JP6753162B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は、液体、粘体などの流動性を有する内容物を密封包装する包装袋に関する。詳しくは、内容物の残存を少なくできる詰め替え用包装袋等に好適な包装袋に関する。
従来、液体洗剤、台所洗剤、柔軟剤等の詰め替え用液体内容物、タレ、醤油、ドレッシング、ジュース等の液体内容物、味噌等の粘体内容物を収納する包装容器として、販促性の高い自立袋が広く使用されている。特に液体洗剤、台所洗剤、柔軟剤等の詰め替え用包装袋としては、内容物の詰め替え時に内容物を外にこぼさないように他のボトル容器に容易に移し替えができるように開口部に立体形状に成形された合成樹脂製の樋状の補強部材が装着された包装袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、詰め替え時に包装袋が閉塞することを防止する閉塞防止部材を注出口本体に連接した注出口部材を備えた注出口袋も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1、特許文献2の開口部に注出口部材等を備えているので内容物が容易に移し替えできるようになった。しかしながら、注出口部材等は別体の成形品として取り付けるために材料費アップ、取り付け工程の増加に伴う加工費アップ等の問題があった。このような問題点を解決するために注出口部に膨らみ部が設けられ、注出口の開口性をよくした詰め替え用パウチが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この詰め替え用パウチにより別体の成形品が不要となりコストアップが解消された。
特許文献1〜3に開示された包装袋は、注出口部に創意工夫がなされており、スムーズに内容物を注出することができ、特に詰め替え用包装袋として便利なものである。しかしながら、これらの包装袋は、例えばコーナー部に残液が残りやすく、特に粘度の高い内容物の場合には、より残りやすいという問題がある。
特許第4531147号公報 特開2002−179080号公報 特許第4220073号公報
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは内容物の残液が少なくなるように注出でき、内容物の残液が目視できる包装袋を提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するために、請求項1に記載の本発明は、外層と内層を有する積層体からなる表フィルムと裏フィルムからなり、少なくとも左右に配された側端縁接合部と、上端縁接合部を備え、側端縁接合部と上端縁接合部の交差する角部または上端縁接合部に注出口部を備えた包装袋であって、前記包装袋が、前記上端縁接合部と対向する下端に上下方向の断面視逆V字状の底部を備えた自立袋であって、前記表フィルムの前記外層は、前記上端縁接合部と対向する下方の位置に左右の前記側端縁接合部に跨る第一切取線を備え、前記第一切取線が、前記底部の逆V字状の屈曲部を底部稜線とするとき、当該底部稜線近傍に設けられており、前記上端縁接合部の外縁から前記第一切取線に至るまでの前記表フィルムの領域が、前記外層と前記内層が剥離可能な剥離領域であることを特徴とする包装袋である。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の包装袋において、前記裏フィルムの前記外層は、前記上端縁接合部と対向する下方の位置に左右の前記側端縁接合部に跨る第二切取線を備え、前記上端縁接合部の外縁から前記第二切取線に至るまでの前記裏フィルムの領域が、前記外層と前記内層が剥離可能な剥離領域であることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の包装袋において、前記剥離領域が、前記外層と前記内層との間に剥離層を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の包装袋において、前記内層が透明または半透明であることを特徴とするものである。
本発明の包装袋は、内容物の残液が少なくなるように注出できる効果がある。また、内容物の残液が目視できるので残液の絞り出し効率が一層高まる。
本発明に係る包装袋の第一実施形態を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 第一実施形態の包装袋の積層体の構成例を示す断面図である。 本発明に係る第一実施形態の包装袋に充填された内容物を注出後、残液を少なくする方法を説明する説明図である。 本発明に係る第一実施形態の包装袋の内容物を注出後、外層を剥離した状態を示す図4のB−B線断面図である。 本発明に係る包装袋の第二実施形態を示す図1のA−A線相当位置での断面図である。 