JP6182369B2 - リグニン分解物の製造方法 - Google Patents
リグニン分解物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6182369B2 JP6182369B2 JP2013131942A JP2013131942A JP6182369B2 JP 6182369 B2 JP6182369 B2 JP 6182369B2 JP 2013131942 A JP2013131942 A JP 2013131942A JP 2013131942 A JP2013131942 A JP 2013131942A JP 6182369 B2 JP6182369 B2 JP 6182369B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lignin
- raw material
- less
- degradation product
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
Description
すなわち、本発明は、以下[1]〜[2]に関する。
[1] 下記工程(1)〜(3)を有する、リグニン分解物の製造方法。
工程(1):リグノセルロース原料を酵素により糖化処理して糖化残渣を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた糖化残渣を、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理して、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた加熱処理液を固液分離して、不溶分を除去し、リグニン分解物を得る工程
[2]前記[1]の方法により得られたリグニン分解物。
本発明のリグニン分解物の製造方法は、下記工程(1)〜(3)を有する。
工程(1):リグノセルロース原料を酵素により糖化処理して糖化残渣を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた糖化残渣を、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理して、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた加熱処理液を固液分離して、不溶分を除去し、リグニン分解物を得る工程
工程(1)は、リグノセルロース原料を酵素により糖化処理して糖化残渣を得る工程である。
工程(1)において使用されるリグノセルロース原料とは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含む植物系のバイオマスをいう。
リグノセルロース原料としては、カラマツやヌクスギなどの針葉樹、アブラヤシ、ヒノキなどの広葉樹から得られる木材チップなどの各種木材;木材から製造されるウッドパルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプなどのパルプ類;バガス(サトウキビの搾りかす)、稲わら、とうもろこし茎・葉、パーム空果房(Empty Fruit Bunch、以下「EFB」という)などの植物茎・葉・果房類;籾殻、パーム殻、ココナッツ殻などの植物殻類;新聞紙、ダンボール、雑誌、上質紙などの紙類;ジャイアントケルプ、コンブ、ワカメ、ノリ、マクサ、スピルリナ、ドナリエラ、クロレラ、セネデスムスなどの藻類などが挙げられる。これらのリグノセルロース原料は、1種単独でも、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、リグニン分解物の収率向上、糖化効率の向上の観点、入手容易性及び原料コストの観点から、木材、紙類、植物茎・葉・果房類、植物殻類、及び藻類が好ましく、針葉樹チップ、広葉樹チップ、バガス、稲わら、とうもろこし茎・葉、EFB、籾殻、パーム殻、ココナッツ殻、紙類、及び藻類がより好ましく、バガス、EFB、及びアブラヤシの幹から得られる木材チップが更に好ましく、バガスがより更に好ましい。
リグノセルロース原料は、糖化効率の向上、リグニン分解物の収率向上及びリグニンの変性抑制の観点から、酵素で糖化処理する前に、前処理されていることが好ましい。好ましい前処理としては、粉砕処理又は水熱処理が挙げられ、より好ましくは粉砕処理である。
リグノセルロース原料の前処理として粉砕処理することにより、リグノセルロース原料を小粒子化し、リグノセルロース原料に含まれるセルロースの結晶構造が破壊されるので、糖化効率が向上する。
粉砕処理を行う場合、リグノセルロース原料中の水分量は、リグノセルロース原料の粉砕効率、及びリグニン分解物の収率向上の観点から、リグノセルロース原料の乾燥重量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。なお、リグノセルロース原料中の水分量を0質量%にすることは困難であるため、生産性の観点から、該水分量はリグノセルロース原料の乾燥重量に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である。
リグノセルロース原料中の水分量は、市販の赤外線水分計などを用いて測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
