JP7174563B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、録装置に関する。
近年、スピントランスファー効果による磁壁の電流駆動現象が注目されている(例えば非特許文献1参照)。非特許文献1に記載されたレーストラックメモリは、磁性細線を基板に対して垂直方向にも延伸させたU字型の3次元構造を持つメモリである。レーストラックメモリでは、磁性細線に直交するように配置された書き込みヘッド(記録素子)で磁性細線中に磁区を形成し、磁性細線にパルス電流を印加してその位置を動かしてデータを記録する。この書き込みヘッドは、書き込み電流が通電される配線からの漏れ磁場により、磁性細線に所定磁化方向のデータの書き込みを行っている。なお、レーストラックメモリでは、再生時には、読み出したいデータ(磁区)が、磁性細線に直交するように配置された読出しヘッド(再生素子)の直下に来るまで磁性細線にパルス電流を印加して磁区を移動させている。
このように書き込み電流が通電される配線からの漏れ磁場により磁性細線に所定磁化方向のデータを書き込む従来技術では、磁性細線のそれぞれに、記録素子および再生素子を1つずつ使用しているのが現状である。なお、特許文献1には、磁性細線に対して所定磁化方向のデータを書き込む原理が異なるものの、複数の磁性細線へ1つの書き込み磁性線でデータを書き込む技術が開示されている。
特開2015-60971号公報
Parkin Stuart S. P.et al.," Magnetic Domain-Wall Racetrack Memory", Science, 11 Apr 2008, Vol. 320, Issue 5873, pp. 190-194
漏れ磁場により磁性細線に所定磁化方向のデータを書き込む従来技術では、磁性細線のそれぞれに記録素子が必要である。そのため、磁性細線の数が多くなるほど構造が複雑になり、加工にコストが掛かり、製造しにくいという問題があった。また、製造し易くするために記録素子を減らした場合、どのようにすれば1つの記録素子で複数の磁性細線に所望のデータを書き込むことができるのか明らかではなかった。さらに、特許文献1に開示された技術は、構造が複雑で製造しにくいという問題があった。そのため、従来の磁壁移動型デバイスには、改良の余地があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、製造し易く1つの記録素子で複数の磁性細線に所望のデータを書き込むことができる録装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る記録装置は、データを導入する導入領域と前記導入領域に隣接したデータ領域とを長さ方向に有して平行に配置された複数の磁性細線と、前記複数の磁性細線のそれぞれの前記導入領域に直交するように配置された直線状の導体配線と、を備える磁壁移動型デバイスと、前記磁性細線にパルス電流を印加するパルス電流源と、入力された情報信号を分割し、前記導体配線に前記パルス電流を供給すると共に、前記パルス電流源から前記磁性細線への前記パルス電流の供給タイミングを制御する記録系制御部と、を備え、前記記録系制御部は、前記導体配線に第1方向の電流を流すことで発生する磁場により前記磁性細線のそれぞれの前記導入領域に第1磁化方向の磁区を形成する第1磁区形成処理と、定の順序にしたがって前記第1磁化方向のデータを記録する対象の前記磁性細線に対して磁壁を駆動するための電流を流すことで当該磁性細線の前記導入領域に形成されている磁壁を駆動する第1磁壁駆動処理と、前記導体配線に前記第1方向とは逆方向である第2方向の電流を流すことで発生する磁場により前記磁性細線のそれぞれの前記導入領域に第2磁化方向の磁区を形成する第2磁区形成処理と、前記所定の順序にしたがって前記第2磁化方向のデータを記録する対象の前記磁性細線に対して磁壁を駆動するための電流を流すことで当該磁性細線の前記導入領域に形成されている磁壁を駆動する第2磁壁駆動処理と、を前記所定の順序にしたがって終了条件を満たすまで繰り返し実行する構成を備えている。
本発明によれば、製造し易く1つの記録素子で複数の磁性細線に所望のデータを書き込むことができる。
(a)は、本発明の第1実施形態に係る磁壁移動型デバイスの模式図であって、(b)は、磁化方向が下向きの磁区が形成された磁性細線の模式図である。 磁化方向が上向きの磁区が形成された磁性細線の模式図である。 (a)-(c)は、それぞれ磁壁移動型デバイスのデータ記録方法の模式的な説明図(その1)である。 (a)-(d)は、それぞれ磁壁移動型デバイスのデータ記録方法の模式的な説明図(その2)である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る磁壁移動型デバイスの模式図であって、(b)は、磁化方向が下向きの磁区が形成された磁性細線の模式図である。 本発明の第3実施形態に係る磁壁移動型デバイスにおいて、磁化方向が下向きの磁区が形成された磁性細線の模式図である。 磁壁移動型デバイスを適用した磁性細線メモリを示す模式図である。 磁壁移動型デバイスを適用した空間光変調器を示す模式図である。
