JP6620076B2 - 磁性細線素子、その記録再生方法およびその記録再生装置 - Google Patents

磁性細線素子、その記録再生方法およびその記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、大容量情報のストレージ(メモリ)に係る磁性細線素子、磁性細線素子の記録再生方法および磁性細線素子の記録再生装置に関し、詳しくは基板上に多数の磁性細線を平行に配列した微小構造からなり、パルス電流に応じて各磁性細線の磁区を同期させて移動させるように制御する磁性細線素子、その記録再生方法およびその記録再生装置に関するものである。
磁気記録媒体における記録および再生は、例えば、磁気ディスクをスピンドルモータで回転駆動させるとともに、磁気ヘッドやレーザー光の照射スポットを磁気ディスクの径方向のみに移動させることで、トラックに沿って所定方向に磁化して記録する、あるいは磁気を検出して再生する。
このようなディスクにおいて記録および再生を高速化するためには、ディスクの回転速度を速くすることが挙げられるが、回転速度の高速化には限界がある。
そこで、記録媒体を駆動させずに記録されているデータを移動する方法として、下記特許文献1、2に記載された、磁性細線素子メモリが注目されている。この磁性細線素子メモリは、細線状の磁性体である磁性細線をトラックとしたメモリデバイスである。
これは、磁性体を細線状に形成すると、その長さ方向に磁区が形成され、さらにその長さ方向に駆動電流を供給すると長さ方向に配列された磁区がすべて磁性細線の長さ方向にそのままシフト移動する特性を利用したものである。すなわち、磁性細線素子メモリは、図9に示すように、磁性体を細線状に形成してなる複数の磁性細線101を、データの記録領域として基板(図示されていない)上に備えている。また、磁性細線素子110において、隣接する磁性細線101は、基板上方から見て、互いに絶縁層を挟み、微小距離だけ離間して配設される。
磁性細線素子110への記録再生は、磁性細線101上の所定位置に記録用の磁気ヘッド(記録ヘッド)123を有し、磁性細線101上の所定距離だけ離れた位置に再生用の磁気ヘッド(再生ヘッド)124を有している。さらに、各磁性細線101の一端に、パルス電流源121を、他端に、電極122を接続してなり、電極122からパルス電流源121へ向かう方向に、各磁性細線101に所定の上記パルス電流を流すことにより、記録ヘッド123または再生ヘッド124に対向する位置に高速で磁区をシフト移動させる。磁区の移動方向は印加した電子の移動方向と同じ向きであり、印加したパルス電流とは逆向きとなる。
これにより、磁性細線素子110では、所望の磁区を記録ヘッド123や再生ヘッド124の位置まで移動させて、情報の記録(書込み)や読出しを行うように構成されている。
なお、これらの記録ヘッド123や再生ヘッド124を備え、磁性細線素子110への情報の記録再生処理を行なう磁性細線素子の記録再生装置には、各磁性細線101に同時に情報の記録を行なうために、入力された情報信号(図1においてはスーパーハイビジョン信号(SHV信号)が入力される)を分割して各記録ヘッド123に単位情報を順次送出
する記録系制御部125、各再生ヘッド124で得られた再生情報の出力を行なうために、各再生ヘッド124で同時に得られた情報信号(図1においてはスーパーハイビジョン信号(SHV信号)が出力される)を合成して信号を復元し、外部に出力する再生系制御部
126を備えている。
ところで、このような磁性細線素子110では、例えば、基板上に磁性細線101を百本程度以上並列させたものが知られており、パルス電流により、上述した各磁性細線中の磁区を同期させながら等距離移動させることにより、メモリの高速化を図るようにしている。
特開2011−123943 特開2013−242940
一般的に磁性細線中を磁区が移動する際、その移動距離(移動速度)には磁区毎にばらつき分布があることが知られており、したがって情報記録や情報再生の安定性に欠けることが磁性細線素子の欠点とされている。
そのため、従来は、各磁性細線に等間隔で括れ状のトラップサイトを形成し、磁区の移動距離を一定にする工夫が必要であった。
しかし、磁区がトラップサイトに捕捉されると、そこから脱出するためには、より大きなパルス電流を細線方向に印加する必要があり、それに要する消費電力が大幅に増加するという不都合があった。
また、トラップからの脱出に必要な電流量が増加すると、この電流によって発生するジュール熱が増加し、磁区に熱が加わることとなり、状況によっては、磁区が消磁状態になるという不都合もあった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、磁性細線における各磁区の移動距離が一定にならなくとも、情報読取時において、隣接する磁区の情報同士にオーバーラップが生ぜず、トラップサイトを用いなくとも情報再生の安定性を確保し得る、磁性細線、磁性細線の記録再生方法および磁性細線の記録再生装置を提供することを目的とするものである。
本発明の磁性細線素子は、
基板上に、磁性体を細線状に形成してなる磁性細線を設けてなり、該磁性細線において、2値の情報からなるデータが互いに異なる磁化方向となるように各々の情報単位毎に記録される磁区が形成されてなり、
