JP6607652B1 - 単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

[課題]結晶粒界を無くした大型の単結晶であり、さらには垂直方向,水平方向のいずれの方向に対しても組成が最適添加物濃度で均質な高品質単結晶を製造すること。[解決手段]単結晶製造装置であって、粒状原料を一定量、下方に位置する粒状原料融解手段に供給する粒状原料供給手段と、前記粒状原料供給手段から供給される粒状原料を加熱、融解して原料融液とし、下方に位置する単結晶製造用ルツボ内に前記原料融液を供給する粒状原料融解手段と、種子単結晶が底部に設置される単結晶製造用ルツボと、前記単結晶製造用ルツボ内の種子単結晶の上面に赤外線を照射する第1赤外線照射装置と、を有する結晶化手段と、を少なくとも備え、前記種子単結晶の上面に赤外線を照射して形成される融液中に、前記粒状原料融解手段から供給される原料融液を落とし、形成される混合融液から単結晶を析出させるよう構成されている。

Description

本発明は、例えば直径1000〜2000mmを超えるような大型の単結晶を、最適な組成に均質化しながら高効率に製造する単結晶製造装置に関する。
太陽エネルギーを利用して発電し電気エネルギーとして使う、いわゆる太陽電池産業においては、太陽光を電気エネルギーに変換する材料として様々な素材が検討され実用化されており、その中で結晶シリコンが市場の大部分を占めている。
太陽電池を用いた発電コストは、従来よりも大幅に低減しているものの、依然として化石エネルギーを使用する火力発電所,水力発電所,原子力発電所などによる発電コストと比べて割高とされており、一層のコスト削減が求められている。
結晶シリコンを用いる太陽電池においては、基板全体が単一な方位を有する単結晶シリコン基板(以下、単結晶基板とも称する。)と、多数の粒界を含む多結晶シリコン基板(以下、多結晶基板とも称する。)と、が使用されている。多結晶基板に含まれる粒界部は太陽電池特性が劣化するとされているので高効率発電には単結晶基板が好都合である。しかしながら従来の単結晶基板の製造方法では製造コストが多結晶基板よりも割高とされており、高性能な単結晶基板を安価に製造することのできる新しい製造方法の開発が求められている。
単結晶基板を太陽電池として利用するためには、ホウ素を添加したP型であってもリンを添加したN型であっても構わないが、高効率に発電が可能であることから、リンを添加したN型単結晶基板への期待が高まっている。
具体的には、比較的短い波長領域で使用可能なアモルファスシリコンと、比較的長い波長領域で使用可能なリンを添加したN型単結晶基板と、を併用したHIT型と呼ばれる方式が、高い変換効率を達成できる方式とされている。
さらには基板の両面に配置されていた電極を、基板の裏面のみに配置して太陽光を高効率に利用可能とした方式も、HIT型と同様にN型単結晶基板が必要とされている。
太陽電池に使用する結晶シリコンの製造方法としては、原料を融解して形成される融液を固化させて単結晶を製造する、いわゆる融液法に属する方法が最も迅速に大型の結晶を製造可能な方法である。融液法に属する方法としては、融液を鋳型に流し込んで固化させる鋳込み法(キャスト法)、ルツボ中の融液を下方から上方に固化させる一方向凝固法、ルツボ中の融液に種子単結晶を浸して太らせながら上方に引き上げる引上法、棒状の原料を局部加熱して融体を形成させ、原料の融解と固化を継続させる浮遊帯域溶融法などが知られている。
融液法においては形成される融液を保持するためのルツボを使用する方式が最も大型単結晶製造に有利として産業的には多用されている。他方、浮遊帯域溶融法ではルツボを使用しないので、ルツボからの汚染の無い、高純度な製品が製造できること、原料の融解と固化が継続されるので製品中の添加物濃度が均質になるなどの利点があり、専ら研究開発用として利用されて来ている。
ルツボの材質としては、安定的に融液を保持可能であり、しかも安価であることが好都合であるが、シリコン単結晶製造の場合にはシリコン融液は反応性が高く他に適当な材料が見当たらないので、石英が使用されている。しかしながら、シリコン融液と石英は反応して一酸化ケイ素(SiO)が生成し、一部が製品中に固溶するので注意が必要である。
ルツボ中で原料融液を形成させ、大型単結晶を製造する方法としてはブリッジマン法が知られている。ルツボの底部に種子単結晶を配置し、上方の原料融液をこの種子単結晶上に固化させて全体を単結晶とする方法である。
しかしながらシリコン単結晶をこの方法で製造しようとすると、シリコン融液と石英が融着して固化してしまい、製品にクラックが発生してしまう問題があった。この問題の原因は、主として冷却する過程でシリコンと石英の熱膨張率が異なるためである。
そこで原料融液をカーボン製の鋳型に流し込んで固化させる鋳込み法(キャスト)法が最初に実用化された。カーボン材はシリコン融液と反応して炭化ケイ素が生成されるが、シリコン融液は、カーボン材に触れると直ぐに固化が開始されるので、炭化ケイ素の生成は鋳型表面のみに限定され、かつ生成した炭化ケイ素は下地のカーボンから剥離するので、製品にクラックが発生することは抑止することができた。
しかしながらカーボン製の鋳型の全域から融液の固化が開始されるので、製品は無数の小さな結晶の集合体となっており、これは多結晶シリコンと呼ばれている。
キャスト法によって製造された多結晶シリコン塊は、水平方向に切断して基板として使用するが、ルツボの上部および下部では、単結晶粒子同士の境界部が、基板の垂直方向に沿って存在している。一方、ルツボの中心部近傍では、単結晶粒子同士の境界部は基板の平行方向に沿って存在している。
単結晶粒子同士の境界部では、電気伝導性などの特性が劣化してしまうことが知られているが、この境界部が薄片に対して垂直方向に存在する場合、境界部を除けば他は単結晶粒子として存在している。
しかしながら境界部が薄片に平行方向に存在していると、単結晶粒子が薄片を貫通して存在していることが少なく、境界部の影響を強く受けてしまい、得られた電力を有効に取り出すことが困難となるので、見かけの変換効率が劣化してしまっていた。
そこで個々のルツボの外側に電気炉を配置して上下方向に温度勾配を設け、ルツボの下側から上方向にのみ固化が進行するように装置の改良がなされた。この改良された新しい装置を用いた製造方法は、結晶成長学的には「一方向凝固法」と呼ばれる方法である。
一方向凝固法によって太陽電池としての効率を高めた結晶の製造が可能となったが、この場合にはカーボン製ルツボとシリコン融液の反応時間が桁違いに長くなったので、反応によって生成した炭化ケイ素相の厚みはキャスト法に比べて大幅に厚くなった。
炭化ケイ素は硬く切断加工などの基板の製造過程で様々なトラブルが発生し、製品歩留まりを高くすることが困難であった。
その後、石英製ルツボ(以下、石英ルツボとも称する。)の表面に窒化ケイ素材を離型剤として塗布し、石英とシリコンとが溶着することを防止し、固化した製品にクラックが入らないようにした方法が実用化された。
それまでの原料融液をカーボン製ルツボ内に流し込んで固化させるキャスト法、その後発達したカーボン製ルツボの上下方向に温度勾配を設け、ルツボの下方から上方に固化が継続されるように工夫した一方向凝固法から、剥離剤を塗布した石英ルツボ中でシリコンを融解し、融液をそのまま石英ルツボの下方から上方に向かってゆっくりと固化させ、大型の結晶を製造する一方向凝固法が主流となった。なお、業界の一部にはこの「一方向凝固法」を従前通り「キャスト法(鋳込み法)」と呼ぶ習慣があるが、これは誤りである。
この一方向凝固法では、融液が固化を開始する部位が一か所では無く、ルツボの底部全域から開始されるため、多数の単結晶粒子がバラバラに成長を開始する。したがって全体としては単結晶粒子が集合した組織となる多結晶であった。
一方向凝固法で製品全体を単結晶として結晶化させる方法としては、上述の通りブリッジマン法が知られている。しかしながらシリコンの場合、石英ルツボとシリコン融液との融着を避けるために離型剤を使用すると、この離型剤が塗布された部位からシリコンの微結晶が成長を開始してしまい、全体が単結晶とはならないので、ブリッジマン法の適用は困難とされて来た。
単結晶シリコンの製造方法としては、回転引上法(引上法)、高周波浮遊帯域溶融法(高周波FZ法)、赤外線浮遊帯域溶融法(赤外線FZ法)などが知られている。
引上法は、石英ルツボ中でシリコン原料を融解し、ここに細い種子単結晶を浸して徐々に太らせて引き上げながら単結晶の成長を継続させ、大型単結晶を得るものである。
高周波FZ法は、丸棒状の原料棒と、この原料棒の下部に配置した種子単結晶と、を用意し、丸棒状の原料棒の下部を高周波誘導で加熱、融解し、下部の種子単結晶と接合させて全体を引き下げ、融液の上側では原料棒の融解、下側では融液からの単結晶としての固化を継続させ、単結晶を製造する方法である。
この高周波FZ法は、石英ルツボを使用しないので、石英成分の混入の無い高純度な単結晶を製造することのできる方法である。しかしながら製造可能な最大直径が小さく、特別に調整した高緻密で高価な原料棒が必要であり、一般的な太陽電池用シリコン単結晶の製造用としては用いられていない。
赤外線FZ法は、高周波FZ法と同様に丸棒状の原料に赤外線を照射して局部加熱し、融液を形成させて上側では原料の融解、下側では単結晶としての固体の析出を継続させて単結晶を製造する方法である。
この赤外線FZ法は、原料棒として絶縁体から良導体まで多くの材料に適用可能な方法であるが、製造可能な製品の最大直径が小さく、大型単結晶が必要な産業用としては用いられていない。
結晶シリコンを太陽電池として利用する場合、添加物としてホウ素またはリンを添加した基板が使用される。添加物濃度が低過ぎると変換効率は低くなり、濃度が高く成り過ぎても再結合により変換効率は低くなるので、ホウ素の場合にもリンの場合にもそれぞれ最適濃度があり、結晶全域にわたって最適濃度組成で均質な製品が望ましいことは無論である。
前述の引上法は、融液全体を上方から下方に固化させる、いわゆる一方向凝固法に属する方法なので、偏析現象により得られた製品中のホウ素やリンなどの添加物濃度は一定にならない特徴が知られている。
すなわち、融液中の添加物濃度と、固化した結晶中の添加物濃度とは同じにならず、物質によって規定された比率で固化が進む。この比率を「分配係数」と呼び、融液中の濃度を1とした場合、生成する結晶中の濃度はホウ素の場合には0.8程度、リンの場合には0.35程度とされている。
