JP6612569B2 - 詰め替え袋及び内容物収容袋 - Google Patents
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Description
これに対しては、開封位置の近傍に切欠き部を設けることで開封位置を触感によって認識しやすくすることも考えられるが、切欠き部を設けると、箱形容器に詰め替え袋を入れる際に、切欠き部が箱形容器に引っ掛かり、詰め替え袋が意図せずに開封してしまうおそれがある。また、このような詰め替え袋は、開封方向に引き裂きやすい構造になっている場合が多く、この場合、流通時や販売時等に、切欠き部を介して引き裂き方向へ応力が作用すると、切欠き部から詰め替え袋が不必要に開封してしまうおそれがある。
本発明によれば、不要な開封を防止しつつ、開封位置を容易に認識可能な内容物収容袋を提供することができる。
図1及び図2に示すように、詰め替え袋10は、前面フィルム10aと、背面フィルム10bと、底部に折り返しのマチ11が形成されるように内側に折り込まれた底面フィルム10cとで構成されており、ヒートシール等の公知のシール方法により、前面フィルム10aと背面フィルム10bとが重なり合った両側部に、一対のサイドシール部12,12が形成され、前面フィルム10aと背面フィルム10bとが重なり合った上端部に、シール幅の広いトップシール部13が形成され、前面フィルム10aと底面フィルム10cとが重なり合った下端部及び背面フィルム10bと底面フィルム10cが重なり合った下端部に、ヘムシール部14が形成されている。
この場合、トップシール部13の上下方向の長さL1は、トップシール部13を摘まんで後述する開封開始部15から開封するときの摘まみやすさを向上させる観点から、10mm以上が好ましく、より好ましくは10mm以上30mm以下である。
この斜めシール部12aの縁辺と底端縁の延長線とのなす角度θ1(図2参照)は、好ましくは40°以上50°以下、より好ましくは45°である。これより、詰め替え袋10の底部の外形が矩形になるので、詰め替え袋10を箱形容器1の容器本体30に収容したときに、詰め替え袋10の外形を容器本体30の内面形状にうまく沿わせることができる。
容器本体30としては、板紙、プラスチックシート、プラスチックボックス等の板紙状材料を用いて形成された直方体型の容器を用いることができる。また、蓋40は、容器本体30の上面の開口部を覆うものであればよく、例えば、その一縁辺が容器本体30の背面とヒンジ状に結合したものを使用することができる。
詰め替え袋10に充填する内容物は、固体、液体、半固体の何れでも良く、例えば、粉末洗剤、顆粒状の漂白剤等の粉末物、液体洗剤、液状食品等の液状物、ヘアケア用ジェル、ボディケア用ジェル、医薬用クリーム等のゲル状物、ペットフード、猫砂等の小固形物の集合体、腐葉土等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
開封開始部15には、当該位置が開封開始部15である旨を示す目印が設けられており、目印としては、目視により認識可能な印刷や触感により認識可能なエンボス処理等とすることができる。本実施形態においては、サイドシール部12の両面に、開封開始部15を示す印刷が施されており、この印刷が開封開始部15を示す目印16となっている。
同様に、段差部17は、詰め替え袋10を容器本体30に収容した際の認識性の観点から、上側側端縁12aと、上側側端縁12aと下側側端縁12bとを接続する接続端縁12cの、サイドシール部12の幅方向における中点12dでの接線19と、のなす角度θ2が、90°以上であることが好ましい。また、段差部17の認識性及び消費者の指が段差部17に触れた際の感触の点から、接線19は、上側側端縁12aから下側側端縁12bに向けて下り傾斜していることが好ましく、この観点から、角度θ2は、90°より大きく150°以下が好ましく、100°以上140°以下が、より好ましい。
また、段差部17は、消費者の指が段差部17に触れた際の感触を向上させる観点から、上側側端縁12a及び下側側端縁12bと接続端縁12cとの連結箇所をR形状とすることが好ましい。連結箇所をR形状にすることで、例えば、上側側端縁12aから下側側端縁12bに向けて消費者が段差部17を滑らかになぞることができる。
これにより、例えば、内容物が収容された開封前の詰め替え袋10を容器本体30に入れた状態で、段差部17からスリット18を介して詰め替え袋10を開封するときに、前面フィルム10a及び背面フィルム10bが共に一方のサイドシール部12から他方のサイドシール部12に向かってトップシール部13に沿って引き裂かれるので、前面フィルム10a及び背面フィルム10bの引裂方向が揃い、詰め替え袋10を容器本体30に入れたまま、容易に幅方向に開封することができる。特に、詰め替え袋10が引裂性を有さない汎用的なフィルムである場合の引裂直進性の向上に有用である。
