JP6598354B2 - 変性リグニン、エポキシ樹脂、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)リグニンを多価アルコールと酸触媒下加熱する工程を含む、変成リグニンの製造方法。
(2)多価アルコールがペンタエリスリトール又はジトリメチロールプロパンである、前記変成リグニンの製造方法。
(3)リグニンがアルデヒド基、アセタール構造又はエノールエーテル構造を含む請求項1に記載の変成リグニンの製造方法。
(4)炭化水素を用いる請求項1に記載の変成リグニンの製造方法。
(5)トルエンを用いる請求項1に記載の変成リグニンの製造方法。
(5)前記変成リグニン及びエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物。
(6)請求項1に記載の変成リグニンとエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ樹脂。
(1)リグニンを含有するバイオマスまたはバイオマスから分離したリグニンと多価アルコールを炭化水素溶媒に懸濁する。
(2)酸触媒を加え、生成する水又はアルコールを系外に留去しながら加熱する。
(4)反応溶液に水を加えろ過する。
(5)溶媒を水層と分離する。
(6)溶媒を留去し変性リグニンを得る。
該エポキシ樹脂は、上記手法によって得られた変性リグニンを溶剤中において、エピハロヒドリンと反応させ、エポキシ化することにより得られる。本発明の分解方法により得られた変性リグニンが種々の化合物の混合物である場合、得られる本発明のエポキシ樹脂も種々の化合物の混合物となる。
窒素パージを施したフラスコに(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(8.44g)を量りとり、THF(53mL)を加えた。反応溶液を氷浴で冷却し、カリウム tert−ブトキシド(4.6g)を加えた。10分間撹拌した後、THFに溶解させたシリンガアルデヒド(3.0g)を滴下して加えた。反応温度を室温に戻し、30分間撹拌した後に塩化アンモニウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで三回抽出した後に、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水した。ろ過で硫酸マグネシウムを取り除いた後、溶媒をエバポレーターで留去した。組成生物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン−酢酸エチル)で精製した。温度計、攪拌機、冷却管及びディーン・スターク装置を付したフラスコに、生成物(2.8g)、メタノールに溶解させたジトリメチロールプロパン(1.68g)、p−トルエンスルホン酸(20mg)、トルエン(75mL)を仕込み、70度で1.5時間、窒素をバブリングしながら反応を行った。この間に生成したメタノールは系外へ留去した。反応終了後、系内の温度を室温に下げ、水を加えた。次いで、水層を酢酸エチルで三回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。硫酸マグネシウムをろ過で取り除き、溶媒を減圧下、留去して、組成生物を得た。組成生物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、式(III)の架橋構造を有するビスフェノール化合物(2.7g)を得た。
木粉(ユーカリ、1.5φ)をマイクロ波反応容器に10g量りとり、トルエン(一級、純正化学株式会社)を120mL加えた。メタノールで100倍に希釈した硫酸(特級、純正化学株式会社)を13mL、メタノール(一級、純正化学株式会社)を17mL加えた。反応容器に蓋を取り付け、マイクロ波合成装置にセットした。マイクロ波を照射し、反応温度140℃で20分間加熱した。反応溶液の温度が室温まで下がった後に、水(75mL)を加え、桐山漏斗でろ過を行った。水層をトルエンで1回抽出し、有機層を塩水で洗浄し、ホモシリンガアルデヒドジメチルアセタール、ホモバニリルアルデヒドジメチルアセタールを含むリグニン溶液を得た。
実施例1で得られたリグニン溶液を温度計、攪拌機、冷却管及びディーン・スターク装置を付したフラスコに移し、メタノールに溶解させたジトリメチロールプロパン(202mg)、p−トルエンスルホン酸(10mg)を仕込み、50℃で2時間、窒素をバブリングしながら反応を行った。この間に生成したメタノールは系外へ留去した。反応終了後、系内の温度を室温に下げ、水(75mL)を加えた。次いで、水層を酢酸エチルで三回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。硫酸マグネシウムをろ過で取り除き、溶媒を減圧下、留去して、茶色粘性個体として本発明の変性リグニン(913mg、9wt%)を得た。
得られた変性リグニンのHMQC NMRを図1に示す。多価アルコールでの架橋構造を確認するために、標品である合成例1のHMQC NMRを図2に示す。図1と図2の比較から、得られた変性リグニン中に合成例1の化合物と同一の式(III)の架橋構造を有する変性リグニンが含まれていることがわかる。
攪拌機、還流冷却管、撹拌装置を備えたフラスコに、窒素パージを施しながら実施例2で得られた変性リグニン(0.9g)、エピクロロヒドリン(17.7g)、テトラエチルアンモニウムクロリド(14mg)、水(44mg)を加えて、90℃にまで昇温した。次いで30%水酸化ナトリウム水溶液(334mg)を添加した後、さらに60℃で30分間、75℃で30分間、90℃で30分間反応を行った。反応終了後水洗いを行い、有機層の溶媒を留去した。残留物にメチルイソブチルケトン(21mL)を加え溶解し、75℃にまで昇温した。撹拌下で30%水酸化ナトリウム水溶液(15mg)を加え、2時間反応を行った後、有機層を水洗いし、得られた有機層からロータリーエバポレーターを用いて、メチルイソブチルケトン等の溶媒を留去することで本発明のエポキシ樹脂(0.81g、90wt%)を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は387g/eqであった。
木粉をユーカリの代わりにスギを用いた以外は実施例1及び2と同様の操作を行い、本発明の変性リグニンを粘性茶色個体として6wt%の収率で得た。HMQC NMRにて実施例2と同一の式(III)の架橋構造を有する変性リグニンであることを確認した。
実施例4で得られた変性リグニン(0.9g)を用いたほかは実施例3と同様にして本発明のエポキシ樹脂(70wt%)を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は396g/eqであった。
実施例3、5で得られた本発明のエポキシ樹脂とフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製H−1、水酸基当量103g/eq.)をエポキシ基と水酸基が当量比で1対1となるよう混合し、メチルエチルケトンに溶解させた。1wt%のトリフェニルホスフィンを加えた後に、溶媒を110℃、10分間乾燥させ、示唆走査熱量計により硬化物のガラス転移温度を測定した。結果を表1に示す。
Claims (1)
- アルデヒド基又はアセタール構造を含むリグニンをジトリメチロールプロパンと硫酸触媒下加熱する工程を含む、変成リグニンの製造方法。
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