JP6616191B2 - 空調対象空間の快適空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調対象空間を快適に空調するための空調対象空間の快適空調システムに関するものである。
省エネの観点から、冷房設定温度の高温化が推奨されているが、それに伴い快適性は悪化傾向となっており、我慢優先の省エネではなく、快適性も配慮された省エネ空調が求められてきている。
ビル管理法の温湿度上限値は、28℃、70%RHとされているが、この温湿度上限値での不快指数は、78.4となり、7割以上の人が不快に感じる状態となる。
不快指数(DI)は、次式より求められる。
DI=0.81T+0.01H(0.99T−143)−46.3
ここに T:乾球温度[℃]
H:相対湿度[%RH]
不快指数と体感の関係は、
不快指数 体感 不快指数 体感
〜55 寒い 70〜75 暑くない
55〜60 肌寒い 75〜80 やや暑い
60〜65 何も感じない 80〜85 暑くて汗が出る
65〜70 快い 85〜 暑くてたまらない
日本人の場合、不快指数70前後が最も快適とされ、75で約9%の人が、77で約65%の人が、85%を超えると100%の人が不快に感じると言われている。
そこで、快適性を保つためには、特許文献1に示されるように、不快指数が75以下となるようにエアコンで制御する必要がある。しかし、エアコンによる空調では、温度を制御できても、湿度制御の機能を有していないため、湿度は成り行きになってしまい、不快指数をパラメータとして制御することは困難である。
不快指数を設定し、これに基づいて温湿度を個別に制御するためには、冷却器で吸入空気を、設定の露点まで冷却したのち、これを再熱器で設定の温度まで再熱することで、設定の温湿度に制御することができる、しかし、この冷却再熱制御では、消費エネルギーが大きくなってしまう問題がある。
特許文献2では、ファンコイルケーシングに冷却器とバイパスダンパを設置し、レターンエアを冷却器で冷却する際に、レターンエアの一部をバイパスダンパにバイパスさせて、吹出温度を制御することが示されている。
特開2004−108659号公報 特開2004−125316号公報
しかし、特許文献2では、冷温水の出口温度が所定温度となるように冷却器を通過させる冷温水量を制御し、その上でレターンエアのバイパス量を制御してサプライエアの温度を制御するもので、快適性の制御については考慮されていない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、空調対象空間を快適に制御できる空調対象空間の快適空調システムを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、ファンケーシングの吸込口を2つに区画し、その一方の吸込口に冷水が供給されるコイルを設け、他方の吸込口をバイパス通路として空調機を構成し、空調対象空間からのレターンエアの一部を前記コイルに導入して冷却すると共に残りを前記バイパス通路を通し、冷却エアとバイパスエアとをファンで混合してサプライエアとして空調対象空間に供給して空調対象空間を快適空調するに際して、空調対象空間の基準露点を設定し、その基準露点で不快指数が75以下、70以上となる空調対象空間の空間温度を22〜26℃の範囲で可変に設定し、その可変に設定した空間温度とレターンエアの温度を基にコイルの冷却水量を制御してサプライエアの温度を制御することを特徴とする空調対象空間の快適空調システムである。
前記コイルを通るレターンエアとバイパスするレターンエアの比率が、20〜30:80〜70となるように2つの吸込口の開口面積が設定されるのが好ましい。
レターンエアと温度制御したサプライエアの温湿度から空調対象空間の露点を求め、その露点と前記基準露点の偏差を基に、空調対象空間の設定温度を可変設定するのが好ましい。
空調対象空間の基準露点が19℃、18℃の2段階に設定されるのが好ましい。
本発明は、空調対象空間を快適制御するに際して、空調対象空間の不快指数を75以下、70以上になるようにサプライエアの温度を制御することで、空調対象空間を快適に空調できるという優れた効果を発揮する。
