JP3375305B2 - 環境試験装置 - Google Patents

環境試験装置

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JP3375305B2
JP3375305B2 JP20733699A JP20733699A JP3375305B2 JP 3375305 B2 JP3375305 B2 JP 3375305B2 JP 20733699 A JP20733699 A JP 20733699A JP 20733699 A JP20733699 A JP 20733699A JP 3375305 B2 JP3375305 B2 JP 3375305B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料や装置等の耐
候性試験等に用いられる恒温恒湿装置に関し、とくに精
度の良い冷却能力の制御および雰囲気指標の表示の両方
を効率的に行うことができる恒温恒湿装置に関する。
【0002】
【従来の技術】気候が大幅に変化する世界各地を経由す
る材料や装置等の耐候性試験等のためには、再現性のあ
る標準試験を確立し繰り返し実行する観点から、温度と
湿度を自由にかつ高精度で設定できる環境試験室を利用
する必要がある。このような環境試験室の設備では、設
定温度および設定湿度に応じて、冷却媒体の温度である
熱源温度をかなりの頻度で変化させる。環境試験におけ
る目標雰囲気の指定の仕方は1通りではなく、試験対象
の材料や装置によって相違する。通常は、乾球温度(D
B:Dry Bulb)と相対湿度(RH:Relative Humidity)とによ
って温度と湿度の雰囲気を指定する。しかし、例えば、
半導体材料関係の試験では、乾球温度DBと露点温度(DP:
Dew Point)とによって、また、空調装置関係の試験では
乾球温度DBと湿球温度(WB:Wet Bulb)とによって雰囲気
指定を行う。
【0003】上記では温度の指定に乾球温度を必ず用い
る試験例を説明したが、原理的には、乾球温度を特別扱
いする必要はない。すなわち、乾球温度DB、湿球温度W
B、相対湿度RHおよび露点温度DPの4個の雰囲気指標の
うちのどれか2個の値が分かれば、残りの2個の雰囲気
指標を算出することが可能である。指定された雰囲気指
標以外の残りの雰囲気指標は、空気線図を用いて導出す
ることができる。
【0004】図12は空気線図の概要を示す図である。
空気線図において、横軸は、乾球温度DBを表し、また縦
軸は絶対湿度χを表す。ただし、相対湿度RH100%の
曲線上の点の温度座標は湿球温度WB、または露点温度DP
を表す。乾球温度を含む通常の雰囲気の指定の仕方の場
合は、例えば、乾球温度DBが25℃、また相対湿度RHが
80%であるA点(25℃、80%)を指定する。この
とき、A点を通るエンタルピ線が相対湿度100%の曲
線と交わる点を点Bとすれば、点Bの温度座標22.4
℃が湿球温度WBである。また、点Aを通る水平線が相対
湿度100%の曲線と交わる点を点Cとすれば、点Cの
温度座標21.2℃が露点温度DPである。空気線図に
は、各相対湿度RHの温度依存性を表す曲線群と、ある乾
球温度DBと絶対湿度χとの組み合わせを表すP点と、そ
のP点の雰囲気で実現する湿球温度WBとを結ぶ等エンタ
ルピ線群が記入されている。
【0005】また、例えば乾球温度DBと湿球温度WBとを
指定した場合には、縦軸に平行な直線である湿球温度WB
線と相対湿度100%の曲線との交点B’を求める。言
うまでもなく、点B’の温度座標は指定された湿球温度
WBとなっている。次に交点B’を通るエンタルピ線と縦
軸に平行な直線である乾球温度DB線との交点A’を求め
れば、点A’を通る相対湿度の曲線が相対湿度RHを与え
る。また、露点温度DPは点A’を通る水平線と相対湿度
100%の曲線との交点C’の温度座標として求めるこ
とができる。乾球温度DBと露点温度DPとを指定した場合
にも、同様にして空気線図から他の雰囲気指標を求める
ことができる。
【0006】また、乾球温度を含まない場合、例えば湿
球温度WBと相対湿度RHとが指定された場合、まず、湿球
温度を表す縦軸に平行な直線と相対湿度100の曲線と
の交点B”を求める。次に、点B”を通るエンタルピ線
を特定する。この特定されたエンタルピ線と指定された
相対湿度の曲線とが交わる交点A”を求めると、点A”
の温度座標が乾球温度DBを与える。また、点A”を通る
水平線と相対湿度100%の曲線との交点C”を求めれ
ば、点C”の温度座標が露点温度DPである。
【0007】一方、恒温恒湿装置の運転には、湿分の制
御に露点温度DPを知ることが必須である。図13は、恒
温恒湿装置の運転に露点温度DPが必須とされる理由を説
明する概念図である。図13(a)は、雰囲気A1から雰
囲気A2に移行するときに余分となる湿分、すなわち余
分の絶対湿度分ΔWを示す図であり、図13(b)は冷却
コイルにおいてその余分な湿分ΔWがドレインに排出さ
れる状態を示す図である。図13(a)に示すように、雰
囲気A1から雰囲気A2に移行する場合、熱源温度、す
なわち冷媒温度を雰囲気A2の露点温度であるDP2まで
冷却する。このため、絶対湿度χ1とχ2との差である湿
分ΔWは結露等により水分として析出し、図13(b)に
示すように、結露した水分はドレイン等から排出され
る。この後、この空気は、目標雰囲気A2の温度まで加
熱される。図13(a)に示すように、左下方向に雰囲気