(第1実施形態)
[磁壁移動型デバイスの構造]
まず、磁壁移動型デバイスの構造について図1、図2および図3(a)を参照して説明する。磁壁移動型デバイス1は、図示しない基板上に、複数の磁性細線10と、1つの導体配線20と、を備えている。ここでは、磁壁移動型デバイス1は、複数の磁性細線10として、3本の磁性細線10a,10b,10cを備えているが、個数は特に限定されない。なお、これらを区別しない場合には、単に磁性細線10と表記する。
図1(a)では、磁性細線10の長さ方向がx軸方向である。導体配線20の長さ方向がy軸方向である。また、磁性細線10および導体配線20の厚み方向がz軸方向である。なお、磁性細線10の幅方向がy軸方向であり、導体配線20の幅方向がx軸方向である。
磁性細線10は、導体配線20の上(z軸方向の正の向き)に設けられている。複数の磁性細線10は、平行に配置されている。y軸方向に隣り合う磁性細線10は、微小距離だけ離間して配設されている。隣り合う磁性細線10の間には絶縁層を設けてもよい。
導体配線20は、各磁性細線10に直交するように配置された直線状の配線である。導体配線20は、通電によって発生する磁場により各磁性細線10に磁区を形成する。
以下の説明では、y軸方向における正の方向(第1方向)へ導体配線20中を流れる電流が電流A(図1(b))であり、y軸方向における負の方向(第2方向)へ導体配線20中を流れる電流が電流B(図2)であるものとする。また、電流Aを流すことで導体配線20の周囲に発生する磁場が磁場A(図1(b))であり、電流Bを流すことで導体配線20の周囲に発生する磁場が磁場B(図2)であるものとする。
磁性細線10は、磁性体を厚さおよび幅に対して十分に長い細線状に形成してなる。磁性細線10としては、磁化方向が膜厚方向(z軸方向)に向き易い垂直磁化膜を採用することができる。垂直磁化膜は、垂直磁気異方性の磁気材料で形成される。このような材料としては、公知の強磁性材料を適用できる。具体的には、Co等の遷移金属とPd,Pt,Cuとを繰り返し積層したCo/Pd多層膜のような多層膜、またTb-Fe-Co,Gd-Fe等の希土類金属と遷移金属との合金(RE-TM合金)、Tb/Coなどの希土類多層膜が挙げられる。
これらの材料はスパッタリング法等の公知の方法により成膜され、フォトリソグラフィと、エッチングまたはリフトオフとにより、細線形状に成形されて磁性細線10となる。本実施形態においては、磁性細線10は垂直磁気異方性材料であるので、異なる2つの磁化方向とは、上向きまたは下向きのいずれかを指す。以下では、磁性細線10中に形成される下向きの磁化方向を例えば第1磁化方向とも呼び、上向きの磁化方向を例えば第2磁化方向とも呼ぶ。また、下向きの磁化方向を例えばデータ「0」に対応付け、上向きの磁化方向を例えばデータ「1」に対応付けるようにしてもよい。
また、磁性細線10は、長さ方向の両端部に図示しない電極を接続するための領域を備えている。これらの電極は、Cu,Al,Au,Pt,Ag等の金属やその合金のような一般的な電極用金属材料からなる。また、これら一対の電極は、例えば磁性細線10の一端側の上面部と、他端側の下面部とに形成され、磁性細線10中に形成される磁壁を駆動するための電流を流す導線15にそれぞれ接続される。また、磁性細線10には、磁区の境界である磁壁の位置制御のために適所に括れを形成しておいてもよい。
図3(a)に示すように、磁性細線10は、長さ方向に、データを導入する導入領域11と、導入領域11に隣接したデータ領域12と、を少なくとも備えている。図3(a)に示す例では、磁性細線10の長さ方向がx軸方向である。この磁性細線10において図中左側の一部の領域が導入領域11として利用され、その右側の大部分の領域がデータ領域12として利用される。導入領域11とデータ領域12は、磁性細線10を形式的に区分するものであり、磁性細線10は物理的には連続的に形成されている。導入領域11は、データとして上向きまたは下向きの所望の磁化方向を書き込む領域である。データ領域12は、データを記録するための記録領域である。磁性細線10の導入領域11には、上向きまたは下向きの磁化方向の磁区が形成され、磁性細線10への通電により、この磁区が細線の長さ方向に移動してデータ領域12に到達する。
導体配線20は、y軸方向に延設された直線状の配線である。図1(a)および図3(a)に示すように、導体配線20は、導入領域11で磁性細線10に直交するように配置される。
導体配線20の材料としては、一般的な電極材料を適用できる。具体的には、例えば、導電性のよいCu,Al,Au,Ag,Ta,Cr等の金属やその合金を挙げることができる。一例としては、導体配線20の材料に、Cuを用いることが好適である。
