JP2005343736A - 単結晶製造方法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
着色基板両面に厚みのある高品質の単結晶膜を製造することが可能な製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】
少なくとも一対の赤外線発生源と反射鏡とからなる赤外線照射装置により、反応器内部に基板ホルダーを介して固定した着色基板の単結晶成長面両面を略均一に加熱して、単結晶を製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、単結晶製造方法およびその製造装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、レーザー機器、光通信機器など多くの機器に用いられる半導体素子の基本要素として好適に用いることができる高品質な単結晶の製造方法およびその製造装置に関する。
従来から、単結晶は、レーザー機器、光通信機器など多くの機器に用いられる半導体素子の必要不可欠な基本要素、具体的には基板ウェハーとして広く用いられてきている。特に、光素子に用いられる化合物半導体の単結晶の製造方法としては水平ブリッジマン法(HB法、horizontal Bridgman method)、液体封止チョコラルスキー法(LEC法、liquid encapsulated Czochralski method)法などで、これらを用いてGaAs,InP,GaP,InAsなどの化合物半導体が実用化されている。
一方、化合物半導体の中でも窒素(N)を構成元素とする窒化物半導体の場合には、結晶の融点での窒素の平衡蒸気圧が非常に高く、上記のHB法やLEC法での単結晶育成は困難である。このため、窒化物半導体の単結晶の作製には化学蒸着法(Chemical
Vapor Deposition;以下CVD法ともいう。)などの蒸着法、スパッタリング法、溶融塩法など様々な方法が提案されてきており、一部は実用化されている。
化学蒸着法の一つとして、例えば、有機金属気相エピタキシャル成長法が知られている。この方法によれば、反応性の高い有機金属を原料として使用し、反応器中に必要な有機金属蒸気を導入して、所定の温度で反応させ、基板上に単結晶を成長させるので、高品質な単結晶が得やすい点に特徴があるが、従来の方法では、単結晶の成長速度が一時間当たり数ミクロン程度と遅いことが問題とされてきた。
また、その他の化学蒸着法の一つとしては、ハイドライド気相成長法(Hydride
Vapor Phase Epitaxy;以下HVPE法と略記)も知られている。この方法は、製膜速度が一時間当たり数百ミクロンと高いため、最も実用に供し易い方法として注目されており、多くの成果を挙げてきている。
例えば、青色レーザ発振素子として最も期待されている窒化ガリウム薄膜単結晶は、750℃〜880℃に加熱したガリウム金属と塩化水素ガスを反応させて塩化ガリウムを生成させ、これとアンモニアガスとを1100℃近くまで加熱した反応器に導入し、サファイア単結晶基板上に窒化ガリウム単結晶として成長させることにより得られている。
これらに代表される化学蒸着法により単結晶を製造する場合には、原料ガスを基板上で反応させて単結晶を成長させる方法であるため基板を加熱する必要がある。
従来、この基板の加熱方法としては、上記のように反応室全体を外部から加熱する方法、結晶成長面の反対側の近傍に加熱源を設け基板を加熱源により直接加熱する方法、基板を間接加熱する方法などが提案されてきた。
しかしながら、反応室全体を加熱する方法の場合は、反応室自体も加熱されるため、反応が反応室全体で進行してしまうので基板上で選択的に薄膜単結晶の成長を行わせることは困難である場合も多かった。また、反応容器として一般的に用いられる石英の軟化温度(約1200℃)の制約からこの温度以上での成長は困難であった。
