JP6613106B2 - 溶融金属の供給方法、取鍋、加圧制御装置及び取鍋の再生産方法 - Google Patents

溶融金属の供給方法、取鍋、加圧制御装置及び取鍋の再生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、ダイカストマシーンに溶融金属を供給する溶融金属の供給方法、取鍋、加圧制御装置及び取鍋の再生産方法に関する。
従来から、ダイカスト工場では、ダイカストマシーンの近くに配置された保持炉(手元炉)に溶融したアルミニウムなどの溶融金属を一旦蓄えておき、保持炉からダイカストマシーンのスリーブに例えばラドルにより供給している(特許文献1参照)。また、保持炉には必要に応じて溶融金属を補充していくことが可能である。
特許文献2に開示された技術は、保持炉からダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を直接供給している。この技術は、保持炉内を加圧してダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を供給する一方で、受湯ホッパーを別途設け、受湯ホッパーを介して保持炉に溶融金属を補充している。
特開2015−100836号公報 特開平6−155005号公報
このような保持炉では、溶融金属をある程度の時間保持することになり、また順次溶融金属が補充されるものの、古い溶融金属が保持炉に残存することになるから、酸化物が発生し、それを除去するための作業が必要になり、また安定した品質が維持できないという問題がある。
また、このような保持炉では、稼働しない日や時間であっても、常に保持炉内を加熱していなければならないため、それに要するエネルギーが大きくなるという問題もある。
更に、このような保持炉では、断熱材や耐火材の張替え作業や清掃等のメンテナンス作業が必要であり、ダイカストマシーンの稼働を止めて行う場合には、生産性が低下する。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、このような問題のある保持炉を不要とする新規技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る溶融金属の供給方法は、フォークリフトにより搬送可能であり、溶融金属を内部に貯留し、外部より内部を加圧することで流路を介して外部に溶融金属を供給する気密型の取鍋を、フォークリフトによりダイカストマシーンの溶融金属供給位置に搬送し、前記取鍋の内部を加圧することで、前記流路を介して前記ダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を直接供給する。
本発明の一形態に係る方法では、可搬性を有する取鍋より流路を介してダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を直接供給しているので、ダイカストマシーンに対する保持炉が不要となり、酸化物の除去作業が不要となり、安定した品質を維持でき、省エネルギーかつメンテナンスフリーを実現することができる。また、このような取鍋は、コンパクトな形態とすることができるので、工場の省スペース化に貢献できる。
本発明の一形態に係る溶融金属の供給方法では、前記取鍋の流路は、当該取鍋の内部の底部付近に流入口及び当該取鍋の外部に吐出口を有するストークと、前記吐出口から吐出される溶融金属を前記ダイカストマシーンのスリーブに案内するための樋部とを有し、前記取鍋は、溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサを有し、前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程は、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されるまで第1の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧する工程と、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき前記第1の圧力より高い第2の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧する工程とを含む。
本発明の一形態に係る方法では、このように第1の湯面検知センサによりストーク内の溶融金属の湯面が吐出口の吐出位置まで達するまでは、実際の供給時の圧力よりも小さな圧力を目標にして加圧して湯面を上昇させ、吐出位置まで達した後にそれよりも大きな圧力を目標に加圧しているので、取鍋からダイカストマシーンのスリーブに供給する溶融金属の量を正確に制御することができ、また供給時間の短縮を図ることができる。
本発明の一形態に係る溶融金属の供給方法では、前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程は、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき、前記取鍋の内部の圧力を計測する工程と、前記計測した圧力に基づき、前記取鍋から前記ダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融金属が所定の量となるように前記第2の圧力及び加圧時間を設定する工程と、前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達してから前記設定した加圧時間を経過したとき、前記取鍋の内部の圧力を開放する工程とを含む。
これにより、取鍋が貯留する溶融金属の残存量や取鍋の個体差による溶融金属の供給量のばらつきを抑え、取鍋からダイカストマシーンのスリーブに供給する溶融金属の量を正確に制御することができる。また、供給時間の短縮を図ることも可能である。
本発明の一形態に係る溶融金属の供給方法では、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する工程を有し、前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程は、前記検知した湯面の高さに基づき前記第1の圧力を設定する工程とを含む。
これにより、第1の圧力を適切な圧力に設定でき、供給タイミングのばらつきを抑えることができる。また、例えば第1の湯面検知センサが故障した場合であっても第1の圧力に達すればその後は取鍋への加圧が停止されるので、取鍋から外部に溶融金属が吐出されるようなことがなくなり、安全性を高めることができる。更に、ストーク内の溶融金属の湯面が第1の湯面検知センサの検知位置まで達しないといった加圧不足による不具合をなくすことができる。
本発明の一形態に係る溶融金属の供給方法では、前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程の前に、前記第1の圧力より小さく、かつ、前記検知した湯面の高さに基づき設定される第3の圧力で前記取鍋の内部を予備的に加圧した状態を維持する。
これにより、供給が始まるタイミングをより早くでき、供給時間を短縮できる。また、取鍋の内部を加圧するためのエアーの消費量を低減することができる。更に、検知した湯面の高さに基づき第3の圧力を設定することで、取鍋が貯留する溶融金属の残存量や取鍋の個体差によるストーク内の溶融金属の湯面の待機高さのばらつきを抑えることができ、供給タイミングのばらつきを抑えることができる。
ここで、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知を、前記溶融金属供給位置に配置された重量計で計測した取鍋の重量に基づき算出してもよい。また、前記取鍋は、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する第2の湯面検知センサを有し、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知を、前記取鍋に設けられた第2の湯面検知センサに基づき行ってもよい。
