周期律表4A族または炭素以外の4B族の金属を示し、R1は互いに独立して炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基または炭素数7〜12のアリールオキシアルキル基であり、M1がSiの場合にはm=0〜3の整数であって、M1がSi以外の場合にはm=0である。)
M2(OR1)3 (6)
(上記一般式(6)中、M2は周期律表3A族または3B族の金属を示し、R1は上記一般式(5)中のR1と同じである。)
一般式(5)におけるM1として、たとえば、Ti、Zrなどの周期律表4A族金属;Si、Ge、Sn、Pb等の炭素(C)以外の周期律表4B族金属が挙げられる。
また、上記一般式(6)におけるM2として、たとえば、Sc、Y等の周期律表3A族金属:B、Al、Ga等の周期律表3B族金属が挙げられる。
また、上記一般式(6)におけるM2として、たとえば、Sc、Y等の周期律表3A族金属:B、Al、Ga等の周期律表3B族金属が挙げられる。
一般式(5)および(6)において、R1は、互いに独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜6のアルコキシアルキル基または炭素数7〜12のアリールオキシアルキル基である。
炭素数1〜6のアルキル基として、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基が挙げられる。
炭素数6〜8のアリール基として、たとえば、フェニル基、トリル基、キシリル基が挙げられる。
炭素数2〜6のアルコキシアルキル基として、たとえば、メトキシエチル基、メトキシイソプロピル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基が挙げられる。
また、炭素数7〜12のアリールオキシアルキル基として、たとえば、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、フェノキシプロピル基、フェノキシブチル基、トリロキシメチル基、トリロキシエチル基、トリロキシプロピル基、トリロキシブチル基が挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基として、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基が挙げられる。
炭素数6〜8のアリール基として、たとえば、フェニル基、トリル基、キシリル基が挙げられる。
炭素数2〜6のアルコキシアルキル基として、たとえば、メトキシエチル基、メトキシイソプロピル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル基が挙げられる。
また、炭素数7〜12のアリールオキシアルキル基として、たとえば、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、フェノキシプロピル基、フェノキシブチル基、トリロキシメチル基、トリロキシエチル基、トリロキシプロピル基、トリロキシブチル基が挙げられる。
成分(b)は、好ましくは、一般式(5)においてM1がSiである珪酸エステルおよびアルキル珪酸エステルならびにこれらの部分加水分解物から選ばれる1または2以上の珪酸エステル類である。
珪酸エステル類のうち、テトラアルコキシシランとして、たとえば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、メトキシトリイソプロポキシシラン、ジメトキシジイソプロポキシシラン、メトキシトリプトキシシランが挙げられる。
アルキルトリアルコキシシランとして、たとえば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリプトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシランが挙げられる。
ジアルキルジアルコキシシランとして、たとえば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシランが挙げられる。
トリアルキルアルコキシシランとして、たとえば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルイソプロポキシシランが挙げられる。
ジアルキルジアルコキシシランとして、たとえば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシランが挙げられる。
トリアルキルアルコキシシランとして、たとえば、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルイソプロポキシシランが挙げられる。
アリールオキシシランとして、たとえば、テトラフェノキシシラン、テトラトリロキシシランが挙げられる。
