JP6603159B2 - デスケーリング装置およびデスケーリング方法 - Google Patents

デスケーリング装置およびデスケーリング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6603159B2
JP6603159B2 JP2016062035A JP2016062035A JP6603159B2 JP 6603159 B2 JP6603159 B2 JP 6603159B2 JP 2016062035 A JP2016062035 A JP 2016062035A JP 2016062035 A JP2016062035 A JP 2016062035A JP 6603159 B2 JP6603159 B2 JP 6603159B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
descaling
pressure
main water
injection
airflow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016062035A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017170511A (ja
Inventor
優介 桾澤
隆 西村
直樹 蚊口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Kyoritsu Gokin Co Ltd
Original Assignee
JFE Steel Corp
Kyoritsu Gokin Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp, Kyoritsu Gokin Co Ltd filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2016062035A priority Critical patent/JP6603159B2/ja
Publication of JP2017170511A publication Critical patent/JP2017170511A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6603159B2 publication Critical patent/JP6603159B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Nozzles (AREA)

Description

本発明は、熱延鋼帯や厚板鋼板等、板状の熱間圧延材を圧延する際に、その熱間圧延材表面に生じるスケールを除去するためのデスケーリング装置およびデスケーリング方法に関する。
熱間圧延材の圧延ラインでは、熱間圧延材を酸化性雰囲気の加熱炉に装入し、通常、1100〜1300℃の温度域で数時間加熱した後に熱間圧延する。熱間圧延の際には、熱間圧延材の表面に、加熱炉内では一次スケールが生じ、加熱炉から抽出後には二次スケールが生じる。このようなスケールが除去されずに熱間圧延材が圧延されると、製品である熱間圧延材表面にスケールが食い込み、スケール疵となって残る。スケール疵は、熱間圧延材の表面性状を著しく損なうとともに、曲げ加工時にクラック発生の基点となるため、製品品質に重大な影響を及ぼす。
そこで、従来から、熱間圧延材表面に生じるスケールを除去するために、デスケーリング装置を用い、熱間圧延材の表面に高圧水を噴射してスケールを除去するデスケーリング(以下、単に「デスケ」ともいう)が行われている。ここで、従来のデスケーリング技術においては、デスケーリング効率を向上させるために、ノズル構造を最適化したり、高圧水の噴射圧力や、噴射距離、噴射角度などの条件制御を行っている。
例えば特許文献1には、デスケーリングノズルから鋼板までのデスケーリング距離を150mm以下にするとともに、ノズルから40MPa以上の吐出圧力で高圧水を吐出させるデスケーリング技術が開示されている。また、例えば特許文献2記載の技術では、デスケーリングノズルの内部構造を最適化する提案がなされている。
しかし、特許文献1記載の技術では、鋼板表面から150mm以下のデスケーリング距離から吐出圧力40MPa以上という高圧水を噴射しなければならないので、熱間圧延材表面の変動や、設備の取り合い等の制約から実用が困難な場合があったり、また、高圧ポンプを導入するための設備コストや電力コストが高価になるという問題がある。また、特許文献2記載の技術では、デスケーリングノズルの内部構造を最適化する提案がなされているものの、デスケーリングノズル単体での内部構造の最適化では、デスケーリング効率を向上させる上でノズル構造上の限界があるという問題がある。