本発明の一形態に係る取鍋は、上記の溶融金属の供給方法に用いられる気密型の取鍋であって、内部に溶融金属を貯留し、外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなる突出部を有する有底で円筒形状の取鍋本体と、前記取鍋本体の上部の第1の開口部を塞ぐ蓋と、前記取鍋本体の内部の底部付近に流入口及び前記突出部の上面に外部に露出した吐出口を有し、前記突出部の外部側の傾斜(外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなることによる傾斜)にほぼ平行になるように前記取鍋本体の内部の前記突出部に応じた位置に配置された前記流路を構成するストークと、前記吐出口から吐出された溶融金属を前記ダイカストマシーンのスリーブに案内するための前記流路を構成する樋部と、溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサとを具備する。
特にダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融金属の温度管理を正確に行う必要があるが、本発明の一形態に係る取鍋では、取鍋の流路としてストーク及び樋部により構成し、突出部を設けて溶融金属が外気に晒される樋部の長さを短くすることで、このような温度管理を正確に行うことができ、また取鍋のコンパクト化も可能である。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記ストークは、前記突出部の傾きとほぼ平行になるように配置され、前記蓋は、前記突出部に対応する位置の部分が外周から遠ざかるに従い下方に所定角度傾斜し、前記樋部は、前記蓋の傾斜とほぼ平行になるように傾斜している。
これにより、樋部での重力による溶融金属の流れを十分に保つ一方で、突出部上面より上方に突き出す部材の高さが高くなることを抑えることができる。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記蓋は、ほぼ中央に第2の開口部を有し、当該取鍋は、前記第2の開口部を開閉自在に塞ぎ、かつ加圧ポートが設けられたハッチを具備する。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記ハッチを介して取鍋の内部に挿入されたヒータ及び熱電対を具備し、前記ヒータは、前記ハッチのほぼ中央に位置し、前記熱電対は、前記ヒータと前記ストーブの流入口との間に位置する。
本発明の一形態に係る取鍋では、ヒータがハッチのほぼ中央に位置することで、均一に溶融金属を加熱することができる。また、熱電対がヒータとストークの流入口との間に位置することで、ダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融金属の温度をより正確に計測することが可能となる。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記ハッチは、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する第2の湯面検知センサを有する。
このように、ハッチに第2の湯面検知センサを設けることで、第2の湯面検知センサの表面に設けられたガラス等に溶融金属が付着するような不具合を、ハッチを開けるたびに確認することができる。
本発明の一形態に係る加圧制御装置は、フォークリフトにより搬送可能であり、溶融金属を内部に貯留し、外部より内部を加圧することで流路を介して外部に溶融金属を供給する取鍋であって、前記流路が、当該取鍋の内部の底部付近に流入口及び当該取鍋の外部に吐出口を有するストークと、前記吐出口から吐出される溶融金属をダイカストマシーンのスリーブに案内するための樋部とを有し、溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサを有する取鍋から、前記ダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を直接供給するシステムに用いられる加圧制御装置であって、前記第1の湯面検知センサにより溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことの検知結果を入力する入力部と、前記入力部により検知結果が入力されたとき、前記取鍋の内部を加圧する圧力の目標値を変える制御部とを具備する。
これにより、取鍋が貯留する溶融金属の残存量や取鍋の個体差による溶融金属の供給量のばらつきを抑え、取鍋からダイカストマシーンのスリーブに供給する溶融金属の量を正確に制御することができる。また、供給時間の短縮を図ることも可能である。
本発明の一形態に係る加圧制御装置では、前記制御部は、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されるまで第1の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧し、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき前記第1の圧力より高い第2の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧するように制御する。
このように湯面検知センサによりストーク内の溶融金属の湯面が吐出口の吐出位置まで達するまでは、実際の供給時の圧力よりも小さな圧力を目標にして加圧して湯面を上昇させ、吐出位置まで達した後にそれよりも大きな圧力を目標に加圧しているので、取鍋が貯留する溶融金属の残存量や取鍋の個体差による溶融金属の供給量のばらつきを抑え、取鍋からダイカストマシーンのスリーブに供給する溶融金属の量を正確に制御することができる。また、供給時間の短縮を図ることも可能である。
本発明の一形態に係る加圧制御装置では、前記システムは、前記取鍋の内部の圧力を計測するための計測部を有し、前記入力部は、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき、前記計測部による計測結果を入力し、前記制御部は、前記計測した計測結果に基づき、前記取鍋から前記ダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融金属が所定の量となるように前記第2の圧力及び加圧時間を設定し、前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達してから前記設定した加圧時間を経過したとき、前記取鍋の内部の圧力を開放するように制御する。
これにより、取鍋が貯留する溶融金属の残存量や取鍋の個体差による溶融金属の供給量のばらつきを抑え、取鍋からダイカストマシーンのスリーブに供給する溶融金属の量を正確に制御することができる。また、供給時間の短縮を図ることも可能である。
本発明の一形態に係る加圧制御装置では、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する検知部を有し、前記制御部は、前記検知した湯面の高さに基づき前記第1の圧力を設定する。
これにより、第1の圧力を適切な圧力に設定でき、供給タイミングのばらつきを抑えることができる。また、ストーク内の溶融金属の湯面が第1の湯面検知センサの検知位置まで達しないといった加圧不足による不具合をなくすことができる。
本発明の一形態に係る加圧制御装置では、前記制御部は、前記第1の圧力より小さく、かつ、前記検知した湯面の高さに基づき設定される第3の圧力で前記取鍋の内部を予備的に加圧した状態を維持するよう制御する。
これにより、供給が始まるタイミングをより早くでき、供給時間を短縮できる。また、取鍋の内部を加圧するためのエアーの消費量を低減することができる。更に、検知した湯面の高さに基づき第3の圧力を設定することで、取鍋が貯留する溶融金属の残存量や取鍋の個体差によるストーク内の溶融金属の湯面の待機高さのばらつきを抑えることができ、供給タイミングのばらつきを抑えることができる。
本発明の一形態に係る取鍋は、フォークリフトにより搬送可能な気密型の取鍋であって、有底の円筒形状で、かつ、外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなる突出部を有し、上部に突出部に対応する部分も含めて第1の開口部を有し、内側に溶融金属を貯留するプレキャストブロックの耐火部材を有する取鍋本体と、前記第1の開口部を塞ぎ、当該突出部に対応する位置にストーク用の孔が設けられた蓋と、前記取鍋本体の内部の底部付近に流入口及び前記孔を介して外部に露出した吐出口を有し、前記突出部の外部側の傾斜にほぼ平行になるように前記取鍋本体の内部の前記突出部に応じた位置に配置されたストークと、前記吐出口から吐出された溶融金属を所定の位置に案内するための樋部と、溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサとを具備する。