粉砕機の具体例としては、高圧圧縮ロールミルや、ロール回転ミルなどのロールミル、リングローラーミル、ローラーレースミル又はボールレースミルなどの竪型ローラーミル、転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル又は遠心流動化ミルなどの容器駆動式媒体ミル、塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル又はアニュラー式ミルなどの媒体攪拌式ミル、高速遠心ローラーミルやオングミルなどの圧密せん断ミル、乳鉢、石臼、マスコロイダー、フレットミル、エッジランナーミル、ナイフミル、ピンミル、カッターミルなどが挙げられる。これらの中では、リグノセルロース原料の粉砕効率、及び生産性の観点から、容器駆動式媒体ミル又は媒体攪拌式ミルが好ましく、容器駆動式媒体ミルがより好ましく、振動ボールミル、振動ロッドミル又は振動チューブミルなどの振動ミルが更に好ましく、振動ロッドミルがより更に好ましい。
粉砕処理に用いられる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどのアルカリ金属酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属酸化物、硫化ナトリウム、硫化カリウムなどのアルカリ金属硫化物、硫化マグネシウム、硫化カルシウムなどのアルカリ土類金属硫化物などが挙げられる。これらのうち、酵素糖化率向上の観点から、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を用いることがより好ましく、アルカリ金属水酸化物を用いることが更に好ましく、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いることがより更に好ましい。これらの塩基性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
粉砕処理時の水分量は、リグノセルロース原料の乾燥重量に対する水分量を意味し、乾燥処理などによりリグノセルロース原料、塩基性化合物に含まれる水分量を低減することや、粉砕処理時に水を添加して水分量を上げることなどにより、適宜調整することができる。
水熱処理とは、加圧条件下で高温の水溶液をリグノセルロース原料に作用させる処理である。水熱処理は、公知の反応装置を用いて行うことができ、用いられる反応装置に特に制限はない。
水熱処理方法としては、バッチ式、連続式のどちらでもよい。
なお、水熱処理で得られたリグノセルロース原料は、湿潤状態のものでもよく、さらに乾燥処理して得られたものでもよいが、糖化効率向上の観点から、湿潤状態のものが好ましい。
工程(1)の糖化処理に用いられる酵素としては、糖化効率の向上、及びリグニン分解物の収率向上の観点から、セルラーゼやヘミセルラーゼが挙げられる。これらの酵素は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、セルラーゼとは、セルロースのβ−1,4−グルカンのグリコシド結合を加水分解する酵素を指し、エンドグルカナーゼ、エクソグルカナーゼまたはセロビオハイドロラーゼ、及びβ−グルコシダーゼなどと称される酵素の総称である。本発明に使用されるセルラーゼとしては、市販のセルラーゼ製剤や、動物、植物、及び微生物由来のものが含まれる。
これらの中で、糖化効率の向上、及びリグニン分解物の収率向上の観点から、好ましくはトリコデルマ リーゼ(Trichoderma reesei)、トリコデルマ ビリデ(Trichoderma viride)、あるいはフミコーラ インソレンス(Humicola insolens)由来のセルラーゼ、例えばセルクラスト1.5L(ノボザイムズ社製、商品名)、TP−60(明治製菓株式会社製、商品名)、CellicCTec2(ノボザイムズ社製、商品名)、Accellerase DUET(ジェネンコア社製、商品名)、あるいはウルトラフロL(ノボザイムズ社製、商品名)が挙げられる。
例えば、前記酵素を使用し、リグノセルロース原料を基質とする場合は、0.5〜20%(w/v)の基質懸濁液に対して前記酵素を0.001〜15%(v/v)となるように添加し、pH2〜10の緩衝液中、反応温度10℃以上、90℃以下で、反応時間30分以上、5日間以下で反応させることにより糖化処理を行うことができる。
上記緩衝液のpHは、用いる酵素の種類により適宜選択することが好ましく好ましくはpH3以上、より好ましくはpH4以上、そして好ましくはpH7以下、より好ましくはpH6以下である。
また、上記反応温度は、用いる酵素の種類により適宜選択することが好ましく、好ましくは20℃以上、より好ましくは40℃以上であり、そして好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
さらに、上記反応時間は、用いる酵素の種類により適宜選択することが好ましく、好ましくは0.5日間以上であり、そして好ましくは3日間以下、より好ましくは2日間以下である。
リグノセルロース原料を酵素により糖化処理することにより、糖化残渣が得られる。ここで糖化残渣とは、酵素糖化処理後の混合物を遠心分離等の固液分離手段により分離した、固形成分のことである。この固形成分は、水で数回洗浄することで水溶性の多糖類を除去できる。その後、湿潤状態で次の工程(2)を行ってもよいし、乾燥させることで、糖化残渣を粉末化してもよい。生産効率向上の観点からは、湿潤状態で次の工程(2)を行うことが好ましい。また、乾燥処理を行う場合は、リグニンの変性抑制の観点から、100℃以下で乾燥することが好ましく、凍結乾燥することがより好ましい。
工程(2)は、前述の糖化残渣を、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理して、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程である。また、工程(2)は、二段階処理として、工程(1)で得られた糖化残渣を、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理した後(一段目の処理)、酸を含む、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理(二段目の処理)することにより、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程であることが、高純度のリグニン分解物を収率よく得る観点から好ましい。前記二段階処理では、一段目の処理は、工程(1)で得られた糖化残渣を、酸無添加で2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理し、二段目の処理は一段目の処理で得られた加熱処理液に酸を添加し、さらに加熱処理することが好ましい。
