本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。本実施の形態では、入賞ラインLNが左下から右斜め上に上がるように形成されている。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。導出表示される図柄(表示結果)として、選択可能なものは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに入賞ラインLN上に表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。規定数の賭数(たとえば、3)が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
また、図2の各リールの図柄配列については、右リール2Rにおいてチェリー図柄が5コマ以内に必ず配置されている。また、中リール2Cにおいてスイカ図柄が5コマ以内に必ず配置されている。各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内は、5コマ以内であるので、後述するチェリーリプ当選時には、必ず右リール2Rにチェリー図柄を導出することが可能であり、スイカ当選時には、必ず中リール2Cにスイカ図柄を導出することが可能である。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5は、ボーナスの種類、ボーナスの図柄組合せ、及びボーナスに関連する技術事項について説明するための図である。入賞役の名称欄には、有利な状態への移行を伴う入賞役であるボーナスの名称を示し、図柄組合せの欄は、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、BBが作動することが示されている。また、備考欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が441枚以上となったゲームにおいて終了する。
図6および図7は、再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、及び再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。図6および図7の入賞役の名称欄には、その入賞役の名称として、再遊技役の名称リプ1〜リプ16が示されている。また、図柄組合せの欄は、その入賞役(再遊技役)が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、メダルを用いることなく次のゲームの賭数を自動で設定する(メダルを用いることなく次のゲームを行うことが可能となる)再遊技が付与されることが示されている。また、備考欄には、各リプレイ1〜16のその他の呼び方が示されている。たとえば、リプ1は、図柄の停止時にリールの中段にリプレイが揃うことから中段リプレイと称される。また、備考欄には、遊技状態を移行させる契機となるリプレイについて、移行先の遊技状態(RT1〜RT3)が示されている。なお、以下では、リプレイのことを単に“リプ”と称することもある。
図8、図9は、小役の種類、小役の図柄組合せ、及び小役に関連する技術事項について説明するための図である。図8、図9の入賞役の名称欄には、その入賞役の名称として小役の種類が示されている。また、図柄組合せの欄は、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。払出枚数作動欄には、入賞時に払出されるメダルの枚数が示されている。図10は、出目の種類、出目の図柄組合せ、及び出目に関連する技術事項について説明するための図である。図10の出目は所定の押し順に失敗し、入賞役を取りこぼしたときにのみに導出される特定の出目である。このような特定の出目は、メダルが払出されない。また、図8の備考欄には、入賞役のその他の呼び方と対応する指標図柄等が示されている。指標図柄とは、入賞を発生させる図柄の組合せが入賞ラインLN上に停止したときに、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄をいう。たとえば、ベル1、ベル2、AT1〜AT32の指標図柄は「ベル」であり、スイカの指標図柄は「スイカ」である。本実施の形態では、後述する抽選対象役に当選したときに対応する指標図柄を報知する告知演出(以下、入賞示唆演出とも称する)を実行する。
また、入賞役のうちスイカについては、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄ではないが、右下がりベル、中段ベル、上段ベルの指標図柄と同じ「ベル」が特定入賞図柄として定められている。特定入賞図柄とは、右下がりスイカの入賞図柄の組合せのうち、右リール2Rに対応する図柄であり、右下がりスイカに当選・入賞するときに入賞ラインLN上に停止され得る図柄である。スイカに当選しているときには、指標図柄を用いた演出と、特定入賞図柄を用いた演出とを実行可能である。告知演出では、指標図柄および特定入賞図柄に相当する図柄のキャラクタ画像が表示される。
図11は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図11の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照)。具体的には、通常(遊技の大半)は、RT1で制御される。そして、RT1から準備リプ(リプ4)に入賞したときは、RT1よりも再遊技役の当選確率が高いRT2へ移行する。さらに、RT2から突入リプ(リプ5)に入賞したときは、RT2よりも再遊技役の当選確率の高いRT3へ移行する。また、RT2やRT3からは、転落リプ(リプ2,リプ3)入賞またはベルこぼし(右取りこぼし,中取りこぼし,左取りこぼし)によりRT1へ移行する。RT2やRT3は、再遊技役の当選確率がRT1よりも高く遊技者にとって有利な遊技状態である。
BB1〜BB5のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1〜BB5のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT0へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図12参照)。ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率でベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12および図13は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選した抽選対象役を当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、入賞役の組合せ欄には、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示している。たとえば、図12に示すリーチ目リプは、RT0〜RT3のいずれの状態においても抽選対象となるがRT4では抽選されない。また、RT4では、はずれ、通リプ、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプ以外のリプレイは、当選しないように設定されている。その代わりに中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプの当選確率は、他のRT状態よりRT4の状態となっているときの方が高く設定されている。
また、図12によりリプレイについてさらに具体的に説明すると、たとえば、RT1の遊技状態において、抽選対象役毎に、リプ4を入賞させる操作手順(以下、正解手順ともいう)が異なるように定められている。たとえば、準備リプ1については、左リール2Lを第1停止したときにリプ4を入賞させ、左リール2L以外を第1停止させたときにはリプ4以外のリプ(リプ1)を入賞させるように設定されている。RT1の遊技状態において、準備リプ1〜6のいずれかに当選し操作手順に正解すると、リプ4が入賞し遊技状態がRT1より有利なRT2へ移行する。また、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプは、操作タイミングと操作手順とにより導出される入賞役の種類(リプレイの種類)が決定する。具体的な内容については、後述する。
また、図13に示すように、RT4以外の遊技状態では、ボーナスが他の入賞役と同時当選することがある。たとえば、BB1は、BB1のみが単独当選する場合と、BB1とリーチ目リプ、BB1と中段チェリーリプ、BB1と強チェリーリプ、BB1と弱チェリーリプ、BB1とチャンス1、BB1とチャンス2、および、BB1とスイカとのうちいずれかの組合せで当選する場合とがある。また、ボーナス中においては、たとえば、共通ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率で当選するように定められている。共通ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で共通ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
また、ボーナスと同時当選する入賞役の割合は、リーチ目>中段チェリーリプ>強チェリーリプ>弱チェリーリプ>スイカ>チャンス1>チャンス2となっている。そして、ボーナスに単独当選する割合は、同時当選する割合よりも低く設定されてある。よって、遊技者は、何らかの抽選対象役に当選されることが示唆される後述する告知演出(入賞示唆演出)が実行された場合には、ボーナス当選に期待を持つことができる。
また、9枚ベル左1〜8,9枚ベル中1〜8,9枚ベル右1〜8は、抽選対象役毎に、取りこぼしのないベル1またはベル2を入賞させる操作手順(正解手順)が異なるように定められている。たとえば、9枚ベル中1では、中リール2Cを第1停止させたときには、確実にベル2を入賞させるようにリール制御が行われ、中リール2C以外を第1停止させたときには、引き込み可能な場合にのみ当選している押し順ベル(上段ベル、AT1,AT12,AT23,AT30)を入賞させ、引き込み不可能な場合に中取りこぼしの出目を導出させるようにリール制御が行われる。