このような問題に対し、例えば特許文献3ないし4には、デスケーリングノズルに気流噴射装置を付設し、この気流噴射装置を用いて、ノズルからの主水流に沿って主水流を覆うように気体を噴射することにより液滴の減速を抑制し、デスケーリングノズル単体のものよりもデスケーリング効率を向上させる技術(以下、「エアアシスト技術」ともいう)も提案されている。エアアシスト技術を採用すれば、比較的に簡単な構造の気流噴射装置を付加するだけでスケール除去能力を向上させることができる。
ここで、特許文献3では、エアアシスト技術での条件制御に際し、「気体ジェットの噴出速度を液体ジェットの噴出速度以上とする」と記載されている。しかし、同技術を実用化するにあたり、気体の噴出速度を圧延ライン上で計測することは容易ではない。そのため、噴出速度自体をパラメータとした条件制御は実用上困難である。
一方、特許文献4では、エアアシスト技術での条件制御について、主水流の噴射圧力を、被覆気流の噴射圧力の70倍以上に調整すると記載され、また、被覆気流の噴射流量を主水流の噴射流量の10倍以上とすれば、被覆気流による効果を向上できると記載されている。一般に、噴出速度と噴射圧力とは正の相関があるから、噴射圧力の制御によって噴出速度を実質的に制御することができる。そして、圧力制御であれば、主水流や気流を供給する管路に圧力計を付設すればよいので、パラメータとして圧力に基づいて制御することは実用上も好適である。
特許第3924390号公報 特開2009−101411号公報 特開平10−323710号公報 特開2012−183497号公報
しかしながら、特許文献4では、主水流の噴射圧力に対して被覆気流の噴射圧力を変化させたとき、その圧力変化によって熱間圧延材のデスケーリング効率が如何に変るかという点については明記されていない。そのため、エアアシスト技術での条件制御に際し、主水流の噴射圧力と被覆気流の噴射圧力との関係を適切に設定したり、設備コストや電力コストに対するデスケーリング効率の向上効果を適切に評価する上では未だ検討の余地が残されている。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、エアアシストを伴うデスケーリング技術において、パラメータとして圧力に基づいた条件制御を行うに際し、水流の噴射圧力と被覆気流の噴射圧力との関係を適切に設定して、デスケーリング効率をより向上させ得るデスケーリング装置およびデスケーリング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、主水流の噴射圧力に対して被覆気流の噴射圧力を変化させたときに、被覆気流の噴射圧力の変化によって熱間圧延材のデスケーリング効率が如何に変るかという点について適切な評価を行うべく、熱間圧延材の試験用鋼板に対し、エアアシストを伴う場合とエアアシストを行わない場合によるスケール除去比較実験をそれぞれ行い、デスケーリング効率の向上効果を確認した。その結果、本発明者らの比較実験によれば、特許文献4に開示されるエアアシスト技術において、実際には、主水流の噴射圧力を被覆気流の噴射圧力の70倍以上に調整すると、デスケーリング効率が低下することが確認された。
そこで、本発明者らは、更に上記スケール除去比較実験を重ねて行ったところ、主水流の噴射圧力に対して被覆気流の噴射圧力を変化させたとき、被覆気流の噴射圧力を、主水流の噴射圧力に対して所定範囲内としてデスケを行ったときは、エアアシストを行わない通常のデスケを行ったときに比べてデスケーリング効率(スケール除去率)の向上効果が確認されたのに対し、この範囲を外れるとスケール除去率が減少し、通常のデスケに対するデスケーリング効率の向上効果が十分に得られないという知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るデスケーリング装置は、熱間圧延材に生じた表面スケールを高圧水の噴射により除去するデスケーリング装置であって、前記高圧水としてフラットパターンの主水流を噴射する主噴射口を有するデスケーリングノズルと、前記主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から前記主水流に沿って該主水流を覆うための被覆気流を噴射