工程(2)では、溶媒として、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコールから選ばれる1種以上を使用する。工程(2)で用いる2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒は、高純度のリグニン分解物を収率よく得る観点及び経済性の観点から、好ましくは2価以上、4価以下の脂肪族多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは2価以上、3価以下の脂肪族多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは2価の脂肪族多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上である。
本発明に用いる脂肪族多価アルコールの炭素数は、高純度のリグニン分解物を収率よく得る観点及び経済性の観点から、好ましくは2以上であり、そして好ましくは6以下、より好ましくは4以下であり、更に好ましくは3以下である。
これらの脂肪族多価アルコールとしては、リグニン分解物の抽出効率向上、経済性の観点から、好ましくはエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びグリセリンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはエチレングリコール及びグリセリンからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはエチレングリコールである。
用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、パラトルエンスルホン酸(PTSA)、酢酸、クエン酸等の有機酸、塩化アルミニウム、金属トリフラート類などのルイス酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸などの脂肪酸、ヘテロポリ酸などが挙げられる。これらのうち、高純度のリグニン分解物を収率よく得る観点及び低分子量のリグニン分解物を得る観点から、塩酸、硫酸、PTSA、塩化アルミニウム、リン酸、及び酢酸から選ばれる1種以上が好ましく、リン酸、酢酸、及び塩酸から選ばれる1種以上がより好ましく、塩酸が更に好ましい。
なお、前記酸や塩基は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸又は塩基の含有量は、リグニン分解物の収率向上及びリグニン分解物の分子量制御の観点から、工程(2)で用いる溶媒に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、そして好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
工程(2)で用いられる加熱装置としては、高純度のリグニン分解物を収率よく得る観点から、オートクレーブ又はマイクロ波加熱装置が好ましい。
工程(3)は、前記工程(2)で得られたリグニン分解物を含有する加熱処理液を固液分離して、不溶分を除去し、リグニン分解物を得る工程である。
リグニン分解物を得る方法としては、工程(2)で得られた加熱処理液を固液分離し、不溶分を除去し、液体分に含まれるリグニン分解物を得る工程を少なくとも含む方法であれば、特に限定されないが、ろ過、遠心分離などの固液分離の他に、溶媒留去、洗浄、乾燥等の工程を適宜組み合わせることができる。ろ過は、該加熱処理液に適宜溶媒を加えてからろ過する方法でも、溶媒を加えずに該加熱処理液をそのままろ過する方法でもよい。また前記工程(2)で酸や塩基を添加した場合は、中和する工程を含む。これらの工程は、常法により行うことができる。例えば、前記工程(2)で得られた加熱処理液の固液分離により不溶分を除去し、液体分に含まれる前記有機溶媒及び水を減圧留去し、得られた残渣を水洗し、リグニン分解物を得る方法が挙げられる。溶媒留去後の残渣を水洗することで、水溶性の多糖類等を除去することができ、リグニン分解物のリグニン純度を高めることができる。
本発明の製造方法により得られるリグニン分解物は、リグニン純度が高いので、産業上有利に利用することが可能である。すなわち多糖類の含有率が低いため、有機溶媒を含む種々の溶媒への溶解性が高くなり、例えばリグニン分解物を誘導体化反応などに付す場合に、均一系で反応を進めることができるため、格段に反応効率を向上させることができる。
また、得られたリグニン分解物は、リグニン構造中に脂肪族水酸基を豊富に有する。これは、工程(2)で用いる溶媒として、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコールから選ばれる1種以上を用いた結果、単なる溶媒として作用しただけではなく、該脂肪族多価アルコールが糖化残渣と反応したためと考えられる。従って、本発明の製造法により得られたリグニン分解物は、脂肪族水酸基を豊富に有するために、高分子として使用目的に応じた化学修飾や誘導体化を有利に行うことができるだけでなく、水酸基を含有する芳香族低分子化合物への変換も容易に行うことができる。よって、本発明で得られたリグニン分解物は、そのまま、抗菌剤、農薬、及び熱硬化性樹脂、セメント分散剤、蓄電池用分散剤、香粧品用途の添加剤、その他の機能性材料として利用することができる。