また、基板を加熱源により直接加熱する方法としては、(ア)基板の下部に抵抗加熱ヒーターを設け、これにより基板を加熱する方法が知られており、間接加熱する方法としては、(イ)基板の下部にサセプターと呼ばれる良電導物質を配置させ、これを反応室の外部から高周波誘導加熱方法により加熱し、これによって基板温度を所定の値に保持する方法、(ウ)黒鉛などの赤外線吸収能を有する物質からなる板を基板下部に置き、これに外部から赤外線を照射して加熱することにより基板を間接的に加熱する方法などが提案されてきた。
しかしながら、前記(ア)抵抗加熱ヒーターを用いる方法においては、例えば有機金属ガス、塩化水素ガスなどの原料ガス、あるいは反応終了後の排気ガスの反応性が極めて高く、腐食性の高い場合があり、ヒーターの腐食により長時間安定して使用することが困難な場合もあった。
また、前記(イ)高周波誘導加熱方法および(ウ)黒鉛などの赤外線吸収能を有する物質からなる板(以下、下地板ともいう。)を基板下部に置き、基板を間接加熱する方法は、特に、サセプターもしくは下地板が最も高温となり、さらにサセプターや下地板の周囲の温度も上昇するため、下地板を中心として基板周囲でも反応が起こってしまい、高価な原料ガスが無駄に消費されてしまうだけでなく、基板上での単結晶の安定成長が阻害されてしまうという問題を解消するには至っていない。また、これら(ア)、(イ)、および(ウ)のいずれの方法においても、基板の片面を加熱して、反対面で単結晶の成長反応を行うこととなるため、成長する単結晶の厚みが増すほどに、基板であるサファイア単結晶と、基板上で成長した単結晶との熱膨張係数の差および格子定数の差に起因する曲がり等が増大するので、成長反応終了後に温度を下げ、基板と単結晶を切り離すことが困難となり、分離作業中にクラックなどの発生が避けられない場合もあった。
一方、これら問題点を解決すべく、着色基板片面を赤外線により照射して単結晶を成長させる薄膜単結晶製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、成長基板を直接加熱しているため、原料ガスの使用量を大幅に低減し、さらに基板周辺での反応も大幅に低減することができる点で従来の(ア)〜(ウ)と比較をすれば優れたものである。しかしながら単結晶成長後の曲がりの発生により、薄膜単結晶を基板から分離する過程で、単純な切断作業が適用し難く、レーザ照射などの特殊な方法で分離を行う必要があり、この切断過程で、クラックなどが発生してしまう場合もあり、高品質な厚みのある単結晶膜を安定的に得るためにはいまだ課題があった。
特開2000−53495
本発明は、原料ガスを無駄に消費することがなく、さらに曲がりなどの発生を抑制した高品質な厚みのある単結晶膜の製造が可能な化学蒸着法による単結晶製造方法を提供すること、さらに、その製造装置を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、化学蒸着法により着色基板上に単結晶を製造する方法であって、赤外線を反射鏡で集光して、着色基板両面を直接加熱することを特徴とする単結晶製造方法により、基板上の結晶成長面のみを所望の温度に加熱維持し、さらに基板上の温度分布が極めて少ない均一な温度条件を実現することができるため、原料ガスを効率よく用いることができ、欠陥の極めて少ない高品質な単結晶を効率良く製造ができることを見出し、さらに基板両面に単結晶を成長させ効率的に単結晶を製造できるだけでなく、冷却時の熱膨張係数差に起因する曲がりの発生を低減でき、基板と成長した高品質な単結晶の分離を単純な切断加工により容易に行えることも見出し
、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る単結晶製造方法は、化学蒸着法により単結晶を基板上に製造する方法であって、基板が赤外線吸収能を有する着色基板であり、反射鏡で集光した赤外線を基板両側から照射して基板を加熱し、上記基板表面上で原料ガスを反応させて単結晶を基板両面に成長させることを特徴とする。
その際、前記着色基板が着色コランダム単結晶であり、前記反射鏡が楕円鏡であり、さらに、前記赤外線の発生源がハロゲンランプであることが好ましい。
また本発明に係る単結晶製造方法によれば、基板が赤外線を透過することなく、つまり基板が選択的に赤外線を吸収し着色基板のみを加熱できるので、金属塩化物およびアンモニアを原料ガスとして用いて窒化物半導体単結晶を好適に製造することができる。