このように取鍋の流路としてストーク及び樋部により構成し、突出部を設けて溶融金属が外気に晒される樋部の長さを短くすることで、供給される溶融金属の温度管理を正確に行うことができる、また取鍋のコンパクト化も可能である。また、取鍋本体が、上部に突出部に対応する部分も含めて第1の開口部を有し、そこからその内側に溶融金属を貯留するプレキャストブロックの耐火部材を有することから、耐火部材の交換が容易であり、メンテンス、すなわち取鍋の再生産を容易に行うことができる。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記蓋は、前記突出部に対応する位置の部分が外周から遠ざかるに従い下方に所定角度傾斜し、前記樋部は、前記蓋の前記傾斜とほぼ平行になるように傾斜している。
これにより、樋部での重力による溶融金属の流れを十分に保つ一方で、突出部上面より上方に突き出す部材の高さが高くなることを抑えることができる。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記蓋は、ほぼ中央に第2の開口部を有し、当該取鍋は、前記第2の開口部を開閉自在に塞ぎ、かつ加圧ポートが設けられたハッチを具備する。
これにより、加圧ポートが詰まりにくく、かつハッチを開いた際に詰まりの確認を目視により行うことができる。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記ハッチを介して取鍋の内部に挿入されたヒータ及び熱電対を具備し、前記ヒータは、前記ハッチのほぼ中央に位置し、前記熱電対は、前記ヒータと前記ストークの流入口との間に位置する。
本発明の一形態に係る取鍋では、ヒータがハッチのほぼ中央に位置することで、均一に溶融金属を加熱することができる。また、熱電対がヒータとストーブの流入口との間に位置することで、ダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融金属の温度をより正確に計測することが可能となる。
本発明の一形態に係る取鍋では、前記ハッチは、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する第2の湯面検知センサを有する。
本発明の一形態に係る取鍋の再生産方法は、上記の取鍋を再生産する方法であっって、前記取鍋本体より前記蓋を外し、前記第1の開口部を介して前記取鍋本体より前記プレキャストブロックの耐火部材を外し、前記第1の開口部を介して前記取鍋本体内に新たな前記プレキャストブロックの耐火部材を挿入する。
これにより、取鍋を非常に簡単な工程で再生産することが可能となる。
本発明によれば、ダイカストマシーンに対する保持炉が不要となり、酸化物の除去作業が不要となり、安定した品質を維持でき、省エネルギーかつメンテナンスフリーを実現することができる。また、このような取鍋は、コンパクトな形態とすることができるので、工場の省スペース化に貢献できる。
本発明の一実施形態に係る取鍋の側面図である。 図1の上面図である。 図1の正面図である。 図2のA−A断面図である。 図1〜図4に示した取鍋の蓋、ストーク及び樋部の一部分を拡大して示す断面図である。 図1〜図4に示した取鍋の供給工程を示すフロー図である。 ダイカストマシーンの溶融アルミニウム供給位置に取鍋を搬送した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る加圧制御装置の構成を示す図である。 図8に示した加圧制御装置の制御部117による制御動作を説明するためのフロー図である。 本発明の一実施形態に係る取鍋本体を上面から見た図である。 本発明の一実施形態に係る取鍋への加圧制御を説明するためのグラフである。 本発明の一実施形態に係るシステムにおける供給補助具の側面図である。 本発明の一実施形態に係るシステムにおける取鍋に供給補助具を装着した状態を示す側面図である。 図13の正面図である。 本発明の他の実施形態に係る取鍋の断面図である。 本発明の更に別の実施形態に係る取鍋の断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
(取鍋の構成)
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係る取鍋を示す図であり、図1は側面図、図2は上面図、図3は正面図、図4は図2のA−A断面図である。
これらの図に示すように、取鍋1は、フォークリフト(図示を省略)により搬送可能な気密型の取鍋であり、取鍋本体10と、蓋20と、流路30としてのストーク31及び樋部32と、湯面検知センサ40と、ハッチ50とを有する。
取鍋1は、底部の外面にほぼ平行に取り付けられた2本のチャンネル部材2を有する。2本のチャンネル部材2の間隔は、フォークリフトの2本のフォークの間隔に一致する。フォークリフトは、各チャンネル部材2にフォークリフトのフォークを挿入して取鍋1を工場内で搬送し、またトラックの荷台からの取鍋1の上げ下ろしを行う。また、取鍋1は、外周及び高さが例えば1.5m前後であり、その内部に溶融金属である溶融アルミニウムを貯留するものであり、大きさ及び重量からして一般的なフォークリフトによって搬送可能なものである。
取鍋1は、一体的なものではなく、各種の部品によって構成されるものであるが、これらの部品は溶接やパッキンを介在させた固定等よって取鍋1の内部が気密構造とされている。
取鍋本体10は、有底で円筒形状であり、内部に溶融アルミニウムを貯留する。また、取鍋本体10は、外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなる突出部11を有する。突出部11は、上面から見た形状がほぼ台形であり、上部から下部に向かって面積が徐々に少なくなる。そして、この突出部11は、取鍋本体10の高さの下から1/3程度の位置まで存在し、その傾斜角度は例えば垂直方向から25°程度である。
取鍋本体10は、外周の鉄皮12と、その内側の断熱部材13と、その内側の耐火部材14と、断熱部材13と耐火部材14との間に介挿された介挿部材15とを有する。取鍋本体10の内側(耐火部材14の内側)は、取鍋本体10の外周形状とほぼ相似した内周形状となっており、突出部11に対応する位置にも空間11aを有し、これらの内側空間に溶融アルミニウムを貯留する。
蓋20は、取鍋本体10の上部の突出部11も含めた第1の開口部20aを塞ぐような形状を有している。蓋20は、上方に凸状の空間を有し、その外周は取鍋本体10の外周と一致しており、これらの外周同士で内部空間を塞いでいる。具体的には、取鍋本体10の外周のフランジ16の上にパッキン(図示せず)を介して蓋20の外周のフランジ21を重ね、これらのフランジ16,21をボルトとナットの固定具3により複数箇所固定している。
蓋20は、当該突出部11に対応する位置にストーク用の孔22が設けられ、この部分23が外周から遠ざかるに従い下方に所定角度、例えば水平方向から25°程度傾斜している。
蓋20は、ほぼ中央に第2の開口部20bを有する。第2の開口部20bは、ハッチ50により開閉自在に塞がれる。この取鍋1に対する溶融アルミニウムの供給は、この第2の開口部20bを介して行われる。また、この取鍋1の内部のメンテンナンスや簡単な補修もこの第2の開口部20bを介して行われる。また、この第2の開口部20bを介して予熱時のガスバーナの挿入が行われるようになっている。なお、取鍋1に対する溶融アルミニウムの供給は、流路30を介し、取鍋1の内部を減圧することで行うことも可能である。
蓋20は、外周の鉄皮24と、その内側の断熱部材25と、その内側の耐火部材26とを有する。取鍋本体10とは、異なり断熱部材25と耐火部材26との間には介挿部材が挿されていない。後述するように、取鍋本体10は、断熱部材及び耐火部材の張替えが必要であり、その際に介挿部材が必要であるが、蓋20は、取鍋本体10とは異なり溶融アルミニウムを保持する部分ではなく、そのような張替えの機会が少ないからである。また、蓋20は、取鍋本体10ほどの深さもなく、張替えは容易だからである。