したがって添加物を含む融液から固化が開始されると、生成した結晶中の添加物濃度は融液中よりも低くなり、差分は融液中に残るので成長が進むにつれて融液中の添加物濃度は次第に濃くなる。
融液中の添加物濃度と生成する結晶中の添加物濃度の比は分配係数で規定されているので、結晶化が進み融液中の添加物濃度が上昇すると、生成する結晶中の添加物濃度も次第に濃くなることになる。
分配係数が0.35程度と小さいリンを添加したN型シリコン結晶を引上法で製造した場合には、結晶中のリンの濃度変化が大きく、ルツボ中で融解した原料を全て固化させて単結晶を製造しても、製品中の最適組成部が極めて少なくなってしまう本質的な問題がある。
すなわち、最適組成の基板だけで製品を製造すると、太陽電池としての変換効率は高くなるものの、製造コストは極めて高額となってしまう。
逆に組成範囲を広くして、最適組成よりも薄過ぎる基板および濃過ぎる基板を使用してコストを低減すると、太陽電池としての変換効率が劣化してしまう。
一般に製品の製造コストを削減する手段として、製品サイズを大型化し同じ工程で生産できる数量を増やして製品単価を下げる工夫がなされることがある。太陽電池用シリコンの場合、対角線長さ220mm品が最近の標準サイズとされているので、引上法で直径500mmを超える大型の単結晶を製造し、一度に標準サイズの4倍の数量を製造することで単価を下げることが考えられる。
しかしながら実際に引上法で直径500mmを超える大型の単結晶を製造しようとすると、装置は超大型となり製造コストは桁違いに高額となってしまう。
原料を最初に融解させてから固化させる、いわゆる融液法で、添加物の濃度を最適組成に均質化するには「溶媒移動法」と呼ばれるスキームを適用するのが唯一の方法である。
すなわち、最適組成固体は平衡共存する組成の溶液(これを溶媒と呼ぶ)からのみ固化するが、固化すると溶液の組成がズレてしまうので、固化した分と同じ組成で同じ量の原料を補給して常に溶媒の組成と量を一定に維持することが必要である。
このスキームによれば、丸棒状に加工された原料棒の片方から溶媒が移動して原料を溶媒中に融解し、同時に溶媒から固体が析出するので、見かけ上、溶媒が移動しているように見える。したがって「溶媒移動法」と呼ばれている。
溶媒の組成は、例えばシリコンにリンを添加する場合、分配係数が0.35程度なので、最適濃度組成結晶の約3倍の濃い濃度となっている。
原理的に大型の単結晶の製造が可能とされるブリッジマン法で、単結晶シリコンを製造しようとする際に適用可能なルツボ材は石英のみであるが、石英はシリコンと融着して製品中にクラックが発生してしまうので、表面に離型剤を塗布しなければならない。
しかしながらこの離型剤が塗布された部分から新たな微結晶が生成し、単結晶とはならないことが知られている。
このことは、離型剤が塗布された部分からの微結晶の発生を抑止するか、もしくは発生した微結晶の成長を抑止することができれば、得られた製品はルツボの内壁近傍の部分を除いて全体的に大型の単結晶となることを意味する。
したがって、離型剤を塗布したルツボの内壁からの新たな微結晶の成長を抑止したブリッジマン法による大型単結晶製造方法のスキームを維持しながら、原料の供給量と固体の析出量とを同一になるように制御して、溶媒移動法を適用する方法が開発されれば、添加物濃度が最適組成で均質な大型の単結晶を製造することができることになる。
この新しい製造方法による、太陽電池業界を始め、通信用,医療用など他の多くの単結晶を利用する分野への貢献度は、計り知れないものがある。
特開2014−076915号公報
単結晶材料を産業用途に利用する際、添加物を必要としている場合が多い。例えば単結晶シリコンを太陽電池用の基板として利用するには、ホウ素もしくはリンを添加して利用するが、添加物の濃度には最適濃度がある。添加物濃度が低すぎると発電効率が低くなり、添加物濃度が高過ぎても再結合現象が発生して発電効率が低くなってしまう。
したがって、単結晶材料としては最適添加物濃度で均質であることが求められるが、代表的な単結晶材料の製造方法である引上法では、添加物濃度の均質な単結晶は製造できないという致命的な欠陥がある。
引上法で均質組成の単結晶を製造するには、前述の溶媒移動法を適用可能とした二重ルツボ引上法が知られている。しかしながら、シリコンの場合にはルツボ材として使用可能な素材は石英に限られており、石英材はシリコンの融点近傍では軟化してしまうこと、シリコン融液との反応が激化してしまうことなど幾つかの要因により、実用化には成功していない。
本発明はこのような実情に鑑み、大型の単結晶を製造することのできるブリッジマン法の利点を活かしつつ、垂直方向および水平方向のいずれの方向に対しても、添加物濃度が最適組成で均質な大型単結晶を製造することのできる単結晶製造装置およびこの単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を提供することを目的としている。
原料を融解し生成する融液を固化させて単結晶を製造する、いわゆる融液法を用いて、最適濃度で均質な単結晶を製造するには、溶媒移動法の適用が必須である。
すなわち、最適濃度の結晶を生成できる組成の融液から単結晶を固化させ、同時に固化した分量と同じ組成で同量の最適濃度の原料融液を融液中に供給し続ける機能を有する単結晶製造装置と、この単結晶製造装置を用いた単結晶製造方法を提供する。
本発明者は、上記の課題を解決するための手段として、ブリッジマン法の要素技術を活かして大型単結晶を製造しながら組成を最適組成で均質化できる新しい単結晶製造装置およびこの単結晶製造装置を使用した単結晶製造方法を発明した。
すなわち、従来は大型単結晶の製造を可能とした方法として知られるブリッジマン法でシリコン単結晶を製造しようとすると、ルツボ材である石英とシリコン融液とが融着して固化するので、両者の熱膨張率の相違が起因となって製品中にクラックが発生してしまう問題があった。
そこで、石英ルツボの内壁に離型剤を塗布するとクラックの発生を抑止することは可能となったが、離型剤が塗布された部分から無数の微結晶が成長してしまい、全体が多結晶となって所望の単結晶が得られない問題があった。
シリコン融液を保持可能で安価なルツボ材は石英であるが、石英ルツボを使用しようとすると離型剤の塗布が必要であり、離型剤を塗布すると塗布された部分から微結晶の成長が発生してしまうので、離型剤を塗布した石英ルツボを使用する単結晶製造方法は知られていなかった。
本発明者は大型ルツボを使用し、大型ルツボの下部に設置した種子単結晶の上面に形成される融液を固化させて大型単結晶を製造する際に、融液の周縁部の温度を高くして微結晶の成長を抑止しながら全体を固化させることで、融液の周縁部を除いた大部分を単結晶化する方法を見出した。
さらに、融液法で均質組成単結晶を製造するには「溶媒移動法」の適用が必須である。この「溶媒移動法」を適用して単結晶を製造する際には、溶媒の役目を担う融液相の厚みは必要最小限度に薄く均質であることが望ましい。
すなわち、最適組成の添加物濃度の固体は、分配係数で規定される添加物濃度の融液と平衡共存している。この条件を維持したまま最適組成で均質な単結晶の製造を行うには、融液から単結晶としての固体が析出すると同時に、最適組成で同じ量の原料融液を補給し、常に融液相の組成と量を均質に維持することが求められる。
この時、融液相の厚みが薄いと全体の濃度を均質化し易いが、厚いと均質化するのに時間が掛かってしまう。したがってこれを均質化するために固体の析出速度、すなわち単結晶の製造速度を遅くする必要が生じてしまう。
さらには単結晶製造の終盤では、原料融液の滴下が終了した時点で均質組成の単結晶製造も終了するが、残った融液相も続いて固化させ全体を固化させることになる。しかしながら融液相を固化した領域は、組成がズレているので厳密には製品にはならない。したがってこの製品にはならない部位のサイズは、小さい方が好都合である。
すなわち、融液相の厚みは薄い方が好都合である。しかしながら、これまでルツボの下部に薄い融液相を形成できる単結晶製造装置および単結晶製造方法は知られていなかった。
赤外線を材料に照射すると、材料の吸収能が高い場合には容易に材料の温度を上げ融液を形成することができる。この場合、赤外線は材料に吸収されるので、形成される融液相の深部には届かなくなる。
例えばシリコンの場合、形成される融液相の厚みはせいぜい20〜30mm程度である。このことは、赤外線を照射して融液相を形成させ、溶媒移動法を適用して均質組成の単結晶を製造しようとする際、形成される融液相の厚みはせいぜい20〜30mm程度に止まるので、単結晶の製造に伴う融液相の組成変動を容易に均質化し、かつ単結晶製造の終盤で発生する融液相の固化部を小さくできるので、良品率を高めることができ好都合であることを意味する。
このように大型単結晶の製造を可能にするブリッジマン法の要素技術を取り入れるとともに、赤外線を照射する方式を採用して溶媒移動法を効率的に適用可能とした新しい大型単結晶製造装置と、均質組成の大型単結晶を製造することのできる単結晶製造方法を発明した。
すなわち、本発明の単結晶製造装置は、
単結晶製造用ルツボ内に種子単結晶を設置しておき、粒状原料融解手段で粒状原料を溶融し得られた原料融液を前記単結晶製造用ルツボ内に供給し、前記種子単結晶上に固体として単結晶を析出させ、大型単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
前記単結晶製造装置は、
前記粒状原料を一定量、下方に位置する粒状原料融解手段に供給する粒状原料供給手段と、
前記粒状原料供給手段から供給される粒状原料を加熱、融解して原料融液とし、下方に位置する前記単結晶製造用ルツボ内に前記原料融液を供給する粒状原料融解手段と、
前記種子単結晶が底部に設置される単結晶製造用ルツボと、前記単結晶製造用ルツボ内の種子単結晶の上面に赤外線を照射する第1赤外線照射装置と、を有する結晶化手段と、
を少なくとも備え、
前記種子単結晶の上面に赤外線を照射して形成される融液中に、前記粒状原料融解手段から供給される原料融液を落とし、形成される混合融液から単結晶を析出させるよう構成されていることを特徴とする。
このように構成されていれば、最適組成の粒状原料(粒状結晶母材+粒状添加物)が連続的に粒状原料融解手段に供給され、融解されて生成した原料融液が単結晶製造用ルツボ(以下、単にルツボとも称する。)内に連続的に滴下される。
