JP6628220B2 - 減震構造体、減震構造体取り付け工具、及び減震構造体の施工方法 - Google Patents
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Description
図28を参照するに、従来の天吊り構造体100は、天井構造物101に埋め込むように取り付けたインサート(図示せず、後述する図29に示すインサート102)を介して天井構造物101から4本の吊りボルト104を吊り下げ、各吊りボルト104の下端部に設けた連結金具103によって設備機器Wの底部を支持している(例えば、特許文献1参照。)。
上記構造とされた天吊り構造体100は、地震等の震動が作用すると大きく横揺れし、吊りボルト104が繰り返し大きく撓むこととなる。
具体的には、図29に示すように、地震の揺れが発生して設備機器Wに対し、加速度による力Fが作用する場合、吊りボルト104には、曲げ変形が作用する(同図中に2点鎖線で示す吊りボルト104を参照。)。
これにより、新規に設けた吊りボルトだけでなく、設備機器を支持する既存の吊りボルトに対しても、減震構造体を容易に取り付けることができる。
また、複数の第1のリブにより第1の凹部を構成し、複数の第2のリブにより第2の凹分を構成することで、第1及び第2のリブを形成する際に、第1及び第2の凹部を一括形成することができる。
つまり、第1及び第2の機能部のどちらにでも、第1及び第2の部品を取り付けることが可能となる。これにより、第1及び第2の機能部に、第1の部品または第2の部品を取り付ける際の作業効率を高めることができる。
さらに、減震構造体は、吊りボルトの天井付近に取り付けるため、特別な設置スペースが殆ど不要となる。これにより、設備機器の周囲に配管や他の機器が設置されている場合でも、容易に設置できる。
これにより、第1及び第2の部材が取扱いしやすくなるため、減震構造体の施工を容易に行うことができる。
つまり、上記構成とされた減震構造体取り付け工具を用いることで、吊りボルトに対して、手で第1の部材と第2の部材とを係合させる場合と比較して、容易かつ短時間で減震構造体を取り付けることができる。
なお、減震構造体取り付け工具を用いた場合、新規に設置した吊りボルトだけでなく、既存の吊りボルトに対しても容易に減震構造体を取り付けることができる。
これにより、吊りボルトに対して減震構造体を取り付ける作業者の作業効率を高めることができる。
さらに、上記減震構造体を吊りボルトに取り付けることで、地震等による大きな揺れを受けた場合であっても吊りボルトの損傷や破断を抑制することができる。
これにより、第1の部材と第2の部材との間における位置ずれが発生しにくくなるので、第1の部材と第2の部材とを精度良く係合させることができる。
また、第2の機能部が第2の支持部材の下端を支持する第2の支持部を含むことで、第2の機能部から第2の部材が落下することを抑制できる。
また、上記減震構造体を吊りボルトに取り付けることで、地震等による大きな揺れを受けた場合であっても吊りボルトの損傷や破断を抑制することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る減震構造体を備えた減震構造体付き天吊り機器を示す部分断面図である。図1において、x方向はデッキプレート4の溝4A(言い換えれば、天井躯体Fの溝FA)に対して平行な方向(設備機器6の奥行き方向)、y方向はデッキプレート4の溝4A(言い換えれば、天井躯体Fの溝FA)に対して直交する方向、z方向はx方向及びy方向に対して直交する鉛直方向をそれぞれ示している。
減震構造体付き天吊り機器1は、天井躯体F(例えば、天井コンクリート構造物)の底部に埋設された固定具である固定部材2を介して、上端部が螺着された4本の吊りボルト3が鉛直方向に吊り下げられている。天井躯体Fは、x方向に延在し、かつy方向に配列された複数の溝FAを有する。
デッキプレート4は、天井躯体Fの下面を覆うように設けられている。これにより、デッキプレート4には、天井躯体Fの複数の溝FAの形状が転写されるので、複数の溝4Aが形成される。各吊りボルト3は、デッキプレート4を貫通して吊り下げられている。
したがって、ボックス型の設備機器6は、合計で4本の吊りボルト3によって、天吊り支持されている。
上部支持片5cは、延出片5bの上端部から水平に延出されている。上部支持片5cには、吊りボルト3が貫通しており、吊りボルト3に螺合されたナット10により吊りボルト3に連結されている。