本発明に係る第二実施形態の包装袋に充填された内容物を注出後、残液を少なくする方法を説明する説明図であって、図4のB−B線相当位置での断面図である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明に係る包装袋の第一実施形態を示す平面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は第一実施形態の包装袋の積層体の構成例を示す断面図、図4は本発明に係る第一実施形態の包装袋に充填された内容物を注出後、残液を少なくする方法を説明する説明図、図5は本発明に係る第一実施形態の包装袋の内容物を注出後、外層を剥離した状態を示す図4のB−B線断面図、図6は本発明に係る包装袋の第二実施形態を示す図1のA−A線相当位置での断面図、図7は本発明に係る第二実施形態の包装袋に充填された内容物を注出後、残液を少なくする方法を説明する説明図であって、図4のB−B線相当位置での断面図であり、図中の1A、1B、1A’、1B’は包装袋、2は積層体、3は表フィルム、4は裏フィルム、5、6は側端縁接合部、5’は剥離された側端縁接合部、7は上端縁接合部、8は下端縁接合部、9は注出口部、10は注出口形成用接合部、10aは注出口、11a、11bは切り欠き部、12は底部、12aは底部稜線、12bは底材フィルム、13はノッチ、14は内容物、15は切り欠き、21は外層、21aは基材層、21bは中間層、22は内層、23、24は接着層、25は剥離層、31は第一切取線、32、42は剥離領域、41は第二切取線をそれぞれ示す。
図1は本発明に係る第一実施形態の包装袋1Aを示す平面図、図2は図1のA−A線断面図であって、包装袋1Aは、外層21と内層22を有する積層体2からなる表フィルム3と裏フィルム4からなり、少なくとも左右に対向して配された側端縁接合部5、6と、上端縁接合部7を備え、側端縁接合部5と上端縁接合部7の交差する角部に注出口部9を備えた構成である。さらに図1、図2に示すように包装袋1Aは、上端縁接合部7と対向する下端に外層21と内層22を有する積層体2からなる底材フィルム12bを内側に折り込んで挿入し、周縁を舟形状の下端縁接合部8で熱接着された上下方向の断面視逆V字状の底部12を備えた自立袋である。
さらに詳述すると、図1、図2に示すように本発明に係る包装袋1Aは、外層21と内層22を有する積層体2からなる表フィルム3と裏フィルム4の内層22の面同士を対向して配置し、その下端部に外層21と内層22を有する積層体2からなる底材フィルム12bの内層22を外面にして中央で山折りして挿入し、山折りされた底材フィルム12bの両側下端近傍には、略半円形の底材フィルム12bを切り欠いた切り欠き15がそれぞれ設けられ、山折りされた底材フィルム12bが、周縁部を含む舟形状の下端縁接合部8で熱接着され底部12が形成されると共に、表フィルム3及び裏フィルム4の左右の両端を側端縁接合部5、6で熱接着し、左上角部に注出口形成用接合部10で熱接着し注出口部9を設けると共に上端縁接合部7を内容物の充填口とするために未接着として残した自立袋形態に製袋されたものである。なお、充填口に設けた上端縁接合部7は、この部分から内容物を充填した後、例えば、脱気シールなどにより熱接着して密封される。図1では未接着状態を示しており、上端縁接合部7には斜線を施していない。
包装袋1Aの左上角部には、注出口形成用接合部10で両側を熱接着により形成される狭い幅の注出口10aを備えると共に、該注出口10aの両側が切り欠き部11a、11bで切り欠かれ、首状に突出した形状に形成されている。上記のような構成を採用することにより、包装袋1Aに充填された内容物をボトルなど他の容器に移し替える際、注出口部9の先端部をノッチ13より切り取って開封し、注出口部9を例えばボトルの口部に差し込み、または、注出口部9の側部の切り欠き部11a、11bをボトルの口部にあてがいながら内容物を注出することができるので、注出口部9がボトルの口部に安定して固定され、安全に内容物を移し替えることができるものである。なお、注出口部9は上端縁接合部7に設けることもできる。この場合には側端縁接合部5、6のいずれかに一部を未接着とした充填口を設ける。また、第一実施形態の包装袋1Aには狭い幅の注出口10aを設けたが、これに限定されるものではなく、注出口には成形品のスパウトを設けてもよいし、特に注出口を設けなくてもよい。
包装袋1Aの表フィルム3の外層21は、上端縁接合部7と対向する下方の位置に左右の側端縁接合部5、6に跨る第一切取線31を備える。第一切取線31は下端縁接合部8の下端に平行に側端縁接合部5の外縁から側端縁接合部6の外縁まで形成されており、上端縁接合部7の外縁から第一切取線31に至るまでの表フィルム3の領域が、外層21と内層22が剥離可能な剥離領域32である。自立袋の形態の場合、第一切取線31は、底部12の底材フィルム12bの山折りされた底部稜線12a近傍に設けることが好ましく、底部12の底材フィルム12bの山折りされた底部稜線12aより下端縁接合部8側にならないように設けることが自立袋の底部12の強度が保持できるのでより好ましい。また、第一切取線31は、ハーフカットで設けることが好ましい。ハーフカットの深さは外層21の厚みの少なくとも2/3程度から内層22に達する範囲内に設ける。したがって、外層21を貫通していてもよい。
本発明の包装袋1Aは、自立袋に限定されるものではなく、例えば三方シール袋、四方シール袋等のいわゆる平袋の形態でもよいが、自立袋の形態であると後述するが底部12の部分が表フィルム3、裏フィルム4、及び折り込みにより二重に重ねられた底材フィルム12bが存在するので他部に比べて硬くなるので巻き芯として巻き上げる操作が容易となると共に残液の絞り出し効率を高める効果があるので好ましい。また、自立性があるので店頭での陳列効果を備え、消費者の取り扱いが容易で、外観も優れている。
図3は本発明に係る包装袋1Aの積層体の2〜3の例を示す断面図である。