さらには、種子単結晶の上面に第1赤外線照射装置からの赤外線照射を受けて形成される融液相の厚みが一定に保持されるよう、赤外線の照射量、赤外線の照射分布を制御することにより、得られる単結晶の組成は滴下される最適組成の原料融液と同一となり、垂直方向,水平方向のいずれに対しても最適濃度で均質化した単結晶を製造することができる。
また結晶化手段の第1赤外線照射装置は、ルツボの上部に配設されることが好ましい。
なお、ルツボ内の種子単結晶の上面を第1赤外線照射装置で照射して得られる融液相の厚みは、できるだけ薄いことが望ましい。
単結晶製造の終盤では融液相を固化して終了するが、融液相に原料融液を滴下せずにそのまま固化させると、この固化領域の添加物濃度は固化とともに濃くなり規格外となる。融液相の厚みが厚いと、この規格外の箇所が増えてしまうこととなる。したがって、融液相の厚みは薄い方が全体的な高品質製品の回収率を高めることができ望ましい。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料供給手段が、
前記粒状原料を収容するホッパーと、
前記ホッパー内の粒状原料を所定の供給速度に調整して一定量を下方に供給する粒状原料定量供給装置と、
を有することを特徴とする。

さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料供給手段が、
前記ホッパー内の粒状原料を掻き出して下方に供給する粒状原料掻き出し装置を有することを特徴とする。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料供給手段が、
前記粒状原料定量供給装置から供給される粒状原料を下方の粒状原料融解手段の所定の位置に供給する供給管を有することを特徴とする。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記供給管の材質が、石英であることを特徴とする。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記ホッパーの下部には開口部が設けられ、
前記ホッパーの内部には、回転可能な螺旋棒が配置されていることを特徴とする。
粒状原料を収納するホッパーから粒状原料を掻き出す際に、ホッパー内の粒状原料中に空洞が生じ、粒状原料をホッパーから取り出せなくなる現象が発生する場合がある。
これを防止し、安定的に連続して粒状原料を掻き出せるように、ホッパー内に螺旋棒を設けこれを回転させることにより、空洞の発生を防止することができる。
さらにホッパー内の粒状原料を安定的に掻き出すため、例えば棒の先端部にスプーンのような形状の容器が取付られて成る粒状原料掻き出し装置を、ホッパーの下部に設けられた開口部に差し込み、引き抜いたら半回転させて粒状原料掻き出し装置上の粒状原料を下に落とすことで、連続して安定的に粒状原料をホッパーから取り出すことができる。
粒状原料掻き出し装置から供給された粒状原料の重量を測定し、粒状原料定量供給装置により所定の供給速度に正確に調整し、供給管を介して下方の粒状原料融解手段の所定の位置に供給する。供給管の素材は特に制限は無いが、シリコンの場合には石英であることが望ましい。石英であれば金属不純物で汚染される恐れも少なくて済む。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記ホッパーが、
前記粒状原料を収容する収容容器を着脱する着脱機構を有することを特徴とする。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記着脱機構が、
前記着脱機構内および収容容器内の雰囲気を任意に調製する雰囲気調整機能を有することを特徴とする。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解手段と結晶化手段が、密閉チャンバー内に配設されていることを特徴とする。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料供給手段が、密閉チャンバー内に配設されていることを特徴とする。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記ホッパー内と前記密閉チャンバーとを連結する、もしくは前記ホッパー内と前記密閉チャンバーとを同一の雰囲気に調整する雰囲気調整装置を有することを特徴とする。
このようにホッパーに粒状原料を収容する収容容器を連結し、収容容器内の雰囲気をホッパー内と同一になるように任意に雰囲気制御してから内容物をホッパーに移し、脱着することにより、単結晶の製造途中であっても任意に粒状原料を追加、補給することが可能となるので、ホッパーのサイズを小型化することができる。
また、ホッパー内と結晶化手段が配置された密閉チャンバーとが連結していれば、ホッパー内の雰囲気と結晶化手段が配置された密閉チャンバーの雰囲気が常に同一となり、粒状原料の供給を安定的に行うことができる。しかも単結晶の材料の特性に合わせて、ホッパー内の雰囲気と密閉チャンバー内の雰囲気とを最適に維持することができ、高純度で高品質な単結晶を製造することができる。
なお、ホッパーを有する粒状原料供給手段は、粒状原料融解手段と結晶化手段と同様に、密閉チャンバー内に配設されていても良いものである。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記密閉チャンバーが、水冷構造であることを特徴とする。
このように密閉チャンバーが水冷構造であれば、密閉チャンバーの温度上昇に伴うシール部の劣化などを抑止して、高精度の雰囲気制御を効率的に行うことができ、単結晶を歩留まり良く製造することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記ホッパーが、
組成の異なる粒状原料をそれぞれ収納する複数のホッパーから構成されていることを特徴とする。
単結晶製造の最初から厳密に最適組成の単結晶製品を製造する場合には、粒状結晶母材用のホッパーと粒状添加物用のホッパーとを別々に設け、それぞれに粒状原料掻き出し装置と、粒状原料定量供給装置と、供給管と、を連結して使用することもできる。
そして、ルツボ内の種子単結晶の上面に形成されるべき融液相の最初の量に合致させて、無添加の粒状結晶母材と粒状添加物との供給量を、別々に制御して供給することができる。さらには製造が進むにつれて増大する融液相の量に合致させながら、組成は融液相に相当する組成を維持することにより、均質で最適組成の単結晶を製造することができる。
この場合には種子単結晶上に成長させる単結晶製品の組成を、最初から最適組成に均質化することが容易であるという利点がある。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解手段が、
前記粒状原料を受ける粒状原料融解容器と、
前記粒状原料融解容器を加熱し、前記粒状原料融解容器内の粒状原料を融解する容器加熱装置と、
を有することを特徴とする。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解容器が、
前記粒状原料を加熱して融解する融解部と、
前記融解部で生成される融液のみを保持する融液保持部と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解容器が、
ボート状容器と、
前記ボート状容器を前記融解部と融液保持部とに区分けする、下方に溝が設けられた隔離板と、
から成ることを特徴とする。
融解容器の実施形態としては、細長いボート状容器を下方に溝を設けた隔離板で「融解部」と「融液保持部」とに区分し、それぞれの区分を最適温度に制御し、粒状原料を融解したら溶け残りの粒状原料を分離し、原料融液のみを下方のルツボ中に滴下できる構造が挙げられる。
この構造では、隔離板の外側では粒状原料は融解されるが、原料融液は隔離板の下部に設けた溝から内側に移動し、原料融液の排出口から原料融液のみが排出され、下方のルツボの融液中に滴下される。
したがって、粒状原料を融解し得られた原料融液の比重よりも粒状原料の比重の方が小さい場合には、原料融液の液面に粒状原料が浮き、原料融液の比重よりも粒状原料の比重の方が大きい場合には、原料融液の下方に粒状原料が沈み、これにより融液保持部に粒状原料を留めることができる。
このようにボート状容器と隔離板とを組み合わせて融解容器を構成すれば、未融解の粒状原料が、そのままルツボ中に供給されてしまうことを防止し、原料融液のみをルツボ中に供給することができ、高品質な単結晶を製造することができる。
すなわち、粒状原料を融解して単結晶として固化させる際に、原料融液中に未溶解の粒状原料が混入し、単結晶と原料融液との成長界面に付着して製品中に混入すると、粒状原料の粒径が小さい場合には負結晶の成因となり、粒状原料の粒径が大きい場合には新たな微結晶の発生要因となり、多結晶化する恐れがある。
したがって、融解容器は未融解の粒状原料を内部に留め、完全に融解した原料融液のみを下方のルツボ中に滴下する機能を有していることが必須である。
この構造により、未融解の粒状原料は、融解容器の排出口から外部に流れ出せず、融解容器の内部に未融解の粒状原料が留められる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解容器が、
融解皿と、
前記融解皿内に設けられ、断面ハ字状で下部に溝を有する隔離皿と、
からなり、
前記融解皿と隔離皿との間で、前記融解部と融液保持部とに区分けされるよう構成されていることを特徴とする。
融解容器の他の実施形態としては、融解皿内に、断面ハ字状で下部に溝を有する隔離皿を配置するようにした二重構造(傘状構造)のものが挙げられる。この融解皿と隔離皿との間で、「融解部」と「融液保持部」とを形成している。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解容器が、
筒状部と、
前記筒状部の内部に設けられ、下端に開口を有する漏斗状部と、
からなり、
前記筒状部の内方が前記融解部とされ、前記筒状部の外方と漏斗状部との間が前記融液保持部とされることを特徴とする。
このような簡易型の融解容器は、特にシリコンの場合のように粒状原料の比重が原料融液の比重よりも小さい材料の場合には、未融解の粒状原料が融液の上方に浮くので、融解容器の外に出る粒状原料は殆ど無い。例え粒状原料が外に出たとしても、融液の上方に浮いている。したがって、上方から照射される赤外線により加熱、融解され、成長中の結晶界面に付着して製品中に取り込まれる恐れは少なく、この簡易型であっても、単結晶を歩留まり良く製造することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記容器加熱装置が、第2赤外線照射装置であることを特徴とする。