本発明の製造方法により得られるリグニン分解物の重量平均分子量は、例えば、1,000〜40,000の範囲であり、リグニン分解物の用途に応じて、適宜分子量を選択して使用することができる。
[1] 下記工程(1)〜(3)を有する、リグニン分解物の製造方法。
工程(1):リグノセルロース原料を酵素により糖化処理して糖化残渣を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた糖化残渣を、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコールの溶媒中で加熱処理して、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた加熱処理液を固液分離して、不溶分を除去し、リグニン分解物を得る工程
[3] 工程(2)で用いる2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコールが、好ましくはエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びグリセリンからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはエチレングリコール及びグリセリンからなる群から選ばれる1種以上、更に好ましくはエチレングリコールである、上記[1]又は[2]に記載のリグニン分解物の製造方法。
[4] 工程(2)で用いる2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒の使用量が、糖化残渣の固形分に対し、好ましくは2質量倍以上、より好ましくは5質量倍以上、更に好ましくは10質量倍以上、更に好ましくは15質量倍以上であり、そして好ましくは40質量倍以下、より好ましくは30質量倍以下である、上記[1]〜[3]に記載のリグニン分解物の製造方法。
[5] 工程(2)で用いる溶媒が、好ましくはさらに酸又は塩基を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[6] 工程(2)が、工程(1)で得られた糖化残渣を2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理した後、酸を含む、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理することにより、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程である、上記[5]記載のリグニン分解物の製造方法。
[7] 酸又は塩基が、好ましくは酸、より好ましくは塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、塩化アルミニウム、リン酸、及び酢酸から選ばれる1種以上、より好ましくはリン酸、酢酸、及び塩酸から選ばれる1種以上、更に好ましくは塩酸である、上記[5]又は[6]に記載のリグニン分解物の製造方法。
[8]酸又は塩基の含有量が、工程(2)で用いる溶媒に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上であり、そして好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である、上記[5]〜[7]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[9] 工程(2)の加熱処理温度が、好ましくは40℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは120℃以上であり、そして好ましくは300℃以下、より好ましくは250℃以下、更に好ましくは200℃以下であり、更に好ましくは180℃以下である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[10]工程(2)における加熱時の反応圧力が、好ましくは0.01MPa以上、より好ましくは0.05MPa以上、更に好ましくは0.1MPa以上であり、そして好ましくは30MPa以下、より好ましくは10MPa以下、更に好ましくは5MPa以下、更に好ましくは1MPa以下である、上記[1]〜[9]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[11]工程(2)の加熱処理時間が、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは10分以上であり、そして好ましくは4時間以下、より好ましくは3時間以下、更に好ましくは2時間以下、更に好ましくは1時間以下である、上記[1]〜[10]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[13] 粉砕処理における、リグノセルロース原料中の水分量が、リグノセルロース原料の乾燥重量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下であり、そして好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上である、上記[12]に記載のリグニン分解物の製造方法。
[14] 粉砕時間が、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは5分以上、更に好ましくは1時間以上であり、そして好ましくは12時間以下、より好ましくは6時間以下、更に好ましくは3時間以下である、上記[12]又は[13]に記載のリグニン分解物の製造方法。