図3は、図2に示す減震構造体を上面側から平面視した図である。図3において、図1及び図2に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
減震構造体11は、筒状形状とされており、第1の部材15と、第2の部材16と、を有する。第1及び第2の部材15,16は、減震構造体11の略半割体である。
図5は、図4に示す第1の部材の背面側の斜視図である。図5において、図1〜図4に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図6は、図4に示す第1の部材を構成する第1の支持部材及び第1の減衰部材を分解した斜視図である。図6において、図1〜図5に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図8は、図7に示す第1の支持部材の背面図である。図8において、図2〜図7に示す構造体と同一構部分には、同一符号を付す。
図9は、図8に示す第1の支持部材をA視した平面図である。図9において、図7及び図8に示す構造体と同一構部分には、同一符号を付す。
図10は、図8に示す第1の支持部材をB視した側面図である。図10において、図7〜図9に示す構造体と同一構部分には、同一符号を付す。
第1の支持部材本体25−1は、円筒形状の部材を縦方向に2分割した形状とされている。複数の第1のリブ26−1は、第1の支持部材本体25−1の外壁に設けられている。複数の第1のリブ26−1は、第1の支持部材本体25−1の外壁に対して直交する方向に立設されている。複数の第1のリブ26−1は、z方向、及びz方向に対して直交する方向に設けられている。
なお、本実施の形態では、一例として、第1の支持部材21の周方向に2つの第1の凹部26Aを設けた場合を例示している。
また、複数の第1のリブ26−1により第1の凹部26Aを構成することで、第1のリブ26−1を形成する際に、第1の凹部26Aを一括形成することができる。
第1の吊りボルト螺合部28−1は、第1の支持部材本体25−1の上部内側に設けられている。第1の吊りボルト螺合部28−1は、吊りボルト3が螺合可能なめねじが設けられている。第1の吊りボルト螺合部28−1には、吊りボルト3の一部が収容される。
第1の減衰部材装着部29−1に装着された第1の減衰部材22−1は、吊りボルト3の外周の一部を覆う。
第1の係合部32は、第1の係合面31に複数設けられている。複数の第1の係合部32は、第1の係合面31の延在方向に配置されている。第1の係合部32は、第1の係合面31に対して直交する方向に対して僅かに突出した突出部である。
第1の係合部32は、後述する図15に示す第2の部分16を構成する第1の貫通部56と係合可能な形状とされている。
第2の係合部34は、第2の係合面33に複数設けられている。複数の第2の係合部34は、第2の係合面33の延在方向に配置されている。第2の係合部34は、第2の係合面33に対して直交する方向に対して僅かに突出した突出部である。
第2の係合部34は、後述する図14に示す第2の部分16を構成する第2の貫通部58と係合可能な形状とされている。
第1の支持部材21の材料としては、例えば、金属(例えば、鋼、ステンレス、アルミニウム等)、或いは高硬度の樹脂(例えば、ナイロン系樹脂)を用いることができる。
このように、高硬度の樹脂(例えば、ナイロン系樹脂)を第1の支持部材21の材料として用いることにより、第1の支持部材21の強度を十分に確保した上で、第1の支持部材21の重量を軽量化させることが可能となる。これにより、第1の部材15の軽量化を図ることが可能となるので、減震構造体11の施工を容易に行うことができる。
図12は、図6に示す第1の減衰部材のC−C線方向の断面図である。図12において、図11に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
湾曲板状部41−1は、吊りボルト3を収容可能な第1の吊りボルト収容部41−1Aを含む。湾曲板状部41−1は、図1に示す吊りボルト3の一部を収容可能な湾曲板形状とされた部材(言い換えれば、円筒状部材の半割体)である。湾曲板状部41−1は、第1の減衰部材装着部29−1に収容されている。
第1の減衰部材22−1が第1の減衰部材装着部29−1に装着された状態において、第1の減衰部材22−1は、第1の支持部材21の下端からその下方に突出している。
これにより、吊りボルト3との接触に起因する第1の支持部材21の破損を抑制することができる。