を変化させる場合には、まず、上記したように余分な水
分を空気中から除くために露点温度まで冷媒は冷却され
る。実際には、冷却時間の短縮を図るために、熱源温度
は、(露点温度−5℃)程度まで冷却される。
【0008】また、右上り方向に雰囲気を変化させる場
合、例えば、A2からA1へと雰囲気を変える場合、冷
媒温度をA1の露点温度であるDP1まで加熱し、かつ温
度DP1で結露が生じるまで加湿し、その後、A1の温度
まで加熱する。
【0009】上記の説明は次のように要約される。現在
の雰囲気を目標雰囲気に変化させる場合、まず湿度の調
整を行うために、雰囲気の温度を露点温度とすることに
より目標雰囲気の絶対湿度χを実現する。この操作のた
めに、目標雰囲気における露点温度が必要となる。
【0010】従来は、目標雰囲気の露点温度を知るため
に、図12に示した空気線図を別に用意して、上記のよ
うな手順の後に露点温度を求め、熱源温度の設定を特別
な操作として行っていた。
【0011】また、露点温度の算出を容易に行うことが
できない場合は、冷却が不足する事態だけは避けるため
に必要以上に低い熱源温度、例えば、(目標乾球温度−
20℃)という熱源温度を、一律に設定していた。この
結果、冷却不足に陥る事態は回避しながら、冷却制御装
置を稼動させる運転を行ってきた。
【0012】上記の冷却制御の問題とは別に、雰囲気の
調整がなされる室内には、通常、温度センサや相対湿度
センサが設けられる。これらセンサによって検出される
雰囲気指標はリアルタイムで表示され、試験条件の確認
や記録に用いられてきた。上記以外の雰囲気指標は、乾
球温度と相対湿度とに基づき計算することはできるの
で、必要な場合は、別途、空気線図や計算によって求め
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の恒温恒湿装置の
冷却能力制御には、次のような問題があった。I.露点
温度を求めることなく、冷却不足の事態を回避するため
に一律に熱源温度を(乾球温度−20℃)に設定する
と、必要以上に冷却が行われ、エネルギーを浪費した
り、また冷却しすぎて目標雰囲気に達するのに時間がか
かる。 II.露点温度を求める場合 1)空気線図を読み取る場合:空気線図において、設定
乾球温度および相対湿度から露点温度を読み取るため
に、上記したように、冷却能力制御システムの外部での
作業が必要となり、工数がかかる。 2)露点計を用いる場合:高価な露点計が必要となるた
め、コスト上昇要因となる。 3)ソフト構築型調節計を用いる場合:精度は比較的高
いものの、ハードとソフトの費用がかかる。
【0014】上記の雰囲気指標は冷却能力の制御に用い
られるものであるが、この他に環境試験の試験条件とし
て確認し記録するためにも用いられる。従来は、センサ
によってモニタしている雰囲気指標のみはリアルタイム
で表示されていたが、任意の雰囲気指標を簡便に知るこ
とはできなかった。しかしながら、進行中の試験の雰囲
気指標が目標値を満足しているかを確認するためにも、
また、多くの分野の公衆に対して環境試験の信頼性を知
らせるためにも、モニタされている雰囲気指標以外の雰
囲気指標の表示は必要である。
【0015】そこで、本発明の目的は、冷却能力の制御
を精度良く簡便に行うことができると同時に、任意の雰
囲気指標の表示が可能な恒温恒湿装置を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の環境試験装置
は、環境試験のための雰囲気を形成する室内を循環流通
する雰囲気に接して当該雰囲気を冷却する冷却コイルを
含む冷却装置と、室内に配置された温度センサーおよび
相対湿度センサーとを備える。また、乾球温度、湿球温
度、相対湿度および露点温度の4つの雰囲気指標のうち
少なくとも2つの雰囲気指標を選択して入力することが
できるものであり温度センサーおよび相対湿度センサ
ーからの現在値の2つの雰囲気指標の入力に基づき、4
つの雰囲気指標のうちの残りの雰囲気指標の少なくとも
1つを現在値の雰囲気指標として算出し、かつ環境試験
の雰囲気を形成するために、目標として入力された、4
つの雰囲気指標のうちの少なくとも2つの雰囲気指標の
設定値に基づき残りの雰囲気指標の少なくとも1つを
目標雰囲気指標として算出する演算基板を備える。さ
らに、設定値およびそれらから算出された残りの少なく
とも1つの目標雰囲気指標と、現在値の雰囲気指標およ
びそれらから算出された残りの少なくとも1つの現在値
の雰囲気指標とに基づいて冷却装置の冷却能力を制御す
る冷却能力制御部と、設定値およびそれらから算出され
た残りの少なくとも1つの目標雰囲気指標、のうちの少
なくとも1つの表示のための目標の雰囲気指標、または
現在値の雰囲気指標およびそれらから算出された残りの
少なくとも1つの現在値の雰囲気指標、のうちの少なく
とも1つの表示のための現在値の雰囲気指標を表示
し、かつその表示された雰囲気指標を記録する表示装
を備える。そして、設定値が入力された後の所定時
間、演算基板をその入力された設定値に基づき演算を行
なわせ、冷却能力制御部および表示装置に信号を送り、
かつ表示装置に表示のための目標の雰囲気指標を表示さ
せる、冷却能力制御モード、および温度センサーおよび
相対湿度センサーからの現在値の雰囲気指標の入力に基
づき演算基板に演算を行なわせ、冷却能力制御部および
表示装置に信号を送り、かつ表示装置に表示のための現
在値の雰囲気指標を表示させる、表示モード、のいずれ
かのモードを切り換えるモード切換手段を備える。