融解容器を加熱する容器加熱装置として、第2赤外線照射装置を用いることができる。融解容器を加熱する際には、融解容器の上方から赤外線を照射しても良いし、横方向もしくは斜め下方から赤外線を照射しても良い。またこれらを併用しても良い。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記容器加熱装置が、高周波誘導加熱装置であることを特徴とする。
融解容器を加熱する容器加熱装置として、高周波誘導加熱装置を用いることができる。さらには融解容器を例えばカーボン製の容器に収め、このカーボン製の容器を高周波誘導加熱装置で高温に維持し、粒状原料の融解を行っても良い。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記容器加熱装置が、抵抗加熱装置であることを特徴とする。
融解容器を加熱する容器加熱装置として、抵抗加熱装置を用いることができる。シリコン単結晶を製造する場合にはカーボン抵抗加熱装置を使用すると好都合である。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解容器が、
水平方向に回転する融解容器回転機構を有することを特徴とする。
このように融解容器回転機構を有していれば、特に融解皿と隔離皿から成る融解容器内に供給された粒状原料を均一に加熱することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解容器の全部または一部が、
白金、イリジウム、石英、炭化ケイ素、カーボン、グラファイト、カーボンもしくはグラファイト材の表面を炭化ケイ素化したもの、または予めカーボンもしくはグラファイト材の表面を炭化ケイ素でコーティングしたものから成ることを特徴とする。
このような素材であれば、粒状原料を安定的に融解し、原料融液を生成することができる。特にシリコン単結晶製造の場合には、カーボン材の表面を炭化ケイ素化した素材を用いた融解容器が好適に使用できる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料供給手段を、複数有することを特徴とする。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記粒状原料融解手段を、複数有することを特徴とする。
このように複数であれば、大型単結晶の製造速度を速めることができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボが、
底部の中心部に凹部が設けられ、前記凹部内に種子単結晶が配置されるよう構成されていることを特徴とする。
このように凹部が形成されていれば、ここに配置した種子単結晶の上側に融液相を形成させるに際して、種子単結晶の上側は融解するものの、残りは溶けずに固体の単結晶のまま維持させることが容易となる。したがって、この種子単結晶上に固体を析出させることで単結晶製造を継続することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボの外側に、補助加熱装置が設けられていることを特徴とする。
このような補助加熱装置で、ルツボ全体の温度を粒状原料の融点よりも100〜300℃程度低い温度まで加熱して維持することにより、ルツボ内部に融液を形成するために使用する第1赤外線照射装置からの赤外線の照射量を大幅に低減することができ、また制御性も高めることができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボの上部には、
前記単結晶製造用ルツボ内の融液および/または混合融液の周縁部近傍を加熱する第3赤外線照射装置が配設されていることを特徴とする。
このような第3赤外線照射装置が配置され、ルツボ内の融液相の量が増えて融液相の周縁部の位置が変化しても、その変化に合わせて周縁部近傍を加熱することができれば、周縁部近傍からの微結晶の生成、もしくは微結晶の成長を抑止することができる。
したがって、ルツボ内の中心部の単結晶中に、別の微結晶が共存して多結晶化することを防止することができる。
なお、第3赤外線照射装置によって高められるルツボ内の融液相の周縁部近傍の温度は、ルツボ内全域の融液温度の平均値よりも少なくとも3℃以上であることが好ましい。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記第3赤外線照射装置において、
融液相の変動する周縁部の位置と、照射位置とを合わせる照射位置調整機構を有することを特徴とする。
傾斜を設けたルツボの底部の中心部に設けられた種子単結晶上に形成される融液相の直径は、結晶の成長とともに増大する。この融液相の周縁部位置は、ルツボの立壁部に達するまで変動することになるが、第3赤外線照射装置の照射位置調整機構により、常に融液相の周縁部に赤外線を照射し、周縁部近傍の温度を高く維持することができる。
これにより離型剤が塗布された部分から発生する微結晶の成長を抑止し、高品質な単結晶を製造することができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボの底部が、中心に向かって下方に傾斜していることを特徴とする。
ルツボの底部が、中心に向かって下方に傾斜していれば、ルツボ内の底部中心に配置された種子単結晶から立壁部に向かって徐々に単結晶を大型化していくことができる。この傾斜角度が小さすぎると、途中で別の微結晶が生成してしまう恐れが増える。逆に傾斜角度が大きすぎると、立壁部に到達する間の固化物はサイズが規格外となり、全体の製品歩留まりを劣化させてしまう。
なお、ルツボの底部の傾斜角度としては、中心部に向かって下がる3〜60度の範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボの内壁には、離型剤が塗布されていることを特徴とする。
特にシリコン単結晶を製造する際には、ルツボの内壁に離型剤を塗布することで、製造された大型単結晶の冷却中にクラックが発生してしまうことを抑止することができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボの外側に、カーボン製保持具が設けられていることを特徴とする。
特にルツボの材質が石英である場合、石英製ルツボの外側にカーボン製保持具を設けることが好ましい。カーボン製保持具により、内側の石英製ルツボを安定的に使用することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボが、水平方向に回転するルツボ回転機構を有することを特徴とする。
このようにルツボが回転可能であれば、常に形成される融液相の表面温度を一定に維持することが容易となり、融液相の周縁部近傍を加熱する際にも、加熱による温度ムラを少なくすることができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボが、所定の速度で上下方向に昇降する昇降手段を有することを特徴とする。
このようにルツボが上下方向に昇降可能であれば、常に形成される融液相の表面位置を一定に維持することができ、赤外線照射装置から融液相の表面までの距離を常に一定に維持することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記第1赤外線照射装置、第2赤外線照射装置、第3赤外線照射装置が、
レーザ光照射装置であることを特徴とする。
このようにレーザ光を照射するレーザ光照射装置であれば、単結晶製造装置の小型化および操作性向上に寄与することができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記第1赤外線照射装置、第2赤外線照射装置、第3赤外線照射装置が、
内面を反射面として使用する楕円面反射鏡と、
前記楕円面反射鏡の底部側の第1焦点位置に設けられた赤外線ランプと、
を備えることを特徴とする。
このようにして構成される赤外線照射装置であれば、効率的に赤外線を照射することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記赤外線ランプが、
ハロゲンランプまたはキセノンランプであることを特徴とする。
このようにハロゲンランプまたはキセノンランプであれば、安価に入手可能であり、単結晶製造装置の製造コストを抑えることができる。
また、本発明の単結晶製造装置は、
前記第1赤外線照射装置、第2赤外線照射装置、第3赤外線照射装置が、それぞれ複数設けられていることを特徴とする。
このように赤外線照射装置が複数設けられていれば、単数の場合よりも、粒状原料の溶融および単結晶の製造を安定して確実に行うことができる。さらにこのように複数設けられていれば、ルツボ内の融液相の表面を均質に加熱することができる。
なお、ルツボ内の融液相の表面を均質に加熱すれば、形成される固液界面の形状を平坦化することができ、製品中の添加物濃度を垂直方向,水平方向のいずれに対しても均質化した単結晶を製造することができる。
例えば第3赤外線照射装置を、略円形の融液相の周縁部に合致させて複数配置すれば、融液相の周縁部を加熱した際に、この周縁部の温度を好適に高めて制御することができ、温度ムラの発生を確実に防止することができる。
さらに、本発明の単結晶製造装置は、
前記単結晶製造用ルツボおよび粒状原料融解容器と、
前記第1赤外線照射装置,第2赤外線照射装置,第3赤外線照射装置と、の間には、
前記赤外線を透過する赤外線透過窓が設けられていることを特徴とする。
このように赤外線透過窓が設けられていれば、ルツボ内で原料融液の蒸発物が生じても、各赤外線照射装置に蒸発物が到達しないので、赤外線の光量が減少することなく、長時間にわたって安定して単結晶製造装置を使用することができる。
なお、蒸発物が赤外線透過窓に付着してしまうような場合には、赤外線透過窓の外周縁部に蒸発物付着防止手段を設けることが好ましい。蒸発物付着防止手段としては、例えば雰囲気ガスを赤外線透過窓に吹き付けるようにしたものが挙げられる。
また、本発明の単結晶製造方法は、
