JP6605681B1 - ピーナッツ渋皮抽出物を得る方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のピーナッツの渋皮抽出物のいわゆる「消臭」作用は、悪臭要因物質の産生を阻止することに起因したものであって、発生した(してしまった又は現存する)多種の悪臭物質の臭気濃度を低下させるものではない点を課題とする。【解決手段】本発明のピーナッツ渋皮抽出物を得る方法は、濃度調整したpH8以上の塩基性化合物、塩基、有機酸の塩類のいずれかの水溶液と、炭素数1〜4の脂肪族アルコールとを混合した抽出溶液を作成し、この抽出溶液にピーナッツ渋皮を浸漬した後、ろ過して得た中間生成物から炭素数1〜4の脂肪族アルコールを留去し、乾燥して、ポリフェノールと脂肪酸類を有するピーナッツ渋皮の抽出物を得ることを特徴としている。【効果】窒素系、硫黄系、脂肪酸系、アルデヒド系、ケトン系の5系統の悪臭物質の臭気濃度を低下させることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも、窒素系、硫黄系、脂肪酸系、アルデヒド系、ケトン系、の5系統の悪臭物質の臭気濃度を同時に低下させることができる抽出物を、今まではほぼ廃棄されていたピーナッツの渋皮から得る技術に関するものである。
従来、例えば特許文献1(特開2000−178158号公報)には、ピーナッツの渋皮から得た、う蝕および口臭の原因となるプラークの生成を抑制する作用と消臭作用を有する抽出物を含有した口腔用剤が示されている。
特許文献1によれば、上記の抽出物は、水、炭素数1〜4の脂肪族アルコール、低級脂肪族ケトン、又はこれらの混合物を抽出溶媒とし、常温又は加温状態の抽出溶媒にピーナッツ渋皮を浸漬して茶褐色の中間抽出物を得て、ここから収率約10〜10数パーセントの淡褐色の抽出物を得ることとしている。
特許文献1に示される抽出物は、強いグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用を示す成分により、グルカン(う蝕の要因成分)が歯の表面に付着してプラーク(歯垢)として成長することを阻止する。すなわち、特許文献1は、プラークにより増殖するアンモニア等を産生する微生物の増殖の場であるプラーク(グルカン)の成長を阻止することで、口臭の発生を抑制するというものである。
なお、特許文献1には、グルコシルトランスフェラーゼ阻害物質としては、ピーナッツの渋皮抽出物のほか、ムタステイン、生薬タンニン類、エラグ酸、緑茶ポリフェノール、ウーロン茶抽出物等であると、また、タンニン類、ウーロン茶抽出物は消臭作用も併せ持っていると記載されている。
しかしながら、特許文献1では、確かにピーナッツ渋皮抽出物により口腔内悪臭、例えばアンモニア、トリメチルアミンを消臭することができるとされているものの、該特許文献1において同様に行った水、緑茶によって抽出した場合と同等もしくは劣る結果となっている。
このことから、特許文献1は、消臭についてのメカニズムは、上記のとおり、プラークの成長を阻止することによる、つまり、悪臭要因物質の産生、成長を阻止することによるものであって、発生した悪臭物質(上記の例ではアンモニア成分)そのものの臭気濃度を低下させるものではない。
特開2000−178158号公報
本発明が解決しようとする問題は、特許文献1のピーナッツの渋皮抽出物のいわゆる「消臭」作用は、グルコシルトランスフェラーゼの産生阻害により、悪臭要因物質の発生を阻止することに起因したものであって、発生した(してしまった又は現存する)悪臭物質の臭気濃度を低下させるものではない点にある。
上記課題を解決するために、本発明は、pH8以上の塩基性化合物、塩基、有機酸の塩類のいずれかの水溶液と、炭素数1〜4の脂肪族アルコールとを混合した抽出溶液を作成し、この抽出溶液にピーナッツ渋皮を浸漬した後、ろ過して得た中間生成物から炭素数1〜4の脂肪族アルコールを留去し、乾燥してポリフェノールと脂肪酸類を有する少なくとも窒素系、硫黄系、脂肪酸系、アルデヒド系、ケトン系、の5系統の悪臭物質の臭気濃度を同時に低下させることができるピーナッツ渋皮の抽出物を得る、又は、水と炭素数1〜4の脂肪族アルコールとを混合した抽出溶液を作成し、この抽出溶液にピーナッツ渋皮を浸漬した後、ろ過して得た中間生成物から炭素数1〜4の脂肪族アルコールを留去し、乾燥して得た粉体を、pH8以上の塩基性化合物、塩基、有機酸の塩類のいずれかの水溶液に溶解して、ポリフェノールと脂肪酸類を有する少なくとも窒素系、硫黄系、脂肪酸系、アルデヒド系、ケトン系、の5系統の悪臭物質の臭気濃度を同時に低下させることができるピーナッツ渋皮の抽出物を得ることとした。
本発明による抽出物は、少なくとも、窒素系(スカトール)、硫黄系(硫化水素、メチルメルカプタン、アリルメルカプタン、ジメチルトリスルフィド)、脂肪酸系(酢酸、イソ吉草酸、酪酸、ペラルゴン酸)、アルデヒド系(イソバレルアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、ノネナール)、ケトン系(ジアセチル)の5系統15種の悪臭物質の臭気濃度を低下させることができる。