本発明において、空調対象空間を複数台の空調機で快適空調する際の概略図を示す図である。 本発明において、複数台の空調機と、その各空調機に冷温水を供給する冷温水供給装置とを示す図である。 本発明において、空調対象空間を快適制御する空調機の詳細を示す図である。 本発明において、空調対象空間を空調機で快適制御する際のサプライエアSAの温湿度制御を示し、(a)は空調対象空間を設定温度にする際のSA温度可変制御を、(b)は、空調対象空間を基準露点(19℃、18℃)にしたときの空調対象空間の設定温湿度の設定値を説明する図である。 本発明において、空調対象空間を快適制御する際に、冷房モードを変更したときの空調対象空間の温度、露点、湿度、不快指数の経時変化を示す図である。 図5の冷房モードを変更したときの空調対象空間の温湿度変化を空気線図で示した図である。 図6に四角Dで囲んだ空気線図を拡大したもので、快適制御(弱)での空調対象空間の温湿度変化を示す図である。 本発明において、快適制御(弱)で、立ち上がり運転したときの空調対象空間の温度、露点、湿度、不快指数の経時変化を示す図である。 図8に示した快適制御(弱)に変更するまでの冷房立ち上がり状態と従来の冷却再熱の温湿度変化と、快適制御(弱)での温湿度変化を示す図である。 本発明において、快適制御(弱)で、高負荷時に冷房運転したときの室内(空調対象空間)の温度、露点、湿度、不快指数の経時変化と、外気温と外気露点の経時変化を示す図である。 本発明において、快適制御(弱)で、低負荷時に冷房運転したときの室内(空調対象空間)の温度、露点、湿度、不快指数の経時変化と、外気温と外気露点の経時変化を示す図である。 湿性カビと乾性カビの発育温湿度条件の概念図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
先ず図3により、本発明における冷暖房用の空調機10を説明する。
ファン12を有するファンケーシング11は2つの吸込口13A、13Bに区画され、一方の吸込口13Aにはコイル14が設けられ、コイル14の出口側に暖房時に加湿するための気化式加湿器15が設けられ、他方の吸込口13Bは、コイル14をバイパスするバイパス流路BPとされ、ファン12の吹出側のケーシング11に吹出口16が設けられて空調機10が構成される。
吸込口13A、13Bは、コイル14を通るレターンエアRA(A)と、バイパス流路BPを通るレターンエアRA(В)の比率が、RA(A):RA(В)=20〜30:80〜70となるように、好ましくはRA(A):RA(В)≒25:75となるように、その開口面積が設定される。
コイル14には、冷温水供給ライン17と冷温水排出ライン18が接続され、冷温水排出ライン18に接続した流量制御弁19にて冷温水量が制御される。
気化式加湿器15には、市水供給ライン22が接続されると共に加湿用弁23が接続される。
この空調機10において、冷房時には、一方の吸込口13AからのレターンエアRA(A)がコイル14で冷却され、その冷却されたレターンエアRA(A)と、他方の吸込口13Bからのバイパス流路BPを通ったレターンエアRA(В)とがファン12に吸い込まれると共に混合されて、吹出口16からサプライエアSAとして空調対象空間に吹き出される。
また暖房時には、吸込口13AからのレターンエアRA(A)がコイル14で加熱され、気化式加湿器15で加湿され、ファン12にてバイパス流路ВPのレターンエアRA(В)と撹拌されて吹出口16からサプライエアSAとして空調対象空間に吹き出される。
冷房時コイル14には、後述する冷温水供給装置40(図2参照)から7℃の冷水が冷温水供給ライン17を通してコイル14に供給されると共に冷温水排出ライン18に接続した流量制御弁19にて冷水量が制御される。また、暖房時には40〜50℃の温水がコイル14に供給され、流量制御弁19にて温水量が制御される。
吹出口16には、サプライエアSAの温度と相対湿度を検出する温湿度センサTH(S)が設けられ、また吸込口13B側のバイパス流路ВPにはレターンエアRA(В)の温度と相対湿度を検出する温湿度センサTH(R)が設けられる。
温湿度センサTH(S)、TH(R)の検出値は、温度制御装置20に入力され、その検出値に基づいて、温度制御装置20が流量制御弁19の開度を制御する。また暖房時には、温湿度センサTH(S)の検出値は、露点制御装置21にも入力され、これに基づいて露点制御装置21が、加湿用弁23の開度を制御する。