する気流噴射口を有する気流噴射装置とを備え、前記気流噴射口は、前記デスケーリングノズルの主噴射口よりも5〜100mm噴射方向の上流に設けられるとともに、前記デスケーリングノズルの中心軸に対して5°〜35°の角度で主水流側に向けて前記被覆気流を噴射するように構成されており、前記被覆気流の噴射圧力は、前記主水流の噴射圧力が15MPa以上のときに、前記主水流の噴射圧力の0.015倍〜0.030倍の範囲に設定されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るデスケーリング方法は、熱間圧延材に生じた表面スケールを高圧水の噴射により除去するデスケーリング方法であって、本発明の一態様に係るデスケーリング装置を用い、前記高圧水としてフラットパターンの主水流を噴射するとともに、その主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から主水流に沿って該主水流を覆う被覆気流を噴射し、前記被覆気流の噴射圧力を、前記主水流の噴射圧力が15MPa以上のときに、前記主水流の噴射圧力の0.015倍〜0.030倍にすることを特徴とする
本発明によれば、エアアシストを伴うデスケーリング技術において、パラメータとして圧力に基づいた条件制御を行うに際し、気流噴射口は、デスケーリングノズルの主噴射口よりも5〜100mm噴射方向の上流に設けられるとともに、デスケーリングノズルの中心軸に対して5°〜35°の角度で主水流側に向けて被覆気流を噴射するように構成されたデスケーリング装置により、被覆気流の噴射圧力を、主水流の噴射圧力が15MPa以上のときに、主水流の噴射圧力の0.015倍〜0.030倍で噴射するので、後の実施形態にて詳述するように、エアアシストを行わない通常のデスケを行ったときに比べて1.3倍程度のデスケーリング効率(スケール除去率)を向上させることができる。一方、この範囲を外れるとスケール除去率が減少し、通常のデスケに対するデスケーリング効率の向上効果が十分に得られない。
よって、本発明によれば、水流の噴射圧力と被覆気流の噴射圧力との関係を適切に設定することができ、デスケーリング効率(スケール除去率)を向上させることができる。
また、本発明によれば、被覆気流の噴射圧力の変化に応じたデスケーリング効率(スケール除去率)が明確とされるので、設備コストや電力コストに応じたデスケーリング能力の向上の度合いを適切に評価することができる。
また、本発明によれば、噴射圧力の制御によって、被覆気流の噴出速度を実質的に制御することができる。つまり、圧力制御であれば、主水流や気流を供給する管路に圧力計を付設すればよいので、パラメータとして圧力に基づいて制御することは実用上好適であるところ、実用化における被覆気流の噴射圧力の好適範囲が明確となったので、圧延ラインでデスケ対象となる熱間圧延材の材料成分等に応じ、デスケーリング効率(スケール除去率)を向上させつつも、経済的な被覆気流の噴射圧力を適宜設定することができる。
上述のように、本発明によれば、エアアシストを伴うデスケーリング技術において、パラメータとして圧力に基づいた制御を行うに際し、水流の噴射圧力と被覆気流の噴射圧力との関係を適切に設定して、デスケーリング効率を向上させることができる。
本発明の一態様に係るデスケーリング方法を実施する本発明の一態様に係るデスケーリング装置の一実施形態を説明する模式図である。 気流噴射装置を有するデスケーリングノズルの説明図であり、同図(a)はその正面図、(b)は平面図、(c)は(a)での左側面図であり、同図(a)の上半分は軸線に沿った断面を示している。 エアアシストを伴うデスケおよび通常のデスケによるスケール除去比較実験の装置構成を説明する模式図であり、同図(a)はその正面図、(b)は平面図である。 スケール除去比較実験の試験用鋼板表面を撮像した画像イメージを示しており、同図(a)〜(d)の順に、被覆気流の噴射圧力を、0.1、0.3、0.4、0.5MPaとしてスケール除去を行った結果(画像イメージ下側)と、通常のデスケによるスケール除去を行った結果(画像イメージ上側)である。 図4の各試験用鋼板表面の撮像画像のスケール除去部分を画像処理により面積に換算した結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を適宜参照しつつ説明する。なお、本実施形態のデスケーリング装置は、加熱炉内でまたは圧延中にスケール除去対象材となる熱間圧延材表面に生じたスケールをデスケーリングノズルから噴射する高圧水により除去するものである。