[15] 塩基性化合物の存在下で粉砕処理する、上記[12]〜[14]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[16] 粉砕処理時の水分量が、リグノセルロース原料の乾燥重量に対して0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である、上記[12]〜[15]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[18] リグノセルロース原料が、好ましくは針葉樹チップ、広葉樹チップ、バガス、稲わら、とうもろこし茎・葉、パーム空果房(EFB)、籾殻、パーム殻、ココナッツ殻、紙類、及び藻類からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはバガス、EFB、及びアブラヤシの幹から得られる木材チップ、更に好ましくはバガスである、上記[1]〜[17]のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
[19] 上記[1]〜[18]のいずれかに記載の製造方法により得られたリグニン分解物。
粉砕したリグノセルロース原料を、エタノール−ジクロロエタン混合溶剤(1:1、質量比)で6時間ソックスレー抽出を行い、抽出後のサンプルを60℃で真空乾燥した。得られた試料2.5gに水150mL、亜塩素酸ナトリウム1.0g及び酢酸0.2mLを添加し、70〜80℃で1時間加温した。引き続き亜塩素酸ナトリウム及び酢酸を添加して加温する操作を、試料が白く脱色するまで3〜4回繰り返し行った。白色の残渣をグラスフィルター(1G−3)でろ過し、冷水及びアセトンで洗浄した後、105℃で恒量になるまで乾燥し、残渣重量を求めた。下記式によりホロセルロース含有量を算出し、これをセルロース含有量とした。
セルロース含有量(質量%)=[残渣重量(g)/リグノセルロース原料の採取量(g:乾燥原料換算)]×100
AGUモル数は、リグノセルロース原料中のホロセルロースをすべてセルロースと仮定して、以下の式に基づき算出した。
AGUモル数=ホロセルロース重量(g)/162
リグノセルロース原料の水分量の測定には、赤外線水分計「FD−610」(株式会社ケット科学研究所製)を使用した。150℃にて測定を行い、30秒間の重量変化率が0.1%以下となる点を測定の終点とした。測定された水分量の値を、リグノセルロース原料の乾燥重量に対する質量%に換算した。
X線回折強度は、株式会社リガク製の「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」を用いて以下の条件で測定し、以下計算式(1)に基づいてセルロースI型結晶化度を算出した。
測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation,管電圧:40kv,管電流:120mA,測定範囲:2θ=5〜45°で測定した。測定用サンプルは面積320mm2×厚さ1mmのペレットを圧縮し作製した。X線のスキャンスピードは10°/minで測定した。
〔セルロースI型結晶化度〕
セルロースI型結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したもので、下記計算式(1)により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−950」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。測定条件は、粒径測定前に超音波で1分間処理し、測定時の分散媒体として水を用い、体積基準のメジアン径を、室温にて測定した。
リグノセルロース原料中のリグニン含有量は、下記式により算出した。なお、工程(2)の初期基質である酵素糖化残渣、および工程(2)の最終残渣についても、リグニン含有量の測定方法は同様である。
リグニン含有量(g)=〔真の酸不溶性リグニン含率(%)+酸可溶性リグニン含率(%)〕×試料採取量(乾基準)(g)/100
ここで、真の酸不溶性リグニン含率及び酸可溶性リグニン含率は、以下に示す方法により算出した。
真の酸不溶性リグニン含率は、下記式により、粗酸不溶性リグニン中の灰分率を差し引いて算出した。
真の酸不溶性リグニン含率(%)=粗酸不溶性リグニン含率(%)×〔100−灰分率(%)〕/100
粉砕したリグノセルロース原料を、60℃で真空乾燥した。この乾燥試料300mgをバイアルに入れ、72%硫酸を3ml加えて30℃の水浴中で1時間適宜撹拌した。その後、水84mlを加えて耐圧瓶に移し、オートクレーブを用いて120℃で1時間処理を行った。その後、試料が70℃以下にならないうちに取り出し、予め恒量を測定しておいた1G−3のガラスフィルターを用いて吸引ろ過を行った。ろ液(A)は保管し、残渣が付着したガラスフィルターはよく水洗した後、105℃で乾燥して、恒量を測定し、粗酸不溶性リグニン採取量(乾基準)を求めた。
粗酸不溶性リグニン含率(%)=〔リグニン残査重量(g)/試料採取量(乾基準)(g)〕×100
粗酸不溶性リグニンを予め恒量を測定したるつぼに移し、575℃で12時間保持し、その後冷却して、るつぼの恒量を測定し、灰化後試料重量を求め、下記式により灰分率を求めた。
灰分率(%)=〔灰化後試料重量(g)/粗酸不溶性リグニン採取量(乾基準)(g)〕×100
酸可溶性リグニンの測定は以下の方法により行った。
ろ液(A)を100mlに定容し、UV−Vis吸光光度計を用いて、205nmにおける吸光度を測定した。この時、吸光度が0.3〜0.8になるように適宜希釈した。
酸可溶性リグニン含率(%)=d×v×(As−Ab)/(a×w)×100
d:希釈倍率、v:ろ液定容量(L)、As:試料溶液の吸光度、Ab:ブランク溶液の吸光度、a:リグニンの吸光係数、w:試料採取量(乾基準)(g)
リグニンの吸光係数(a)は、参考資料(「リグニン化学研究法」、ユニ出版株式会社発行)において、既報の平均値として記載されている値110L/g/cmを用いた。
リグニン収率は下記のように算出した。