【0017】上記の環境試験装置は、指定された目標雰
囲気指標の中に目標露点温度が含まれていない場合には
目標露点温度を算出して、その露点温度に基づいて冷却
能力の制御を行うことができる。また、1つの演算基板
で、目標値として設定された目標雰囲気指標と、モニタ
値に基づく室内の雰囲気指標の現在値と、を算出するこ
とができる。さらに、この環境試験装置において実施さ
れた環境試験の目標(設定)雰囲気指標と、雰囲気指標
の現在値との両方を、モード切換手段を用いることによ
り、1つの表示装置を用いて、上記両方の雰囲気指標を
表示し、記録することができる。上記のモード切換手段
を用いることにより、装置を安価に形成することができ
るだけでなく、試験進行中の雰囲気指標と、目標(設
定)の雰囲気指標とを同じ表示装置に記録することがで
き、多くの分野の公衆に対して本環境試験装置を用いた
環境試験の高い信頼性を知らせることができる。なお、
上記本発明の環境試験装置を、本説明において、恒温恒
湿槽と呼ぶ場合がある。
【0018】上記の恒温恒湿装置においては、演算装置
は、目標乾球温度、目標湿球温度、目標相対湿度および
目標露点温度の4つの目標雰囲気指標のうち少なくとも
2つの目標雰囲気指標の入力に基づき残りの目標雰囲気
指標の少なくとも1つを算出し、算出された目標雰囲気
指標または入力された目標雰囲気指標を、冷却能力制御
部の利用に供し、かつ、室内の検出された少なくとも2
つの雰囲気指標に基づき、少なくとも1つの雰囲気指標
を算出して表示装置に供する。
【0019】本構成により、演算装置は目標露点温度が
入力されない場合、目標露点温度を算出して冷却能力制
御部に供し、また、室内の検出装置によって検出された
雰囲気指標から他の雰囲気指標を算出してほぼリアルタ
イムで表示することができる。この演算には演算基板を
用いることができるので、簡便にかつ安価に冷却能力制
御および雰囲気指標の表示の2つの働きを1つの演算基
板で行うことができる。この演算基板は、新設の恒温恒
湿装置だけでなく既存の恒温恒湿装置にも簡単に取り付
けることができるので、非常に汎用性が高い。
【0020】
【0021】上記の切換手段を用いることにより、冷却
能力制御モードの時間内は目標雰囲気指標のなかに目標
露点温度が含まれていない場合に、目標露点温度の算出
が保証され、表示モードの時間内は必要な雰囲気指標の
表示が行われる。通常、目標雰囲気指標の変更の機会は
少ないので、冷却能力制御モードのトータル時間は短
い。このため、冷却能力制御モード以外の残余の時間を
表示モードの時間とすれば、試験条件の雰囲気指標をほ
とんど常時リアルタイムで表示することができる。この
モード切換手段は自動または手動の簡便な手段によって
実現することができる。自動切換手段には、目標雰囲気
指標を変更する一定時間、例えば5秒間程度冷却能力制
御モードとして、変更して5秒間後に表示モードに自動
的に切り換えるようにする方法等がある。
【0022】上記の恒温恒湿装置においては、室内には
雰囲気指標センサが備えられ、その雰囲気指標センサに
よって室内の雰囲気指標が検出されることが望ましい。
【0023】雰囲気指標センサを備えることにより、乾
球温度や相対湿度等がリアルタイムで検出され、演算装
置の働きにより他の残りの雰囲気指標をほとんど常時リ
アルタイムで表示することが可能となる。この結果、試
験中または試験開始前の雰囲気指標の確認を容易に行う
ことができ、また雰囲気指標に関してほぼ完全な試験条
件の記録が可能となる。
【0024】
【0025】上記の構成により、目標雰囲気指標の設定
の変更と試験室内の雰囲気指標の表示とを常に並行して
リアルタイムで行うことができる。この結果、非常に頻
繁に目標雰囲気指標の変更を行う場合にも、常に試験室
内の雰囲気指標を表示することが可能となる。
【0026】上記の恒温恒湿装置においては、演算装置
は、乾球温度、湿球温度、相対湿度、および露点温度の
4つの雰囲気指標のうちのいずれを入力するかの入力指
標選択手段と、4つの雰囲気指標のいずれを出力するか
の出力指標選択手段とを備えることが望ましい。
【0027】上記の構成により、乾球温度、湿球温度、
相対湿度および露点温度のうちの任意の2要素を演算装
置に入力することができ、恒温恒湿装置の外で別に演算
することなく上記のすべての雰囲気指標を算出すること
が可能となる。また、上記の演算装置には演算基板を用
いることができ、高価な調節計を用いる必要はない。演
算基板を用いた場合、基板に実装されたbitスイッチ
を切り換えることにより、上記の入力指標選択手段を実
現することができる。また、冷却能力の制御に用いた
り、環境試験室での試験条件の確認や記録のために用い
る任意の雰囲気指標を出力する場合に、出力指標選択手
段により適切な雰囲気指標を表示することが可能とな
る。演算基板を用いた場合には、入力指標選択手段と同
様に、基板に実装されたbitスイッチによって出力指
標選択手段を実現することができる。
【0028】上記の恒温恒湿装置においては、比較的簡
便な恒温恒湿装置等の場合、その他の場合には、冷却能
力制御部は、冷却コイルの冷却能力を制御する。
【0029】冷却能力の制御は、冷却装置がチラー等を
備える場合、およびチラー等を備えない場合の両方の場
合とも、雰囲気の循環経路内に位置する冷却コイルに対
象を限定して、その冷却能力を制御することができる。
その結果、簡便な制御により雰囲気調整を行うことが可
能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は、実施の