前記磁性細線は、情報を記録されるべき磁区の前後に、情報記録が禁止される領域であるガードバンドを設けた磁性細線素子において、
前記磁性細線は、前記2値の情報のうちの一方の情報が記録され、他方の情報が非記録とされる第1の磁性細線と、前記2値の情報のうちの他方の情報が記録され、一方の情報が非記録とされる第2の磁性細線が磁性細線対を有していることを特徴とするものである。
本発明の磁性細線素子の記録再生方法は、
基板上に、磁性体を細線状に形成してなる磁性細線について、2値の情報が互いに異なる磁化方向となるように各々の情報単位毎に記録される磁区を形成する磁性細線素子を記録再生する方法であって
前記磁性細線に対する、前記情報の記録は、各磁性細線の情報記録位置に対向した位置において、記録ヘッドから、入力された情報信号に応じた方向の磁界を発生することによりなし、他方、前記磁性細線に対する、前記情報の再生は、磁性細線の情報読取位置に対向した位置において、再生ヘッドにより、所望の磁区に記録されている磁気記録情報により発生した磁界の方向を読み取ることによりなし、
前記磁区の移動は、前記磁性細線の端部から細線方向に駆動電流を入力することによりなし、
前記情報の記録時において、前記情報が記録されるべき磁区へは所望の情報を記録するように、かつ前記磁区の前後に設けたガードバンドの領域には情報記録を禁止するように、情報の記録処理を制御する磁性細線素子の記録再生方法において、
前記磁性細線は、前記2値の情報のうちの一方の情報が記録され、他方の情報が非記録とされる第1の磁性細線と、前記2値の情報のうちの他方の情報が記録され、一方の情報が非記録とされる第2の磁性細線とを磁性細線対として有し、
前記2値の情報のうちの一方の情報を記録する場合には前記第1の磁性細線の所定位置に、前記2値の情報のうちの他方の情報を記録する場合には前記第2の磁性細線の、該第1の磁性細線の所定位置と対応する所定位置に、各々択一的に情報を記録する情報記録工程を行い、この後、前記第1および第2の磁性細線に対し、互いに同期した駆動電流を細線方向に入力させ、これら各磁性細線の磁区を同一方向に、かつ同一距離だけ移動させる磁区移動工程を行い、この後、前記情報記録工程と前記磁区移動工程を交互に繰返し行うことを特徴とするものである。
また、本発明の磁性細線素子の記録再生装置は、
基板上に磁性体を細線状に形成してなる磁性細線について、2値の情報が互いに異なる磁化方向となるように各々の情報単位毎に記録される磁区が形成されてなる磁性細線素子の記録再生装置であって
前記磁性細線の情報記録位置に対向した位置に配され、入力された情報信号に応じた方向の磁界を発生して、該磁性細線に該情報信号を記録する記録ヘッド手段と、
前記磁性細線の情報読取位置に対向した位置に配され、所望の磁区に記録されている磁気記録情報により発生した磁界の方向を読み取る再生ヘッド手段と、
前記磁性細線の細線方向に駆動電流を入力して、記録または再生すべき磁区を、前記磁性細線の情報記録位置または情報読取位置に移動させる磁区移動手段と、
前記磁性細線が、情報を記録されるべき磁区の前後に、ガードバンド領域を備えている場合に、前記情報を記録されるべき磁区へは所望の情報を記録するように、かつ前記磁区の前後に設けたガードバンドの領域には情報記録を禁止する情報記録/記録禁止制御手段と、を備え
前記磁性細線は、前記2値の情報のうちの一方の情報が記録され、他方の情報が非記録とされる第1の磁性細線と、前記2値の情報のうちの他方の情報が記録され、一方の情報が非記録とされる第2の磁性細線が磁性細線対を有していることを特徴とするものである。
本発明の磁性細線素子においては、情報を記録されるべき磁区の前後に、情報の記録が禁止される領域からなるガードバンドを設けており、このように、記録領域の前後長さ方向に記録禁止領域を設けて、情報信号読取時に、隣接する情報記録領域とされた磁区の情報同士がオーバーラップすることを阻止している。これにより、記録情報が誤って読み取られることを大幅に低減することができる。
磁性細線においては、磁区を形成する細線の長さ方向の磁壁(磁区)の移動速度にバラツキがある(いわゆる“ゆらぎ”が発生する)ため、情報再生の安定性が問題となるが、本発明の磁性細線素子によれば、磁壁の移動速度にバラツキが発生したとしても、ガードバンドの領域の範囲内で磁壁の移動速度のバラツキを吸収することができ、情報読取時に、隣接する磁区の情報同士がオーバーラップすることを阻止することができる。
これにより、トラップサイトや余分な回路を用いることなく、安定性が確保された情報再生(さらには情報記録)を行うことができる。
また、本発明の磁性細線素子の記録再生方法および磁性細線素子の記録再生装置においては、磁性細線への記録は、情報を記録されるべき磁区の前後のガードバンドの領域にお
いて、情報を記録禁止としており、磁区の長さ(磁区長)にいわゆる“ゆらぎ”が発生したとしても、ガードバンドの領域の範囲内で磁壁の移動速度のバラツキを吸収することができ、情報読取時に、隣接する磁区の情報同士がオーバーラップすることを阻止することができる。
これにより、トラップサイトや余分な回路を用いることなく、安定性が確保された情報再生(さらには情報記録)を行うことができる。