アルキルアリールオキシシランとして、たとえば、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、メチルトリトリロキシシランが挙げられる。
アルキルアリールオキシシランとして、たとえば、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、メチルトリトリロキシシランが挙げられる。
アルコキシアルキルシランとして、たとえば、テトラメトキシメチルシラン、テトラメトキシエチルシラン、テトラメトキシイソプロピルシラン、テトラエトキシメチルシラン、テトラエトキシエチルシラン、テトラエトキシイソプロピルシランが挙げられる。
また、アリールオキシアルキルシランとして、たとえば、テトラフェノキシメチルシラン、テトラフェノキシエチルシラン、テトラフェノキシプロピルシラン、テトラフェノキシイソプロピルシラン、テトラトリロキシエチルシランが挙げられる。
また、アリールオキシアルキルシランとして、たとえば、テトラフェノキシメチルシラン、テトラフェノキシエチルシラン、テトラフェノキシプロピルシラン、テトラフェノキシイソプロピルシラン、テトラトリロキシエチルシランが挙げられる。
また、成分(b)の他の好ましい例として、テトラブトキシチタン、テトラブトキシジルカン、トリイソプロポキシアルミンが挙げられる。
セラミックコーテッドサンド中の成分(b)の含有量は、成形品の強度向上の観点から、金属酸化物換算(たとえば、金属アルコキシド類が珪酸エステル類の場合はSiO2換算)で、無機バインダー全量中、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
また、加熱時に析出する結晶相を好ましいものとする観点から、セラミックコーテッドサンド中の成分(b)の含有量は、上記無機バインダー全量中、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
また、加熱時に析出する結晶相を好ましいものとする観点から、セラミックコーテッドサンド中の成分(b)の含有量は、上記無機バインダー全量中、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。
(成分(c))
成分(c)は、アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物である。
無機バインダー層の製造安定性を向上する観点から、成分(c)は好ましくはアルコール可溶性のアルカリ化合物である。
成分(c)は、アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物である。
無機バインダー層の製造安定性を向上する観点から、成分(c)は好ましくはアルコール可溶性のアルカリ化合物である。
成分(c)は、さらに具体的には、下記一般式(7)または(8)で示されるアルカリ化合物である。
M3OR2 (7)
(上記一般式(7)中、M3はアルカリ金属を示し、R2はH、炭素数1〜6のアルキル基、アリールオキシ基、アルコキシアルキル基またはアリールオキシアルキル基を示す。)
M4(OR1)2 (8)
(上記一般式(8)中、M4はアルカリ土類金属を示し、R1は、上記一般式(5)中のR1と同じである。)
M3OR2 (7)
(上記一般式(7)中、M3はアルカリ金属を示し、R2はH、炭素数1〜6のアルキル基、アリールオキシ基、アルコキシアルキル基またはアリールオキシアルキル基を示す。)
M4(OR1)2 (8)
(上記一般式(8)中、M4はアルカリ土類金属を示し、R1は、上記一般式(5)中のR1と同じである。)
一般式(7)中、M3として、たとえば、Li、Na、Kが挙げられる。M3は、たとえば生形における粘結剤として利用されるベントナイトなどで実績もあることから、好ましくはNaまたはKである。R2として、H;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキシ基、トリロキシ基等のアリールオキシ基;アルコキシアルキル基;アリールオキシアルキル基が挙げられる。
一般式(8)におけるM4としては、たとえば、Ca、Sr、Ba、Rが挙げられる。
一般式(8)におけるM4としては、たとえば、Ca、Sr、Ba、Rが挙げられる。
セラミックコーテッドサンド中の成分(c)の含有量は、成形品の強度向上の観点から、金属換算で(たとえば、アルカリ化合物の金属がナトリウムの場合はNa換算)で無機バインダー全量中、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。
また、セラミックコーテッドサンドの耐火度向上の観点から、セラミックコーテッドサンド中の成分(c)の含有量は、上記無機バインダー全量中、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
また、セラミックコーテッドサンドの耐火度向上の観点から、セラミックコーテッドサンド中の成分(c)の含有量は、上記無機バインダー全量中、好ましくは25質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