本発明の実施例1と比較例1とにおけるインドールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるスカトールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける硫化水素に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるメチルメルカプタンに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるアリルメルカプタンに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるジメチルジスルフィドに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるジメチルトリスルフィドに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける酢酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるイソ吉草酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける酪酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるペラルゴン酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるイソバレルアルデヒドに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるヘキサナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるオクタナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるノナナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるノネナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおけるジアセチルに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける炭素数6の脂肪酸、アルデヒド、アルコールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける炭素数7の脂肪酸、アルデヒド、アルコールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける炭素数8の脂肪酸、アルデヒド、アルコールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける炭素数9の脂肪酸、アルデヒド、アルコールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける炭素数10の脂肪酸、アルデヒド、アルコールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける腋臭、猫の尿臭、血液臭(錆び臭)、カビ臭に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるヘキサナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるヘキセナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるオクタナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるノナナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるノネナールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるペラルゴン酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるジアセチルに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるメチルメルカプタンに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるアリルメルカプタンに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおける酢酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるイソ吉草酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおける酪酸に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるイソバレルアルデヒドに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるインドールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるスカトールに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおける硫化水素に対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるジメチルジスルフィドに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるジメチルトリスルフィドに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例2と比較例2とにおけるアセトインに対する臭気濃度の低減率の効果を確認する実験の結果を示す図である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける図1、図2、図8〜図17の実験結果の詳細を示す表である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける図3、図4の実験結果の詳細を示す表である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける図5〜図7の実験結果の詳細を示す表である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける図18〜図22の実験結果の詳細を示す表である。 本発明の実施例1と比較例1とにおける図23の実験結果の詳細を示す表である。 本発明の実施例2と比較例2とにおける図24〜図30、図33〜図38、図42の実験結果の詳細を示す表である。 本発明の実施例2と比較例2とにおける図32、図40、図41の実験結果の詳細を示す表である。 本発明の実施例2と比較例2とにおける図31、図39の実験結果の詳細を示す表である。
本発明の目的は、通常は廃棄されるピーナッツの渋皮から幅広い(多種の)悪臭成分の臭気濃度を低減させることのできる抽出物を得ることにある。ここで、特許文献1ではピーナッツの渋皮抽出物によりグルカンの生成を抑制してアンモニアやトリメチルアミンといった口臭とされる悪臭の発生が抑制できることが開示されている。したがって、抽出手法を変えれば、グルカンの生成阻害はさておき、悪臭成分の臭気濃度を低下させることができるとの仮説に基づいて、鋭意研究を行った結果、本願発明に至り、上記目的を達成することができた
本発明によるピーナッツ渋皮から得た抽出物は、研究・分析の結果、悪臭の臭気成分を低減させる作用を呈するためには、オレイン酸及びリノール酸といった脂肪酸類と、ポリフェノール類とが「バランス良く」抽出されることが条件となることを究明した。
すなわち、脂肪酸類の多くはオレイン酸とリノール酸で、互いの割合はピーナッツ渋皮の総量が変わっても大きく変わりがない。これらオレイン酸及びリノール酸の総量としての脂肪酸類と、ポリフェノール類とのバランス、具体的には、ピーナッツ渋皮から得た抽出物が少なくとも5系統の悪臭成分の臭気濃度を同時に低減させる効果を呈するためには、抽出物成分全体中において、脂肪酸類が10〜55%、ポリフェノール類が10〜40%を互いに満たすようバランスよく抽出されることが望ましい。
脂肪酸類が上記範囲を超えると(相対的にポリフェノール類が上記範囲より少ない)、又は、前記の逆で、脂肪酸類が上記範囲より少ないと(相対的にポリフェノール類が上記範囲を超える)、つまり、上記バランスが崩れると、脂肪酸類又はポリフェノール類によって臭気濃度の低減効果が高くなる偏った悪臭成分にしか効果が現れず、少なくとも上記の5系統(15種)といった、幅広く複数系統複数種の悪臭成分の臭気濃度の低減ができない。
上記に基づいて、ピーナッツ渋皮から悪臭の臭気成分を低減させる作用を呈す抽出物を得るために、次のプロセスで研究を行った。まず、炭素数1〜4の脂肪族アルコール(例えば、エタノール、メタノール、イソプパノール、ブタノール等)を用いれば、植物の葉、茎、種子に含有するポリフェノール類が抽出できることは公知(特許文献1)である。
上記脂肪族アルコールの炭素数範囲において、炭素数5以上の脂肪族アルコールを抽出溶液として用いた場合、脂肪酸類が上記範囲を超えて多く抽出される結果、相対的にポリフェノール類の抽出量が減って、硫黄系の悪臭成分の臭気濃度の低減効果が乏しくなる。
一方、水や炭素数1〜4の脂肪族アルコール、低級脂肪族ケトンのいずれか、またはこれらから少なくとも2種を選択的に混合した抽出溶液を用いても、脂肪酸類のポリフェノールのバランスの取れた抽出ができないことも判明し、試験研究の末、濃度調整したpH8以上の水溶液を用いればよいことが判明した。水素イオン濃度を調整したpH8以上の水溶液とは、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムのような塩基性化合物や炭酸水素ナトリウムのような塩基、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムのような有機酸の塩類などを用いればよい。
pH7以下の材料を用いると、ピーナッツ渋皮から抽出されるオレイン酸やリノール酸の総量を意味する総脂肪酸量が、上記割合の必要量だけ確保できず、この結果、悪臭の臭気濃度の低減に悪影響(つまり臭気濃度の低減率が低い結果)となった。
さらに、濃度調整したpH8以上の水溶液は、「抽出時」に炭素数1〜4の脂肪族アルコールと混合水して抽出用水溶液として、又は、「抽出後」に抽出物含有溶液に対してpH調整剤として、用いることができる。
濃度調整したpH8以上の水溶液は、上記のいずれの用い方をしても、ほぼ同様の効果が得られるが、特に抽出後に抽出物含有溶液に対してpH調整剤として用いることで、抽出用水溶液として用いるより悪臭の臭気濃度の低減率が高くなり、脂肪酸系ではヘキセナールの臭気濃度の低減も可能であることが判明した。