形態1における恒温恒湿装置の概要を説明するための図
である。上記の恒温恒湿装置においては、環境試験室4
に近接して、冷却コイル1と、加熱器2と、加湿器3と
を備える。冷却コイル1には、凝縮器21等によって冷
却された冷媒と熱交換器22で熱交換して冷やされたブ
ラインが循環供給される。チラーの循環系には、凝縮器
21と、熱交換器22と、コンプレッサ23と、膨張弁
24とが備えられる。また、ブラインの循環系には、ポ
ンプ25、27と、電動バルブ11、28と、ブライン
槽22と、冷却コイルにおけるブライン温度をモニタす
る温度センサー29とを備える。ブライン槽22は熱交
換器22で熱交換された直後のブラインと雰囲気の冷却
に用いられた後のブラインとを隔壁で隔てられている。
環境試験室4には、ファンが備えられ(図示せず)、矢
印の向きに空気が強制循環させられる。
【0031】次に、冷却制御部の構成および冷却能力の
制御方法について説明する。図1においては、目標雰囲
気指標として、乾球温度DBおよび相対湿度RHを指定す
る。これらの目標値は、設定値(SP:Set Point)として露
点温度演算基板DPに入力される。入力された指標は、温
度表示制御器6(TIC1:Thermo-Indicator Controller1)
および湿度表示制御器(HIC:Humidity Indicator Contro
ller)にそれぞれ送られる。図1において、この設定値
の流れは、DB-SP(乾球温度の設定値)およびRH-SP(相対
湿度の設定値)として記されている。露点演算基板5(D
P)には、乾球温度および相対湿度以外の雰囲気指標を入
力できる入力端子(図示せず)が備えられている。これ
までの説明から容易に分かるように、上記の2個の雰囲
気指標の入力により、目標露点温度DP−SPは露点演算基
板5により算出される。この目標露点温度DP−SPは演算
基板DPから、温度表示制御器8(TIC2)に送られ、温度表
示制御器8はこの目標露点温度を基にして、温度センサ
ー29の温度値と比較し、凝縮器21およびコンプレッ
サ23の出力、ならびに電動バルブ28の開度を制御し
て、温度センサー29の温度値を、例えば(目標露点温
度−5℃)になるようにする。上記の目標露点温度を基
に、絶対湿度χを目標雰囲気の値に合わせるために、結
露した水分を冷却コイルの下に設けたドレイン(図示せ
ず)から排出する。その後、目標乾球温度DB-SPになる
ように、環境試験室内に設置した温度センサ9(T)の指
示値DB-PVをモニターしながら、温度表示制御装置6は
加熱器2の加熱出力を制御する。
【0032】また、上記の場合と異なり、絶対湿度を目
標雰囲気に合わせるために加湿が必要な場合は、すなわ
ち、空気線図において上方への変化をさせる場合は、冷
却コイル1または加熱器2によって露点温度近傍の温度
にされた空気は、加湿器3によって飽和水蒸気を含む空
気とされ、結露等した水分はドレイン(図示せず)から
排出される。
【0033】検出装置9、10で検出された雰囲気指標
は切換手段(図示せず)を用いることにより露点演算基
板5に入力され、そこで算出された露点温度およびその
他の雰囲気指標は表示装置15に送られ表示される。
【0034】上記の構成により、環境試験室の雰囲気の
冷却制御を正確な露点温度を知った上で行うことができ
るので、エネルギー効率を向上させたうえで、目標とす
る雰囲気に到達する時間を短縮する制御を行うことがで
きる。とくに正確な露点温度の算出により湿度の制御を
正確にできるようになる。これらの雰囲気指標の演算は
演算基板を用いてできるので、安価かつ簡便に既存の設
備に取り付けて実施可能である。なお、冷却制御部によ
る冷却装置の制御は、範囲を限定して、環境試験室に冷
却雰囲気を直接送り込む冷却コイルを循環するブライン
に対する電動弁11に絞っても良く、小型の環境試験室
の場合にはむしろ好ましい。
【0035】環境試験室4の中に設置された温度センサ
9(T)および相対湿度センサ10(H)から乾球温度DBと相
対湿度RHの現在値PVが得られる。このDB-PVおよびRH-PV
は、温度表示制御装置6(TIC1)、湿度表示制御装置7(H
IC1)および露点温度演算基板5(DP)に送られ、制御と表
示とに用いられる。これらの制御演算装置の動作につい
て、さらに図を用いて説明する。
【0036】図2は、図1に示した表示制御機器および
演算基板が、演算と制御、また演算と表示、をどのよう
に行うかを説明するフローチャートである。目標雰囲気
指標を変更する場合、すなわちSP値を変更する場合、図
2における主調節計の乾球温度DB、湿球温度WBおよび相
対湿度RHの3指標のうちの任意の2指標のSP変更を行う
ことになる。(ただし、一般的には、上記の3指標に露
点温度を加えた4指標の任意の2指標の変更の入力を行
うことができる。)このとき、露点温度演算基板DPの入
出力のモードをSPモード(冷却能力制御モード)とし、
露点温度表示器45(TI:図1には図示せず)の表示は直
前の表示値DB-PVを保持する。この保持時間は5秒間で
ある。露点演算基板5(DP)は、上記の雰囲気指標の入力
に基づいて露点温度DPを演算して求める。5秒間経過後
に、露点演算基板5はPVモード(表示モード)に自動的
に切り換えられて温度センサ9や湿度センサ10から環
境試験室4における現在値PVが入力され、露点温度を演
算する。したがって、上記のSPモードからPVモードへの