ここで、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図12,図13など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、スイカに当選したときには、スイカの当選フラグが設定される。BB1〜BB5の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1〜BB5以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。なお、リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させるようにしてもよい。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図6〜図10など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図11で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1〜BB5のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図11など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2,RT3などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図12,図13に示す、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、BB1〜BB5、共通ベル)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することを乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、共通ベルの順となり、共通ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1〜BB5と同時当選していないとき(たとえば、強チェリーリプ当選時)よりも、BB1〜BB5と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリーリプ当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行されれ、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の信頼度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している信頼度が、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンド、AT抽選時コマンドにより、強チェリーリプに内部当選したこと、ATの当選または非当選、ATゲーム数、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。たとえば、サブ制御部91は、内部当選コマンドによりチェリーリプに当選し、AT抽選時コマンドによりATに非当選であることを特定することができるが、ATを開始するタイミングは、メイン制御部41では決定されていない。このような場合には、サブ制御部91が0〜32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT3に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT2において突入リプに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT3に制御可能となる。
メイン制御部41は、AT中においては、特別の抽選対象役(本実施形態では、BAR聴牌リプ等)が当選した場合に、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
上乗せ抽選では、ATゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せすると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。
サブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したか否かを示唆する上乗せ示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。
また、サブ制御部91は、いずれかの抽選対象役に当選したときおよびいずれかの入賞役の入賞が発生したときに対応する指標図柄を報知する告知演出(入賞示唆演出)を実行する。たとえば、図8に示すように、右下ベル、中段ベル、上段ベルの指標図柄は、ベルである。また、スイカについては、無効ラインLM4に揃う図柄および揃う可能性がある図柄ではないが、ベルの指標図柄と同じ「ベル」が特定入賞図柄として定められている。特定入賞図柄とは、スイカに含まれる右下スイカの入賞図柄の組合せのうち、右リール2Rに対応する図柄であり、右下スイカに入賞するときに入賞ラインLN上に停止され得る図柄である。スイカに当選しているときには、指標図柄を用いた演出と、特定入賞図柄を用いた演出とを実行可能である。告知演出では、指標図柄および特定入賞図柄に相当する図柄のキャラクタ画像が表示される。また、チェリーリプに当選しているときは、チェリーに当選したことを示す告知演出(入賞示唆演出)が実行される。たとえば、チェリーリプに当選したとき(強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれかに当選したとき)には、チェリー図柄に対応するキャラクタ画像が表示される。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンド、などを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、所定の入賞役に当選しているときに当該入賞役を特定可能な情報(ナビ演出とは異なる情報)を報知可能である。たとえば、同時当選役や特定の抽選対象役当選を示す内部当選フラグを受信したときには、同時当選役や特定の抽選対象役のいずれに当選しているかを報知可能である。これにより、同時当選役や特定の抽選対象役のうちいずれに当選しているかを遊技者に報知可能となり、遊技者の期待感を向上させることができる。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、当選したATゲーム数が何ゲームであるか、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「BB確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージとともに「100ゲーム獲得!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定!」といったメッセージとともに「BB終了後100ゲームに亘りAT!」といったように獲得したATゲーム数を特定可能なメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、AT中コマンドに基づきAT中であるか否かを判別して、状態に応じた背景画像による演出を液晶表示器51において実行させるとともに、AT中であるときには内部当選コマンドに基づきナビ演出を実行する。また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することでAT当選あるいは上乗せ当選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、AT当選あるいは上乗せ当選しているときには獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図11を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT0に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT0ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT0においてナビ演出が実行されることがないため、RT0においてベル当選時における操作手順(操作順序、操作タイミング)によっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出される(図10参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、準備リプに入賞することにより、RT2に移行する。準備リプに入賞するためには、図11および図12で示したように、準備リプ1〜6の何れかに当選しかつ準備リプを入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT2に制御された場合でも、当該RT2への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図12で示したように、RT2では、維持リプ1〜3に当選する可能性があり、このときには所定の押し順で停止操作しなければ、転落リプレイ(リプ2,リプ3)が入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT2でベル当選時にタイミングによっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図12で示したように、RT2では、突入リプに当選する可能性があり、このときに、所定の押し順で停止操作すると突入リプ(リプ5)が入賞してRT3に制御される可能性がある。しかし、RT3に制御された場合でも、ベル当選時にタイミングによっては、RT1へと移行する出目であるベルこぼしが導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、準備リプ1〜6の何れかに当選したときに、準備リプを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、準備リプの入賞によりRT2に移行させることができる。RT2では、維持リプ1〜3の何れかに当選したときに、通常リプレイ(通リプ)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT2を維持することができる。また、RT2では、ベル(9枚ベル)当選時に、右下ベル(ベル1)または中段ベル(ベル2)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。さらに、RT2では、突入リプ1〜6の何れかに当選したときに、突入リプ(リプ5)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、突入リプ(リプ5)入賞によりRT3に移行させることができる。
RT3では、ベル当選時に、右下ベル(ベル1)または中段ベル(ベル2)を入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT3を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT3に制御されるように、かつRT3が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT3において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT3+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT3においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT3で突入リプ1〜6のいずれかに当選し、突入リプ(リプ5)が入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT3への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT3中は、非AT中であるため、ベル当選時に、タイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、ARTが終了した後のRT3中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1〜BB5に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1〜BB5に当選したときには、図11で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1〜BB5に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT0へ移行される。