抽出時における、ピーナッツ渋皮の量(グラム)と、抽出水溶液との量(ミリリットル)の割合は、ピーナッツ渋皮の量を1とした場合に、1:4〜10の割合とすることが良く、1:3より抽出水溶液の量が少ないと、何度も抽出作業を繰り返す必要がある他、ピーナッツ渋皮に抽出水溶液が吸収されてしまって抽出困難になり、また、1:10より抽出水溶液の量が多いと、全体量としてのピーナッツ渋皮からの抽出量が下がる。
以下、本発明によって得たピーナッツ渋皮の抽出物について行った試験とその結果を説明する。
まず、抽出物の物性について検証した。
(実施例1)本発明による抽出物は、エタノール(炭素数1〜4の脂肪族アルコール)10%と、濃度調整したpH8の炭酸ナトリウムとを1:1で混合した抽出溶液を作成し、ピーナッツ渋皮(のみ)100gを、前記抽出溶液1リットルに浸漬し、1晩(8h)攪し、その後、ろ過し、ろ過後の中間生成物からエタノール留去し、凍結乾燥した粉体の抽出物を得た。
(比較例1)比較例とした抽出物は、特許文献1に基づき、エタノール(炭素数1〜4の脂肪族アルコール)と水とを1:1で混合した抽出溶液を作成し、ピーナッツ渋皮(のみ)100gを、前記抽出溶液1リットルに浸漬し、1晩(8h)撹拝し、その後、ろ過し、ろ過後の中間生成物からエタノール留去し、凍結乾燥した粉体の抽出物を得た。
「収率」は、実施例1が19.8%(19.8g)、比較例1が8.3%(8.3g)であった。
「抽出成分(全体)」は、薄層クロマトグラフィー(TLC)試験によれば、実施例1はポリフェノール、オレイン酸、リノール酸を含有していることが明確に表れ、一方、比較例1はポリフェノールを含有していることは明確に表れたが、オレイン酸、リノール酸ははっきりとは表れなかった。
「抽出成分(脂肪酸)」は、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC/MS)に基づいて、実施例1、比較例1をそれぞれ20mg秤量し、脂肪酸メチル化キット、メチル化精製キットを用いて、各々について遊離脂肪酸のメチル化処理を行い、各メチル化処理液1マイクロミリリットル中のリノール酸、オレイン酸のピーク強度を比較した結果、以下のようになった。
比較例1 実施例1
オレイン酸:1.85×107 2.18×108
リノール酸:8.60×106 5.18×107
総脂肪酸量:6.47×107 7.51×108
以上のことから、実施例1は比較例1より少なくとも脂肪酸量を10倍程度多く有していることが判明した。
「臭気濃度の低減率1」
実施例1の「臭気濃度の低減率1」の試験のうち図1、図2、図8〜図17については、次のように測定した。実施例1、比較例1をそれぞれ、10mg、50mgの2種秤量し、実施例1の10mg、実施例1の50mg、比較例1の10mg、比較例1の50mg、をそれぞれ300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコに悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、各々の三角フラスコの気相を2ミリリットル採取し、水素炎イオン化型ガスクロマトグラフ(FID−GC)の面積値に基づいて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTのピーク面積値−比較例1又は実施例1のピーク面積値)/ (CTのピーク面積値)}×100
※以下の「l」はリットル
図1:インドール 1%液 100μml(約100ppmガス発生量)
図2:スカトール 1%液 100μml(約500ppmガス発生量)
図8:酢酸 10%液 50μl(約2500ppmガス発生量)
図9:イソ吉草酸 10%液 50μl(約2500ppmガス発生量)
図10:酪酸 10%液 50μl(約2500ppmガス発生量)
図11:ペラルゴン酸 1%液 20μl(約100ppmガス発生量)
図12:イソバレルアルデヒド 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図13:ヘキサナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図14:オクタナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図15:ノナナール 0.1%液 20μ1(約10ppmガス発生量)
図16:ノネナール 1%液 20μl(約100ppmガス発生量)
図17:ジアセチル 1%液 13μl(約100ppmガス発生量)
図1、図2、図8〜図17の条件と実験結果の詳細値は図43に示す。
実施例1の「臭気濃度の低減率1」のうち図3、図4については、次のように測定した。実施例1、比較例1をそれぞれ、10mg、50mgの2種秤量して300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコに悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、各々の三角フラスコの気相をガス検知管に100ミリリットル通気させて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTの検出値−比較例1又は実施例1の検出値)/
(CTの検出値)}×100
※以下の「l」はリットル
図3:硫化水素 原液 5μl(約32ppmガス発生量)
図4:メチルメルカプタン 1μg/μl液 5μl(約4ppmガス発生量)
図3、図4の条件と実験結果の詳細値は図44に示す。