(工程(2)において酵素糖化残渣を原料とした場合)
リグニン収率(質量%)=〔(酵素糖化残渣の仕込み質量(g)×酵素糖化残渣中のリグニン含量(%))―(工程(2)で得られた最終残渣の質量(g)×工程(2)で得られた最終残渣のリグニン含率(%))〕/〔酵素糖化残渣の仕込み質量(g)×酵素糖化残渣中のリグニン含量(%)〕×100×K
K(%)=〔酵素糖化残渣の回収量(g)×酵素糖化残渣中のリグニン含量(%)〕/〔リグノセルロース原料の仕込み質量(g)×リグノセルロース原料中のリグニン含量(%)〕
なお、工程(2)で得られた最終残渣とは、工程(2)で得られる加熱処理液中の不溶分のことである。
(工程(2)において塩基性化合物添加粉砕バガスまたは粉砕バガスを原料とした場合)
リグニン収率(質量%)=〔(塩基性化合物添加粉砕バガスまたは粉砕バガスの仕込み質量(g)×塩基性化合物添加粉砕バガスまたは粉砕バガス中のリグニン含量(%))―(工程(2)で得られた最終残渣の質量(g)×工程(2)で得られた最終残渣のリグニン含率(%))〕/〔塩基性化合物添加粉砕バガスまたは粉砕バガスの仕込み質量(g)×塩基性化合物添加粉砕バガスまたは粉砕バガス中のリグニン含量(%)〕
リグニン純度は下記のように算出した。
リグニン純度(質量%)=リグニン含有量(g)×〔真の酸不溶性リグニン含率(%)+酸可溶性リグニン含率(%)〕
各リグニン分解物20mg(乾重量)を重クロロホルム/ピリジン(体積比1:1.6)混合溶媒500μLに溶解させて、0.0123mmol/mLシクロヘキサノールの重クロロホルム/ピリジン(体積比1:1.6)混合溶媒溶液100μLを添加して、2−chloro−4,4,5,5−tetramethyl−1,3,2−dioxophospholane 100μLを添加した。反応液を1時間25℃で攪拌した後、1mLメスフラスコに入れ、クロム(III)アセチルアセトナートの重クロロホルム/ピリジン(体積比1:1.6)混合溶媒溶液100μLを添加して、1mLにメスアップした試料を、31P−NMR測定を行った。パルス遅延時間:30秒、積算回数:256回、温度:25℃での条件で測定して得られたチャート中の、シクロヘキサノールリン化物の積分値と物質量を内部標準にして、脂肪族水酸基の積分値から換算物質量を算出した。
(前処理)
リグノセルロース原料として、バガス(サトウキビの搾りかす、水分量7.0%)を減圧乾燥機「VO−320」(アドバンテック東洋株式会社製)の中に入れ、窒素流通下の条件で2時間減圧乾燥し、水分量2.0%、ホロセルロース含有量71.3質量%、リグニン含有量22.8%の乾燥バガスを得た。
得られた乾燥バガス100gと、粒径0.7mmの粒状の水酸化ナトリウム「トーソーパール」(東ソー株式会社製)8.8g(ホロセルロースを構成するAGU1モルに対し0.5モル相当量)とを、バッチ式振動ミル「MB−1」(中央化工機株式会社製:容器全容積3.5L、ロッドとして、φ30mm、長さ218mm、断面形状が円形のSUS304製ロッド、ロッド充填率57%)に投入し、水冷しながら2時間粉砕処理して粉砕バガス(セルロースI型結晶化度2%、平均粒径56.6μm)を得た。得られた粉砕バガス100g(塩基性化合物を除いた乾燥原料換算)を、1.0M 塩酸で中和した。
粉砕バガス100gを2.0Lの100mM酢酸緩衝液(pH5.0)に投入し、セルラーゼ・ヘミセルラーゼ製剤「Cellic CTec 2」(ノボザイム社製)を20ml添加し、50℃に保ちながら600rpmで撹拌し酵素糖化を行った。24時間後に反応を終了させ、遠心分離により上清と糖化残渣に分離した。糖化残渣は洗浄・遠心分離を繰り返し行い、凍結乾燥させた。上述の方法により糖化残渣のリグニン含有量を測定した。
糖化残渣(絶乾重量780mg)を反応容器(容量20ml)に取り、溶媒としてグリセリンを21.4g加えて密閉した後、160℃、0.2MPaで30分間、900rpmで撹拌しながらマイクロ波加熱装置「Initiator 60」(バイオタージ・ジャパン株式会社製)を用いてマイクロ波加熱を行い、加熱処理液を得た。
工程(2)で得られた加熱処理液を、蒸留水300ml中にデカンテーションして、混合液を充分良く攪拌した。残渣を濾過し、充分に水で洗浄した後、アセトン、水、及びアセトン/水混合溶媒で抽出液が透明になるまで洗浄した。ろ液および洗浄により得られた抽出液を集め、抽出液に含まれる溶媒を減圧留去した。得られた固形分を再度水で洗浄し、遠心分離して得られた水不溶分を凍結乾燥してリグニン分解物を得た。結果を表1に示す。
工程(2)で、溶媒としてエチレングリコール18.9gを用いた以外は、実施例1と同様の条件でリグニン分解物を得た。結果を表1に示す。
工程(2)で、酸として4.0M塩化水素ジオキサン溶液200μLを溶媒とともに添加した点と、そして工程(2)後に、工程(3)で集めた抽出液に1.0M 水酸化ナトリウムを800μL添加して中和した点以外は、実施例1と同様の条件でリグニン分解物を得た。結果を表1に示す。
工程(2)で、溶媒としてグリセリン21.4gを用いて密閉した後、160℃、0.2MPaで30分間、900rpmで撹拌しながらマイクロ波加熱装置を用いてマイクロ波加熱を行った後に、反応容器を開放して、4.0M塩化水素ジオキサン溶液200μLを溶媒に添加して再度密封し、160℃、0.2MPaで30分間、900rpmで撹拌した以外は、実施例1と同様の条件でリグニン分解物を得た。結果を表1に示す。
実施例1と同様の手順により得られた粉砕バガス100g(塩基性化合物を除いた乾燥原料換算)を、1.0M 塩酸で中和した。次に工程(1)を行わず、工程(2)の原料として前記で得た粉砕バガスを用いた以外は、実施例1と同様の条件で行った。結果を表1に示す。
工程(2)で、溶媒にエタノール22.8gを用いた以外は、実施例1と同様の条件でリグニン分解物を得た。結果を表1に示す。
工程(2)で、溶媒にアセトン20.3gを用いた以外は、実施例1と同様の条件でリグニン分解物を得た。結果を表1に示す。