切換手段は、目標雰囲気指標の設定変更後の経過時間を
用いた自動切換手段ということができる。一方、温度表
示演算装置8(TIC2)は露点演算基板5によって演算され
た目標露点温度を保持し続け、熱源温度の制御を続行す
る。
【0037】この結果、簡便な演算基板により目標露点
温度を算出して熱源温度の制御の基礎を提供することが
できるだけでなく、環境試験室の各種センサからの指標
に基づいて他の環境指標を算出し表示でき、試験条件の
確認等を簡便に行うことができる。このような確認は試
験精度の向上にもつながり、環境試験の価値を一層高め
ることになる。
【0038】図3は、設定目標指標の演算と制御とを行
うSPモード、および現在値の指標の演算と表示とを行う
PVモードを切り換える回路を示す図である。図3におい
ては、SPモードとPVモードとを切り換える切り換えスイ
ッチ19が示され、また表示装置15も示されている。
図3には切り換えスイッチは3個示されているが、3個
のスイッチは連動して動作する。他の構成は、図2と同
じである。SPモードにおいては、入力された目標雰囲気
指標に基づいて演算基板DPが露点温度を算出して、温度
表示制御装置8(TIC2)に目標露点温度DP-PVを送り、そ
のDP-PVにもとづいて温度表示制御装置8は凝縮器21
やコンプレッサ23や膨張弁24や電動弁28の制御を
行う。一方、PVモードでは、温度センサ9および湿度セ
ンサ10からの乾球温度DBおよび相対湿度RHの現在値の
データがとり込まれ、露点演算基板5は現在の露点温度
DPを算出する。センサから入力された雰囲気指標、その
値から計算された露点温度DP、湿球温度WBは、表示装置
15(IC)に表示され、環境試験室における試験条件を明
示する。
【0039】SPモードとPVモードを切り換えることによ
り、目標指標の設定の変更の短い時間を除いてPVモード
を維持することができる。この結果、SPモードにおいて
算出された目標露点温度を基に冷却制御を行い、他の時
間には温度センサ等から取り込まれたデータを基に他の
雰囲気指標を算出してその時点の試験環境を表示するこ
とが可能となる。この演算および表示は既存の設備に演
算基板や表示制御装置等を取り付けることにより行うこ
とができるので、安価かつ簡便に実行することが可能で
ある。
【0040】図4は、露点演算基板5における入力およ
び出力において、任意の2つの雰囲気指標を選択できる
ように、bitパターンによって識別する構成を示す図
である。図4において、入力選択手段および出力選択手
段40は2つの入力端子IN1およびIN2から、次の
3種の組み合わせの2個ずつの雰囲気指標を入力するこ
とができる。すなわち、(DB、WB)、 (DB、RH)、および
(DB、DP)の3種類の雰囲気指標の選択をすることがで
き、さらに各種類において高レベル範囲と低レベル範囲
との切り換えができるように、2つの範囲が割り当てら
れている。すなわち、乾球温度、湿球温度、露点温度の
レンジは−20℃〜80℃および−60℃〜40℃の2
つのレンジがある。ただし、相対湿度のレンジは0〜1
00%の範囲である。図4においては、入力された任意
の2個の指標以外の残りの2個の指標が出力されること
になるので、入力指標選択手段と出力指標選択手段とは
連動して選択する構造をとっている。すなわち、4個の
bitスイッチが作るbitパターンのうちの1つのb
itパターンを選択すれば、入力される2個の指標およ
び出力される2個の指標が決まる。また、図4に示す入
力端子には乾球温度が必ず含まれているが、乾球温度を
含まなくてもよい。
【0041】この結果、bitスイッチという簡便な装
置を用いることにより、試験対象に応じて指定された雰
囲気指標を入力でき、他の指標も余すところなく出力す
ることができる。したがって、どのような雰囲気指標の
入力にも対応して露点温度に基づいて冷却の制御を行う
ことができ、また環境試験条件の記録や確認という観点
からも不足のないデータを表示用に提供することが可能
となる。
【0042】図5は、SPモードとPVモードの切り換えス
イッチを用いないで、演算と制御、および演算と表示を
行う回路構成を示す図である。図5において、入力され
た目標指標に基づいて露点演算基板5(DP1:第1の演算
装置)は露点温度DPを算出し、温度表示制御装置32(TI
C3)に目標露点温度を送る。温度表示制御装置32(TIC
3)は、この目標露点温度に基づいて操作手段38によっ
て、凝縮器やコンプレッサや電動弁を操作して熱源温度
センサー55から得られる温度を制御する。また、目標
露点温度は、温度表示制御装置7(TIC1)や温度表示制御
装置31(TIC2)にも送られ、操作手段36、37を操作
して冷却コイルや加湿器を制御する。また、温度センサ
や湿度センサ(図示せず)から得られた雰囲気指標は露
点演算基板35(DP2:第2の演算装置)に送られ、露点
温度演算基板35は現在の露点温度を算出し表示装置4
5(TI)に送る。表示装置45(TI)では露点温度の表示が
なされる。図5の回路構成により、切り換えスイッチを
用いなくても、演算基板を2個用いることにより、制御
と表示の両方を行うことが可能となる。
【0043】切り換えスイッチを用いないので、常にSP
モードとPVモードとを並行して動作させることができ
る。このため、非常に頻繁に目標雰囲気を変化させる試
験条件にも対処して、高いエネルギー効率の下で、現在
雰囲気指標の表示を続行したまま迅速に目標雰囲気に到
達することが可能となる。
【0044】図6は、切り換えスイッチ39とPLC2