「臭気濃度の低減率1」のうち図5〜図7については、次のように測定した。実施例1、比較例1をそれぞれ、10mg、50mgの2種秤量して300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコに悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、各々の三角フラスコの気相を2ミリリットル採取し、炎光光度検出型ガスクロマトグラフ(FPD−GC)の面積値に基づいて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTのピーク面積値−比較例1又は実施例1のピーク面積値)/ (CTのピーク面積値)}×100
※以下の「l」はリットル
図5:アリルメルカプタン 0.01%液 20μl(約1ppmガス発生量)
図6:ジメチルジスルフィド 0.01%液 20μl(約1ppmガス発生量)
図7:ジメチルトリスルフィド 0.01%液 20μl(約1ppmガス発生量)
図5〜図7の条件と実験結果の詳細値は図45に示す。
上記の結果、図1〜図17に示すように、実施例1は比較例1に比べて、50mgであれば、確実に、窒素系(インドール、スカトール)、硫黄系(硫化水素、メチルメルカプタン、アリルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド)、脂肪酸系(酢酸、イソ吉草酸、酪酸、ペラルゴン酸)、アルデヒド系(イソバレルアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、ノネナール)、ケトン系(ジアセチル)の5系統の17種の悪臭成分の臭気濃度の低減率が高いことが確認できた。
「臭気濃度の低減率2」
実施例1の「臭気濃度の低減率2」は、特にいわゆる「体臭」に関与した、C6〜C10までの脂肪酸、脂肪族アルデヒド、脂肪族アルコールに悪臭成分に絞って効果を確認した。C6〜C10までの脂肪酸、脂肪族アルデヒド、脂肪族アルコールの悪臭成分とは、具体的には、ヘキサン酸、ヘキサナール、ヘキサノール(図18)、ヘプタン酸、ヘプタナール、ヘプタノール(図19)、オクタン酸、オクタナール、オクタノール(図20)、ノナン酸、ノナナール、ノナノール(図21)、デカン酸、デカナール、デカノール(図22)の15種である。
「臭気濃度の低減率2」のうち図18〜図22については、次のように測定した。実施例1、比較例1をそれぞれ50mg秤量し、それぞれ300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコに悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、各々の三角フラスコの気相を2ミリリットル採取し、水素炎イオン化型ガスクロマトグラフ(FID−GC)の面積値に基づいて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTのピーク面積値−比較例1又は実施例1のピーク面積値)/ (CTのピーク面積値)}×100
※以下の「l」はリットル
図18:ヘキサン酸 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図18:ヘキサナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図18:ヘキサノール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図19:ヘプタン酸 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図19:ヘプタナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図19:ヘプタノール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図20:オクタン酸 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図20:オクタナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図20:オクタノール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図21:ノナン酸 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図21:ノナナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図21:ノナノール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図22:デカン酸 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図22:デカナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図22:デカノール 0.1%液 100μl(約50ppmガス発生量)
図18〜図22の条件と実験結果の詳細値は図46に示す。