なお、実施例4のように、工程(2)において酸無添加で、脂肪族多価アルコール溶媒で加熱処理した後に、酸を添加して更に加熱処理すると、高純度のリグニンを、他の実施例よりもさらに高収率で得られることがわかった。
Claims (10)
- 下記工程(1)〜(3)を有する、リグニン分解物の製造方法。
工程(1):リグノセルロース原料を酵素により糖化処理して糖化残渣を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた糖化残渣を、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理して、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程
工程(3):工程(2)で得られた加熱処理液を固液分離して、不溶分を除去し、リグニン分解物を得る工程 - 工程(2)で用いる2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコールが、2価以上、3価以下の脂肪族多価アルコールである、請求項1に記載のリグニン分解物の製造方法。
- 工程(2)で用いる2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコールが、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、及びグリセリンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載のリグニン分解物の製造方法。
- 工程(2)で用いる溶媒が、さらに酸又は塩基を含む、請求項1〜3のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
- 工程(2)が、工程(1)で得られた糖化残渣を2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理した後、酸を含む、2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒中で加熱処理することにより、リグニン分解物を含有する加熱処理液を得る工程である、請求項4記載のリグニン分解物の製造方法。
- 工程(2)で用いる2価以上、6価以下の脂肪族多価アルコール溶媒の使用量が、糖化残渣の固形分に対し、2質量倍以上、40質量倍以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
- 工程(2)の加熱処理温度が、40℃以上、300℃以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- リグノセルロース原料を、酵素で糖化処理する前に、粉砕処理又は水熱処理によって前処理する、請求項1〜7のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
- 酵素が、セロビオハイドロラーゼ、β−グルコシダーゼ、エンドグルカナーゼ及びヘミセルラーゼからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜8のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
- リグノセルロース原料が、針葉樹チップ、広葉樹チップ、バガス、稲わら、とうもろこし茎・葉、パーム空果房(EFB)、籾殻、パーム殻、ココナッツ殻、紙類、及び藻類からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜9のいずれかに記載のリグニン分解物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131942A JP6182369B2 (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | リグニン分解物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013131942A JP6182369B2 (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | リグニン分解物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015006999A JP2015006999A (ja) | 2015-01-15 |
JP6182369B2 true JP6182369B2 (ja) | 2017-08-16 |
Family
ID=52337610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013131942A Active JP6182369B2 (ja) | 2013-06-24 | 2013-06-24 | リグニン分解物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6182369B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6598354B2 (ja) * | 2015-06-24 | 2019-10-30 | 日本化薬株式会社 | 変性リグニン、エポキシ樹脂、およびその製造方法 |
KR102075375B1 (ko) * | 2017-09-06 | 2020-03-02 | 한국화학연구원 | 바이오폴리머 제조용 당화잔사의 제조 방법 |
KR101831966B1 (ko) * | 2017-10-27 | 2018-02-23 | 경상대학교산학협력단 | 휴믹화된 리그닌 전환체의 생산 방법 |