本発明に係る単結晶製造装置は、反応器および少なくとも一対の赤外線発生源と反射鏡とからなる赤外線照射装置を具備した着色基板上両面に単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
前記反応器内部に基板ホルダーを介して前記着色基板が固定され、
前記反応器には原料ガス導入管と排ガス排出管と赤外線透過性窓とが具備され、
前記少なくとも一対の赤外線照射装置が前記反応器外部に対向して配置されており、前記赤外線照射装置により、前記赤外線透過性窓を通して前記着色基板上の単結晶成長面両面を略均一に加熱することを特徴とする。
上記単結晶製造装置は、着色基板の単結晶成長面が略垂直となるように固定されていることが好ましい。
本発明に係る単結晶製造方法によれば、着色基板のみを選択的に加熱でき、また、温度制御も容易に行えるので、単結晶を著しく効率よく製造することができる。さらに、基板を挟む形で両側に同時に厚みの均一な曲がりの少ない単結晶を製造することができるとともに、厚みのあるバルク単結晶の製造も容易に行うことができる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明に係る単結晶製造方法では、赤外線吸収能を有する着色基板の結晶成長面両面に、楕円鏡等の反射鏡で集光した赤外線を照射して、着色基板を選択的に所定の温度に加熱、維持して、化学蒸着法により単結晶を製造することを本質的な特徴としている。
〔着色基板〕
本発明においては、基板を選択的に加熱する必要があるため、基板としては赤外線吸収能を有する着色基板の使用が欠かせない。これら着色基板としては、赤外線吸収能を有する限り特に制限はないが、例えば、着色剤と無機酸化物とを原料とした単結晶を着色基板として用いることができる。このような単結晶を着色基板として用いることにより、容易に所望の単結晶を製造することができる。
上記単結晶の原料として用いる無機酸化物としては、例えば、アルミナ(Al23)、ルチル(TiO2)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、スピネル(Al23+MgO)などの酸化物や複合酸化物を挙げることができる。これら無機酸化物を単結晶の原料の一つとして用いた場合には、着色剤としては、これら無機酸化物を着色可能な種々の赤外線吸収性の物質を用いることができる。
例えば、無機酸化物としてアルミナ(酸化アルミニウム:Al23)を用いた場合には、酸化クロム、酸化鉄および酸化チタニウムなどを着色剤として用いることができる。
酸化アルミニウムおよび酸化クロムもしくは酸化チタニウムを組み合わせて用いた場合には、単結晶としてルビーを得ることができ、酸化アルミニウム、酸化鉄および酸化チタニウムを組み合わせて用いた場合には、単結晶としてブルーサファイアを得ることができる。
また、上記着色基板として用いる単結晶としてはシリコン単結晶や砒化ガリウム単結晶などの半導体の単結晶を使用することもできる。
これら単結晶の作製方法としては、例えば以下の作製方法を挙げることができる。
(1)火炎溶融法(ベルヌーイ法、Vernuil Method)
(2)引上法(チョクラルスキー法、Czochralski Method)
(3)EFG法(Edge definded Film Growth Method)
(4)ブリッジマン法もしくは引下法
(5)カイロポーラス法
(1)の方法は、水素ガスを酸素ガス中で燃焼させ、そこに上から原料粉末を少しずつ落下させて溶融させた後、下部で固化させて、単結晶を作製する方法である。
(2)の方法は、原料粉末をイリジウムまたは、モリブデン製のルツボ中で温度を上げて融解させ、そこに種子結晶を浸して、これを太らせながら引上げて、単結晶を作製する方法である。
(3)の方法は、(2)の方法と同じように、坩堝中で、原料を融解させ、溶融液の表面に隙間を開けた板を浮かべて、隙間から溶融液をしみ出させ、隙間の形状の単結晶を作製する方法である。直線の隙間からは、板状単結晶が作製できるし、円筒型隙間からは、パイプ状単結晶が作製できる。