また、上述した本発明の磁性細線素子、その記録再生方法およびその記録再生装置において、磁性細線2本で、1つの情報記録領域を構成し、一方の磁性細線は“0” のみを
記録する“0”記録用の磁性細線とし、他方の磁性細線は、“1”のみを 記録する“1
” 記録用の磁性細線とすることが好ましい。
このように構成することにより、隣接する磁区に記録された異なる種類の情報同士が、仮にガードバンドの領域の範囲を超えて、オーバーラップするようなタイミングで情報の読取りが行われるような場合であっても、一方の磁性細線から読み取られた情報は“0”
のみであり、他方の磁性細線から読み取られた情報は“1” のみであるため、2値の信号のいずれであるかを確実に読み取ることができ、ストレージとしての安定性を大幅に高めることができる。
本発明の実施形態に係る磁性細線素子、および記録再生装置を模式的に示す概略図である。 図1に示す磁性細線21Aの一部(A1部分)を拡大して示す拡大図、および図1に示す磁性細線21Bの一部(A2部分)を拡大して示す拡大図である。 図1に示す磁性細線の記録再生装置において、情報記録時における時間軸に沿った記録電流の変化を示す模式的なグラフである((A)は“0”記録用磁性細線を表し、(B)は“1”記録用磁性細線を表す(磁区移動速度が一定の場合)。)。 図1に示す磁性細線の記録再生装置において、情報読取時(磁区移動時)における時間軸に沿った記録電流の変化を示す模式的なグラフである((A)は“0”記録用磁性細線を表し、(B)は“1”記録用磁性細線を表す(磁区移動速度にバラツキが生じている場合)。)。 磁性細線の出力を積分して比較する情報判定手段の一例を示す回路図である。 1本の磁性細線に、“0”および“1”が記録され、各々磁区が形成された様子を示す概略図である。 磁性細線の磁区の移動距離にバラツキがあることを示す磁気力顕微鏡像である((A)は初期状態、(B)は電流印加後の状態)。 磁性細線の磁区が過大電流により消磁される様子を示す磁気力顕微鏡像である((A)は初期状態、(B)は過大電流印加後の状態)。 従来の磁性細線素子、および記録再生装置を模式的に示す概略図である。
以下、本発明の実施形態に係る磁性細線素子、磁性細線素子の記録再生方法および磁性細線素子の記録再生装置について図面を用いて説明する。
まず、本実施形態に係る磁性細線素子について、図1を用いて説明する。
本実施形態に係る磁性細線素子10は、磁性体を細線状に形成してなる磁性細線21A、21Bを、図示されない矩形状の基板上に配設してなる。磁性細線21A、21Bにおいては、“0”と“1”の2値の情報からなるデータが互いに異なる磁化方向となるように、各々の情報単位毎に記録された磁区が形成されている。さらに、上記磁性細線21A
、21Bは、2値のうちの“0”のみを記録し“1”は非記録とされる“0”記録用磁性細線21Aと、“1”のみを記録し、“0”は非記録とされる“1”記録用磁性細線21Bからなる(以下においては、これら“0”記録用磁性細線21Aと“1”記録用磁性細線21Bを併せて磁性細線対21A、21Bと称することがある)。
また、この磁性細線21A、21Bは、図1の一部を拡大した図2(A)、(B)に示すように、情報を記録されるべき各磁区(記録磁区31および非記録磁区32)の前後に、情報の記録が禁止される領域であるガードバンド33が設けられている(煩雑さをさけるため、図1には、ガードバンド33を表していない)。
ところで、従来の磁性細線素子では、図6に示すように、磁性細線101に“0”を書き込むために記録ヘッド123が下向きの磁界を、また、磁性細線101に“1”を書き込むために記録ヘッド123が上向きの磁界を、各々発生させ、これにより、磁性細線101の所定の領域、すなわち、磁区“0”にデータ“0”を、磁区“1”にデータ“1”を記録している。
しかし、一般に、このような磁性細線素子においては、同じ大きさのパルス電流を入力した場合でも、磁区の移動距離にはばらつきが発生する。
このことを、図7(A)、(B)を用いて説明する。なお、これら図7(A)、(B)は、磁性細線素子101の従来品サンプルの表面を、磁気力顕微鏡(MFM)にて画像化して観察したものである。これら図7(A)、(B)に示すMFM像写真において、磁性細線101の磁区の磁化方向が紙面に対して上向きの場合は白、磁区の磁化方向が紙面下向きの場合は黒のコントラストで表されている。また、図7(A)は初期状態(磁区の移動がない状態)であり、図7(B)はパルス電流入力後(初期状態から磁区が移動した状態)である。
この図7(A)からも明らかなように、所定の磁区の位置を原点とし、そのときの各磁区の境界の位置を縦破線で示す。次にこの磁性細線101の細線方向にパルス電流を入力して各磁区を細線方向に移動させた後、上記所定の磁区の位置を原点として揃え、このときの各磁区の境界の位置が、上記縦破線からどの程度ずれているかを図7(B)に示す。
これら図7(A)、(B)の破線の位置の比較からも明らかなように、磁区によって、移動距離にバラつきがある。
前述したように、このようなばらつきをなくすため、トラップサイトを設ける従来技術が知られているが、トラップサイトを用いた場合には、量子井戸から抜けだすために、過大電流を入力する必要がある。