[小役当選時のリール制御について]
図14〜図18は、小役当選時のリール制御について説明するための図である。本実施の形態では、チェリーリプ(強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプ)やスイカ等の抽選対象役に当選したときに、告知演出(入賞示唆演出)が実行される。告知演出(入賞示唆演出)が実行されることにより、いずれの抽選対象役に当選したかを示唆することが可能となる。これらの演出が実行されているにも関わらず、告知演出(入賞示唆演出)で表示されるキャラクタ画像(たとえば、チェリーを示す図柄やスイカを示す図柄)が入賞ライン上ではなく、無効ライン上の表示結果を示すものである場合、無効ライン上の表示結果を遊技の結果であると誤認させてしまう虞がある。
本実施の形態では、このような告知演出(入賞示唆演出)で表示される画像に対する遊技者の誤認を防止するために、入賞ラインLN上に実際に表示される図柄との関係において、以下のようなリール制御を実行している。図14は、強チェリーリプまたは弱チェリーリプに当選したときのリール制御を示している。図14では、左、中、右の停止順で停止操作が実行されている。左、中、右の停止順で停止操作する場合は、左リール2Lにおいて図2に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内(枠の上段の位置)に狙いストップスイッチ8Lを停止させる。このような位置でストップスイッチを押せば、チェリーやスイカの取りこぼしを抑えることができる。強チェリーリプに当選した場合には、チェリーのキャラクタ画像を液晶表示器51の表示領域51aに表示する告知演出(入賞示唆演出)が実行される。
図14(a)〜(c)は、目押し成功となるタイミングで操作された場合を示し、図14(d)〜(f)は、目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。目押し成功となるタイミング、目押し失敗となるタイミングについて、図2を用いて具体的に説明する。たとえば、強チェリーリプ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図2の2番のチェリー図柄を左リール2Lの下段に停止できたときが目押し成功となるタイミングである。2番のチェリー図柄から4コマ先にある図柄までが引き込み可能な範囲であるため、18番のブランク図柄、19番のリプレイ図柄、20番のベル図柄、1番のスイカ図柄が左リール2Lの下段の位置にある場合および、2番のチェリー図柄が左リール2Lの下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄を左リール2Lの下段の位置に停止させることが可能となる。このような場合が目押し成功となるタイミングである。また、3番の赤7図柄〜17番のバー図柄を左リール2Lの下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄は、左リール2Lの下段の位置に停止させることが不可能となる。このような場合が目押し失敗となるタイミングである。
強チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図14(a)に示すように左リール2Lの下段にチェリー図柄が停止する。次いで、中リール2Cにおいて図2に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙いストップスイッチ8Cを停止させる。目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Cが停止操作された場合には、図14(b)に示すように中リールの中段にチェリー図柄が停止する。また、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列されているため、強チェリーリプ当選時は、図14(c)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停止する。図14(c)に示すように、入賞ラインLN上には、チェリー図柄が3つ停止し、再遊技役が入賞する。これは、図12に示す強チェリーリプ当選時のリプ15の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
また、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図14(d)に示すように左リール2Lの下段にリプレイ図柄が停止する。次いで、中リール2Cにおいて、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Cが停止操作された場合には、図14(e)に示すように中リールの中段にリプレイ図柄が停止する。しかし、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列されているため、目押し失敗のタイミングであるか否かに関わらず、強チェリーリプ当選時に右リール2Rには、図14(f)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停止する。図14(f)に示すように、入賞ラインLN上には、リプレイ−リプレイ−チェリーとなる図柄組合せで図柄が停止し、再遊技役が入賞する。これは、図12に示す強チェリーリプ当選時のリプ16の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
なお、左リール2Lについては目押しが成功し、中リール2Cは目押しが失敗した場合には、チェリー−リプレイ−チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。また、左リール2Lについては目押しが失敗し、中リール2Cは目押しが成功した場合には、リプレイ−チェリー−チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。いずれにしても入賞ラインLN上(右リール2Rの上段)には、チェリー図柄が表示されることとなる。
サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14(a)〜(c)に示すように、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときは、左リール2Lと中リール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う。また、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14(d)〜(f)に示すように、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときは、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。このように、成功タイミングとは異なるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときであっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリーリプ当選を示す表示結果が導出される。つまり、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ラインLN上に必ず表示されることになる。よって、目押し成功となるタイミングでも、目押し失敗となるタイミングでも入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が遊技の結果ではないという誤認を防止することができる。
また、図14(c)に示すように、強チェリーリプ当選時に、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときには、入賞ラインLN上の左リール2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェリー図柄が揃う。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されているか否かに関わらず、右リール2Rにもチェリー図柄を導出することができるので、図14(c),(f)に示すように、右リール2Rに対する制御内容を共通化することができる。
また、図14(c),(f)に示すように、目押し成功し全てのリールにチェリー図柄が導出された場合であっても、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合であっても、強チェリーリプの入賞として再遊技役が入賞する。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
また、図14(g)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにチェリー図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリー図柄が導出されない。その代わり、右リールにおいては、無効ラインLM4上(右リール2R下段)にチェリー図柄が導出される。よって、チェリーリプ当選を示唆する入賞示唆演出が実行され、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、右リール2Rにおけるチェリー図柄の位置により、強チェリーリプ当選であるのか弱チェリーリプ当選であるのかを確認することができる。なお、図14(g)は、弱チェリーリプ当選時のリプ15の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
また、図14(h)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rに、チェリー図柄が導出される。この入賞ラインLN上の図柄組合せ(リプレイ−リプレイ−チェリー)は、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合の入賞ラインLN上の図柄組合せと同じである。よって、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果の誤認を防止することができる。なお、図14(f)と図14(h)とは同じ表示結果が導出されることから、チェリーリプ当選したことは判断できるが、チェリーリプの強弱までは、判断できない。
なお、弱チェリーリプ当選時に、左リール2Lまたは、中リール2Cのいずれか一方のみ目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させるリール制御が行われる。そして、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール2R上段)にチェリー図柄を導出させる制御が行われる。
図15は、中段チェリーリプに当選したときを示している。図15では、中、左、右の停止順で停止操作が実行されている。中リール2Cを第1停止する際には、図2に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙いストップスイッチ8Lを停止させる。赤7図柄は、チェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。