係合用突出部43は、例えば、略円筒形状とすることができる。係合用突出部43の先端の外側には、出っ張り部43Aが設けられている。出っ張り部43Aは、係合用突出部43の外側に出っ張るように設けられている。出っ張り部43Aは、係合用突出部43を第1の支持部材21の装着穴27に挿入させた際、装着穴27の外側に配置される部分である。
なお、図6、図11、及び図12に示す第1の減衰部材22−1の形状は、一例であって、第1の減衰部材22−1の形状は、この形状に限定されない。
第1の減衰部材22−1の材料としては、例えば、JISK6253に規定されるデュロメータータイプAによるゴム硬度60度以上(具体的には、例えば、60〜90度程度)であって、常温時の損失係数(tanδ):0.5以上のゴム系あるいは熱可塑性エラストマー系の高減衰材を用いることが好ましい。
このように、第1の減衰部材22−1の材料として、ゴム硬度を60度以上で、かつ損失係数(tanδ)を0.5以上とするゴム系或いはエラストマー系の高減衰材を用いることで、吊りボルト3の天井近くの位置で小さい振幅で振動している吊りボルト3に対して効率的に減震することができる。
更に、減震構造体11は、吊りボルト3の天井付近に取り付けるため、特別な設置スペースが殆ど不要となる。これにより、設備機器6の周囲に配管や他の機器が設置されている場合でも、容易に設置できる。
上述したゴム系あるいは熱可塑性エラストマー系の高減衰材で構成された第1の減衰部材22−1を用いることで、吊りボルト3の震動を効率よく減衰させることができる。
ゴム系の高減衰材を用いる場合、ゴム系減衰材料の型取りにより製造することが可能となる。一方、エラストマー系高減衰材料を第1の減衰部材22−1の材料として用いる場合、射出成形などにより、第1の減衰部材22−1を大量に低価格で製造できる。
具体的には、図1に示す天井駆体Fがコンクリートを主体とする灰色系である場合、第1の減衰部材22−1の色としては、例えば、灰色系と異なる色相である白色、赤色、緑色等が好ましい。
このような色で第1の減衰部材22−1を着色することにより、工事現場にて作業者が第1の減衰部材22−1の色を、作業者が目視で確認することが可能となる。これにより、第1の減衰部材22−1の設置完了か否かについて、作業者が容易に確認することができる。
また、第1の支持部材21の材料として樹脂を用いる場合には、上述した第1の減衰部材22−1と同様な色に第1の支持部材21を着色してもよい。
図14は、図13に示す第2の部材の背面側の斜視図である。図14において、図1〜図13に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図15は、図13に示す第2の部材を構成する第2の支持部材及び第2の減衰部材を分解した斜視図である。図15において、図1〜図14に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図17は、図16に示す第2の支持部材の背面図である。図17において、図1〜図16に示す構造体と同一構部分には、同一符号を付す。
図18は、図17に示す第2の支持部材をD視した平面図である。図18において、図16及び図17に示す構造体と同一構部分には、同一符号を付す。
図19は、図17に示す第2の支持部材をE視した側面図である。図19において、図1〜図18に示す構造体と同一構部分には、同一符号を付す。
第2の支持部材本体25−2は、先に説明した第1の支持部材本体25−1と同様な構成とされている。
このように、第2の支持部材本体25−2の外壁に複数の第2のリブ26−2を設けることで、第2の支持部材51に十分な剛性を持たせた上で、第2の支持部材51の材料を削減することができる。
第2の凹部26Bは、例えば、先に説明した第1の凹部26Aと同様な構成(同様な形状)とされている。
つまり、第1及び第2の機能部75,76のどちらにでも、第1及び第2の部品15,16を取り付けることが可能となる。これにより、第1及び第2の機能部75,76に、第1の部材15または第2の部品16を取り付ける際の作業効率を高めることができる。
第2の吊りボルト螺合部28−2は、第2の支持部材本体25−2の上部内側に設けられていること以外は、先に説明した第1の吊りボルト螺合部28−1と同様な構成とされている。第2の吊りボルト螺合部28−2には、吊りボルト3の一部が収容される。
第1の部材15に第2の部品16を固定させた際、突出部本体55の内面は、第1の部材15の第1の係合面31に当接される。