製造しようとする単結晶材料の最適添加物組成の粒状原料を、粒状原料融解手段で融解し、得られた原料融液を下方の単結晶製造用ルツボ内に供給し、前記単結晶製造用ルツボ内に設置された種子単結晶上に、固体としての単結晶を析出させ、大型の単結晶を製造する単結晶製造方法であって、
前記単結晶製造用ルツボの上部に設けられた粒状原料供給手段を介して必要量の前記粒状原料を粒状原料融解手段に供給する工程と、
前記粒状原料融解手段に供給された粒状原料を、粒状原料融解手段で融解して原料融液とし、前記原料融液を下方の前記単結晶製造用ルツボ内に供給する工程と、
単結晶製造用ルツボ内の底部に設けられた種子単結晶の上面に赤外線を照射して融液を形成させ、さらに融液相の周縁部のみを加熱して、前記融液相の周縁部の温度を、前記融液相の周縁部を除く温度よりも高温に維持し、前記融液相中に原料融液を滴下させてなる混合融液相の下側から、前記種子単結晶上に固体として単結晶を析出させる工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
さらに、本発明の単結晶製造方法は、
前記粒状原料が、粒状結晶母材と粒状添加物とからなることを特徴とする。
また、本発明の単結晶製造方法は、
添加物を添加した単結晶を製造する際に、
前記種子単結晶上に形成される融液の厚みが常に所定の厚みとなるように、前記種子単結晶の上面に照射される赤外線の強度を制御することを特徴とする。
ここではリンを最適組成に添加したN型シリコン単結晶を製造する工程を例に説明する。
粒状原料を粒状原料融解手段に供給する工程では、無添加シリコンの粒状原料と、平均組成が最適添加物濃度の10倍の高濃度にリンを添加した粒状原料と、を混合して最適組成の粒状原料を作成し、これをホッパー内に収納する。
粒状原料掻き出し装置と粒状原料定量供給装置を駆動し、ホッパー内から所定量の粒状原料を下方の粒状原料融解手段の融解容器内に供給管を介して供給する。
原料融液を下方のルツボ内に供給する工程では、まず粒状原料融解手段に供給された粒状原料を、粒状原料融解手段で融解して原料融液とする。
粒状原料融解手段では、融解容器を容器加熱装置で加温し、上方から供給される粒状原料を融解する。
もしくは融解容器に上方から、または上方および横方向から赤外線を照射して加温しておき、この加温された融解容器に上方から粒状原料を投入して融解する。そして得られた原料融液のみを、下方のルツボ中に滴下する。
次いで、単結晶を析出させる工程では、ルツボの中心部に設けられた種子単結晶上に、融液相を形成させるのに必要な量の粒状原料を配置し、密閉チャンバー内を真空排気してからアルゴンガスを流し入れる。
さらにルツボの外側に配置した補助加熱装置を稼働し、所定の温度に達したら密閉チャンバー内を所定の減圧下に維持し、ルツボを回転させながらルツボ内加熱用の第1赤外線照射装置を稼働し、融液相を形成させる。形成された融液相の周縁部近傍には第3赤外線照射装置で赤外線を照射して加温する。
次いで、ルツボの上方から原料融液の滴下を開始し、滴下量に合致させた量の固体が析出するのに合わせてルツボの位置を下降させる。
密閉チャンバーの上部からジョイスティックをルツボ内に降ろし、融液相下部の固体の位置を測定し、融液相の厚みをチェックしながら、常に一定の厚みになるように赤外線の照射量を制御する。
所定の粒状原料の投入が終了したら粒状原料掻き出し装置、粒状原料定量供給装置、融解容器回転機構、容器加熱装置の稼働を停止し、ルツボの下降を停止してルツボ加熱用の第1赤外線照射装置の出力を徐々に下げて融液相を完全に固化させる。
赤外線の照射を停止し、ルツボの外側に配設された補助加熱装置を制御して、ルツボの温度を室温まで所定の冷却時間で冷却したら全ての可動部を停止し、密閉チャンバーの扉を開いて単結晶製品を取り出す。
すなわち、赤外線はルツボ内の原料融液に吸収されて熱となり、原料融液は加熱されるものの赤外線は吸収されるので、融液の下方に届く赤外線の光量は次第に少なくなり、熱に変換されることも少なくなり、温度上昇が抑えられる。
このような単結晶製造方法は、いわゆる種子単結晶を使用して大型単結晶を製造するブリッジマン法と呼ばれる製造方法の基本理念と同じである。ただし、ブリッジマン法では全ての原料を最初に融解させてからルツボの底部から上方に向かって単結晶化を進めるので、製品には上下方向に偏析に伴う添加物濃度の変動が生じてしまう。
本発明の単結晶製造方法では、ルツボ内に赤外線を照射して融液相を形成させる。この際、上側の温度は下側の温度よりも高くなり、下側の単結晶との固液界面温度はこの融液相からの固相の析出温度と同一となる。
このようにして形成される融液相に原料融液が供給されて成る混合融液相の厚みが増すと、混合融液相に赤外線が吸収されるので、混合融液相の下部まで到達する赤外線量が少なくなり、温度が下がって混合融液相からの固相の析出が開始される。
このようにして粒状原料の融解容器への投入,融解,ルツボ内への滴下、ルツボ内での混合融液相からの固相の析出(すなわち単結晶成長)を継続させ、融解容器への所定の粒状原料の投入が終了したら、赤外線の光量を徐々に減らし、残った混合融液相が完全に固化したら、全体を室温まで徐冷して製品を取り出す。
これにより、添加物濃度を垂直方向,水平方向のいずれに対しても最適組成で均質化した高品質な大型単結晶を得ることができる。
本製造方法で均質組成の単結晶を製造するには、混合融液相の組成と量および温度は一定に維持される必要がある。所定の温度よりも高すぎる場合には混合融液相の厚みが増え、低すぎる場合には混合融液相の厚みは薄くなる。それでも赤外線の照射量が一定に維持されると混合融液相の厚みはせいぜい20〜30mm程度に過ぎないので、直ぐにその温度条件に合致した定常状態になる。
定常状態では投入される原料融液の組成と量に見合った組成と量の単結晶が固化するので、得られる単結晶の組成は所定の組成で均質となる。このことは本製造方法が最も優れている利点であり、極めて制御性の高い製造方法であることを示している。
また結晶製造の最終期、すなわち粒状原料の融解容器への投入が終了後、残った混合融液相を固化させた部位の添加物濃度は、次第に濃く成り均質にはならないが、この部位の厚みはせいぜい30mm程度なので製品全体の歩留まりの劣化を抑止することができる。
本発明の単結晶製造装置および単結晶製造方法によれば、最適組成の添加物を均質に含有する粒状原料を所定の供給速度で供給することにより、垂直方向,水平方向のいずれに対しても最適濃度組成で均質化した大型の単結晶を製造することができる。
さらには、粒状原料融解容器の温度を最適に維持すると同時に、粒状原料融解容器を融解部と融液保持部とを有する構造とすることにより、未融解の粒状原料がルツボ内に供給されてしまうことを抑止することができる。
原料融液中に未融解の粒状原料が混在すると、粒状原料のサイズが十分小さい場合には、結晶成長界面に付着した部位では結晶成長が抑止され負結晶が形成されてしまうことがある。粒状原料のサイズが大きい場合には、ここから新たな微結晶が成長し、全体が多結晶となってしまうことがある。
したがって、粒状原料融解容器を融解部と融液保持部とを有する構造として、未融解の粒状原料がルツボ内に供給されることを抑止することは、最高品質の単結晶を得るうえで非常に重要である。
図1は、本発明の一実施形態における単結晶製造装置の概略図である。 図2は、本発明の他の実施形態における単結晶製造装置の概略図である。 図3は、本発明の一実施形態におけるボート型の粒状原料融解容器の概略図である。 図4は、本発明の他の実施形態における二重構造(傘状構造)の粒状原料融解容器の概略図である。 図5は、本発明の他の実施形態における簡易型の粒状原料融解容器の概略図である。 図6は、本発明の単結晶製造装置を用いて単結晶を製造する工程図である。
以下、本発明の実施形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
本発明の単結晶製造装置および単結晶製造方法は、例えば直径が1000〜2000mmを超えるような大型の単結晶を、最適な組成に均質化しながら高効率に製造するためのものである。
また、本明細書中で「種子単結晶」とは、単結晶製造装置を使用して大口径の単結晶を製造するに当たり、結晶の最初の形態を指すものである。この種子単結晶から育成され全体が同一の方位を維持したものを「単結晶」と呼ぶ。これに対して個々には単結晶であるが、それぞれが別の方位を有するものが集合したものを「多結晶」と呼ぶ。
多結晶の場合には、個々の単結晶同士の境界部では結晶としての方位がズレているので、発電効率の劣化に繋がるなどの不都合が生じる。したがって高性能なシリコン基板としては、全体が同一の方位でこのような結晶粒界(グレインバウンダリー)を含まない単結晶であることが望ましい。
さらに、本明細書中で「粒状原料」とは、製造される単結晶の元となる原料を粉末(粒)化したものである。なお、「粒状原料」には、粒状結晶母材と粒状添加物とが含まれる。
また、添加物を含む単結晶を製造する場合には、結晶中の添加物濃度とこの濃度の結晶(固体)が析出する融液の組成は一致せず、この、融液中の濃度とこの融液から析出する固体中の添加物濃度の比を分配係数と呼ぶ。シリコンの場合には添加物としてリンを使用する場合にはリンの分配係数は0.35程度と言われている。
さらに、図中において、粒状原料を示す粒の大きさや形状、原料融液67を示す滴の大きさや滴の形状は、特に限定されるものではないものである。
<単結晶製造装置10>
図1に示したように、本実施例の単結晶製造装置10は、最適添加物組成のシリコン単結晶を製造する場合を想定したものである。
単結晶製造装置10は、内部を真空排気し、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気を保持することのできる密閉チャンバー11の底部に、ルツボ台19とルツボ回転機構20とルツボ上下移動機構22とが設置されており、ルツボ台19の上に、断面形状が略円形の単結晶製造用ルツボとして石英製の石英ルツボ12と、この石英ルツボ12の外側に石英ルツボ12を機械的に保持するカーボン製保持具16が設けてある。
さらにカーボン製保持具16の外側には、石英ルツボ12を加熱する補助加熱装置17が設けられており、補助加熱装置17の外側には断熱材18が配置されている。密閉チャンバー11は水冷構造であり、内部の雰囲気調整を効率的に行えるものである。
一方、密閉チャンバー11内の上方には、粒状原料52を収納するホッパー33が配置されている。ホッパー33は下方に開口部を有しており、内部に回転機構付きのポリプロピレンで被覆した螺旋棒(図示せず)を配置して、使用中は常時、回転されている。この螺旋棒の回転により、ホッパー33内の粒状原料52中に空洞が生じて安定した供給ができなくなる、いわゆる空洞化現象の発生を抑止することができる。