この空調機10での冷房時には、空調対象空間からのレターンエアRAの一部が吸込口13Aからコイル14に導入され、残りが吸込口13Bからバイパスエアとしてケーシング11内に導入され、コイル14で冷却された冷却エアとバイパスエアとが、ファン12で混合されてサプライエアSAとして空調対象空間に供給・循環されて、空調対象空間を快適空調制御する。
また暖房時には、空調対象空間からのレターンエアRAの一部が吸込口13Aからコイル14に導入され、残りが吸込口13Bからバイパスエアとしてケーシング11内に導入され、コイル14で加熱された加熱エアが気化式加湿器15で加湿され、その加湿エアと、吸込口13Bからのバイパスエアとが、ファン12で混合されてサプライエアSAとして空調対象空間に供給・循環されて、空調対象空間を快値空調制御する。
図1は、工場内などの建屋30内の空調対象空間31に空調機10を設置し、空調機10で空調対象空間31を快適空調制御するためのイメージ図を示したものである。
この図では、2台の空調機10a、10bを設置しているが、空調機10は、1台でも3台以上でもよく空調対象空間31の容積に合わせて設置される。
図2は、空調機10と、空調機10に冷温水を供給する冷温水供給装置40との接続状態を示したものである。
図2に示すように空調機10−1〜10−nは、各コイルが、冷温水を供給・循環する冷温水供給装置40に冷温水供給ライン17と冷温水排出ライン18を介して接続され、冷温水供給ライン17に冷温水の循環量を可変に制御する循環ポンプ41が接続される。
この複数台の空調機10−1〜10−nに、冷温水供給装置40から循環ポンプ41にて、冷温水を供給する場合、その冷温水の総量を最適に制御するため、空調機10−1〜10−nのうち1つ空調機10−1を親機とし、残りの空調機10−2〜10−nを子機とすると共に、親機と子機及び親機と冷温水供給装置40とを、イーサネットなどの通信手段42にて相互に接続し、冷温水供給装置40と空調機10−1〜10−n間で、運転、冷暖切替、各種設定運転情報などの指令に基づいて全体の制御がなされる。
この際、循環ポンプ41による冷温水の循環量の制御は、親機の空調機10−1で、全空調機101−10nでの冷水供給量の総和(流量制御弁19の開度から求まる流量)を冷温水供給装置40に送信し、これに基づいて、冷温水供給装置40が循環ポンプ41の回転数を制御する。
各空調機10に供給する冷水量は、例えば0〜40L/minで可変制御され、循環ポンプ41は、運転開始時には、最大負荷で運転され、その後、各空調機10での冷温水要求量が少なくなるにつれて循環量を少なくするよう循環ポンプ41の回転数を低下させて行くが、空調機10−1〜10−nのうち冷水要求量が最大の空調機10の流量制御弁19の開度が90%にされた状態でも、その90%開度に見合った冷温水を供給できるように循環ポンプ41の回転数を制御する。
図1で冷房時、空調機10による温湿度を快適値SPに制御する際に、例えば空調対象空間31に発熱体32がある場合、発熱体32に近い側の空調機10aでは、空調負荷が高く、サプライエアSAが低温で吹き出されても、発熱体32でレターンエアRAは、より高温になって空調機10aに戻り、他の空調機12bでは、空調負荷が比較的少ないため、サプライエアSAを中温で吹き出しても、レターンエアRAは中温で戻ってくることになる。また暖房時では、冷房時と逆に空調機10aの空調負荷が低く、空調機10bの空調負荷が高くなる。
そこで、本発明においては、空調機10a、10bへのレターンエアRAと空調対象空間の快適値SPとなる設定温度に基づいて、空調対象空間31を快適空調するものである。
これをさらに説明すると、本発明は、空調対象空間の基準露点を設定しておき、空調対象空間を基準露点にしたときの不快指数が75以下、70以上となる空調対象空間の快適値SPの空間温度を22〜26℃の範囲で任意に設定し、その任意に設定した空間温度とレターンエアRAの温度との偏差に応じてコイル14に供給する冷水量を制御してサプライエアSAの温度を制御して空調対象空間を快適空調するものである。