0、30を用いて、制御と表示の両方を行う回路構成を
示す図である。図6(a)は演算、制御、表示を行う部
分を示し、また図6(b)は、PLCでのデータ処理の内
容を示す図である。図6(a)において、2個のPLC2
0、30のデータ処理は、PLCの外部を流れるアナロ
グ信号をデジタル化して処理をした後に、再びデジタル
信号をアナログ化して送り出す必要がある。直接、アナ
ログ信号を処理する方法と比較してこの点において相違
するが、PLCを利用できるメリットがある。
【0045】(実施の形態2−雰囲気指数の相互間の変
換)ここでは、空気線図の基になる各雰囲気指数の相互
間の計算方法を示す。これら計算方法は、空気線図の作
成にあたって用いられたものである。まず、基本的な計
算式の導出を行う。 (1)温度T°Kの水と釣り合いを保つ飽和水蒸気の圧力
をpskg/cm2とすれば、 logps=-7.90298{(Ts/T)-1}+5.02808log(Ts/T) -1.3816×10-7×{1011.344(1-T/Ts)-1} +8.1328×10-3×{10-3.49149(Ts/T-1)-1}+logpv(Ts) .......(1a) が成り立つ。ただし、過冷却の水、すなわち−100℃
〜0℃の水の場合は、 logps=-9.09718{(To/T)-1}-3.56654log(To/T) +0.876793{1-(T/To)}+logpi(To) ..................(1b) が成立する。ここに、logは常用対数を表わす。また、p
v(Ts)=100℃の飽和水蒸気=1atm=1.03323kg/cm2
であり、pi(To)=0℃の飽和蒸気圧=0.006028atm=0.0
06228 kg/cm2 である。(2)かわき空気と水蒸気とが理
想気体として混合した湿り空気を理想気体として扱い、
これにダルトンの分圧の法則を適用すると次の式が得ら
れる。 χ=(Ra/Rv){p/(P-p)}=0.622p/(P-p) ......................(2) が成立する。ただし、絶対湿度をχkg/kg'、湿り空気の
圧力をPatm、水蒸気分圧をpatm、かわき空気のガス定
数をRa=29.27kgm/kg°K、湿り空気中の水蒸気のガス定
数をRv=47.06kgm/kg°Kとする。 (3)また、かわき空気1kgを含んだ空気の比容積vは
次のようになる。 v={Rv/(P-104)}{χ+(Ra/Rv)}T={47.06/(P×104)}(χ+0.622)T....(3) (4)理想気体が混合して得られた混合気体を理想気体
とすれば、そのエンタルピは、成分気体のエンタルピの
和として表すことができる。すなわち、1kgのかわき空
気を含んだ空気のエンタルピは次のように表される。 i =ia +χiv = Cpa・t + (ro + Cpv・t)χ =0.24t + (597.3 + 0.441t)χ..............................(4) ただし、roは0℃の飽和水を0℃の飽和蒸気にするため
の蒸発潜熱 597.3kcal/kg、Cpaはかわき空気の定圧比熱
0.24kcal/kg℃、Cpvは蒸気の比熱 0.441kcal/kg℃であ
る。また、χは絶対湿度kg/kg'を表す。 (5)ある湿り空気の水蒸気分圧をpとし、その温度と同
じ温度の飽和空気の水蒸気分圧をpsとすれば、相対湿
度RHはつぎのように求められる。
【0046】 RH = (p/ps)×100(%) ..................................(5) (6)通風式湿度計を用いた相対湿度の算出 乾球温度t℃と湿球温度t'℃とから相対湿度を求める
際、アスマン湿度計のような通風式湿度計を用いる場合
は、Sprungの式により(5)式を用いて次の(6)式のよう
に求めることができる。 p = p' - (K/735.5593)・(t-t')・(760.0/755)................(6) ここで、Kは定数であり、t>0のとき、K=0.5、
またt≦0のとき、K=0.44である。
【0047】原理的に上記の基礎式(1)〜(6)を基に、
任意の2つの雰囲気指標を入力すれば残りの雰囲気指標
を算出することが可能である。その算出において、下記
の2つの手順(A)および(B)は中間手順として頻繁に利
用される。 (A)エンタルピiおよび全圧Pから、湿球温度t’を求
める手順。
【0048】図7はこの手順のフローチャートである。
図7に示す二分法による解法手順は次の通りである。 (A−1)DBレンジ−20℃〜+80℃、tmin=−2
0℃、tmax=DBとして、t=(tmin+tmax)
/2 をtの正負に応じて(1a)式または(2a)式に
代入する。また、tmin+tmax=0のときは、t
=0とする。 (A−2)(2)式および(4)式によりi1を算出する。i
=0の時は、t’=−5℃とする。 (A−3)もし、0.9999<|i1/i(湿球温度相当のエンタ
ルピ)|<1.0001ならばOK(yes)、そうでない場合
は、次の(A−4)を行う。 (A−4)もし、i1>iのときtmaxにtを入力、また
もしi1<iならばtminにtを入力し、t=(tmi
n+tmax)/2を計算して、(A−1)に戻る。 (B)水蒸気分圧pおよび全圧Pから、露点温度t”を求
める。
【0049】図8はこの手順のフローチャートである。
図8に示す二分法による解法手順は次の通りである。 (B−1)DBレンジ−20℃〜+80℃、tmin=−2