また、このような過大電流を入力した場合には、加熱により磁気記録された内容が消磁されてしまう虞がある。
このことを、図8(A)、(B)を用いて説明する。なお、これら図8(A)、(B)は、磁性細線素子の従来品サンプルの表面を、磁気力顕微鏡(MFM)にて画像化して観察したものである。これら図8(A)、(B)に示すMFM像写真において、磁性細線の磁区の磁化方向が紙面に対して上向きの場合は白、磁区の磁化方向が紙面下向きの場合は黒のコントラストで表されている。また、図8(A)は初期状態(過大電流が入力されていない状態)を示すものであり、図8(B)はパルス電流入力後の状態(過大電流が入力された状態)を示すものである。
この図8(A)のMFM像写真から明らかなように、初期状態においては、この磁性細線素子の各磁区が、白(磁区の磁化方向が上向き)と黒(磁区の磁化方向が下向き)のコントラストによって明確に存在しており、磁気記録がなされている。
その一方、図8(B)のMFM像写真から明らかなように、過大電流が磁性細線素子に入力された状態では、細線方向の白黒の明暗が消えており、磁気記録が保持されていない。
そこで、前述した如く、本実施形態に係る磁性細線素子10においては、図2に示すように、各磁区(記録磁区31および非記録磁区32)の前後に、情報の記録が禁止される領域であるガードバンド33を設けるとともに、図1に示すように、2値のうちの“0”を記録し“1”は非記録とする“0”記録用磁性細線21Aと、“1”を記録し、“0”は非記録とする“1”記録用磁性細線21Bとからなる磁性細線対21A、21Bを形成している。
これにより、磁壁の移動速度にバラツキが発生したとしても、ガードバンドの領域の範囲内で磁壁の移動速度のバラツキを吸収することができ、情報読取時において、隣接する磁区の情報同士がオーバーラップすることを阻止することができる。
また、隣接する磁区に記録された異なる種類の情報同士が、仮にガードバンドの領域の範囲を超えて、オーバーラップするようなタイミングで情報の読取りが行われるような場合であっても、“0”記録用磁性細線21Aと、 “1”記録用磁性細線21Bとからな
る磁性細線対21A、21Bを形成しているので、2値の情報のうちいずれであるかを確実に読み取ることができ、ストレージとしての安定性を大幅に高めることができる。
以下、上記磁性細線21A、21Bについてさらに詳細に説明する。
上記磁性細線素子10は、矩形状(ディスク状であってもよい)の基板(図示せず)上に“0”記録用磁性細線21Aと“1”記録用磁性細線21Bが直線状に、かつ互いに平行に配列されている。また、“0”記録用磁性細線21Aと“1”記録用磁性細線21Bは、互いに絶縁層を挟んで配置されている。なお、磁性細線21A、21Bは、基板がディスク形状とされた場合等において、厚さおよび幅方向長に対して十分に緩やかな曲線とすることも可能である。
図1においては、1つの磁性細線対21A、21Bのみが記載されているが、実際には、上述した磁性細線対21A、21Bが多数対(例えば100対)、基板上に並列して配置
するように構成されている。これにより、ストレージとしてのメモリ容量の大幅増大およびメモリ記録処理および再生処理の高速化を図ることができる。
磁性細線素子10においては、磁性細線対21A、21Bのそれぞれについて、細線方向に配列された、所定の単位長さ(ビット長)の所望の磁区(記録磁区31:図2を参照)毎に、1ビットのデータが記録される。
なお、図1においては、同一のデータが連続する場合には、連続した長さ分の磁区31、32が存在するように表されているが、実際には、図2に示すように、各磁区31、32の前後に、前述したように、情報記録の禁止領域であるガードバンド33が配されている。
この磁性細線21A、21Bは、磁性体(磁性材料)が厚さおよび幅に対して十分に長い細線状に形成されており、磁区(記録磁区31、非記録磁区32)は、その長さ方向にガードバンド33を介して連続して配設される。なお、記録磁区31と非記録磁区32の長さ(細線の伸びる方向の長さ)は同一長とされている。
すなわち、図2に示すように、各磁区31、32の前後にガードバンド33を配置してなる記録ブロックは、例えば、磁区21A、21Bの長さが10〜200nm程度に設定され、ガードバンド33は、磁区21A、21Bの長さの例えば1/3〜1/1程度の長さ、例えば、3〜200nm程度に設定される。
また、磁壁は、隣接する磁区31、32同士の間、さらに詳しくいえば隣接するガード
バンド同士の間にあって、一般に、磁壁の厚み(細線方向長さ)は磁区に対して極めて短く、例えば、5〜25nm程度に設定される。
また、磁区31、32(磁壁)の細線方向への移動は、図1に示すように、磁性細線1A、1Bの端部にパルス電流を細線左方向へ供給することでなされ、その移動速度は断面積の電流密度に比例して速くなるため、磁性細線21A、21Bの厚さおよび幅による断面積が小さいほど、小電流により磁区を高速で移動させることができる。その一方で、データの保存(磁化の保持)のためには、磁性細線21A、21Bは、所定以上の厚さおよび幅とすることが好ましい。これにより、磁性細線21A、21Bは、具体的には、厚さは5nm以上、幅は10nm以上でなるべく小さい値とすることが好ましい。