流路30は、取鍋1の外部より内部が加圧されることで、取鍋1の内部に貯留された溶融アルミニウムを外部に流通させるものであり、取鍋1の内部を加圧することで、流路30を介してダイカストマシーンのスリーブに溶融アルミニウムが直接供給する。流路30は、ストーク31と、樋部32とを有する。
ストーク31は、例えばセラミック製で配管構造であり、取鍋本体10の内部の底部付近に流入口31a及び蓋20に設けられた孔22を介して傾斜部分23より外部に露出した吐出口31bを有する。ストーク31の内径が例えば60mm程度であるのに対して流入口31aはその3分の1程度の20mm程度としている。これにより、ストーク31を介して外部に溶融アルミニウムを安定して吐出することができる。つまり、取鍋1の内部加圧に対する溶融アルミニウムの単位時間当りの吐出量を所望の量に近づけることができる。また、ストーク31は、突出部11の外部側の傾斜にほぼ平行になるように取鍋本体10の内部の突出部11に応じた位置(空間11a)に配置されている。具体的には、例えばストーク31は、その上部が突出部11側の方向に垂直方向からほぼ25°程度傾いて配置されている。
樋部32は、吐出口31bから吐出された溶融アルミニウムを所定の位置に案内するためのものである。樋部32は、蓋20の傾斜部分23の傾斜とほぼ平行になるように傾斜している。つまり、樋部32は、水平方向から25°程度傾斜し、ストーク31とは90°程度の角度をなしている。
図5は、蓋20、ストーク31及び樋部32の一部分を拡大して示す断面図である。
図5に示すように、ストーク31の吐出口31bより少し下方でその外周は、蓋20に設けられた孔22に挿入される位置に耐火部材31cが取り付けられてこの耐火部材31cにより包囲されている。耐火部材31cの長さは、蓋20の厚さとほぼ一致している。この耐火部材31cの上面部には、フランジ31dが取り付けられている。ストーク31は、このフランジ31dを介して蓋20のフランジ21aに取り付けられている。具体的には、パッキン(図示せず)を介してストーク31のフランジ31dを蓋20のフランジ21aの上に重ね、ボルト(図示せず)により複数箇所を締結している。
また、樋部32は、ストーク31のフランジ31dの上に樋部32の固定部32cを重ね、ボルト(図示せず)により複数箇所を締結することで、ストーク31に固定されている。樋部32を蓋20より着脱自在な構造とし、取鍋1の搬送時には取鍋1から樋部32を外すようにしてもよい。これにより、よりコンパクトな形態で取鍋1を搬送することが可能となる。
湯面検知センサ40は、溶融アルミニウムMの湯面Sが吐出口31bの吐出位置Posに達したことを検知する。湯面検知センサ40は、例えば蓋20の傾斜部分23に取り付けられ、2本の電極41の先端が上方から吐出位置Posまで位置している。
なお、ストーク31の吐出口31bは、例えば蓋20の傾斜部分23に取り付けられたキャップ(図示せず)により塞がれるようになっている。キャップは、例えばレバーの操作によってストーク31の吐出口31bより開閉自在となっている。取鍋1を搬送する際には、キャップでストーク31の吐出口31bを塞ぐことで揺れなどによりストーク31の吐出口31bから溶融アルミニウムが溢れ出ることなどを防止できる。
ハッチ50は、蓋20に設けられた第2の開口部20bを開閉自在に塞ぐ。ハッチ50は、鉄皮50aの内側に耐火部材50bを配置して構成される。このハッチ50は、蓋20の上面よりも少し高い位置に設けられている。ハッチ50の外周の1ヶ所は、ヒンジ52を介して蓋20に取り付けられている。また、ハッチ50の外周の4箇所には、レバー式の固定具(図示せず)が取り付けられている。これにより、ハッチ50が蓋20の第2の開口部20bに対して開閉自在とされ、固定具により第2の開口部20bにハッチ20を固定し、かつ第2の開口部20bを気密に閉じることができる。
上記のヒンジ52に関しては、例えば取鍋1を上面から見て突出部11の設けられた方向を前方としたときに、ヒンジ52の取り付け位置は、取鍋1の後方にある。これにより、特にハッチ50を第2の開口部20bより開くときには通常取鍋1に溶融アルミニウムが貯留されていないときであるから取鍋1が軽くて倒れやすいが、ハッチ50を第2の開口部20bより開いたときに、突出部11とハッチ50とでバランスがとれ、取鍋1が倒れにくくなり、安全性を高めることができる。
ハッチ50は、加圧ポート53、ヒータ54及び熱電対55が取り付けられている。
加圧ポート53は、取鍋1の内部空間を加圧するための気体を供給するための気体流路である。例えば、加圧ポート53は、取鍋1の搬送時には、気体は通過するが溶融アルミニウムは通過しない金属タワシのような規制部材が内部に介挿されたキャップにより塞ぐ。また、ヒータ54は、ハッチ50を介して取鍋1の内部に挿入され、取鍋1の内部に貯留された溶融アルミニウムを加熱する。熱電対55は、ハッチ50を介して取鍋1の内部に挿入され、取鍋1の内部に貯留された溶融アルミニウムの温度を計測する部材として用いられる。ヒータ54及び熱電対55の先端は、取鍋1の内部の底部に近い位置まで伸びている。
ヒータ54は、ハッチ50のほぼ中央に位置している。これにより、取鍋1の内部に貯留された溶融アルミニウムをより均一に加熱できるようになっている。また、熱電対55は、ヒータ54とストーク31の流入口31aとの間に位置する。これにより、取鍋1の内部からストーク31を介して外部に供給される溶融アルミニウムの温度をより正確に計測することができる。
ヒータ54及び熱電対55は、ハッチ50から容易に着脱可能とされている。例えば、取鍋1の搬送時には、ヒータ54及び熱電対55をハッチ50から外して、その開口をキャップにより閉じれば、よりコンパクトかつ軽量で取り扱い容易となる。一方、ヒータ54及び熱電対55をハッチ50に取り付けたまま、取鍋1の搬送を行うようにしてもよい。
(供給方法)
次に、このように構成された取鍋1を用いて溶融アルミニウムをダイカストマシーンに供給する方法を説明する。
この方法は、溶融アルミニウムを供給する供給工場で取鍋1をトラックに載せて公道を搬送し、その後ダイカスト工場内で取鍋1をトラックより降ろす。そして、フォークリフトでその取鍋1をダイカストマシーンの前に運び、取鍋1から一旦保持炉に溶融アルミニウムを保持させるのではなく、取鍋1からダイカストマシーンのスリーブにワンショット単位で溶融アルミニウムを供給する。
供給工場には、アルミニウムを溶融し、その溶融アルミニウムを取鍋1に供給するための溶解炉及び取鍋1の予熱の設備等が設けられている。
図6は取鍋1の供給工程を示すフロー図である。
まず、取鍋1のハッチ50を開き、第2の開口部20bを介して取鍋1の内部にガスバーナを挿入し、ガスバーナによって取鍋1の内部を予熱する(S601)。なお、ガスバーナに代え電気ヒータを用いてもよい。電気ヒータを用いることで取鍋1の内部に残留する溶融アルミニウムの酸化を防ぐことができ、酸化アルミニウムの堆積を防ぐことができる。
次に、溶解炉より、第2の開口部20bを介して取鍋1の内部に溶融アルミニウムを供給する(S602)。
次に、フォークリフトにより、この取鍋1を搬送用のトラックに載せる(S603)。
そして、トラックにより、公道を介してダイカスト工場に取鍋1を搬送する(S604)。
次に、フォークリフトにより、トラックから取鍋1を降ろす(S605)。
次に、ダイカスト工場内で、フォークリフトにより、ダイカストマシーンの溶融アルミニウム供給位置まで取鍋1を搬送する(S606)。
そして、取鍋1の内部を加圧することで、流路30を介してダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を直接供給する(S607)。
図7はダイカストマシーンの溶融アルミニウム供給位置に取鍋1を搬送した状態を示している。
図7に示すように、ダイカストマシーン100は、金型101に対して溶融アルミニウムを供給するための射出部102を有する。射出部102は、上部に注入口を有する円筒状のスリーブ103と、スリーブ103内の溶融アルミニウムを金型101に射出するためのプランジャー104と、スリーブ103に取鍋1より供給された溶融アルミニウムを案内する樋部103aとを有する。なお、樋部103aを介することなくスリーブ103に取鍋1から溶融アルミニウムを供給するように構成してもよい。直接供給とは、いずれの場合も含む意味である。
ダイカストマシーン100の溶融金属供給位置としての溶融アルミニウム供給位置105には、取鍋1の重量を計測するための重量計106が配置されている。