中段チェリーリプ当選時に中リール2Cを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図15(a)に示すように、中リール2Cの中段に赤7図柄が停止する。さらに、左リール2Lを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図15(b)に示すように、左リール2Lの中段にチェリー図柄が停止する。さらに、右リール2Rを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図15(c)に示すように、右リール2Rの上段にチェリー図柄が停止するとともに右リール2Rの下段に赤7図柄が停止する。なお、図15(c)は、中段チェリー入賞とともにBB5が同時当選している場合の図柄組合せである。このように、右リール2Rのチェリー図柄の配列のみではなく、中リール2Cの赤7図柄によってもチェリーリプ当選を示唆することができ、チェリー当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
なお、左リール2Lおよび中リール2Cのいずれも目押し失敗となるタイミングでストップスイッチを操作したときは、左リール2Lおよび中リール2Cには、入賞ラインLN上にリプレイ図柄が導出され、右リール2Rの上段にチェリー図柄が導出される。つまり、図14(f)や図14(h)と同じ制御が実行される。このように、弱チェリーリプ、強チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれに当選していても目押し失敗となるタイミングで実行されたときの制御を共通化することができる。また、左リール2Lまたは、中リール2Cのいずれか一方のみ目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させるリール制御が行われる。そして、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール2R上段)にチェリー図柄を導出させる制御が行われる。
図16は、スイカに当選したときを示している。図16では、左、中、右の停止順で停止操作が実行されている。図16(a)〜(c)は、目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。目押し失敗となるタイミングについて、図2を用いて具体的に説明する。たとえば、スイカ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図2の1番のスイカ図柄、6番のスイカ図柄、11番のスイカ図柄を左リール2Lの上段に停止できたときが目押し成功となるタイミングである。そして、12番のベル図柄〜16番のバー図柄までを左リール2Lの上段に停止させるタイミングで停止させたときが、目押し失敗となるタイミングである。
スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図16(a)に示すように左リール2Lの上段にBAR図柄が停止する。なお、BAR図柄は、スイカを構成する図柄として使用される図柄である。次いで、中リール2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、目押しのタイミングに関わらず、スイカ当選時に中リール2Cには、図16(b)に示すように中段に必ずスイカ図柄が停止する。また、スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Rが停止操作された場合には、図16(c)に示すように右リール2Rの下段にブランク図柄a(ブラa)が停止する。
中リール2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、図16に示すように、スイカ当選時には、中リール2Cにおいて必ずスイカ図柄が中段に表示されるようにリール制御を実行することができる。このようにすれば、入賞ライン上にスイカ図柄が表示されることで、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ラインLN上に必ず表示されることになる。よって、スイカ当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
図17は、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、あるいは中段チェリーリプに当選したときを示している。図17では、右、中、左の停止順で停止操作が実行されている。図17(a)に示すようにリールが回転しているときから右リール2Rを第1停止させる。図17(b)に示すように、右リール2Rを第1停止させた場合、チェリーリプに当選したときには、入賞ライン上にある右リール2Rの上段に必ずチェリー図柄が出現する。よって、第1停止の段階でチェリーリプ当選を示唆することができる。しかし、この時点では、左リール2Lと中リール2Cとには、どのような図柄が停止されるかが不明であるので、チェリーリプが強、弱、中段のいずれであるかまでは分からない。
目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、強チェリーリプ当選時は、図17(c)に示すように、入賞ライン上にチェリー図柄が揃う。また、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、弱チェリーリプ当選時は、図17(d)に示すように、入賞ライン上にリプレイ−チェリー−チェリーとなる図柄が揃う。また、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、中段チェリーリプ当選時は、図17(e)に示すように、無効ラインLM2上(左リール2Lの中段)にチェリー図柄が導出される。なお、図17(e)は、ボーナスと中段チェリーリプとが同時当選しているときを示している。中段チェリーリプ当選単独の場合は、右下がりに赤7図柄が揃うことはない。
このように、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中リール2Cの操作前に入賞ラインLN上に表示される表示結果がチェリー当選であることを示唆することができる。つまり、告知演出(入賞示唆演出)で表示される図柄が、入賞ラインLN上に表示されることが第1停止の時点で示唆されることになる。よって、チェリー当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
図18は、スイカに当選したときを示している。図18では、中、右、左の停止順で停止操作が実行されている。図18(a)に示すようにリールが回転しているときから中リール2Cを第1停止させる。図18(b)に示すように、中リール2Cを第1停止させた場合、スイカに当選しているときには、入賞ライン上にある中リール2Cの中段に必ずスイカ図柄が出現する。よって、第1停止の段階でスイカ当選を示唆することができる。
このように、スイカ当選時に中リール2Cが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の中リール2Cにスイカ図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび右リール2Rの操作前に入賞ライン上に表示される表示結果の誤認を防止することができる。
[告知演出について]
次に、図19〜図23を参照し、告知演出を説明する。サブ制御部91は、いずれかの抽選対象役に当選したとき、および、いずれかの入賞役ついての入賞が発生したときに、対応する指標図柄あるいは特定入賞図柄である告知図柄を報知する告知演出を行うための告知演出処理を実行する。告知演出としては、開始タイミングや演出内容が異なる複数種類の演出が設けられている。サブ制御部91は、メイン制御部41からの内部当選コマンドや入賞判定コマンドに基づいて告知演出を実行するか否かおよび実行する場合の告知演出の種類を決定する。
サブ制御部91は、スタートスイッチ7操作時に送信される内部当選コマンドに基づいて、図19(a)に示す第1告知演出パターン抽選用テーブルを参照して告知演出抽選を行う。第1告知演出パターン抽選用テーブルを参照した告知演出抽選では、告知演出のパターンとしてパターンA〜Dの4種類と、告知演出を実行しない「演出なし」のうちのいずれかに決定される。第1告知演出パターン抽選用テーブルは、スタートスイッチ7の操作時に告知演出を実行するか否かの決定および実行する場合の告知演出の種類の決定に用いる振分率が、内部当選コマンドから特定される当選状況に応じて異なるように設定されている。
小役のうちスイカに当選しているときには、70%の割合でパターンAに決定され、15%の割合でパターンBに決定され、10%の割合でパターンCに決定され、5%の割合でパターンDに決定される。また、小役のうちベルに当選しているときには、各々、対応する振分率にしたがって告知抽選が行われる。また、いずれかのリプレイに当選しているときには、60%の割合でパターンAに決定され、40%の割合で演出なしに決定される。
前述したように、AT抽選における有利度合いは、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、共通ベルの順となっている。一方、告知演出のパターンは、AT抽選における有利度合いが高い抽選対象役(スイカ、ベル)に当選しているときほど、パターンAが選択されやすく、順にパターンB、Cが選択されやすく、パターンDが選択されにくい。このため、告知演出の種類からAT抽選における有利度合いを推測することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
これに対して、サブ制御部91は、入賞判定コマンドに基づき入賞が発生したことを特定したときには、図19(b)に示す第2告知演出パターン抽選用テーブルを参照して告知演出抽選を行う。なお、本実施の形態におけるサブ制御部91は、すでにパターンAに基づく告知演出を実行しているときには、入賞が発生した場合であっても第2告知演出パターン抽選用テーブルを参照した告知演出抽選を行わない。
第2告知演出パターン抽選用テーブルを参照した告知演出抽選では、告知演出のパターンとしてパターンYおよびZのいずれかに決定される。第2告知演出パターン抽選用テーブルは、告知演出の種類の決定に用いる振分率が、入賞ラインLNおよび無効ラインLM1〜4のうちのいずれかのライン上に指標図柄揃いがあるか否かに応じて異なるように設定されている。
入賞発生ゲームにおいて、当選していた抽選対象役に応じた指標図柄(図12、図13参照)揃いとなっているラインがあり、そのラインが入賞ラインLNと交差する無効ラインLM2またはLM4であるとき(つまり指標図柄が入賞ラインLN上に停止しているとき)には50%の割合でパターンYかパターンZのいずれかに決定される。また、入賞発生したがいずれのライン上にも指標図柄揃いが存在しないときには、100%の割合でパターンZに決定される。
サブ制御部91は、スイカの当選あるいは入賞に基づいて告知演出を実行する旨を決定したときに、当該告知演出において表示する図柄を指標図柄とするか特定入賞図柄とするかを決定する。図19(c)は、スイカの当選あるいは入賞に基づく告知演出において表示する告知図柄を決定するための告知図柄決定用テーブルを説明するための図である。