より具体的には、空調対象空間を快適値SPとする基準露点を設定(18℃又は19℃の2段階に設定)し、その設定した基準露点で、不快指数が75以下、70以上となる空間温度を、22〜26℃の範囲で任意に設定し、その任意に設定した空間温度を基にレターンエアRAとの偏差を基に、サプライエアSAの温度を制御し、その後、空調対象空間が設定した空間温度になったときの空調対象空間の露点又は相対湿度との偏差から、任意に設定した空間温度を変更し、その変更した設定の空間温度とレターンエアRAの温度を基にサプライエアSAの温度を制御するものである。
すなわち、先ず、空調対象空間の空間温度を、22〜26℃の範囲内で任意に設定し、その設定した空間温度となるようにサプライエアの温度を制御し、次にその空調対象空間が任意に設定した空間温度に達したならば、その空間温度における相対湿度と基準露点での相対湿度の偏差をもとに基準露点となるように空間の設定温度を随時変更することで、空調対象空間を基準露点にしながら不快指数が75以下、70以上に快適制御するものである。
このように、空間温度を制御した後、その空間温度での空調対象空間の露点(相対湿度)と基準露点の偏差を求めて、基準露点となる空間温度を22〜26℃の範囲で可変に制御することで、空調対象空間を基準露点に維持しながら空調空間の不快指数を75以下、70以上に快適制御することが可能となる。
図4(a)は、冷暖房時のサプライエアSAの温度可変制御を示し、図4(b)は、空調対象空間の快適値SPでの基準露点を19℃、18℃に設定したときに、不快指数70〜75の範囲に入る快適値SPとしての温度(℃)と相対湿度(%RH)を示したものである。
空調対象空間を快適値SPに快適空調する際には、快適値SPでの設定温度をSP(T)とし、レターンエアRAの温度をRA(T)とし、サプライエアSAの温度をSA(T)とすると、SA(T)=2SP(T)−RA(T)でサプライエアSAの温度SA(T)となるように制御する。
すなわち、温湿度センサTH(R)で検出されるレターンエアRAのRA(T)温度と、SP(T)温度を基に、温度制御装置20が、温湿度センサTH(S)で検出されるサプライエアSAの温度がSA(T)となるように、流量制御弁19の開度を制御する。
ここで、空調対象空間のSP(T)温度は、22〜26℃の範囲で任意に設定されるが、空調対象空間の基準露点DPが19℃(又は18℃)で、不快指数70〜75の範囲にあるSP(T)温度とSP(H)湿度とは空気線図上で一義的に決まる。
そこで、先ず、空調対象空間の基準露点19℃とし、SP(T)温度を、例えば26℃に設定し、その空調対象空間の温度が26℃となるようにサプライエアSAの温度を制御する。この空調対象空間のSP(T)温度を26℃に制御しても、サプライエアSAの湿度は成り行きとなる。この際、空調対象空間のSP(T)温度を26℃にした場合には、図4(b)から基準露点19℃における26℃のSP(H)湿度が66%RHであれば、不快指数75となり快適制御となる。
しかし、上述のようにサプライエアSAの湿度は成り行きであり、基準露点19℃に制御することはできない。そこで、温湿度センサTH(R)、TH(S)で検出されるレターンエアRAとサプライエアSAの湿度から現在の空調に制御(空間温度を26℃に制御)したときのSP(H)の相対湿度を求め、その求めた相対湿度(SP(H)湿度)を基に、図4(b)から基準露点19℃となるSP(T)温度を決定する。
ここで、例えば、空調対象空間の相対湿度が70%RHであれば、図4(b)から基準露点19℃でのSP(T)温度が、24.5℃と求めることができる。
このように、温度制御装置20は、先ず、空調対象空間のSP(T)温度が、26℃となるように一定時間空調運転し、空調対象空間が基準露点19℃を超えているときには設定温度SP(T)を、図4(b)から、上記のように24.5℃に変更してサプライエアSAの温度を制御する。
また、この設定温度SP(T)の可変制御は、設定した温度で、一定時間運転して、レターンエアRAとサプライエアSAの温湿度が一定となったときに随時可変することで、基準露点19℃(又は18℃)に制御することができる。
また空調対象空間を基準露点19℃に制御できた後は、レターンエアRAとサプライエアSAから求まるSP(H)湿度を基に、SP(T)温度を、22〜26℃の範囲で可変設定すれば、空調対象空間を不快指数75以下、70以上に快適制御することが可能となる。