無機バインダー層は、成分(b)および(c)以外の成分を含んでもよい。かかる成分の具体例として、アルコールが挙げられる。
アルコールは、無機バインダー層の製造安定性を向上する観点から、好ましくは成分(b)および(c)をいずれも溶解するものである。
また、同様の観点から、アルコールは、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール等の脂肪族アルコール;シクロヘキシルアルコール等の脂環式アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;ならびにエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルメチルセロソルブおよびフェニルエチルセロソルブ等のグリコールエーテルからなる群から選択される1または2以上の化合物である。
アルコールは、無機バインダー層の製造安定性を向上する観点から、好ましくは成分(b)および(c)をいずれも溶解するものである。
また、同様の観点から、アルコールは、たとえばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール等の脂肪族アルコール;シクロヘキシルアルコール等の脂環式アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール;ならびにエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルメチルセロソルブおよびフェニルエチルセロソルブ等のグリコールエーテルからなる群から選択される1または2以上の化合物である。
無機バインダー層がアルコールを含むとき、セラミックコーテッドサンド中のアルコールの含有量は、無機バインダーの脱水縮合反応開始時間を適度に遅らせることとアルコールの乾燥に要する時間の過度の増加を抑制することとのバランスを好ましいものとして無機バインダーの成分(a)に対するコート時間を適度に確保する観点から、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上である。
また、乾燥時間を短縮する観点から、セラミックコーテッドサンド中のアルコールの含有量は、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
また、乾燥時間を短縮する観点から、セラミックコーテッドサンド中のアルコールの含有量は、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
また、以上においては、無機バインダー層が、成分(b)および(c)を含む構成を例に説明したが、無機バインダー層は、成分(b)および(c)のアルコール溶液からアルコールを乾燥除去して得られる無機物を含むものであってもよく、また、上記無機物から構成されてもよい。
本実施形態においては、セラミックコーテッドサンドが、成分(a)の外側に、成分(b)および(c)を含む無機バインダー層ならびに成分(d)を含む有機バインダー層がこの順に設けられているため、従来のレジンコーテッドサンドの成形条件で成形が可能で、且つ焼成後の強度に優れる耐火物成形品を得ることができる。
次に、セラミックコーテッドサンドの製造方法を説明する。セラミックコーテッドサンドの製造方法は、たとえば以下の工程を含む:
(工程1)前述の成分(a)と、前述の成分(b)および(c)を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程
(工程2)上記混合物と、前述の成分(d)フェノール樹脂とを混合する工程
(工程1)前述の成分(a)と、前述の成分(b)および(c)を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程
(工程2)上記混合物と、前述の成分(d)フェノール樹脂とを混合する工程
工程1において、成形品の強度を向上する観点から、成分(b)の添加量は、たとえば、金属アルコキシド類が珪酸エステル類の場合はSiO2換算で、成分(a)に対して好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、また、鋳造品のベーニング欠陥を抑制する観点から、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは5.5質量%以下である。
成分(c)の添加量は、成形品の強度を向上する観点から、たとえば、金属換算で(たとえば、アルカリ化合物の金属がナトリウムの場合はNa換算)で、成分(a)に対して好ましくは0.06質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、また、鋳造品の焼き付き欠陥を抑制する観点から、好ましくは6質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