なお、ホッパー33の下部の開口部は密閉チャンバー11と直結しており、ホッパー33内と密閉チャンバー11内とが、常に同じ雰囲気となるように構成されている。
さらにはホッパー33の開口部の側方には、粒状原料掻き出し装置(以下、単に掻き出し装置とも称する。)48が設けてある。掻き出し装置48は、棒の先端部にプロピレンで被覆したスプーンのような形状の容器が取り付けられており、ホッパー33の開口部にこの棒を挿入し、容器上に粒状原料52を載せたまま引き出して棒を半回転させることで、容器内の粒状原料52をホッパー33の下部に位置する粒状原料定量供給装置(以下、単に定量供給装置とも称する。)50上に供給できるようになっている。
定量供給装置50は、粒状原料52の重量を測定しながら所定の供給量の調整を行い、所定の供給量を、下方の供給位置調整機能付きの供給管51に供給する。図中、符号60は、位置調整機構である。
またホッパー33は、本実施形態においては、無添加粒状シリコンと、添加物が高濃度に添加された粒状原料とが、最適組成に混合された粒状混合物を収容しており、これにより粒状原料52の組成割合を確実に一定に維持することができる。
なお本実施形態ではホッパー33を単独で使用しているが、これに限定されるものではなく、例えば無添加粒状シリコンを収容するホッパーと、添加物を高濃度に添加した粒状原料を収容するホッパーと、を別々に設けても良いものである。
このようなホッパー33の上端には、粒状原料52を収容する収容容器47が着脱自在に取り付けられるよう、公知の着脱機構46が設けられている。なお着脱機構46は、着脱機構46内および収容容器47内の雰囲気を任意に調製する雰囲気調整機能を備えたものである。図1は、収容容器47がホッパー33から取り外された状態となっている。
このようにホッパー33に対して着脱可能な収容容器47を用いれば、単結晶製造装置10を起動して単結晶を製造している最中であっても、随時、必要に応じて粒状原料52をホッパー33内に補給することができる。したがって、大型のホッパー33を用いる必要が無く、単結晶製造装置10の小型化を実現することができる。
掻き出し装置48から供給された粒状原料52は、重量を測定しながら供給量を調節可能な機能を有する定量供給装置50を用いて、所定の分量の粒状原料52を供給管51を介して粒状原料融解手段の粒状原料融解容器(以下、融解容器とも称する。)62の所定の位置に供給する。
供給管51には、供給管51の下端の出射口位置を調整する位置調整機構60が付加されている。
粒状原料52を融解する融解容器62としては、粒状原料52を融解する「融解部」と形成される融液を保持する「融液保持部」とが区分された多重構造を有し、未融解の粒状原料52が原料融液67と一緒に下方に供給されることのない機能を有していることが好ましい。
融解容器62の形状としては例えば図1,図3に示したようなボート型の融解容器62と、図2,図4に示したような二重構造(傘状構造)の融解容器62とが利用可能である。さらにはシリコン単結晶を製造する場合には図5に示したような簡易型の融解容器62も利用可能である。
まずボート型の融解容器62は、図3に示したように、供給管51から供給された粒状原料52を受けるボート状容器61が、高周波誘導加熱装置55の内部に装着されており、ボート状容器61内部には、下方に溝66を有する隔離板63が設けられ、隔離板63によってボート状容器61を、「融解部」と「融液保持部」とに区分けしている。
なお、供給管51を介してボート状容器61内に供給される粒状原料52は、直接、ボート状容器61内に供給すれば良いが、粒状原料用漏斗53を用いてボート状容器61内に供給する方が、所定の位置に供給し易く好ましい。
高周波誘導加熱装置55の誘導加熱により、ボート状容器の温度が上昇し、粒状原料52は加熱、融解され、得られた原料融液67のみが隔離板63の下方の溝66を通って隣(図3では右隣)に移動し、貯留されるようになっている。なお、粒状原料52を融解するにはシリコン粒状原料の融点よりも100℃以上の高温で迅速に融解する。
この時、粒状原料52の比重が原料融液67よりも小さい場合は、粒状原料52が原料融液67に浮くので、下方の溝66を通過することは避けられる。逆に粒状原料52の比重が原料融液67の比重よりも大きい場合は、粒状原料52が原料融液67の下部に留まることになる。
そして、ボート状容器61内に貯留された原料融液67は、ボート状容器61に設けられた排出口68の高さに達すると、排出口68から外部に流出し、下方の石英ルツボ12内に滴下される。なお、排出口68から流出する原料融液67は、図3に示したような原料融液用漏斗54を介して下方の石英ルツボ12内に滴下されるようにしても良い。
この際、このようなボート型の融解容器62では、未融解の粒状原料52が原料融液67と一緒に下部に滴下することを抑止することができる。
また、本単結晶製造装置10においては、石英ルツボ12中に滴下される原料融液67中に未融解の粒状原料52が残存していても、最終的には種子単結晶14上に形成されている融液との混合融液を形成することができる。種子単結晶14上でも、未融解の粒状原料52は融液の上方に浮いて存在し、上方から赤外線の照射を受けるので、ここで融解して完全に消滅する。
その結果、融液の下部に沈んで成長する単結晶と融液の界面に付着し、単結晶中に取り込まれて負結晶を形成したり、新たな微結晶の成因となったりする可能性は極めて低くなる。
一方、二重構造(傘状構造)の融解容器62は、図4に示したように融解皿64と、その上に断面ハ字状に重ねられた隔離皿65とからなり、融解皿64と隔離皿65との間で、粒状原料52を融解する融解部と、形成される原料融液67を保持する融液保持部と、が区分けされるよう構成されている。
なお、融解皿64内に供給された粒状原料52を加熱する容器加熱装置としては、図2に示したように第2赤外線照射装置72,82が用いられ、第2赤外線照射装置72,82から赤外線74,85が融解容器62に照射されるようになっている。
第2赤外線照射装置72,82は、図2に示したように融解容器62の上方と側方に配置することが好ましいが、上方と側方のいずれか一方であっても構わないものである。このような第2赤外線照射装置72,82としては、レーザ光照射装置を用いることが好ましいが、レーザ光照射装置以外にも、抵抗加熱装置(特にシリコン単結晶を製造する場合には、カーボン抵抗加熱装置)であっても良く、他には例えば赤外線ランプから発せられた赤外線を楕円面反射鏡の内側面で反射するように構成された照射手段であっても構わないものである。この場合、赤外線ランプとしては、ハロゲンランプ、キセノンランプなどが使用可能である。
二重構造(傘状構造)の融解容器62では第2赤外線照射装置72,82からの赤外線の照射により、粒状原料52は加熱、融解され原料融液67のみが、隔離皿65の下端に設けられた溝66を通って中心部に移動し、隔離皿65内に貯留されるようになっている。
この時、粒状原料52の比重が原料融液67よりも小さい場合は、粒状原料52が原料融液67に浮くので、下方の溝66を通過することは避けられる。
逆に粒状原料52の比重が原料融液67の比重よりも大きい場合は、粒状原料52が原料融液67の下部に留まることになる。
そして、隔離皿65内に貯留された原料融液67は、中心部に滞留し、中心部のパイプに設けられた排出口68の高さに達すると、この排出口68からパイプ内部に流出し、下方の石英ルツボ12内に滴下される。この際、未融解の粒状原料52が原料融液67と一緒に下方に滴下することを抑止することができる。
さらに簡易型の融解容器62は、図5に示したように、上端部より粒状原料52が収容されるとともに、下端部が石英ルツボ12内の種子単結晶14の上面の混合融液91中に挿入される筒状部57と、この筒状部57の内部に設けられ、下端に開口を有する漏斗状部58と、からなるものである。
このような簡易型の融解容器62は、特にシリコンの場合のように粒状原料52の比重が原料融液67の比重よりも小さい材料の場合には、未融解の粒状原料52が筒状部57内の融液の上方に浮くので、融解容器62の外に出る粒状原料52は殆ど無い。
例え粒状原料52が外に出たとしても、融液の上方に浮いているので、上方から照射される赤外線により加熱、融解され、成長中の結晶界面に付着して製品中に取り込まれる恐れは少ない。
なお、融解容器62を加熱する容器加熱装置としては、図2に示した二重構造(傘状構造)の融解容器62の場合と同じように第2赤外線照射装置72,82を用いれば良い。
このようなボート型の融解容器62,二重構造(傘状構造)の融解容器62,簡易型の融解容器62の素材としては、全部または一部が白金、イリジウム、石英、炭化ケイ素、カーボン、グラファイト、カーボンもしくはグラファイト材の表面を炭化ケイ素化したもの、または予めカーボンもしくはグラファイト材の表面を炭化ケイ素でコーティングしたものなどが材料に応じて選択、使用される。
なお、二重構造(傘状構造)の融解容器62は、融解容器回転機構70により水平方向に回転される機能を有している。このように二重構造(傘状構造)の融解容器62が回転すれば、供給管51から供給される粒状原料52が融解容器62中に満遍なく供給されるので、粒状原料52を確実に融解することができる。
密閉チャンバー11内の融解容器62の下部に配置された石英ルツボ12の底部には、中心に向かって下がる勾配が設けられており、底部の中心部には種子単結晶14を収納する凹部13が設けられている。
石英ルツボ12の底部に設けられた勾配は、中心部に向かって3〜60度下がる勾配(傾斜角)、好ましくは5〜30度下がる勾配(傾斜角)であることが好ましい。この勾配(傾斜角)を小さくするほどに途中から別の結晶が成長を開始してしまう恐れが増大する。勾配(傾斜角)を大きくし過ぎると、石英ルツボ12の立壁部までの間の生成物は規格サイズ外となるので、製品歩留まりが劣化してしまう。
また、石英ルツボ12の底部の中心部に設けられた凹部13は、例えば内径が20cm程度、高さが20cm程度であることが好ましい。ここに設置した種子単結晶14の上部は上方からの赤外線28の照射によって融解するものの、下方は融解せずに保持される。このように融解される範囲を調整し、種子単結晶14が完全に融解してしまうことなく残存するようにすることにより、残存した種子単結晶14からのみ単結晶の成長が継続されるように制御することで、大型の単結晶を製造することができる。