(4)のブリッジマン法は引下法とも呼ばれている方法であるが、ルツボ下部に単結晶種子をいれておき、これを全部溶かしてしまわないようにしながら原料粉末を溶融させてからるつぼを下げて溶け残っている種子結晶をゆっくりと太らせるように固化させて単結晶を得る方法である。
また(5)のカイロポーラス法と呼ばれている方法は、引上法と同様にしてるつぼ中で原料を溶解させたら、種子結晶を浸し、ゆっくりと上から下方向に固化させる方法である。この方法は原理的には引上法と同様であるが、通常の引上法は育成結晶を回転させながら成長した結晶を上側に引上る方法であるのに対して、回転をせず、そのままゆっくりと固化させる方法である。
これら単結晶の作製方法については特に制限はないが、高品質単結晶が得られる方法であることが好ましい。上記基板に用いる単結晶が高品質であると、基板上に成長する単結晶も高品質のものとすることができるからである。
(1)の火炎溶融法では最も製造コストが低く、広く工業的に用いられている方法であるが、高品質単結晶の育成は一般に困難である。一方、(2)〜(5)の方法で得られる単結晶は一般的に高品質であるので、(2)〜(5)の方法で得られる単結晶は本発明に好適に用いることができる。
このようにして得られた単結晶は、切断、研磨等の加工を施すことで所望の形状の着色
基板とすることができる。
着色基板に用いる材料としては、着色基板上に成長させる薄膜単結晶の種類に応じて、最適な材料を選択することができる。
例えば、窒化ガリウム、窒化アルミニウムなどの窒化物半導体として用いられる薄膜単結晶を着色基板上に成長させる場合には、着色基板として、着色コランダム単結晶を好適に使用することができる。これら着色コランダム単結晶のなかでも、ルビーを特に好適に用いることができる。
ルビーは、従来から時計用軸受けなどに大量に利用されてきたので、切断、研磨、などの加工工程が確立していること、さらに、含有される着色剤の特性からサファイアよりも機械的特性に優れ、加工途中でのワレなどが発生し難いので、加工特性に優れることなどから、高品質の基板を歩留まり良く製造することができるからである。
着色基板の色は、赤外線を吸収することができる限り特に限定されるものでない。着色基板の色を選択したい場合は、人造宝石の添加物による着色方法などの技術を用いることで選択することが可能である。例えば上記ルビーの場合は紅色が基本色となる。
以上のような着色基板を用いる方法は、従来試みられた黒鉛を下地板としてこの下地板を加熱することによって基板を間接的に加熱する方法とは本質的に相違している。上記下地板を用いる方法の場合は、反応系において最も高温となり反応が最も激しく生じる部分は、下地板部分である。したがって、高価な原料ガスを無駄に消費してしまうばかりでなく、下地板部分で生じた単結晶微粒子が基板上に付着してしまい、単結晶の特性を劣化させてしまう。一方、本発明の方法では、着色基板を選択的に直接加熱するので、反応系において最も高温となる部分は基板の結晶成長面部分である。したがって、基板以外の場所での反応を抑止することができ、原料ガスを無駄に消費することがない。しかも、単結晶の育成を基板上に限定することができるので、単結晶微粒子の付着などの問題もなく、高品質単結晶育成が極めて容易となる。
〔赤外線発生源〕
本発明に係る単結晶製造方法によれば、前記着色基板を加熱するためには反射鏡で集光した赤外線を用いる。この赤外線発生源としては、特に赤外線を発生するものである限り限定されず、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いることができるが、これらの中でも、ハロゲンランプを好ましく用いることができる。ハロゲンランプは安価であるばかりでなく、出力が安定しているので、基板温度を均質、かつ安定に維持することができるからである。