例えば特許文献1に記載された技術は、磁性体の相互作用に基づいて磁区を形成するため、磁性材料で構成された書き込み配線を用いている。これに対して、本実施形態の磁壁移動型デバイス1は、導体配線20の材料を非磁性材料とすることで、磁性細線10において磁壁を駆動するための電流(後記する電流S)を低減することができる。
導体配線20の形成方法としては、例えばスパッタリング法等の公知の方法により電極材料を成膜し、フォトリソグラフィ工程と、エッチングまたはリフトオフ法等の工程とを用いることができる。導体配線20の幅は、40nm以下であることが好ましく、10nm以上40nm以下であることがより好ましい。導体配線20の材料を非磁性材料とすることで、磁壁移動型デバイス1は、必ずしも真空装置等を用いた一貫したプロセスで製造する必要はない。よって、例えば磁性細線10を真空装置等を用いて形成する工程とは別に導体配線20を形成しておき、複数の磁性細線10上に導体配線20を後付けすることもできる。
導体配線20と磁性細線10との距離は、数十nm以下であることが好ましく、短ければ短いほど望ましい。導体配線20に流れる電流をIとし、導体配線20からの距離をrとすると、導体配線20に電流を流したときに発生する磁界Hは、H=I/(2πr)で与えられるため、距離rが近いほど、より小さな電流Iで磁区を形成することができる。
具体的には、磁性細線10への磁区形成過程のマイクロマグネティックシミュレーションを行ったところ、距離rが5nmのときに、磁性細線10上に十分な長さの磁区が形成されることが確認できた。詳細には、このシミュレーションでは、簡単のため、1本の磁性細線10に対して、下記の計算条件でLLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式を用いて計算した。なお、磁性細線10上のメッシュサイズは4nmとした。また、予め磁性細線10の全体に第2磁化方向(上向き)の磁区を形成しておいた。その上で、図1(b)に示すように、導体配線20に電流Aを流すことで発生する磁場Aにより1本の磁性細線10に第1磁化方向(下向き)の磁区を形成した。電流を印加して1[ns]後の磁化状態を計算したところ、z軸方向に5nm離れた導体配線20からの電流磁界によって導体配線20から見てx軸における正の方向の側において、磁性細線10上に200nm以上に亘って下向き磁区が形成された。
[計算条件]
(磁性細線の構造)
長さ(x軸方向):1.6[μm]
幅 (y軸方向):60[nm]
膜厚(z軸方向):12[nm]
(磁性細線の磁気特性)
飽和磁化Ms:0.25[T]
異方性磁界H:8.5[kOe]
交換結合係数A:1.2×10-11[J/m]
(導体配線の構造)
長さ(y軸方向):1.4[μm]
幅 (x軸方向):40[nm]
膜厚(z軸方向):40[nm]
導体配線と磁性細線との間の距離(z軸方向)h:5[nm]
導体配線への印加電流:0.5[A]
また、1[Oe]=103/(4π)[A/m]である。
図1(a)に示す例では、磁壁移動型デバイス1は、磁性細線10と導体配線20との間に絶縁層30を備えている。絶縁層30は、導体配線20と磁性細線10とを絶縁するものである。絶縁層30は、導体配線20上に形成されている。絶縁層30の上には磁性細線10が形成されている。絶縁層30を形成する絶縁体は、一般的な絶縁体材料で構成されている。このような材料として、例えばSiO2やAl23等の酸化膜や、Si34やMgF2等を挙げることができる。絶縁層30は、図示しない基板上で安定に支持されていればその形状は図示した平板状に限定されない。導体配線20との間に絶縁材料を充填したり、導体配線20の周囲に絶縁材料を敷き詰めたりすることが好ましい。導体配線20と磁性細線10との間には、厚みが数nm以上の絶縁層30が配置されることが望ましい。ただし、絶縁層30が無い場合であっても、磁性細線10の電気抵抗値が、導体配線20の電気抵抗値に対して非常に大きい場合には問題ないと考えられる。
[磁壁移動型デバイスのデータ記録方法]
次に、磁壁移動型デバイス1のデータ記録方法の概要を説明する。
この磁壁移動型デバイス1におけるデータ記録方法は、複数の磁性細線10のそれぞれに形成される磁壁を所定の順序にしたがって駆動することで磁壁移動型デバイス1の導入領域11に書き込まれた所定の磁化方向のデータをデータ領域12に記録するものである。すなわち、この方法では、いずれかの磁化データを磁性細線10の導入領域11に書き込むことで磁区を形成する工程と、磁性細線10において導入領域11に既に書き込まれているデータの磁区を駆動させて情報をデータ領域12に移動させる工程とを有している。
磁性細線10へデータを書き込むには、記録したい2値情報(0または1)に対応させて上向きまたは下向きの十分な強度の磁界を導体配線20により発生させる。導体配線20に電流を流すと、磁場が発生し、磁性細線10上において、導体配線20から僅かに離間した位置に磁壁が導入される。例えば導体配線20から下向きの磁界を発生させた場合、磁性細線10の導入領域11が下向きに磁化され、1ビット分の情報が磁区として書き込まれる。また、この方法では、導体配線20に交互に反対向きの電流を流すことで、連続的に下向きの磁化データと上向きの磁化データとを交互に磁性細線10の導入領域11に書き続ける。これにより、導入領域11上のデータは上書きされ続ける。よって、磁性細線10上において、磁壁をx軸方向における正の方向へ進め、情報が導入領域11からデータ領域12に移動することで、磁壁移動型デバイス1へのデータ記録が行われる。