告知図柄決定用テーブルは、告知演出を実行する契機となったスイカ当選に基づくAT抽選において、AT当選したか否かに応じて異なる割合で、告知図柄が決定されるように定められている。AT当選しているときには、30%の割合で指標図柄であるスイカが、70%の割合で特定入賞図柄であるベルが、告知図柄として決定される。一方、AT非当選であるときには、100%の割合で指標図柄であるスイカが告知図柄として決定され、特定入賞図柄であるベルが告知図柄として決定されない。
これにより、スイカの当選あるいは入賞に基づく告知演出における告知図柄として特定入賞図柄であってベルの指標図柄でもある「ベル」が表示されて、スイカ入賞となったときには、AT当選が確定していることを報知できる。つまり、告知図柄として指標図柄であるスイカが表示されてスイカ入賞となったときよりも、特定入賞図柄である「ベル」が表示されてスイカ入賞となったときの方が、遊技者にとっての有利度が高いことを示唆できる。また、スイカ入賞時に、ベルの指標図柄でもある「ベル」が表示されたときであっても、「ベル」がスイカに含まれる右下がりスイカの右図柄であるため、特定入賞図柄が表示されたとしても遊技者を誤認させてしまうことを防止できる。スイカの当選あるいは入賞に基づく告知演出では、図19(c)のテーブルを参照して決定された図柄が告知図柄として表示される。なお、スイカ当選・入賞とは異なる契機に基づく告知演出においては、対応する指標図柄が告知図柄として定められているものとするが、スイカと同様に、当選している入賞の図柄組合せを構成する所定の図柄(入賞時において入賞ラインLN上に停止し得る図柄)が特定入賞図柄として定められており、告知演出においては指標図柄および特定入賞図柄のうち決定された図柄を告知図柄として表示するようにしてもよい。
サブ制御部91は、第1告知演出パターン抽選用テーブルを参照して決定した告知演出についてはスタートスイッチ7操作時から開始し、第2告知演出パターン抽選用テーブルを参照して決定した告知演出については入賞発生時から開始し、各パターンに応じた演出内容となる態様で実行する。サブ制御部91は、告知演出のパターンに応じた態様で、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御を行うが、その程度(度合)は店や遊技者により設定される音量や光量に応じて変化する。
次に、告知演出の演出内容を、図20〜図27を参照してパターン毎に説明する。なお、図20〜図23は、告知図柄として指標図柄に決定されたときの演出例を示し、図25〜図27は、告知図柄として特定入賞図柄に決定されたときの演出例を示している。まず、パターンAの告知演出の演出内容について説明する。パターンAの告知演出実行時には、抽選対象役に対応する指標図柄が、スタートスイッチ7操作時から次ゲームの開始操作まで、液晶表示器51の表示領域51aであって透視窓3の上方に表示される。次ゲームの開始操作とは、今回ゲームの結果がはずれかあるいは小役入賞後であるときにはBET操作やメダル投入、リプレイ入賞後であるときにはスタートスイッチ操作などをいう。
パターンAの告知演出を実行したがいずれの入賞も発生しなかったときには、表示結果導出時に指標図柄の表示を消去して、告知演出を終了する。また、パターンAの告知演出を実行したゲームにおいて入賞が発生したときであって、いずれのライン上にも指標図柄揃いが存在しないときには、後述するパターンZと同様の演出内容に切り替える一方、指標図柄揃いが存在するときには、入賞発生前から実行中の告知演出の態様を変化させずに次ゲームの開始操作がされるまで維持する。
ここで、図20を参照して、パターンAの告知演出の具体例を説明する。図20は、液晶表示器51の表示領域51a内に着目した図であり、指標図柄が「スイカ」であるスイカに当選したときの告知演出の一例を説明するための図である。なお、図21〜図27についても同様に、表示領域51a内に着目した図であり、スイカに当選したときの告知演出の一例を説明する。
図20(a)は、スタートスイッチ7操作によりスイカに当選したときに、指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方に表示することにより、告知演出が開始されたときの演出例を示している。なお、リール2L〜2Rの矢印は回転中であることを示す。
図20(b)は、第1停止がされた後、第2停止がされたときの演出例である。指標図柄である「スイカ」の図柄は、告知演出開始時からの態様を変化させることなく、少なくとも表示結果が導出されるまで継続して表示される。図20(b)では、第1停止および第2停止に伴って、リール2Lおよびリール2Cの回転が停止しており、無効ラインLM4上にスイカが停止されている。
図20(c)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイ−スイカ−ベル」が表示されて右下がりスイカの入賞が発生したときの演出例である。この場合、指標図柄である「スイカ」が無効ラインLM4上に停止される。また、入賞ラインLN上においてリール2Cのスイカが停止されているから、図20(a)で表示された告知演出が継続して実行されている。
図20(d)は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときの演出例である。図20(d)に示されるように、図20(a)で表示された指標図柄が消去されて、告知演出が終了する。
図20(e)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイ−スイカ−ベル」が表示されて右下がりスイカの入賞が発生したものの、指標図柄である「スイカ」揃いがいずれの無効ラインLM上にも存在しなかったときの演出例である。第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイ−スイカ−ベル」が表示されると、透視窓3の上方に表示されていた指標図柄の「スイカ」の表示に加えて、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「リプレイ−スイカ−ベル」が強調表示される。本実施の形態において、告知演出における強調表示とは、点滅表示することをいう(図20(e)内の点囲いは点滅状態を表しているものとする)。これにより、入賞を発生させた図柄組合せが強調して表示されることにより、いずれのラインにも「スイカ」揃いが存在しないにもかかわらず指標図柄である「スイカ」の表示のみが継続して表示されることにより遊技者を誤解させてしまう不都合の発生を防止できる。なお、図20(e)では、図20(b)で表示されていた指標図柄の「スイカ」が縮小表示されているが、これに限らず、図20(b)で表示されていた指標図柄の「スイカ」を変化させずに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せを強調表示するようにしてもよい。また、図20(c)や(e)で示した告知演出は、次ゲームの開始操作が行われることにより終了する。
図20(f)は、第3停止されて入賞ラインLN上にはずれ目となる「リプレイ−スイカ−リプレイ」が表示されてスイカ入賞が発生しなかったときの演出例である。いずれの入賞も発生しなかったときには、図20(f)に示されるように、図20(a)で表示された指標図柄が消去されて、告知演出が終了する。これにより、ゲーム終了後において告知演出が継続して実行されることにより、入賞が発生しているかのような誤解を遊技者に与えてしまう不都合の発生を防止できる。
次に、パターンB〜Dの告知演出の演出内容について説明する。パターンB〜Dの告知演出実行時には、抽選対象役に対応する指標図柄が、スタートスイッチ7操作時からパターン毎に定められた停止操作がされるまで、液晶表示器51の表示領域51aであって透視窓3の上方に表示される。パターン毎に定められた停止操作とは、停止操作の手順・タイミングや、その後入賞が実際に発生するか否かにかかわらず、パターンBについては第3停止操作が、パターンCについては第2停止操作が、パターンDについては第1停止操作が定められている。
ここで、図21を参照して、パターンCの告知演出の具体例を説明する。図21(a)に示すように、スタートスイッチ7操作によりスイカに当選したときには、指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方に表示されて、告知演出が開始される。
図21(b)は、第1停止操作されたときの演出例であるが、図21(a)で開始された告知演出が継続して実行されている。また、図21(c)は、第2停止操作されたときの演出例であり、図21(a)で表示された指標図柄が消去されて、告知演出が終了する。なお、第1停止操作により停止した出目により入賞が発生しないことが確定しているか否か、第2停止以降の操作手順にかかわらず入賞発生が確定しているか否か、および、実際に入賞発生するか否かなどにかかわらず、パターンCの告知演出は、一律に第2停止時に終了する。パターンBやパターンDについても同様に、スタートスイッチ7操作時に開始された告知演出は、パターンBであれば一律に第3停止時に終了し、パターンDであれば一律に第1停止時に終了する。
次に、パターンYの告知演出の演出内容について説明する。パターンYの告知演出実行時には、抽選対象役に対応する指標図柄が、入賞発生時から次ゲームの開始操作まで、液晶表示器51の表示領域51aであって透視窓3の上方において強調表示される。
ここで、図22を参照して、パターンYの告知演出の具体例を説明する。図22(a)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、無効ラインLM4上に指標図柄である「スイカ」の図柄が停止した状況を示している。図22(b)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイ−スイカ−ベル」が表示されて右下がりスイカの入賞が発生したときの演出例である。この場合、指標図柄である「スイカ」が無効ラインLM4上に停止される。また、入賞ラインLN上においてリール2Cのスイカが停止されているから、指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方において強調表示される。図22(c)は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときの演出例を示しており、図22(b)で開始された告知演出の表示が消えて、告知演出が終了している。
次に、パターンZの告知演出の演出内容について説明する。パターンZの告知演出実行時には、抽選対象役に対応する指標図柄が表示されるとともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せが強調表示される。
ここで、図23を参照して、パターンZの告知演出の具体例を説明する。図23(a)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、いずれの無効ラインLM上においても指標図柄である「スイカ」揃いとなり得ない図柄が停止したときを示している。
図23(b)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイ−スイカ−ベル」が表示されて右下がりスイカの入賞が発生したが、いずれの無効ラインLMにも指標図柄である「スイカ」揃いが停止されていないときの演出例である。この場合、右下がりスイカの入賞が発生しているため指標図柄である「スイカ」の図柄が透視窓3の上方において表示されるが、いずれのライン上にも「スイカ」揃いが停止されていない。このため、指標図柄の「スイカ」の表示とともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「リプレイ−スイカ−ベル」を強調表示する。また、図23(c)に示されるように、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときに消去されて、告知演出が終了する。図23(d)〜(f)は、変形例であるので、後述する。