取鍋1は、フォークリフトにより、この溶融アルミニウム供給位置105にある重量計106まで搬送され、重量計106の上に載せられる。
そして、供給前に、樋部32の先端をスリーブ103に設けられた樋部103aの先端部に位置させ、図8に示すように、エアー供給口116に接続された加圧用のエアーホース111と加圧ポート53とを接続し、制御部117の入力部112に接続された配線113と湯面検知センサ40とを接続し、加圧制御装置110の電力供給用配線(図示せず)とヒータ54とを接続し、加圧制御装置110の内部温度検出用配線(図示せず)と熱電対55とを接続する。制御部117の入力部114には、配線115を介して重量計106が接続され、この入力部114を介して重量計106で計測された重量データが制御部117に取り込まれるようになっている。
(加圧制御装置の構成)
図8に示した加圧制御装置110は、取鍋1からダイカストマシーン100のスリーブ103に溶融アルミニウムを直接供給するシステムに用いられる。加圧制御装置110は、ダイカストマシーン100の制御部(図示せず)からの注湯指令に応じて注湯を制御する。
ここで、工場側から供給される加圧用のエアーの供給源121とエアー供給口116との間は、配管120により接続されている。
配管120には、元バルブ122、フィルタレギュレータ123、加圧バルブ124、電空レギュレータ(レンクレギュレータ)125、ハイリリーフレギュレータ126、リリーフバルブ127、リークバルブ(大気開放)128、三方弁(大気開放)129、ストレーナ130が配置されている。配管120には、圧力計131、圧力スイッチ132、圧力センサ133、圧力計134が設けられている。
圧力センサ133は、エアーホース111を介して取鍋1の内部の圧力を計測する。圧力センサ133により計測された結果は、制御部117の入力部118に入力される。入力部118は、湯面検知センサ40によりストーク31内の溶融アルミニウムの湯面が吐出口の吐出位置Posまで達したことが検知されたときに、圧力センサ133により計測された計測結果を入力する。
制御部117は、湯面検知センサ40による検知結果を入力する入力部112と、入力部112により入力された検知結果に応じて取鍋1の内部を加圧する圧力を可変する制御部117とを有する。制御部117は、例えばPLCを使用したシーケンス制御を行う。制御部117は、上記のとおり工場側から供給される加圧用のエアーを使用し、ハイリリーフレギュレータ126及びリークバルブ128等を制御することで、取鍋1への加圧圧力と加圧時間を制御し、溶融アルミニウムの供給量を制御する。ハイリリーフレギュレータ126については、制御部117が電空レギュレータ125の開度を制御することで、電空レギュレータ125によりハイリリーフレギュレータ126の開度が制御され、取鍋1への加圧圧力が制御される。
図9は、制御部117による制御動作を説明するためのフロー図である。
溶融アルミニウム供給位置105にある重量計106に取鍋1を載せ、ダイカストマシーン側から制御部117に開始命令が入力されると(S901)、予備的な圧力である第3の圧力Pを設定する(S902)。制御部117は入力部114を介して重量計106からの重量データを入力し、この重量データに基づき現在の取鍋1の溶融アルミニウムの湯面の高さを推定する。制御部117はその溶融アルミニウムの湯面の高さに基づき予備的な圧力である第3の圧力Pを設定する。予備的な圧力である第3の圧力Pとは、例えば図5に示した吐出口31bの吐出位置Posより手前、例えば高さが10cmほど低い位置であり、この位置を待機位置Posとする。
次に、制御部117は第3の圧力Pを目標にして取鍋1の内部を予備的に加圧する(S903)。制御部117は加圧バルブ124、電空レギュレータ125及びリークバルブ128の開閉を制御することで、第3の圧力Pを目標にして取鍋1の内部を予備的に加圧する。制御部117は加圧バルブ124を開き、電空レギュレータ125の開度を所定の量とし、リークバルブ128を閉じるように制御する。電空レギュレータ125によりハイリリーフレギュレータ126の開度が制御される。そして、配管120及びエアーホース111を介して取鍋1の内部への加圧が開始される。
圧力センサ133により計測された取鍋1の内部の圧力が第3の圧力Pに達すると、制御部117は取鍋1の内部への加圧を完了する(S904)。制御部117が加圧バルブ124及び電空レギュレータ125を閉じるように制御し、取鍋1の内部への加圧が完了する。取鍋1の内部は予備的な圧力である第3の圧力Pに設定され、制御部117はダイカストマシーンから注湯司令を待つ。
制御部117はダイカストマシーン100の制御部(図示せず)から注湯司令を受けると(S905)、入力部114を介して重量計106からの重量データを入力し、この重量データに基づき現在の取鍋1の溶融アルミニウムの湯面の高さを推定する。制御部117はその溶融アルミニウムの湯面の高さに基づき第1の圧力Pを設定する(S906)。これにより、第1の圧力Pを適切な圧力に設定でき、供給タイミングのばらつきを抑えることができる。また、ストーク31内の溶融アルミニウムの湯面が湯面検知センサ40の検知位置まで達しないといった加圧不足による不具合をなくすことができる。
図5に示したように、ストーク31内の溶融アルミニウムMの湯面Sが吐出口31bの吐出位置Posまで達したことが湯面検知センサ40により検知されるまで、制御部117は第1の圧力Pを目標にして取鍋1の内部の加圧を開始する(S907)。上記と同様に、制御部117は加圧バルブ124を開き、電空レギュレータ125の開度を所定の量となるように制御する。そして、配管120及びエアーホース111を介して取鍋1の内部への加圧が第1の圧力Pを目標にして開始される。
ストーク31内の溶融アルミニウムの湯面Sが吐出口31bの吐出位置Posまで達したことが湯面検知センサ40により検知されると(S908)、制御部117は圧力センサ133により計測された現在の取鍋1の内部の圧力Pxの値を入力して記憶し、更に制御部117は本加圧(第2の圧力P)に切り替え(S909)、注湯タイマをスタートさせる。
図11に示すように、本加圧の開始時間をtxとする。そのときの圧力は上記のようにPxである。ここで、ダイカストマシーン100への1回の注湯量Wとしたとき、制御部117は注湯量Wから注湯時の流量Qを設定する。制御部117はこの設定した注湯時の流量Qとなるように取鍋1内部の実際の圧力Pxからの増加分βを決める(第2の圧力P=Px+β)。制御部117は注湯タイマの時間αを基本的には注湯量W/流量Qから設定する。ただし、その際に湯切れするまでにダイカストマシーン100側に供給されてしまう量も考慮して注湯タイマの時間αを設定する。
制御部117は第2の圧力Pを目標にして取鍋1内部への加圧を開始し、取鍋1内部は第2の圧力Pに達する。その後、制御部117は注湯タイマがタイムアップすると(S910)、取鍋1からダイカストマシーン100のスリーブ103への溶融アルミニウムの供給を停止する(S910)。制御部117は加圧バルブ124を閉じて及びリークバルブ128を開くように制御し、供給を停止する。
ここで、制御部117は入力部114を介して重量計106からの重量データを入力し、この重量データに基づき現在の取鍋1の溶融アルミニウムの湯面の高さを推定する。そして、取鍋1の溶融アルミニウムの湯面の高さが下限レベルLに達していないかを確認する(S911)。下限レベルLとは取鍋1内の溶融アルミニウムが実質的に空の状態であり、
取鍋1の溶融アルミニウムの湯面の高さが下限レベルLに達している場合には、制御部117は取鍋1内の圧力が完全にリークするまで加圧バルブ124を閉じて及びリークバルブ128を開くように制御する。
一方、取鍋1の溶融アルミニウムの湯面の高さが下限レベルLに達していない場合には、制御部117は取鍋1内の圧力が第3の圧力になるまでリークし(S911)、その後リークバルブ128を閉じるように制御する。そして、制御部117はステップ905のダイカストマシーン100の制御部(図示せず)からの注湯司令を待つ状態となる。