本実施形態では、単結晶製造用ルツボとして石英ルツボ12を使用しているが、ルツボ材は、製造される単結晶の材料に合わせて選択されるものであり、他にも例えば白金、モリブデン、イリジウム、カーボンなどが使用される。特にシリコン単結晶を製造する場合には、本実施形態のように、内側に離型剤を塗布した石英ルツボ12が使用される。
なお、石英ルツボ12を配置しているルツボ台19は、ルツボ回転機構20で所定の速度で回転させることにより、石英ルツボ12内に照射される赤外線の照射ムラを軽減し、石英ルツボ12内に形成される融液相の温度を均質化することができる。
さらにはルツボ台19のルツボ上下移動機構22により、石英ルツボ12内に形成される融液相の高さ方向の位置を常に最適位置に制御することができる。
石英ルツボ12内に設けられた種子単結晶14の上面は、第1赤外線照射装置(本実施形態ではレーザ光照射装置)26から照射される赤外線28で融解され融液相が形成される。
さらには添加物を含有する材料の単結晶製造を行う場合には、最適添加物濃度に調整した原料を使用し、この最適添加物濃度の固体と平衡状態で共存する融液相の組成に調整した原料塊を必要量、種子単結晶14上に配置しておき、最初にこの原料塊と種子単結晶14の上部を一緒に融解して混合融液相を形成させ、ここに原料融液67を滴下してさらに混合融液を形成させ、単結晶製造を開始、継続することにより、所望の均質組成単結晶を製造することができる。
ここで石英ルツボ12内に設けられた種子単結晶14上に形成される混合融液相は、石英ルツボ12の底部の勾配に従って一定の厚みを維持しながら単結晶の製造が継続されると、混合融液相の周縁部の位置が中心から離れた位置に変動する。
さらに密閉チャンバー11の上部には、局所加熱用の第3赤外線照射装置(本実施形態ではレーザ光照射装置)30が配置されている。混合融液相の周縁部の位置変動に合わせて、第3赤外線照射装置30から照射される赤外線32の照射位置が合うように、第3赤外線照射装置30の照射位置の制御を行う。これにより石英ルツボ12内に形成される混合融液相の周縁部を周囲温度よりも高く維持することができる。
なお、図6(a)〜図6(f)に示したように、混合融液91の周縁部位置は単結晶製造の初期はルツボ中心部近傍にあるが、単結晶製造が進むにつれて外側に移動し、石英ルツボ12の立壁部に達してからは定常状態となる。
従ってこの局所加熱用の第3赤外線照射装置30は、照射位置を変動する混合融液相の周縁部位置に合致させる機能を有している。
一方、石英ルツボ12と赤外線照射装置26,30,72,82との間には、それぞれ赤外線透過窓27,31,73,84が設置されている。なお、赤外線透過窓27,31,73,84の材質は、赤外線を透過可能な材質で有れば特に限定されないが、例えば石英製であることが好ましい。
本発明の単結晶製造装置10は上記のように構成されており、特にボート型の融解容器62と二重構造(傘状)の融解容器62と簡易型の融解容器62とを用いて、粒状原料52を原料融液67とし、原料融液67のみが石英ルツボ12内に供給されるようになっているので、結晶粒界を無くした大型の単結晶であって、さらに垂直方向,水平方向のいずれの方向に対しても組成が最適添加物濃度で均質であり、負結晶や離溶ラメラの少ない高品質な単結晶を製造することができる。
<単結晶製造方法>
次に、本発明の単結晶製造装置10を用いた単結晶製造方法について説明する。
図6(a)に示したように、密閉チャンバー11内に石英ルツボ12を配置する。石英ルツボ12の内表面には、離型剤を塗布しておく。これにより最終的に製造されたシリコンの単結晶にクラックが発生することを抑止することができる。
そしてまず石英ルツボ12の底部中心部近傍に設けた凹部13内に、シリコンの種子単結晶14と、種子単結晶14上に最適添加物濃度の固体と共存する融液相形成に必要な組成と量の粒状原料塊15を配置する。
密閉チャンバー11を密閉し、排気部(図示せず)により密閉チャンバー11の内部の雰囲気が真空排気され、アルゴンガスなどの不活性の雰囲気ガスが密閉チャンバー11内に導入される。
一方、石英ルツボ12は、補助加熱装置17によって加熱が開始され、これにより石英ルツボ12の外側周囲温度が1300℃程度に加熱される。このとき補助加熱装置17は、石英ルツボ12の凹部13から少し離反して設置されているので、種子単結晶14に大きな熱が加えられることはない。
次いで図6(b)に示したように第1赤外線照射装置26から赤外線28を石英ルツボ12中心部の種子単結晶14上に照射し、融液相90を形成させる。この際、配置してある種子単結晶14の上面も一緒に融解するように赤外線28の照射強度を調整する。
融液相90が形成されたら、融液相90の周縁部に第3赤外線照射装置30から赤外線32を照射して、この周縁部の温度を周囲温度よりも少なくとも3℃以上、高く維持する。
上方の粒状原料掻き出し装置48、定量供給装置50、第2赤外線照射装置72,82を作動させ、ホッパー33内の最適組成の粒状原料52を掻き出して、所定の供給速度で供給管51から融解容器62中に投入し、生じた原料融液67を石英ルツボ12中に滴下する。
滴下された原料融液67と種子単結晶14上に形成されている融液とで混合融液91が形成される。この混合融液91の厚さが所定の厚みになると、その下方には第1赤外線照射装置26から照射された赤外線28が届き難くなるので、混合融液91の下方にある固液界面近傍の温度が低下する。
その結果、図6(c)に示したように、石英ルツボ12の凹部13に配置した種子単結晶14の上面に形成された混合融液91から固相の析出、すなわち単結晶92の製造が始まる。この時、種子単結晶14の上面に形成される混合融液91の周縁部には、第3赤外線照射装置30から赤外線32を照射して、種子単結晶14以外からの微結晶の生成を抑止するか、または生成したとしても成長が抑止され単結晶からの成長が支配的となる工夫を維持する。
さらに図6(d)に示したように、最適添加物組成の粒状原料52を融解容器62へ継続して投入する。石英ルツボ12の混合融液91の下部での固相の析出が継続され、単結晶92の成長が継続される。
次いで図6(e)に示したように、所定の粒状原料52の供給を完了したら、赤外線照射装置26,30,72,82の出力を徐々に下げる。
そして図6(f)に示したように、全体を完全な単結晶92とする。
単結晶92が完成したら、徐々に温度を下げ、室温まで冷却してから密閉チャンバー11を開き、石英ルツボ12内の単結晶92が製品として取り出される。
なお本実施形態では、全製造工程を通して単結晶92の表面形状ができるだけ平坦に維持されるよう、赤外線28の照射量分布を工夫している。それと同時に混合融液91の周縁部に、第3赤外線照射装置30により赤外線32を照射することで、混合融液91の周縁部の温度を、混合融液91の全体の平均温度よりも3℃以上、好ましくは5℃以上高めている。
このようにすることにより、石英ルツボ12の内壁の、離型剤が塗布された部分からの微結晶の発生、もしくは発生した微結晶の成長を遅らせることができる。
本発明の単結晶製造装置10および単結晶製造方法では、粒状結晶母材(粒状シリコン)と粒状添加物からなる粒状原料52を最適組成に混合した粒状原料を使用している。この混合した最適組成の粒状原料をホッパー33に収納し、ここから粒状原料掻き出し装置48、定量供給装置50を使用して供給管51から融解容器62内に粒状原料52を落下させ、形成される原料融液67のみを下方の石英ルツボ12中に滴下することで粒状原料52の供給、融解、単結晶としての固化までを連続的に行っている。
すなわち定常状態では、粒状原料52を連続的に融解容器62内へ供給し、加熱,溶融して原料融液67を得て、これを石英ルツボ12内へ供給して単結晶92を析出させているため、得られる単結晶92の組成は最適組成の粒状原料52の組成と同一となる。
したがって生成される単結晶92の組成を、最適組成で均質化させることができる。
これにより、太陽光発電に使用した際に高い変換効率を実現できる添加物濃度で均質な組成の高品質な単結晶が歩留まり良く製造でき、ひいては製造コストの削減に寄与することができる。
以上、本発明の単結晶製造装置10およびこの単結晶製造装置10を使用した単結晶製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないものである。
また上記実施形態では、N型半導体を製造する場合には、無添加の高純度シリコンの粒状原料と、リンを高濃度に添加した粒状原料と、を所定の最適組成になるように混合した混合粒状原料を使用している。
P型半導体を製造する場合には、無添加の高純度シリコンの粒状原料と、ホウ素を高濃度に添加した粒状原料と、を所定の最適組成になるように混合した混合粒状原料を使用している。
さらに、高純度無添加粒状シリコンと、リンやホウ素などを高濃度に添加した粒状原料と、を別々に供給すれば、製品中の添加物の濃度を適宜変更できるという利点がある。しかしながら多くの場合、最適濃度は既知であるため、それに合わせた組成比の粒状原料(粒状シリコン+粒状添加物)を作成し、一度に供給することが効率的である。
また、上記実施形態では、粒状原料52の粒度について特に言及していないが、粒状原料52の粒度が大きすぎると、粒状原料52を融解させるのに時間がかかってしまうことがある。逆に小さ過ぎると供給中に飛散するなどの不都合が発生し易くなる。
したがって、粒状原料52の粒子の直径は0.1〜0.5mm程度の大きさであることが好ましい。
また上記実施形態では、粒状結晶母材として高純度無添加シリコンの粒状原料を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、製造しようとする物質に合わせて用意した粒状原料52を用いることができる。
さらに上記実施形態では、赤外線の照射を行う赤外線照射装置26,30,72,82および融解容器62、定量供給装置50、粒状原料掻き出し装置48、供給管51等の各構成要素の数について、一つ設けた場合を例に説明しているが、各構成要素の数については、育成されて単結晶のサイズに合わせて複数設けても良く、適宜設定すれば良いものである。
また上記実施形態において、ボート状の融解容器62では、三重構造の様式を採用しているが、この構造は他にも可能であり、例えば図4に示したような融解容器62にも可能である。