図3(イ)に示す積層体2の一例は外層21と内層22が接着層23を介して積層された積層体であり、外層21と接着層23の間に剥離層25を備える。外層21と内層22が剥離可能に積層されていれば剥離層25は省略できるが外層21と内層22の剥離性が安定するので剥離層25を設けることが好ましい。剥離層25は、全面に設けてもよいが、剥離領域32にのみ設ける方が好ましく、また、側端縁接合部5,6と底部稜線12aとの交点に重ならないように形成することが自立袋の底部12の強度を保持できるのでより好ましい。
図3(ロ)は積層体2の他の例を示し、外層21が基材層21aと中間層21bが接着層24を介して積層された構成であり、さらに外層21の中間層21bと内層22が接着層23を介して積層されている。剥離層25は外層21の中間層21bの接着層23と対向する側の面の剥離領域32に設けられている。中間層21bを積層する場合、第一切取線31のハーフカットの深さは外層21の厚みの少なくとも2/3程度から内層22に達する範囲内に設けるものであり、基材層21a及び中間層21bを貫通していてもよい。
つぎに本発明の包装袋1Aの製造に用いる表フィルム3、裏フィルム4、底部12の底材フィルム12bの積層体2、および包装袋1Aの製造方法の一例について説明する。本発明の包装袋1Aの製造に用いる積層体2は、主にプラスチックを主体とするフィルムを積層して用いることができ、特に限定されるものでなく、いずれも使用できる。包装袋1Aに充填する内容物の種類、容量、充填温度等の充填条件、梱包方法、輸送条件等により、適宜選択して積層体2に使用することができる。
包装袋1Aの製造に用いる積層体2は、外層21、内層22を積層して表フィルム3、裏フィルム4、底部12の底材フィルム12bに使用することができる。
積層体2を構成する外層21の基材層21aとしては、包装袋1Aを構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができ、合成樹脂としては、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系、出発原料が植物由来であるポリ乳酸系等のバイオマスを利用した素材等の樹脂を用いることができる。また、基材層21aは、内層22側に通常は印刷が施されるために、基材層21aに使用する合成樹脂製フィルムは印刷適性が求められ、一軸または二軸方向に延伸した延伸フィルムが好適に使用される。合成樹脂製フィルムの厚さとしては基本素材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、9〜25μm程度が適当である。また、前記の合成樹脂製フィルムは、必要に応じてポリ塩化ビニリデン系、ポリビニルアルコール系樹脂等のバリア層を備えたバリア性フィルムやアルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着層を備えたバリア性フィルムとしてもよい。また、要求品質により合成紙、不織布、紙、セロハン等も適宜使用できる。
積層体2を構成する外層21の中間層21bとしては、外層21の基材層21aと内層22の積層体では要求品質が満足されない場合等に設けられ、中間層21bは、バリア性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等の機能を備え、包装袋1Aとして要求される機能を補完する役割を果たす。中間層21bとして用いられる基材としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン・ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしはアルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルム、あるいは、紙、セロハン、合成紙などを用いることができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記基材の厚さとしては、要求性能、コスト等を勘案して適宜に選ぶことができる。
内層22としては、熱によって溶融し相互に融着し得る熱接着性樹脂が用いられ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することができ、その厚さとしては10〜150μm、好ましくは15〜100μmが適当である。また、内層22は透明または半透明であることが好ましく、包装袋1A’(図4参照)内に残った内容物14を内層22を透して視認できるので残液量の確認が容易となる。
剥離層25としては、例えば、硝化綿系、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アルキッド系等の樹脂が用いられ、これらの樹脂を単独若しくは組合わせて混合溶液としてグラビア印刷、フレキソ印刷等の加工法で少なくとも剥離領域32にパートコートすることにより形成することができる。さらに前記混合溶液にはワックスやシリコーンなどを添加剤として混合して外層21と内層22の剥離性を調整することができる。剥離層25は接着層23から剥離を容易にするために設けるものである。