本実施形態では、予備的な圧力による加圧が、供給時を除き、当該取鍋1が実質的に空になるまで、つまり次の取鍋1と交換しなければいけないようになるまで行われる。これにより、供給が始まるタイミングをより早くでき、供給時間を短縮できる。また、取鍋1の内部を加圧するためのエアーの消費量を低減することができる。更に、検知した湯面の高さに基づき第3の圧力を設定することで、取鍋1が貯留する溶融アルミニウムの残存量や取鍋1の個体差によるストーク内の溶融アルミニウムの湯面の待機高さのばらつきを抑えることができ、供給タイミングのばらつきを抑えることができる。
また、本実施形態では、ストーク31内の溶融アルミニウムMの湯面Sが吐出口31bの吐出位置Posまで達したときの圧力をPxとすると、
>Px
となるように、第1の圧力Pが設定されている。このように第1の圧力Pを設定することで、例えば湯面検知センサ40が故障した場合であっても第1の圧力Pに達すればその後は取鍋1への加圧が停止されるので、取鍋1から外部に溶融アルミニウムが吐出されるようなことがなくなり、安全性を高めることができる。第1の圧力を適切な圧力に設定でき、供給タイミングのばらつきを抑えることができる。
更に、本実施形態では、制御部117が本加圧において第2の圧力Pを目標にして、所定時間αの間、取鍋1の内部を加圧するように制御することで、取鍋1からダイカストマシーン100のスリーブ103に所定の量の溶融アルミニウムを供給している。その際、制御部117は、取鍋1の内部の実際の圧力Pxを基準とし、このPxから実際の供給量に応じて第2の圧力P及び時間αを設定しているので、取鍋1が貯留する溶融アルミニウムの残存量や取鍋1の個体差による溶融アルミニウムの供給量のばらつきを抑え、取鍋1からダイカストマシーン100のスリーブ103に供給する溶融アルミニウムの量を正確に制御することができる。また、第2の圧力Pの値を適切な値に設定することで、供給時間の短縮を図ることも可能である。
(取鍋の製造方法)
次に、取鍋1の製造方法を説明する。
有底円筒形状で、外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなる突出部11を有し、この突出部11に対応する部分についても上方が開口する取鍋本体10の鉄皮12の内側に断熱部材13を敷設する。これは、例えば複数の断片を鉄皮12の内側に敷設してモルタルなどの接着剤によって張り合わせて形成する。
次に、断熱部材13の内側底面に、粒状態又は粉状態の熱硬化性のバインダからなる耐火断熱部材(介挿部材15の一部分)を敷く。
次に、介挿部材15の内側にプレキャストブロックとして一体形成されている耐火部材14を挿入する。プレキャストブロックとしての耐火部材14は、有底円筒形状で、外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなる突出部11に対応する部分を有し、その部分の内側に空間11aを有し、この突出部11に対応する部分の空間11aについても上方が開口する。
なお、耐火部材14としては、セラミクス等の材料からなる成形品を挙げることができる。ここでセラミクスとは、焼結、成形などの工程を経て得られる非金属無機材料をいい、例えばAl2O3、SiO2、SiC、SiN、Si3N4、TiN、TiO2、カーボン、グラファイトから選ばれる少なくとも1種を主成分の1つとして含むものである。また、いわゆる不定形耐火物の成形品又は焼結品もここではセラミクスに含めて取り扱う。耐火部材14としては、強度、耐アルミ性(アルミニウムに対する非ぬれ性、反応性)、耐スポーリング性のよい材料が好ましい。
次に、断熱部材13と耐火部材14との間の隙間に粒状態又は粉状態の耐火断熱部材(介挿部材15の一部分)を流し込み、振動等によってこの隙間を耐火断熱部材で埋める。
図10は蓋20が取外された状態の取鍋本体10を上面から見た図である。同図に示すように、この取鍋本体10では、鉄皮12内の断熱部材13、介挿部材15及び耐火部材14が突出部11に対応する部分も含めてすべて上面に露出している。
次に、取鍋本体10の外周のフランジ16の上に、パッキン(図示せず)を介して、蓋20のフランジ21を重ね、これらのフランジ16,21をボルトとナットの固定具3により複数箇所固定する。これにより、取鍋本体10の外周のフランジ16と蓋20のフランジ21とが、また取鍋本体10の断熱部材13の上面と蓋20の断熱部材25の下面とがセラミック製のシート(図示せず)を介して、更に取鍋本体10の耐火部材14及び介挿部材15上面と蓋20の耐火部材26の下面とがセラミック製のシート(図示せず)を介して、それぞれ密着し、取鍋1の内部空間の気密が保たれる。
次に、第2の開口部20bを介して取鍋本体10内にガスバーナ(図示せず)を挿入し、取鍋本体10内を1000℃程度に加熱する。これにより、介挿部材15が硬化し、耐火部材14とともに焼成される。
なお、ハッチ50は、蓋20に予め取り付けていてもよいし、取鍋本体10に蓋20を取り付けた後に蓋20に取り付けてもよい。
次に、蓋20に設けられた孔22(図5参照)に、例えば粉状の耐火断熱部材などを介してストーク31を挿入し、パッキン(図示せず)を介してストーク31のフランジ31dを蓋20のフランジ21の上に重ね、ボルト(図示せず)により複数箇所を締結する。これにより、蓋20の耐火部材26とストーク31の外周を包囲する耐火部材31cとで孔22が気密に塞がれる。
この後、取鍋1に樋部32、湯面検知センサ40、加圧ポート53、ヒータ54及び熱電対55などを取り付ける。
(取鍋の再生産方法)
このように構成された取鍋1は、例えば耐火部材14などが劣化した場合には、これらを交換して再生産する必要がある。再生産方法としては、例えば、蓋20を外し、取鍋本体10より第1の開口部20aを介してプレキャストブロックである耐火部材14を外し、断熱部材13や介挿部材15を破砕する。その後、上記の製造方法と同様に、取鍋本体10の鉄皮12の内側に断熱部材13を敷設し、断熱部材13の内側底面に敷き、その上に介挿部材15を敷き、第1の開口部20aを介してプレキャストブロックである新たな耐火部材14を挿入し、断熱部材13と耐火部材14との間の隙間に粒状態又は粉状態の耐火断熱部材(介挿部材15の一部分)を流し込んでその隙間を埋める。
その後、上記の製造方法と同様なので説明を省略する。
(取鍋への溶融アルミニウムの供給)
次に、溶解炉から取鍋1に溶融アルミニウムを供給するシステムについて図12〜図14に基づき説明する。
このシステムは、例えば供給側の工場に備えられる。例えば、供給側の工場で溶解炉(図示を省略)から取鍋1に溶融アルミニウムを供給し、公道を介してトラック等によりその取鍋1を、ダイカストマシーン100を有する工場に搬送する。その工場内では、フォークリフトによってトラック等から取鍋1を降ろし、そのままダイカストマシーン100の供給位置まで運ぶ。
供給側の工場に備えられたシステムは、溶融アルミニウムを溶解して貯留する溶解炉等の他に、図12に示すように、溶解炉から取鍋1に溶融アルミニウムを流通させるための供給補助具200を有する。
供給補助具200は、蓋状部材210と、上部配管220と、下部配管230と、減圧ポート240と、湯面検知センサ250とを有する。
蓋状部材210は、取鍋1のハッチと同様の形状で、取鍋1の蓋20に設けられた第2の開口部20bを気密に塞ぐことができる。
上部配管220は、蓋状部材210の上面のほぼ中央に設けられ、その先端が溶解炉の湯内に入るようになっている。なお、上部配管220の基部をフレキシブルとなるように接続した構成222とすることで、溶解炉の所定部位への取り付け作業をスムーズに行うことができる。
下部配管230は、蓋状部材210の下面のほぼ中央に設けられ、上記の上部配管220と連通し、上部配管220から流入した溶融アルミニウムをその先端(下端)より排出する。下部配管230の長さは、取鍋1に蓋状部材210を装着したときに、下部配管230の先端が取鍋1の底部に当たらないように、かつ、溶融アルミニウムをその先端(下端)より排出したときに湯面からの溶融アルミニウムの跳ね上がりが生じない程度に設定されている。
減圧ポート240は、先端が蓋状部材210側に突出し、取鍋1内を減圧するための真空ポンプからのホース等に接続され、この減圧ポート240を介して取鍋1内が減圧されるようになっている。
湯面検知センサ250は、取鍋1の溶融アルミニウムの湯面の高さを検知するために用いられる。ここでは、接触型の電極対のセンサを用いているが、レーザセンサ等の非接触型を用いても構わない。図示を省略した制御部は、例えば手動により減圧ポンプを作動させ、湯面検知センサ250の検出結果に応じて減圧ポンプの作動を停止する。