また、上記赤外線源から赤外線を反射鏡で集光し着色基板上に照射する方法としては、反射鏡を用いている限り特に制限はないが、基板表面上の結晶成長面の温度を所望の温度に効率的に加熱し、さらに均一性の優れた条件で温度を維持する観点からは、ハロゲンランプなどからの赤外線を楕円鏡で集光して照射することが望ましい。基板の片側から加熱する方法でも不可能ではないが、この場合には、両側から加熱する方法に較べてそれぞれの単結晶の厚さが不均一になりやすく、冷却後に曲がりが発生する可能性が高くなってしまう場合があった。また本発明においては、一対の赤外線発生源と反射鏡とからなる赤外線照射装置、すなわち2個の赤外線照射装置によって基板両面を加熱することができるが、二対以上の複数対の赤外線照射装置、すなわち2n個の赤外線照射装置(ここでnは2以上の整数を示す。)により基板を加熱する方法も採用可能である。
〔単結晶製造方法〕
本発明に係る単結晶製造方法では、前記着色基板両面を赤外線で直接照射して加熱を行
う。このように基板両面を赤外線で加熱することにより、基板上の温度を単結晶成長に最も適した温度に加熱することが容易に可能となる。たとえば、ハイドライド気相成長法による窒化ガリウム単結晶育成を行う場合には、基板の温度を1200℃以上となるよう基板両面を直接加熱することによって、欠陥密度の少ない高品質な窒化ガリウム単結晶を得ることができる。また、上記方法によれば、反応室内に設置されている基板のみが所定の結晶成長温度に維持され、それ以外の部分の温度は結晶成長温度以下の温度に維持することが容易に可能となるので、導入した原料ガスによる結晶成長反応を基板上のみで行うことができ、それ以外の部分での副反応を極めて低いレベルに抑止できる。したがって、本発明に係る単結晶製造方法によれば、長時間に渡り、安定した単結晶の製造を行うことができ、厚み10mm以上の単結晶膜の製造も可能となる。
さらに、基板両面での結晶速度を一定に制御でき両面での厚みを均質に成長させることができるので、基板と単結晶との間の歪に起因する曲がりの発生を極めて小さくできる。したがって、得られた単結晶を所定の薄板に切断加工することも容易となり、高品質単結晶の安定した大量生産も可能となる。
このようにして得られる高品質単結晶としては、例えば、窒化ガリウム単結晶、窒化アルミニウム単結晶、あるいはこれら化合物を任意の組成比で含む混晶などの窒化物半導体単結晶などを挙げることができる。またこれら結晶のうち、上記結晶に含まれるアルミニウム、ガリウムの一部をボロンやタリウムなどで置換したり、あるいは、上記結晶に含まれる窒素の一部をリン、砒素、アンチモン、ビスマスなどで置換した結晶であってもよい。
このような単結晶を製造する原料ガスとしては化学蒸着法、特に熱CVD法で用いられる原料ガスである限り特に制限はない。
例えば、上記窒化物半導体単結晶を製造する場合にあっては、塩化ガリウム、塩化アルミニウムなどの金属塩化物、およびアンモニアガスを原料として用いることができる。
上記金属塩化物は、ガリウムなどの金属を加熱し、これと塩化水素を反応させることにより製造することができる。
また、キャリアガスとしては、通常熱CVD法で用いられるキャリアガスを用いることができ、水素ガス、窒素ガスなどを用いることが出来る。
また、反応温度は、赤外線発生源のエネルギー量、例えば、ハロゲンランプへの供給電力をコントロールすることにより制御することができる。具体的には電力調整器とハロゲンランプを接続しておき、電力調整器の出力を外部からの信号によって制御することにより、遠隔操作、自動制御などを行うことに可能である。
このような結晶成長反応では、副反応の抑制、雰囲気の制御の容易さ、反応の安定性などの観点からは、着色基板を配置した反応器内部で行うことが好ましい。また、その他化学蒸着法で通常用いられる好ましい手法をさらに追加して、本発明の単結晶製造方法を行うことができる。
〔単結晶製造装置〕
本発明に係る薄膜単結晶製造装置は、反応器および少なくとも一対の赤外線発生源と反射鏡とからなる赤外線照射装置を具備した着色基板上両面に単結晶を製造する単結晶製造装置である。
(a)反応器
本発明に係る単結晶製造装置を構成する反応器は原料ガス導入管と排ガス排出管と赤外
線透過性窓とを具備する。
反応器の材質は、上記単結晶を製造することができるものである限り特に制限はなく、例えば、ステンレススチール、透明アルミナ、石英、耐熱ガラスなどを用いることができる。