次に暖房運転の際には、空調対象空間の設定温度(SP(T)温度)を20℃、相対湿度(SP(H))を40%RHと設定すれば、不快指数は64.7であり、この付近の温湿度となるようにコイル14への供給温水量と気化式加湿器15での加湿量を制御すればよい。
図5は、空調対象空間を設定温度26℃に設定して通常の冷房運転(温度制御モードMn)、空調対象空間の基準露点を19℃とした快適制御モード(弱)Mc1運転、基準露点を18℃とした快適運転制御モード(強)Mc2運転と冷房モードを変更したときの、温度、湿度、露点、不快指数の経時変化を示したものである。
設定温度26℃の温度制御モードでは、空調対象空間を26℃に制御できても、湿度は74%RH前後、露点は21℃で、不快指数は、約76と高い状態となる。
運転モードを、基準露点を19℃とした快適制御モード(弱)運転に切り換えると、空調対象空間の温度は26℃から1時間程度かけて24.5℃に下がり、湿度も72%RHに下がり、基準露点19℃となり、不快指数も73と下がり快適空調がなされたことが分かる。
次に、運転モードを、快適制御モード(弱)運転から、基準露点を18℃とした快適制御モード(強)運転に切り換えると、空調対象空間の温度は約23.5℃、湿度が約71%RHに下がり、基準露点18℃となり、不快指数も72となり快適空調がなされる。
図6は、図5に示した冷房運転変更モードMn、Mc1、Mc2を空気線図上で表したものであり、図6では運転開始点Msも同時に示してある。
図7は、図6に四角Dで囲んだ部分の空気線図を拡大して冷房運転変更モードMn、Mc1、Mc2を示したものである。
先ず設定温度26℃の温度制御モードMnでは、相対湿度75%RHで、不快指数75.8である。そこで、基準露点を19℃として変更し、そのモードで空間温度を22〜26℃の範囲で適宜可変に設定して運転することで、基準露点を19℃にしつつ、不快指数を75〜70の範囲に快適空調することができる。
基準露点を18℃とする快適制御モード(強)Mc2は、快適制御モード(弱)Mc1に対して空調対象空間の相対湿度を略70%RH以下にすることができ、図12に示した乾性カビの発育範囲外に空調対象空間を保つことができる点で優位性がある。
図12は、湿性カビと乾性カビの発育温湿度範囲と、基準露点DP19℃と18℃に保った快適制御モード(弱)と快適制御モード(強)の運転範囲を示したものである。
図12より、基準露点DPを19℃に保ち、温度を22〜26℃の範囲で可変に制御する快適制御モード(弱)Mc1では、空調対象空間を、湿性カビの発育温湿度範囲外に保つことができ、基準露点DPを18℃に保ち、温度を22〜26℃の範囲で可変に制御する快適制御モード(強)Mc2では、空調対象空間を、乾性カビの発育温湿度範囲外に保つことができる。
図8は、空調対象空間が、空間温度28.5℃、空間湿度75%RH、空間露点24℃、不快指数80の状態から快適制御モード(弱)Mc1で、空間の設定温度を、26℃で運転し、空間温度が26℃となったあとに設定温度を25℃にして立ち上がり運転を行ったときの空調対象空間の温度、湿度、露点、不快指数の経時変化を示したものである。
この快適制御モード(弱)Mc1では、運転開始から約20分弱で空間の不快指数を75以下にすることができた。
図9は、図8の立ち上がり運転で、基準露点19℃となるまでの快適制御モード(弱)Mc1を空気線図上で示したものである。
先ず、温度制御モードMnと同様に空間を温度26℃、相対湿度約76%RHとすると、レターンエアRA(温度27.5℃、相対湿度75%RH)、サプライエアSA(温度24.5℃、相対湿度78%RH)となり、その温湿度の中間値が空間の温湿度(SP(T)、SP(H))となる。
この空間の温湿度(SP(T)、SP(H))は、図3で説明したようにコイル14を通過して冷却した空気とバイパスした空気を混合したサプライエアSAを供給とすることで得られるが、冷却再熱制御では、レターンエアRA(温度27.5℃、相対湿度75%RH)を、サプライエアSAの露点である21℃近くまで冷却し、その後再熱により、24.5℃まで上昇させる必要がある。
この場合、レターンエアRA(温度27.5℃、相対湿度75%RH)を、サプライエアSAの露点(21℃)近くまで冷却するためには、冷却のための比エンタルピーが13(KJ/kg)、再熱のための比エンタルピーが4(KJ/kg)必要となり、合計比エンタルピーは17(KJ/kg)となる。