上記の結果、図18〜図22に示すように、実施例1は比較例1に比べて、C6〜C10までの脂肪酸、脂肪族アルデヒド、脂肪族アルコールに悪臭成分の臭気濃度の低減率が高いことが判明した。すなわち、本発明による抽出物は、「体臭」全般の悪臭の臭気濃度を低下する効果が高いことが確認できた。
「臭気濃度の低減率3」
実施例1の「臭気濃度の低減率3」は、いわゆる、「腋臭」、「猫の尿臭」、「血液臭(錆臭)」、「カビ臭」に悪臭成分を絞って効果を確認した(図23)。「腋臭」、「猫の尿臭」、「血液臭(錆臭)」、「カビ臭」の悪臭成分とは、具体的には、それぞれ、「腋臭」:3-メチル-3-スルファニルヘキサン-1-オール(図中、3−MSHと記す)、「猫の尿臭」:3-メルカプト-3-メチル-1-ブタノール(図中、3−MMBと記す)、「血液臭(錆臭)」: 1-オクテン-3-オン(図中、1−Octen−3−Oneと記す)、「カビ臭」:ジェオスミン及び2-メチルイソボネオール(図中、それぞれGeosmin及び2−MIBと記す)の5種である。
「臭気濃度の低減率3」の図23については、次のように測定した。比較例1、実施例1のそれぞれを50mg秤量し、それぞれ300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコにガス吸着剤(モノトラップ:ジーエルサイエンス社製)と悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、ガス吸着剤を取り出し、各々についてガスクロマトグラフ−質量分析計(GC/MS)の面積値に基づいて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTのピーク面積値−比較例1又は実施例1のピーク面積値)/
(CTのピーク面積値)}×100
※以下の「l」はリットル
図23:3−MSH 0.1%液 24μl(約10ppmガス発生量)図23:3−MMB 0.1%液 21μl(約10ppmガス発生量)図23:1−Octen−3−one 0.1%液 26μl(約10ppmガス発生量)図23:Geosmin 1%液 30μl(約100ppmガス発生量)
図23:2−MIB 0.1%液 30μl(約1ppmガス発生量)
図23の条件と実験結果の詳細値は図47に示す。
上記の結果、図23に示すように、実施例1は比較例1に比べて、「膜臭」(3−MSH)、「猫の尿臭」(3−MMB)、「血液臭(錆臭)」(1−Octen−3−one)、「カビ臭」(Geosmin及び2−MIB)の悪臭成分の臭気濃度の低減率が高いことが判明した。すなわち、本発明による抽出物は、「腋臭」、「猫の尿臭」、「血液臭(錆臭)」、「カビ臭」の臭気濃度を低下する効果が高いことが確認できた。
以上のことから、本発明の実施例1は、上記のとおり、窒素系、硫黄系、脂肪酸系、アルデヒド系、ケトン系の5系統(17種)に加えて、ヘキサン酸、ヘキサナール(重複)、ヘキサノール、ヘプタン酸、ヘプタナール、ヘプタノール、オクタン酸、オクタナール(重複)、オクタノール、ノナン酸、ノナナール(重複)、ノナノール(重複)、デカン酸、デカナール、デカノールの11種、さらに上記の3−MSH、3−MMB、1−Octen−3−one、Geosmin、2−MIBの5種、前記のうちのヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、Geosmin、2−MIBの6種はアルコール系であることから、実施例1は6系統、33種の悪臭の臭気濃度を低下する効果が高いことが確認できた。
(実施例2)本発明による抽出物は、エタノール(炭素数1〜4の脂肪族アルコール)と水とを1:1で混合した抽出溶液を作成し、ピーナッツ渋皮(のみ)100gを、前記抽出溶液1リットルに浸漬し、1晩(8h)攪し、その後、ろ過し、ろ過後の中間生成物からエタノール留去し、凍結乾燥した粉体50mgを秤量し、この粉体50mgを、精製水で濃度調整したpH8の炭酸ナトリウム溶液に溶解して全量を1ミリリットルとした。
(比較例2)エタノール(炭素数1〜4の脂肪族アルコール)と水とを1:1で混合した抽出溶液を作成し、ピーナッツ渋皮(のみ)100gを、前記抽出溶液1リットルに浸漬し、1晩(8h)撹拝し、その後、ろ過し、ろ過後の中間生成物からエタノール留去し、凍結乾燥した粉体50mgを秤量し、この粉体50mgを精製水で溶解して全量を1ミリリットルとした。
「臭気濃度の低減率4」
実施例2の「臭気濃度の低減率4」のうち図24〜図30、図33〜図38、図42については、次のように測定した。実施例2、比較例2をそれぞれ1ミリリットル測って各々300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコに悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、各々の三角フラスコの気相を2ミリリットル採取し、水素炎イオン化型ガスクロマトグラフ(FID−GC)の面積値に基づいて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTのピーク面積値−比較例2又は実施例2のピーク面積値)/ (CTのピーク面積値)}×100
※以下の「l」はリットル
図24:ヘキサナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図25:ヘキセナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図26:オクタナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図27:ノナナール 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図28:ノネナール 1%液 20μl(約100ppmガス発生量)