さらに上記実施形態においては、粒状原料供給手段として、粒状原料掻き出し装置48や供給管51が用いられているが、これらは場合によっては無くても良く、この場合には定量供給装置50から直接、融解容器62へ粒状原料52を供給すれば良いものである。
このように本発明の単結晶製造装置10および単結晶製造方法は、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
10 単結晶製造装置
11 密閉チャンバー
12 石英ルツボ
13 凹部
14 種子単結晶
15 粒状原料塊
16 カーボン製保持具
17 補助加熱装置
18 断熱材
19 ルツボ台
20 ルツボ回転機構
22 ルツボ上下移動機構
26 第1赤外線照射装置
27 赤外線透過窓
28 赤外線
30 第3赤外線照射装置
31 赤外線透過窓
32 赤外線
33 ホッパー
46 着脱機構
47 収容容器
48 粒状原料掻き出し装置
50 粒状原料定量供給装置
51 供給管
52 粒状原料
53 粒状原料用漏斗
54 原料融液用漏斗
55 高周波誘導加熱装置
57 筒状部
58 漏斗状部
60 位置調整装置
61 ボート状容器
62 粒状原料融解容器
63 隔離板
64 融解皿
65 隔離皿
66 溝
67 原料融液
68 排出口
70 融解容器回転機構
72 第2赤外線照射装置
82 第2赤外線照射装置
73 赤外線透過窓
74 赤外線
84 赤外線透過窓
85 赤外線
90 融液相
91 混合融液
92 単結晶

Claims (26)

  1. 単結晶製造用ルツボ内に種子単結晶を設置しておき、粒状原料融解手段で粒状原料を溶融し得られた原料融液を前記単結晶製造用ルツボ内に供給し、前記種子単結晶上に固体として単結晶を析出させ、大型単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
    前記単結晶製造装置は、
    前記粒状原料を一定量、下方に位置する粒状原料融解手段に供給する粒状原料供給手段と、
    前記粒状原料供給手段から供給される粒状原料を加熱、融解して原料融液とし、下方に位置する前記単結晶製造用ルツボ内に前記原料融液を供給する粒状原料融解手段と、
    前記種子単結晶が底部に設置される単結晶製造用ルツボと、前記単結晶製造用ルツボ内の種子単結晶の上面に赤外線を照射する第1赤外線照射装置と、を有する結晶化手段と、
    を少なくとも備え、
    前記種子単結晶の上面に赤外線を照射して形成される融液中に、前記粒状原料融解手段から供給される原料融液を落とし、形成される混合融液から単結晶を析出させるよう構成され
    前記粒状原料融解手段が、
    前記粒状原料を受ける粒状原料融解容器と、
    前記粒状原料融解容器を加熱し、前記粒状原料融解容器内の粒状原料を融解する容器加熱装置と、
    を有し、
    前記粒状原料融解容器が、
    前記粒状原料を加熱して融解する融解部と、
    前記融解部で生成される融液のみを保持する融液保持部と、
    を有し、
    さらに前記粒状原料融解容器が、
    ボート状容器と、
    前記ボート状容器を前記融解部と融液保持部とに区分けする、下方に溝が設けられた隔離板と、
    から成ることを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 単結晶製造用ルツボ内に種子単結晶を設置しておき、粒状原料融解手段で粒状原料を溶融し得られた原料融液を前記単結晶製造用ルツボ内に供給し、前記種子単結晶上に固体として単結晶を析出させ、大型単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
    前記単結晶製造装置は、
    前記粒状原料を一定量、下方に位置する粒状原料融解手段に供給する粒状原料供給手段と、
    前記粒状原料供給手段から供給される粒状原料を加熱、融解して原料融液とし、下方に位置する前記単結晶製造用ルツボ内に前記原料融液を供給する粒状原料融解手段と、
    前記種子単結晶が底部に設置される単結晶製造用ルツボと、前記単結晶製造用ルツボ内の種子単結晶の上面に赤外線を照射する第1赤外線照射装置と、を有する結晶化手段と、
    を少なくとも備え、
    前記種子単結晶の上面に赤外線を照射して形成される融液中に、前記粒状原料融解手段から供給される原料融液を落とし、形成される混合融液から単結晶を析出させるよう構成され
    前記粒状原料融解手段が、
    前記粒状原料を受ける粒状原料融解容器と、
    前記粒状原料融解容器を加熱し、前記粒状原料融解容器内の粒状原料を融解する容器加熱装置と、
    を有し、
    前記粒状原料融解容器が、
    前記粒状原料を加熱して融解する融解部と、
    前記融解部で生成される融液のみを保持する融液保持部と、
    を有し、
    さらに前記粒状原料融解容器が、
    融解皿と、
    前記融解皿内に設けられ、断面ハ字状で下部に溝を有する隔離皿と、
    からなり、
    前記融解皿と隔離皿との間で、前記融解部と融液保持部とに区分けされるよう構成されていることを特徴とする単結晶製造装置。
  3. 前記粒状原料供給手段が、
    前記粒状原料を収容するホッパーと、
    前記ホッパー内の粒状原料を所定の供給速度に調整して一定量を下方に供給する粒状原料定量供給装置と、
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記粒状原料供給手段が、
    前記ホッパー内の粒状原料を掻き出して下方に供給する粒状原料掻き出し装置を有することを特徴とする請求項に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記粒状原料供給手段が、
    前記粒状原料定量供給装置から供給される粒状原料を下方の粒状原料融解手段の所定の位置に供給する供給管を有することを特徴とする請求項3または4に記載の単結晶製造装置。
  6. 前記供給管の材質が、石英であることを特徴とする請求項に記載の単結晶製造装置。
  7. 前記ホッパーが、
    前記粒状原料を収容する収容容器を着脱する着脱機構を有することを特徴とする請求項に記載の単結晶製造装置。
  8. 前記着脱機構が、
    前記着脱機構内および収容容器内の雰囲気を任意に調製する雰囲気調整機能を有することを特徴とする請求項に記載の単結晶製造装置。
  9. 前記粒状原料融解手段と結晶化手段が、密閉チャンバー内に配設されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  10. 前記粒状原料供給手段が、密閉チャンバー内に配設されていることを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  11. 前記ホッパー内と前記密閉チャンバーとを連結する、もしくは前記ホッパー内と前記密閉チャンバーとを同一の雰囲気に調整する雰囲気調整装置を有することを特徴とする請求項10に記載の単結晶製造装置。
  12. 前記ホッパーが、
    組成の異なる粒状原料をそれぞれ収納する複数のホッパーから構成されていることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  13. 前記容器加熱装置が、第2赤外線照射装置であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  14. 前記容器加熱装置が、高周波誘導加熱装置であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  15. 前記容器加熱装置が、抵抗加熱装置であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  16. 前記粒状原料融解容器が、
    水平方向に回転する融解容器回転機構を有することを特徴とする請求項に記載の単結晶製造装置。
  17. 前記粒状原料融解容器の全部または一部が、
    白金、イリジウム、石英、炭化ケイ素、カーボン、グラファイト、カーボンもしくはグラファイト材の表面を炭化ケイ素化したもの、または予めカーボンもしくはグラファイト材の表面を炭化ケイ素でコーティングしたものから成ることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  18. 前記粒状原料供給手段を、複数有することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  19. 前記粒状原料融解手段を、複数有することを特徴とする請求項18に記載の単結晶製造装置。
  20. 前記単結晶製造用ルツボが、
    底部の中心部に凹部が設けられ、前記凹部内に種子単結晶が配置されるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  21. 前記単結晶製造用ルツボの外側に、補助加熱装置が設けられていることを特徴とする請求項1〜20のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  22. 前記単結晶製造用ルツボの上部には、
    前記単結晶製造用ルツボ内の融液および/または混合融液の周縁部近傍を加熱する第3赤外線照射装置が配設されていることを特徴とする請求項1〜21のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  23. 前記単結晶製造用ルツボの底部が、中心に向かって下方に傾斜していることを特徴とする請求項1〜22のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  24. 前記単結晶製造用ルツボの内壁には、離型剤が塗布されていることを特徴とする請求項1〜23のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  25. 前記単結晶製造用ルツボが、水平方向に回転するルツボ回転機構を有することを特徴とする請求項1〜24のいずれかに記載の単結晶製造装置。
  26. 前記単結晶製造用ルツボが、所定の速度で上下方向に昇降する昇降手段を有することを特徴とする請求項1〜25のいずれかに記載の単結晶製造装置。
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