図1に示すデスケーリング装置10は、不図示の圧延機等の設備に付設され、同図の例では、設備側には複数の搬送ロール7が配置されており、搬送ロール7上に載置された熱間圧延材Hは、搬送方向Fに沿って搬送可能とされている。そして、搬送される熱間圧延材Hの上方に、デスケーリング装置10が設けられている。
同図に示すように、デスケーリング装置10は、熱間圧延材Hの幅方向(同図の紙面方向)に沿って配置されたヘッダ2を有し、このヘッダ2に複数のデスケーリングノズル1が固定されている。各デスケーリングノズル1は、高圧水Pを噴射する略楕円形状の主噴射口1fをノズル先端に有し、この主噴射口1fから噴射される高圧水(主水流)Pの噴射横断面の形状が略楕円形状となるフラットパターンの主水流を噴射可能に構成されている。
複数のデスケーリングノズル1は、ヘッダ2の長手方向(熱間圧延材Hの幅方向)に所定距離だけ相互に離隔して配置されるとともに、熱間圧延材Hの表面に対し、所定の噴射距離Sおよび噴射角度θをもって装着されている。本実施形態の例では、噴射距離Sは150mmとされ、また、噴射角度θは25°のものを用いている。
そして、各デスケーリングノズル1は、高圧水供給路3にそれぞれ接続され、高圧水供給路3から供給された高圧水を、上記主噴射口1fから熱間圧延材Hの表面に向けて噴射し、複数のデスケーリングノズル1の協働により、熱間圧延材Hの表面に対し、その全幅に亘ってスケールを除去可能になっている。なお、高圧水供給路3には圧力計5が付設され、この圧力計5により主水流の噴射圧力を管理可能となっている。なお、主水流の噴射圧力は15MPa以上であることが好ましい。本実施形態では、主水流の噴射圧力は15MPaに設定されている。
さらに、このデスケーリング装置10は、気流噴射ノズル31から被覆気流Aを噴射する気流噴射装置30を備えている。気流噴射ノズル31は、各デスケーリングノズル1の主噴射口1fから噴射する高圧水Pに沿って高圧水Pを覆う被覆気流Aをつくるように設けられている。なお、この例では、気流噴射ノズル31から噴射する気体として空気を用いた例であるが、その他の気体として例えば不活性ガスを使用することもできる。
詳しくは、図1に示すように、気流噴射装置30は、各デスケーリングノズル1に付設されており、主水流Pを被覆するための被覆気流を噴射する気流噴射ノズル31と、気流噴射ノズル31の基端部に接続された圧縮気体供給路4とを有する。圧縮気体供給路4には圧力計6が付設され、この圧力計6により被覆気流Aの噴射圧力を管理可能となっている。
本実施形態の例では、気流噴射装置30は、図2にノズル先端部を示すように、略円筒状のデスケーリングと略一体に設けられている。この例では、気流噴射装置30は、二つの六角ナット状部材の組から構成され、デスケーリングノズル1と同軸にその外周に螺着されている。気流噴射装置30は、六角ナット状部材の内部に、主噴射口1fの上下の位置に対応した二つの流路が気流噴射ノズル31として加工されている。上下の各気流噴射ノズル31は、同図(c)に示すように、主噴射口1fの長軸軸線L1に略並行して配置された複数(この例では6か所)の気流噴射口32を有する。複数の気流噴射口32は、略楕円形状の主噴射口1fに対し、その長軸軸線L1の上下方向(直線L2に沿った方向)に離隔して配置され、噴射する被覆気流Aが主水流Pをその厚み方向から挟むように被覆可能になっている。
ここで、上下の気流噴射ノズル31の気流噴射口32は、デスケーリングノズル1の高圧水の主噴射口1fよりも5〜100mm(同図(a)の符号d)だけ噴射方向の上流側の位置に設けられるとともに、デスケーリングノズル1の中心軸に対して5°〜35°の被覆角度βで高圧水側に向けて気体を噴射するように設けられていることが好ましい。本実施形態の例では、気流噴射口32は、主噴射口1fよりも16mmだけ噴射方向の上流側の位置に設けられるとともに、デスケーリングノズル1の中心軸に対して5°の被覆角度βで高圧水側に向けて気体を噴射するように設けられている。なお、このときの主水流との合流距離Gは145mmである。
ここで、上記構成のデスケーリング装置10において、パラメータとして圧力に基づいてデスケーリングの条件制御を行うに際し、主水流Pの噴射圧力と被覆気流Aの噴射圧力との関係およびデスケーリング効率の変化を確認するために行ったスケール除去比較実験について説明する。