また、本実施形態の磁性細線素子10によれば、図1および図2(A)、(B)に示すように、“0”記録用磁性細線21Aと“1”記録用磁性細線21Bに情報記録される磁区領域が、丁度、相補的な位置関係となるように形成されている。
すなわち、図2(A)に示す“0”記録用磁性細線21Aの楕円領域A1内においては、図面左側から右側に向けて、非記録領域32、記録領域31(斜線領域)、非記録領域32、非記録領域32、記録領域31(斜線領域)、記録領域31(斜線領域)、記録領域31(斜線領域)、記録領域31(斜線領域)、非記録領域32、非記録領域32、という順に配列された構成とされている。この記録領域31(斜線領域)には、2値データのうちの0が記録されており、非記録領域32には情報が記録されずブランク領域とされている。
これに対し、上記図2(A)の楕円領域A1と位置的に対応する、図2(B)に示す“1”記録用磁性細線21Bの楕円領域A2においては、図面左側から右側に向けて、記録磁区31(斜線領域)、非記録磁区32、記録磁区31(斜線領域)、記録磁区31(斜線領域)、非記録磁区32、非記録磁区32、非記録磁区32、非記録磁区32、記録磁区31(斜線領域)、記録磁区31(斜線領域)、という順に配列された構成とされている。この記録磁区31(斜線領域)には、2値データのうちの1が記録されており、非記録磁区32には情報が記録されずブランク領域とされている。
これら図2(A)、(B)の対応する磁区同士は、後述する記録ヘッド配設位置に対向する位置に移動されて略同時に記録がなされ、また、後述する再生ヘッド配設位置に対向する位置に移動されて、略同時に情報読取りがなされる。
これら図2(A)、(B)からも明らかなように、“0”記録用磁性細線21Aと“1”記録用磁性細線21Bの対応する磁区同士は、記録磁区31(斜線領域)と非記録磁区32が互いに反転した形で配列されることになる。すなわち、一時に記録される領域は、磁性細線21A、21Bのいずれか一方の領域であり、0の情報記録の場合には“0”記録用磁性細線21Aのみに、1の情報記録の場合には“1”記録用磁性細線21Bのみに記録処理がなされる。
そして、“0”記録用磁性細線21Aであっても “1”記録用磁性細線21Bであっ
ても、各磁区31、32の前後のガードバンド33は情報記録の禁止領域とされている。
上述した磁性細線21A、21Bは、従来の磁気ディスクの記録層等と同様に磁性材料で形成されているが、本実施形態のように、垂直磁気異方性材料を用いて微細化を促進することが好ましい。このような材料としては、種々の公知の強磁性材料を用いることができる。具体的には、Co等の遷移金属とPd、Pt、Cu、Niのいずれかとを交互に積層した多層膜、希土類金属と遷移金属との合金等を用いることができる。これらの材料はスパッタリング法等の公知の方法により成膜され、フォトリソグラフィ、エッチングまたはリフトオフ等の手法により、細線形状に成形される。本実施形態においては、磁性細線1は垂直磁気異方性材料を用いているので、図1に示すように、その磁化方向は上向き(
記録がなされていない状態(初期状態)では磁化方向が上向きとされている)または下向きのいずれかの矢印で示されている。
上述した基板は、磁性細線1を形成し得る、公知の種々の基板材料を適用することができる。具体的には、例えば、表面に熱酸化膜が形成されたSi基板や、SiO、MgO、サファイア、GGG(ガドリニウムガリウムガーネット)、SiC、Ge等から形成された結晶、非結晶基板等を適用することができる。
さらに、1対の磁性細線21A、21Bの間、あるいは他の磁性細線対21A、21Bの間等には、図示されない絶縁層が設けられている。絶縁層は、例えばSiO、SiあるいはAl等の公知の絶縁材料を用いることができる。
次に、上述した実施形態に係る磁性細線素子10の記録再生装置について説明する。
本実施形態に係る磁性細線素子10の記録再生装置は、図1に示すように、磁性細線21A、21Bの情報記録位置に対向した位置に配され、入力された情報記録信号に応じた磁化方向の磁界を発生する記録ヘッド23A、23Bと、磁性細線の情報読取位置に対向した位置に配され、所望の磁区に記録されている磁気記録情報により発生する磁界の方向を読取り、読み取った磁界の方向に応じた電流を発生する再生ヘッド24A、24Bを備えている。
また、磁性細線21A、21Bの細線方向に駆動電流を入力して、記録または再生すべき磁区31、32を、磁性細線21A、21Bの情報記録位置または情報読取位置に移動させる磁区移動手段(所定のパルス電流を各磁性細線21A、21Bに入力せしめ、同期させて情報記録位置または情報読取位置に移動させる駆動系手段)と、磁性細線21A、21Bへの記録時には、情報を記録されるべき磁区31には所望の情報を記録するように、かつ磁区31、32の前後に設けたガードバンド33へは情報の記録を禁止するように、上記記録ヘッド23A、23Bによる磁性細線21A、21Bへの情報の記録処理を制御する情報記録/記録禁止制御手段(図示せず)を備えている。
また、本発明の実施形態に係る、磁性細線素子10の記録再生方法は、磁性細線21A、21Bの記録再生を行う手法であり、特に、上述した磁性細線の記録再生装置を用いて記録再生することが好ましいが、これに限られるものではない。