工程1における混合は、たとえば骨材となる成分(a)に溶融法で作製されたムライト15kgを測り取り、成分(b)および成分(c)からなる無機バインダー2.2kgを滴下した後、真空攪拌装置内(真空50torr、90℃に加熱、回転ばね16rpm)で30分間混合、乾燥し、アルコールを除去することによりおこなう。
成分(c)の添加量は、成形品の強度を向上する観点から、たとえば、金属換算で(たとえば、アルカリ化合物の金属がナトリウムの場合はNa換算)で、成分(a)に対して好ましくは0.06質量%以上であり、より好ましくは0.2質量%以上であり、また、鋳造品の焼き付き欠陥を抑制する観点から、好ましくは6質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
工程1における混合は、たとえば骨材となる成分(a)に溶融法で作製されたムライト15kgを測り取り、成分(b)および成分(c)からなる無機バインダー2.2kgを滴下した後、真空攪拌装置内(真空50torr、90℃に加熱、回転ばね16rpm)で30分間混合、乾燥し、アルコールを除去することによりおこなう。
工程2において、成分(d)の添加量は、成形性の強度の観点から、100質量部の成分(a)に対して好ましくは0.5質量部以上であり、より好ましくは0.8質量部以上であり、また、好ましくは5.0質量部以下であり、より好ましくは3.0質量部以下である。
工程2における混合は、たとえば成分(d)の軟化点より高温にした工程1で得られた混錬物に、成分(d)を添加して溶融混合後、ヘキサメチレンテトラミンの水溶液等を適宜添加し、水分を蒸発させながらダマがなくなるまで攪拌をおこなう。
工程2における混合は、たとえば成分(d)の軟化点より高温にした工程1で得られた混錬物に、成分(d)を添加して溶融混合後、ヘキサメチレンテトラミンの水溶液等を適宜添加し、水分を蒸発させながらダマがなくなるまで攪拌をおこなう。
また、好ましくは、工程1の後、工程2の前に、工程1で得られた混合物を加熱して無機コーティング層に含まれる脱水縮合反応により生成される水を除去することにより、無機コーティング層を乾燥して得られる結晶核を形成する。これにより、セラミックコーテッドサンドの強度をよりいっそう安定的に向上させることができる。加熱温度は、たとえば25℃から脱水縮合反応が完了する温度帯にておこない、さらに具体的には80〜150℃程度、40〜60分間加熱するとよい。
また、セラミックコーテッドサンドは、たとえば、特許文献1に記載の方法に準じて製造することもできる。
(耐火物成形品)
本実施形態において、耐火物成形品は、前述のセラミックコーテッドサンドの成形体である。
耐火物成形品は、たとえば、シェル中子に使用されるレジンコーテッドサンド同様の方法でセラミックコーテッドサンドを加熱した金型を使用して鋳型を成形し、加熱することにより得ることができる。具体的には、耐火物成形品は、たとえば、成形したセラミックコーテッドサンド鋳型に鉄等の溶湯を注湯し、溶湯の接触部分および近傍のセラミックコーテッドサンドを溶湯の熱を利用して無機化させる方法もあるし、または、セラミックコーテッドサンドで成形した鋳型を注湯前に電気炉などで焼成して鋳型全体を無機化する方法により耐火物成形品を製造してもよい。
焼成温度は、好ましくは700℃以上、より好ましくは800℃以上であり、また、好ましくは1200℃以下、より好ましくは1000℃以下である。
また、この方法により得られた鋳型に対して、通常の鋳型に用いられる塗型を利用して、たとえば鋳肌を改良したり、焼き付き等の欠陥を抑えたり等の、いわゆる通常のシェル鋳型で採用される方法を採ることも可能である。
本実施形態において、耐火物成形品は、前述のセラミックコーテッドサンドの成形体である。
耐火物成形品は、たとえば、シェル中子に使用されるレジンコーテッドサンド同様の方法でセラミックコーテッドサンドを加熱した金型を使用して鋳型を成形し、加熱することにより得ることができる。具体的には、耐火物成形品は、たとえば、成形したセラミックコーテッドサンド鋳型に鉄等の溶湯を注湯し、溶湯の接触部分および近傍のセラミックコーテッドサンドを溶湯の熱を利用して無機化させる方法もあるし、または、セラミックコーテッドサンドで成形した鋳型を注湯前に電気炉などで焼成して鋳型全体を無機化する方法により耐火物成形品を製造してもよい。
焼成温度は、好ましくは700℃以上、より好ましくは800℃以上であり、また、好ましくは1200℃以下、より好ましくは1000℃以下である。
また、この方法により得られた鋳型に対して、通常の鋳型に用いられる塗型を利用して、たとえば鋳肌を改良したり、焼き付き等の欠陥を抑えたり等の、いわゆる通常のシェル鋳型で採用される方法を採ることも可能である。