0℃、tmax=DBとして、t=(tmin+tmax)
/2 をtの正負に応じて(1a)式または(1b)式に代
入する。tmin+tmax=0のときは、t=0とす
る。 (B−2)もし0.9999<|p1/p(露点温度相当の水蒸気分
圧)|<1.0001ならばOK(yes)、そうでない場合、
次の(B−3)を行う。 (B−3)もしp1>pのときtmaxにtを入力、また、
もし、i1<iならばtminにtを入力し、t=(tm
in+tmax)/2を計算し、(B−1)に戻る。
【0050】上記の中間手順(A)および(B)を利用する
と、任意の2種の雰囲気指標から他の雰囲気指標を算出
することが容易となる。
【0051】(実施の形態2−1:乾球温度tおよび湿
球温度t’から、相対湿度RHと露点温度t”とを求め
る。)本実施の形態における計算のフローチャートを図
9に示す。まず、湿球温度t’を(1)式に入力して湿球
温度相当の水蒸気分圧p’を求める。次に、(6)式に、
上記のt’とp’とを代入して、水蒸気分圧pを求め
る。次いで、(1)式に乾球温度tを代入して、飽和水蒸
気分圧psを求める。次に、(5)式にpおよびpsを代入
して相対湿度RHを求める。最後に、上記の中間手順(B)
により、水蒸気分圧から、露点温度t”を求めることが
できる。
【0052】上記の手順により、乾球温度tと湿球温度
t’とから簡便に相対湿度RHと露点温度t”を求めるこ
とができる。したがって、乾球温度と湿球温度の2指標
を用いる場合が多い空調装置関係の試験において、冷却
の制御を簡便にかつ高エネルギ効率の下に行うことがで
きる。
【0053】(実施の形態2−2:乾球温度tおよび露
点温度t”から相対湿度RHを求める。)図10は本実施
の形態における計算のフローチャートを示す図である。
まず、(1)式に露点温度t”を入力して露点温度におけ
る水蒸気分圧pを求める。また、乾球温度tを入力して
やはり(1)式から乾球温度における飽和水蒸気分圧ps
を求める。上記のpおよびpsを(5)式に入力すると相
対湿度RHを求めることができる。
【0054】上記の手順により、乾球温度と露点温度と
を指定する場合が多い半導体材料関係の試験において
も、相対湿度等のほかの雰囲気指標を簡便に知ることが
可能となる。
【0055】(実施の形態2−3:乾球温度tおよび相
対湿度RHから、露点温度t”と湿球温度t’とを求め
る。)図11に本実施の形態における計算のフローチャ
ートを示す。図11において、まず、乾球温度tを入力
して(1)式から飽和水蒸気分圧psを求める。次に、ps
と相対湿度RHを(5)式に代入して、水蒸気分圧pを求め
る。次に、上記した中間手順(B)により、この水蒸気
分圧pから露点温度t”を求める。一方、この水蒸気分
圧pを(2)式に代入することにより絶対湿度χを求める
ことができる。次に、乾球温度tと絶対湿度χとを(4)
式に入力してエンタルピiを求めることができる。最後
に、上記した中間手順(A)により、エンタルピiから湿
球温度t’を求めることができる。
【0056】上記の手順により、乾球温度と相対湿度と
いう普通の雰囲気指定の場合に、露点温度等を知り、冷
却装置の冷却を高エネルギ効率の下で行うことが可能と
なる。また、試験条件の確認および記録を行うことがで
き、環境試験の質を高めることが可能となる。
【0057】上記において、本発明の実施の形態につい
て説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形
態はあくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明
の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は特許請求
の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の
記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含
む。
【0058】
【発明の効果】本発明により、試験対象によって異なる
雰囲気指標の指定の仕方に対応して、露点温度を基に適
切な温度および湿度の雰囲気の制御を効率良く簡便に行
うことが可能となる。また、環境試験室における温度セ
ンサや湿度センサを基に、任意の雰囲気指標の試験時の
値を算出しそれらを確認し表示できるので、試験精度お
よび試験条件の記録という観点から試験の価値を向上さ
せることができる。これらの働きを可能にする演算装置
は、新設の恒温恒湿装置のみならず既存の装置にも簡便
に取り付けることができるので、多くの恒温恒湿装置に
広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における恒温恒湿装置を示す構
成図である。
【図2】 目標値の設定変更の際のフローチャートであ
る。
【図3】 SPモードとPVモードの切り換えを行う部分の
回路構成図である。
【図4】 演算基板の入力端子および出力端子を示す図
である。
【図5】 切り換えスイッチを用いずにSPモードとPVモ
ードとを可能にする回路構成図である。
【図6】 PLCを用いてPLC内部でディジタル信号
処理を行う回路構成図である。(a)はPLCを組み込
んだ回路構成図であり、(b)はPLC内部でA/D変換
しディジタル信号処理した後、D/A変換して出力する
方式を示す図である。
【図7】 エンタルピiおよび全圧Pより、湿球温度