次に磁壁移動型デバイス1のデータ記録方法の詳細について図1~図4を参照して説明する。データ記録方法は、第1磁区形成工程と、第1磁壁駆動工程と、第2磁区形成工程と、第2磁壁駆動工程と、を一連の工程として行う。
第1磁区形成工程は、図1(b)および図3(b)に示すように、導体配線20に第1方向の電流(電流A)を流すことで発生する磁場Aにより各磁性細線10のそれぞれの導入領域11に第1磁化方向(下向き)の磁区を形成する工程である。これにより、一度に複数の磁性細線10に対して第1磁化方向(下向き)の磁区を形成できる。ここでは、図1(b)および図3(b)において、一例として下向きの磁化はドットで示されている。また、磁性細線10に下向きの磁区を形成する前の初期状態では、図3(a)に示すように、磁性細線10に磁区が形成されていないものとする。
第1磁壁駆動工程は、前記第1磁区形成工程に続けて行われる工程である。第1磁壁駆動工程は、図3(c)に示すように、前記所定の順序にしたがって第1磁化方向のデータを記録する対象の磁性細線10(図3(c)では磁性細線10b)に対して磁壁を駆動するための電流(以下、電流Sという)を流すことで当該磁性細線10bの導入領域11に形成されている磁壁を駆動する工程である。図示しない電源からの電流Sは、導線15と、磁性細線10の両端部の一対の電極を介して磁性細線10に流れる。
詳細には、磁性細線10bの長さ方向にパルス電流(電流S)を印加すると、負の電荷を持った電子eが図3において右へ移動し、当該磁性細線10bに形成されている磁壁を駆動する。この磁壁電流駆動現象により、磁性細線10bの導入領域11に形成されていた下向き磁区を1ビット分の長さだけ図3において右方向へ高速に駆動(ビットシフト)させることができる。なお、図3ではビットシフトの向きを直感的に理解し易いように電子eの移動方向を電流Sの向きとして図示しているが、パルス電流(電流S)は電子の移動方向とは逆向きに流す。また、磁壁駆動方向は、電子の移動方向に限定されるものではなく、磁性細線10の磁性膜を構成する材料によっては、電子の移動方向とは逆方向(電流方向)に磁壁が駆動する場合がある。
この第1磁壁駆動工程では、磁性細線10に流す電流Sに連動させて、導体配線20に電流Aを流し続けていることで発生する磁場Aにより各磁性細線10の導入領域11に第1磁化方向(下向きの磁化)の磁区を形成し続けている。この第1磁壁駆動工程によって、磁性細線10bのデータ領域12には、下向き磁区が記録される。一方、磁性細線10a,10cのデータ領域12には、まだ磁区が記録されていない。
第2磁区形成工程は、前記第1磁壁駆動工程に続けて行われる工程である。
第2磁区形成工程は、図2および図4(a)に示すように、導体配線20に第1方向とは逆方向である第2方向の電流(電流B)を流すことで発生する磁場Bにより各磁性細線10のそれぞれの導入領域11に第2磁化方向(上向き)の磁区を形成する工程である。これにより、各磁性細線10の導入領域11上のデータは、第2磁化方向(上向き)の磁区に上書きされる。つまり、一度に複数の磁性細線10に対して第2磁化方向(上向き)の磁区を形成できる。ここでは、図2および図4(a)において、一例として上向きの磁化はクロスハッチングで示されている。なお、このとき、各磁性細線10のデータ領域12上のデータには変化がない。
第2磁壁駆動工程は、前記第2磁区形成工程に続けて行われる工程である。第2磁壁駆動工程は、図4(b)に示すように、前記所定の順序にしたがって第2磁化方向のデータを記録する対象の磁性細線10(図4(b)では磁性細線10a,10c)に対して電流Sを流すことで当該磁性細線10a,10cの導入領域11に形成されている磁壁を駆動する工程である。これにより、磁性細線10a,10cの導入領域11に形成されていた上向き磁区を1ビット分の長さだけビットシフトさせることができる。この第2磁壁駆動工程では、磁性細線10に流す電流Sに連動させて、導体配線20に電流Bを流し続けていることで発生する磁場Bにより各磁性細線10の導入領域11に第2磁化方向(上向きの磁化)の磁区を形成し続けている。この第2磁壁駆動工程によって、磁性細線10a,10cのデータ領域12には、上向き磁区が記録される。一方、磁性細線10bのデータ領域12上のデータには変化がない。
データ記録方法は、第1磁区形成工程と、第1磁壁駆動工程と、第2磁区形成工程と、第2磁壁駆動工程と、を前記所定の順序にしたがって終了条件を満たすまで繰り返し行う。よって、例えば終了条件が満たされていなければ、第2磁壁駆動工程に続けて、再び、第1磁区形成工程を行う。この場合、図4(c)に示すように、各磁性細線10の導入領域11上のデータは、第1磁化方向(下向き)の磁区に上書きされる。なお、このとき、各磁性細線10のデータ領域12上のデータには変化がない。