このように、突出部本体55の内面が第1の部材15の第1の係合面31に当接され、かつ複数の第1の貫通部56に第1の係合部32が挿入されることで、第2の部分16と第1の部材15とが係合する。
第1の部材15に第2の部品16を固定させた際、突出部本体57の内面は、第1の部材15の第2の係合面33に当接される。
このように、突出部本体57の内面が第1の部材15の第2の係合面33に当接され、かつ複数の第2の貫通部58に第2の係合部34が挿入されることで、突出部54が第1の部材15と係合する。
第2の支持部材51の材料としては、第1の支持部材21の材料としては、例えば、金属(例えば、鋼、ステンレス、アルミニウム等)、或いは高硬度の樹脂(例えば、ナイロン系樹脂)を用いることができる。
このように高硬度の樹脂(例えば、ナイロン系樹脂)を第2の支持部材51の材料として用いることにより、第2の支持部材51の強度を十分に確保した上で、第2の支持部材51の重量を軽量化させることが可能となる。これにより、第2の部材16の軽量化を図ることが可能となるので、減震構造体11の施工を容易に行うことができる。
湾曲板状部41−2は、先に説明した第1の吊りボルト収容部41Aと同様な構成とされた第2の吊りボルト収容部41Bを含む。湾曲板状部41−2は、先に説明した湾曲板状部41−1と同様な構成とされている。
つまり、第2の減衰部材22−2は、先に説明した第1の減衰部材22−1と同様な構成とされている。
第2の減衰部材22−2の材料としては、例えば、先に説明した第1減衰部材22−1の材料と同様な材料を用いることが可能であり、このような材料を用いることで、吊りボルト3の天井近くの位置で小さい振幅で振動している吊りボルト3に対して効率的に減震することができる。
また、減震構造体11は、吊りボルト3の天井付近に取り付けるため、特別な設置スペースが殆ど不要となる。これにより、設備機器6の周囲に配管や他の機器が設置されている場合でも、容易に設置できる。
具体的には、図1に示す天井駆体Fがコンクリートを主体とする灰色系である場合、第2の減衰部材22−2の色としては、例えば、灰色系と異なる色相である白色、赤色、緑色等が好ましい。
このような色で第2の減衰部材22−2を着色することにより、工事現場にて作業者が第2の減衰部材22−2の色を、作業者が目視で確認することが可能となる。これにより、第2の減衰部材22−2の設置完了か否かについて、作業者が容易に確認することができる。
また、第2の支持部材51の材料として樹脂を用いる場合には、上述した第2の減衰部材22−2と同様な色に第2の支持部材51を着色してもよい。
第1及び第2の減衰部材22−1,22−2の内面は、吊りボルト3と接触している。第1及び第2の減衰部材22−1,22−2の側端部は、吊りボルト3の周方向において接触している。
このように、吊りボルト3の周方向において、第1の減衰部材22−1と第2の減衰部材22−2とが接触することで、地震等により吊りボルト3に大きな揺れが発生した際に、揺れを効率良く減衰させることが可能となる。これにより、吊りボルト3の損傷や破損を抑制することができる。
これにより、新規に設けた吊りボルトだけでなく、設備機器6を支持する既存の吊りボルト3に対しても、減震構造体11を容易に取り付けることができる。
これにより、第1及び第2のハンドル部材81,82は、開閉可能な状態で連結されている。ハンドル71及び回転接合部73は、例えば、軽量かつ丈夫な金属材料で構成するとよい。具体的には、ハンドル71及び回転接合部73の材料としては、例えば、アルミニウムを用いるとよい。
このように、ハンドル71及び回転接合部73の材料として、アルミニウムを用いることで、減震構造体取り付け工具70の軽量化を図ることが可能となるので、作業者の負担を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、減震構造体取り付け工具70の一例として、手動タイプの工具を例に挙げて説明しているが、例えば、空気圧或いは油圧により開閉可能なでも工具を用いてもよい。
図23は、閉じた状態の第1及び第2の機能部の上端側から見た平面図である。図23において、図20〜図22に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図24は、閉じた状態の第1及び第2の機能部をハンドル部側から見た斜視図である。図24において、図20〜図23に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図25は、開いた状態の第1及び第2の機能部を上端側から見た平面図である。図25において、図20〜図24に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