t’も求める手順を示すフローチャートである。
【図8】 水蒸気分圧pおよび全圧Pより、露点温度
t”を求める手順を示すフローチャートである。
【図9】 乾球温度および湿球温度から相対湿度および
露点温度を算出する際のフローチャートである。
【図10】 乾球温度および露点温度から相対湿度を算
出する際のフローチャートである。
【図11】 乾球温度および相対湿度から露点温度およ
び湿球温度を算出する際のフローチャートである。
【図12】 空気線図を用いて、乾球温度および相対湿
度から湿球温度および露点温度を求める手順を説明する
図である。
【図13】 恒温恒湿装置の操業において露点温度が重
視される理由を説明する図である。(a)は雰囲気A1か
らA2に移行する際、余分の湿分が発生することを説明
する図であり、(b)は結露した余分の湿分を除去する方
法を示す図である。
【符号の説明】
1 冷却コイル、2 加熱器、3 加湿器、4 環境試
験室、5,35 露点温度演算基板、6,8,31,3
2 温度表示制御装置、7 湿度表示制御装置、9 温
度センサ、10 湿度センサ、11,28 電動弁、1
5 表示装置、19,39 切り換えスイッチ、20,
30 PLC、21 凝縮器、22 熱交換器、23
コンプレッサ、24 膨張弁、25,27 ポンプ、2
6 ブライン槽、29,55 熱源温度センサ、36,
37,38 操作端、40 入出力選択手段、45 露
点表示器、t,DB 乾球温度、t’,WB 湿球温度、
t”,DP 露点温度、RH 相対湿度、χ 絶対湿度、P
全圧、p 水蒸気分圧、ps任意温度における飽和水
蒸気圧、i エンタルピ、SP 設定値、PV 指示値(現
在値)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−307509(JP,A) 特開 平2−8647(JP,A) 特開 平10−288382(JP,A) 特開 平6−241533(JP,A) 特開 平11−72243(JP,A) 特開 平8−54137(JP,A) 実開 昭56−61849(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 11/02 102

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環境試験のための雰囲気を形成する室内
    (4)を循環流通する雰囲気に接して当該雰囲気を冷却す
    る冷却コイル(1)を含む冷却装置(1、21)と、前記室内に配置された温度センサーおよび相対湿度セン
    サーと、 乾球温度、湿球温度、相対湿度および露点温度の4つの
    雰囲気指標のうち少なくとも2つの雰囲気指標を選択し
    て入力することができるものであり、 前記温度センサーおよび相対湿度センサーからの乾球温
    度および相対湿度の現在値の2つの雰囲気指標の入力に
    基づき、前記4つの雰囲気指標のうちの残りの雰囲気指
    標の少なくとも1つを現在値の雰囲気指標として算出
    し、かつ前記環境試験の雰囲気を形成するために、目標
    設定として入力された、前記4つの雰囲気指標のうちの
    少なくとも2つの雰囲気指標の設定値 に基づき残りの
    雰囲気指標の少なくとも1つを目標雰囲気指標として
    出する演算基板()と、前記設定値およびそれらから算出された残りの少なくと
    も1つの目標雰囲気指標と、前記現在値の雰囲気指標お
    よびそれらから算出された残りの少なくとも1つの現在
    値の雰囲気指標と に基づいて前記冷却装置の冷却能力を
    制御する冷却能力制御部(6、7、8)と、前記設定値およびそれらから算出された残りの少なくと
    も1つの目標雰囲気指標、のうちの少なくとも1つの表
    示のための目標の雰囲気指標、または前記現在値の雰囲
    気指標およびそれらから算出された残りの少なくとも1
    つの現在値の雰囲気指標、のうちの 少なくとも1つの
    示のための現在値の雰囲気指標を表示し、かつその表
    示された雰囲気指標を記録する表示装置(15)と 前記設定値が入力された後の所定時間、前記演算基板を
    その入力された設定値に基づき前記演算を行なわせ、前
    記冷却能力制御部および表示装置に信号を送り、かつ前
    記表示装置に前記表示のための目標の雰囲気指標を表示
    させる、冷却能力制御モード、および前記温度センサー
    および相対湿度センサーからの現在値の雰囲気指標の入
    力に基づき前記演算基板に前記演算を行なわせ、前記冷
    却能力制御部および表示装置に信号を送り、かつ前記表
    示装置に前記表示のための現在値の雰囲気指標を表示さ
    せる、表示モード、のいずれかのモードを切り換えるモ
    ド切換手段と 、を備える、環境試験装置
  2. 【請求項2】 前記演算基板()は、乾球温度、湿球温
    度、相対湿度、および露点温度の4つの雰囲気指標のう
    ちのいずれを入力するかの入力指標選択手段(40)と、
    前記4つの雰囲気指標のいずれを出力するかの出力指標
    選択手段(40)とを備える、請求項1に記載の環境試験
    装置
  3. 【請求項3】 前記冷却能力制御部(6、7、8)は、前
    記冷却コイル(1)の冷却能力を制御する、請求項1また
    は2に記載の環境試験装置
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