さらに、この第1磁区形成工程に続けて、再び、第1磁壁駆動工程を行ったときの磁化状態を図4(d)に示す。この第1磁壁駆動工程では、図4(d)に示すように、前記所定の順序にしたがって第1磁化方向のデータを記録する対象の磁性細線10(図4(d)では磁性細線10a,10b)に対して電流Sを流すことで当該磁性細線10a,10bの導入領域11に形成されている磁壁を駆動する。この第1磁壁駆動工程では、磁性細線10に流す電流Sに連動させて、導体配線20に電流Aを流し続けていることで発生する磁場Aにより各磁性細線10の導入領域11に第1磁化方向(下向きの磁化)の磁区を形成し続けている。この第1磁壁駆動工程によって、磁性細線10a,10bの導入領域11に形成されていた下向き磁区を1ビット分の長さだけビットシフトさせることができる。このとき、磁性細線10aのデータ領域12に既に記録されていた1ビット分の情報(上向き磁区)は磁性細線10a中を1ビット分の長さだけビットシフトする。また、磁性細線10bのデータ領域12に既に記録されていた1ビット分の情報(下向き磁区)は磁性細線10b中を1ビット分の長さだけビットシフトする。なお、磁性細線10cのデータ領域12上のデータには変化がない。
以後は同様に磁区形成およびビットシフトを繰り返すことによって、各磁性細線10の長さ方向にシーケンシャルな磁区列のデータを蓄積することができる。磁性細線10のデータ領域12は、順次情報をデータ領域12中にそのままの順番で蓄積することが可能なFirst-in-first-out型のメモリ構成である。上記のように、磁壁移動型デバイス1のデータ記録方法では、1本の記録素子(導体配線20)に電流Aと電流Bを交互に流すことによる複数の磁性細線10への磁区形成と、磁性細線10に個別に電流Sを流すことによる磁壁駆動(ビットシフト)とを組み合わせることで、例えば図4(d)に示すように、磁性細線10a,10,10cに個別に所望のデータ列を記録することができる。図4(d)には、各磁性細線10のデータ領域12の磁化状態の一例が示されている。前記所定の順序は、どの磁性細線10に、どのような順番で2値データを記録することを所望するのかによって決定すればよい。例えば、すべての磁性細線10における理想的な最終記録状態から逆算して、各磁性細線10に電流Sを流す順番を決定することで、効率的に書き込み動作を行うことが可能である。また、前記所定の順序における最後の書き込みがなされることで終了条件が満たされることになる。
なお、各磁性細線10の初期状態では磁区が形成されていないものとして説明したが、これに限らない。例えば、磁性細線10において、部分的に上向きの磁化と下向きの磁化とがランダムに配置された状態(ランダム磁化)であっても構わない。また、上記説明では、最初に第1磁区形成工程を行うものとしたが、所定の順序にしたがっていれば、最初に第2磁区形成工程を行ってもよいし、第1磁区形成工程と第2磁区形成工程の回数が異なっていてもよい。
(第2実施形態)
[磁壁移動型デバイスの構造]
次に、第2実施形態に係る磁壁移動型デバイスの構造について図5(a)を参照して説明する。図5(a)に示すように、第2実施形態に係る磁壁移動型デバイス1Bでは、磁性細線10が、導体配線20の上だけではなく、導体配線20の下にも設けられている点が第1実施形態に係る磁壁移動型デバイス1と相違している。以下では、図1に示す磁壁移動型デバイス1と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
磁壁移動型デバイス1Bは、複数の磁性細線10a~10fと、1つの導体配線20と、を備えている。ここでは、磁壁移動型デバイス1Bは、複数の磁性細線10として、6本の磁性細線10a~10fを備えているが、個数は特に限定されない。なお、これらを区別しない場合には、単に磁性細線10と表記する。各磁性細線10は、長さ方向に、データを導入する導入領域11と、導入領域11に隣接したデータ領域12と、を有している(図3(a)参照)。導体配線20は、直線状であり、各磁性細線10a~10fのそれぞれの導入領域11に直交するように配置されている。
複数の磁性細線10a~10fは、導体配線20の長さ方向(y軸方向)に離間しつつ平行に配置されると共に、導体配線20の厚み方向(z軸方向)に離間しつつ平行に配列されている。図5(a)に示すように、磁壁移動型デバイス1Bは、導体配線20の厚み方向(z軸方向)において導体配線20を挟んで2つの磁性細線10が対向して配置されている。具体的には、磁性細線10aと磁性細線10dとが対向して配置されている。また、磁性細線10bと磁性細線10eとが対向して配置されている。さらに、磁性細線10cと磁性細線10fとが対向して配置されている。