すなわち、磁性細線21A、21Bに対する、情報の記録は、各磁性細線21A、21Bの情報記録位置に対向した位置において、入力された情報に応じて、記録ヘッド23A、23Bから所定方向の磁界を発生することにより行い、一方、磁性細線21A、21Bに対する情報の再生は、磁性細線21A、21Bの情報読取位置に対向した位置において、再生ヘッド24A、24Bにより、所望の磁区31に記録されている情報に係る磁界の方向を読み取ることにより行っている。
また、磁区31、32の移動は、磁性細線21A、21Bの端部から細線方向に駆動電流を入力することにより行い、情報の記録時において、磁区31、32の前後に設けたガードバンド33の領域においては、情報記録を禁止するように情報の記録処理を制御する。
また、この場合において、上記磁性細線21A、21Bは、0データが記録され、1データが非記録とされる“0”記録用磁性細線21Aと、1データが記録され、0データが非記録とされる“1”記録用磁性細線21Bとが、ペアとされた磁性細線対21A、21Bを備えており、0データを記録する場合には“0”記録用磁性細線21Aの所定位置に、1データを記録する場合には、“0”記録用磁性細線21Aの所定位置と対応する“1”記録用磁性細線21Bの所定位置に各々択一的に情報を記録する情報記録工程を行う。続いて、磁性細線21A、21Bに対し、互いに同期したパルス電流を細線の左方向へ入力させ、これら各磁性細線21A、21Bの磁区31、32を同一右方向へ、かつ同一距
離だけ移動させる磁区移動工程を行う。この後、上記情報記録工程と上記磁区移動工程を交互に繰返し行って、入力された2値データ列の全データについて情報の記録を行う。
なお、上述した、磁性細線素子の記録再生方法の詳しい説明は、説明の煩雑さを避けるため、磁性細線素子の記録再生装置の説明中に加えるようにして行うものとする。
ここで、上述した、外部から入力された2値データ列は、図1に示すように、0、1データ分離部41に入力され、この0、1データ分離部41と、切替SW43によって、0のデータ列と1のデータ列に分離され、0のデータは、“0”記録用の記録ヘッド23Aに入力され、この記録ヘッド23Aにより、0のデータ列の入力に応じて、所定の磁化方向(下向き方向)の磁界を発生して、“0”記録用磁性細線21Aの記録磁区31に記録する。他方、1のデータ列は、“1”記録用の記録ヘッド23Bに入力され、この記録ヘッド23Bにより、1のデータの入力に応じて、所定の磁化方向(下向き方向)の磁界を発生して、“1”記録用磁性細線21Bの記録磁区31に記録する。または、磁界を発生する記録ヘッド23A、23Bの代わりに、公知のスピン注入磁化反転素子を用いて記録磁区31を形成してもよい。
次に、0のデータが記録された“0”記録用磁性細線21Aの記録磁区31が、再生ヘッド24Aの配設位置に対向した位置に移動すると、記録磁区31の磁化方向(下向き方向)に応じて発生する磁界により再生ヘッド24Aに磁気抵抗の変化が発生し、この抵抗変化を読取ることにより判定された0のデータが0、1データ復号部42に送出される。他方、1のデータが記録された“1”記録用磁性細線21Bの記録磁区31が、再生ヘッド24Bの配設位置に対向した位置に移動すると、記録磁区31の磁化方向(下向き方向)に応じて発生する磁界により再生ヘッド24Bに磁気抵抗の変化が発生し、この抵抗変化を読取ることにより判定された1のデータが0、1データ復号部42に送出される。
0、1データ復号部42に入力した0のデータと1のデータが、この0、1データ復号部分離部41において判別され、0、1データ列に復号され、外部に出力される。
また、上記磁区移動手段は、例えば、図9の従来技術において示したパルス電流源121と同様に、各磁性細線21A、21Bの端部に対して、パルス電流を同期して入力させ得る手段であればよい。この同期したパルス電流の入力により、“0”記録用磁性細線21Aおよび“1”記録用磁性細線21Bにおける各磁区31、32を、互いに同期して、同一方向、かつ同一距離だけ移動させることができる。勿論、図示しない、他の磁性細線対21A、21Bの各磁区31、32についても、互いに同期して、同一方向、かつ同一距離だけ移動させることができる。
また、上記情報記録/記録禁止制御手段は、記録ヘッド23A、23Bに対して各磁性
細線21A、21Bの記録磁区31への情報記録は許容するが、各磁性細線21A、21Bの記録磁区31および非記録磁区32の前後に位置するガードバンド33は非記録状態に維持するために、そのガードバンド33への情報記録は禁止する、という制御を行う。
勿論、上記情報記録/記録禁止制御手段によって、各磁性細線21A、21Bの記録磁
区31への情報記録の許容、および非記録磁区32への情報の非記録を、制御することが好ましい。
図3は、上述した磁性細線の記録再生装置の情報記録時においてなされる、時間軸に沿った記録電流の変化を示す模式的なグラフである。なお、図3(A)は“0”記録用磁性細線21Aの場合を表し、図3(B)は“1”記録用磁性細線21Bの場合を表す(磁区移動速度が一定の場合)。
本実施形態においては、前述したように“0”と“1”の2値データのうち、“0”の