次に、告知図柄として特定入賞図柄に決定されたときの演出例を説明する。図24を参照して、パターンAの告知演出の具体例を説明する。図24(a)は、スタートスイッチ7操作によりスイカに当選したときに、特定入賞図柄である「ベル」の図柄が透視窓3の上方に表示することにより、告知演出が開始されたときの演出例を示している。
一方、スイカ当選ゲームにおいてスイカ入賞が発生した場合(たとえば、後述する図24(c)の出目停止時)には、入賞ラインLN上に、リール2L〜2Rのいずれの「チェリー」図柄も停止されることがない。このため、図24(a’)に示されるように、スイカ当選ゲームにおける告知演出において、チェリーを表示することはない。図24(c)の出目が停止される際に告知演出の図柄として表示可能な図柄は、入賞ラインLN上に導出されている「リプレイ」「スイカ」「ベル」に限られる。
なお、スイカ当選ゲームにおいては、リール制御上、操作タイミングにかかわらず、入賞ラインLN上に停止されることがない図柄(以下、非停止図柄とも称する)が存在する。スイカ当選ゲームにおいては、たとえば、左リール2Lのチェリーを入賞ラインLN上に停止させるリール制御が行われることがない。左リール2Lのチェリーを入賞ラインLN上に停止することで入賞発生となる中段チェリーに当選していないからである。このため、図24(a’)に示されるように、スイカ当選ゲームにおいては、非停止図柄であるチェリーを表示する告知演出が実行されることはないともいえる。
図24(b)は、第2停止がされても、特定入賞図柄である「ベル」の図柄を、告知演出開始時からの態様を変化させることなく、少なくとも表示結果が導出されるまで継続して表示可能である。図24(c)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイ−スイカ−ベル」が表示されて右下がりスイカの入賞が発生したものの、告知図柄である「ベル」揃いがいずれの無効ラインLM上にも存在しないため、透視窓3の上方に表示されていた特定入賞図柄の「ベル」の表示に加えて、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「リプレイ−スイカ−ベル」が強調表示される。
なお、図24(c)では、図24(b)で表示されていた特定入賞図柄の「ベル」が縮小表示されているが、これに限らず、図24(b)で表示されていた特定入賞図柄の「ベル」を変化させずに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せを強調表示するようにしてもよい。また、図24(c)で示した告知演出は、次ゲームの開始操作が行われることにより終了する。また、図24(c)では、「ベル」揃いは存在しないが、入賞ラインLN上に左リール2Lの「ベル」が停止しているため、第3停止された後においても図24(b)で示す態様をそのまま維持してもよい。入賞ラインLN上に停止されている「ベル」図柄を報知しているため、遊技者を誤解・誤認させてしまうこともない。
図24(d)は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときの演出例である。図24(d)に示されるように、図24(a)で表示された特定入賞図柄が消去されて、告知演出が終了する。
図24(e)は、第3停止されて入賞ラインLN上にはずれ目となる「リプレイ−スイカ−リプレイ」が表示されてスイカ入賞が発生しなかったときの演出例である。いずれの入賞も発生しなかったときには、図24(e)に示されるように、図24(a)で表示された特定入賞図柄が消去されて、告知演出が終了する。これにより、ゲーム終了後において告知演出が継続して実行されることにより、入賞が発生しているかのような誤解を遊技者に与えてしまう不都合の発生を防止できる。
次に、図25を参照して、パターンCの告知演出の具体例を説明する。図25(a)に示すように、特定入賞図柄である「ベル」の図柄が透視窓3の上方に表示されて、告知演出が開始される。図25(b)は、第1停止操作されたときの演出例であるが、図25(a)で開始された告知演出が継続して実行されている。また、図25(c)は、第2停止操作されたときの演出例であり、図25(a)で表示された特定入賞図柄が消去されて、告知演出が終了する。
次に、図26を参照して、パターンYの告知演出の具体例を説明する。図26(a)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、無効ラインLM4上に指標図柄である「スイカ」の図柄が停止し、入賞ラインLN上には左リール2Lの「リプレイ」が停止した状況を示している。
図26(b)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「リプレイ−スイカ−ベル」が表示されて右下がりスイカの入賞が発生したときの演出例である。この場合、入賞ラインLN上においてリール2Rのベルが停止されているから、特定入賞図柄である「ベル」の図柄が透視窓3の上方において強調表示される。入賞ラインLN上に停止されている「ベル」図柄を報知しているため、遊技者を誤解・誤認させてしまうことはない。なお、図26(c)においては、特定入賞図柄の「ベル」の表示に加えて、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「リプレイ−スイカ−ベル」が強調表示されるようにしてもよい。
一方、スイカ当選ゲームにおいてスイカ入賞が発生した場合(たとえば、図26(b)の出目停止時)には、入賞ラインLN上に、リール2L〜2Rのいずれの「チェリー」図柄も停止されていない。このため、図26(b’)に示されるように、スイカ当選ゲームにおける入賞時の告知演出において、チェリーを表示することはない。図26(b)の出目が停止された際に告知演出の図柄として表示可能な図柄は、入賞ラインLN上に導出されている「リプレイ」「スイカ」「ベル」に限られる。
なお、スイカ当選ゲームにおいて入賞が発生した場合においては、入賞ラインLN上に入賞図柄組合せを構成する図柄が停止されており、たとえば、チェリー入賞を発生させる左リール2Lのチェリーが入賞ラインLN上に停止されているはずがない。このため、図26(b’)に示されるように、スイカ当選ゲームにおいて入賞が発生した場合には、スイカ入賞とは無関係であるチェリーを表示する告知演出が実行されることはないともいえる。
次に、図27を参照して、パターンZの告知演出の具体例を説明する。図27(a)〜(c)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、いずれの無効ラインLM上においても指標図柄である「スイカ」揃いとなり得ない図柄が停止したときを示している。このような場合、特定入賞図柄の「ベル」の表示とともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「リプレイ−スイカ−ベル」を強調表示する。また、図27(c)に示されるように、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときに消去されて、告知演出が終了する。図27(d)〜(f)については、変形例であるので後述する。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14(a)〜(c)に示すように、目押し成功となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、左リール2Lと中リール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う。また、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図14(d)〜(f)に示すように、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。このように、成功タイミングとは異なるタイミングでストップスイッチが操作されたときであっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリーリプ当選を示す表示結果が導出される。よって、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
(2) 前述した実施の形態においては、図14(c)に示すように、強チェリーリプ当選時に、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときには、入賞ラインLN上の左リール2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェリー図柄が揃う。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されているか否かに関わらず、右リール2Rにもチェリー図柄を導出することができるので、図14(c),(f)に示すように、右リール2Rに対する制御内容を共通化することができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図17(b)に示すように、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中リール2Cの操作前に入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
(4) 前述した実施の形態においては、図14(c),(f)に示すように、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合にも強チェリーリプの入賞として再遊技役が入賞する。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
(5) 前述した実施の形態においては、図19〜図23で説明した告知演出のように、第3停止操作されて表示結果が導出されたときにおいて、当該表示結果のうちの入賞ラインLN上にない図柄のみを示唆することがない。このため、入賞ラインLN上にない図柄を入賞判定対象となる1ゲームの結果として遊技者を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
(6) 前述した実施の形態においては、パターンAの告知演出のうち図20(a)〜(d)で説明した演出内容によれば、表示結果導出時の告知演出の態様は開始時から変化していない。このため、当該告知演出が遊技の結果を示唆していると遊技者に思わせることがないため、遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。また、指標図柄揃いがいずれのラインにも存在しない場合であっても、図20(e)で説明したようにパターンZと同様の演出内容に切り替える一方、入賞さえも発生しなかった場合には、図20(f)で説明したように告知演出を終了させるため、入賞ラインLN上にない図柄を入賞判定対象となる1ゲームの結果として遊技者を誤認させてしまうことも防止できる。