このシステムでは、溶解炉から取鍋1に溶融アルミニウムを供給するときに、図13及び図14に示すように、取鍋1のハッチ50を開けて、蓋20の第2の開口部20bにこの供給補助具200を取り付け、更に蓋(図示を省略)でストーク31の流出口31bを塞ぎ、取鍋1内を気密状態にする。
そして、溶解炉の湯内に上部配管220の先端を入れ、減圧ポート240に減圧用のホースを接続し、減圧ポンプを作動させて取鍋1内を減圧する。これにより、上部配管220及び下部配管230を介して溶解炉から取鍋1に溶融アルミニウムの供給が開始される。
湯面検知センサ250により取鍋1の溶融アルミニウムの湯面が所定の高さになったことが検知されると、減圧ポンプの作動が停止され、供給動作が終了する。
このシステムでは、重力を使うのではなく、取鍋1のハッチ用の第2の開口部20bを供給補助具200により取鍋1内を気密にし、かつこの供給補助具200を介して溶解炉から取鍋1に溶融アルミニウムを減圧により供給している。従って、簡単な構造及び工程で、かつ湯跳ねなども生じないようにして、溶解炉から取鍋1に溶融アルミニウムを供給することができる。
(まとめ)
本発明に係るシステムでは、取鍋1より流路30を介してダイカストマシーンのスリーブに溶融アルミニウムを直接供給している。その場合、特にダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融アルミニウムの温度管理を正確に行う必要がある。そのため、この取鍋1では、流路30としてストーク31及び樋部32により構成し、突出部11を設けて溶融アルミニウムが外気に晒される樋部32の長さを短くすることで、このような温度管理を正確に行っている。
ここで、例えば特開2004−195550号の図1に開示された取鍋では、このような流路のメンテナンスを容易にするための工夫がされているが、流路付近の耐熱部材や耐火部材等交換には、これらの上部に鉄皮が存在していることから、かなりの手間を要していた。
これに対して、この取鍋1では、取鍋本体10の鉄皮12内の断熱部材13、介挿部材15及び耐火部材14が突出部11に対応する部分も含めてすべて上面に露出し、しかも耐火部材14が突出部11に対応する部分も含めてプレキャストブロックにより構成されているので、流路付近の耐熱部材や耐火部材等の交換も簡単に行うことができる。
(他の実施形態)
本発明は、上記の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で様々な変形が可能であり、その変形の範囲も本発明の技術的範囲に属するものである。
例えば、上記の実施形態において、取鍋内の湯面の高さの検出を、重量計を用いてその測定結果から推定していたが、取鍋内の湯面の高さの検出を直接検出してもよい。図15はその一例を示す図である。同図に示すように、ハッチ50は、取鍋1内の湯面の高さの検出する、例えばレーザ変位計からなるレベルセンサ50cを有する。なお、レベルセンサ50cの表面には、透明のガラス板(図示せず)が設けられている。そして、レベルセンサ50cによる検出結果を制御部117に入力し、制御部117は重量計に基づく制御と同様の制御を行う。これにより、重量計のような設備を工場側に持たせることは不要となる。また、より精度よく取鍋内の湯面の高さを検出できる。
また、上記の取鍋に対して溶融アルミニウムを供給するシステムでは、供給補助具を用いて取鍋に溶融アルミニウムを供給していたが、取鍋のストークの吐出口を介して取鍋に溶融アルミニウムを供給してもよい。図16はその一例を示す図である。同図に示すシステムでは、取鍋1のストークの吐出口31bに配管310を取り付ける。供給時には、配管310の先端を溶解炉の湯内に入れ、加圧ポート53を介して取鍋1の内部を減圧する。取鍋1内の溶融アルミニウムの満杯の検出は、例えばレベルセンサ50cにより行うことができる。もちろん、重量計などにより満杯を検出してもよい。以上のシステムにより、非常に簡単な構成で取鍋に溶融アルミニウムを供給することができる。
更に、最初に示した実施形態では、溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサとして、接触型のセンサを用いていたが、図15に示したように第1の湯面検知センサとして非接触型のレーザセンサ320等を用いてもよい。
1 取鍋
10 取鍋本体
11 突出部
14 耐火部材
20 蓋
20a 第1の開口部
30 流路
31 ストーク
31a 流入口
31b 吐出口
32 樋部
40 湯面検知センサ
50 ハッチ
53 加圧ポート
54 ヒータ
55 熱電対
100 ダイカストマシーン
103 スリーブ
105 溶融アルミニウム供給位置
106 重量計
110 加圧制御装置
112 入力部
117 制御部
124 加圧バルブ
128 リークバルブ
133 圧力センサ

Claims (23)

  1. フォークリフトにより搬送可能であり、溶融金属を内部に貯留する気密型の取鍋であって、当該取鍋の内部の底部付近に流入口及び当該取鍋の外部に吐出口を有するストークと、前記吐出口から吐出される溶融金属を所定の位置に案内するための樋部とを有する流路を有し、当該取鍋の内部を加圧することで、流路を介して外部に溶融金属を供給する気密型の取鍋を用いて溶融金属の供給方法であって、
    フォークリフトによりダイカストマシーンの溶融金属供給位置に搬送し、
    溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサを配置し、
    前記第1の湯面検知センサにより検出された溶融金属の湯面に基づく圧力で、前記取鍋の内部を加圧することで、前記流路を介して前記ダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を直接供給する
    溶融金属の供給方法。
  2. 請求項1に記載の溶融金属の供給方法であって
    前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程は、
    前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されるまで第1の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧する工程と、
    前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき前記第1の圧力より高い第2の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧する工程とを含む
    溶融金属の供給方法。
  3. 請求項2に記載の溶融金属の供給方法であって、
    前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程は、
    前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき、前記取鍋の内部の圧力を計測する工程と、
    前記計測した圧力に基づき、前記取鍋から前記ダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融金属が所定の量となるように前記第2の圧力及び加圧時間を設定する工程と、
    前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達してから前記設定した加圧時間を経過したとき、前記取鍋の内部の圧力を開放する工程とを含む
    溶融金属の供給方法。
  4. 請求項2又は3に記載の溶融金属の供給方法であって、
    前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する工程を有し、
    前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程は、前記検知した湯面の高さに基づき前記第1の圧力を設定する工程とを含む
    溶融金属の供給方法。
  5. 請求項4に記載の溶融金属の供給方法であって、
    前記ダイカストマシーンのスリーブに前記溶融金属を直接供給する工程の前に、前記第1の圧力より小さく、かつ、前記検知した湯面の高さに基づき設定される第3の圧力で前記取鍋の内部を予備的に加圧した状態を維持する
    溶融金属の供給方法。