データ列は“0”記録用磁性細線21Aに記録し、“1”のデータ列は“1”記録用磁性細線21Bに記録する。各情報記録は、各記録ブロック内の磁区の期間(図1の記録磁区31に対応)に収まるように行われ、この磁区の期間の前後両側に情報の記録禁止期間であるガードインターバルの期間(図2のガードバンドに対応)が付加されている。
“0”記録用磁性細線21Aおよび“1”記録用磁性細線21Bにおいて、上下に対応する記録ブロックは、互いに同期して記録されるものであり、“0”記録用磁性細線21Aで0が記録されている記録ブロック(記録磁区31に対応)に対応する、“1”記録用磁性細線21Bにおける記録ブロックは、情報が非記録とされる非記録磁区32を含むものとなっている。他方、“1”記録用磁性細線21Bで1が記録されている記録ブロック(記録磁区31に対応)に対応する、“0”記録用磁性細線21Aにおける記録ブロックは、情報が非記録とされる非記録磁区32を含むものとなっている。
このように、情報記録時においては、情報の記録(書込み)が記録ブロックの略中央に位置しているので、各記録ブロックにガードインターバルを設けなくても大きな問題にはならない。
しかしながら、図4に示すように、パルス電流の入力により、磁区31、32の移動を開始すると、各磁区31、32は、必ずしも同じ速さで移動しない。したがって、図4(A)に示すように、磁区31、32の移動速度が速くなったような場合(図4(A)の左から2番目の記録ブロック)には、その磁区の位置が記録ブロックの前側(図面中では左側)にずれる。また、磁区31の移動速度が遅くなり、かつ磁区長が短くなった場合(図4(A)の左から4番目の記録ブロック)には、その磁区31の位置が記録ブロックの後側(図面中では右側)にずれるとともに、磁区長31の幅が短くなる。また、図4(B)に示すように、磁区長が長くなったような場合(図4(B)の左から3番目の記録ブロック)、磁区が記録ブロック内で大きく前後に広がる。
しかしながら、本実施形態においては、上述したように、磁区31の前後に、ある程度の長さ(例えば磁区31、32の長さの1/3〜1/1)のガードインターバルを設けるようにしているので、磁区移動時に、磁区移動速度が速くなったり、遅くなったりしても、あるいは磁区長が短くなったり長くなったりしても、記録ブロック内に収まり、隣接する記録ブロックに記録されている情報同士が情報読取時にオーバーラップするという不測の事態を回避することができる。
前述したように、再生ヘッド24Aから出力された0のデータと、再生ヘッド24Bから出力された1のデータは、0、1データ復号部42に入力され、この入力されたデータが、0、1データ復号部42において、0であるか1であるかが判定され、この判定結果に基づき、0と1が配列された0、1データ列に復号されて、外部に出力される。
このような0、1データ復号部42における2値データのいずれであるかを判定する処理としては、種々の公知の手段を用いることができるが、本実施形態においては図5に示すような2つの積分手段からの各出力を比較器29において比較する回路を用いている。
すなわち、再生ヘッド24Aからの出力(0のデータ)が1つの記録ブロック期間に亘って積分される。同様に、再生ヘッド24Bからの出力(1のデータ)も1つの記録ブロック期間に亘って積分される。積分処理を行う積分手段(積分器“0”および積分器“1”)は、オペアンプ28A、28Bを用いた反転増幅回路の帰還抵抗をコンデンサC1に置き換えた構成となっている。
また、これら各積分手段は上記コンデンサC1に並列に、各々切り替えスイッチSW1A、SW1Bを備えており、これら切り替えスイッチSW1A、SW1Bを、記録ブロッ
ク期間の切替タイミング毎に、クロックタイマ27からのパルス信号に同期させてON状態にし、積分コンデンサC1の電荷を放電させて鋸歯状波を生成している。
前述したように、オペアンプ28Aを含む積分手段によって1記録ブロック期間に亘り積分された0の存在を示し得るデータはV+端子を介して比較器29の+端子に入力され、他方で、オペアンプ28Bを含む積分手段によって1記録ブロック期間に亘り積分された1の存在を示し得るデータはV−端子を介して比較器29の−端子に入力される。
各積分手段からの出力を各々入力された比較器29においては、+端子に入力された積分信号と、−端子に入力された積分信号の大きさを比較し、いずれか大きいほうのデータ値(0と1のいずれであるか)を判定し、この判定結果に応じたいずれかの2値データを次々と出力していくことにより、復号された0、1データ列を外部に出力することが可能である。
このような回路とすることにより、上述したように磁区31、32の前後にガードインターバルを設けた態様においても、2値データのいずれであるかを、良好に判定することができる。
本発明の実施形態に係る磁性細線素子、その記録再生方法およびその記録再生装置としては、上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の態様の変更が可能である。例えば、上記磁性細線は矩形状の基板上に、直線状に延設された磁性細線31、32を配列しているが、基板は円板状等の他の形状としてもよく、また、磁性細線31、32の配設形状としても、緩やかな曲線を描くようにして、磁区としてみた場合に実質的に直線状に延設された状態となっていればよい。