(7) 前述した実施の形態においては、図21で説明したパターンB〜Dの告知演出によれば、表示結果が導出される以前に告知演出を終了させる。このため、当該告知演出が遊技の結果を示唆していると遊技者に思わせることがないため、遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。また、パターンB〜Dの告知演出は、操作手順や入賞の有無にかかわらず、予め定められたタイミングで終了するため、処理を共通化させることができる。その結果、処理負担を増大させてしまうことを防止できる。
(8) 前述した実施の形態においては、図23で説明したパターンZの告知演出によれば、抽選対象役に対応する指標図柄(図12、図13参照)を表示するとともに、入賞ラインLN上に停止している入賞を発生させる図柄組合せが表示される。このため、パターンZの告知演出が実行されたときには、導出された表示結果にかかわらず、遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。また、図23(b)で示したように、入賞ラインLN上に停止している入賞を発生させる図柄組合せが、指標図柄よりも強調して表示される。このため、指標図柄による示唆によって遊技の結果を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
(9) 前述した実施の形態においては、スイカに当選しているときには、図19(c)で示したように、告知図柄として指標図柄である「スイカ」のキャラクタ画像を表示する告知演出と、告知図柄として右下がりスイカの図柄組合せのうちの右図柄である「ベル」(特定入賞図柄)のキャラクタ画像を表示する告知演出とのうちいずれかを実行可能であり、AT当選しており遊技者にとっての有利度が高いときにおいてのみ特定入賞図柄を告知する告知演出が実行される。このため、指標図柄を告知する告知演出のみならず、遊技者にとっての有利度が高いことを示唆する特定入賞図柄を告知する告知演出を実行可能としつつ、いずれが実行された場合でも示唆される図柄が、右下がりスイカの入賞図柄組合せを構成する図柄であるため、無効ライン上にのみ表示された図柄を示唆してしまうことを防止できる。その結果、入賞ラインLN上には停止されないあるいは停止されていない図柄を遊技の結果として遊技者を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。また、特定入賞図柄は、ベルの指標図柄であるから、特定入賞図柄を告知する告知演出が実行されてベルが入賞せずに、スイカ入賞したときなどにおいて、意外性を遊技者に抱かせつつ、AT当選していることに対する期待感をも遊技者に抱かせることができる。
(10) 前述した実施の形態においては、図20で示したように、右下がりスイカの入賞図柄組合せが入賞ラインLN上に停止されたときには、無効ライン上に「スイカ・スイカ・スイカ」が停止される。このため、右下がりスイカの入賞を発生させる図柄組合せが「スイカ」のみからなる組合せであるかのように印象付けることができ、その結果、特定入賞図柄である「ベル」が告知図柄として告知された後にベルが入賞せずに、スイカ入賞したときの意外性を向上させることができる。
(11) 前述した実施の形態においては、告知演出は、遊技者が注目している液晶表示器51の表示領域に所定画像を表示することにより実行される。このため、遊技者を誤認させてしまう不都合の発生をより確実に防止できる。
(12) 前述した実施の形態においては、図19〜図27などで説明した告知演出によれば、第3停止操作されて表示結果が導出されたときにおいて、当該表示結果のうちの入賞ラインLN上にない図柄のみを示唆することがない。このため、入賞ラインLN上にない図柄を入賞判定対象となる1ゲームの結果として遊技者を誤認させてしまう不都合の発生を防止できる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[リール配列について]
前述した実施の形態では、図2に示すように、右リール2Rにおいてチェリー図柄が引き込み可能な範囲内である5コマ以内に必ず配置されていた。よって、チェリーリプ当選時は、入賞ラインLN上の右リール2Rに必ずチェリー図柄を導出させることが可能であった。しかしながら、右リール2Rに加え、左リール2Lまたは中リール2Cのうち少なくともいずれか一方のリールにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすることで、様々な制御に対応することができる。
たとえば、中リール2Cと右リール2Rとにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすれば、強チェリーリプ当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ−チェリー−チェリーの図柄組合せを導出させることができる。このようにすれば、チェリーリプ当選をより明確に示すことができる。また、弱チェリーリプ当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ−リプレイ−チェリーの図柄組合せを導出させることで、強チェリーリプを取りこぼしたことを示すことができる。また、たとえば、無効ラインLM4にリプレイ図柄が揃いそうな場合に、中リール2C中段にチェリー図柄を導出させることで、チェリーリプ入賞していることを分かりやすくすることができる。このように、図柄配列を変更することで、様々な導出表示に対応させることができ、臨機応変に機械にあった制御を実行することができる。
[告知演出(入賞示唆演出)について]
前述した実施の形態では、告知演出(入賞示唆演出)として、キャラクタ画像を用いた演出を実行することを説明した。しかし、告知演出(入賞示唆演出)は、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御を行い、その点灯色によって示されるようにしてもよい。また、告知演出(入賞示唆演出)は、スタートスイッチ7の操作時に実行されるものではなく、1ゲームにおけるどのタイミングで実行されるようにしてもよい。たとえば、全てのリールが停止後にチェリーリプに当選したことをLEDを赤色に発光させることで示唆するようにしてもよい。
[押し順について]
前述した実施の形態では、図14に示すように、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとのいずれかのタイミングにより、同じ抽選対象役が当選したときであっても、導出される図柄組合せが異なっていた。しかしながら、同じ抽選対象役が当選したときに、押し順(操作手順)により導出される図柄組合せが異なるようにしてもよい。
たとえば、強チェリーリプ当選時の図柄組合せとしてリプレイ−リプレイ−チェリーとチェリー−チェリー−チェリーとを入賞役として設定する。そして、押し順として左第1停止を正解手順として、中および右第1停止を不正解手順とする。このような場合において、強チェリーリプ当選時に左第1停止が実行された場合には、チェリー−チェリー−チェリーを優先的に引込み、中または右第1停止が実行された場合には、リプレイ−リプレイ−チェリーを優先的に引込むようにしてもよい。なお、全てのリールにおいてチェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置すれば、正解手順で操作された場合に、必ずチェリー−チェリー−チェリーを導出させることができる。また、左リール2Lのチェリー図柄の位置においてチェリーリプ入賞が確定するとともに、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれの入賞役であるかが確定するようにしてもよい。
また、図柄の変動表示を特定の押し順で停止させる操作であって、かつ、当該操作が特定のタイミングで操作されたときにのみ正解手順となる表示結果が導出されるようにしてもよい。
[払出し枚数について]
前述した実施の形態では、図14に示すように、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとのいずれのタイミングであっても、入賞が発生することを示した。しかし、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとで、メダルの払出し枚数が異なるようにしてもよい。たとえば、目押し成功となるタイミングで図柄が導出された場合には、目押し失敗となるタイミングで図柄が導出された場合よりも払出し枚数を多くしてもよい。また、押し順についても正解手順では不正解手順よりも払出し枚数を多くしてもよい。また、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとで、メダルの払出し枚数が同じになるようにしてもよい。
[所定入賞について]
前述した実施の形態では、所定入賞として、チェリーリプなどの再遊技役を例示したが、これに限らず、メダルの付与を伴う小役であってもよい。この場合、所定入賞としての小役は、前述した実施の形態において示したチェリーリプやスイカと同じ図柄組合せで構成されるものであってもよい。このような場合、タイミングや押し順に関わらず、複数の可変表示部のうちの特定可変表示部である右リール2Rの表示結果として入賞ラインLN上の識別情報が特定識別情報(チェリー図柄)となる表示結果を導出するようにしてもよい。たとえば、所定入賞としての小役であるチェリーに当選したときに、チェリーの入賞示唆演出を実行する。そして、目押し成功となるタイミングで左リール2Lが停止された場合には、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出し、3枚のメダルを払出せばよい。また、目押し失敗となるタイミングで左リール2Lが停止された場合(左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合)には、メダルの払出しが無いようにすればよい。しかしながら、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合であっても、右リール2Rの入賞ラインLN上にはタイミングに関係なくチェリー図柄を停止させることができる(例えば、リプレイ−リプレイ−チェリーが入賞ラインLNに揃う)ので、チェリー当選の入賞示唆演出と表示結果との誤認が生じることを防止することができる。なお、小役を取りこぼした場合であっても、小役を取りこぼしていない場合に比べ少なからずメダルの払出しがあるようにしてもよい。また、小役を取りこぼした場合であっても、小役を取りこぼしていない場合であっても、同じ枚数のメダルの払出しがあるようにしてもよい。
[所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報について]
前述した実施の形態では、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報として、チェリーリプを発生させる図柄組合せのうちの右リールの図柄である例について説明した。しかし、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報は、所定入賞の発生に関わらない図柄であってもよい。すなわち、所定入賞は、一部のリールに特定識別情報が停止することにより、他のリールに停止した識別情報に関わらず発生するものであってもよく、この場合に所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報は他のリールに停止する図柄であってもよい。より具体的に、たとえば、所定入賞は、チェリー−ANY−ANYと、リプ−ANY−ANYとのいずれでも入賞が発生するものであってもよい。この場合でも、当該所定入賞に当選している場合には、右リール2Rのチェリー図柄を必ず入賞ラインLN上に引き込むようなリール制御を行うようにして、入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