本実施形態における耐火物成形品は、強度に優れるため、鋳型として好適に用いることができる。また、本実施形態において、鋳型は、たとえば耐火物成形品からなる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本実施形態を、実施例および比較例を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1および2)
以下の例では、セラミックコーテッドサンドの有機バインダー層に用いるフェノール樹脂組成物を調製した。そして、得られたフェノール樹脂組成物を用いてセラミックコーテッドサンドの製造および評価をおこなった。
以下の例では、セラミックコーテッドサンドの有機バインダー層に用いるフェノール樹脂組成物を調製した。そして、得られたフェノール樹脂組成物を用いてセラミックコーテッドサンドの製造および評価をおこなった。
(アラルキル変性フェノール樹脂の合成)
フェノールとα,α'−ジメトキシ−p−キシレン(PXDM)を所望の分子量、水酸基当量となるように反応比を調整し、触媒としてジエチル硫酸を用い反応させた後、減圧蒸留にて揮発分を除去してアラルキル変性フェノール樹脂1および2を得た。得られたアラルキル変性フェノール樹脂の水酸基当量は以下に記すとおりである。
フェノールとα,α'−ジメトキシ−p−キシレン(PXDM)を所望の分子量、水酸基当量となるように反応比を調整し、触媒としてジエチル硫酸を用い反応させた後、減圧蒸留にて揮発分を除去してアラルキル変性フェノール樹脂1および2を得た。得られたアラルキル変性フェノール樹脂の水酸基当量は以下に記すとおりである。
(アルキルベンゼン変性フェノール樹脂の合成)
フェノール、キシレン樹脂(フドー社製、「ニカノールH」)およびホルムアルデヒドを所望の分子量、水酸基当量となるよう反応比を調整した。反応はフェノールとキシレン樹脂を、触媒として硫酸を用い反応させた後、ホルムアルデヒドを添加しさらに反応させた後、減圧蒸留にて揮発分を除去してアルキルベンゼン変性フェノール樹脂1を得た。得られたアルキルベンゼン変性フェノール樹脂の水酸基当量は以下に記すとおりである。
(樹脂組成物の調製)
表1または表2に記載の配合にて樹脂組成物を調製した。すなわち、各表に記載の「フェノール性水酸基含有化合物の配合」にて各例の成分を混合し、溶融した。溶融後のフェノール樹脂含有化合物に、各表に記載の「樹脂組成物の配合」にて各例のその他の成分を溶融混合し、室温まで冷却後、粉砕することによって樹脂組成物を得た。
表1および表2に成分の詳細を以下に示す。
(フェノール性水酸基含有化合物)
フェノール樹脂1:PR−53647、住友ベークライト社製、水酸基当量104g/eq
フェノール樹脂2:PR−53195、住友ベークライト社製、水酸基当量104g/eq
フェノール樹脂3:PR−F−116、住友ベークライト社製、水酸基当量104g/eq
アラルキル変性フェノール樹脂1:水酸基当量168g/eq
アラルキル変性フェノール樹脂2:水酸基当量172g/eq
アルキルベンゼン変性フェノール樹脂1:水酸基当量164g/eq
ビスフェノールA(BPA):水酸基当量114g/eq
フェノール、キシレン樹脂(フドー社製、「ニカノールH」)およびホルムアルデヒドを所望の分子量、水酸基当量となるよう反応比を調整した。反応はフェノールとキシレン樹脂を、触媒として硫酸を用い反応させた後、ホルムアルデヒドを添加しさらに反応させた後、減圧蒸留にて揮発分を除去してアルキルベンゼン変性フェノール樹脂1を得た。得られたアルキルベンゼン変性フェノール樹脂の水酸基当量は以下に記すとおりである。
(樹脂組成物の調製)
表1または表2に記載の配合にて樹脂組成物を調製した。すなわち、各表に記載の「フェノール性水酸基含有化合物の配合」にて各例の成分を混合し、溶融した。溶融後のフェノール樹脂含有化合物に、各表に記載の「樹脂組成物の配合」にて各例のその他の成分を溶融混合し、室温まで冷却後、粉砕することによって樹脂組成物を得た。
表1および表2に成分の詳細を以下に示す。
(フェノール性水酸基含有化合物)
フェノール樹脂1:PR−53647、住友ベークライト社製、水酸基当量104g/eq
フェノール樹脂2:PR−53195、住友ベークライト社製、水酸基当量104g/eq
フェノール樹脂3:PR−F−116、住友ベークライト社製、水酸基当量104g/eq
アラルキル変性フェノール樹脂1:水酸基当量168g/eq
アラルキル変性フェノール樹脂2:水酸基当量172g/eq
アルキルベンゼン変性フェノール樹脂1:水酸基当量164g/eq
ビスフェノールA(BPA):水酸基当量114g/eq
(セラミックコーテッドサンドの製造)
耐火物粒に無機バインダーのコーティングは以下の手順で行った。すなわち、耐火物粒としてムライト人工砂(群栄ボーデン社製、アルサンド#750)100質量部に、エチルポリシリケート40質量%、ソジウムメチラート25質量%のメタノール溶液(トウチュウ社製、セラミックコンパートバインダーXB1)を10質量部添加し、室温で混合後、ダマが無くなるまで攪拌混合した。それを予め80℃に加熱した乾燥機中で、メタノールが揮発するまで30分間加熱することよって得た。