前記の外層21の基材層21a、外層21の中間層21b、及び熱接着性樹脂を用いた内層22の各層は接着層23、24を介して積層されるものであり、接着層23、24は、例えば、ウエットラミネ−ト法、ドライラミネ−ト法、無溶剤ラミネ−ト法、押し出しラミネ−ト法、共押し出しラミネ−ト法、インフレ−ション法等の公知の積層法で形成される接着するための層である。通常は、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層するドライラミネ−ト法、あるいは、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層等を介して積層する押し出しラミネート法等を用いて積層体を製造することができる。
上記のドライラミネ−ト法において、ラミネ−ト用接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。そして、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコーティング法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。なお、本発明において、ドライラミネ−ト方式による積層を行う場合には、その積層表面に、予め、コロナ放電処理、オゾン処理、あるいは、プラズマ放電処理等の表面改質前処理を任意に施すことができる。
また、上記の押し出しラミネーション方式における溶融押出樹脂層としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、酸変性ポリエチレン系樹脂、酸変性ポリプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、サ−リン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン−アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。なお、上記の押し出しラミネーション方式において、より強固な接着強度を得るために、例えば、アンカ−コ−ト剤等のアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。上記のアンカ−コ−ト剤としては、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、その他等の水性ないし油性の各種のアンカ−コ−ト剤を使用することができる。上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、その積層する基材の表面に、コロナ処理、オゾン処理、フレ−ム処理等の前処理を任意に施すことができる。
積層体2の表フィルム3については、所定位置に例えばレーザー光線を照射し、ハーフカットを施し、第一切取線31を設ける。ハーフカットを施す方法としては、レーザー法やハーフカット刃を備えたロール刃若しくは平刃等で機械的に施す方法等が挙げられる。
本発明においては、上記のように接着層23、または、接着層23及び接着層24を介して各層を積層し製造した積層体2を表フィルム3、裏フィルム4及び底材フィルム12bとして使用し、その内層22の面を内面にして配置し、側端縁接合部5、6、下端縁接合部8及び注出口形成用接合部10を形成すると共にその上端部に充填口となる開口部を形成して、本発明に係る包装袋1Aを製造することができる。そして、その製袋方法において、熱接着する方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の方法で行うことができる。なお、表フィルム3はハーフカットにより第一切取線31が形成された積層体2を使用し、第一切取線31が所定位置に配置されるように製袋する。
前記のように製袋して製造した本発明に係る包装袋1Aについて、その上端部に設けた開口部から内容物を充填し、次いで、その上端部の開口部を熱接着して上端縁接合部7を形成して密閉することにより、本発明に係る包装袋1Aを使用した包装製品を製造することができるものである。そして、本発明に係る包装袋1Aを使用して例えば、飲食品、医薬品、試薬品、化成品、化粧品、雑貨品等の種々の物品を充填包装され、特にその詰め替え用包装袋として好適に使用できる。さらに、使用後、包装袋1Aの袋内に注出されずに滞留した残液を後述するが最後まで移し替えることができる。
図4は、本発明に係る第一実施形態の包装袋1Aに充填された内容物を注出後、残液を少なくする方法を説明する説明図であり、包装袋1A’は内容物14が注出された後の状態を示し、包装袋1A’のコーナー部、折り畳まれた底部12及び内層22の内面には残液が滞留若しくは付着した状態である。図5は図4のB−B線断面図である。図4に示すように、まず、側端縁接合部5の外縁と第一切取線31の交点及びその近傍を手で揉み表フィルム3の外層21と内層22を剥離させ、剥離した部分をきっかけとしその部分を指で摘まみ、第一切取線31より上方の外層21を内層22より剥離し除去する(手順1:図中の丸数字1)。図中の網点部分は剥離された側端縁接合部5’を示している。
つぎに図4、図5に示すように底部12の部分を巻き芯として表フィルム3の外層21が剥離され露出した内層22の面に巻き芯を重ね残液を絞り出す(手順2:図中の丸数字2)。さらに、同じ操作を行い、順次、残液を絞り出す(手順3:図中の丸数字3)。この操作を行うことにより、包装袋1A’内の残液を少なくすることができる。この操作は、剥離領域32の外層21が除かれているので底部12を巻き芯として巻き上げる動作が容易になる。また、露出した内層22は透明または半透明とすることにより内容物の残液が目視でき、より内容物の残液が少なくなるようにできる。なお、手順3まで説明したが、包装袋1Aが縦長であれば、同様の手順をさらに繰り返せばよい。