図3に、スケール除去比較実験に用いた圧延装置の模式図を示す。本スケール除去比較実験では、熱間圧延材Hとして耐サワー材を試験用鋼板として用意し、同図に示すように、試験用鋼板(H)を酸化性雰囲気の加熱炉50に装入した。加熱温度を1100℃とし数時間加熱後に、上下一対の圧延ロール41を有する圧延機40を用い、圧延温度800℃、圧下率0%(スキンパス)で熱間圧延した。なお、搬送速度は40mpm(FBS通板速度30〜60mpm)とした。
そして、同図に示すように、圧延機40の出側上方に試験用鋼板(H)の幅方向に並設した二本のデスケーリングノズル(1,101)を用いて圧延後の試験用鋼板表面のスケール除去を行った。なお、本比較実験では、エアアシストを伴うデスケ用として上記実施形態で説明したデスケーリングノズル1を一本用いており、また、エアアシストを行わない通常のデスケ用としては、上記気流噴射装置30を有しない点以外は上記実施形態のデスケーリングノズル1と同一仕様のデスケーリングノズル101を一本用いている。なおまた、各デスケーリングノズル(1,101)は、その向かい角を10°としたものを使用し、各デスケーリングノズル(1,101)の1本あたりの水量を55.5L/min(主水流圧力:15MPa)とした結果である。
このスケール除去比較実験では、上記同一条件下で4枚の試験用鋼板を通板し、エアアシストを伴うデスケーリングノズル1および通常のデスケーリングノズル101によりそれぞれスケール除去を行った。エアアシストを伴うデスケーリングノズル1では、4枚の試験用鋼板に対し、被覆気流Aの噴射圧力を、0.1、0.3、0.4、0.5MPaにそれぞれ設定してスケール除去を行った。図4に、スケール除去を行った後の試験用鋼板表面を撮像した画像イメージを示すとともに、図5に、試験用鋼板表面の撮像画像のスケール除去部分を画像処理により面積に換算した結果のグラフを示す。なお、図4(a)〜(d)において、各画像イメージの上側が通常のデスケーリングノズル101、下側がエアアシストを伴うデスケーリングノズル1でスケール除去を行った結果である。
図4、5に示す実験結果からわかるように、熱間圧延材Hへのデスケーリングで一般的に用いられる主水流の噴射圧力15MPaに対し、被覆気流Aの噴射圧力が、0.3〜0.4MPaの範囲(つまり、主水流Pの噴射圧力の0.015倍〜0.030倍)のときには、通常のデスケーリングノズル101によるデスケを行ったときに比べて1.3倍程度のデスケーリング効率(スケール除去率)の向上効果が確認され、デスケーリング効率(スケール除去率)が向上していることがわかる。一方、この範囲を外れている、被覆気流Aの噴射圧力が0.1MPa、0.5MPaであるとスケール除去率が明らかに減少しており、通常のデスケーリングノズル101によるデスケに対するデスケーリング効率の向上効果が十分に得られていないことがわかる。
次に、上記デスケーリング装置10での条件設定およびこれを用いたデスケーリング方法、並びにその作用効果について説明する。
上記デスケーリング装置10でデスケーリングを行うに際しては、当該デスケの対象となる熱間圧延材Hの材質や板厚、圧延に応じて変わる噴射距離などを考慮してデスケーリング条件を設定する。この条件設定としては、例えば、デスケーリングノズル1の噴射角度θが10°以上30°未満に設定するとともに、噴射距離Sを100mm以上200mm未満に設定することができる。本実施形態では、デスケーリングノズル1の噴射角度θを25°、噴射距離Sを150mm、被覆気流の角度を5°に設定した。
特に、上記スケール除去比較実験の結果にも示したように、被覆気流Aの噴射圧力については、主水流である高圧水Pの噴射圧力の0.015倍〜0.030倍の範囲から設定することが好ましい。本実施形態では、主水流の噴射圧力を15MPaとし、被覆気流Aの噴射圧力を0.3MPaに設定した。デスケーリング装置10の条件設定を行った後、搬送ロール7上に載置された熱間圧延材Hを搬送方向Fに沿って搬送し、デスケーリングノズル1から高圧水として主水流Pを噴射するとともに、気流噴射装置30を用いて気流噴射ノズル31から主水流Pを被覆するように被覆気流Aを噴射し、熱間圧延材表面に生じたスケールを除去する。
このように、本実施形態のデスケーリング装置10によれば、パラメータとして圧力に基づいたデスケーリングの条件制御を行うに際し、被覆気流Aの噴射圧力を、主水流Pの噴射圧力の0.015倍〜0.030倍で噴射してデスケーリングを行うので、上記スケール除去比較実験の結果にも示したように、主水流Pの噴射圧力と被覆気流Aの噴射圧力との関係を適切に設定して、デスケーリング効率(スケール除去率)を向上させることができる。