図29:ペラルゴン酸 1%液 20μl(約100ppmガス発生量)
図30:ジアセチル 1%液 13μl(約100ppmガス発生量)
図33:酢酸 10%液 50μl(約2500ppmガス発生量)
図34:イソ吉草酸 10%液 50μl(約2500ppmガス発生量)
図35:酪酸 10%液 50μl(約2500ppmガス発生量)
図36:イソバレルアルデヒド 0.1%液 20μl(約10ppmガス発生量)
図37:インドール 1%液 100μl(約100ppmガス発生量)
図38:スカトール 1%液 100μl(約500ppmガス発生量)
図42:アセトイン 1%液 200μl(約10ppmガス発生量)
図24〜図30、図33〜図38、図42の条件と実験結果の詳細値は図48に示す。
「臭気濃度の低減率4」のうち図32、図40、図41については、次のように測定した。実施例2、比較例2をそれぞれ、1ミリリットル測って各々300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコに悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、各々の三角フラスコの気相を2ミリリットル採取し、炎光光度検出型ガスクロマトグラフ(FPD−GC)の面積値に基づいて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTのピーク面積値−比較例2又は実施例2のピーク面積値)/ (CTのピーク面積値)}×100
※以下の「1」はリットル
図32:アリルメルカプタン 0.01%液 20μl(約1ppmガス発生量)
図40:ジメチルジスルフィド 0.01%液 20μl(約1ppmガス発生量)
図41:ジメチルトリスルフィド 0.01%液 20μl(約1ppmガス発生量)
図32、図40、図41の条件と実験結果の詳細値は図49に示す。
「臭気濃度の低減率4」のうち図31、図39については、次のように測定した。実施例2、比較例2をそれぞれ、1ミリリットル測って各々300ミリリットルの三角フラスコに装入し、各々の三角フラスコに精製水1ミリリットルを加えて混合し、各々の三角フラスコに悪臭成分を挿入した後、パラフィルムで密封し、30分放置後、各々の三角フラスコの気相をガス検知管に100ミリリットル通気させて、下記計算式により低減率を算出した。なお、臭気濃度の低減率を計算するために比較用の空の三角フラスコ(Control:以下「CT」)を用意し、ここに悪臭成分を挿入した。
低減率(%)={(CTの検出値−比較例2又は実施例2の検出値)/
(CTの検出値)}×100
※以下の「l」はリットル
図31:硫化水素 原液 5μl(約32ppmガス発生量)
図39:メチルメルカプタン 1μg/μl液 5μl(約4ppmガス発生量)
図31、図39の条件と実験結果の詳細値は図50に示す。
上記の結果、図24〜図42に示すように、実施例2は比較例2に比べて、脂肪酸系(酢酸、イソ吉草酸、酪酸、ペラルゴン酸)と、窒素系(スカトール)、硫黄系(硫化水素、メチルメルカプタン、アリルメルカプタン、ジメチルトリスルフィド)、ケトン系(ジアセチル)、アルデヒド系(ヘキサナール、オクタナール、ノナナール、ノネナール、ヘキセナール、イソバレルアルデヒド)の5系統の16種の悪臭成分の臭気濃度の低減率が高いことが判明した。
以上の結果から、本発明による抽出物(実施例1、実施例2)を消臭剤の成分とすれば、粉体状の抽出物を精製水で溶かして液体化して、これを噴霧するなどの用途で使用可能となる他、固形化して石鹸として使用可能となり、家庭用、医療用といった幅広い分野で使用することができる。
本発明による抽出物を成分とした消臭剤であれば、例えば他の臭いで悪臭を誤魔化すマスキングといった手法ではなく、上記のとおり悪臭成分の臭気濃度を低下させることができるので、当該マスキング用の他の臭いと悪臭とが混じって異臭化することはなく、悪臭成分の臭気濃度が低減して臭わなくなる。

Claims (2)

  1. H8以上の塩基性化合物、塩基、有機酸の塩類のいずれかの水溶液と、炭素数1〜4の脂肪族アルコールとを混合した抽出溶液を作成し、この抽出溶液にピーナッツ渋皮を浸漬した後、ろ過して得た中間生成物から炭素数1〜4の脂肪族アルコールを留去し、乾燥して、ポリフェノールと脂肪酸類を有する少なくとも窒素系、硫黄系、脂肪酸系、アルデヒド系、ケトン系、の5系統の悪臭物質の臭気濃度を同時に低下させることができるピーナッツ渋皮の抽出物を得る方法。
  2. 水と炭素数1〜4の脂肪族アルコールとを混合した抽出溶液を作成し、この抽出溶液にピーナッツ渋皮を浸漬した後、ろ過して得た中間生成物から炭素数1〜4の脂肪族アルコールを留去し、乾燥して得た粉体を、pH8以上の塩基性化合物、塩基、有機酸の塩類のいずれかの水溶液に溶解して、ポリフェノールと脂肪酸類を有する少なくとも窒素系、硫黄系、脂肪酸系、アルデヒド系、ケトン系、の5系統の悪臭物質の臭気濃度を同時に低下させることができるピーナッツ渋皮の抽出物を得る方法。
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