図5(a)に示す例では、磁壁移動型デバイス1Bは、磁性細線10d,10e,10fと導体配線20との間に絶縁層30aを備えている。また、磁壁移動型デバイス1Bは、磁性細線10a,10b,10cと導体配線20との間に絶縁層30bを備えている。絶縁層30a,30bを形成する絶縁体は、前記した一般的な絶縁体材料で構成されている。
絶縁層30bは、導体配線20上に形成されており、絶縁層30bの上面31bには磁性細線10a,10b,10cが形成されている。この例では、絶縁層30bの上面31bは、磁性細線10の配置面である。また、絶縁層30aは、導体配線20の下に形成されており、絶縁層30aの下面31aには磁性細線10d,10e,10fが形成されている。この例では、絶縁層30aの下面31aも、磁性細線10の配置面である。つまり、磁壁移動型デバイス1Bは、導体配線20の上下に磁性細線10の配置面を有している。
磁壁移動型デバイス1Bのデータ記録方法は、第1磁区形成工程と、第1磁壁駆動工程と、第2磁区形成工程と、第2磁壁駆動工程と、を所定の順序にしたがって終了条件を満たすまで繰り返し行う。例えば、第1磁区形成工程では、図5(b)に示すように、導体配線20に第1方向の電流(電流A)を流すことで発生する磁場Aにより各磁性細線10a~10fのそれぞれの導入領域11に第1磁化方向(下向き)の磁区を形成する。他の工程も、磁壁移動型デバイス1のデータ記録方法と同様である(図3および図4参照)。よって、これ以上の説明を省略する。本実施形態によれば、第1実施形態に比べて、一度にデータを書き込むことができる磁性細線の本数を2倍に増加させることができる。
(第3実施形態)
[磁壁移動型デバイスの構造]
次に、第3実施形態に係る磁壁移動型デバイスの構造について図6を参照して説明する。以下では、図1に示す磁壁移動型デバイス1と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。第3実施形態に係る磁壁移動型デバイス1Cは、複数の磁性細線10a~10fと、1つの導体配線20Cと、を備えている。ここでは、磁壁移動型デバイス1Cは、複数の磁性細線10として、6本の磁性細線10a~10fを備えているが、個数は特に限定されない。なお、これらを区別しない場合には、単に磁性細線10と表記する。各磁性細線10は、長さ方向に、データを導入する導入領域11と、導入領域11に隣接したデータ領域12と、を有している(図3(a)参照)。
導体配線20Cは、直線状であり、各磁性細線10a~10fのそれぞれの導入領域11に直交するように配置されている。ただし、導体配線20Cは、各磁性細線10の上下(z軸方向)に配置されるのではなく、x軸方向における各磁性細線10の一端側(図6において左側)に配置されている。また、導体配線20Cは、磁性細線10の厚みの少なくとも数倍の厚みを有している。ここでは、導体配線20Cは、厚み(z軸方向の長さ)が幅(x軸方向の長さ)よりも大きく形成されている。また、導体配線20Cの長さ(y軸方向の長さ)は、導体配線20Cの厚みおよび幅に比べて十分大きく形成されている。
複数の磁性細線10a~10fは、導体配線20の長さ方向(y軸方向)に離間しつつ平行に配置されると共に、導体配線20の厚み方向(z軸方向)に離間しつつ平行に配列されている。図6に示すように、磁壁移動型デバイス1Cは、導体配線20Cの幅方向(x軸方向)における一方の側(図6における右側)において、すべての磁性細線10a~10fが配置されている
図6に示す例では、磁壁移動型デバイス1Cは、磁性細線10a~10fと導体配線20Cとの間に絶縁層30cを備えている。また、磁壁移動型デバイス1Cは、磁性細線10の周囲に、絶縁層40a,40b,40cを備えている。絶縁層30c,40a~40cを形成する絶縁体は、前記した一般的な絶縁体材料で構成されている。
絶縁層30cは、導体配線20Cと磁性細線10a~10fとを絶縁するものであり、例えばyz平面に平行に形成されている。
絶縁層40aは、例えばxy平面に平行に形成されており、絶縁層40aの上面41aには磁性細線10e,10fが互いに平行に配置されて形成されている。この例では、絶縁層40aの上面41aは、磁性細線10e,10fの配置面である。
絶縁層40bは、磁性細線10e,10fの上に形成されており、絶縁層40bの上面41bには磁性細線10c,10dが互いに平行に配置されて形成されている。この例では、絶縁層40bの上面41bは、磁性細線10c,10dの配置面である。
絶縁層40cは、磁性細線10c,10dの上に形成されており、絶縁層40cの上面41cには磁性細線10a,10bが互いに平行に配置されて形成されている。この例では、絶縁層40cの上面41cは、磁性細線10a,10bの配置面である。
つまり、磁壁移動型デバイス1Cは、導体配線20Cの側方に磁性細線10の配置面を複数積層した構造を有している。