第1の機能部本体83は、第1のハンドル部材81の先端部81Aに設けられている。第1の機能部本体83は、第1の部材収容部84の延在方向と、第1のハンドル部材81の先端部81Aの延在方向と、が第1の角度θ1を成すように、第1のハンドル部材81の先端部81Aにねじ77で固定されている。これにより、第1の機能部本体83は、第1のハンドル部材81の先端部81Aに対して傾斜している。
第1の角度θ1は、例えば、30〜75°の範囲内で適宜設定することができる。
第1の支持部83−1は、半円柱形状の貫通部83Aを有する。第1の機能部本体83の貫通部83Aには、第1の減衰部材22−1または第2の減衰部材22−2の出っ張り部43が収容される。第1の支持部83−1の貫通部83Aの形状は、第1の減衰部材22−1または第2の減衰部材22−2の出っ張り部43の周囲を囲むような形状とされている。
第1の機能部75が第1の部材15の一部を収容する場合、第1の部材収容部84は、第1及び第2の係合面31,33を露出させた状態で、第1の部材15の一部を収容する。
また、第1の機能部75が第2の部材16の一部を収容する場合、第1の部材収容部84は、一対の突出部53,54を露出させた状態で、第2の部材16の一部を収容する。
また、突出部85の形成位置は、適宜設定することが可能であり、図20〜図24に示す突出部85の形成位置に限定されない。
第2の機能部本体87は、第1の機能部本体83とは形状が異なることと、第2のハンドル部材82の先端に設けられていること以外は、第1の機能部本体83と同様に構成されている。
第1の減衰部材22−1の出っ張り部43と第2の減衰部材22−2の出っ張り部43とが貫通部83A,87A内に収容された状態で、第1及び第2の機能部75,76が閉じられると、第1及び第2の支持部83−1,87−1により、2つの出っ張り部43が押圧される。
また、第1の減衰部材22−1の出っ張り部43と第2の減衰部材22−2の出っ張り部43とが貫通部83A,87A内に収容されることで、減震構造体を上下逆に取り付けられることを防止することもできる。
第2の部材収容部88は、第1の部材15を支持する場合、第1及び第2の係合面31,33を露出させた状態で第1の部材15の一部を収容する。第2の部材収容部88は、第2の部材16を支持する場合、一対の突出部53,54を露出させた状態で、第2の部材16の一部を収容する。
つまり、減震構造体取り付け工具70を用いることで、新規に設置した吊りボルト3だけでなく、既存の吊りボルト3(図1参照)に対しても容易に減震構造体11を取り付けることができる。
これにより、吊りボルト3に対して減震構造体11を取り付ける作業者の作業効率を高めることができる。
第1の突出部85を複数設けることで、第1の機能部75に対する第1の部材15の位置を精度良く規制することが可能となる。また、第2の突出部89を複数設けることで、第2の機能部76に対する第2の部材16の位置を精度良く規制することが可能となる。
これにより、第1の部材15に対する第2の部材16の位置ずれが発生しにくくなるので、第1の部材15と第2の部材16とを精度良く係合させることができる。
このように、第1の機能部15が第1の支持部材21の下端を支持する第1の支持部83−1を含むことで、第1の機能部15から第1の支持部材21が落下することを抑制できる。
また、第2の機能部16が第2の支持部材51の下端を支持する第2の支持部87−1を含むことで、第2の機能部16から第2の支持部材51が落下することを抑制できる。
このような構成とすることで、第1の部材15を構成する第1及び第2の係合面31,33に対して、第2の部材16を構成する一対の突出部53,54全体を係合させることができる。
このような構成とすることで、第1及び第2の機能部75,76のどちらにでも第1の部材15または第2の部材16を装着(支持)させることが可能となるので、吊りボルト3に減震構造体11を取り付ける際の作業性をさらに向上させることができる。
このような金属材料を用いて、第1及び第2の機能部75,76を構成することで、減震構造体取り付け工具70の軽量化を図ることができる。
図27は、図26に示す第1及び第2の機能部、並びに第1及び第2の部分を第1及び第2の部分の上端側から見た平面図である。図27において、図2〜26に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