これに対して、本発明に用いる空調機での冷却は、レターンエアRAを一部冷却して残りをバイパスするため、レターンエアRAをサプライエアSAとするには比エンタルピーが9(KJ/kg)ですみ、エンタルピー比は17:9となり、エネルギー削減率を47%とすることができる。
空間温度を26℃にした後は、空調対象空間の設定温度を25℃に設定して快適制御モード(弱)Mc1運転を行い、基準露点が19℃となった後は、基準露点が19℃を維持するようにレターンエアRAの温湿度を基に空間の設定温度(SP(T)温度)を22〜26℃の範囲で可変に設定して、コイル14での冷却量を制御することで、空調対象空間の不快指数を75以下、70以上に快適空調することができる。
図10は、空調対象空間が高負荷条件で、快適制御モード(弱)Mc1運転を行っているときの空調対象空間(室内側)の温度、湿度、露点、不快指数の経時変化と外気側の外気温変化と外気露点の経時変化を測定したときの48時間データを示したものである。
図10において、空調対象空間が高負荷で、外気温が急激に上昇する午前8〜9時での不快指数75以下にするために、空間温度が23.5℃程度に設定されるが、外気温の上昇が32℃前後で安定した後は、空間温度は徐々に上昇され、その後は24〜25℃の範囲に空間温度が設定されて制御される結果となった。
図11は、空調対象空間が低負荷条件で、快適制御モード(弱)Mc1運転を行っているときの空調対象空間(室内側)の温度、湿度、露点、不快指数の経時変化と外気側の外気温変化と外気露点の経時変化を測定したときの48時間データを示したものである。
図11において、空調対象空間が低負荷では、外気温が30℃に上昇しても外気露点は約26℃と変化がなく、空間温度は24℃以上に保持され、外気温が33℃に上昇しても、空間温度は26℃に制御されても、不快指数は75以下に保持される結果となった。
以上、本発明では、空調対象空間の基準露点を設定すると共に不快指数が75以下となるように空調対象空間の設定温度を22〜26℃の範囲で可変設定できるようにすることで、空調対象空間を快適空調することが可能となり、しかも必要最小限の除湿エネルギーで快適性を保つことができる。
また空調対象空間に複数台の空調機10を設置して快適空調制御する際に、各空調機10に導入されるレターンエアRAの温度が相違しても、各空調機10で個々にサプライエアSAの吹出温度を制御できるため、空調対象空間の温度分布にムラがあってもその温度分布に応じて温度制御が可能である。
10 空調機
11 ファンケーシング
13A、13B 吸込口
14 コイル
16 吹出口
31 空調対象空間
RA レターンエア
SA サプライエア

Claims (4)

  1. ファンケーシングの吸込口を2つに区画し、その一方の吸込口に冷水が供給されるコイルを設け、他方の吸込口をバイパス通路として空調機を構成し、空調対象空間からのレターンエアの一部を前記コイルに導入して冷却すると共に残りを前記バイパス通路を通し、冷却エアとバイパスエアとをファンで混合してサプライエアとして空調対象空間に供給して空調対象空間を快適空調するに際して、
    空調対象空間の基準露点を設定し、その基準露点で不快指数が75以下、70以上となる空調対象空間の空間温度を22〜26℃の範囲で可変に設定し、その可変に設定した空間温度とレターンエアの温度を基にコイルの冷却水量を制御してサプライエアの温度を制御することを特徴とする空調対象空間の快適空調システム。
  2. 前記コイルを通るレターンエアとバイパスするレターンエアの比率が、20〜30:80〜70となるように2つの吸込口の開口面積が設定される請求項1記載の空調対象空間の快適空調システム。
  3. レターンエアと温度制御したサプライエアの温湿度から空調対象空間の露点を求め、その露点と前記基準露点の偏差を基に、空調対象空間の設定温度を可変設定する請求項1又は2記載の空調対象空間の快適空調システム。
  4. 空調対象空間の基準露点が19℃、18℃の2段階に設定される請求項3記載の空調対象空間の快適空調システム。
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