前記反応器が具備する赤外線透過性窓の材質は赤外線が透過可能である限り特に制限はされないが、例えば、透明アルミナ、石英、耐熱ガラスを用いることができる。また、反応器として、石英や、耐熱ガラスを用いる場合は、無論、反応器の主要部あるいは全体が石英、あるいは耐熱ガラスで構成されていてもよく、例えば、石英や耐熱ガラスからなるパイプ材を原料として用いて反応器を製造し、管型の形状の反応器として用いることもできる。
また、本発明に係る反応器には原料ガスを導入する導入管と廃ガスを排出する排出管とが接続されている。導入管と排出管が設置されている限りその配置位置については特に制限はない。
(b)基板ホルダー
本発明に係る単結晶製造装置を構成する反応器内部には基板ホルダーが配置されている。この基板ホルダーは上記単結晶製造方法に用いる着色基板を破壊することなく固定できるホルダーであれば特に制限はない。
(c)赤外線照射装置
本発明に係る単結晶製造装置を構成する赤外線照射装置は、少なくとも一対の赤外線発生源と反射鏡とからなる赤外線照射装置であり、前記反応器外部に対向して配置されている。
赤外線発生源および反射鏡については、前記単結晶製造方法で用いることができるものを好適に用いることができる。したがって、赤外線発生源としては、ハロゲンランプを特に好適に用いることができ、反射鏡としては、楕円鏡を特に好適に用いることができる。
そして、この赤外線照射装置により、赤外線透過性窓を通して着色基板上の単結晶成長面両面を略均一に加熱することができる。
本発明に係る単結晶製造装置は上記装置構成を有するので、本発明に係る単結晶製造方法を好適に実施することができる。
また、本発明に係る製造装置においては、着色基板の結晶面が略垂直となるように配置されるように、基板ホルダーを介して反応器内部に配置されていることが好ましい。着色基板がこのように配置されていると、基板の両側におけるガスの流れに差が少なくなるので、均質に単結晶を成長させることが可能となる点で好ましい。
〔実施例〕
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
〔実施例1〕
〈単結晶製造装置〉
本発明に係る製造方法に用いる単結晶製造装置としては、例えば、図1に例示した装置
をひとつの形態として示すことができる。
この薄膜単結晶製造装置においては、原料ガスを導入する導入管(2)と廃ガスを排出する排出管(3)とを具備した赤外線透過性の窓(8)を有する反応器(1)の内部に、基板ホルダー(4)を介して、着色基板(5)を略垂直となるように固定されている。また、反応器(1)の外部には赤外線発生源(6)と反射鏡(7)とからなる一組の赤外線照射装置が配置される。
反応室(1)には窓材として透明石英板を用い、着色基板(5)にはルビー単結晶板を用いる。赤外線発生源(6)にはハロゲンランプを用いる。また、反射鏡(7)には楕円鏡を用い、(6)と(7)からなる一組の赤外線照射装置として用いた場合に、一組の反射鏡(7)が楕円鏡(双楕円鏡)となるようにする。 そして、赤外線発生源(6)から発生する赤外線を反射鏡(7)で集光して着色基板(5)を加熱することにより、着色基板(5)上の温度を選択的に所定の温度に加熱維持する。この際、着色基板は両面から加熱されるので、薄膜の形成も両側に進む。
〈窒化ガリウム単結晶の製造〉
実際に、図1の装置において、赤外線透過性窓材として透明石英板を、着色基板(5)
としてCr23;0.3%添加のAl23からなるルビー単結晶(紅色)を、加熱源(6)にはハロゲンランプを、反射鏡(7)には楕円鏡を用いて窒化ガリウム単結晶を製造した。
まず、別途準備した反応炉内部でガリウム金属を750〜880℃まで加熱して、これに塩化水素ガスと水素ガスからなる混合気体を吹き付け、塩化ガリウムを生成させた。この生成した塩化ガリウム、およびアンモニアガスをキャリアガスである水素ガスとともに、原料ガス導入管(2)から反応器(1)の内部に導入した。そして、ルビー単結晶板をハロゲンランプから楕円鏡を用いて集光した赤外線で加熱して温度を1200℃に保ち、窒化ガリウムの単結晶を前記ルビー単結晶板の両面に成長させた。その結果、従来は不可能とされていた厚さ5mmを超える厚膜の良質なバルク単結晶を製造することが出来た。