初めに、第1及び第2の機能部75,76のうち、一方の機能部に第1の部材15の位置が規制されるように、第1の部材15を取り付けるとともに、他方の機能部に第2の部材16の位置が規制されるように第2の部材16を取り付ける(第1及び第2の部材取り付け工程)。
図26及び図27の場合、2つの第1の突出部85が第1の凹部26Aに挿入されることで、第1の機能部75が第1の部材15を支持し、2つの第2の突出部89が第2の凹部26Bに挿入されることで、第2の機能部76が第2の部材16を支持している。
このとき、突出部53に設けられた第1の貫通部56に第1の係合部32を係合させるとともに、突出部54に設けられた第2の貫通部58に第2の係合部34を係合させる。
これにより、減震構造体取り付け工具70を用いた減震構造体11の施工が完了する。
また、上記減震構造体11を吊りボルト3に取り付けることで、地震等による大きな揺れを受けた場合であっても吊りボルト3の損傷や破断を抑制することができる。
Claims (16)
- 天井に内設された固定部材に固定されることで、前記天井から吊り下げられ、設備機器を天吊り支持する複数の吊りボルトのうち、前記固定部材の直下に位置する部分の周囲を囲む筒状形状とされた減震構造体であって、
前記減震構造体の一方の半割体であり、第1の支持部材、及び第1の減衰部材を有する第1の部材と、
前記減震構造体の他方の半割体であり、第2の支持部材、一対の突出部、及び第2の減衰部材を含み、前記第1の部材に固定される第2の部材と、を備え、
前記第1の支持部材は、前記天井側に配置され、前記吊りボルトが螺合可能なめねじが設けられた第1の吊りボルト螺合部と、該第1の吊りボルト螺合部の下方に設けられた第1の減衰部材装着部と、一方の前記突出部と係合された第1の係合面と、他方の前記突出部と係合された第2の係合面と、前記第1の係合面と前記第2の係合面との間に位置する前記第1の支持部材の外壁に設けられた第1の凹部と、を含み、
前記第1の減衰部材は、前記第1の減衰部材装着部に装着されており、振動を減衰可能な材料で構成され、かつ前記吊りボルトを収容可能な第1の吊りボルト収容部を含んでおり、
前記第2の支持部材は、前記天井側に配置され、前記吊りボルトが螺合可能なめねじが設けられ、前記第1の吊りボルト螺合部と対向するように配置された第2の吊りボルト螺合部と、該第2の吊りボルト螺合部の下方において、前記第1の減衰部材装着部と対向するように設けられた第2の減衰部材装着部と、前記第2の支持部材の外壁に設けられた第2の凹部と、を含み、
前記一対の突出部は、対向配置されており、前記一対の突出部の間に前記第1の支持部材の前記第1及び第2の係合面を挿入することで、前記第2の支持部材と前記第1の支持部材とを固定しており、
前記第2の減衰部材は、前記第2の減衰部材装着部に装着されており、振動を減衰可能な材料で構成され、かつ前記吊りボルトを収容可能な第2の吊りボルト収容部を含んでいることを特徴とする減震構造体。 - 前記第1の支持部材の外壁には、複数の第1のリブが設けられており、
前記第2の支持部材の外壁には、複数の第2のリブが設けられており、
前記第1の凹部は、前記複数の第1のリブで区画された前記第1の支持部材の外壁の周方向に延在する溝であり、
前記第2の凹部は、前記複数の第2のリブで区画された前記第2の支持部材の外壁の周方向に延在する溝であることを特徴とする請求項1記載の減震構造体。 - 前記一対の突出部のうち、一方の突出部には、該突出部を貫通する第1の貫通部が設けられており、他方の突出部には、該突出部を貫通する第2の貫通部が設けられており、
前記第1の係合面には、前記第1の貫通部に係合する第1の係合部が設けられており、
前記第2の係合面には、前記第2の貫通部に係合する第2の係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の減震構造体。 - 前記吊りボルトの周方向において、前記第1の減衰部材と前記第2の減衰部材とが接触していることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の減震構造体。
- 前記第1の減衰部材の下端部は、前記第1の支持部材の下端から下方に突出するように配置されており、