  6. 請求項4又は5に記載の溶融金属の供給方法であって、
    前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知を、前記溶融金属供給位置に配置された重量計で計測した取鍋の重量に基づき算出する
    溶融金属の供給方法。
  7. 請求項4又は5に記載の溶融金属の供給方法であって、
    前記取鍋は、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する第2の湯面検知センサを有し、
    前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知を、前記取鍋に設けられた第2の湯面検知センサに基づき行う
    溶融金属の供給方法。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の溶融金属の供給方法に用いられる気密型の取鍋であって、
    内部に溶融金属を貯留し、外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなる突出部を有する有底で円筒形状の取鍋本体と、
    前記取鍋本体の上部の第1の開口部を塞ぐ蓋と、
    前記取鍋本体の内部の底部付近に流入口及び前記突出部の上面に外部に露出した吐出口を有し、前記取鍋本体の内部の前記突出部に応じた位置に配置された前記流路を構成するストークと、
    前記吐出口から吐出された溶融金属を前記ダイカストマシーンのスリーブに案内するための前記流路を構成する樋部と、
    溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサと
    を具備する取鍋。
  9. 請求項8に記載の取鍋であって、
    前記ストークは、前記突出部の傾きとほぼ平行になるように配置され、
    前記蓋は、前記突出部に対応する位置の部分が外周から遠ざかるに従い下方に所定角度傾斜し、
    前記樋部は、前記蓋の傾斜とほぼ平行になるように傾斜している
    取鍋。
  10. 請求項8又は9に記載の取鍋であって、
    前記蓋は、ほぼ中央に第2の開口部を有し、
    当該取鍋は、
    前記第2の開口部を開閉自在に塞ぎ、かつ加圧ポートが設けられたハッチ
    を具備する取鍋。
  11. 請求項10に記載の取鍋であって、
    前記ハッチを介して取鍋の内部に挿入されたヒータ及び熱電対を具備し、
    前記ヒータは、前記ハッチのほぼ中央に位置し、
    前記熱電対は、前記ヒータと前記ストークの流入口との間に位置する
    取鍋。
  12. 請求項10又は11に記載の取鍋であって、
    前記ハッチは、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する第2の湯面検知センサを有する
    取鍋。
  13. フォークリフトにより搬送可能であり、溶融金属を内部に貯留し、外部より内部を加圧することで流路を介して外部に溶融金属を供給する取鍋であって、前記流路が、当該取鍋の内部の底部付近に流入口及び当該取鍋の外部に吐出口を有するストークと、前記吐出口から吐出される溶融金属をダイカストマシーンのスリーブに案内するための樋部とを有し、溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサを有する取鍋から、前記ダイカストマシーンのスリーブに溶融金属を直接供給するシステムに用いられる加圧制御装置であって、
    前記第1の湯面検知センサにより溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことの検知結果を入力する入力部と、
    前記入力部により検知結果が入力されたとき、前記取鍋の内部を加圧する圧力の目標値を変える制御部と
    を具備する加圧制御装置。
  14. 請求項13に記載の加圧制御装置であって、
    前記制御部は、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されるまで第1の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧し、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき前記第1の圧力より高い第2の圧力を目標に前記取鍋の内部を加圧するように制御する
    加圧制御装置。
  15. 請求項14に記載の加圧制御装置であって、
    前記システムは、前記取鍋の内部の圧力を計測するための計測部を有し、
    前記入力部は、前記第1の湯面検知センサにより前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達したことが検知されたとき、前記計測部による計測結果を入力し、
    前記制御部は、前記計測した計測結果に基づき、前記取鍋から前記ダイカストマシーンのスリーブに供給される溶融金属が所定の量となるように前記第2の圧力及び加圧時間を設定し、前記ストーク内の前記溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置まで達してから前記設定した加圧時間を経過したとき、前記取鍋の内部の圧力を開放するように制御する
    加圧制御装置。
  16. 請求項14又は15に加圧制御装置であって、
    前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する検知部を有し、
    前記制御部は、前記検知した湯面の高さに基づき前記第1の圧力を設定する
    加圧制御装置。
  17. 請求項16に記載の加圧制御装置であって、
    前記制御部は、前記第1の圧力より小さく、かつ、前記検知した湯面の高さに基づき設定される第3の圧力で前記取鍋の内部を予備的に加圧した状態を維持するよう制御する
    加圧制御装置。
  18. フォークリフトにより搬送可能な気密型の取鍋であって、
    有底の円筒形状で、かつ、外周に下部から上部に向かって突出長さが長くなる突出部を有し、上部に突出部に対応する部分も含めて第1の開口部を有し、内側に溶融金属を貯留するプレキャストブロックの耐火部材を有する取鍋本体と、
    前記第1の開口部を塞ぎ、当該突出部に対応する位置にストーク用の孔が設けられた蓋と、
    前記取鍋本体の内部の底部付近に流入口及び前記孔を介して外部に露出した吐出口を有し、前記突出部の外部側の傾斜にほぼ平行になるように前記取鍋本体の内部の前記突出部に応じた位置に配置されたストークと、
    前記吐出口から吐出された溶融金属を所定の位置に案内するための樋部と、
    溶融金属の湯面が前記吐出口の吐出位置に達したことを検知する第1の湯面検知センサと
    を具備する取鍋。
  19. 請求項18に記載の取鍋であって、
    前記蓋は、前記突出部に対応する位置の部分が外周から遠ざかるに従い下方に所定角度傾斜し、
    前記樋部は、前記蓋の前記傾斜とほぼ平行になるように傾斜している
    取鍋。
  20. 請求項18又は19に記載の取鍋であって、
    前記蓋は、ほぼ中央に第2の開口部を有し、
    当該取鍋は、
    前記第2の開口部を開閉自在に塞ぎ、かつ加圧ポートが設けられたハッチ
    を具備する取鍋。
  21. 請求項20に記載の取鍋であって、
    前記ハッチを介して取鍋の内部に挿入されたヒータ及び熱電対を具備し、
    前記ヒータは、前記ハッチのほぼ中央に位置し、
    前記熱電対は、前記ヒータと前記ストークの流入口との間に位置する
    取鍋。
  22. 請求項20又は21に記載の取鍋であって、
    前記ハッチは、前記取鍋の内部に貯留された溶融金属の湯面の高さの検知する第2の湯面検知センサを有する
    取鍋。
  23. 請求項18〜22のうちいずれか1項に記載の取鍋を再生産する方法であっって、
    前記取鍋本体より前記蓋を外し、
    前記第1の開口部を介して前記取鍋本体より前記プレキャストブロックの耐火部材を外し、
    前記第1の開口部を介して前記取鍋本体内に新たな前記プレキャストブロックの耐火部材を挿入する
    取鍋の再生産方法。
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