また、本発明にかかる単結晶の製造方法によって、基板のみの加熱が可能となり、しかも基板の両側の平面上に同時に製膜できたので、反応効率は従来の製造方法(ルビー単結晶基板とは異なるアルミナ基板)に比べ約5倍も向上した。
また、基板の両側に同時に厚膜単結晶を生成させたことにより、反応室から取り出した後も曲がりの発生は無く、極めて高品質な単結晶を効率良く製造することが出来た。さらに、これら単結晶は単純な切断作業によりクラックを発生させることなく容易に切削することができた。
〔実施例2〕
〈窒化アルミニウム単結晶の製造〉
実施例1で使用した単結晶製造装置を用いて窒化アルミニウム単結晶を製造した。
まず、別途準備した恒温容器に三塩化アルミニウムを充填させ、この容器を100から150℃恒温に保ち、水素ガスを通過させることにより、温度に相当した三塩化アルミニウム蒸気を原料ガス導入管(2)から反応容器(1)の内部に導入した。同様にアンモニアガスをキャリアガスである水素ガスとともに、原料ガス導入管(2)から反応器(1)の内部に導入した。そして、ルビー単結晶板をハロゲンランプから楕円鏡を用いて集光した赤外線で加熱して温度を1350℃に保ち、窒化ガリウムの単結晶を前記ルビー単結晶板の両面に成長させた。その結果、従来は不可能とされていた厚さ7mmを超える厚膜の良質な窒化アルミニウムのバルク単結晶を製造することが出来た。
また、本発明にかかる単結晶の製造方法によって、基板のみの加熱が可能となり、反応容器(石英)の軟化点以上の温度での成長が可能となった。
また、基板結晶と単結晶との格子定数差から発生すると言われている欠陥密度も1350℃の高温を用いることにより、成長膜厚と共に減少し、通常1012個/cm3以上と言
われている欠陥密度が107個/cm3以下に低減した。さらに、基板の両側に同時に厚膜単結晶を生成させたことにより、反応室から取り出した後も曲がりの発生は無く、これら単結晶は単純な切断作業によりクラックを発生させることなく容易に切削することができた。
この発明の装置の実施形態例を示した概略図である。
符号の説明
1 反応器
2 原料ガス導入管
3 排気ガス排出管
4 基板ホルダー
5 着色基板
6 赤外線発生源
7 反射鏡
8 赤外線透過窓

Claims (5)

  1. 化学蒸着法により単結晶を基板上に製造する方法であって、
    基板が赤外線吸収能を有する着色基板であり、
    反射鏡で集光した赤外線を基板両側から照射して基板を加熱し、
    上記基板表面上で原料ガスを反応させて単結晶を基板両面に成長させることを特徴とする単結晶製造方法。
  2. 前記着色基板が着色コランダム単結晶板であり、前記反射鏡が楕円鏡であり、前記赤外線の発生源がハロゲンランプであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造方法。
  3. 金属塩化物およびアンモニアを原料ガスとして用いて窒化物半導体単結晶を製造することを特徴とする請求項1または2に記載の単結晶製造方法。
  4. 反応器および少なくとも一対の赤外線発生源と反射鏡とからなる赤外線照射装置を具備した着色基板上両面に単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
    前記反応器内部に基板ホルダーを介して前記着色基板が固定され、
    前記反応器には原料ガス導入管と排ガス排出管と赤外線透過性窓とが具備され、
    前記少なくとも一対の赤外線照射装置が前記反応器外部に対向して配置されており、
    前記赤外線照射装置により、前記赤外線透過性窓を通して前記着色基板上の単結晶成長面両面を略均一に加熱することを特徴とする単結晶製造装置。
  5. 前記着色基板上の単結晶成長面が略垂直となるように固定されていることを特徴とする請求項4に記載の単結晶製造装置。
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