また、詰め替え袋10が引裂性を有するフィルムで形成されている場合でも、スリット18を設けることで、例えば、開封の途中で上方に向かって引き裂かれ、開封位置がトップシール部13の領域に入ってしまうことで引き裂きにくくなることなく、最後まで、容易かつ安定した状態で詰め替え袋を開封することができる。つまり、スリット18を設けることで、詰め替え袋10の幅方向の引裂直進性を顕著に高めることができる。
これにより、詰め替え袋10を開封後、詰め替え袋10内の内容物の使用に伴って内容物が減り、内容物が詰め替え袋10を容器本体30の内壁に押し付ける位置が下がっても、詰め替え袋10が開口状態を維持し、内容物の取り出しやすさを保つことができる。なお、詰め替え袋10の自立性は、前述のように、詰め替え袋10の底部にヘムシール14を形成することによっても向上させることができる。
また、蓋40は、容器本体30の上面の開口部を覆うものであればよく、例えば、その一縁辺が容器本体30の背面とヒンジ状に結合したものを使用することができる。
例えば、上述した実施形態の詰め替え袋10は、一対のサイドシール部12,12のそれぞれに段差部17,17が設けられた構成であったが、本発明の詰め替え袋及び内容物収容袋における段差部17は、一対のサイドシール部12,12のうちの一方のみに設けられていても良い。その場合、段差部17が設けられているサイドシール部が、「トップシール部の下方を一方のサイドシール部から他方のサイドシール部に向かって破断」する際の「一方のサイドシール部」となる。一対のサイドシール部12,12の両方に段差部を有し、いずれのサイドシール部12からも破断を開始可能な場合、任意に決定した一方のサイドシール部から他方のサイドシール部に向かって破断することができる。
また上述した実施形態の詰め替え袋10は、前面フィルム10a、背面フィルム10b及び底面フィルム10cで構成されていたが、本発明の詰め替え袋及び内容物収容袋は、1枚のフィルムシートを折り曲げて形成したものであっても良い。
また本発明の詰め替え袋10には、粉状物等の本来の内容物に加えて、その内容物を開封した詰め替え袋内から取り出すためのスプーン等が収容されていても良い。
10 詰め替え袋
10a 前面フィルム
10b 背面フィルム
12 サイドシール部
12d 中点
13 トップシール部
15 開封開始部
17 段差部
18 スリット
19 接線
30 容器本体
40 蓋部
Claims (3)
- 上面に開口部を有する矩形箱状の容器本体に収容される、内容物が充填されたフィルム製の詰め替え袋であって、
前記詰め替え袋は、前面フィルムと背面フィルムとが接合されているトップシール部及び一対のサイドシール部を有し、前記トップシール部の下方を一方のサイドシール部から他方のサイドシール部に向かって破断することにより開封可能になされており、
前記サイドシール部は、該サイドシール部における破断を開始する部位である開封開始部に、上側より下側が該サイドシール部の幅方向の外側に張り出した段差部が設けられており、
前記段差部は、前記サイドシール部の前記上側の側端縁と前記下側の側端縁とを接続する接続端縁の、前記幅方向における中点での接線が、前記上側の側端縁から前記下側の側端縁に向けて下り傾斜しており、
前記開封開始部には、前記上側の側端縁よりも前記幅方向の内側に、前記幅方向に延びるスリットが設けられており、
前記スリットを、前記接線が横切っている、詰め替え袋。 - 前記開封開始部に、目視可能な目印が設けられている、請求項1に記載の詰め替え袋。
- 内容物が充填されたフィルム製の内容物収容袋であって、
前記内容物収容袋は、前面フィルムと背面フィルムとが接合されているトップシール部及び一対のサイドシール部を有し、前記トップシール部の下方を一方のサイドシール部から他方のサイドシール部に向かって破断することにより開封可能になされており、
前記サイドシール部は、該サイドシール部における破断を開始する部位である開封開始部に、上側より下側が該サイドシール部の幅方向の外側に張り出した段差部が設けられており、
前記段差部は、前記サイドシール部の前記上側の側端縁と前記下側の側端縁とを接続する接続端縁の、前記幅方向における中点での接線が、前記上側の側端縁から前記下側の側端縁に向けて下り傾斜しており、
前記開封開始部には、前記上側の側端縁よりも前記幅方向の内側に、前記幅方向に延びるスリットが設けられており、
前記スリットを、前記接線が横切っている、内容物収容袋。
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