磁壁移動型デバイス1Cのデータ記録方法は、磁壁移動型デバイス1のデータ記録方法と同様に、第1磁区形成工程と、第1磁壁駆動工程と、第2磁区形成工程と、第2磁壁駆動工程と、を所定の順序にしたがって終了条件を満たすまで繰り返し行う。例えば、第1磁区形成工程では、図6に示すように、導体配線20Cに第1方向の電流(電流A)を流すことで発生する磁場Aにより各磁性細線10a~10fのそれぞれの導入領域11に第1磁化方向(下向き)の磁区を形成する。他の工程も、磁壁移動型デバイス1のデータ記録方法と同様である(図3および図4参照)。よって、これ以上の説明を省略する。
本実施形態によれば、第1実施形態に比べて、一度にデータを書き込むことができる磁性細線の本数を数倍に増加させることが可能である。なお、磁性細線10の配置面の積層数は3層に限らず、数十層でも構わない。
前記実施形態に係る磁壁移動型デバイス1,1B,1Cは、複数の磁性細線10と導体配線20(20C)との間に絶縁層30(30C)を備える形態で説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、平板状の絶縁層30(30C)を有する代わりに、導体配線20(20C)に絶縁被膜を設けることもできる。
[磁壁移動型デバイスの適用例]
(磁性細線メモリ)
磁壁移動型デバイス1は、例えば磁性細線メモリに適用することができる。図7に示す記録再生装置100は、図示しない基板上に設けられた磁性細線メモリ110と、パルス電流源120と、を備え、磁性細線メモリ110への情報の記録処理や磁性細線メモリ110から情報を読み出す再生処理を行う。磁性細線メモリ110は、データの記録トラックとしての複数の磁性細線10と、導体配線20と、再生用の磁気ヘッド(再生ヘッド)50と、を備えている。ここで、複数の磁性細線10と、導体配線20と、によって磁壁移動型デバイス1が構成されている。なお、図7では、絶縁層30を省略している。
磁性細線メモリ110は、不図示の基板上に複数の磁性細線10を備えている。ここで、磁性細線10は、予め例えばランダム磁化にしておく。また、隣接する磁性細線10は、互いに不図示の絶縁層を挟み、微小距離だけ離間して配設されている。各磁性細線10は、導体配線20とは反対側に所定距離だけ離れた所定位置に再生ヘッド50を有している。再生ヘッド50は、直下の磁区から生じた漏えい磁束の方向を検出し、磁化の向きに対応した信号を出力する。
各磁性細線10は、パルス電流源120に接続されている。各磁性細線10には、図7において右から左にパルス電流が流される。パルス電流を流す方向とは逆向き(図7において左から右)に電子が移動する。電子の移動方向と磁区Dの移動方向とは同じ向き(図7において左から右)である。これにより、磁区Dを再生ヘッド50に対向する位置に高速でシフト移動させて読出しを行うように構成されている。なお、磁性細線10の磁性膜を構成する材料によっては、電子の移動方向とは逆方向(電流方向)に磁壁が駆動する場合がある。
また、図7に示すように、記録再生装置100は、記録系制御部130と、再生系制御部140と、を備える。記録系制御部130は、入力された情報信号を分割し、分割された単位情報を各磁性細線10に記録するために、導体配線20に電流を供給すると共に、パルス電流源120から各磁性細線10へのパルス電流の供給タイミングを制御する。再生系制御部140は、各再生ヘッド50で得られた情報信号を合成して信号を復元し、外部に出力する。
記録再生装置100が、磁性細線メモリ110へデータを記録する手順は、図3および図4を参照して説明した記録手順と同様なので、ここでは説明を省略する。
なお、記録再生装置100は、再生系制御部140を除く構成の記録装置101を備えている。すなわち、記録装置101は、磁性細線メモリ110と、パルス電流源120と、記録系制御部130と、を備え、磁性細線メモリ110への情報の記録処理を行うことができる。
記録再生装置100が、磁性細線メモリ110に記録されている情報を再生するには、磁性細線10に連続的にパルス電流を印加して、記録された磁区列を再生ヘッド50の直下まで移動させる。これにより、再生ヘッド50は直下の磁区から生じた漏えい磁束の方向を検出し、磁化の向きに対応した信号を出力する。以後は、同様にビットシフト(磁壁駆動)および再生ヘッド50による磁区の検出を繰り返すことにより、元の2値情報を再生する。このような磁性細線10を複数用意し、それらを同期させて駆動することで、磁性細線メモリ110は高速記録を実現する。
(空間光変調器)
磁壁移動型デバイス1は、例えば空間光変調器に適用することができる。図8は、磁壁移動型デバイス1を用いた空間光変調器200の構成を示す説明図である。この空間光変調器200は、不図示の基板上に導体配線20と、絶縁層30と、複数の磁性細線10と、偏光フィルタ201,202と、を備えている。なお、複数の磁性細線10と、導体配線20と、絶縁層30と、によって磁壁移動型デバイス1が構成されている。
空間光変調器200では、複数の磁性細線10にデータを記録するために、図7に示す記録装置101と同様の構成の記録装置を用いることができる。不図示の記録装置は、磁壁移動型デバイス1と、パルス電流源120と、記録系制御部130(図7参照)と、を備えている。