前記第2の減衰部材の下端部は、前記第2の支持部材の下端から下方に突出するように配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の減震構造体。 - 前記第2の凹部は、前記第1の凹部と同じ形状であることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の減震構造体。
- 前記第1及び第2の減衰部材の材料は、ゴム硬度が60度以上で、かつ損失係数(tanδ)が0.5以上のゴム系或いはエラストマー系の高減衰材であることを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の減震構造体。
- 前記第1及び第2の支持部材の材料は、ナイロン系樹脂であることを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の減震構造体。
- 請求項1ないし8のうち、いずれか1項記載の減震構造体を前記吊りボルトに取り付ける際に使用する減震構造体取り付け工具であって、
回転接合部により、開閉可能な状態とされた第1及び第2のハンドル部材を含むハンドルと、
前記第1のハンドル部材の先端に設けられた第1の機能部と、
前記第2のハンドル部材の先端に設けられた第2の機能部と、
を備え、
前記第1の機能部は、前記第1及び第2の係合面を露出させた状態で、前記第1の部材の一部を収容する第1の部材収容部と、該第1の部材収容部に設けられ、前記第1の凹部に挿入されることで前記第1の部材の位置を規制する第1の突出部と、を含み、
前記第2の機能部は、前記一対の突出部を露出させた状態で、前記第2の部材の一部を収容する第2の部材収容部と、該第2の部材収容部に設けられ、前記第2の凹部に挿入されることで前記第2の部材の位置を規制する第2の突出部と、を含むことを特徴とする減震構造体取り付け工具。 - 前記第1及び第2の突出部は、それぞれ複数設けることを特徴とする請求項9記載の減震構造体取り付け工具。
- 前記第1の機能部は、前記第1の支持部材の下端を支持する第1の支持部を含み、
前記第2の機能部は、前記第2の支持部材の下端を支持する第2の支持部を含むことを特徴とする請求項9または10記載の減震構造体取り付け工具。 - 前記第1の支持部は、前記第1の減衰部材のうち、前記第1の支持部材の下方に突出した部分の周囲を囲むような形状とされており、
前記第2の支持部は、前記第2の減衰部材のうち、前記第2の支持部材の下方に突出した部分の周囲を囲むような形状であることを特徴とする請求項11記載の減震構造体取り付け工具。 - 前記第1の機能部は、前記第1のハンドル部材の先端部に対して前記回転接合部の回りに前記第1及び第2のハンドル部材を回転させる面に対し第1の角度で傾斜した状態で固定されており、
前記第2の機能部は、前記第2のハンドル部材の先端部に対して前記回転接合部の回りに前記第1及び第2のハンドル部材を回転させる面に対し前記第1の角度と同じ角度で傾斜した状態で固定されていることを特徴とする請求項9ないし12のうち、いずれか1項記載の減震構造体取り付け工具。 - 前記第1及び第2の機能部は、前記吊りボルトに前記減震構造体を取り付けた状態において、前記第1の機能部と前記第2の機能部とが接触しない構造であることを特徴とする請求項9ないし13のうち、いずれか1項記載の減震構造体取り付け工具。
- 前記第1及び第2の突出部は、前記第1及び第2の凹部のどちらに対しても挿入可能な形状であることを特徴とする請求項9ないし14のうち、いずれか1項記載の減震構造体取り付け工具。
- 請求項9ないし15のうち、いずれか1項記載の減震構造体取り付け工具を用いた減震構造体の施工方法であって、
前記第1及び第2の機能部のうち、一方の機能部に前記第1の部材の位置が規制されるように該第1の部材を取り付けるとともに、他方の機能部に前記第2の部材の位置が規制されるように該第2の部材を取り付ける第1及び第2の部材取り付け工程と、
前記ハンドル部を開いて、前記第1の吊りボルト螺合部、前記第1の吊りボルト収容部、前記第2の吊りボルト螺合部、及び前記第2の吊りボルト収容部に、前記吊りボルトが収容されるように、前記ハンドル部を閉じて、前記第1及び第2の係合面に対して、前記一対の突出部を係合させることで、前記吊りボルトに前記減震構造体を装着させる減震構造体装着工程と、
前記吊りボルトに装着された前記減震構造体を回転させることで、前記固定部材の下端に前記減震構造体を当接させる減震構造体当接工程と、
を含むことを特徴とする減震構造体の施工方法。
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