[所定ラインについて]
前述した実施の形態では、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、所定ラインとしての入賞ラインLN上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示され、目押し失敗となるタイミングで停止操作が実行された場合には、右リールのみ入賞ラインLN上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示されていた。しかし、所定ラインは、入賞ラインではなく無効ラインであってもよい。そして、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示され、目押し失敗となるタイミングで停止操作が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示されるようにしてもよい。
[リール停止タイミングについて]
前述した実施の形態では、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合に、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出されていた。しかし、右リール2Rが最初に停止されない場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出されるようにしてもよい。たとえば、第1停止で目押しを失敗し、右リール2Rが第2停止された場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄を導出するようにしてもよい。
[当選示唆演出について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよい。フリーズ演出中においては、リール2L〜2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。
[赤7図柄について]
前述した実施の形態では、いずれかのチェリーリプ当選時は、入賞ラインLNのいずれかにチェリー図柄が停止する場合を説明した。しかし、チェリーリプ当選時に、入賞ラインLNのいずれかにチェリー図柄が導出させなくてもよい。たとえば、中段チェリーリプ当選時の図15(c)において有効ライン上にチェリー図柄が停止しない場合(右リールの上段にチェリー図柄が導出されない場合)を設けてもよい。このような場合、赤7図柄は、チェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。よって、赤7図柄が入賞ラインLN上に停止した場合には、チェリー図柄が導出されていない場合であっても、チェリーリプ当選時にチェリーリプ当選を示唆する入賞示唆演出(たとえば、赤色のキャラクタ画像や赤色のLEDでの報知)を実行することができる。このように、入賞ラインLN上に関連する図柄(色が共通する図柄)があることで、入賞示唆演出を実行しても遊技者の誤認を防止することができる。
[入賞役の種類について]
前述した実施の形態では、スイカの入賞役の種類に右下がりスイカと上段スイカが設定されていてもよい。そして、指標図柄のみを強調表示するパターンYの告知演出は、指標図柄揃いが入賞ラインLNおよび無効ラインLMのいずれかに存在するとき(右下がりスイカ)にのみ実行され、無効ラインLMに存在するとき(上段スイカ)や指標図柄揃い自体が存在しない場合には実行されないようにしてもよい。つまり、示唆対象の指標図柄が入賞ラインLN上にない場合にはパターンYの告知演出が実行されない。その結果、遊技の結果を誤認させることなく、パターンYの告知演出を実行できる。
[示唆態様について]
前述した実施の形態では、告知演出において告知する告知図柄の示唆態様として、指標図柄や特定入賞図柄そのもののキャラクタ画像を表示する例について説明したが、これに限らず、指標図柄や特定入賞図柄を想起可能となるキャラクタ画像を表示するものであってもよい。たとえば、スイカを示唆する場合には、スイカ1玉分のキャラクタ画像を表示するものや、ベルを示唆する場合には、図2に示すベルとは形状が異なるベルのキャラクタ画像を表示するものであってもよく、また、指標図柄や特定入賞図柄と外形が類似する図柄(図2に示されていない図柄を含む)のキャラクタ画像を表示するものであってもよい。なお、外形が類似の図柄とは、外形が共通しているために、需要者である遊技者の視覚を通じて起こさせる美感(印象)が共通する図柄をいい、その結果、観念的に同じ図柄であると認識できる(異なる図柄であると認識し難い)図柄をいう。
また、告知演出において告知する告知図柄の示唆態様としては、指標図柄や特定入賞図柄の一部であって、当該一部から示唆対象を特定可能なキャラクタ画像を表示するものであってもよい。たとえば、スイカを示唆する場合には、スイカの皮の部分を特定可能なキャラクタ画像を表示するものや、ベルを示唆する場合には、ベル1個分を特定可能なキャラクタ画像を表示するものであってもよい。また、示唆する指標図柄や特定入賞図柄に特定キャラクタが含まれるような場合には、当該特定キャラクタの画像を表示するものであってもよい。
また、前述した実施の形態では、告知演出において告知する告知図柄の示唆態様として、指標図柄や特定入賞図柄に対応するキャラクタ画像を表示する例について説明したが、指標図柄や特定入賞図柄に対応する事象を示唆するものであればこれに限らず、指標図柄や特定入賞図柄に対応する色であって、当該図柄を想起させる色を報知するものであってもよい。たとえば、スイカを示唆する場合には、スイカの特徴的な部分である皮の大部分を占める緑色の旗を表示するものや、ベルを示唆する場合には、ベル全体を占める黄色の旗を表示するものであってもよい。このように、示唆対象となる図柄の特徴的な部分の色のうち占有率が最も高い色を示唆するものであってもよく、また、示唆対象となる図柄全体の色のうち占有率が最も高い色を示唆するものであってもよい。
また、指標図柄や特定入賞図柄に対応する事象としては、キャラクタ画像や色に限らず、示唆対象となる図柄のシルエットや、示唆対象となる図柄を特定可能なメッセージ、示唆対象となる図柄の名称を音声で出力するもの、示唆対象となり得る図柄毎にLEDを予め設け、示唆対象となる図柄に対応するLEDを点灯させるものなど、どのようなものであってもよい。また、告知演出のパターン毎に、示唆対象となり得る図柄を示唆する示唆態様を異ならせるようにしてもよい。
[表示結果導出以前から開始される告知演出について]
前述した実施の形態では、表示結果導出以前から開始される告知演出として、スタートスイッチ7操作時に開始されるパターンA〜Dを例示した。しかし、表示結果導出以前から開始される告知演出を開始するタイミングは、スタートスイッチ7操作時に限らず、リール回転開始時、第1停止操作時、第2停止操作時、および、乱数抽選に応じて決定されるタイミングなど、どのようなタイミングであってもよく、パターンA〜D毎に開始タイミングが異なるものであってもよい。
また、遊技者にとっての有利度合いに応じて開始タイミングを異ならせるようにしてもよい。たとえば、AT抽選の有利度合いが高い抽選対象役当選時には、AT抽選の有利度合いが低い抽選対象役当選時よりも、告知演出の開始タイミングが遅くなるようにしてもよい。
[パターンZの演出の変形例について]
パターンZの演出の変形例について、図23(d)〜(f)により説明する。変形例では、入賞ライン、無効ラインが図示のように定められており、図柄配列も前述した実施の形態とは異なるものを前提とする。このような場合に、指標図柄揃いが入賞ラインLNと交差しない無効ラインLM1、LM2に停止したときの具体例を説明する。図23(d)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、無効ラインLM1上において指標図柄である「スイカ」が2つ停止されたときを示している。
図23(e)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「ベル−赤7−リプレイ」が表示されて上段スイカの入賞が発生したとき、つまり指標図柄揃いが無効ラインLM1上に停止されたときの演出例である。この場合、入賞ラインLN上には、指標図柄である「スイカ」が停止されていない。このため、指標図柄の「スイカ」の表示とともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「ベル−赤7−リプレイ」を強調表示する。なお、図23(e)で示した告知演出は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときに消去されて終了する。
また、図23(f)は、図柄組合せを告知図柄よりも大きく表示する演出例である。図23(f)に示すように、告知図柄である「スイカ」を表示する領域よりも、入賞ラインLN上の図柄組合せを表示する領域の方が大きくなるように設定されており、「スイカ」よりも「ベル−赤7−リプレイ」を大きく表示することにより、「ベル−赤7−リプレイ」を目立たせるようにしてもよい。なお、図23(f)における点線で囲まれる領域のうち、狭い領域は、告知図柄を表示する領域を示し、広い領域は、入賞ラインLN上の図柄組合せを表示する領域を示している。この場合においても、入賞ラインLN上の図柄組合せを強調表示するようにしてもよい。
また、パターンZの演出の変形例について図27(d)〜(f)により説明する。変形例では、入賞ライン、無効ラインが図示のように定められており、図柄配列も前述した実施の形態とは異なるものを前提とする。このような場合に、指標図柄揃いが入賞ラインLNと交差しない無効ラインLM1、LM2に停止したときの具体例を説明する。図27(d)は、スイカに当選したゲームにおいて第2停止操作されて、無効ラインLM1上において指標図柄である「スイカ」が2つ停止されたときを示している。
図27(e)は、第3停止されて入賞ラインLN上に「ベル−赤7−リプレイ」が表示されて上段スイカの入賞が発生したとき、つまり指標図柄揃いが無効ラインLM1上に停止されたときの演出例である。この場合、入賞ラインLN上には、特定入賞図柄揃いが停止されていない。このため、特定入賞図柄の「ベル」の表示とともに、入賞ラインLN上に停止している図柄組合せである「ベル−赤7−リプレイ」を強調表示する。なお、図27(e)で示した告知演出は、次ゲームの開始操作としてBET操作がされたときに消去されて終了する。
また、図27(f)は、図柄組合せを告知図柄よりも大きく表示する演出例である。図27(f)に示すように、告知図柄である「ベル」を表示する領域よりも、入賞ラインLN上の図柄組合せを表示する領域の方が大きくなるように設定されており、「ベル」よりも「ベル−赤7−リプレイ」を大きく表示することにより、「ベル−赤7−リプレイ」を目立たせるようにしてもよい。なお、図27(f)における点線で囲まれる領域のうち、狭い領域は、告知図柄を表示する領域を示し、広い領域は、入賞ラインLN上の図柄組合せを表示する領域を示している。この場合においても、入賞ラインLN上の図柄組合せを強調表示するようにしてもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[有利状態について]
前述した例では、有利状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。