図6は本発明に係る包装袋の第二実施形態を示す図1のA−A線相当位置での断面図である。図6に示すように第二実施形態の包装袋1Bは、表フィルム3には第一実施形態の包装袋1Aと同様に剥離領域32と外層21には第一切取線31を備えるとともに裏フィルム4の外層21は、上端縁接合部7と対向する下方の位置に左右の側端縁接合部5、6に跨る第二切取線41を備え、表フィルム3と同様に上端縁接合部7の外縁から第二切取線41に至るまでの裏フィルム4の領域が、外層21と内層22が剥離可能な剥離領域42である。第一切取線31と第二切取線41、及び、剥離領域32と剥離領域42は重ね合わせた表フィルム3の内層22と裏フィルム4の内層22の重合面を中心に対称に設けられている。
図7は本発明に係る第二実施形態の包装袋1Bに充填された内容物を注出後、残液を少なくする方法を説明する説明図であって、図4のB−B線相当位置での断面図である。包装袋1B’は内容物14が注出された後の状態を示し、包装袋1B’のコーナー部、折り畳まれた底部12及び内層22の内面には残液が滞留若しくは付着した状態である。
包装袋1B’の残液を少なくする方法は、まず、手順1として第一実施形態で示した手順1と同様であり、図示しないが、側端縁接合部5の外縁と第一切取線31の交点及びその近傍を手で揉み表フィルム3の外層21と内層22、及び裏フィルム4の外層21と内層22を剥離させ、剥離した部分をきっかけとしその部分を指で摘まみ、表フィルム3及び裏フィルム4の第一切取線31及び第二切取線41より上方の外層21を内層22よりそれぞれ剥離し除去し、表フィルム3及び裏フィルム4の内層22を露出させる。
つぎに図7に示すように底部12の部分を巻き芯として外層21が剥離され露出した内層22の面に重ね残液を絞り出す(手順2:図7中の丸数字2)。さらに、同じ操作を行い、順次、残液を絞り出す(手順3:図7中の丸数字3)。この操作を行うことにより、包装袋1B’内の残液を少なくすることができる。この操作は、剥離領域32及び剥離領域42の外層21が除かれ内層22のみとなっているので内層22が露出した部分は軟らかく、底部12を巻き芯として巻き上げる動作がより一層容易になると共に残液量を少なくできる。その他は第一実施形態と同様である。
以上説明したように剥離領域32、剥離領域42の外層21を内層22より剥離して取り除く構成とすることにより、底部12の部分が硬く、内層22が露出した部分が軟らかく底部12を巻き芯としてくるくると上方に向かって巻き上げる操作が容易になると共に、残液の絞り出し効率を高めることができ内容物の残液が少なくなるように注出できる効果がある。また、内層22を透明または半透明とすることにより内容物の残液が目視できるので絞り出し効率が一層高まる。
1A、1B、1A’、1B’ 包装袋
2 積層体
3 表フィルム
4 裏フィルム
5、6 側端縁接合部
5’ 剥離された側端縁接合部
7 上端縁接合部
8 下端縁接合部
9 注出口部
10 注出口形成用接合部
10a 注出口
11a、11b 切り欠き部
12 底部
12a 底部稜線
12b 底材フィルム
13 ノッチ
14 内容物
15 切り欠き
21 外層
21a 基材層
21b 中間層
22 内層
23、24 接着層
25 剥離層
31 第一切取線
32、42 剥離領域
41 第二切取線

Claims (4)

  1. 外層と内層を有する積層体からなる表フィルムと裏フィルムからなり、少なくとも左右に配された側端縁接合部と、上端縁接合部を備え、側端縁接合部と上端縁接合部の交差する角部または上端縁接合部に注出口部を備えた包装袋であって、
    前記包装袋が、前記上端縁接合部と対向する下端に上下方向の断面視逆V字状の底部を備えた自立袋であって、
    前記表フィルムの前記外層は、前記上端縁接合部と対向する下方の位置に左右の前記側端縁接合部に跨る第一切取線を備え、
    前記第一切取線が、前記底部の逆V字状の屈曲部を底部稜線とするとき、当該底部稜線近傍に設けられており、
    前記上端縁接合部の外縁から前記第一切取線に至るまでの前記表フィルムの領域が、前記外層と前記内層が剥離可能な剥離領域であることを特徴とする包装袋。
  2. 前記裏フィルムの前記外層は、前記上端縁接合部と対向する下方の位置に左右の前記側端縁接合部に跨る第二切取線を備え、
    前記上端縁接合部の外縁から前記第二切取線に至るまでの前記裏フィルムの領域が、前記外層と前記内層が剥離可能な剥離領域であることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記剥離領域が、前記外層と前記内層との間に剥離層を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装袋。
  4. 前記内層が透明または半透明であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の包装袋。
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