また、噴射圧力の制御によって噴出速度を実質的に制御することができ、圧力制御であれば、主水流Pや被覆気流Aを供給する管路に圧力計5,6を付設すればよいので、パラメータとして圧力に基づいて実用上好適に制御することができる。そして、実用化における被覆気流Aの噴射圧力の好適範囲が明確なので、デスケの対象となる材料等に応じて、デスケーリング効率(スケール除去率)を向上させつつも、経済的な被覆気流の噴射圧力を設定することができる。
なお、本発明に係るデスケーリング装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、上記実施形態では、気流噴射ノズル31が複数の気流噴射口32を有する例を示したが、これに限らず、主水流を覆うように被覆気流を噴射可能であれば、例えば気流噴射ノズル31に対して気流噴射口32を一つとしてもよい。しかし、高圧水としてフラットパターンの主水流を噴射する場合に、その主水流を被覆する被覆気流を形成する上で、上記実施形態の例のように複数の気流噴射口32を配置することは好ましい。
また、例えば上記実施形態では、主噴射口1fの長軸軸線の上下それぞれに気流噴射ノズル31(気流噴射口32)を設けた例で説明したが、これに限らず、主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から主水流を被覆するための被覆気流を噴射する気流噴射口を配置することによっても、当該気流噴射口を配置した側からのエアアシスト効果を得ることができる。しかし、エアアシスト効果をより好適に得る上では、主噴射口1fの長軸軸線の上下それぞれに気流噴射ノズル31(気流噴射口32)を設けることが好ましい。
1 デスケーリングノズル
2 ヘッダ
3 高圧水供給路
4 圧縮気体供給路
5 (高圧水用の)圧力計
6 (圧縮気体用の)圧力計
7 搬送ロール
10 デスケーリング装置
30 気流噴射装置
31 気流噴射ノズル
32 気流噴射口
40 圧延機
41 圧延ロール
50 加熱炉
A 被覆気流
H 熱間圧延材
F 搬送方向
P 高圧水(主水流)
θ 噴射角度
S 噴射距離

Claims (2)

  1. 熱間圧延材に生じた表面スケールを高圧水の噴射により除去するデスケーリング装置であって、
    前記高圧水としてフラットパターンの主水流を噴射する主噴射口を有するデスケーリングノズルと、前記主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から前記主水流に沿って該主水流を覆うための被覆気流を噴射する気流噴射口を有する気流噴射装置とを備え、
    前記気流噴射口は、前記デスケーリングノズルの主噴射口よりも5〜100mm噴射方向の上流に設けられるとともに、前記デスケーリングノズルの中心軸に対して5°〜35°の角度で主水流側に向けて前記被覆気流を噴射するように構成されており、
    前記被覆気流の噴射圧力は、前記主水流の噴射圧力が15MPa以上のときに、前記主水流の噴射圧力の0.015倍〜0.030倍の範囲に設定されていることを特徴とするデスケーリング装置。
  2. 熱間圧延材に生じた表面スケールを高圧水の噴射により除去するデスケーリング方法であって、
    請求項1に記載のデスケーリング装置を用い、
    前記高圧水としてフラットパターンの主水流を噴射するとともに、その主水流の厚み方向の少なくとも一方の側から主水流に沿って該主水流を覆う被覆気流を噴射し、
    前記被覆気流の噴射圧力を、前記主水流の噴射圧力が15MPa以上のときに、前記主水流の噴射圧力の0.015倍〜0.030倍にすることを特徴とするデスケーリング方法。
JP2016062035A 2016-03-25 2016-03-25 デスケーリング装置およびデスケーリング方法 Active JP6603159B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062035A JP6603159B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 デスケーリング装置およびデスケーリング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062035A JP6603159B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 デスケーリング装置およびデスケーリング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017170511A JP2017170511A (ja) 2017-09-28