また、上述した実施形態においては、情報が垂直磁気記録方式によって記録されるように構成されているが、これに替えて面内記録方式等の他の記録方式を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ガードバンドは各磁区毎に、その前後に設けられているが、隣接する磁区同士の間に必ずガードバンドが設けられるようになっていれば、各磁区の、前側のみに設けたり、後側のみに設けるようにすることも可能である。
また、磁区とガードバンドの幅の比率は上記実施形態の中で記載されたものに限られない。磁性細線のサイズや磁性細線対の数も、状況に応じ適宜選択することが可能である。
10、110 磁性細線素子
21A “0”記録用磁性細線
21B “1”記録用磁性細線
23A、23B、123 記録ヘッド
24A、24B、124 再生ヘッド
27 クロックタイマ
28A、28B オペアンプ
29 比較器
31 記録磁区
32 非記録磁区
33 ガードバンド
41 0、1データ分離部
42 0、1データ復号部
43 切替SW
101 磁性細線
121 正電極(パルス電流源)
122 負電極(アース)
125 記録系制御部
126 再生系制御部

Claims (3)

  1. 基板上に、磁性体を細線状に形成してなる磁性細線を設けてなり、該磁性細線において、2値の情報からなるデータが互いに異なる磁化方向となるように各々の情報単位毎に記録される磁区が形成されてなり、
    前記磁性細線は、情報を記録されるべき磁区の前後に、情報記録が禁止される領域であるガードバンドを設けた磁性細線素子において、
    前記磁性細線は、前記2値の情報のうちの一方の情報が記録され、他方の情報が非記録とされる第1の磁性細線と、前記2値の情報のうちの他方の情報が記録され、一方の情報が非記録とされる第2の磁性細線が磁性細線対を有していることを特徴とする磁性細線素子。
  2. 基板上に、磁性体を細線状に形成してなる磁性細線について、2値の情報が互いに異なる磁化方向となるように各々の情報単位毎に記録される磁区を形成する磁性細線素子を記録再生する方法であって
    前記磁性細線に対する、前記情報の記録は、各磁性細線の情報記録位置に対向した位置において、記録ヘッドから、入力された情報信号に応じた方向の磁界を発生することによりなし、他方、前記磁性細線に対する、前記情報の再生は、磁性細線の情報読取位置に対向した位置において、再生ヘッドにより、所望の磁区に記録されている磁気記録情報により発生した磁界の方向を読み取ることによりなし、
    前記磁区の移動は、前記磁性細線の端部から細線方向に駆動電流を入力することによりなし、
    前記情報の記録時において、前記情報が記録されるべき磁区へは所望の情報を記録するように、かつ前記磁区の前後に設けたガードバンドの領域には情報記録を禁止するように、情報の記録処理を制御する磁性細線素子の記録再生方法において、
    前記磁性細線は、前記2値の情報のうちの一方の情報が記録され、他方の情報が非記録とされる第1の磁性細線と、前記2値の情報のうちの他方の情報が記録され、一方の情報が非記録とされる第2の磁性細線とを磁性細線対として有し、
    前記2値の情報のうちの一方の情報を記録する場合には前記第1の磁性細線の所定位置に、前記2値の情報のうちの他方の情報を記録する場合には前記第2の磁性細線の、該第1の磁性細線の所定位置と対応する所定位置に、各々択一的に情報を記録する情報記録工程を行い、この後、前記第1および第2の磁性細線に対し、互いに同期した駆動電流を細線方向に入力させ、これら各磁性細線の磁区を同一方向に、かつ同一距離だけ移動させる磁区移動工程を行い、この後、前記情報記録工程と前記磁区移動工程を交互に繰返し行うことを特徴とする磁性細線素子の記録再生方法。
  3. 基板上に磁性体を細線状に形成してなる磁性細線について、2値の情報が互いに異なる磁化方向となるように各々の情報単位毎に記録される磁区が形成されてなる磁性細線素子の記録再生装置であって
    前記磁性細線の情報記録位置に対向した位置に配され、入力された情報信号に応じた方向の磁界を発生して、該磁性細線に該情報信号を記録する記録ヘッド手段と、
    前記磁性細線の情報読取位置に対向した位置に配され、所望の磁区に記録されている磁気記録情報により発生した磁界の方向を読み取る再生ヘッド手段と、
    前記磁性細線の細線方向に駆動電流を入力して、記録または再生すべき磁区を、前記磁性細線の情報記録位置または情報読取位置に移動させる磁区移動手段と、
    前記磁性細線が、情報を記録されるべき磁区の前後に、ガードバンド領域を備えている場合に、前記情報を記録されるべき磁区へは所望の情報を記録するように、かつ前記磁区の前後に設けたガードバンドの領域には情報記録を禁止する情報記録/記録禁止制御手段と、を備え
    前記磁性細線は、前記2値の情報のうちの一方の情報が記録され、他方の情報が非記録とされる第1の磁性細線と、前記2値の情報のうちの他方の情報が記録され、一方の情報が非記録とされる第2の磁性細線が磁性細線対を有していることを特徴とする磁性細線素子の記録再生装置。
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