各磁性細線10は、パルス電流源120に接続されている。磁性細線10には、図8において右から左にパルス電流が流される。パルス電流を流す方向とは逆向き(図8において左から右)に電子が移動することで、磁壁が電子の移動方向に駆動する。なお、磁性細線10の磁性膜を構成する材料によっては、電子の移動方向とは逆方向(電流方向)に磁壁が駆動する場合がある。
記録系制御部130は、空間光変調器200で所定の明暗像を表示するためのデータを磁性細線10に記録する処理を行う。なお、磁性細線10へデータを記録する手順は、図3および図4を参照して説明した記録手順と同様なので、ここでは説明を省略する。
一例として図8に示すように磁性細線10cに、長さ方向の右から順に、「下向き、下向き、下向き、上向き、上向き」のデータがそれぞれ記録されているものとする。この場合の空間光変調器200の動作は次の通りである。例えばレーザー光源等の光源300から空間光変調器200に照射された光は、様々な偏光成分を含んでいるが偏光フィルタ201を透過して1つの偏光成分の光301となり、磁性細線10cに入射する。磁性細線10cで反射した光のうち、特定の偏光302は、偏光フィルタ202で遮光される。また、磁性細線10cで反射した光のうち他の光303は、偏光フィルタ202を透過する。
詳細には、磁性細線10cに入射した光301は、磁性細線10cで反射したときに、その偏光の向きが、磁気光学効果により回転する(旋光する)。図8においては、磁性細線10cの上向きの磁化方向を示す領域で反射した光303は、入射光301に比べて+θKだけ旋光する。また、磁性細線10cの下向きの磁化方向を示す領域で反射した光302は、入射光301と比べて-θKだけ旋光する。したがって、空間光変調器200は、明暗像を表示することができる。
1、1B、1C 磁壁移動型デバイス
10、10a~10f 磁性細線
11 導入領域
12 データ領域
15 導線
20、20C 導体配線
30、30C 絶縁層
31a 下面
31b 上面
40a、40b、40c 絶縁層
41a、41b、41c 上面
50 再生用の磁気ヘッド(再生ヘッド)
100 記録再生装置
101 記録装置
110 磁性細線メモリ
120 パルス電流源
130 記録系制御部
140 再生系制御部
200 空間光変調器
201 偏光フィルタ
202 偏光フィルタ
300 光源
301 入射光
302 偏光
303 反射光

Claims (4)

  1. データを導入する導入領域と前記導入領域に隣接したデータ領域とを長さ方向に有して平行に配置された複数の磁性細線と、前記複数の磁性細線のそれぞれの前記導入領域に直交するように配置された直線状の導体配線と、を備える磁壁移動型デバイスと、
    前記磁性細線にパルス電流を印加するパルス電流源と、
    入力された情報信号を分割し、前記導体配線に前記パルス電流を供給すると共に、前記パルス電流源から前記磁性細線への前記パルス電流の供給タイミングを制御する記録系制御部と、を備え、
    前記記録系制御部は、
    前記導体配線に第1方向の電流を流すことで発生する磁場により前記磁性細線のそれぞれの前記導入領域に第1磁化方向の磁区を形成する第1磁区形成処理と、
    定の順序にしたがって前記第1磁化方向のデータを記録する対象の前記磁性細線に対して磁壁を駆動するための電流を流すことで当該磁性細線の前記導入領域に形成されている磁壁を駆動する第1磁壁駆動処理と、
    前記導体配線に前記第1方向とは逆方向である第2方向の電流を流すことで発生する磁場により前記磁性細線のそれぞれの前記導入領域に第2磁化方向の磁区を形成する第2磁区形成処理と、
    前記所定の順序にしたがって前記第2磁化方向のデータを記録する対象の前記磁性細線に対して磁壁を駆動するための電流を流すことで当該磁性細線の前記導入領域に形成されている磁壁を駆動する第2磁壁駆動処理と、
    を前記所定の順序にしたがって終了条件を満たすまで繰り返し実行する記録装置。
  2. 前記磁壁移動型デバイスは、
    前記導体配線が、通電によって発生する磁場により前記複数の磁性細線のそれぞれの前記導入領域に磁区を形成
    前記磁性細線、当該磁性細線中に形成される磁壁を駆動するための電流を流す導線に接続される電極を長さ方向の両端部に有し、
    複数の前記磁性細線が、前記導体配線の長さ方向に離間しつつ平行に配列されると共に、前記導体配線の厚み方向に離間しつつ平行に配列されている請求項1に記載の記録装置
  3. 前記磁壁移動型デバイスは、
    前記導体配線の厚み方向において前記導体配線を挟んで2つの前記磁性細線が対向して配置されている請求項2に記載の記録装置
  4. 前記磁壁移動型デバイスは、
    前記導体配線の幅方向における一方の側において、すべての前記磁性細線が配置されている請求項2に記載の記録装置
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