JP6603159B2 true JP6603159B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=59972626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016062035A Active JP6603159B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 デスケーリング装置およびデスケーリング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6603159B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7472473B2 (ja) * 2019-11-19 2024-04-23 株式会社Ihi 自動塗装システム
JP7417191B2 (ja) 2020-01-30 2024-01-18 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017170511A (ja) 2017-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4586682B2 (ja) 鋼板の熱間圧延設備および熱間圧延方法
KR101219195B1 (ko) 후강판의 제조 장치
JP6603159B2 (ja) デスケーリング装置およびデスケーリング方法
JP6310443B2 (ja) 圧延素材のデスケーラ
KR101691020B1 (ko) 후강판의 제조 방법 및 제조 설비
JP5906712B2 (ja) 熱鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法
JP5764936B2 (ja) 厚鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法
JP2010247227A (ja) 厚鋼板の製造設備及び製造方法
JP2006247714A (ja) 熱間圧延材のデスケーリング方法およびその装置
JP5834853B2 (ja) 鋼板のスケール除去用ノズルおよび鋼板のスケール除去装置並びに鋼板のスケール除去方法
RU2481907C2 (ru) Способ и устройство для удаления окалины с металлической полосы
CN106794500B (zh) 厚钢板的制造设备及制造方法
JP6350456B2 (ja) 熱間圧延鋼材のデスケーリング方法およびデスケーリング装置、熱間圧延鋼材の製造方法および製造装置
JP2004306064A (ja) 高温鋼板の冷却装置
EP2726225B1 (en) Device and method for the removal of scale from a metal product
JP2012512029A5 (ja)
JP5987816B2 (ja) 熱間圧延のデスケーリング設備、デスケーリング方法および熱延鋼板の製造方法
KR101820748B1 (ko) 압연소재의 디스케일러
JP5739367B2 (ja) デスケーリングシステム
JP2014083578A (ja) 熱間圧延鋼材のデスケ―リング用ノズル
JP6058976B2 (ja) 鋼板のデスケーリング水温の管理方法
JP5764935B2 (ja) 厚鋼板のデスケーリング設備およびデスケーリング方法
EP3187275B1 (en) Thick steel plate manufacturing method
JP2006326668A (ja) 熱間圧延における被圧延材裏面飛び込み疵の発生防止方法、熱間圧延ラインにおける粗圧延機の裏面飛び込み疵発生防止装置、ならびにその裏面飛び込み疵の発生防止装置を備えた熱間圧延ラインにおける粗圧延機。
CN110238210A (zh) 一种除去热轧钛板表面氧化钛皮的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191010

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6603159

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250