耐火物粒に無機バインダーのコーティングは以下の手順で行った。すなわち、耐火物粒としてムライト人工砂(群栄ボーデン社製、アルサンド#750)100質量部に、エチルポリシリケート40質量%、ソジウムメチラート25質量%のメタノール溶液(トウチュウ社製、セラミックコンパートバインダーXB1)を10質量部添加し、室温で混合後、ダマが無くなるまで攪拌混合した。それを予め80℃に加熱した乾燥機中で、メタノールが揮発するまで30分間加熱することよって得た。
次に、有機バインダーのコーティングは以下の手順で行った。すなわち、上述の手順で得られた無機バインダーコーティング品100質量部を予め150℃に加熱し、これに、各例で得られた樹脂組成物1.0質量部を添加して溶融混合した。その後、予めヘキサメチレンテトラミン0.15質量部を水2.0質量部に溶解させたヘキサメチレンテトラミンの水溶液を添加し、水分を蒸発させながら、ダマが無くなるまで攪拌混合した。これにステアリン酸カルシウム0.1質量部を添加し、均一分散するまで30秒攪拌した。得られた配合物を36meshのふるいで篩って、篩下の画分をセラミックコーテッドサンドとして得た。
得られたセラミックコーテッドサンドの強度の指標として、冷間曲げ強度を以下の方法で測定した。結果を表1および表2にあわせて示す。
得られたセラミックコーテッドサンドの強度の指標として、冷間曲げ強度を以下の方法で測定した。結果を表1および表2にあわせて示す。
(冷間曲げ強度の測定方法)
JIS K6910に準拠して行った。セラミックコーテッドサンドの成形は280℃で45秒間加熱硬化とした。
JIS K6910に準拠して行った。セラミックコーテッドサンドの成形は280℃で45秒間加熱硬化とした。
表1および表2により、各実施例においては、優れた強度のセラミックコーテッドサンドを得ることができた。
Claims (7)
- 成分(a):耐火物粒と、
前記成分(a)の外側に設けられるとともに、以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含む無機バインダー層と、
前記無機バインダー層の外側に設けられるとともに、成分(d):フェノール樹脂を含む有機バインダー層と、
を含み、
前記成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む、セラミックコーテッドサンド。 - 成分(a):耐火物粒と、
前記成分(a)の外側に設けられるとともに、以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含む無機バインダー層と、
前記無機バインダー層の外側に設けられるとともに、成分(d):フェノール樹脂を含む有機バインダー層と、
を含み、
前記有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である、セラミックコーテッドサンド。 - 請求項1または2に記載のセラミックコーテッドサンドの成形体である耐火物成形品。
- 請求項3に記載の耐火物成形品からなる鋳型。
- 成分(a):耐火物粒と、
以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程と、
前記混合物と、成分(d):フェノール樹脂とを混合する工程と、
を含み、
前記成分(d)が、芳香族炭化水素で変性されたフェノール樹脂を含む、セラミックコーテッドサンドの製造方法。 - 成分(a):耐火物粒と、
以下の成分(b)および(c):
(b)周期律表4A族の金属アルコキシド、周期律表4B族(炭素を除く。)の金属アルコキシド、周期律表3A族の金属アルコキシド、周期律表3B族の金属アルコキシドおよびこれらの部分加水分解物からなる群から選択される1種または2種以上の金属アルコキシド類
(c)アルカリ金属のアルカリ化合物およびアルカリ土類金属のアルカリ化合物からなる群から選択される1または2以上のアルカリ化合物
を含むアルコール溶液である無機バインダーと、を混合して混合物を得る工程と、
前記混合物と、成分(d):フェノール樹脂とを混合する工程と、
を含み、
前記有機バインダー層中のフェノール性水酸基含有化合物の水酸基当量が、120g/eq以上250g/eq以下である、セラミックコーテッドサンドの製造方法。 - 請求項1または2に記載のセラミックコーテッドサンドを成形し、加熱することにより耐火物成形品を得る工程を含む、耐火物成形品の製造方法。
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JP2019202563A JP2021074742A (ja) | 2019-11-07 | 2019-11-07 | セラミックコーテッドサンド、耐火物成形品、鋳型ならびにセラミックコーテッドサンドおよび耐火物成形品の製造方法 |
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