JP7013009B2 (ja) * | 2018-01-31 | 2022-02-15 | 学校法人福岡大学 | セルロース含有材料の製造方法およびバイオエタノールの製造方法、ならびに、リグニン含有グリセリンの製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2509778C2 (ru) * | 2008-03-14 | 2014-03-20 | Вирджиния Тек Интелекчуэл Пропертиз, Инк. | Метод и аппарат предварительной обработки лигноцеллюлозы с применением сверхрастворителя целлюлозы и легколетучих растворителей |
CN101285106B (zh) * | 2008-06-10 | 2010-08-18 | 南京工业大学 | 一种高效水解木质纤维素类生物质同时制备多组分糖液及木质素的方法 |
JP5531276B2 (ja) * | 2009-10-14 | 2014-06-25 | 国立大学法人京都大学 | 紫外線吸収剤 |
US8911976B2 (en) * | 2010-03-08 | 2014-12-16 | Forestry And Forest Products Research Institute | Lignin-based enzyme stabilizer |
JP5720131B2 (ja) * | 2010-07-06 | 2015-05-20 | 王子ホールディングス株式会社 | リグニンの製造方法及びその組成物 |
JP5685959B2 (ja) * | 2011-01-26 | 2015-03-18 | 王子ホールディングス株式会社 | リグノセルロース含有バイオマスからの有価物の製造方法 |
-
2013
- 2013-06-24 JP JP2013131942A patent/JP6182369B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015006999A (ja) | 2015-01-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6007081B2 (ja) | リグニン分解物の製造方法 | |
JP6182368B2 (ja) | リグニン分解物の製造方法 | |
ES2393164T3 (es) | Procedimiento de producción de sacárido | |
JP5442284B2 (ja) | 草本系バイオマスの酵素加水分解処理の前処理方法及び草本系バイオマスを原料とするエタノール製造方法 | |
JP6247030B2 (ja) | 紫外線吸収剤 | |
JP5136984B2 (ja) | 糖の製造方法 | |
Valladares-Diestra et al. | Citric acid assisted hydrothermal pretreatment for the extraction of pectin and xylooligosaccharides production from cocoa pod husks | |
JP6182369B2 (ja) | リグニン分解物の製造方法 | |
CN1952162A (zh) | 蒸汽爆破与超微粉碎协同预处理提高稻草酶解率的方法 | |
JP6353225B2 (ja) | 担子菌を原料としたβ−グルカン含有組成物の製造方法 | |
JP2013215187A (ja) | 糖の製造方法 | |
JP5019421B2 (ja) | 糖の製造方法 | |
JP2015157792A (ja) | リグニン分解物の製造方法 | |
CN103898179A (zh) | 一种采用含纤维素原料制备还原糖的方法 | |
CA2866826C (en) | Process for the production of organic compounds from plant species | |
CN101463571A (zh) | 一种木质纤维材料超高压爆破前处理方法 | |
JP5385561B2 (ja) | 糖の製造方法 | |
CN112878085A (zh) | 一种用大麻皮制备纳米纤维素的方法 | |
JP2013221149A (ja) | リグニン分解物の製造方法 | |
JP2014117207A (ja) | 糖の製造方法 | |
JP6474150B2 (ja) | バイオマス原料の糖化方法 | |
Nazir et al. | Extraction and Characterization of Microcrystalline Cellulose from Walnut, Almond and Apricot Stone Shells. | |
KR101458674B1 (ko) | 양황철나무를 이용하는 글루코오스 제조방법 | |
JP2010259392A (ja) | 植物原料糖化前処理方法及びエタノールの製造方法 | |
JP2014117208A (ja) | 糖の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20161129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170130 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170704 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170724 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6182369 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |